JP3766006B2 - 受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高感度且つ高分解能を有する受信装置に関し、特に、入射信号の到来方位を測定するとともに、同時に存在する複数の入射信号を分離する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スーパーレゾリューション(超分解能)による入射信号の入射方位の測定や、干渉波抑圧により複数の入射信号から1つの入射信号を分離するヌルステアリングという技術が知られている。特開2000−216620号公報は、このような技術を採用した「受信装置」を開示している。
【0003】
この従来の受信装置は、スーパーレゾリューションの1つであるMUSIC(Multiple Signal Classification)法と、ヌルステアリングの1つであるアダプティブアレイ技術といった各々独立した技術を組合せることにより、複数のアンテナで受信された信号を用いて、同一周波数の複数の到来波の方位を測定し、且つ複数の到来波の中から不要波を抑圧して希望波のみを分離するといった2つの機能を同時に実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の受信装置においては、N個(Nは2以上の整数)のアンテナを用いた場合は分解できる信号の数はN−1になる。しかしながら、実際には、信号の数がN−1に近づくと性能が劣化する傾向にあり、経験上、アンテナ数の半分程度が実用的と考えられる。従って、アンテナ数が少ない場合においてアンテナと同数程度の到来波が混在する場合は、この従来の受信装置は使用できない。
【0005】
一方、近年は、受信感度向上のために、無指向性アンテナ個々の出力を使用した信号処理でなく、複数のアンテナの合成ビームを用いたり、指向性を有するアンテナ単体の出力を用いた信号処理が行われている。これは、ビームを用いることにより受信感度を向上させるとともに、指向性により混信を回避できるからである。
【0006】
ところで、ビーム幅の範囲内に複数方向からの複数の信号が存在する場合は、各信号の分離が不可能なためスーパーレゾリューションの手法の適用が要求される。
【0007】
しかしながら、従来の受信装置では、同一方向に対するビーム数又はアンテナ数は少ないのが一般的であるので、上述したアンテナ数が少ない場合と同様の問題が生じる。
【0008】
また、スーパーレゾリューションによる方位測定やヌルステアリングにおいては、各アンテナの方向及び仰角に対する応答データ、所謂ステアリングベクトルを有する必要がある。しかしながら、アンテナの指向性パターンは既知であっても、そのアンテナが設置される周囲環境に影響されてステアリングベクトルを正確に求めることができない場合がある。このような場合は、スーパーレゾリューションによる方位測定やヌルステアリングといった手法を適用できない。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、同一方向に対するセンサ数又はビーム数が少ない場合において、センサ数又はビーム数と同程度の同時に存在する信号を分離でき、しかも、ステアリングベクトルを用いることなく個々の信号を分離し、各センサにおける振幅・位相分布を測定できる受信装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様に係る受信装置は、上記課題を達成するために、信号を分離する手法としてセンサ数と同数まで分離できるアルゴリズムを採用し、そのアルゴリズムの計算結果として導出される到来方位に関連した行列すなわち各センサにおける振幅・位相分布から信号の到来方位を求めることも可能とする。
【0011】
すなわち、この第1の態様に係る受信装置は、複数の入射信号が同時に入射される複数のセンサと、前記複数のセンサからの信号に基づいて前記複数の入射信号をブラインド処理により分離する分離部と、前記複数の入射信号の各々について、前記複数のセンサにおける振幅及び位相分布の相対関係を示す複素ベクトル量を求めるベクトル演算部と、前記複数のセンサの物理的位置と前記ベクトル演算部で求められた複素ベクトル量とに基づいて前記複数の入射信号の到来方位を求める到来方位演算部と、前記分離部で分離された信号と前記到来方位演算部で求められた到来方位を表す信号とを関連付けて出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【0012】
