JP3765756B2 - 液体現像剤及びその製造方法、並びに、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

液体現像剤及びその製造方法、並びに、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式等の複写機、ファクシミリ、プリンタ、印刷機、プリント基板作製装置、フォトマスク作製装置などの画像形成装置に用いられる液体現像剤、及び該液体現像剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては、米国特許第2297691号公報等に記載されているように、光導電性絶縁体を用いた方式が一般的である。この方式においては、コロナやローラ等によって帯電させた光導電性絶縁体(静電潜像担持体)に、光等を照射することによって静電潜像を形成し、この静電潜像に、トナーと呼ばれる、顔料や染料により着色した樹脂粒子を静電的に付着させて現像することにより像を得、この像を紙やフィルム上へ転写後、熱、圧力、光等によって融着(定着)させることにより、可視画像が得られる。
【0003】
前記電子写真法は、一般的に、乾式現像方式と、湿式現像方式(液体現像方式)とに大別される。前記乾式現像方式は、その現像剤として、トナー粒子を単独で、あるいは、トナーとキャリアと呼ばれる磁性粒子との混合物として用い、いずれも粉体状の現像剤を用いる方式である。前記湿式現像方式は、トナーが担体となる液体中に分散された液体状の現像剤を用いる方式である。
【0004】
光導電性絶縁体上に形成された静電潜像をより忠実に再現し、より高精細な画像を出力するためには、トナー粒子の粒径はより小さい方が好ましい。しかしながら、前記乾式現像方式では、粒径が小さくなると、装置内が汚染されたり、ハンドリング性に劣る等、人体へ吸入され易く有害性が高いことが指摘されている。したがって、粒径5μm程度以下のトナーを前記乾式現像方式に用いることは現実的とは言えない。一方、前記湿式現像方式においては、トナー粒子が液体中に存在するため、粒径5μm程度以下のトナー粒子を用いた場合でも、前述のような問題が生ずることがなく、高精細な画像が得られるという利点がある。
【0005】
一般に、電子写真用の液体現像剤は、カーボンブラック、有機顔料、染料等の着色剤及び結着樹脂を主成分としたトナー粒子を、石油系脂肪族炭化水素やシリコーンオイルのような高絶縁性、低誘電率の物質を主成分とする担体液中に分散させてなり、このほかに、担体液中でトナー粒子に適正な電荷を付与するために電荷調整剤が添加されたり、トナー粒子の分散安定性を高めるための添加剤が添加されてなる。しかし、これらの成分から作製された液体現像剤は、初期の印刷特性は得られるものの、再分散性、保管環境、印刷装置内での温度上昇に伴う印刷特性の劣化等の点まで考慮すると、必ずしも充分な効果が得られているとは言い難く問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、保存安定性が高く、長期に亘って、安定して高品質な画像を形成可能な液体現像剤及び効率的な該液体現像剤の製造方法、並びに、画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
<1> 絶縁性担体液中に、アルコキシ変性シリコーンオイル、並びに、アミノ基、メタクリロキシ基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基及びビニル基から選択される少なくとも1種の官能基を有するシランカップリング剤と、
着色剤及び結着樹脂を含有してなり、該絶縁性担体液に対して不溶なトナー粒子と
を含むことを特徴とする液体現像剤である。
<2> トナー粗粉を、アルコキシ変性シリコーンオイル、並びに、アミノ基、メタクリロキシ基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基及びビニル基から選択される少なくとも1種の官能基を有するシランカップリング剤を含む絶縁性担体液中で微粉砕する液体現像剤の製造方法である。
<3> トナー粗粉を、アミノ基、メタクリロキシ基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基及びビニル基から選択される少なくとも1種の官能基を有するシランカップリング剤を含む絶縁性担体液中で微粉砕した後、微粉砕したトナー含有する絶縁性担体液中に、アルコキシ変性シリコーンオイルを添加する液体現像剤の製造方法である。
<4> トナー粗粉を有機溶媒に溶解して液体状のトナー組成物を作製し、該液体状のトナー組成物を水系媒体に混合し、該有機溶媒を除去してトナー粒子の水分散液を得た後、該トナー粒子の水分散液に、アミノ基、メタクリロキシ基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基及びビニル基から選択される少なくとも1種の官能基を有するシランカップリング剤を添加して該トナー粒子を表面処理し、表面処理された該トナー粒子を、アルコキシ変性シリコーンオイルを含む絶縁性担体液中で微粉砕する液体現像剤の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
(液体現像剤)
本発明の液体現像剤は、絶縁性担体液と、トナー粒子と、アルコキシ変性シリコーンオイル及びシランカップリング剤から選択される少なくとも1種とを含み、さらに必要に応じて適宜選択したその他の成分を含む。
【0009】
−絶縁性担体液−
前記絶縁性担体液としては、絶縁性であれば特に制限はなく、液体現像剤において配合される公知の液体が総て好適に挙げられ、例えば、石油系飽和炭化水素化合物、シリコーンオイル、植物油、等が挙げられる。
前記石油系飽和炭化水素化合物としては、例えば、イソパラフィン、ノルマルパラフィンなどが挙げられる。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、環状ジメチルポリシロキサン、フロロシリコーンなどが挙げられる。
