JPH0857570A - はすば歯車の製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 はすば歯車を高精度に能率よく製造する。 【構成】 プレス機械のテーブル１上に雌ダイス６を設
け、ダイス孔７とカウンタポンチ８に、製造するはすば
歯車に応じた螺旋形状の山部谷部９を形成して両者を螺
合し、カウンタポンチ８に上昇力を付与する装置１１を
設け、雌ダイス６上を昇降する案内盤２０の案内孔２２
とポンチホルダ２３に、製造するはすば歯車に応じた螺
旋形状の山部谷部２４を形成して両者を螺合し、ポンチ
ホルダ２３下端にポンチ２５を取り付け、案内盤２０を
雌ダイス６から所定の距離に停止させるストッパ１９を
設け、プレス機械のラム２７下に取り付けた回転盤３３
にポンチホルダ２３上端を取り付けている。ラム２７を
下降させると、ポンチ２５とカウンタポンチ８が正転し
つつ下降して両者に挟まれた歯車素材ｔがダイス孔７に
正転しつつ挿入されてはすば歯車になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、はすば歯車を製造する
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】はすば歯車を製造する場合、一般にホブ
盤が使用され、歯車素材がホブで歯切り加工される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、ホブ盤によ
る歯切り加工は、加工時間が長くて生産性が低く、はす
ば歯車を能率よく製造することができない。

【０００４】はすば歯車を高精度に能率よく製造するこ
とは、非常に困難である。

【０００５】本発明の目的は、上記のような従来の課題
を解決することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、プレス機械の
テーブルの上に雌ダイスを取り付け、雌ダイスに上下に
貫通したダイス孔とカウンタポンチの外周に、それぞ
れ、製造するはすば歯車に応じた螺旋形状の山部と谷部
を形成し、ダイス孔にカウンタポンチを螺合し、回転し
つつ昇降するカウンタポンチに上昇力を付与する装置を
設け、雌ダイスの上を昇降する案内盤を設け、案内盤に
上下に貫通した案内孔とポンチホルダの外周に、それぞ
れ、製造するはすば歯車の捩じれ角に応じた螺旋角を有
する螺旋形状の山部と谷部を形成し、案内孔にポンチホ
ルダを螺合し、案内盤に対し回転しつつ昇降するポンチ
ホルダの下端にポンチを取り付け、案内盤を雌ダイスか
ら所定の距離に停止させるストッパを設け、プレス機械
のラムの下に回転盤を取り付け、回転自在な回転盤にポ
ンチホルダの上端を取り付け、カウンタポンチとポンチ
の間に歯車素材を配置してプレス機械のラムを下降させ
ると、回転盤、ポンチホルダ、案内盤とポンチが下降
し、ポンチとカウンタポンチの間に歯車素材が挟まれ、
案内盤がストッパによって下降を停止し、ラムを更に下
降させると、ポンチホルダ、回転盤とポンチ及びカウン
タポンチが正転しつつ下降し、ポンチとカウンタポンチ
の間に挟まれた歯車素材がダイス孔に正転しつつ挿入さ
れてはすば歯車に形成される構成にし、はすば歯車の形
成後にラムを上昇させると、ポンチホルダ、回転盤とポ
ンチ及びカウンタポンチとはすば歯車が逆転しつつ上昇
し、はすば歯車がダイス孔から取り出され、ラムを更に
上昇させると、回転盤、ポンチホルダ、案内盤とポンチ
が上昇し、ポンチとカウンタポンチの間に挟まれたはす
ば歯車が解放される構成にしたことを特徴とするはすば
歯車の製造装置である。

【０００７】

【作用】本発明においては、カウンタポンチとポンチの
間に歯車素材を配置してプレス機械を運転する。ラムが
下降すると、先ず、回転盤、ポンチホルダ、案内盤とポ
ンチが下降し、ポンチとカウンタポンチの間に歯車素材
が挟まれ、案内盤がストッパによって下降を停止する。
次に、ポンチホルダ、回転盤とポンチ及びカウンタポン
チが正転しつつ下降し、ポンチとカウンタポンチの間に
挟まれた歯車素材がダイス孔に正転しつつ挿入されては
すば歯車に形成される。