この第1の態様に係る受信装置によれば、入射信号を分離する手法として、ブラインド処理により分離する手法を用いたので、センサ数と同数までの入射信号を分離できる。また、入射信号の到来方位は、複数の入射信号の各々の、複数のセンサにおける振幅及び位相分布の相対関係を示す複素ベクトル量と、複数のセンサの物理的位置とに基づいて求めるようにしたので、センサ数が少ない場合において、センサと同数程度の入射信号が混在する場合であっても、各入射信号を分離できる。
【0013】
この第1の態様に係る受信装置においては、前記ベクトル演算部は、複数対のセンサの各々で2次元的に複素ベクトル量を求めるように構成できる。また、前記ベクトル演算部は、複数対のセンサの各々で3次元的に複素ベクトル量を求めるように構成できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
先ず、n個(nは2以上の整数)のセンサのアレイに同時にm個(mは2以上の整数)の信号が入射する場合を仮定する。この状態は、下記式(1)で表すことができる。
【0016】
【数1】
1〜n(t)=A・S1〜m(t)+N1〜n(t)…式(1)
ここで、X1〜nは各センサで観測される時系列データ、Aはセンサの配置と特性とで決まるn行×m列の信号混合の行列、S1〜m(t)はm個の入射信号、N1〜n(t)は各センサにおける雑音である。
【0017】
一般に、スーパーレゾリューションによる方位測定やヌルステアリングにおいては、上記式(1)における「A」に相当する情報が直接的又は間接的に推定される。例えば、MUSIC法においては、「A」に相当する行列と直交関係にある雑音固有ベクトルからなる行列を求め、その行列とステアリングベクトルの相関量から方位が求められる。
【0018】
これに対し、本発明においては、この「A」が所謂ブラインド処理により求められる。ここで、ブラインド処理とは、センサの応答性や信号の性質、到来方位等の予備知識なしでセンサ数と同数までの入射信号S1,・・・,nを分離するアルゴリズムであり、その結果として行列Aが求められる。このアルゴリズムは、独立成分分析(ICA:Independent Component Analysis)やブラインド信号分離(BSS:Blind Source Separation)と呼ばれ、多くの公知文献が発表されている。
【0019】
行列Aは、各センサにおける振幅及び位相の分布に対応した量を示すものであり、信号の到来方位に関連した量である。この行列Aから信号の到来方位を直接求めるためにはステアリングベクトルが必要であるが、本発明においては、ステアリングベクトルを用いないで信号の到来方位を求める。以下、本発明の実施の形態に係る受信装置を詳細に説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る受信装置では、センサとしてアンテナが使用される。なお、以下では、アンテナの数nを「4」とし、入射信号の数mを「4」として説明するが、アンテナの数及び入射信号の数はこれらに限定されず任意である。
【0021】
この第1の実施の形態に係る受信装置は、複数のアンテナに入射された複数の入射信号の混合信号から原信号を分離して出力するとともに、各入射信号の到来方位を2次元的に測定して出力する。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る受信装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【0023】
この受信装置は、第1アンテナ11、第2アンテナ12、第3アンテナ13、第4アンテナ14、サンプリング部20、ブラインド処理部30、分離信号出力処理部40、到来方位演算部50及び到来方位出力処理部60から構成されている。
【0024】
第1〜第4アンテナ11〜14は、本発明の複数のセンサに対応する。これら第1〜第4アンテナ11〜14としては、パラボラアンテナ、八木アンテナといった指向性を有するアンテナが用いられる。第1〜第4アンテナ11〜14を設置する間隔や高さは任意である。
【0025】
第1アンテナ11は、空中からの複数の入射信号(電波)S〜Sを受信し、これらが混合された混合信号をサンプリング部20に送る。同様に、第2〜第4アンテナ12〜14は、空中からの複数の入射信号S〜Sを受信し、これらが混合された混合信号をサンプリング部20にそれぞれ送る。