前記植物油としては、例えば、大豆油、ひまわり油、なたね油、ひまし油、アマニ油などが挙げられる。
これらの絶縁性担体液は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0010】
前記絶縁性担体液の具体的な市販製品としては、前記石油系飽和炭化水素化合物では、例えば、アイソパーG、H、L、M(エクソン化学社製)やノルパー12(エクソン化学社製)等が挙げられ、前記シリコーンオイルでは、例えば、SH−200シリーズ(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)、KF−96シリーズ(信越化学工業社製)、L−45シリーズ(日本ユニカー社製)、及び、AKシリース(旭化成ワッカーシリコーン社製)等が挙げられる。
【0011】
前記絶縁性担体液としては、更に、トナー粒子の分散性アップ、トナー粒子の電荷調整、液体現像剤の粘性調整等を目的として、オクチル酸金属塩、ナフテン酸金属塩等の金属石鹸のほか、チタンアルコキシド、アルミニウム含有のキレート化合物等の公知の電荷調整剤を含有していてもよく、また、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の界面活性剤、脂肪酸エステル化合物及びその誘導体等、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子等の担体液に不溶の固体微粒子、などを含有していてもよい。
【0012】
−トナー粒子−
前記トナー粒子は、前記絶縁性担体液に対し不溶であれば特に制限はなく、着色剤及び結着樹脂を含み、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
【0013】
−−着色剤−−
前記着色剤としては、特に制限はなく、液体現像剤において用いられる公知の無機顔料、有機顔料、及び染料等が挙げられる。
前記無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、ベンガラ、フェライト、マグネタイト、等が挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、モノアゾ系赤色顔料、ジスアゾ系赤色顔料、キナクリドン系マゼンタ顔料、フタロシアニン系のシアン顔料、アントラキノン系青色顔料、等が挙げられる。
前記染料としては、例えば、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料、メチン染料、キノリン染料、キノリンイミン染料、ベンゾキノン染料、等が挙げられる。
これらの着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナー粒子における含有量としては、1〜50質量%が好ましい。
【0014】
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、樹脂組成、ガラス転移温度、軟化温度、分子量等において特に制限はないが、画像形成の際、転写材上に好適に画像を定着可能な熱可塑性樹脂が好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、溶融定着特性が良好である点で、フローテスタ軟化温度やガラス転移点が低いものが好ましく、具体的には、前記フローテスタ軟化温度が140℃以下である樹脂が好ましく、前記ガラス転移点が75℃以下である樹脂がより好ましい。
【0015】
前記結着樹脂の具体例としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ロジン及びロジン変性樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0016】
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、ワックス、帯電制御剤、磁性体等の内添剤などが挙げられる。また、本発明の液体現像剤を光定着方式のプリンタにおいて使用する場合には、前記その他の成分として、赤外線域の光吸収を持つ赤外光吸収剤を好適に使用することができる。
【0017】
前記ワックスとしては、特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、パラフィン系ワックス、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、ポリエステル系ワックス、アルコール系ワックス、ウレタン系ワックス、等が挙げられる。これらのワックスは、1種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。また、前記ワックスは、前記結着樹脂の複数種と混合して使用してもよい。
【0018】
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、フッ素系界面活性剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系金属化合物等の含金属染料、四級アンモニウム塩、ニグロシン等のアジン染料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】
前記磁性体としては、特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、金属、合金、金属化合物、フェライトなどが挙げられる。
前記金属としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等が挙げられ、前記合金としては、前記金属の合金などが挙げられ、前記金属化合物としては、例えば、Fe、γ−Fe、コバルト添加酸化物等が挙げられ、前記フェライトとしては、例えば、MnZnフェライト、NiZnフェライト等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】
