JP2003185726A - 受信装置及び検出装置 - Google Patents

受信装置及び検出装置

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JP2003185726A
JP2003185726A JP2001389443A JP2001389443A JP2003185726A JP 2003185726 A JP2003185726 A JP 2003185726A JP 2001389443 A JP2001389443 A JP 2001389443A JP 2001389443 A JP2001389443 A JP 2001389443A JP 2003185726 A JP2003185726 A JP 2003185726A
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signal
signals
incident
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incident signals
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Kunio Suzuki
久仁男 鈴木
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】A/D変換器の量子化分解能以下の微小信号を
検出し、A/D変換器のダイナミックレンジを拡張して
該微小信号の到来方位を測定するとともに、微小信号を
受信する受信装置及び検出装置を提供する。 【解決手段】複数の入射信号が各々に入射される複数の
センサ11〜14と、複数のセンサと1対1対応で設け
られ、各々が量子化分解能以上の信号レベルを有し且つ
複数の入射信号の周波数の数倍以上の周波数を有する付
加信号とセンサからの複数の入射信号とを混合して混合
信号を出力する複数の混合器51〜54と、複数の混合
器と1対1対応で設けられ、各々が混合器からの混合信
号をデジタル信号に変換する複数のA/D変換器61〜
64と、複数のA/D変換器と1対1対応で設けられ、
各々がA/D変換器からのデジタル信号から複数の入射
信号を抽出する複数のデジタルフィルタ71〜74と、
抽出された複数の入射信号に基づいて複数の入射信号の
到来方位を求める到来方位演算部100とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高感度及び高分解
能を有する受信装置及び検出装置に関し、特に複数のセ
ンサを配置することにより、A/D変換器の量子化分解
能(1LSB)以下の微小信号を検出して該微小信号の
到来方位を測定するととともに、微小信号を受信する技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スーパーレゾリューション(超分
解能)による入射信号の入射方位の測定や、干渉波抑圧
により複数の入射信号から1つの入射信号を分離するヌ
ルステアリングという技術が知られている。特開200
0−216620号公報は、このような技術を採用した
「受信装置」を開示している。
【0003】この従来の受信装置は、スーパーレゾリュ
ーションの1つであるMUSIC(Multiple Signal Cl
assification)法と、ヌルステアリングの1つであるア
ダプティブアレイ技術といった各々独立した技術を組合
せることにより、複数のアンテナで受信された信号を用
いて、同一周波数の複数の到来波の方位を測定し、且つ
複数の到来波の中から不要波を抑圧して希望波のみを分
離するといった2つの機能を同時に実現している。
【0004】このような従来の受信装置は、より具体的
には、複数のセンサを一定間隔毎に配置し、各センサで
観測される入射信号を局部発振器からの信号と混合して
中間周波数の信号に変換し、中間周波数のアナログ信号
をA/D変換器でサンプリングクロックを用いてサンプ
リングすることによりデジタル信号に変換して観測信号
として出力し、この観測信号に基づいてMUSIC法に
より入射信号の到来方位を求めている。上述した受信装
置にはA/D変換器が設けられているが、このA/D変
換器のダイナミックレンジ及び最小入力レベルは、一般
的に出力の量子化の数で決定される。また、一般的に
は、量子化分解能(1LSB(Least Significant Bi
t))を超える振幅の信号がA/D変換器に入力され
て、A/D変換器からA/D出力が検出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、A/D
変換器に入力される信号の振幅がA/D変換器の量子化
分解能以下の場合には、A/D変換器の出力には信号が
出力されない。即ち、センサで観測された微小信号が量
子化分解能以下の場合には、A/D変換器出力には微小
信号が現れないため、微小信号を検出することができな
い。
【0006】そこで、本発明は、A/D変換器の量子化
分解能以下の微小信号を検出し、A/D変換器のダイナ
ミックレンジを拡張して該微小信号の到来方位を測定す
るとともに、微小信号を受信する受信装置及び検出装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に係
る受信装置は、上記課題を達成するために、複数の入射
信号が各々に入射される複数のセンサと、前記複数のセ
ンサと1対1対応で設けられ、各々が、量子化分解能以
上の信号レベルを有し且つ前記複数の入射信号の周波数
の数倍以上の周波数を有する付加信号と前記センサから
の複数の入射信号とを混合して混合信号を出力する複数
の混合器と、前記複数の混合器と1対1対応で設けら
れ、各々が、前記混合器からの前記混合信号をデジタル
信号に変換する複数のA/D変換器と、前記複数のA/
D変換器と1対1対応で設けられ、各々が、前記A/D
変換器からのデジタル信号から前記複数の入射信号を抽
出する複数の抽出手段と、前記複数の抽出手段で抽出さ
れた前記複数の入射信号に基づいて、前記複数の入射信
号の到来方位を求める到来方位演算部とを備えたことを