【０００８】その後、ラムが上昇すると、先ず、ポンチ
ホルダ、回転盤とポンチ及びカウンタポンチとはすば歯
車が逆転しつつ上昇し、はすば歯車がダイス孔から取り
出される。次に、回転盤、ポンチホルダ、案内盤とポン
チが上昇し、ポンチとカウンタポンチの間に挟まれたは
すば歯車が解放される。

【０００９】従って、プレス機械のラムが往復する毎
に、はすば歯車が製造される。プレス機械の往復作動数
は高いので、はすば歯車の製造能率が高い。

【００１０】また、歯車素材がダイス孔に正転しつつ挿
入されてはすば歯車に形成される際に、歯車素材ないし
はすば歯車を挟んだポンチとカウンタポンチは、それぞ
れ、螺合した案内孔とポンチホルダの螺旋形状の山部と
谷部、螺合したダイス孔とカウンタポンチの螺旋形状の
山部と谷部に従って正転しつつ下降するので、歯車素材
ないしはすば歯車もダイス孔内を所望の通りに正転しつ
つ下降する。従って、はすば歯車の形状、特に歯すじ方
向が高精度になる。

【００１１】

【発明の効果】本発明においては、はすば歯車が高精度
に能率よく製造される。

【００１２】

【実施例】本例のはすば歯車製造装置は、図１と図２に
示すように、プレス機械のテーブル１の上に下側基板２
を取り付け、下側基板２の周辺部の上に複数本の案内柱
３を設立し、下側基板２の中央部の上に下側受圧板４を
取り付け、下側受圧板４の上面の中央部に有底の円形孔
５を設けている。

【００１３】下側受圧板４の上には、図１に示すよう
に、雌ダイス６を取り付け、雌ダイス６に上下に貫通し
たダイス孔７を下側受圧板４の円形孔５に同芯状に連通
し、ダイス孔７の周面とカウンタポンチ８の外周面に、
それぞれ、製造するはすば歯車に応じた螺旋形状の山部
と谷部９を形成し、ダイス孔７にカウンタポンチ８を螺
合して貫通し、回転しつつ昇降するカウンタポンチ８の
基端の円形フランジ部１０を下側受圧板４の円形孔５に
回転自在に嵌合している。

【００１４】プレス機械のテーブル１の下には、図１に
示すように、ダイクッション１１を取り付け、ダイクッ
ション１１の昇降板１２に、テーブル１を貫通した複数
本のエゼクタピン１３を載架している。下側受圧板４の
円形孔５の底面と下側基板２の下面の間には、図１に示
すように、複数本の昇降ピン１４を貫通し、各昇降ピン
１４をそれぞれ各エゼクタピン１３の上に載架し、円形
孔５内に突出した昇降ピン１４の上端に円形昇降盤１５
を取り付け、円形昇降盤１５の上にスラスト軸受１６を
介してカウンタポンチ８の円形フランジ部１０を載架し
ている。

【００１５】下側受圧板４の円形孔５の底面には、図１
に示すように、小径のパンチ軸１７を回転自在に同芯状
に設立し、パンチ軸１７を円形昇降盤１５に貫通してカ
ウンタポンチ８の中心孔に挿入している。

【００１６】ダイクッション１１の昇降板１２は、図１
に示すように、エゼクタピン１３、昇降ピン１４、円形
昇降盤１５とカウンタポンチ８を上昇端に押し上げ、カ
ウンタポンチ８の先端をダイス孔７の上端開口から突出
し、カウンタポンチ８の中心孔の上端開口内にパンチ軸
１７の先端を配置している。

【００１７】雌ダイス６の周辺部の上には、図１と図２
に示すように、複数本の案内軸１８を設立し、各案内軸
１８にそれぞれ所定の長さの円筒形状のストッパ１９を
嵌合し、各ストッパ１９をそれぞれ雌ダイス６の上に載
架し、各案内軸１８にそれぞれ案内盤２０の周辺部を貫
通して、案内盤２０を雌ダイス６の上に昇降可能に設け
ている。