前記赤外光吸収剤としては、特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができるが、波長800〜1500nmに吸収を持つものが好適に挙げられ、具体的には、有機ジイモニウム系、ナフタロシアン系、アミニウム系等の化合物、無機酸化錫、インジウム系化合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ドープされた酸化錫、ドープされた酸化インジウムやこれらの混合物が特に好ましい。
これらの酸化金属等に好適にドープ可能なドーパントとしては、特に制限はなく、一般的な物質の中から適切なものを適宜選択して使用することができ、具体的には、燐、錫等が挙げられる。
【0021】
前記トナー粒子の前記液体現像剤における含有量としては、0.5〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、着色力に乏しくなり、印刷画像において十分な画像濃度が得られなくなることがある一方、50質量%を超えると、前記液体現像剤の粘度が高くなり、印刷装置における液体現像剤の搬送性、延伸性に劣るため、良好な印刷画像が得られなくなることがある。
【0022】
前記トナー粒子の平均粒子径(体積平均粒径)としては、0.1〜10μmが好ましい。
【0023】
−シランカップリング剤−
前記シランカップリング剤としては、アミノ基、メタクリロキシ基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基及びビニル基から選択される少なくとも1種の官能基を有している限り特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。
前記官能基を有するシランカップリング剤を使用した場合、前記結着樹脂におけるガラス転移点を超えるような温度環境に置かれた際に、前記トナー粒子の凝集、融着等を生ずることがなく、安定して良好な画像が形成可能な点で有利である。これは、該シランカップリング剤が、前記トナー粒子の表面に吸着したり、加水分解基、有機基中の官能基等によって前記トナー粒子と反応・結合する等により、該トナー粒子の表面を被覆し、前記絶縁性担体液中で該トナー粒子を安定化させるため、該トナー粒子が沈降しても再分散し易い状態になるためと考えられる。
【0024】
前記シランカップリング剤としては、例えば、下記式1に示す分子構造を有してなり、R、X、Y及びZの4つの官能基が、有機基及び加水分解基から選択される少なくとも1種であり、該4つの官能基のうちの少なくとも2つがメトキシ基やエトキシ基等の加水分解基であるのものが好適に挙げられる。
【0025】
【化1】
Figure 0003765756
【0026】
前記シランカップリング剤の具体例としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0027】
前記シランカップリング剤の前記液体現像剤における含有量としては、前記トナー粒子に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。
前記含有量が、0.01質量%未満であると、前記トナー粒子間の凝集融着を抑制する効果が小さく十分でないことがある一方、10質量%を超えると、前記トナー粒子の帯電性を低下させ、画像品質の劣化を招いたり、印刷物の定着強度が低く十分でないことがある。
【0028】
−アルコキシ変性シリコーンオイル−
前記アルコキシ変性シリコーンオイルとしては、分子内に1以上のアルコキシ基を有している限り特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。該アルコキシ変性シリコーンオイルを前記液状現像剤に用いることにより、前記シランカップリング剤を配合するのと同様の効果が得られる。
【0029】
前記アルコキシ変性シリコーンオイルの市販品としては、例えば、FZ3704(日本ユニカー社製)等が挙げられる。
前記アルコキシ変性シリコーンオイルの前記液体現像剤における含有量としては、前記トナー粒子に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
前記含有量が、0.01質量%未満であると、前記トナー粒子間の凝集融着を抑制する効果が小さく十分でないことがある一方、10質量%を超えると、前記トナー粒子の帯電性を低下させ、画像品質の劣化を招いたり、印刷物の定着強度が低く十分でないことがある。
【0030】
−シランカップリング剤及びアルコキシ変性シリコーンオイルの併用−
本発明の前記液体現像剤においては、前記シランカップリング剤及びアルコキシ変性シリコーンオイルを併用するのが好ましい。この場合、それぞれを単独で使用する場合に比べ、前記トナー粒子間の凝集融着が効果的に抑制され、高温度の環境下で保存等された後でも高品質の画像が得られるほか、前記結着樹脂のガラス転移点、軟化点を低下させることができ、より低いエネルギーで画像を転写材へ定着させることが可能となる点で有利である。
なお、前記シランカップリング剤及びアルコキシ変性シリコーンオイルを併用する場合、これらの成分の前記液体現像剤における総含有量としては、これらの各成分を単独で用いた場合における含有量と同様、前記トナー粒子に対し、0.01〜10質量%が好ましい。
【0031】
本発明の液体現像剤は、ブラック現像剤、マゼンタ現像剤、イエロー現像剤、シアン現像剤等のいずれであってもよい。
本発明の液体現像剤は、各種分野において好適であり、電子写真方式による画像形成方法及び画像形成装置により好適であり、以下の本発明の画像形成装置及び画像形成方法に特に好適である。
本発明の液体現像剤は、公知の液体現像剤の製造方法によって製造することができるが、製造効率等の点で以下の本発明の液体現像剤の製造方法により特に好適に製造することができる。
【0032】
本発明の液体現像剤によると、前記結着樹脂におけるガラス転移点を超えるような温度環境に置かれた場合であっても、前記トナー粒子の凝集、融着等を生ずることがなく、安定して良好な画像が形成される。
【0033】
(液体現像剤の製造方法)