特徴とする。
【0008】この本発明の第1の態様に係る受信装置に
よれば、混合器が、量子化分解能以上の信号レベルを有
し且つ複数の入射信号の周波数の数倍以上の周波数を有
する付加信号とセンサからの複数の入射信号とを混合し
て混合信号を出力する。この混合信号は、信号レベルが
量子化分解能以上となるので、A/D変換器は、混合信
号をデジタル信号に変換して出力でき、抽出手段は、デ
ジタル信号から複数の入射信号を抽出するので、入射信
号がA/D変換器の量子化分解能以下の微小信号であっ
ても該微小信号を検出でき、A/D変換器のダイナミッ
クレンジを拡張できる。また、到来方位演算部により微
小信号の到来方位を測定できる。
【0009】この第1の態様に係る受信装置において
は、複数の入射信号が各々に入射される複数のセンサ
と、前記複数のセンサと1対1対応で設けられ、各々
が、量子化分解能以上の信号レベルを有し且つ前記複数
の入射信号の到来方位とは異なる方位を表す方位擬似信
号と前記センサからの複数の入射信号とを混合して混合
信号を出力する複数の混合器と、前記複数の混合器と1
対1対応で設けられ、各々が、前記混合器からの前記混
合信号をデジタル信号に変換する複数のA/D変換器
と、前記複数のA/D変換器からの複数のデジタル信号
から前記複数の入射信号を抽出して該複数の入射信号に
基づいて、前記複数の入射信号の到来方位を求める到来
方位演算部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】この受信装置によれば、混合器が、量子化
分解能以上の信号レベルを有し且つ複数の入射信号の到
来方位とは異なる方位を表す方位擬似信号とセンサから
の複数の入射信号とを混合して混合信号を出力する。こ
の混合信号は、信号レベルが量子化分解能以上となるの
で、A/D変換器は、混合信号をデジタル信号に変換し
て出力でき、到来方位演算部は、デジタル信号から複数
の入射信号を抽出するので、入射信号がA/D変換器の
量子化分解能以下の微小信号であっても該微小信号を検
出でき、A/D変換器のダイナミックレンジを拡張でき
る。また、到来方位演算部により微小信号の到来方位を
測定できる。
【0011】また、前記複数のセンサと1対1対応で設
けられ、前記センサからの前記複数の入射信号の信号レ
ベルが前記A/D変換器の入力レベル範囲となるように
利得調整を行う複数の利得調整器を備えて構成できる。
この構成によれば、利得調整器により入射信号の信号レ
ベルをA/D変換器の入力レベル範囲となるように調整
できる。
【0012】また、前記A/D変換器からのデジタル信
号に含まれる前記複数の入射信号の周波数のみを通過さ
せるデジタルフィルタから構成できる。この構成によれ
ば、デジタル信号に含まれる複数の入射信号の周波数の
みを通過させることで、複数の入射信号のみを抽出でき
る。
【0013】また、前記到来方位演算部は、前記各セン
サにおける前記複数の入射信号の位相応答を表す方向ベ
クトル量を求め、この方向ベクトル量と直交関係にある
雑音電力に等しい固有値に対応する雑音固有ベクトル量
を求め、この雑音固有ベクトル量に基づいて到来角に対
するスペクトラムを求め、該スペクトラムに基づいて前
記複数の入射信号の到来方位を求めるよう構成できる。
この構成によれば、到来角に対するスペクトラムを求
め、該スペクトラムに基づいて複数の入射信号の到来方
位を求めるので、特に、擬似信号を用いた場合には、ス
ペクトラム上で擬似信号の到来方位と入射信号の到来方
位とが分離されるから、複数の入射信号の到来方位を容
易に求めることができる。
【0014】また、本発明の第2の態様に係る検出装置
は、複数の入射信号が各々に入射される複数のセンサと
1対1対応で設けられ、各々が、量子化分解能以上の信
号レベルを有し且つ前記複数の入射信号の周波数の数倍
以上の周波数を有する付加信号と前記センサからの複数
の入射信号とを混合して混合信号を出力する複数の混合
器と、前記複数の混合器と1対1対応で設けられ、各々
が、前記混合器からの前記混合信号をデジタル信号に変
換する複数のA/D変換器と、前記複数のA/D変換器
と1対1対応で設けられ、各々が、前記A/D変換器か
らのデジタル信号から前記複数の入射信号を抽出する複
数の抽出手段と、を備えたことを特徴とする。この検出
装置によれば、入射信号がA/D変換器の量子化分解能
以下の微小信号であっても該微小信号を検出でき、A/
D変換器のダイナミックレンジを拡張できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら詳細に説明する。
【0016】先ず、n個(nは2以上の整数)のセンサ
のアレイに同時にm個(mは2以上の整数)の信号が入
射する場合を仮定する。この状態は、下記式(1)で表
すことができる。
【0017】
【数1】 X1〜n(t)=A・S1〜m(t)+N1〜n(t)…式(1) ここで、X1〜nは各センサで観測される時系列デー
タ、Aはセンサの配置と特性とで決まるn行×m列の信
号混合の行列、S1〜m(t)はm個の入射信号、N
1〜n(t)は各センサにおける雑音である。
【0018】一般に、スーパーレゾリューションによる
方位測定やヌルステアリングにおいては、上記式(1)
における「A」に相当する情報が直接的又は間接的に推
定される。例えば、MUSIC法においては、「A」に
相当する行列と直交関係にある雑音固有ベクトルからな
る行列を求め、その行列とステアリングベクトルの相関
量から入射信号の到来方位が求められる。
【0019】ここで、入射信号を2(m=2)とし、1
番目の信号を大きい電力レベルの信号とし、2番目の信
号を微小電力レベルの信号とする。X1.2(t)の2つの信
号の電力比が大きく、2番目の微小信号のA/D変換器
入力レベルが1LSB以下となった場合、2番目の信号
はA/D変換器出力には現れない。
【0020】そこで、受信装置は、付加信号又は付加雑
音として信号レベルが数LSB以上で且つ周波数が所望
信号の周波数の数倍以上の周波数成分を含む信号を微小
信号に意図的に付加することにより、A/D変換器の量
子化分解能以下の微小信号の到来方位の測定及び受信を
