JP3765112B2 - 折り加工された用紙の枚数の計数方法 - Google Patents

折り加工された用紙の枚数の計数方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、折り加工された用紙の枚数の計算方法に関するものであり、詳しくはカタログ、パンフレット、説明書等の印刷物の折り加工された用紙の枚数の計算方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、用紙の枚数計数機としては、折り加工を行っていない用紙の枚数を計算するものが知られているが、この計数機は用紙の角部を爪状の機具で数ミリめくり上げ、用紙の弾性力を利用して復元する枚数を計数するものである。このような用紙の枚数計数機を折り加工された用紙の計数に使用すると、折り部にて用紙の均一な弾性力が妨げられ、計数に誤差がでたり、また、爪状の機具と用紙によって用紙上の印刷部に傷が付くこともある。
また、近年、精密な重量計量器を利用して用紙の枚数を計数する方法も提案されたが、用紙の重量の個体差や、印刷時のインク量による重量差、湿度による吸湿による重量差、断裁時の用紙の大きさによる重量差等によって若干の計数誤差を生じ、また薄い用紙や面積の小さな用紙の計数の場合は計数誤差が大きくなる恐れがある。そのため現実には人手によって複数人で用紙の計数を行っているが、それでも長時間の計数作業になると計数誤差が生じるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は長時間にわたり正確に計数することができ、しかも無接触で計数を行うことができる折り加工された用紙の枚数計数方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は(1)折り加工された複数の用紙を背部が同一平面に並ぶように揃え、(2)揃えた複数の用紙を両側から押さえ板で押さえ、(3)背部の前方斜めより光を照財して背間の凹部に影部、背部に非影部を生じさせ、(4)前記の両側の押さえ板と、前記の揃えた複数の用紙の背部を前方よりカラーテレビカメラで、前記の凹部の影部が、前記カラーテレビカメラから得られるカラー画像信号の水平走査線と直角になるように撮像し、(5)得られたカラー画像信号を三原色分離回路によって、赤、緑、青の三原色に分離し、(6)前記の三原色に分離した信号をそれぞれの色の強さに対して多値化した色信号に変換し、(7)前記の3色に対して、前記の揃えた複数の用紙と両側の押さえ板を、前記の凹部の影部と直角方向に、一方の押さえ板から他方の押さえ板までの色の強さを、前記のカラー画像信号の水平走査線1本分検出し、(8)前記水平走査線1本分の色の強さの信号を、設定された非影部の基準値と比較して、前記非影部の基準値を上方向に越えてから、前記非影部の基準値より下がるまでを、非影部と判別し、さらに前記色の強さの信号を設定された影部の基準値と比較して、前記影部の基準値を下方向に越えてから、前記影部の基準値より上がるまでを、影部と判別し、(9)判別された影部と非影部の個数を個別に積算し、(10)前記の前記の非影部の積算値を背部の個数、影部の積算値を背間の個数とし、(11)前記の背部の個数を折り加工された複数の用紙の枚数とし、(12)前記の背間の個数を折り加工された複数の用紙の境目の個数とし、用紙の境目の個数より折り加工された複数の用紙の枚数を計算し、(13)折り加工された複数の用紙の枚数を背部と背間で個別に、前記の三原色毎に計数することを特徴とする、折り加工された用紙の枚数計数方法を要旨とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。