本発明の液体現像剤の製造方法においては、前記絶縁性担体液と、前記トナー粒子と、前記アルコキシ変性シリコーンオイル及び前記シランカップリング剤から選択される少なくとも1種とを配合することを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の処理を含む。
前記絶縁性担体液、前記トナー粒子、前記アルコキシ変性シリコーンオイル及び前記シランカップリング剤は、上述の通りである。
【0034】
前記配合の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(1)前記絶縁性担体液中に、前記アルコキシ変性シリコーン及び前記シランカップリング剤から選択される少なくとも1種を添加した後、そこで前記トナー粒子を作製することにより行われる態様、(2)前記絶縁性担体液中で前記トナー粒子を作製した後、そこに前記アルコキシ変性シリコーン及び前記シランカップリング剤から選択される少なくとも1種を添加することにより行われる態様、(3)前記絶縁性担体液中に、前記シランカップリング剤を添加し、そこで前記トナー粒子を作製した後、前記アルコキシ変性シリコーンを添加することにより行われる態様、などが好適に挙げられる。
【0035】
前記(1)の態様において前記シランカップリング剤及びアルコキシ変性シリコーンを併用する場合、前記絶縁性担体液中に該シランカップリング剤を先に添加した後、該アルコキシ変性シリコーンを添加すると、前記トナー粒子の凝集・融着を抑制する効果が高くなる。
前記(2)の態様において前記シランカップリング剤及びアルコキシ変性シリコーンを併用する場合、前記絶縁性担体液中に該シランカップリング剤を先に添加した後、該アルコキシ変性シリコーンを添加すると、前記トナー粒子の凝集・融着を抑制する効果が高くなる。
前記(3)の態様においては、前記アルコキシ変性シリコーンと前記シランカップリング剤との添加順序を逆にすると、環境温度の上昇に伴い、前記トナー粒子における凝集融着が生じ易くなることがある。
【0036】
前記配合の際、各成分の配合量としては、得られる液体現像剤における各成分の含有量が、前記液体現像剤の説明において述べた各成分の含有量の好ましい数値範囲内となるように設定するのが好ましい。
【0037】
前記トナー粒子の作製方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、特開昭55−36847号公報に記載されているような、結着樹脂、着色剤及び絶縁性担体液等の材料をボールミル等を用いて混合することにより、該結着樹脂と該着色剤とが吸着したトナー粒子を作製する方法、特開昭61−180248号公報に記載されているような、着色剤、結着樹脂及びイソパラフィン系有機液体等の材料を加熱して該結着樹脂と該有機液体とを溶媒和させた後、溶液の温度を低下させて該着色剤を含有する該結着樹脂をトナー粒子として析出させる方法、着色剤やその他必要な添加剤を結着樹脂に練り混んだトナー組成物を、ビーズミル、アトライタ等の各種粉砕・混合装置を用いて担体液中で粉砕して微粒子化しトナー粒子を作製する方法、などが挙げられる。
【0038】
前記トナー粒子を前記絶縁性担体液中で作製するのではなく別途に作製する場合には、該トナー粒子は、前記絶縁性担体液中に添加された後、ミキサ、ビーズミル等を用いて混合されるが、この場合、該トナー粒子を前記絶縁性担体液中に添加する前に前記シランカップリング剤でその表面を処理してもよい。
【0039】
前記シランカップリング剤による前記トナー粒子の表面処理の方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記シランカップリング剤を添加した水系媒体やアルコール中に、前記トナー粒子を添加する方法、前記トナー粒子をヘンシェルミキサ等を用いて撹拌しながら、前記シランカップリング剤をアルコール等で希釈した液体を噴霧する方法、などが挙げられる。
【0040】
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程とを少なくとも含み、定着工程を更に含むのが好ましく、必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程、などを含んでいてもよい。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段とを少なくとも有してなり、定着手段を更に有してなるのが好ましく、必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段、などを有していてもよい。
【0041】
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
【0042】
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、材質等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロシアニン等の有機感光体、などが挙げられる。
【0043】
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
【0044】
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
【0045】
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
【0046】
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を本発明の前記液体現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記液体現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。前記現像手段は、本発明の前記液体現像剤を収容可能であり、前記静電潜像に該液体現像剤を接触又は非接触的に付与する現像器を少なくとも有する。
【0047】