可能とするものである。以下、本発明の実施の形態に係
る受信装置を詳細に説明する。
【0021】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態に係る受信装置は、センサとしてアンテナを使用
し、複数のアンテナに入射された複数の入射信号に基づ
いて複数の入射信号の到来方位を測定するとともに受信
する。なお、以下では、説明を簡単にするために、アン
テナの数を「4」とし、入射信号の数を「n=3」とし
て説明するが、アンテナの数及び入射信号の数はこれら
に限定されず任意である。ここでは、MUSIC法によ
る到来方位の測定を行うので、入射信号の数は、アンテ
ナの数より1だけ少ない。
【0022】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る
受信装置の構成を示すブロック図である。
【0023】この受信装置は、第1〜第4アンテナ11
〜14、第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24、帯域制
限制御器25、第1〜第4中間周波数変換器31〜3
4、局部発振器35、第1〜第4利得調整器41〜4
4、第1〜第4混合器51〜54、付加信号発振器5
5、第1〜第4A/D変換器61〜64、発振器65、
第1〜第4デジタルフィルタ71〜74、到来方位演算
部100及び受信機110から構成されている。
【0024】第1〜第4アンテナ11〜14としては、
バーチカルアンテナ、ダイポールアンテナといった無指
向性のアンテナ、及び任意の指向性を持ったアンテナ等
が用いられ、種々の方位からの電波を受信する。これら
第1〜第4アンテナ11〜14を設置する間隔や高さは
任意である。
【0025】第1アンテナ11は、空中からの複数の入
射信号(電波)S〜Sを受信し、これらが混合され
た混合信号を第1帯域制限ろ波器21に送る。同様に、
第2〜第4アンテナ12〜14は、空中からの複数の入
射信号S〜Sを受信し、これらが混合された混合信
号を第2〜第4帯域制限ろ波器22〜24にそれぞれ送
る。
【0026】第1帯域制限ろ波器21は、第1アンテナ
11からの混合信号に含まれる所定帯域の周波数成分の
みを通過させて第1中間周波数変換器31に送る。同様
に、第2〜第4帯域制限ろ波器22〜24は、第2〜第
4アンテナ12〜14からの混合信号に含まれる所定帯
域の周波数成分のみをそれぞれ通過させて第2〜第4中
間周波数変換器32〜34に送る。なお、各第1〜第4
帯域制限ろ波器21〜24が通過させる周波数帯域は同
じである。
【0027】帯域制限制御器25は、通過させる周波数
帯域、つまり通過させる周波数成分の範囲を指定するた
めの制御信号を生成する。この帯域制限制御器25で生
成された制御信号は、第1〜第4帯域制限ろ波器21〜
24に送られる。第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24
は、帯域制限制御器25からの制御信号に従って、入力
された混合信号に含まれる所定帯域の周波数成分のみを
通過させる。
【0028】この帯域制限制御器25は、任意の帯域の
周波数成分を通過させるような制御信号を生成できるよ
うに構成されている。したがって、帯域制限制御器25
からの制御信号を適宜変更することにより、第1〜第4
帯域制限ろ波器21〜24を通過する周波数帯域を任意
に変化させることができる。
【0029】局部発振器35は、受信電波を中間周波数
に変換するために必要とする発振周波数を有する信号を
生成する。この局部発振器35で生成された信号は、第
1〜第4中間周波数変換器31〜34に送られる。
【0030】第1〜第4中間周波数変換器31〜34の
各々は、何れも図示を省略するが、高周波増幅器、周波
数混合器及び中間周波数増幅器から構成されている。
【0031】高周波増幅器は、受信周波数帯の高周波
を、次段の周波数混合器の入力電圧として適当な大きさ
になるように増幅する。周波数混合器は、高周波増幅器
で増幅された信号と局部発振器35の出力信号とを混合
し、それらの和又は差の周波数を作ることにより中間周
波数の信号に変換する。中間周波数増幅器は、周波数混
合器で得られた中間周波数の信号を増幅する。これによ
り、安定で高利得の増幅を行うことができ、感度を向上
させることができる。
【0032】上記のように構成される第1〜第4中間周
波数変換器31〜34から出力される信号は、第1〜第
4利得調整器41〜44にそれぞれ送られる。
【0033】第1〜第4利得調整器41〜44は、第1
〜第4中間周波数変換器31〜34から出力される信号
の振幅を所定のレベル、即ち、第1〜第4A/D変換器
61〜64の入力レベル範囲に調整する。
【0034】付加信号発振器55は、振幅が1LSBで
且つ周波数が入射信号(微小信号)の周波数の数倍以上
の周波数を含む付加信号を生成する。第1〜第4混合器
51〜54は、付加信号発振器55からの付加信号と第
1〜第4利得調整器41〜44からの信号とを混合し
て、それらの和の周波数を作ることにより混合信号を出
力する。
【0035】発振器65は、第1〜第4混合器51〜5
4からの信号をサンプリングするためのサンプリングク
ロックを生成する。この発振器65で生成されたサンプ
リングクロックは第1〜第4A/D変換器61〜64に
送られる。
【0036】第1〜第4A/D変換器61〜64は、発
振器65からの信号をサンプリングクロックとして、第
1〜第4混合器51〜54からのアナログ信号をサンプ
リングすることにより、デジタル信号にそれぞれ変換す
る。第1〜第4A/D変換器61〜64の各々から出力
されるデジタル信号は、第1〜第4デジタルフィルタ7
1〜74に供給される。
【0037】第1〜第4デジタルフィルタ71〜74
は、入力される信号に含まれる低域周波数のみを通過さ
せる低域通過ろ波器からなり、第1〜第4A/D変換器
61〜64の各々から出力されるデジタル信号から付加
信号を除去する。
【0038】到来方位演算部100は、MUSIC法に
より入射信号S〜Sが混合されてなる観測信号に基
づいて入射信号の到来方位を測定する。この到来方位演