【0026】
サンプリング部20は、何れも図示を省略するが、局部発振器、中間周波数変換器、発振器及びA/D変換器から構成されている。
【0027】
局部発振器は、受信した高周波を中間周波数に変換するために必要な発振周波数の信号を生成する。中間周波数変換器は、第1〜第4アンテナ11〜14からの受信周波数帯の高周波を増幅し、上記局部発振器からの信号と混合し、それらの和又は差の周波数を作ることにより中間周波数の信号に変換して更に増幅する。この増幅された中間周波数の信号はA/D変換器に供給される。
【0028】
発振器は、アナログ信号をサンプリングするためのサンプリングクロックを生成する。A/D変換器は、発振器からのサンプリングクロックを用いて、中間周波数変換器からのアナログ信号をサンプリングしてデジタル信号に変換する。このA/D変換器で変換されたデジタル信号は、ブラインド処理部30に供給される。
【0029】
ブラインド処理部30は、本発明の分離部及びベクトル演算部に対応する。このブラインド処理部30は、ブラインド信号分離の手法により原信号(入射信号S〜S)が混合されてなる観測信号から原信号を分離して抽出する。このブラインド処理部30で分離して抽出された信号は、分離信号出力処理部40に送られる。また、ブラインド処理部30は、上述した行列A(後述する式(2)参照)を算出し、到来方位演算部50に送る。
【0030】
分離信号出力処理部40は、本発明の出力部の一部に対応する。この分離信号出力処理部40は、D/A変換器から構成されている。D/A変換器は、ブラインド処理部30からのデジタル信号をアナログ信号に変換し、分離信号O〜Oとして出力する。
【0031】
到来方位演算部50は、本発明の到来方位演算部に対応する。この到来方位演算部50は、ブラインド処理部30からの行列Aに基づいてセンサ間位相差演算及びインタフェロメータ方式による方位演算を行う。これらの演算の詳細は後述する。この到来方位演算部50で演算された到来方位を表す信号は、到来方位出力処理部60に送られる。
【0032】
到来方位出力処理部60は、D/A変換器から構成されている。D/A変換器は、到来方位演算部50からのデジタル信号をアナログ信号に変換し、方位信号D〜Dとして外部に出力する。
【0033】
次に、上記のように構成される本発明の第1の実施の形態に係る受信装置の動作を説明する。
【0034】
各アンテナ11〜14で観測された入射信号S1,・・・,4の混合信号は、サンプリング部20に送られる。
【0035】
サンプリング部20の中間周波数変換器は、入射信号S1,・・・,4の混合信号を入力して中間周波数の信号に変換し、A/D変換器41に送る。A/D変換器は、受け取ったアナログ信号を、発振器からのサンプリングクロックを用いてサンプリングすることによりデジタル信号に変換する。この変換されたデジタル信号は、観測信号X1,・・・,4(t)として、ブラインド処理部30に送られる。
【0036】
ブラインド処理部30は、観測信号X1,・・・,4(t)として送られてくる4個のサンプリング時系列データを用いて、ブラインド信号分離のアルゴリズムにより、信号Y1,・・・,4(t)を分離して抽出するとともに、行列Aを求める。
【0037】
すなわち、ブラインド処理部30は、観測信号X1,・・・,n(t)として送られてくるn個のサンプリング時系列を用いて、ブラインド信号分離のアルゴリズムにより、選択された帯域内の信号y(t)を分離・抽出する。以下、分離・抽出の手順を詳細に説明する。
【0038】
先ず、その基本となるブラインド信号分離の問題についてここで定義する。信号源が下記式(2)のベクトルで与えられるとする。
【0039】
【数2】
Figure 0003766006
但し、s(t)は、n個の入射信号であり、平均「0」であって、互いに独立であるとする。また、Tは転置を表す。
【0040】
観測は、各アンテナ11〜14で観測され帯域制限された時系列データを意味しており、
【数3】
Figure 0003766006
で表すものとする。これは、1,・・・,nの各アンテナ11〜14で観測された信号であると考えることができる。一般には、アンテナの数と信号源の数とは必ずしも一致しないが、ここでは一致しているものとする。
【0041】
単純なICAの問題では、s(t)とx(t)との間に、
【数4】
Figure 0003766006