前記現像器は、湿式現像方式のものであれば特に制限はなく、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよいが、例えば、現像ローラにより、前記液体現像剤を、前記感光体上に搬送する現像器等が挙げられる。この場合、前記液体現像剤は、現像剤供給ローラ等によって現像ローラに供給されるような態様であってもよい。前記液体現像剤においては、前記絶縁性担体液中に、電荷を帯びた前記トナー粒子が懸濁されており、該トナー粒子が、前記静電潜像との静電引力によって前記静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナー粒子により現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナー粒子による可視像が形成される。
【0048】
前記液体現像剤に含まれるトナー粒子としては、単色現像の場合には一般にブラックトナーが用いられ、多色現像の場合にはブラックトナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びシアントナーから選択される少なくとも2色が用いられ、フルカラー現像の場合には、ブラックトナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びシアントナーが用いられる。
【0049】
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は前記可視像を転写材に転写する工程である。
前記転写は、例えば、前記可視像を本発明の前記液体現像剤に含まれる前記トナー粒子の極性と逆極性の転写帯電器を用いることにより行うことができ、また、接触時の圧力で該転写材にトナーを押し付けることにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。また、前記転写は、前記静電潜像担持体からトナー像をベルト状やローラ状の中間転写媒体に転写した後で、公知の記録媒体(記録紙、転写材)に転写する二回転写の態様であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記転写材としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
【0050】
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、転写材に転写された転写像を、定着装置を用いて定着させる工程である。
前記定着は、例えば、前記転写材に転写された前記転写像に対し、熱定着ローラを用いて行う加熱加圧定着であってもよく、更には、前記転写材に転写された前記転写像に対し光定着器等の光定着手段を用いて光照射することにより行うことができる。
【0051】
前記光定着手段は、赤外線を照射するフラッシュランプを少なくとも有する。
前記フラッシュランプとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、赤外線ランプ、キセノンランプなどが好適に挙げられる。
【0052】
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し、全面露光又は除電バイアスの印加を行って除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し、露光又は除電バイアスの印加を行うことができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができる。
【0053】
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真用湿式トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
【0054】
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用湿式トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
【0055】
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
【0056】
本発明の画像形成方法においては、前記静電潜像形成工程において、静電潜像担持体上に静電潜像が形成される。前記現像工程において、前記静電潜像が本発明の前記液体現像剤により現像されて可視像が形成される。前記転写工程において、前記可視像が転写材に転写される。前記定着工程において、前記転写材に転写された転写像が定着される。その結果、前記転写材上に画像が形成される。その結果、前記転写材上に画像が定着され形成される。
また、本発明の画像形成装置においては、前記静電潜像形成手段が静電潜像担持体上に静電潜像を形成する。前記現像手段が、本発明の前記液体現像剤を収容し、前記静電潜像を現像して可視像を形成する。前記転写手段が、前記可視像を転写材に転写する。前記定着手段が転写材に転写された転写像を定着させる。その結果、前記転写材上に画像が定着され形成される。
この画像形成装置及び画像形成方法では、本発明の前記液体現像剤を使用するので、長期に亘って、安定して高品質な画像を形成可能である。
【0057】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いることにより、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0058】
(実施例1)
−液体現像剤の作製−
前記結着樹脂としてのエポキシ樹脂(エピコート1002、JER社製)70質量%と、前記着色剤としてのシアン顔料(Irgalite Blue 8700、チバスペシャリティケミカルズ社製)30質量%とを、ヘンシェルミキサーに投入して予備混合を行った後、エクストルーダ(TCS30;コペリオン社製)によって溶融混練し、次いでロートプレックス粉砕機にて粗粉砕を行い、トナー粗粉を得た。