前記目的を達成するため本発明の計数方法は、背部が同一平面に並ぶように折り加工された用紙を揃え、揃えた複数の用紙を両側から黒及び灰色等に塗装した押さえ板で押さえ、揃えた背部の前方斜めから光を照射して、折り加工された用紙の背部の形状が半円形になることを利用し、背間の凹部に影を生じさせ、カラーテレビカメラにて、両端の黒又は灰色等に塗装された押さえ板と揃えられた用紙の背部を背間の凹部の影部とカラーテレビカメラにより得られる画像信号の水平走査線が直角になるように撮像する。前記カラーテレビカメラから得られたカラー画像信号を三原色分離回路によって、赤、緑、青の信号に分離し、3色個別に多値化した色の強さによる信号とし、前記3色の信号を個別に揃えた用紙の色の強さを背間の凹部の影部と直角に一方の押さえ板から他方の押さえ板まで水平走査線1本分計測すると、影部と非影部で色の強さの差が測定できる。この色の強さの差を利用し、あらかじめ光のあたった非影部と判定できる色の強さの基準値を設定し、前記水平走査線1本分の色の強さを一方の押さえ板から他方の押さえ板まで解析すると、非影部と判定できる基準値より高いか同じ色の強さの計測値が連続して出現し、暫くすると非影部と判定できる色の強さの基準値より低い計測値が連続して出現し、再度非影部と判定できる色の強さの基準値より高いか同じ色の強さの計測値が連続して出現することがくり返されることがわかる。前記の解析されたデータの中で連続して非影部と判定できる色の強さの基準値より高いか同じ色の強さであらわれた部分を背部1個と判定し、背部1個分の出現回数を揃えられた複数の折り加工された用紙の背部の個数とし、背部の個数が揃えられた複数の折り加工された用紙の枚数として、揃えられた複数の折り加工された用紙の枚数の計算値とする。ただし、この場合は両端の押さえ板は非影部の色の強さの基準値より低い色の強さに塗装されている必要がある。
【0006】
また、あらかじめ光のあたらない影部と判定できる色の強さの基準値を設定し、前記水平走査線1本分の色の強さを一方の押さえ板から他方の押さえ板まで解析すると、影部と判定できる基準値より低いか同じ色の強さの計測値が連続して出現し、暫くすると影部と判定できる色の強さの基準値より高い計測値が連続して出現し、再度影部と判定できる色の強さの基準値より低いか同じ色の強さの計測値が連続して出現することがくり返されることがわかる。前記の解析されたデータの中で連続して影部と判定できる色の強さの基準値より低いか同じ色の強さであらわれた部分を背間の凹部1個と判定し、背間の凹部1個を折り加工された用紙の境目とし、背間の凹部1個分の出現回数を揃えられた複数の折り加工された用紙の境目の個数とし、揃えられた複数の折り加工された用紙の境目の個数は揃えられた複数の折り加工された用紙の枚数より1少ないので、揃えられた複数の折り加工された用紙の境目の個数に1加算して揃えられた複数の折り加工された用紙の枚数の計数値とする。ただし、この場合は両端の押さえ板は影部の色の強さの基準値より高い色の強さに塗装されている必要がある。
【0007】
また、非影部と影部の基準値の設定は、折り加工された紙の枚数、加工後の幅、光源の強さにより一定とする場合と、光源からの距離により非影部、影部共に遠くなるほど低くなるような多次曲線にて表される数式をあてはめてもよい。用紙色や紙質、用紙の厚み、背部の印刷状態、折り加工後の大きさ、折り加工後の厚み等の条件により、非影部基準で計測する場合と影部基準で計数する事を使い分け、また非影部と影部の両方で計数が可能な場合は両方式で計測された折り加工された用紙の枚数が一致した場合にこれを計数値とすることでより精度も向上する。
【0008】