なる単純な線形関係を仮定する。Aは、各アンテナ11〜14の配置と特性で決まる信号混合行列(n行×n列)の実数行列である。s(t)やAに関する知識を持たずx(t)を独立な信号成分に分離する。
【0042】
すなわち、あるn×nの実数行列を求めることにより、
【数5】
Figure 0003766006
で求まる互いに独立なy(t)を再構成することがICAの目的である。
【0043】
この問題の解法の1つとして、確率分布の独立性に基づく分離法がある。各s(t)が(強)定常でガウシアン(Gaussian)でないという仮定のもとで、y(t)が互いに独立になるようにBを求める手法がさまざまに提案されているが、それらの多くは次のようにまとめることができる。y(t)を強定常過程として、その同時分布の密度関数を、
【数6】
Figure 0003766006
とすると、独立性の定義はp(y)をp(y)のyについての周辺分布として、
【数7】
Figure 0003766006
とかける。
【0044】
同時分布と周辺分布の積との間Kullback-Leibler 発散(divergence)は、
【数8】
Figure 0003766006
となる。但し、H(Y;B)は同時分布p(y)のエントロピー、H(Y;B)は周辺分布p(y)のエントロピーである。
【0045】
これは{Y}(i=1,・・・,n)の相互情報量である。信号源が正規分布でないという仮定からKL(B)はp(y)が互いに独立な場合に限り「0」となる。これらはp(x)とBによって定まるものである。
【0046】
ここで、p(y)dy=p(x)dx、p(y)=p(x)/|B|(|B|はBの行列式)であることに注意すると、
【数9】
Figure 0003766006
となる。
【0047】
一方、周辺分布のエントロピーは、
【数10】
Figure 0003766006
である。よって、
【数11】
Figure 0003766006
となり、
【数12】
Figure 0003766006
のようにすれば最急降下法として正しいBを求めることができる。上記式(12)の中で問題となるのは逆行列(B−1を計算している点である。
【0048】
収束性に関しては、これにいかなる正定値行列を掛けても構わないことから、BBを掛ければ(これは正則な行列の多様体上でのリーマン(Rieman)計量に対応している)、
【数13】
Figure 0003766006
が新たな学習則となる。定常性の仮定よりp(s)、p(x)とp(y)は時間的に独立である。この仮定のもと、アンサンブル平均を時間平均に置き換えることができる。
【0049】
【数14】
Figure 0003766006
したがって、ηを正の定数とし、データが観測される毎に下記式(15)に従ってパラメータを更新すればBが得られる。
【0050】
【数15】
Figure 0003766006
ここで、当然問題になるのは、上記式(11)のp(y)或いはψ(y)をいかに定義するかである。通常、これはパラメトリックな非線形関数や統計的な展開法が用いられる。
【0051】
大雑把な考え方を示すと、もしp(y)が正規分布ならはψ(y)は線形関数となる。一方、正規分布より裾が”重い”場合(sub-Gaussian)多項式などで近似するのがよく、正規分布より裾が”軽い”場合(super-Gaussian)シグモイド(Sigmoid)関数などで近似するのがよいとされている。音声信号などは裾が”軽い”ので、シグモイド関数などがうまく働く。
【0052】
ブラインド処理部30で分離・抽出された信号Y1,・・・,4(t)は分離信号出力処理部40に送られる。分離信号出力処理部40では、ブラインド処理部30からのデジタル信号として送られてくる信号Y1,・・・,4(t)をアナログ信号に変換し、分離信号O〜Oとして外部にそれぞれ送出する。
【0053】
なお、上記のICAの解法は、一例を示すものであり、これに限るものではない。
【0054】
一方、ブラインド処理部30で求められた行列Aは、到来方位演算部50に送られる。到来方位演算部50は、受け取った行列Aに基づいて、以下に示すセンサ間位相差演算を行う。
【0055】
すなわち、先ず、行列Aから対応する信号に対するベクトルを抽出する。ここで、ベクトルを下記式(16)のように表す。
【0056】
【数16】
sig1=[a11+jb11,a12+jb12,a13+jb13,a14+jb14]…式(16)
