JP6399582B2 - 折丁計数機 - Google Patents

Description

本発明は、医薬品に添付される説明書、カタログ、パンフレットおよび製本用の折丁等の折り畳み加工されたシートの枚数を計数するための装置（以下、「折丁計数機」という。）に関するものである。

医薬品に添付される説明書やカタログ等の折り畳み加工されたシートは、シートの所定枚数を束ねたロット毎に製品管理されるのが一般的であり、そのため、従来技術においては、折丁計数機を用いてロット毎のシートの枚数が検査されている。

この種の折丁計数機においては、通常、折り畳み加工されたシートの束が、各シートの山部が同一平面上に並ぶ配置で、予め位置設定された一対の押さえ板の間に挟持され、さらに、照明装置によってシートの束の山部側に斜め方向から光が照射されるとともに、照明されたシート束の山部側がカメラによって撮影される。そして、取得されたシート束の画像が画像処理され、画像中のシートの山部の数が計数されることによって、シート束中のシートの枚数が自動的に計数される（例えば、特許文献１、２参照）。

ところで、この画像処理においては、カメラによって撮影された画像全体のうちの、シートの束の厚さ方向の全長に及ぶ矩形状の画像部分、すなわち、一対の押さえ板間にのびる矩形状の画像部分が用いられる。

そのため、従来技術においては、折丁計数機の使用前であって、一対の押さえ板の間隔が設定されて、照明装置の照度の調整がなされた後、カメラによって撮影された画像が折丁計数機に備えられたディスプレイに表示され、作業者が、その表示された画像に基づいて、上記の一対の押さえ板間にのびる矩形状の画像部分を切り取る範囲（以下、「処理範囲」という。）を指定する必要があった。

しかしながら、計数予定数（予め設定されたシートの枚数）やシートの種類等の変更に伴って一対の押さえ板間の間隔が変更されると、その都度、処理範囲の指定作業も手作業で行わねばならず、作業効率が非常に悪かった。

特開２００７−２２００５２号公報 特開２０１３−９７７７５号公報

したがって、本発明の課題は、折丁計数機における画像の処理範囲の指定作業を効率よく行えるようにすることにある。

上記課題を解決するため、本発明は、折り畳み加工されて山部とその反対側に谷部が形成されたシートの枚数を計数する折丁計数機であって、上面に撮影用窓が形成されたハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ、前記上面に前記撮影用窓を横切って置かれた前記シートの束を両側から挟持するシート束支持ユニットと、を備え、前記シートの束は、各シートが山部を下向きにしかつ前記撮影用窓を横切る配置で置かれるようになっており、前記シート束支持ユニットは、それぞれ前記ハウジングの上面に前記撮影用窓を横切って配置される一対の押さえと、前記ハウジングに設けられ、前記一対の押さえを互いに近接および離間する向きにスライド可能に案内するスライドガイドと、前記一対の押さえまたは前記ハウジングまたはその両方に設けられ、前記一対の押さえをそれぞれ所望の位置に固定する固定手段と、を有し、前記一対の押さえのそれぞれの前記撮影用窓に臨む領域には、前記押さえを前記シートと区別するための識別情報が付与され、前記一対の押さえの間に前記シートの束が挟持されるようになっており、前記折丁計数機は、さらに、前記ハウジングの内部に取り付けられ、前記撮影用窓を下方から照明する照明ユニットと、前記ハウジングの内部に取り付けられ、前記撮影用窓を通して前記一対の押さえおよび前記シートの束を撮影するカメラと、前記照明ユニットおよび前記カメラを制御する制御部と、前記カメラによって取得された画像データから、前記一対の押さえの間にのびる矩形状のデータ部分を抽出し、前記データ部分を画像処理することにより、前記シートの枚数を計数する画像処理部と、を備え、前記画像処理部は、前記折丁計数機の計数動作開始前に、前記カメラによって取得された調整用画像データを画像処理し、前記一対の押さえの前記識別情報を検出して、さらに前記調整用画像データ中の前記一対の押さえの位置を検出する押さえ位置検出部と、前記折丁計数機の計数動作中、前記押さえ位置検出部によって検出された前記一対の押さえの位置の情報に基づき、前記カメラによって取得された画像データから前記データ部分を抽出する処理範囲抽出部と、前記データ部分を二値化処理し、二値化された前記データ部分について面積計算を行うことによって、当該データ部分中の前記シートの画像の個数を算出する計数部と、前記計数部によって算出された前記シートの画像の個数を、前記シートの枚数として表示する枚数表示部と、を有していることを特徴とする折丁計数機を構成したものである。

