JP3764918B2 - ヘリカル歯車の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

ヘリカル歯車の製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘリカル歯車を冷間鍛造により形成するヘリカル歯車の製造方法およびその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイスとポンチによって歯車を鍛造により成形する製造方法が知られている。例えば特公昭59−30499号公報には、製造しようとする平歯車の歯の歯形型面が形成された軸孔を持つダイスと、外周面に該平歯車の歯と同じ歯形面が形成されたポンチとマンドレルとを用い、被加工材をダイスの軸孔内に配置すると共にポンチを軸孔に挿入してポンチとダイス及びマンドレルにより被加工材を鍛造してダイスとポンチで形成されるキャビティー形状に塑性加工するものである。
【0003】
被加工材としては中心孔を持たない円柱粗材を用い、この円柱粗材をポンチで軸方向に加圧したり、また、この円柱粗材の中心部にマンドレルを打込み、円柱粗材の中心部を押圧して外方に粗材の流れを創って円柱粗材が軸孔の歯形型面に流れ込むようにしている。
また、特開平8−206772号公報には、ヘリカル歯車の粗形材を内周面にヘリカル歯の歯形型面が形成された軸孔を持つダイス内にダイスと粗形材とを相対回転させつつポンチで押し込み、ヘリカル歯を精度良く加工する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特公昭59−30499号公報は平歯車の鍛造方法が開示されているがヘリカル歯車については具体的にその鍛造方法が示されていない。また、特開平8−206772号公報は、ヘリカル歯車の粗形材の歯部のみを仕上げるものであり、ビレット状の粗材からヘリカル歯車を鍛造により製造するものではない。
【0005】
本発明は、ビレット状粗材から直接ヘリカル歯車を製造するヘリカル歯車の製造方法およびその製造装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者はヘリカル歯車を鍛造する場合、被加工材を軸方向に押し潰して歯部を形成すると共に同時に被加工材をねじり、押し潰すことにより形成される歯部がダイスのヘリカル溝に沿って流れることが必要であることに思い至り、ダイスとポンチで被加工材をねじりつつ押し潰してヘリカル歯車に塑性加工する方法を完成したものである。
【0007】
すなわち、本発明のヘリカル歯車の製造方法は、内周面にヘリカル歯の歯形型面が形成された軸孔を持つダイスと、外周面に該ヘリカル歯と同じ歯形面が形成され該ダイスの該軸孔に螺合するポンチと、該ダイスを固定する下ダイと、該下ダイに立設して上方に延び上ダイを支持する支柱と、該上ダイに設置され該ポンチが先端に配設された加圧ロッドと、該加圧ロッドに軸回りに回転自在に両端が軸支された回転軸部材と、を備えたヘリカル歯車の製造装置において、該ダイスの該軸孔内に被加工材を配置する配置工程と、該ポンチが該ダイスの該軸孔に螺合するように、前記加圧ロッドの下降にともなう前記ダイスと前記ポンチの相対移動を前記回転軸部材の回転に変換する第1回転機構と、変換された該回転軸部材の回転を前記ダイスと前記ポンチの相対回転に変換する第2回転機構との2段階の回転機構により変換を実施し、前記ポンチに軸方向の移動にともなう水平面内の回転を与え、該ポンチと該ダイスとを同軸的に近づけつつ同軸的に回転して該ポンチを該ダイスの該軸孔に螺合させながら該被加工材を軸方向に押し付けるとともに該被加工材の中心軸を中心にしてねじり該被加工材をヘリカル歯車に成形する成形工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明のヘリカル歯車の製造装置は、本発明のヘリカル歯車の製造方法に使用されるもので、内周面にヘリカル歯の歯形型面が形成された軸孔を持つダイスと、外周面に該ヘリカル歯と同じ歯形面が