【００１８】雌ダイス６と案内盤２０には、図１に示す
ように、案内盤２０の上昇量を制限するピン２１を掛け
渡している。

【００１９】案内盤２０には、図１と図２に示すよう
に、案内孔２２をダイス孔７と同芯状に上下に貫通し、
案内孔２２の周面とポンチホルダ２３の外周面に、それ
ぞれ、製造するはすば歯車の捩じれ角に応じた螺旋角を
有する螺旋形状の山部と谷部２４を形成し、案内孔２２
にポンチホルダ２３を螺合して貫通し、案内盤２０に対
し回転しつつ昇降するポンチホルダ２３の下端にポンチ
２５を取り付け、ポンチ２５の外周面に、製造するはす
ば歯車に応じた螺旋形状の山部と谷部２６を形成してい
る。

【００２０】プレス機械のラム２７の下には、図１に示
すように、上側基板２８を取り付け、上側基板２８の周
辺部の下に、案内柱３の上端が挿入する案内筒２９を取
り付け、上側基板２８の中央部の下に上側受圧板３０を
取り付け、上側受圧板３０の下面の中央部に有底の円形
孔３１を設け、円形孔３１に軸方向と径方向の軸受３２
を介して回転盤３３を嵌め込んで取り付け、回転自在な
回転盤３３にポンチホルダ２３の上端を取り付けてい
る。

【００２１】上側受圧板３０の下面の周辺部には、図１
に示すように、複数本の案内孔３４を設け、各案内孔３
４にそれぞれ各案内軸１８の上端を挿入し、各案内軸１
８に嵌合した螺旋ばね３５をそれぞれ上側受圧板３０と
案内盤２０の間に嵌め込んでいる。

【００２２】上側受圧板３０と案内盤２０には、図１に
示すように、上側受圧板３０に対する案内盤２０の下降
量を制限するピン３６を掛け渡している。

【００２３】上側基板２８、上側受圧板３０、回転盤３
３、ポンチホルダ２３とポンチ２５の中心孔には、図１
に示すように、小径の排出軸３７を挿入し、排出軸３７
の上に、ラム２７に内蔵した排出縦ピン３８を載架し、
排出縦ピン３８の上に、ラム２７を左右に貫通した排出
横棒３９の中央部を載架している。ラム２７の上昇時
に、排出横棒３９の両端が、プレス機械の機体に上下位
置調整可能に突設した左右のピン４０に当り、排出横棒
３９、排出縦ピン３８と排出軸３７の上昇が停止し、排
出軸３７の下端がポンチ２５の中心孔の下端開口から突
出する。

【００２４】本例のはすば歯車製造装置を使用する場
合、鋼の丸棒から中心孔が貫通した円板を製作して歯車
素材とし、歯車素材を図示しない供給装置で供給して、
図１に示すように、歯車素材ｔをカウンタポンチ８とポ
ンチ２５の間に同芯状に配置し、プレス機械を運転す
る。

【００２５】ラム２７が下降すると、先ず、図３に示す
ように、上側基板２８、上側受圧板３０、回転盤３３、
ポンチホルダ２３、案内盤２０とポンチ２５が下降し、
ポンチ２５とカウンタポンチ８の間に歯車素材ｔが挟ま
れ、案内盤２０がストッパ１９に当たって下降を停止す
る。

【００２６】次に、案内盤２０が下降を停止したにも拘
らず、ラム２７が下降するので、図４に示すように、螺
旋ばね３５が圧縮される一方、ポンチホルダ２３、回転
盤３３とポンチ２５は、螺合した案内孔２２とポンチホ
ルダ２３の螺旋形状の山部と谷部２４に従って正転しつ
つ下降する。また、カウンタポンチ８は、ダイクッショ
ン１１により付与される上昇力に抗して、歯車素材ｔを
介してポンチ２５に押されるので、螺合したダイス孔７
とカウンタポンチ８の螺旋形状の山部と谷部９に従って
正転しつつ下降し、ダイクッション１１の昇降板１２が
下降させられる。従って、歯車素材ｔは、正転しつつ下
降するポンチ２５とカウンタポンチ８の間に挟まれてい
るので、ダイス孔７に正転しつつ挿入され、歯車素材ｔ
の外周面にはす歯が形成されて、はすば歯車になる。な
お、歯車素材ｔの中心孔は、パンチ軸１７の先端が貫通
して再加工される。