次に、得られたトナー粗粉20.0g、アミノシランカップリング剤SH6020(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)1.0g、及びシリコーンオイルSH200−20cs(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)179.0gを混合し、セラミックポット中にジルコニアビーズと共に投入し、120時間攪拌して微粉砕することにより、粒子径(体積平均粒径)が3.1μmであるシアン色のトナー粒子を含有する液体現像剤を作製した。
【0059】
<評価>
−保存性試験−
得られた液体現像剤を、50℃、75℃及び100℃の各温度環境下に1日放置し、トナー粒子の凝集融着の程度を測定し下記評価基準により評価した。その結果を表1に示した。
◎:保存性試験による粒径増加率が10%未満であった場合
○:保存性試験による粒径増加率が10%以上20%未満であった場合
△:保存性試験による粒径増加率が20%以上50%未満であった場合
×:保存性試験による粒径増加率が50%以上、又は融着し粒径測定が不能であった場合
なお、トナー粒子の凝集融着は、放置前後のトナー粒子の粒子径を測定し、次式、粒径増加率(%)=(保存性試験後の粒径/保存性試験前の粒径−1)×100、から得られる粒径増加率を求めた。
【0060】
−印刷試験−
前記保存性試験前、及び75℃にて保存性試験を行った後の各液体現像剤を用い、図1に示す画像形成装置100に搭載し、以下のようにして画像を形成し印刷試験を行った。即ち、図1に示す画像形成装置100において、先ず、矢印方向に回転する感光体1上に、帯電器2及び露光器3により静電潜像を形成した。一方、前記液体現像剤を現像剤供給ローラ4から現像ローラ5に供給することにより、供給した該液体現像剤を現像ローラ5上に薄層化し現像剤層を形成した。感光体1上に形成された静電潜像を、更に矢印方向に感光体1が回転することにより、現像ローラ5に形成された前記現像剤層に接触させ、該液体現像剤に含まれるトナー粒子により可視像を形成した。形成した可視像を、加圧ローラ9により記録用紙10上に転写し、不図示の定着ローラによって定着させることにより転写像を形成した。
【0061】
画像形成後、得られた転写像の画像部及び非画像部における画像濃度を、画像濃度測定器(Spectrodensitometer938(X−Rite社製))を用いて測定した。その結果を表1に示した。
【0062】
(実施例2)
実施例1において、アミノシランカップリング剤をアミノシランカップリング剤KBM903(信越化学工業社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして粒子径(体積平均粒子径)が3.3μmであるシアン色のトナー粒子を含有する液体現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0063】
(実施例3)
実施例1において、アミノシランカップリング剤をアニリノシランカップリング剤SZ6083(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして粒子径(体積平均粒径)が3.3μmであるシアン色のトナー粒子を含有する液体現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0064】
(実施例4)
実施例1において、アミノシランカップリング剤をグリシドキシシランカップリング剤SH6040(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして粒子径(体積平均粒径)が3.6μmであるシアン色のトナー粒子を含有する液体現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0065】
(実施例5)
実施例1において、アミノシランカップリング剤をメタクリロキシシランカップリング剤SZ6030(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして粒子径(体積平均粒径)が3.5μmであるシアン色のトナー粒子を含有する液体現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0066】
(実施例6)
実施例1において、アミノシランカップリング剤をイソシアネートシランカップリング剤Y−5187(日本ユニカー社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして粒子径(体積平均粒径)が3.6μmであるシアン色のトナー粒子を含有する液体現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0067】
(実施例7)
実施例1において、アミノシランカップリング剤をメルカプトシランカップリング剤A−189(日本ユニカー社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして粒子径(体積平均粒径)が3.2μmであるシアン色のトナー粒子を含有する液体現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0068】
(実施例8)
実施例1において、アミノシランカップリング剤をビニルシランカップリング剤SZ6300(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして粒子径(体積平均粒径)が3.5μmであるシアン色のトナー粒子を含有する液体現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0069】
(比較例1)
実施例1において、アミノシランカップリング剤をメチルシランカップリング剤AY43−043(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして粒子径(体積平均粒径)が3.2μmであるシアン色のトナー粒子を含有する液体現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0070】