形成され該ダイスの該軸孔に螺合するポンチと、該ダイスを固定する下ダイと、該下ダイに立設して上方に延び上ダイを支持する支柱と、該上ダイに設置され該ポンチが先端に配設された加圧ロッドと、該加圧ロッドに軸回りに回転自在に両端が軸支された回転軸部材と、を備えたヘリカル歯車の製造装置において、該ポンチが該ダイスの該軸孔に螺合するように、前記加圧ロッドの下降にともなう該ダイスと前記ポンチの相対移動を前記回転軸部材の回転に変換する第1回転機構と、変換された該回転軸部材の回転を該ダイスと該ポンチとの相対回転に変換する第2回転機構との2段階の回転機構を具備し、前記ポンチに軸方向の移動にともなう水平面内の回転を与え、該ポンチと該ダイスとを同軸的に近づけつつ同軸的に回転して該ポンチを該ダイスの該軸孔に螺合させながら該ダイスの該軸孔内に配置された被加工材を軸方向に押し付けるとともに該被加工材の中心軸を中心にしてねじり該被加工材をヘリカル歯車に成形する回転押圧手段と、を含む。
【0009】
本発明のヘリカル歯車の製造方法及び製造装置では、被加工材がダイスの軸孔内で軸方向に押し潰され、これにより形成される歯部がねじりによりダイスの軸孔のヘリカル溝に沿って流れる。このため、形成される歯部そのものもヘリカル溝内で溝に沿って押され、ヘリカル溝内で移動しつつ歯部が膨大してヘリカル歯に形成される。形成される歯部がヘリカル溝に沿って移動するため抵抗も少なく容易にヘリカル歯車が成形できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のヘリカル歯車の製造方法及び製造装置において、内周面にヘリカル歯の歯形型面が形成された軸孔を持つダイスと、外周面に該ヘリカル歯と同じ歯形面が形成され該ダイスの該軸孔に螺合するポンチと、該ポンチと該ダイスとを該ポンチが該ダイスの該軸孔に螺合するように、前記加圧ロッドの下降にともなう該ダイスと前記ポンチの相対移動を回転軸部材の回転に変換する第1回転機構と、変換された該回転軸部材の回転を該ダイスと該ポンチとの相対回転に変換する第2回転機構との2段階の回転機構を具備し、前記ポンチに軸方向の移動にともなう水平面内の回転を与え、該ポンチと該ダイスとを同軸的に近づけつつ同軸的に回転して該ポンチを該ダイスの該軸孔に螺合させながら該ダイスの該軸孔内に配置された被加工材を軸方向に押し付けるとともに該被加工材の中心軸を中心にしてねじり該被加工材をヘリカル歯車に成形する回転押圧手段と、を用いる。
【0011】
ダイスはその軸孔内で被加工材が塑性加工されるもので、得られるヘリカル歯車の軸方向長さより十分に軸方向長さの長い軸孔を持つものである必要がある。軸孔の内周面に形成されるヘリカル歯の歯形型面は、得られるヘリカル歯車の外周面と型対象のものとなる。しかし型面はその軸方向に長く、ヘリカル状に延びている必要がある。
【0012】
本発明のヘリカル歯車の製造方法及び製造装置においては、中心孔をもつリング状のヘリカル歯車を製造することができる。この中心孔をもつヘリカル歯車の場合、前記回転押圧手段にダイスの軸孔の中心に配置されるマンドレルを設け、被加工材をダイスの軸孔に配置する際に、マンドレルを中心孔に挿通する。そして、ポンチがダイスの軸孔に螺合するようにポンチを回転させつつポンチとダイスを近づけ、ポンチで被加工材をねじりつつ軸孔内で軸方向に押し潰す。ポンチは、加圧ロッドの下降にともなうダイスとポンチの相対移動を回転軸部材の回転に変換する第1回転機構と、変換された回転軸部材の回転をダイスとポンチとの相対回転に変換する第2回転機構とを組み合わせた回転機構によりポンチの降下にともなう軸周りの回転を与えられる。このねじりにより、被加工材の外周部は、ダイスの軸孔のヘリカル溝に沿って流れ、ヘリカル溝内で移動しつつ膨大してヘリカル状の歯部に形成される。このときマンドレルは押圧される被加工材と共に軸方向に押される(請求項3,9)。
【0013】
