JP3766149B2 - プリント配線板用長尺基材の外形加工方法及び外形加工金型 - Google Patents

プリント配線板用長尺基材の外形加工方法及び外形加工金型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板用長尺基材の外形加工方法及びそれに使用される外形加工金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ICカードの製造等に用いられているプリント配線板用長尺基材は、ボンディングホールの形成、導体パターンのエッチング、めっき層の形成、電子部品の実装、モールド加工等の工程を経て、最終製品に加工されている。
【0003】
この種の長尺基板としては、従来、プリント配線板の1個分の幅(短手方向の幅)を有するものが広く用いられてきた。しかし、近年では外形加工の効率化を図るために、プリント配線板の複数個分の幅を有するものも採用されている。
【0004】
このような幅広の長尺基材は、前記加工工程のうちの比較的最終工程に近い段階(例えば電子部品の実装工程の前等)において、図9(a)〜図9(c)に示されるような手順で外形加工される。
【0005】
第1方法では、まず、ロール状に巻かれた長尺基材71を図示しないスリット加工機に通じ、そこで同長尺基材71のスリット加工を行う。その結果、幅広であった長尺基材71は基材長手方向に沿って細長に切断され、個々の最小単位基材列71a,71b,71cごとに分割される。このとき、前記長尺基材71において製品領域R1 の両縁にある捨て耳領域R2 が除去される。さらに、このような長尺基材71の最小単位基材列71a,71b,71cを、図示しない手動カッタにより短手方向に沿って切断する。その結果、基材長手方向に沿って一列に並ぶ複数個の最小単位基材U1 からなる短尺状基材72が得られる。そして、この後に電子部品73の実装及び封止樹脂74によるモールド加工を行った後、さらに短尺状基材72を最小単位基材U1 に分割する。すると、最終製品であるプリント配線板75が得られるようになっている。
【0006】
図9(a)に示された長尺基材71の具体的数値を例示すると、以下のようになる。即ち、1ロットの長さは110mであり、幅は120mmである。そのうち製品領域R1 の幅は105mm(35mm×3)であり、捨て耳領域R2 の幅は残りの15mm(7.5mm×2)となる。そして、スリット加工によって得られる最小単位基材列の幅は35mmとなる。さらに、手動カッタによる切断によって得られる短尺状基材72は、長さ171mm,幅35mmとなる。
【0007】
また、図10(a)〜図10(c)には、スリット加工機や手動カッタの代わりに一対の外形加工金型(図示略)を使用した従来の別の外形加工方法が示されている。この第2の方法に使用される金型は、3箇所にダイ部を有する上型と、前記ダイ部に対応する位置にダイ逃がし部を有する下型とからなる。前記ダイ部及びダイ逃がし部は、ともに短尺状基材72と略同じ大きさとなっている。従って、上型と下型との間に長尺基材71を配置した状態で型同士を嵌合させれば、一度に3枚の短尺状基材72が打ち抜かれる。そして、この後に電子部品73の実装及び封止樹脂74によるモールド加工を行った後、さらに短尺状基材72を最小単位基材U1 に分割する。すると、最終製品であるプリント配線板75が得られるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術には以下のような問題があった。
第1の外形加工方法では、短尺状基材72を得る際の切断作業を手動カッタによって行っていた。また、このような作業に要する時間は、スリット加工機によるスリット加工に要する時間に比較して多大なものであった。そして、このことがプリント配線板75の生産性を低くしている原因となっていた。
【0009】
一方、外形加工金型を使用している第2の外形加工方法は、作業効率の悪い手動カッタを用いる必要がないことから、生産性に関する問題はない。しかし、この方法では、最小単位基材列71a,71b,71c同士の間などに、ある程度の余白76を設けておく必要がある。ゆえに、捨て耳領域R2 のほかにも無駄になる部分がかなりあり、長尺基材71の材料ロスも多い。従って、かかる材料ロスを極力少なくすることにより、プリント配線板75の低コスト化を図りたいという要請も強かった。