(比較例2)
実施例1において、アミノシランカップリング剤をn−デシルシランカップリング剤AY43−210MC(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして粒子径(体積平均粒径)が3.6μmであるシアン色のトナー粒子を含有する液体現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0071】
(実施例9)
実施例1において、アミノシランカップリング剤をアミノシランカップリング剤KBM903(信越化学工業社製)に代え、シリコーンオイルをアイソパーL(エクソンモービル社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして粒子径(体積平均粒径)が2.9μmであるシアン色のトナー粒子を含有する液体現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0072】
(比較例
実施例1において、トナー組成物粗粉の配合量を50.0gに変え、シリコーンオイルの配合量を450.0gに代え、アミノシランカップリング剤を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、粒子径(体積平均粒径)が5.9μmのシアン色であるトナー粒子を含有する液体現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0073】
(実施例10
実施例1において、アミノシランカップリング剤1.0gをアルコキシ変性シリコーンオイルFZ3704(日本ユニカー社製)2.0gに代え、シリコーンオイル179.0gをシリコーンオイル178.0gに代えた以外は、実施例1と同様にして粒子径(体積平均粒径)が3.3μmのシアン色であるトナー粒子を含有する液体現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0074】
(実施例11
−液体現像剤の作製−
実施例1で得られたトナー粗粉100gを、酢酸n−ブチル(和光純薬工業社製)の400gに溶解させてトナー組成物を作製した後、該トナー組成物468gを、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬工業社製)0.05質量%を溶解させたイオン交換水4500mLに投入し、クリアミックス(エム・テクニック社製)を用いて12000rpmで10分間、高速攪拌を行い、緩やかに攪拌しながら真空ポンプを用いて減圧にして酢酸n−ブチルを留去し、トナー粒子の水分散液を得た。この水分散液に、アミノシランカップリング剤SH6020(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)1.0gを添加して40℃で8時間攪拌した後、ろ過、乾燥を行い、アミノシランカップリング剤にて表面処理を行うことにより表面処理トナー粒子を作製した。
この表面処理トナー粒子20.0g、アルコキシ変性シリコーンオイルFZ3704(日本ユニカー社製)2.0g、及びシリコーンオイルSH200−20cs(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)180.0gを混合し、セラミックポット中にジルコニアビーズと共に投入し、120時間攪拌して微粉化し、粒子径(体積平均粒子径)が2.5μmであるシアン色のトナー粒子を含有する液体現像剤を作製した。この液体現像剤について、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0075】
(実施例12
実施例1において、シアン色の液体現像剤を得た後、更にアルコキシ変性シリコーンオイルFZ3704(日本ユニカー社製)の0.5gを添加し、6時間撹拌して、粒子径(体積平均粒径)が3.4μmであるシアン色のトナー粒子を含有する液体現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0076】
(実施例13
−液体現像剤の作製−
実施例1で得られたトナー粗粉20.0g、アルコキシ変性シリコーンオイルFZ3704(日本ユニカー社製)0.5g、及びシリコーンオイルSH200−20cs(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)178.5gを混合し、セラミックポット中にジルコニアビーズと共に投入し、120時間攪拌して微粉化した。更に、アミノシランカップリング剤SH6020(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)1.0gを添加し、6時間撹拌し、粒子径(体積平均粒径)が3.6μmであるシアン色のトナー粒子を含有する液体現像剤を作製した。この液体現像剤について、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0077】
(実施例14
実施例1で得られたトナー粗粉20.0g、アミノシランカップリング剤SH6020(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)1.0g、アルコキシ変性シリコーンオイルFZ3704(日本ユニカー社製)0.5g、及びシリコーンオイルSH200−20cs(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製)178.5gを混合し、セラミックポット中にジルコニアビーズと共に投入し、120時間攪拌して微粉化し、粒子径(体積平均粒径)が2.8μmのシアン色であるトナー粒子を含有する液体現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0078】
【表1】
Figure 0003765756
【0079】
ここで、本発明の好ましい態様を付記すると、以下の通りである。