本発明の好ましい実施例によれば、前記押さえに付与される前記識別情報は、前記押さえに付けられた前記シートの色と区別し得る色、または前記押さえに付されたマーク、または前記押さえの形状からなっている。

本発明によれば、折丁計数機の使用前であって、一対の押さえの位置設定と照明ユニットの照度調整がなされた後、カメラによって調整用画像データを取得し、当該調整用画像データを、画像処理部によって処理し、画像データ中の一対の押さえの画像の位置を検出し、さらに、この検出した一対の押さえの位置情報に基づき、折丁計数機の動作中にカメラによって取得した画像中の一対の押さえ間にのびる矩形状の画像部分を切り取る範囲、すなわち当該画像中の処理範囲を自動的に設定するようにしたので、作業者が、折丁計数機の使用前に、処理範囲を指定する必要がなくなる。そして、計数予定数やシートの種類等の変更に伴って一対の押さえ間の間隔が変更されても、処理範囲の指定作業のために作業効率が低下することはない。

本発明の１実施例による折丁計数機の全体構成を示す概略的な縦断面図である。 図１の折丁計数機のハウジング上面の撮影用窓付近の構成を示す上面図である。 図１の折丁計数機の画像処理部の構成を示すブロック図である。 図１の折丁計数機のディスプレイ表示画面の一例を示す平面図である。 図３の画像処理部における押さえ位置検出部の動作フロー図である。

以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例について説明する。
図１は、本発明の１実施例による折丁計数機の全体構成を示す概略的な縦断面図である。図１を参照して、本発明による折丁計数機は、上面１ａに撮影用窓２が形成されたハウジング１を備えている。この実施例では、撮影用窓２は矩形状を有している。ハウジング１の上面１ａには、折り畳み加工されて山部３ａとその反対側に谷部３ｂが形成されたシート３の束Ｓが撮影用窓２を横切って置かれるようになっている。この場合、シート３の束Ｓは、各シート３が山部３ａを下向きにしかつ撮影用窓２を横切る配置で置かれるようになっている。

折丁計数機は、また、ハウジング１に取り付けられ、ハウジング１の上面１ａに置かれたシート３の束Ｓを両側から挟持するシート束支持ユニット４を備えている。
図２は、図１の折丁計数機の撮影用窓２の付近の構成を示す上面図である。図２を参照して、シート束支持ユニット４は、この実施例では、ハウジング１の上面１ａに配置され、それぞれ上面１ａに垂直にかつ撮影用窓２の長手方向側縁に直角にのびる当接面を有する一対の押さえ４ａ、４ｂを備えている。一対の押さえ４ａ、４ｂは、図示しないスライドガイドによって案内されて、互いの当接面が対向した状態で、互いに近接および離間する向きにスライドし得るようになっている。

シート束支持ユニット４は、さらに、一対の押さえ４ａ、４ｂまたはハウジング１またはその両方に設けられ、一対の押さえ４ａ、４ｂをそれぞれ所望の位置に固定する固定手段（図示しない）と、ハウジング１の上面１ａに取り付けられ、一対の押さえ４ａ、４ｂの移動経路に平行にのびる、載置面２に対して垂直な揃え板４ｃとを有している。揃え板４ｃは、本発明に必須の構成要素ではなく、必要に応じて設けられる。