成形工程の終期にはマンドレルを後退させて被加工材の中心孔の一部を空隙として残した状態で被加工材を軸方向にねじりつつ押圧すると、被加工材の内側部が該空隙に膨大し、被加工材の材料流動が全体的に促進され、ダイスの軸孔のヘリカル溝に沿ったより精度の高いヘリカル状の歯部を形成することができる。(請求項)。
【0014】
本発明において、被加工材を軸方向に押圧するポンチの押圧面に、該被加工材の被加工面との間での回り方向の滑りを阻止する中心部より放射状に延びる突条をもつことが好ましい。この突条は被加工材の端面にくい込み突条と被加工材との相対回転を阻止する。なお、ポンチの押圧面と被加工材の端面との滑りは放射方向には好ましい。被加工材が押し潰され、ポンチの押圧面と接している被加工材の端面部が放射方向に滑って被加工材の径が増大するのは好ましいことである。
(請求項5、11)。
【0015】
また、前記成形工程及び前記回転押圧手段は加圧ロッドの下降にともなう前記ダイスと前記ポンチとの軸方向の相対移動を回転軸部材の回転に変換するラック−ピニオン装置と変換された回転軸部材の回転を該ダイスと該ポンチとの水平面内の相対回転に変換するウオームギヤー装置とを具備している。これにより確実にダイスとポンチとが螺合するとともにウオームギヤー装置で確実にダイスとポンチとを相対回転させることができる。なお、大きな回転力が必要な場合には適当な増力装置を組み込んでも良い(請求項2,10)。
【0016】
前記ポンチは同軸的に互いに対向する2個のポンチで構成し、被加工材を軸方向の両方から互いに逆方向にねじりつつ押圧してもよい。この場合、二つのポンチの回転方向を違えることにより、被加工材が軸方向に半分づつねじられ、各ポンチの加圧力を低減できる(請求項6、12)。また、この方法を採用することにより幅の厚いヘリカル歯車、歯車の傾きが大きいヘリカル歯車の製造が容易になる。
【0017】
【実施例】
本発明のヘリカル歯車の製造方法及びその製造装置の実施例を示す図面に基づいて説明する。
本発明のヘリカル歯車の製造方法は、図1〜図3に示す製造装置によって達成される。図1〜図3に示す本発明のヘリカル歯車の製造装置は、機台1と、該機台1に固設された下ダイ2と、該下ダイ2から上方に延びた支柱3と、該支柱3に支持された上ダイ4と、該上ダイ4に設置された加圧ロッド5と、該加圧ロッド5の先端に配設される上ポンチ6と、該加圧ロッド5の下降に伴って該上ポンチ6を回転させる回転機構7と、該下ダイ2に固定されたダイス8と、該ダイス8側に設けられ、該上ポンチ6と協動して被加工材9(図4〜図7)を成形する下ポンチ10およびマンドレル11とを具備する。
【0018】
前記ダイス8は内周面にヘリカル歯の歯形型面が形成された軸孔8aを持つ。該軸孔8aは被加工材9の軸方向長さより大きいものとする。前記下ポンチ10は、マンドレル11とは別の昇降ラム19上にベアリング12を介して回転自在に支持され、該昇降ラム19の上昇に伴って前記上ポンチ6に対向した押上げを行うことができ、その外周には前記軸孔8aに螺合する歯形10aを持つ。該下ポンチ10は該軸孔8aの底部を形成することになる。該下ポンチ10にはマンドレル11が中心軸状に貫通している。該下ポンチ10を貫通する該マンドレル11は、図示しない昇降手段によって軸孔8aに突出した状態と下ポンチ10内に没した状態とに上下動可能に構成されている。
【0019】
一方、前記回転機構7は、二つの回転機構から構成されている。第1の回転機構は、前記支柱3の一つに形成されたラック3aと、該ラック3aに噛合した平歯車13と、該平歯車13の軸部を構成するシャフト部材であって、軸回りに回転自在に前記加圧ロッド5に両端が支持されている。第2の回転機構は、シャフト部材の中間部分に設けられたウォーム14と、ウォーム14をもつ回転軸部材15と、該ウォーム14に噛合したウォームホイール16とから構成されている。該ウォームホイール16は前記加圧ロッド5に取付けられたブラケット17に保持されている。該ウォームホイール16は加圧ロッド5との間に介装されたベアリング18によって回転可能になっている。
【0020】