【0010】
本発明は上記の課題を解決するためなされたものであり、その目的は、生産性の向上ばかりでなく、材料ロスの低減によるコスト性の向上を図ることができるプリント配線板用長尺基材の外形加工方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の別の目的は、上記の外形加工方法の実施に好適な外形加工金型を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、プリント配線板の大きさに相当する最小単位基材を基材長手方向に沿って並べてなる最小単位基材列が複数列形成されたプリント配線板用長尺基材を一対の外形加工金型を用いて切断することにより、基材長手方向に沿って一列に並ぶ複数個の最小単位基材からなる短尺状基材を得る外形加工方法であって、前記外形加工金型の備える切断部の長さ及び幅を、得ようとする短尺状基材の長さ及び幅と略等しく設定し、かつ前記切断部同士の配置間隔を、得ようとする短尺状基材の幅と略等しく設定してなる外形加工金型を用い、前記最小単位基材列の境界を切断することで、前記最小単位基材列を一列おきに分離することを特徴としたプリント配線板用長尺基材の外形加工方法をその要旨とする。
【0013】
請求項2に記載の発明では、プリント配線板の大きさに相当する最小単位基材を基材長手方向に沿って並べてなる最小単位基材列が複数列形成されたプリント配線板用長尺基材を切断することにより、基材長手方向に沿って一列に並ぶ複数個の最小単位基材からなる短尺状基材を得る外形加工方法にて使用される一対の外形加工金型であって、前記外形加工金型の備える切断部の長さ及び幅を、得ようとする短尺状基材の長さ及び幅と略等しく設定し、かつ前記切断部同士の配置間隔を、得ようとする短尺状基材の幅と略等しく設定してなることを特徴としたプリント配線板用長尺基材の外形加工金型をその要旨とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、同一の外形加工金型に存在する複数の切断部は、互いに接することなく離間して配置されているとした。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3において、前記長尺基材は複数列の最小単位基材列がある製品領域とその両縁の捨て耳領域とからなり、前記外形加工金型において前記長尺基材の製品領域に対応する箇所には、同長尺基材を固定するための位置決めピンが突設されているとした。
【0015】
以下、本発明の「作用」を説明する。
請求項1に記載の発明によると、外形加工金型を用いて外形加工が行われることから、作業効率の悪い手動カッタを用いる必要がない。このため、手動カッタを用いる従来方法とは異なり、作業にそれほど時間がかからず、プリント配線板の生産性も向上する。また、手動カッタを使用しないことから、外形加工の精度も確実に向上する。
【0016】
さらに、最小単位基材列の境界を切断して最小単位基材列を一列おきに分離するこの方法によると、最小単位基材列同士の間に余白を設けておく必要がない。ゆえに、金型を用いた従来の外形加工方法に比べて長尺基材の材料ロスが少なくなり、プリント配線板のコスト性が向上する。
【0017】
請求項2に記載の発明によると、一対の金型間に長尺基材を配置するとともに、一方の金型にある切断部と他方の金型にある切断部とを嵌合させるべくプレスを行うことにより、長尺基材が所定の箇所で切断されるようになっている。また、本発明のような切断部であると、それによりちょうど最小単位基材の境界を切断し、最小単位基材列を一列おきに分離することが可能となる。従って、上記請求項1のような外形加工方法を実施するうえで好適なものとなる。
【0018】
請求項3に記載の発明によると、同一の外形加工金型に存在する複数の切断部が互いに接することなく離間して配置されているため、切断部が互いに接して配置されている場合に比べて構造的に強くなる。よって、外形加工金型の耐久性が向上する。また、かかる構成であると材料ロスも少なくすることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によると、位置決めピンがあると、長尺基材が外形加工金型の正しい位置に固定されることで、切断時における位置ずれが確実に防止される。従って、外形加工の精度が向上し、寸法精度に優れた短尺状基材を得ることができる。また、外形加工の精度の向上は、間接的に材料ロスの低減にも寄与する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の外形加工方法及び外形加工金型を具体化した一実施形態を図1〜図5に基づき詳細に説明する。