sig2=[a21+jb21,a22+jb22,a23+jb23,a24+jb24]
sig3=[a31+jb31,a32+jb32,a33+jb33,a34+jb34]
sig4=[a41+jb41,a42+jb42,a43+jb43,a44+jb44]
上記式(16)において、Sig1は、入射信号Sみが存在する時の状態を表しており、複素ベクトル「a11+jb11」は第1アンテナ11で観測された信号の振幅と位相を、「a12+jb12」は第2アンテナ12で観測された信号の振幅と位相を、「a13+jb13」は第3アンテナ13で観測された信号の振幅と位相を、「a14+jb14」は第4アンテナ14で観測された信号の振幅と位相をそれぞれ表す。Sig2、Sig3及びSig4についても同様である。
【0057】
この式(16)から、行列Aは、各アンテナ11〜14で観測された信号の位相を反映しており、この位相の分布から入射信号S〜Sの到来方位を推定できることが理解できる。後述するインタフェロメータ方式は、この位相の分布から信号の到来方位を求めるものである。
【0058】
このベクトルからセンサ間(ビーム間)の位相差を求める。上記式(16)からは、例えば「位相角(a11+jb11)−位相角(a12+jb12)」から第1アンテナ11と第2アンテナ12の位相差を求めることができ、「位相角(a13+jb13)−位相角(a14+jb14)」から第3アンテナ13と第4アンテナ14の位相差を求めることができる。
【0059】
次に、到来方位演算部50は、方位演算を行う。すなわち、上記で求められた位相差の何れかとアンテナの物理的位置関係から通常のインタフェロメータ方式の手法により入射信号Sの到来方位を求める。
【0060】
以下、入射信号Sの到来方位の求め方を詳細に説明する。今、図2に示すように、第1アンテナ11と第2アンテナ12との距離をdとし、第1アンテナ11と第2アンテナ12とを結ぶ線に直交する線に角度θで入射信号Sが入射するものとする。この場合、入射信号Sが第1アンテナ11に到着してから第2アンテナ12に至るまでの距離yは「dsinθ」である。これを位相に直すと、第1アンテナ11と第2アンテナ12の位相差φは、
【数17】
φ=(2π/λ)・dsinθ・・・式(17)
で表される。ここで、λは波長である。この位相差φが観測されるデータである。
【0061】
従って、上記式(17)からθを求めることにより、入射信号Sの到来方位を求めることができる。すなわち、
【数18】
sinθ=φ・1/((2π/λ)・d)・・・式(18)
よって、θは、下記式(19)から求めることができる。
【0062】
【数19】
θ=sin−1(φ・1/((2π/λ)・d))・・・式(19)
以下、順次、入射信号S、入射信号S及び入射信号Sに対応する到来方位を求める。このようにして求められた到来方位を示す信号Z1,・・・,4(t)は、到来方位出力処理部60に送られる。
【0063】
到来方位出力処理部60では、到来方位演算部50からデジタル信号として送られてくる信号Z1,・・・,4(t)をアナログ信号に変換し、方位信号D〜Oとして外部にそれぞれ送出する。
【0064】
これにより、分離された4つの信号が、到来方位を表す信号とともに、時間軸波形として出力される。このようにして、観測信号X1,・・・,4(t)の所定の区間のサンプリングデータに対する処理が終了すると、次の区間のサンプリングデータに処理が実行され、以下同様の処理が繰り返される。
【0065】
以上詳述したように、この発明の第1の実施の形態に係る受信装置によれば、同一方向に対するセンサ数(ビーム数)が少ない場合において、ビーム数と同程度の同時に存在する信号を、該信号に対する予備知識なしに分離し、個々の信号の到来方位を求めることができる。
【0066】
なお、ビームを用いることにより高感度が得られ、ビームによる混信分離性能が相乗効果として得られる。
【0067】
(第2の実施の形態)
この第1の実施の形態に係る受信装置は、複数のアンテナに入射された複数の入射信号の混合信号から原信号を分離して出力するとともに、各入射信号の到来方位を3次元的に測定して出力する。
【0068】
本発明の第2の実施の形態に係る受信装置の基本的構成は、第1の実施の形態のそれと同じである。なお、この第2の実施の形態では、図3に示すように、複数のセンサが例えば同一円周上にそれぞれ配置され、2組のセンサ(すなわち、4個のセンサ)が全て同一直線上にないものとする。
【0069】