前記の非影部、影部の色の強さによる計数が、用紙色や紙質、用紙の厚み、背部の印刷状態、折り加工後の大きさ、折り加工後の厚み等により困難な場合は、前記3色の色の強さによる多値化した信号を個別に、揃えた用紙の背部の色の強さを背間の凹部の影と直角に、一方の押さえ板から他方の押さえ板まで水平走査線1本分解析すると、影部と非影部で色の強さの差が検出でき、色の強さの測定値が非影部と影部で上下の振幅を繰り返すことが検出でき、前後それぞれ1個から5個の測定値のどれよりも高い測定値が検出され、この測定値が振幅の山部の頂点と判定できる。なお前後の比較対象の測定値の個数は、用紙の厚み、折り加工後の大きさ、折り加工後の厚み等により誤判定がないように選択する。この振幅の山部の頂点数を検出し、山部の頂点1個を非影部1個と判定し、山部の頂点数を非影部の個数として積算し、非影部1個は折り加工された用紙の背部の1個として非影部の個数の積算値を揃えられた複数の折り加工された用紙の枚数として計数する。また前記同様に色の強さの測定値を水平走査線1本分、一方の押さえ板から他方の押さえ板まで解析すると、前後それぞれ1個から5個の測定値のどれよりも低い測定値が検出され、この測定値が振幅の谷部の頂点と判定できる。なお前後の比較対象の測定値の個数は、用紙の厚み、折り加工後の大きさ、折り加工後の厚み等により誤判定がないように選択する。この振幅の谷部の頂点数を検出し、谷部の頂点1個を背間の影部1個と判定し、谷部の頂点数を影部の個数として積算し、影部1個は折り加工された用紙の境目1個とし、揃えられた複数の折り加工された用紙の背部の境目の個数は揃えられた複数の折り加工された用紙の枚数より1少ないので、影部の個数の積算値に1加算して揃えられた複数の折り加工された用紙の枚数を計数する。
【0009】
色や紙質、用紙の厚み、背部の印刷状態、折り加工後の大きさ、折り加工後の厚み等の条件により、振幅の山部の頂点数による計数と谷部の頂点数による計数を使い分け、また山、谷の両頂点数による計数が可能な場合は、両方式で計測された折り加工された用紙の枚数が一致した場合にこれを計数値とすることでより精度が向上する。また、非影部、影部による計数方式と、振幅の頂点による方式の計数は同時に行えるので、両方式の併用や両方式の一部ずつを使用してより高精度の計数が可能である。
【0010】
本発明に従えば、長時間、正確に、無接触で、高速に折り加工された用紙の枚数を計数することができる。
【0011】
【実施例】
以下、図面を参照してこの発明の一実施例について説明する。
図1は折り加工された用紙の一例で、1は二つ折りされた用紙、2は二つ折りされた用紙の背部、背部は図のように半円形になる。
図2は折り加工された複数の用紙の背部2が同一平面に並ぶように揃え両端を押さえ板にて押さえ、前方斜めより照明した例で、3は押さえ板、4は影部、5は照明装置であって、照明装置により斜めから光を照射するで、背部と背部の間の凹部に影部4が生じる。均一な影を生じさせるため、背を均一に揃えて並べる必要がある。
【0012】
図3は機器構成を示すもので、押さえ板に挟まれ光を照射された折り加工された用紙100枚の背部と両端の押さえ板をカラーテレビカメラで撮像し、テレビモニターで撮影状態を映し、撮像状態、撮像領域、影の発生状態、照明の良否を監視する。カラーテレビカメラの信号を三原色分離回路8に与え、コンピュータに三原色に分離された信号を送り、測定対象物の影部と非影部を計数し、コンピュータモニター10で計数結果を表示する。
【0013】
図4は三原色に分離された赤色の強さをコンピュータモニター10の画面で折れ線グラフ11で一部を表示した例で、12は振幅の頂点を示、13は振幅の谷の頂点を示し、振幅の山の頂点12及び振幅の谷の頂点13の個数を積算して、振幅の谷の頂点の方には1を加算して、測定対象の枚数を計数する。14は非影部(背部)の基準値を示す線で、この基準直を上方向に越えてから下がるまでを非影部(背部)1個とし、15は非影部(背部)1個の連続して基準値を超えた範囲を示し、この個数を積算して枚数を計数する。16は影部(境目)の基準値を示す線で、この基準値を下方向に越えてから上がるまでを影部(境目)1個とし、17は影部(境目)1個の連続して基準値を下回った範囲を示し、この個数を積算して枚数を計数する。
【0014】