【0021】
図1(d)には、本実施形態において外形加工に供されるプリント配線板用長尺基材1が示されている。この長尺基材1は、複数列(ここでは3列)の最小単位基材列2a,2b,2cがある製品領域R1 とその両縁の捨て耳領域R2 とからなり、ロール状に巻かれた状態で保管されている。捨て耳領域R2 には、矩形状をした多数のスプロケットホール3が基材長手方向に沿って配列されている。また、製品領域R1 において各最小単位基材列2a,2b,2cの中央部には、6つのボンディングホール4からなるボンディングホール群が基材長手方向に沿って配列されている。この他にも、各最小単位基材列2a,2b,2cには、矩形状の位置決めホール5が基材長手方向に沿って配列されている。
【0022】
前記1つの最小単位基材列2a,2b,2cは、プリント配線板6の大きさに相当する最小単位基材U1 を多数並べたものとして把握することができる。図1(c )に示されるように、本実施形態の最小単位基材U1 は矩形状の小片であって、中央部にボンディングホール群を1つ、両端部に位置決めホール5を2つ備えている。
【0023】
なお、本実施形態における長尺基材1の具体的数値を例示すると、以下のようになる。即ち、1ロットの長さは110mであり、幅は120mmである。そのうち製品領域R1 の幅は105mm(35mm×3)であり、捨て耳領域R2 の幅は残りの15mm(7.5mm×2)となる。そして、後述する外形加工によって得られる短尺状基材7は、長さ171mm,幅35mmとなる(図1(b) 参照)。そして、その短尺状基材7には、長さ14mm,幅35mmの最小単位基材U1 が12個含まれている。また、長尺基材1の材料としては、例えばポリイミドやエポキシ等が使用されている。
【0024】
図2,図3には、本実施形態の外形加工において使用される一対の外形加工金型11,12が示されている。
第1の外形加工金型(以下、下型という。)11は、切断部としてのダイ逃がし部13,14,15を加工面における3箇所に有している。各ダイ逃がし部13,14,15はいずれも矩形状を呈している。第1のダイ逃がし部13は最小単位基材列2aの切断用、第2のダイ逃がし部14は最小単位基材列2bの切断用、第3のダイ逃がし部15は最小単位基材列2cの切断用である。つまり、第1及び第3のダイ逃がし部13,15は先に切断される最小単位基材列2a,2c用であり、第2のダイ逃がし部14は遅れて切断される最小単位基材列2b用である。なお、先に切断される最小単位基材列2a,2c及び遅れて切断される最小単位基材列2bは、長尺基材1において1つおきに存在している。
【0025】
図2に示されるように、第1及び第3のダイ逃がし部13,15は、所定の間隔w1 を隔てて平行な関係に配置されている。第2のダイ逃がし部14は、第1及び第3のダイ逃がし部13,15の一端部側において、それらと所定の間隔(ここでは14mm)w2 を隔てて配置されている。従って、下型11に存在する3つのダイ逃がし部13,14,15は、互いに接することなく離間して配置されている。
【0026】
具体的には、第1〜第3のダイ逃がし部13〜15の長さ及び幅は、得ようとする短尺状基材7の長さ及び幅と略等しく設定されている。従って、本実施形態では、その寸法は長さ171mm,幅35mmとなっている。また、平行関係にあるダイ逃がし部13,15同士の配置間隔w1 は、得ようとする短尺状基材7の幅と略等しく,即ち35mmに設定されている。
【0027】
各ダイ逃がし部13〜15には、切断により得られた短尺状基材7を容易に取り出すためのリフタ16が昇降可能に設けられている。このリフタ16は、対応するダイ逃がし部13〜15の外形に略等しい昇降プレート17と、それを下面側から付勢する付勢手段としての複数のゴムクッション18とからなる。昇降プレート17のフランジ部17aは、ゴムクッション18の付勢力により、常にはダイ逃がし部13〜15の開口部全周にわたって形成された突条13a,14a,15aの下面に当接している。このとき、各昇降プレート17の上面は、下型11の加工面と同じレベルになる。