算部100の詳細は後述する。受信機110は、第1〜
第4デジタルフィルタ71〜74からの信号を受信す
る。
【0039】次に、上記のように構成される本発明の第
1の実施の形態に係る受信装置の動作を説明する。各ア
ンテナ11〜14で観測される入射信号S
1,・・・,nの混合信号x ,・・・,n(t)は、
第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24にそれぞれ送られ
る。第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24は、混合信号
1,・・・,n(t)の所定帯域の周波数成分のみを
それぞれ通過させ、第1〜第4中間周波数変換器31〜
34に送る。
【0040】第1〜第4中間周波数変換器31〜34
は、第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24からの混合信
号x12,3,4(t)をそれぞれ入力して中間周波数
の信号に変換する。詳しくは、第1〜第4中間周波数変
換器31〜34内の高周波増幅器は混合信号x
12,3,4(t)を高周波増幅する。この高周波増幅
された信号は、局部発振器35からの信号と混合されて
それらの和又は差の周波数が作られることにより中間周
波数の信号に変換される。中間周波数の信号は中間周波
数増幅器により増幅されて第1〜第4利得調整器41〜
44に送られる。
【0041】第1〜第4利得調整器41〜44は、第1
〜第4中間周波数変換器31〜34から出力される信号
の振幅を第1〜第4A/D変換器41〜44の入力レベ
ル範囲に調整して、調整された微小信号(図2に示
す。)を第1〜第4混合器51〜54に出力する。
【0042】一方、付加信号発振器55は、図2に示す
ように、振幅が1LSBで且つ周波数が入射信号(微小
信号)の周波数の数倍以上の周波数を含む付加信号を生
成しており、第1〜第4混合器51〜54は、付加信号
発振器55からの付加信号と第1〜第4利得調整器41
〜44からの微小信号とを混合して、それらの和の周波
数を作ることにより混合信号を出力する。
【0043】第1〜第4混合器51〜54からの混合信
号を第1〜第4A/D変換器61〜64に入力すると、
第1〜第4A/D変換器61〜64は、第1〜第4混合
器51〜54からの混合信号を、発振器65からのサン
プリングクロックを用いてサンプリングすることにより
デジタル信号に変換し、観測信号X
1,2,3,4(t)として出力する。この観測信号
は、図2に示すようにパルス変調されたパルス変調信号
となる。このパルス変調信号は第1〜第4デジタルフィ
ルタ71〜74に入力される。
【0044】第1〜第4デジタルフィルタ71〜74
は、第1〜第4A/D変換器61〜64からのパルス変
調信号に含まれる低域周波数のみを通過させるので、付
加信号が除去されて入射信号である微小信号を復元でき
る。これにより、第1〜第4A/D変換器61〜64の
ダイナミックレンジを拡張することができる。
【0045】さらに、第1〜第4デジタルフィルタ71
〜74からの信号は、到来方位演算部100及び受信機
110に送られる。
【0046】次に、到来方位演算部100は、第1〜第
4デジタルフィルタ71〜74からの信号でMUSIC
等のアルゴリズムを用いて入射信号の到来方位を測定す
る。この到来方位演算部100の処理を図3を参照して
詳細に説明する。
【0047】MUSIC法は相関行列の固有値と固有ベ
クトルとを用いた推定法である。図3のようにセンサ間
隔dのM素子等間隔リニアアレーに平面波がK波到来し
ていて、各到来波の信号波形と到来角がFk(t),θ
(k=1,2…K)と表されるとき、各センサにおけ
る各到来波の位相応答を表す方向ベクトルa(θ
は、式(2)で与えられる。
【0048】
【数2】 ここで、上添字Tは転置を表す。よって、入力ベクトル
は式(3)〜式(7)で表される。
【0049】
【数3】 上式においてN(t)は熱雑音ベクトルであり、その成
分は平均が0で分散(電力)がσの独立な複素ガウス
過程である。このとき、センサ間の相関特性を表す相関
行列は式(8)〜式(9)で与えられる。
【0050】
【数4】 ここで、上添字Hは複素共役転置を表す。到来波が互い
に無関係であれば信号相関行列SのランクはKとなる。
また、方向行列AもランクはKである。従って、この場
合の相関行列RxxはランクKの非負定値エルミート行
列となる。この行列の固有値λ(i=1,2…,M)
は実数となり、下記の式(10)の関係を有する。
【0051】
【数5】 従って、相関行列の固有値を求め、熱雑音電力σより
大きい固有値の数から到来波数Kを推定することができ
る。また、固有値λ(i=1,2…,M)に対応する
固有ベクトルをe(i=1,2…,M)とすると、M
次元のエルミート空間の正規直交基底ベクトルとして扱
われる。この空間は信号空間span{e1,…eK}と雑音空間s
pan{eK+1,…e}との二つの部分空間にわけることが
でき、信号空間と雑音空間とは互いに直交補空間の関係
にある。
【0052】span{e1,…eK}はベクトルe(i=1,
2…,M)で張られる空間とする。また、信号空間は方
向ベクトルを用いて、span{a(θ),…,a
(θ)}と表すことができる。従って、熱雑音電力に
等しい固有値に対応する固有ベクトルは全て到来波の方
向ベクトルと直交することになる。そこで、式(11)
のような評価関数を定義する。
【0053】
【数6】 これはMUSICスペクトラムと呼ばれ、到来角θに対
するスペクトラムのK個のピークが到来方位θ(k=
1,2…K)となる。なお、式(10)からもわかるよ
うに、熱雑音電力に等しい最小固有値が少なくとも一つ
必要なので、アレーのセンサ数はM≧K+1が必要条件
となる。
【0054】以上説明したように、この第1の実施の形
態に係る受信装置によれば、第1〜第4混合器51〜5
4が、量子化分解能以上の信号レベルを有し且つ複数の
入射信号の周波数の数倍以上の周波数を有する付加信号
とセンサからの複数の入射信号とを混合して混合信号を
出力する。この混合信号は、信号レベルが量子化分解能