さらに、一対の押さえ４ａ、４ｂのそれぞれの撮影用窓２に臨む領域には、押さえ板４ａ、４ｂをシート３と区別するための識別情報が付与される。
この実施例では、識別情報として、押さえ４ａ、４ｂにおける当接面を含む一定幅の領域Ｇに、シート３の色と区別し得る色が付されている。

折丁計数機は、また、ハウジング１の内部に取り付けられ、撮影用窓２を下方から照明する照明ユニット５と、ハウジング１の内部に取り付けられ、撮影用窓２を通して一対の押さえ４ａ、４ｂおよびシート３の束Ｓを撮影するカメラ６を備えている。

照明ユニット５は、その照明によってシート３の束Ｓの隣接するシート３間の境界に影を生じさせることができる位置に適当な個数配置される。この実施例では、図１に示すように、一対の照明ユニット５が、シート束支持ユニット４の一対の押さえ４ａ、４ｂの移動方向（ハウジング１の上面１ａに置かれたシート３の束Ｓの厚さ方向）に互いに間隔をあけた位置であって、撮影用窓２に向かって斜め上方に光を照射する位置に配置されている。
照明ユニット５は、また、その照度を段階的に変更可能なものであればよく、その構成は特に限定されない。照明ユニット５は、ＬＥＤ、蛍光灯または電球等を有し得る。
カメラ６は、この実施例では、カラー画像を取得できるカメラからなっている。
照明ユニット５およびカメラ６は制御部７によって制御される。

折丁計数機は、さらに、カメラ６によって取得された画像データから、一対の押さえ４ａ、４ｂの間にのびる矩形状のデータ部分を抽出し、当該データ部分を画像処理することにより、シート３の枚数を計数する画像処理部８を備えている。
図３は、画像処理部８の構成を示すブロック図である。図３に示すように、画像処理部８は、折丁計数機の計数動作開始前に、カメラ６によって取得された調整用画像データを画像処理し、一対の押さえ４ａ、４ｂの識別情報を検出して、さらに調整用画像データ中の一対の押さえ４ａ、４ｂの位置を検出する押さえ位置検出部９と、折丁計数機の計数動作中、カメラ６によって取得された画像データから、押さえ位置検出部９によって検出された一対の押さえ４ａ、４ｂの位置の情報に基づいて、一対の押さえ４ａ、４ｂの間にのびる矩形状のデータ部分を抽出する処理範囲抽出部１０と、データ部分を二値化処理し、二値化されたデータ部分をラベリング処理することによって、当該データ部分中のシート３の画像の個数を算出する計数部１１と、計数部１１によって算出されたシート３の画像の個数を、シート３の枚数として表示する枚数表示部１２を有している。
なお、この実施例では、画像処理部８の枚数表示部１２は、ハウジング１０に対し、支持アーム１３を介して取り付けられたディスプレイ１４の機能の一部からなっている。

図４は、ディスプレイ１４に表示される画面の１例を示した平面図である。図５に示すように、ディスプレイ１４には、計数結果の表示欄１５のほかに、カメラ６によって撮影された画像データの表示領域１６、および予め設定されたシート枚数（計数予定数）の表示欄１７等が設けられている。

図５は、押さえ位置検出部９の動作フロー図である。
図５Ａを参照して、この実施例では、押さえ位置検出部９は、まず、調整用画像データ中の押さえ４ａ、４ｂの画像の候補点を抽出する（図５ＡのＳ１）。
図５ＢはこのステップＳ１の詳細を示すフロー図である。図５Ｂに示すように、ステップＳ１においては、調整用画像データ中の全てのピクセルについて、シート３の色と区別し得る色に関する色相および彩度および明度の条件を満たすか否かを判定し（図５ＢのＳ１１〜Ｓ１４）、条件を全て満たすピクセルを押さえ４ａ、４ｂの画像の候補点とする一方（図５ＢのＳ１５）、条件を１つでも満たさないピクセルは押さえ４ａ、４ｂの画像の非候補点とする（図５ＢのＳ１６）。