(付記1) 絶縁性担体液と、着色剤及び結着樹脂を含有してなり、該絶縁性担体液に対して不溶なトナー粒子と、アルコキシ変性シリコーンオイル、並びに、アミノ基、メタクリロキシ基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基及びビニル基から選択される少なくとも1種の官能基を有するシランカップリング剤から選択される少なくとも1種とを含むことを特徴とする液体現像剤。
(付記2) 絶縁性担体液が、脂肪族炭化水素及びシリコーンオイルから選択される少なくとも1種である付記1に記載の液体現像剤。
(付記3) トナー粒子の含有量が0.5〜50質量%である付記1又は2に記載の液体現像剤。
(付記4) トナー粒子の平均粒径(体積平均粒径)が0.1〜10μmである付記1から3のいずれかに記載の液体現像剤。
(付記5) トナー粒子の平均粒径(体積平均粒径)が0.1〜5μmである付記1から3のいずれかに記載の液体現像剤。
(付記6) アルコキシ変性シリコーン及びシランカップリング剤から選択される少なくとも1種の含有量が、トナー粒子に対し、0.01〜10質量%である付記1から5のいずれかに記載の液体現像剤。
(付記7) 絶縁性担体液と、着色剤及び結着樹脂を含有してなり、該絶縁性担体液に対して不溶なトナー粒子と、アルコキシ変性シリコーンオイル、並びに、アミノ基、メタクリロキシ基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基及びビニル基から選択される少なくとも1種の官能基を有するシランカップリング剤から選択される少なくとも1種とを配合することを特徴とする液体現像剤の製造方法。
(付記8) 絶縁性担体液中に、アルコキシ変性シリコーン及びシランカップリング剤から選択される少なくとも1種を添加した後、そこでトナー粒子を作製する付記7に記載の液体現像剤の製造方法。
(付記9) 絶縁性担体液中でトナー粒子を作製した後、そこにアルコキシ変性シリコーン及びシランカップリング剤から選択される少なくとも1種を添加する付記7に記載の液体現像剤の製造方法。
(付記10) 絶縁性担体液中に、シランカップリング剤を添加し、そこでトナー粒子を作製した後、アルコキシ変性シリコーンを添加する付記7に記載の液体現像剤の製造方法。
(付記11) 付記7から10のいずれかに記載の液体現像剤の製造方法により製造されることを特徴とする液体現像剤。
(付記12) 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を付記1から6及び11のいずれかに記載の液体現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を転写材に転写する転写工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
(付記13) 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、付記1から6及び11のいずれかに記載の液体現像剤を収容し、前記静電潜像を現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を転写材に転写する転写手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
【0080】
【発明の効果】
本発明によると、保存安定性が高く、長期に亘って、安定して高品質な画像を形成可能な液体現像剤及び効率的な該液体現像剤の製造方法、並びに、画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に好適に用いられる画像形成装置100の概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電器
3 露光器
4 現像剤供給ローラ
5 現像ローラ
6 回収ブレード
7 クリーニングブレード
8 除電器
9 加圧ローラ
10 記録用紙
100 画像形成装置

Claims (4)

  1. 絶縁性担体液中に、アルコキシ変性シリコーンオイル、並びに、アミノ基、メタクリロキシ基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基及びビニル基から選択される少なくとも1種の官能基を有するシランカップリング剤と、
    着色剤及び結着樹脂を含有してなり、該絶縁性担体液に対して不溶なトナー粒子と
    を含むことを特徴とする液体現像剤。
  2. トナー粗粉を、アルコキシ変性シリコーンオイル、並びに、アミノ基、メタクリロキシ基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基及びビニル基から選択される少なくとも1種の官能基を有するシランカップリング剤を含む絶縁性担体液中で微粉砕する液体現像剤の製造方法。
  3. トナー粗粉を、アミノ基、メタクリロキシ基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基及びビニル基から選択される少なくとも1種の官能基を有するシランカップリング剤を含む絶縁性担体液中で微粉砕した後、微粉砕したトナー含有する絶縁性担体液中に、アルコキシ変性シリコーンオイルを添加する液体現像剤の製造方法。
  4. トナー粗粉を有機溶媒に溶解して液体状のトナー組成物を作製し、該液体状のトナー組成物を水系媒体に混合し、該有機溶媒を除去してトナー粒子の水分散液を得た後、該トナー粒子の水分散液に、アミノ基、メタクリロキシ基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基及びビニル基から選択される少なくとも1種の官能基を有するシランカップリング剤を添加して該トナー粒子を表面処理し、表面処理された該トナー粒子を、アルコキシ変性シリコーンオイルを含む絶縁性担体液中で微粉砕する液体現像剤の製造方法。
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