【0028】
図2,図3,図5に示されるように、下型11において長尺基材1の製品領域R1 に対応する複数の箇所には、係止手段としての円錐状をした位置決めピン21が突設されている。より具体的にいうと、前記位置決めピン21は、各リフタ16毎に複数本ずつ突設されている。先に切断される最小単位基材列2a,2cに対応するダイ逃がし部13,15にある昇降プレート17には、各コーナー部を含めて6箇所に位置決めピン21が設けられている。一方、遅れて切断される最小単位基材列2bに対応するダイ逃がし部14にある昇降プレート17には、4つあるコーナー部のうちの2箇所のみに位置決めピン21が設けられている。
【0029】
このように、本実施形態では個々のリフタ16について設けられた複数本の位置決めピン21によって、長尺基材1が昇降プレート17の上面に確実に固定されるようになっている。なお、個々のリフタ16について位置決めピン21の本数を6本以下に設定したのは、本数の増加により位置決めピン21が長尺基材1から取り外し困難となることを防止するためである。
【0030】
図2,図3に示されるように、第2の外形加工金型(以下、上型という。)12は、各ダイ逃がし部13,14,15に対応する位置にダイ部22,23,24を加工面における3箇所に有している。各ダイ部22,23,24はいずれも矩形状を呈し、かつ対応するダイ逃がし部13,14,15に対応して配置されている。第1のダイ部22は最小単位基材列2aの切断用、第2のダイ部23は最小単位基材列2bの切断用、第3のダイ部24は最小単位基材列2cの切断用である。つまり、第1及び第3のダイ部22,24は先に切断される最小単位基材列2a,2c用であり、第2のダイ部23は遅れて切断される最小単位基材列2b用である。また、第1及び第3のダイ部22,24は、所定の間隔w1 を隔てて平行な関係に配置されている。第2のダイ部23は、第1及び第3のダイ部22,24の一端部側において、それらと所定の間隔(ここでは14mm)w2 を隔てて配置されている。従って、上型12に存在する3つのダイ部22,23,24も、互いに接することなく離間して配置されている。
【0031】
そして、上記のような構成の下型11及び上型12の間に長尺基材1を配置した状態で両者11,12を嵌合させれば、一度に3枚の短尺状基材7が打ち抜かれるようになっている。なお、下型11及び上型12は、必ずしも金属製である必要はなく、セラミックス等の硬質材料製であってもよい。
【0032】
次に、図1,図4に基づいて外形加工の手順を説明する。
まず、従来公知の手順に従って各ホール3,4,5の形成、導体パターンのエッチング及び導体パターンへのめっき層の形成等を実施し、プリント配線板用長尺基材1を作製する。このとき、長尺基材1には、図示しないコンタクトパターンやめっきリードパターン等が形成される。
【0033】
次いで、図4に示されるようにして、下型11及び上型12を用いて長尺基材1の外形加工を行う。即ち、長尺基材1のロールの先端を引き出し、当該引き出し端を下型12の各位置決めピン21に固定する。この状態で上型12を下動させることにより、上型11のダイ部22〜24と下型12のダイ逃がし部13〜15とを互いに嵌合させる。その結果、最小単位基材列2a,2b,2c同士の境界が切断され、それらが一列おきに分離される。同時に、このとき最小単位基材列2a,2b,2cと捨て耳領域R2 との境界も切断される。そして、下型11のダイ逃がし部13〜15内には、長尺基材1から分離された3枚の短尺状基材7が収容される。そのとき、最小単位基材列2bのみについては、最小単位基材列2a,2cよりも所定長さだけ先端側において切断される(図4参照)。ここでいう所定長さとは、短尺状基材7の長さ(最小単位基材U1 の12個分の長さ)+最小単位基材U1 の1個分の長さに相当する。
【0034】
上型12を下型11から離間させると、リフタ16の作用によって短尺状基材7がダイ逃がし部13〜15の開口部まで持ち上げられる。従って、短尺状基材7を容易に取り外すことができる。この場合、取り外し作業を自動化すれば、さらに生産効率の向上を図ることができる。そして、このような下型11及び上型12による切断を連続的に行うことにより、長尺基材1を全長にわたって完全に切断する。なお、図4において示される斜線領域27はn回めのプレスで切断される領域27を、斜線領域28はn+1回めのプレスで切断される領域28を、斜線領域29はn+2回めのプレスで切断される領域29を示している。