前記上ポンチ6は、外周面に製品のヘリカル歯と同じ歯形面6aが形成されていて、前記ダイス8の軸孔8aに嵌合可能な筒体で、前記ウォームホイール16の同軸位置に保持されている。また、上ポンチ6は前記被加工材9を軸方向に押圧する該上ポンチ6の押圧面には、凸部6bが形成されている。ここで、被加工材9は、製品の歯底円直径と等しいか少し小さい外径をもち、マンドレル11の外径と等しいか少し大きい内径の中心孔9aを持つ円筒粗材であり、該凸部6bは、マンドレル11の外径と等しい外径をもつ。
【0021】
上記構成からなる製造装置を用いてヘリカル歯車を製造する方法は、図4〜図7に示すように行う。
第1の工程では、図4に示すように、前記ダイス8の軸孔8a内に被加工材9を配置する(配置工程)。このとき、マンドレル11は先端が軸孔8aに突出した状態に設定される。被加工材9は、該マンドレル11に該中心孔9aを挿通しつつ該軸孔8a内に配置される。
【0022】
第2の工程では、前記加圧ロッド5を下降し前記軸孔8aに螺合するように前記ポンチ6を前記ダイス8に同軸的に近づける。このとき、回転軸部材15は平歯車13がラック3a上を下方に移動するのに伴って回転し、ウォーム14と噛合したウォームホイール16を回転させる。該ウォームホイール16の回転により前記上ポンチ6は該軸孔8aに同軸的に回転して該軸孔8aに螺合する。この螺合は、前記加圧ロッド5が所定位置のときの前記上ポンチ6の外周面歯形の位相と軸孔8aの内周面歯形の位相とを所定の関係に設定しておくことにより、前記下ポンチ6が前記ダイス8に当接する位置で確実に行われる。このためには、ウォーム14とウォームホイール16とのギヤ比と、平歯車13の歯数とを決定することにより、加圧ロッド5の下降と上ポンチ6の回転を同期させればよい。
【0023】
第3の工程は、図5に示すように、螺合した上ポンチ6を加圧ロッド5を更に下降させて被加工材9を加圧し、該被加工材9を該軸孔8a内で密閉鍛造する。このとき下ポンチ10は昇降ラム19を上昇させて上ポンチ6に対向して被加工材9を下側から押し上げる。マンドレル11は上ポンチ6に押されるまま下降する。これにより、被加工材9は、上ポンチ6と下ポンチ10の間にすべりなく挟持される。これにより、被加工材9は上ポンチ6と下ポンチ10との間に狭圧された状態でねじられつつ上ポンチ6と下ポンチ10によって軸方向に両打ちされる。被加工材9の外周部は全体がねじられつつ外方へ押しのけられるが、押しのけられた部分は、軸孔8aのヘリカル溝に沿って流れ、隣の溝に乗越えることはない。この流れ込みがある程度進んだら、上ポンチ6と下ポンチ10の加圧を止める。
【0024】
第4の工程は、上ポンチ6と下ポンチ10の加圧を止めた状態で、マンドレル11を所定量下降して、図6に示すように被加工材9の中心孔9aに空間20を創る。図では、空間20が被加工材9の中間部分に生じるようにしている。この空間20は、被加工材9の逃げ場となる。
第5の工程では、加圧ロッド5を更に押下げる。これにより、被加工材9の内側部が空間20に逃れることで、被加工材9の材料流動を全体的に促進し、加圧ロッド5を更に押下げたときの上ポンチ6および下ポンチ10の被加工材9との加工面圧を下げることができ、急激な加工面圧の増加を回避しつつ、ダイスの軸孔のヘリカル溝に沿ったより精度の高いヘリカル状の歯部を形成することができる。
【0025】
第6の工程では、図7に示すようにマンドレル11を押上げると共に加圧ロッド5を上げる。該マンドレル11が押し上がるとき、空間20に膨らんだ被加工材9が除去される。中心孔21が形成された製品に鍛造することができる。
このように本実施例は、中心孔21をもつヘリカル歯車の製造方法において、(1)被加工材9の中心孔20にマンドレル11が挿入された状態で該被加工材9を軸回りにねじりつつ軸方向に加圧し、(2)ある程度被加工材9が外方に押しのけられた段階でマンドレル11を退避して中心孔20に被加工材9の逃げ場としての空間20を形成し、(3)かつ再度の加圧の後に空間20に膨出した被加工材9をマンドレル11で除去している。従って、被加工材9は軸まわりにねじられつつ軸方向に押されて外方に流れ、外方に逃れた被加工材部分は軸孔8aの溝に沿って流れる。この流れは隣の溝に乗越えることがなく、加圧力を省力化できて、軸孔8aの歯形型面へ均一に粗材を流し込み精密な型鍛造が可能となる。