以上となるので、第1〜第4A/D変換器61〜64
は、混合信号をデジタル信号に変換して出力でき、第1
〜第4デジタルフィルタ71〜74は、デジタル信号か
ら複数の入射信号を抽出するので、入射信号が第1〜第
4A/D変換器61〜64の量子化分解能以下の微小信
号であっても該微小信号を検出でき、第1〜第4A/D
変換器61〜64のダイナミックレンジを拡張できる。
また、到来方位演算部100により微小信号の到来方位
を測定できる。
【0055】(第1の実施の形態の変形例)図4は、本
発明の第1の実施の形態に係る受信装置の第1の変形例
の構成を示すブロック図である。第1の変形例は、図1
に示す第1〜第4中間周波数変換器31〜34に代え
て、図4に示す第1〜第4デジタル周波数変換器81〜
84を備えたことを特徴とする。
【0056】即ち、受信装置は、第1〜第4利得調整器
41〜44、第1〜第4混合器51〜54、付加信号発
振器55、第1〜第4A/D変換器61〜64、発振器
65、第1〜第4調整器66〜69、第1〜第4デジタ
ルフィルタ71〜74、第1〜第4デジタル周波数変換
器81〜84、局部発振器85を有している。
【0057】第1〜第4利得調整器41〜44は、第1
〜第4帯域制限ろ波器21〜24から出力される信号の
振幅を第1〜第4A/D変換器61〜64の入力レベル
範囲に調整する。第1〜第4混合器51〜54は、付加
信号発振器55からの付加信号と第1〜第4利得調整器
41〜44からの信号とを混合して、それらの和の周波
数を作ることにより混合信号を出力する。
【0058】発振器65は、第1〜第4混合器51〜5
4からの信号をサンプリングするためのサンプリングク
ロックを生成する。この発振器65で生成されたサンプ
リングクロックは第1〜第4A/D変換器61〜64に
送られる。
【0059】第1〜第4A/D変換器61〜64は、発
振器65からの信号をサンプリングクロックとして、第
1〜第4混合器51〜54からのアナログ信号をサンプ
リングすることにより、デジタル信号にそれぞれ変換す
る。第1〜第4A/D変換器61〜64からのデジタル
信号は、第1〜第4調整器66〜69及び第1〜第4デ
ジタルフィルタ71〜74に供給される。第1〜第4調
整器66〜69は、第1〜第4A/D変換器61〜64
からのデジタル信号のレベルを図示しないモニタで監視
し、その信号のレベルを基準レベルに調整して第1〜第
4利得調整器41〜44にフィードバックする。
【0060】第1〜第4デジタルフィルタ71〜74
は、入力される信号に含まれる低域周波数のみを通過さ
せる低域通過ろ波器からなり、第1〜第4A/D変換器
61〜64の各々から出力されるデジタル信号から付加
信号を除去する。第1〜第4デジタルフィルタ71〜7
4から出力されるデジタル信号は、第1〜第4デジタル
周波数変換器81〜84に供給される。
【0061】第1〜第4デジタル周波数変換器81〜8
4は、第1〜第4デジタルフィルタ71〜74からのデ
ジタル信号に含まれている有効な帯域のデータをその周
波数帯域よりも低い中間周波数帯域のデータに周波数変
換する。
【0062】次に、第1の変形例における特徴的な動作
について説明する。各アンテナ11〜14で観測される
入射信号S1,・・・,nの混合信号x ,・・・,n
(t)は、第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24にそれ
ぞれ送られる。第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24
は、混合信号x1,・・・,n(t)の所定帯域の周波
数成分のみをそれぞれ通過させ、第1〜第4利得調整器
41〜44は、第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24か
ら出力される信号の振幅を第1〜第4A/D変換器41
〜44の入力レベル範囲に調整して、調整された微小信
号(図2に示す。)を第1〜第4混合器51〜54に出
力する。一方、付加信号発振器55は、図2に示すよう
に、振幅が1LSBで且つ周波数が入射信号(微小信
号)の周波数の数倍以上の周波数を含む付加信号を生成
しており、第1〜第4混合器51〜54は、付加信号発
振器55からの付加信号と第1〜第4利得調整器41〜
44からの微小信号とを混合して、それらの和の周波数
を作ることにより混合信号を出力する。
【0063】第1〜第4混合器51〜54からの混合信
号を第1〜第4A/D変換器61〜64に入力すると、
第1〜第4A/D変換器61〜64は、第1〜第4混合
器51〜54からの混合信号を、発振器65からのサン
プリングクロックを用いてサンプリングすることにより
デジタル信号に変換し、観測信号X
1,2,3,4(t)として出力する。この観測信号
は、図2に示すようにパルス変調されたパルス変調信号
となる。このパルス変調信号は第1〜第4デジタルフィ
ルタ71〜74に入力される。
【0064】第1〜第4デジタルフィルタ71〜74
は、第1〜第4A/D変換器61〜64からのパルス変
調信号に含まれる低域周波数のみを通過させるので、付
加信号が除去されて入射信号である微小信号を復元でき
る。これにより、第1〜第4A/D変換器61〜64の
ダイナミックレンジを拡張することができる。
【0065】第1〜第4デジタル周波数変換器81〜8
4は、第1〜第4デジタルフィルタ71〜74からのデ
ジタル信号に含まれている有効な帯域のデータをその周
波数帯域よりも低い中間周波数帯域のデータに周波数変
換する。そして、第1〜第4デジタル周波数変換器81
〜84の各々から出力されるデジタル信号は、到来方位
演算部100に供給される。
【0066】なお、到来方位演算部100における入射
信号の到来方位の処理内容については、上述した内容と
同様であるので、その説明を省略する。また、第1の変
形例による効果も上述した内容と同様であるので、その
説明を省略する。
【0067】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態に係る受信装置は、図1に示す付加信号発振器5
5に代えて、図5に示す第1〜第4擬似信号発振器91