また、複数のアンテナに入射された複数の入射信号の混合信号から原信号を分離する動作は第1の実施の形態と同じであるが、到来方位演算部50で行われる方向演算が異なる。すなわち、到来方位演算部50は、受け取った行列Aに基づいて、2組のセンサ間(ビーム間)の位相差を求める。上記式(16)から、「位相角(a11+jb11)−位相角(a12+jb12)」から第1アンテナ11と第2アンテナ12の位相差が、「位相角(a13+jb13)−位相角(a14+jb14)」から第3アンテナ13と第4アンテナ14の位相差がそれぞれ求められる。
【0070】
次に、到来方位演算部50は、方向演算を行う。すなわち、2組の位相差とアンテナの物理的位置関係から通常のインタフェロメータ方式の手法により入射信号Sの到来方位を求める。
【0071】
すなわち、到来方位演算部50は、第1アンテナ11及び第2アンテナ12を含む平面上で、第1の実施の形態で説明したと同様の方法で、2次元的な入射信号Sの到来方位を求める。
【0072】
次いで、第3アンテナ13及び第4アンテナ14を含む平面であって、上記第1アンテナ11及び第2アンテナ12を含む平面とは異なる平面(これら両平面の為す角度を仰角ψという)上において、第1の実施の形態で説明したと同様の方法で、2次元的な入射信号Sの到来方位を求める。これら2つの平面上で求められた到来方位により、入射信号Sの3次元的な到来方位が求められる。
【0073】
以上説明したように、この第2の実施の形態に係る受信装置によれば、入射信号の到来方位を3次元的に求めることができるので、入射信号の到来方位を正確に求めることができる。
【0074】
なお、上述した第1及び第2の実施の形態では、センサとして、アンテナを用いた例を説明したが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、センサとして、音声を検知するマイクロフォン、生体の種々の状態を検知するセンサ等を用いることができる。
【0075】
また、上述した第1及び第2の実施の形態では、位相差を求めるにあたり、第1アンテナ11と第2アンテナ12との組、及び第3アンテナ13と第4アンテナ14との組を用いたが、アンテナの組合せは上記に限らず任意である。
【0076】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、同一方向に対するセンサ数(ビーム数)が少ない場合において、ビーム数と同程度の同時に存在する信号を分離でき、しかも、個々の信号の到来方位を測定できる受信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る受信装置において入射信号の到来方位の測定を説明するための図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る受信装置において複数のセンサの配置を説明するための図である。
【符号の説明】
11〜14 第1〜第4アンテナ
20 サンプリング部
30〜ブラインド処理部
40 ブラインド処理部
40 分離信号出力処理部
50 到来方位演算部
60 到来方位出力処理部

Claims (3)

  1. 複数の入射信号が同時に入射される複数のセンサと、
    前記複数のセンサからの信号に基づいて前記複数の入射信号をブラインド処理により分離する分離部と、
    前記複数の入射信号の各々について、前記複数のセンサにおける振幅及び位相分布の相対関係を示す複素ベクトル量を求めるベクトル演算部と、
    前記複数のセンサの物理的位置と前記ベクトル演算部で求められた複素ベクトル量とに基づいて前記複数の入射信号の到来方位を求める到来方位演算部と、
    前記分離部で分離された信号と前記到来方位演算部で求められた到来方位を表す信号とを関連付けて出力する出力部とを備えたことを特徴とする受信装置。
  2. 前記ベクトル演算部は、
    複数対のセンサの各々で2次元的に複素ベクトル量を求めることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記ベクトル演算部は、
    複数対のセンサの各々で3次元的に複素ベクトル量を求めることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
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