その後、押さえ位置検出部９は、押さえ４ａ、４ｂの画像の候補点の抽出結果に基づき、調整用画像データを二値化処理し、二値化された調整用画像データをラベリング処理することによって、押さえ４ａ、４ｂの画像の候補点の集合（ラベル）の面積を求める（図５ＡのＳ２）。
押さえ位置検出部９は、さらに、最大の面積を有する候補点の集合（ラベル）と２番目に大きい面積を有する候補点の集合（ラベル）を一対の押さえ４ａ、４ｂの画像とし、それらの候補点の集合（ラベル）のそれぞれの中央列を一対の押さえ４ａ、４ｂの中央位置として一対の押さえ４ａ、４ｂの位置を検出する（図５ＡのＳ３）。

次に、本発明による折丁計数機の動作を説明する。
折丁計数機の使用前（計数動作の開始前）に、作業者によって、一対の押さえ４ａ、４ｂの位置設定と、照明ユニット５の照度調整がなされる。この場合、一対の押さえ４ａ、４ｂの位置設定は、次のようにしてなされる。
まず、枚数を計数すべき折り畳み加工されたシート３が所定の枚数（計数予定数）束ねられてハウジング１の上面１ａにセットされる。その際、シート３の束Ｓが一対の押さえ４ａ、４ｂの間に挿入されて、各シート３が、その天側または地側が揃え板４ｃに当接することで揃えられた後、シート３の束Ｓの両側が一対の押さえ４ａ、４ｂによって挟持され、次いで各押さえ４ａ、４ｂが固定される。この場合、一対の押さえ４ａ、４ｂは、シート３の束Ｓの隣接するシート３の山部の間に適度な隙間を生じさせ得る位置に固定される。

一対の押さえ４ａ、４ｂの位置設定と照明ユニット５の照度調整がなされた後、カメラ６によって調整用画像データが取得される。取得された調整用画像データは、画像処理部８の押さえ位置検出部９によって処理され、処理の結果として、画像データ中の一対の押さえ４ａ、４ｂの画像の位置が検出される。
この押さえ位置検出部９によって検出された一対の押さえ４ａ、４ｂの位置情報に基づき、画像処理部８の処理範囲抽出部１０によって抽出されるデータ部分の範囲、すなわち、カメラ６によって取得された画像中の一対の押さえ４ａ、４ｂ間にのびる矩形状の画像部分を切り取る範囲（当該画像中の処理範囲（計数範囲））が自動的に設定される。

こうして、本発明によれば、作業者が、折丁計数機の使用前に、カメラ６によって取得された画像中の処理範囲を指定する必要がなくなる。そして、計数予定数やシートの種類等の変更に伴って一対の押さえ間の間隔が変更されても、処理範囲の指定作業のために作業効率が低下することはない。

その後、折丁計数機の計数動作が開始される。すなわち、位置設定された一対の押さえ４ａ、４ｂの間に、枚数を計数すべきシート３の束Ｓが、順次、作業者によって挿入され、その都度、ディスプレイ１４の表示に従って、シート３が予め設定された枚数（計数予定数）だけあるか否かが作業者によって確認される。

以上、本発明の構成を１実施例に基づいて説明したが、本発明の構成はこの実施例に限定されるものではない。
例えば、上記実施例では、計数部１１は、二値化されたデータ部分をラベリング処理することでシート３の画像の個数を算出するが、シート３の画像の個数の算出法はこれに限定されず、二値化されたデータ部分についてラベリング処理以外の公知の面積計算を行うことによってもシート３の画像の個数を算出することができる。
また、上記実施例では、一対の押さえ４ａ、４ｂの識別情報として、各押さえ４ａ、４ｂの当接面を含む一定幅の領域にシート３の色と区別し得る色を付したが、その代わりに、各押さえ４ａ、４ｂの撮影用窓２に臨む領域に、識別情報としてマークを付してもよいし、あるいは、各押さえ４ａ、４ｂを、シート３から区別し得る形状とし、当該押さえ４ａ、４ｂの形状を識別情報としてもよい。