〜94を備えるとともに、図1に示す第1〜第4デジタ
ルフィルタ71〜74を削除したことを特徴とするもの
である。
【0068】第1の実施の形態において、例えば、微小
信号の周波数と付加信号の周波数とが近く、デジタルフ
ィルタにより微小信号が分離不可能な場合に、複数の入
射信号の到来方位とは異なる方位を表す擬似信号を微小
信号と混合して混合信号を出力し、アレイ信号処理の特
徴を活かして、混合信号から擬似信号を分離して微小信
号を検出し且つこの信号の到来方位を測定するものであ
る。
【0069】なお、以下では、説明を簡単にするため
に、アンテナの数を「4」とし、入射信号の数を「n=
3」として説明するが、センサの数及び入射信号の数は
これらに限定されず任意である。また、第1の実施の形
態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を
省略する。
【0070】図5は、本発明の第2の実施の形態に係る
受信装置の構成を示すブロック図である。この受信装置
は、第1〜第4アンテナ11〜14、第1〜第4帯域制
限ろ波器21〜24、帯域制限制御器25、第1〜第4
中間周波数変換器31〜34、局部発振器35、第1〜
第4利得調整器41〜44、第1〜第4混合器51〜5
4、第1〜第4擬似信号発振器91〜94、第1〜第4
A/D変換器61〜64、発振器65、到来方位演算部
100及び受信機110から構成されている。
【0071】第1擬似信号発振器91は、量子化分解能
以上の信号レベルを有し且つ複数の入射信号の到来方位
とは異なる方位を表す第1擬似信号を生成する。第1混
合器51は、第1擬似信号発振器91からの第1擬似信
号と第1利得調整器41からの信号とを混合して第1混
合信号を出力する。
【0072】同様に、第2〜第4擬似信号発振器92〜
94は、量子化分解能以上の信号レベルを有し且つ複数
の入射信号の到来方位とは異なる方位を表す第2〜第4
擬似信号を生成する。第2〜第4混合器52〜54は、
第2〜第4擬似信号発振器92〜94からの第2〜第4
擬似信号と第2〜第4利得調整器42〜44からの信号
とを混合して第2〜第4混合信号を出力する。
【0073】第1〜第4A/D変換器61〜64は、発
振器65からの信号をサンプリングクロックとして、第
1〜第4混合器51〜54からの第1〜第4混合信号を
サンプリングすることにより、デジタル信号にそれぞれ
変換する。第1〜第4A/D変換器61〜64からのデ
ジタル信号は、到来方位演算部100及び受信機110
に供給される。
【0074】到来方位演算部100は、第1〜第4A/
D変換器61〜64からのデジタル信号から複数の入射
信号を抽出して該複数の入射信号に基づいて、複数の入
射信号の到来方位を求める。
【0075】次に、上記のように構成される本発明の第
2の実施の形態に係る受信装置の動作を詳細に説明す
る。ここでは、説明を簡単にするため、第1〜第4利得
調整器41〜44以降の動作を説明するものとする。
【0076】まず、第1〜第4擬似信号発振器91〜9
4は、量子化分解能以上の信号レベルを有し且つ複数の
入射信号の到来方位とは異なる方位を表す第1〜第4擬
似信号を生成する。この第1〜第4擬似信号の生成処理
を図6を参照しながら説明する。
【0077】図6に示すように、隣接するアンテナ間の
距離をdとし、第1アンテナ11と第2アンテナ12と
を結ぶ線に直交する線に角度θで擬似信号が入射するも
のとする。この擬似信号の方位は、入射信号S〜S
の方位とは明らかに異なる。この場合、第1擬似信号P
が第1アンテナ11に到達したときを基準としその
位相φを0とする。
【0078】第2擬似信号PNは、第1アンテナ11
に到着してから第2アンテナ12に至るまでの距離yは
「dsinθ」である。これを位相に直すと、第1アン
テナ11と第2アンテナ12の位相差φは、
【数7】 φ=(2π/λ)・dsinθ・・・式(12) で表される。ここで、λは波長である。θは観測される
データであり既知であるため、位相差φが求められ
る。このため、第2の擬似信号PNは、第1擬似信号
PNに対して位相差φだけ遅れた信号を生成する。
【0079】第3擬似信号PNは、第1アンテナ11
に到着してから第3アンテナ13に至るまでの距離yは
「2dsinθ」である。これを位相に直すと、第1ア
ンテナ11と第3アンテナ13の位相差φは、
【数8】 φ=(2π/λ)・2dsinθ・・・式(13) で表される。このため、第3の擬似信号PNは、第1
擬似信号PNに対して位相差φだけ遅れた信号を生
成する。
【0080】第4擬似信号PNは、第1アンテナ11
に到着してから第4アンテナ14に至るまでの距離yは
「3dsinθ」である。これを位相に直すと、第1ア
ンテナ11と第4アンテナ14の位相差φは、
【数9】 φ=(2π/λ)・3dsinθ・・・式(14) で表される。このため、第4の擬似信号PNは、第1
擬似信号PNに対して位相差φだけ遅れた信号を生
成する。
【0081】次に、第1〜第4混合器51〜54は、第
1〜第4擬似信号発振器91〜94からの第1〜第4擬
似信号と第1〜第4利得調整器41〜44からの信号と
を混合して第1〜第4混合信号を出力し、第1〜第4A
/D変換器61〜64は、発振器65からの信号をサン
プリングクロックとして、第1〜第4混合器51〜54
からの第1〜第4混合信号をサンプリングすることによ
り、デジタル信号にそれぞれ変換する。第1〜第4A/
D変換器61〜64からのデジタル信号は、到来方位演
算部100に供給される。このデジタル信号には、擬似
信号と微小信号とが含まれている。
【0082】到来方位演算部100は、第1〜第4A/
D変換器61〜64からのデジタル信号から複数の入射
信号を抽出して該複数の入射信号に基づいて、複数の入
射信号の到来方位を求めるもので、より具体的には、各
センサにおける複数の入射信号の位相応答を表す方向ベ
クトル量を求め、この方向ベクトル量と直交関係にある
雑音電力に等しい固有値に対応する雑音固有ベクトル量
を求め、この雑音固有ベクトル量に基づいて到来角に対
するスペクトラムを求め、該スペクトラムに基づいて複
数の入射信号の到来方位を求める。