【0035】
以上のような外形加工の後、電子部品であるIC25の実装及び封止樹脂26によるモールド加工を行い、さらに短尺状基材7を最小単位基材U1 に分割する。すると、最終製品であるプリント配線板6が得られるようになっている。
【0036】
さて、本発明において特徴的な作用効果を以下に列挙する。
(イ)本実施形態では、外形加工金型11,12を用いて外形加工が行われることから、作業効率の悪い手動カッタを用いる必要がない。このため、手動カッタを用いる従来方法とは異なり、作業にそれほど時間がかからず、プリント配線板6の生産性も確実に向上する。ちなみに、上記従来方法では加工作業に要する時間が約12時間であったのに対し、本実施形態の方法ではその約1/3程度の時間で足りる。
【0037】
(ロ)また、この外形加工方法では手動カッタを使用しないことから、外形加工の精度も確実に向上する。ちなみに、手動カッタを用いる従来方法では公差が0.2mmであったのに対し、本実施形態の方法では0.1mm以下となる。
【0038】
(ハ)さらに、最小単位基材U1 の境界を切断して最小単位基材列2a,2b,2cを一列おきに分離するこの方法によると、最小単位基材列2a,2b,2c同士の間に余白を設けておく必要がない。ゆえに、金型を用いた従来の外形加工方法に比べて長尺基材1の材料ロスが少なくなり、プリント配線板6のコスト性が向上する。
【0039】
(ニ)この実施形態の外形加工金型11,12では、各ダイ逃がし部13〜15と各ダイ22〜24とを嵌合させるべくプレスを行うことにより、長尺基材1がちょうど最小単位基材列2a,2b,2cの箇所で切断される。よって、最小単位基材列2a,2b,2cを一列おきに分離することが可能となり、外形加工方法を実施するうえで極めて好適なものとなる。
【0040】
(ホ)この実施形態によると、第1の外形加工金型11に存在する複数のダイ逃がし部13〜15は、互いに接することなく離間して配置されている。また、第2の外形加工金型12に存在する複数のダイ部22〜24も、互いに接することなく離間して配置されている。このため、ダイ逃がし部13〜15やダイ部22〜24が互いに接して配置されている場合に比べて構造的に強くなる。よって、下型11及び上型12の耐久性が向上する。また、かかる構成であると材料ロスも少なくすることができ、低コスト化に好都合となる。これは、図4等に示したように、製品領域R1 が余すことなく使用されるからである。さらに、かかる構成であると、昇降プレート17へのフランジ部17aの形成が容易になるという利点もある。
【0041】
(ヘ)この実施形態では、下型11において長尺基材1の製品領域R1 に対応する箇所、具体的にいうと昇降プレート17の上面には、同長尺基材1を固定するための位置決めピン21が突設されている。ゆえに、長尺基材1が下型11の正しい位置に固定されることで、切断時における長尺基材1の位置ずれが確実に防止される。従って、外形加工の精度が向上し、寸法精度に優れた短尺状基材7を得ることができる。また、外形加工の精度の向上は、間接的に材料ロスの低減にも寄与する。
【0042】
(ト)また、前記位置決めピン21は、少なくとも、位置ずれの起こりやすい箇所、即ち遅れて切断される最小単位基材列2bに対応する位置に突設されている。その結果、外形加工工程において長尺基材1に位置ずれが起こりにくくなり、もって切断精度の向上が図られる。
【0043】
なお、本発明は例えば次のように変更することが可能である。
(1)図6に示される別例1では、第1の外形加工金型である下型31に存在するダイ逃がし部13〜15は、互いに接するようにして配置されている。また、第2の外形加工金型である上型(図示略)に存在するダイ部も、前記下型31に対応すべく互いに接するようにして配置されている。即ち、この別例1では前記間隔w2 がゼロになっている。このような構成によると、下型31の強度が若干劣るという欠点はあるものの、前記実施形態と同様の作用効果を奏する外形加工金型とすることができる。
【0044】