【0026】
また、本実施例のヘリカル歯車の製造方法では、ポンチ(上ポンチ)の回転を、加圧ロッド5の降下に伴って回転するウォーム14とウォームホイール16との噛合によって該ポンチを回転させているため、ヘリカル歯車のねじれ角の影響を受けず、比較的大きなねじれ角のヘリカル歯車でも容易に製造することができる。
なお、図8に示すように、ダイス8を機台1に固定し、ダイス8の上下に2個一対のポンチ6をそれぞれ上側加圧ロッド5、下側加圧ロッド5に取り付け、さらに上下の回転機構7を設け、被加工材を上下のポンチで押し潰しつつ互いに逆方向にねじるようにしてもよい。この場合、被加工材の軸方向の中心はポンチに対して不同とすることができ、より小さい力でヘリカル歯車を製造できる。
【0027】
なお、図8に示すように、ダイス8を機台1に固定し、ダイス8の上下に2個一対のポンチ6をそれぞれ上側加圧ロッド5、下側加圧ロッド5に取り付け、さらに上下の回転機構7を設け、被加工材を上下のポンチで押し潰しつつ互いに逆方向にねじるようにしてもよい。この場合、被加工材の軸方向の中心はポンチに対して不同とすることができ、より小さい力でヘリカル歯車を製造できる。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、ダイスの軸孔に配置された被加工材が全体的にその中心軸を中心にねじられつつ該軸方向に押され、該被加工材を軸孔の歯形型面に均一に流し込んで、精密なヘリカル歯型鍛造が可能となる。
また、ポンチとダイスとの軸方向の相対移動を回転軸部材の回転に変換する第1回転機構と、変換された回転軸部材の回転を前記ダイスと前記ポンチとの相対回転に変換する第2回転機構との2段階の回転機構を組み合わせてポンチの軸周りの回転に変換しているのでヘリカル歯車のねじれ角の影響を受けず、大きなねじれ角のヘリカル歯車でも容易に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るヘリカル歯車の製造装置を示す正断面図である。
【図2】 本発明に係るヘリカル歯車の製造装置を図1の一側から見た側断面図である。
【図3】 本発明に係るヘリカル歯車の製造装置の平面図である。
【図4】 本発明に係るヘリカル歯車の製造装置に被加工材を配置した工程を示す工程図である。
【図5】 本発明に係るヘリカル歯車の製造装置において、ポンチをダイスの軸孔に螺合させた状態を示す工程図である。
【図6】 本発明に係るヘリカル歯車の製造装置において、被加工材を密閉鍛造している様子を示す工程図である。
【図7】 本発明に係るヘリカル歯車の製造装置において、中心孔に膨らんだ粗材を除去する工程を示す工程図である。
【図8】 本発明に係る他のヘリカル歯車の製造装置を示す正断面図である。
【符号の説明】
1…機台、2…下ダイ、3…支柱、4…上ダイ、5…加圧ロッド、6…上ポンチ、6a…歯形面、7…回転機構、8…ダイス、8a…軸孔、9…被加工材、10…下ポンチ。

Claims (12)

  1. 内周面にヘリカル歯の歯形型面が形成された軸孔を持つダイスと、外周面に該ヘリカル歯と同じ歯形面が形成され該ダイスの該軸孔に螺合するポンチと、該ダイスを固定する下ダイと、該下ダイに立設して上方に延び上ダイを支持する支柱と、該上ダイに設置され該ポンチが先端に配設された加圧ロッドと、該加圧ロッドに軸回りに回転自在に両端が軸支された回転軸部材と、を備えたヘリカル歯車の製造装置において、
    ダイスの該軸孔内に被加工材を配置する配置工程と、
    ポンチが該ダイスの該軸孔に螺合するように、該加圧ロッドの下降にともなう前記ダイスと前記ポンチの相対移動を前記回転軸部材の回転に変換する第1回転機構と、変換された該回転軸部材の回転を前記ダイスと前記ポンチの相対回転に変換する第2回転機構との2段階の回転機構により変換を実施し、前記ポンチに軸方向の移動にともなう水平面内の回転を与え、該ポンチと該ダイスとを同軸的に近づけつつ同軸的に回転して該ポンチを該ダイスの該軸孔に螺合させながら該被加工材を軸方向に押し付けるとともに該被加工材の中心軸を中心にしてねじり該被加工材をヘリカル歯車に成形する成形工程と、