１ ハウジング
１ａ 上面
２ 撮影用窓
３ シート
３ａ 山部
３ｂ 谷部
４ シート束支持ユニット
４ａ、４ｂ 押さえ
４ｃ 揃え板
５ 照明ユニット
６ カメラ
７ 制御部
８ 画像処理部
９ 押さえ位置検出部
１０ 処理範囲抽出部
１１ 計数部
１２ 枚数表示部
１３ 支持アーム
１４ ディスプレイ
１５ 計数結果の表示欄
１６ 画像データの表示領域
１７ 計数予定数の表示欄
Ｇ 当接面を含む一定幅の領域
Ｓ シートの束

Claims (2)

1. 折り畳み加工されて山部とその反対側に谷部が形成されたシートの枚数を計数する折丁計数機であって、
   上面に撮影用窓が形成されたハウジングと、
   前記ハウジングに取り付けられ、前記上面に前記撮影用窓を横切って置かれた前記シートの束を両側から挟持するシート束支持ユニットと、を備え、前記シートの束は、各シートが山部を下向きにしかつ前記撮影用窓を横切る配置で置かれるようになっており、
   前記シート束支持ユニットは、
   それぞれ前記ハウジングの上面に前記撮影用窓を横切って配置される一対の押さえと、
   前記ハウジングに設けられ、前記一対の押さえを互いに近接および離間する向きにスライド可能に案内するスライドガイドと、
   前記一対の押さえまたは前記ハウジングまたはその両方に設けられ、前記一対の押さえをそれぞれ所望の位置に固定する固定手段と、を有し、前記一対の押さえのそれぞれの前記撮影用窓に臨む領域には、前記押さえを前記シートと区別するための識別情報が付与され、前記一対の押さえの間に前記シートの束が挟持されるようになっており、
   前記折丁計数機は、さらに、
   前記ハウジングの内部に取り付けられ、前記撮影用窓を下方から照明する照明ユニットと、
   前記ハウジングの内部に取り付けられ、前記撮影用窓を通して前記一対の押さえおよび前記シートの束を撮影するカメラと、
   前記照明ユニットおよび前記カメラを制御する制御部と、
   前記カメラによって取得された画像データから、前記一対の押さえの間にのびる矩形状のデータ部分を抽出し、前記データ部分を画像処理することにより、前記シートの枚数を計数する画像処理部と、を備え、
   前記画像処理部は、
   前記折丁計数機の計数動作開始前に、前記カメラによって取得された調整用画像データを画像処理し、前記一対の押さえの前記識別情報を検出して、さらに前記調整用画像データ中の前記一対の押さえの位置を検出する押さえ位置検出部と、
   前記折丁計数機の計数動作中、前記押さえ位置検出部によって検出された前記一対の押さえの位置の情報に基づき、前記カメラによって取得された画像データから前記データ部分を抽出する処理範囲抽出部と、
   前記データ部分を二値化処理し、二値化された前記データ部分について面積計算を行うことによって、当該データ部分中の前記シートの画像の個数を算出する計数部と、
   前記計数部によって算出された前記シートの画像の個数を、前記シートの枚数として表示する枚数表示部と、を有していることを特徴とする折丁計数機。
2. 前記押さえに付与される前記識別情報は、前記押さえに付けられた前記シートの色と区別し得る色、または前記押さえに付されたマーク、または前記押さえの形状からなっていることを特徴とする請求項１に記載の折丁計数機。