図5は、100枚の折り加工された用紙を計数した結果をコンピュータのモニター画面の表示を示す例であり、影部及び下頂点(谷部の頂点)の個別の表示は補正前の計数値を表示する。また本例の場合、設定枚数と計数結果のすべてが一致したので、コンピュータより音を発して計数値の一致を知らせる。18は赤信号の影部計数の計数結果、19は赤色信号の非影部計数の計数結果、20は緑色信号の影部計数の計数結果、21は緑色信号の非影部計数の計数結果、22は青色信号の影部計数の計数結果、23は青色信号の非影部計数の計数結果、24は赤色信号の振幅の山の頂点計数の計数結果、25は赤色信号の振幅の谷の頂点計数の計数結果、26は緑色信号の振幅の山の頂点計数の計数結果、27は緑色信号の振幅の谷の頂点計数の計数結果、28は青色信号の振幅の山の頂点計数の計数結果、29は青色信号の振幅の谷の頂点計数結果である。
【0015】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように計数対象の折り加工された複数の用紙を撮像装置前に背部が同一平面になるように揃え並べるだけで計数することができるので、従来のように複数の人手により計数するよりも早く、しかも長時間にわたり正確な計数ができ、しかも用紙の印刷面に傷がつかないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 測定対象一例の二つ折り加工された用紙の折り状態を示す図である。
【図2】 測定対象の設置、照明の例の図である。
【図3】 実施例の機器構成図である。
【図4】 実施例におけるコンピューターモニターテレビ上の計数の一部表示の画面例である。
【図5】 実施例におけるコンピューターモニターテレビ上の計測結果例示の画面である。
【符号の説明】
1 二つ折り加工された用紙
2 二つ折り加工された用紙の背
3 押さえ板
4 影部
5 照明装置
6 カラーテレビカメラ
7 テレビモニター
8 三原色分離回路
9 コンピューター
10 コンピュータのモニター
11 折れ線グラフ
12 振幅の山の頂点
13 振幅の谷の頂点
14 非影部の基準値を示す線
15 非影部1個の範囲
16 影部の基準値を示す線
17 影部1個の範囲

Claims (1)

  1. (1)折り加工された複数の用紙を背部が同一平面に並ぶように揃え、(2)揃えた複数の用紙を両側から押さえ板で押さえ、(3)背部の前方斜めより光を照射して背間の凹部に影部、背部に非影部を生じさせ、(4)前記の両側の押さえ板と、前記の揃えた複数の用紙の背部を前方よりカラーテレビカメラで、前記の凹部の影部が、前記カラーテレビカメラから得られるカラー画像信号の水平走査線と直角になるように撮像し、(5)得られたカラー画像信号を三原色分離回路によって、赤、緑、青の三原色に分離し、(6)前記の三原色に分離した信号をそれぞれの色の強さに対して多値化した色信号に変換し、(7)前記の3色に対して、前記の揃えた複数の用紙と両側の押さえ板を、前記の凹部の影部と直角方向に、一方の押さえ板から他方の押さえ板までの色の強さを、前記のカラー画像信号の水平走査線1本分検出し、(8)前記水平走査線1本分の色の強さの信号を、設定された非影部の基準値と比較して、前記非影部の基準値を上方向に越えてから、前記非影部の基準値より下がるまでを、非影部と判別し、さらに前記色の強さの信号を設定された影部の基準直と比較して、前記影部の基準値を下方向に越えてから、前記影部の基準値より上がるまでを、影部と判別し、(9)判別された影部と非影部の個数を個別に積算し、(10)前記の非影部の積算値を背部の個数、影部の積算値を背間の個数とし、(11)前記の背部の個数を折り加工された複数の用紙の枚数とし、(12)前記の背間の個数を折り加工された複数の用紙の境目の個数とし、用紙の境目の個数より折り加工された複数の用紙の枚数を計算し、(13)折り加工された複数の用紙の枚数を背部と背間で個別に、前記の三原色毎に計算することを特徴とする、折り加工された用紙の枚数計数方法。
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