    を含むことを特徴とするヘリカル歯車の製造方法。
  2. 前記成形工程の前記2段階の回転機構は、前記加圧ロッドの下降にともなう前記ダイスと前記ポンチとの相対移動を前記回転軸部材の回転に変換するラック−ピニオン装置と、変換された該回転軸部材の回転を該ダイスと該ポンチとの相対回転に変換するウオームギヤー装置とで構成されている請求項1記載のヘリカル歯車の製造方法。
  3. 前記ダイスの前記軸孔の中心にはマンドレルが配置されており、前記被加工材は中心孔を有するリング形状であり、前記配置工程は該マンドレルに該中心孔を挿通しつつ該被加工材を該ダイス内に配置する工程である請求項1又は2記載のヘリカル歯車の製造方法。
  4. 前記成形工程の終期に前記マンドレルを後退させて前記被加工材の中心孔の一部を空隙として残した状態で該被加工材を軸方向にねじり押圧し、前記被加工材の内側部を該空隙に膨大させる請求項3記載のヘリカル歯車の製造方法。
  5. 前記被加工材を軸方向に押圧する前記ポンチの押圧面は該被加工材の被押圧面との間での回り方向の滑りを阻止する中心部より放射状に延びる突条を持つ請求項1又は2記載のヘリカル歯車の製造方法。
  6. 前記ポンチは同軸的に互いに対向する2個のポンチで構成され、前記ダイスの前記軸孔内に配置された前記被加工材は、前記成形工程で2個の該ポンチで押圧されつつねじられる請求項1又は2記載のヘリカル歯車の製造方法。
  7. 内周面にヘリカル歯の歯形型面が形成された軸孔を持つダイスと、外周面に該ヘリカル歯と同じ歯形面が形成され該ダイスの該軸孔に螺合するポンチと、該ダイスを固定する下ダイと、該下ダイに立設して上方に延び上ダイを支持する支柱と、該上ダイに設置され該ポンチが先端に配設された加圧ロッドと、該加圧ロッドに軸回りに回転自在に両端が軸支された回転軸部材と、を備えたヘリカル歯車の製造装置において、
    ポンチが該ダイスの該軸孔に螺合するように、該ポンチと該ダイスとを同軸的に近づけつつ同軸的に回転して該ポンチを該ダイスの該軸孔に螺合させながら該ダイスの該軸孔内に配置された被加工材を軸方向に押し付けるとともに該被加工材の中心軸を中心にしてねじり該被加工材をヘリカル歯車に成形する回転押圧手段と、
    を含むことを特徴とするヘリカル歯車の製造装置。
  8. 前記回転押圧手段は前記加圧ロッドの下降にともなう前記ダイスと前記ポンチの相対移動を前記回転軸部材の回転に変換する第1回転機構と、変換された該回転軸部材の回転を該ダイスと該ポンチとの相対回転に変換する第2回転機構との2段階の回転機構からなる請求項7記載のヘリカル歯車の製造装置。
  9. 前記回転押圧手段は前記ダイスの前記軸孔の中心に配置されたマンドレルを持ち、前記被加工材は中心孔を有するリング形状であり、該マンドレルに該中心孔を挿通された状態で該被加工材は該ダイス内に配置される請求項7記載のヘリカル歯車の製造装置。
  10. 前記回転押圧手段の前記回転機構は、前記加圧ロッドの下降にともなう前記ダイスと前記ポンチとの相対移動を前記回転軸部材の回転に変換するラック−ピニオン装置と、変換された該回転軸部材の回転を該ダイスと該ポンチとの相対回転に変換するウオームギヤー装置とである請求項8記載のヘリカル歯車の製造装置。
  11. 前記被加工材を軸方向に押圧する前記ポンチの押圧面は該被加工材の被押圧面との間での回り方向の滑りを阻止する中心部より放射状に延びる突条を持つ請求項7記載のヘリカル歯車の製造装置。
  12. 前記ポンチは同軸的に互いに対向する2個のポンチで構成され、前記ダイスの前記軸孔内に配置された前記被加工材は、2個の該ポンチで押圧されつつねじられる請求項7記載のヘリカル歯車の製造装置。
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