【0083】即ち、前述したMUSIC法の式(2)〜
式(11)までの処理を行い、式(11)で表されるM
USICスペクトラムを求めると、図7に示すような到
来角θに対するスペクトラムの2個のピークP,P
が到来方位となる。擬似信号の到来角は予め既知である
ので、その到来角(例えば120度)に対応するピーク
がPであることがわかり、また、残りのピークP
示す角度が微小信号の到来角(例えば30度)とわか
る。
【0084】以上説明したように、この第2の実施の形
態に係る受信装置によれば、第1〜第4混合器51〜5
4が、量子化分解能以上の信号レベルを有し且つ複数の
入射信号の到来方位とは異なる方位を表す方位擬似信号
とセンサからの複数の入射信号とを混合して混合信号を
出力する。この混合信号は、信号レベルが量子化分解能
以上となるので、第1〜第4A/D変換器61〜64
は、混合信号をデジタル信号に変換して出力でき、到来
方位演算部100は、デジタル信号から複数の入射信号
を抽出するので、入射信号が第1〜第4A/D変換器6
1〜64の量子化分解能以下の微小信号であっても該微
小信号を検出でき、第1〜第4A/D変換器のダイナミ
ックレンジを拡張できる。
【0085】また、到来方位演算部100によれば、到
来角に対するスペクトラムを求め、該スペクトラムに基
づいて複数の入射信号の到来方位を求めるので、スペク
トラム上で擬似信号の到来方位と入射信号の到来方位と
が分離されるから、複数の入射信号の到来方位を容易に
求めることができる。また、第1〜第4デジタルフィル
タ71〜74を設ける必要がないので、受信装置の構成
が簡素化できる。
【0086】(第2の実施の形態の変形例)図8は、本
発明の第2の実施の形態に係る受信装置の第2の変形例
の構成を示すブロック図である。第2の変形例は、図5
に示す第1〜第4中間周波数変換器31〜34に代え
て、図8に示す第1〜第4デジタル周波数変換器81〜
84を備えたことを特徴とする。
【0087】即ち、受信装置は、第1〜第4利得調整器
41〜44、第1〜第4混合器51〜54、第1〜第4
擬似信号発振器91〜94、第1〜第4A/D変換器6
1〜64、発振器65、第1〜第4調整器66〜69、
第1〜第4デジタル周波数変換器81〜84、局部発振
器85を有している。
【0088】第1〜第4利得調整器41〜44は、第1
〜第4帯域制限ろ波器21〜24から出力される信号の
振幅を第1〜第4A/D変換器61〜64の入力レベル
範囲に調整する。第1〜第4混合器51〜54は、第1
〜第4擬似信号発振器91〜94からの第1〜第4擬似
信号と第1〜第4利得調整器41〜44からの信号とを
混合して、それらの和の周波数を作ることにより第1〜
第4混合信号を出力する。
【0089】発振器65は、第1〜第4混合器51〜5
4からの第1〜第4混合信号をサンプリングするための
サンプリングクロックを生成する。この発振器65で生
成されたサンプリングクロックは第1〜第4A/D変換
器61〜64に送られる。
【0090】第1〜第4A/D変換器61〜64は、発
振器65からの信号をサンプリングクロックとして、第
1〜第4混合器51〜54からの第1〜第4混合信号を
サンプリングすることにより、デジタル信号にそれぞれ
変換する。第1〜第4A/D変換器61〜64からのデ
ジタル信号は、第1〜第4調整器66〜69及び第1〜
第4デジタル周波数変換器81〜84に供給される。
【0091】第1〜第4デジタル周波数変換器81〜8
4は、第1〜第4A/D変換器61〜64からのデジタ
ル信号に含まれている有効な帯域のデータをその周波数
帯域よりも低い中間周波数帯域のデータに周波数変換す
る。
【0092】次に、第2の変形例における特徴的な動作
について説明する。各アンテナ11〜14で観測される
入射信号S1,・・・,nの混合信号x ,・・・,n
(t)は、第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24にそれ
ぞれ送られる。第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24
は、混合信号x1,・・・,n(t)の所定帯域の周波
数成分のみをそれぞれ通過させ、第1〜第4利得調整器
41〜44は、第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24か
ら出力される信号の振幅を第1〜第4A/D変換器41
〜44の入力レベル範囲に調整して、調整された微小信
号を第1〜第4混合器51〜54に出力する。次に、第
1〜第4混合器51〜54は、第1〜第4擬似信号発振
器91〜94からの第1〜第4擬似信号と第1〜第4利
得調整器41〜44からの信号とを混合して、第1〜第
4混合信号を出力する。第1〜第4混合器51〜54か
らの第1〜第4混合信号を第1〜第4A/D変換器61
〜64に入力すると、第1〜第4A/D変換器61〜6
4は、第1〜第4混合器51〜54からの第1〜第4混
合信号を、発振器65からのサンプリングクロックを用
いてサンプリングすることによりデジタル信号に変換
し、観測信号X1,2,3,4(t)として出力する。
この観測信号は、第1〜第4デジタル周波数変換器81
〜84に入力される。
【0093】第1〜第4デジタル周波数変換器81〜8
4は、第1〜第4A/D変換器61〜64からのデジタ
ル信号に含まれている有効な帯域のデータをその周波数
帯域よりも低い中間周波数帯域のデータに周波数変換す
る。そして、第1〜第4デジタル周波数変換器81〜8
4の各々から出力されるデジタル信号は、到来方位演算
部100に供給される。
【0094】なお、到来方位演算部100における入射
信号の到来方位の処理内容については、上述した内容と
同様であるので、その説明を省略する。また、第2の変
形例による効果も上述した内容と同様であるので、その
説明を省略する。
【0095】なお、上述した第1及び第2の実施の形態
では、センサとして、アンテナを用いた例を説明したが
本発明はこれに限定されるものではない。例えば、セン
サとして、音声を検知するマイクロフォン、生体の種々
の状態を検知するセンサ等を用いることができる。