(2)図7に示される別例2では、第1の外形加工金型である下型41における位置決めピン21の突設位置が異なっている。即ち、位置決めピン21は、昇降プレート17の上面ではなく、加工面におけるダイ逃がし部13,15の近傍に存在している。従って、各位置決めピン21は、製品領域R1 ではなく捨て耳領域R2 に対応するとともに、当該部分にあるスプロケットホール3に嵌脱可能となっている。この構成でも、前記実施形態と同様の作用効果を奏する。また、この別例2の構成は、位置決めホール5を使用する必要がなくなることでその変形が回避される点において優れている。逆に、前記実施形態の構成は、スプロケットホール3のない長尺基材1についても外形加工が可能である点が優れている。
【0045】
(3)図8に示される別例3では、第1の外形加工金型である下型51における加工面に、捨て耳領域R2 をカットするための切断部としてダイ逃がし部52が2つ設けられている。これら2つのダイ逃がし部52は、第2のダイ逃がし部14を挟んで左右両側に位置している。また、第2の外形加工金型である上型53には、これらのダイ逃がし部52に対応するダイ部54が切断部として2つ突設されている。このような構成であると、下型11と上型12との嵌合により短尺状基材7を得る際、同時に捨て耳領域R2 を除去することができる。従って、捨て耳領域R2 が邪魔にならなくなり作業性も向上する、という利点がある。
【0046】
(4)長尺基材1における最小単位基材列2a,2b,2cは3列でなくてもよく、4列、5列、6列等であってもよい。また、得ようとする短尺状基材7の長さも任意に変更することが可能である。
【0047】
(5)位置決めピン21の形状は円錐状に限定されることはなく、例えば角錐状であってもよい。また、位置決めを図るための手段として、ピン以外のもの、例えば真空チャック等を長尺基材固定手段として採用してもよい。
【0048】
(6)図2に示される実施形態の下型11において、位置決めピン21の本数を減らしてもよい。その場合、同図においてアリスタリスク(*)が付されているもの6つを残すことが好ましい。かかる構成であると、取り外しが困難になることなしに確実な位置決めを達成することができる。
【0049】
(7)ゴムクッション18を用いたリフタ16の代わりに、例えばスプリングやエアシリンダ等の付勢手段を用いたリフタ16としてもよい。また、リフタ16は一定の場合には省略されてもよい。
【0050】
ここで、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。
(1) 請求項4において、前記位置決めピンは複数箇所にあることを特徴とするプリント配線板用長尺基材の外形加工金型。この構成であると、長尺基材がより確実に固定されることでそれに位置ずれが起こりにくくなり、切断精度が高くなる。
【0051】
(2) 請求項4,技術的思想1において、前記位置決めピンは、少なくとも、前記製品領域にある複数の最小単位基材列のうち遅れて切断されるものに対応する箇所に設けられていることを特徴とするプリント配線板用長尺基材の外形加工金型。この構成であると、最も位置ずれの起こりやすい部分の位置ずれが防止されることによって、より切断精度が高くなる。
【0052】
(3) 請求項2〜4、技術的思想1,2のいずれかにおいて、前記外形加工金型の備えるダイ逃がし部には、切断により得られた短尺状基材を取り出すためのリフタが昇降可能に設けられていることを特徴とするプリント配線板用長尺基材の外形加工金型。この構成であると、短尺状基材が取り出しやすくなり、生産性の向上が図られる。
【0053】
(4) 技術的思想3において、前記リフタは、昇降プレートとそれを下面側から付勢する付勢部材とからなることを特徴とするプリント配線板用長尺基材の外形加工金型。この構成であると、付勢部材の付勢力によって昇降プレートが凹状切断部の開口部まで持ち上げられるため、そこから短尺状基材を容易に取り出すことができる。
【0054】
(5) 請求項2〜4、技術的思想1〜4のいずれかにおいて、前記外形加工金型は、捨て耳領域切断用の切断部をも備えていることを特徴とするプリント配線板用長尺基材の外形加工金型。この構成であると、同時に捨て耳領域が除去されることでそれが邪魔にならなくなり、作業性も向上する。
【0055】
なお、本明細書中において使用した技術用語を次のように定義する。
「長尺基材固定手段: 長尺基材を外形加工金型に固定させるためのものであって、例えばピン等の係止手段をいうほか、真空チャック等の吸着手段などをいう。」
【0056】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、生産性の向上ばかりでなく、材料ロスの低減によるコスト性の向上を図ることができるプリント配線板用長尺基材の外形加工方法を提供することができる。
【0057】
請求項2〜4に記載の発明によれば、ちょうど最小単位基材の境界を切断することが可能になるため、上記の外形加工方法の実施に好適な外形加工金型を提供することができる。
【0058】
請求項3に記載の発明によれば、構造的に強くなることで外形加工金型の耐久性が向上するとともに、材料ロスの低減によってコスト性も向上する。
請求項4に記載の発明によれば、外形加工の精度が向上する結果、寸法精度に優れた短尺状基材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は実施形態のプリント配線板用長尺基材の外形加工方法を説明するための概略図、(d)は長尺基材の部分拡大平面図。
【図2】実施形態において使用される第1の外形加工金型を示す概略平面図。
【図3】同じく外形加工金型の概略断面図。
【図4】実施形態において長尺基材の切断順序を説明するための概略図。
【図5】(a)は位置決めピンの正面図、(b)はその平面図。
【図6】別例1の第1の外形加工金型を示す概略平面図。
【図7】別例2の第1の外形加工金型を示す概略平面図。
【図8】別例3の第1の外形加工金型を示す概略平面図。
【図9】(a)〜(c)は従来のプリント配線板用長尺基材の外形加工方法を説明するための概略図。
【図10】(a)〜(c)は従来の別のプリント配線板用長尺基材の外形加工方法を説明するための概略図。
【符号の説明】
1…プリント配線板用長尺基材、2a,2b,2c…最小単位基材列、6…プリント配線板、7…短尺状基材、11,31,41,51…第1の外形加工金型、12,53…第2の外形加工金型、13,14,15…切断部としてのダイ逃がし部、21…位置決めピン、22,23,24…切断部としてのダイ部、R1 …製品領域、R2 …捨て耳領域、U1 …最小単位基材。

Claims (4)

  1. プリント配線板の大きさに相当する最小単位基材を基材長手方向に沿って並べてなる最小単位基材列が複数列形成されたプリント配線板用長尺基材を一対の外形加工金型を用いて切断することにより、基材長手方向に沿って一列に並ぶ複数個の最小単位基材からなる短尺状基材を得る外形加工方法であって、
    前記外形加工金型の備える切断部の長さ及び幅を、得ようとする短尺状基材の長さ及び幅と略等しく設定し、かつ前記切断部同士の配置間隔を、得ようとする短尺状基材の幅と略等しく設定してなる外形加工金型を用い、前記最小単位基材列の境界を切断することで、前記最小単位基材列を一列おきに分離することを特徴としたプリント配線板用長尺基材の外形加工方法。
  2. プリント配線板の大きさに相当する最小単位基材を基材長手方向に沿って並べてなる最小単位基材列が複数列形成されたプリント配線板用長尺基材を切断することにより、基材長手方向に沿って一列に並ぶ複数個の最小単位基材からなる短尺状基材を得る外形加工方法にて使用される一対の外形加工金型であって、
    前記外形加工金型の備える切断部の長さ及び幅を、得ようとする短尺状基材の長さ及び幅と略等しく設定し、かつ前記切断部同士の配置間隔を、得ようとする短尺状基材の幅と略等しく設定してなることを特徴としたプリント配線板用長尺基材の外形加工金型。
  3. 同一の外形加工金型に存在する複数の切断部は、互いに接することなく離間して配置されていることを特徴とする請求項2に記載のプリント配線板用長尺基材の外形加工金型。
  4. 前記長尺基材は複数列の最小単位基材列がある製品領域とその両縁の捨て耳領域とからなり、前記外形加工金型において前記長尺基材の製品領域に対応する箇所には、同長尺基材を固定するための位置決めピンが突設されていることを特徴とする請求項2または3に記載のプリント配線板用長尺基材の外形加工金型。
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