【0096】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
入射信号がA/D変換器の量子化分解能以下の微小信号
であっても該微小信号を検出でき、A/D変換器のダイ
ナミックレンジを拡張できる。また、到来方位演算部に
より微小信号の到来方位を測定できる受信装置及び検出
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る受信装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】A/D変換器による1LSB以下の微小信号の
検出処理を説明する図である。
【図3】MUSICによる到来方位推定を説明するため
の図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る受信装置の第
1の変形例の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る受信装置の構
成を示すブロック図である。
【図6】第2の実施の形態に係る受信装置における各擬
似信号の生成を説明するための図である。
【図7】到来角に対するMUSICスペクトラムを示す
図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る受信装置の第
2の変形例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11〜14 第1〜第4アンテナ 21〜24 第1〜第4帯域制限ろ波器 25 帯域制限制御器 31〜34 第1〜第4中間周波数変換器 35 局部発振器 41〜44 第1〜第4利得調整器 51〜54 第1〜第4混合器 55 付加信号発振器 61〜64 第1〜第4A/D変換器 65 発振器 71〜74 第1〜第4デジタルフィルタ 81〜84 第1〜第4デジタル周波数変換器 85 局部発振器 91〜94 第1〜第4擬似信号発振器 100 到来方位演算部 110 受信機

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の入射信号が各々に入射される複数
    のセンサと、 前記複数のセンサと1対1対応で設けられ、各々が、量
    子化分解能以上の信号レベルを有し且つ前記複数の入射
    信号の周波数の数倍以上の周波数を有する付加信号と前
    記センサからの複数の入射信号とを混合して混合信号を
    出力する複数の混合器と、 前記複数の混合器と1対1対応で設けられ、各々が、前
    記混合器からの前記混合信号をデジタル信号に変換する
    複数のA/D変換器と、 前記複数のA/D変換器と1対1対応で設けられ、各々
    が、前記A/D変換器からのデジタル信号から前記複数
    の入射信号を抽出する複数の抽出手段と、 前記複数の抽出手段で抽出された前記複数の入射信号に
    基づいて、前記複数の入射信号の到来方位を求める到来
    方位演算部と、を備えたことを特徴とする受信装置。
  2. 【請求項2】 複数の入射信号が各々に入射される複数
    のセンサと、 前記複数のセンサと1対1対応で設けられ、各々が、量
    子化分解能以上の信号レベルを有し且つ前記複数の入射
    信号の到来方位とは異なる方位を表す擬似信号と前記セ
    ンサからの複数の入射信号とを混合して混合信号を出力
    する複数の混合器と、 前記複数の混合器と1対1対応で設けられ、各々が、前
    記混合器からの前記混合信号をデジタル信号に変換する
    複数のA/D変換器と、 前記複数のA/D変換器からの複数のデジタル信号から
    前記複数の入射信号を抽出して該複数の入射信号に基づ
    いて、前記複数の入射信号の到来方位を求める到来方位
    演算部と、を備えたことを特徴とする受信装置。
  3. 【請求項3】 前記複数のセンサと1対1対応で設けら
    れ、前記センサからの前記複数の入射信号の信号レベル
    が前記A/D変換器の入力レベル範囲となるように利得
    調整を行う複数の利得調整器を備えたことを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の受信装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の抽出手段は、 前記A/D変換器からのデジタル信号に含まれる前記複
    数の入射信号の周波数のみを通過させるデジタルフィル
    タからなることを特徴とする請求項1に記載の受信装
    置。
  5. 【請求項5】 前記到来方位演算部は、前記各センサに
    おける前記複数の入射信号の位相応答を表す方向ベクト
    ル量を求め、この方向ベクトル量と直交関係にある雑音
    電力に等しい固有値に対応する雑音固有ベクトル量を求
    め、この雑音固有ベクトル量に基づいて到来角に対する
    スペクトラムを求め、該スペクトラムに基づいて前記複
    数の入射信号の到来方位を求めることを特徴とする請求
    項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の受信装置。
  6. 【請求項6】 複数の入射信号が各々に入射される複数
    のセンサと1対1対応で設けられ、各々が、量子化分解
    能以上の信号レベルを有し且つ前記複数の入射信号の周
    波数の数倍以上の周波数を有する付加信号と前記センサ
    からの複数の入射信号とを混合して混合信号を出力する
    複数の混合器と、 前記複数の混合器と1対1対応で設けられ、各々が、前
    記混合器からの前記混合信号をデジタル信号に変換する
    複数のA/D変換器と、 前記複数のA/D変換器と1対1対応で設けられ、各々
    が、前記A/D変換器からのデジタル信号から前記複数
    の入射信号を抽出する複数の抽出手段と、を備えたこと
    を特徴とする検出装置。
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