【００２７】その後、ラム２７が上昇すると、先ず、図
３に示すように、螺旋ばね３５が伸張する一方、ポンチ
ホルダ２３、回転盤３３とポンチ２５が逆転しつつ上昇
し、また、ダイクッション１１の昇降板１２が上昇し、
カウンタポンチ８とはすば歯車ｔが逆転しつつ上昇し、
ポンチ２５とカウンタポンチ８の間に挟まれたはすば歯
車ｔがダイス孔７から取り出され、カウンタポンチ８が
上昇端に達する。

【００２８】次に、ラム２７が更に上昇すると、図１に
示すように、案内盤２０がストッパ１９から離れて上昇
し、回転盤３３、ポンチホルダ２３とポンチ２５が回転
せずに上昇し、ポンチ２５とカウンタポンチ８の間が広
くなってその間に挟まれていたはすば歯車ｔが解放され
る。

【００２９】カウンタポンチ８上の解放されたはすば歯
車ｔが図示しない搬出装置で搬出されると、次の歯車素
材ｔが同様に供給されて、ラム２７が同様に往復し、は
すば歯車ｔが同様に製造される。即ち、プレス機械のラ
ムが往復する毎に、はすば歯車が製造される。

【００３０】はすば歯車を荒削り工程と仕上げ工程の２
工程で製造する場合は、荒削り工程において、本例のは
すば歯車製造装置に荒削り用の雌ダイス６などを装置し
て、円板の歯車素材ｔを余肉付きのはすば歯車に加工
し、仕上げ工程において、本例のはすば歯車製造装置に
仕上げ用の雌ダイスなどを装置して、余肉付きのはすば
歯車を所望の寸法のはすば歯車に加工する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例のはすば歯車製造装置の縦断正
面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】同例のはすば歯車製造装置においてラムが下降
または上昇する途中の状態を示す縦断正面図である。

【図４】同例のはすば歯車製造装置においてラムが下降
した状態を示す縦断正面図である。

【符号の説明】

１ プレス機械のテーブル ６ 雌ダイス ７ ダイス孔 ８ カウンタポンチ ９ 螺旋形状の山部と谷部 １１ ダイクッション，上昇力付与装置 １９ ストッパ ２０ 案内盤 ２２ 案内孔 ２３ ポンチホルダ ２４ 螺旋形状の山部と谷部 ２５ ポンチ ２７ プレス機械のラム ３３ 回転盤 ｔ 歯車素材，はすば歯車

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プレス機械のテーブルの上に雌ダイスを
   取り付け、雌ダイスに上下に貫通したダイス孔とカウン
   タポンチの外周に、それぞれ、製造するはすば歯車に応
   じた螺旋形状の山部と谷部を形成し、ダイス孔にカウン
   タポンチを螺合し、回転しつつ昇降するカウンタポンチ
   に上昇力を付与する装置を設け、 雌ダイスの上を昇降する案内盤を設け、案内盤に上下に
   貫通した案内孔とポンチホルダの外周に、それぞれ、製
   造するはすば歯車の捩じれ角に応じた螺旋角を有する螺
   旋形状の山部と谷部を形成し、案内孔にポンチホルダを
   螺合し、案内盤に対し回転しつつ昇降するポンチホルダ
   の下端にポンチを取り付け、案内盤を雌ダイスから所定
   の距離に停止させるストッパを設け、 プレス機械のラムの下に回転盤を取り付け、回転自在な
   回転盤にポンチホルダの上端を取り付け、 カウンタポンチとポンチの間に歯車素材を配置してプレ
   ス機械のラムを下降させると、回転盤、ポンチホルダ、
   案内盤とポンチが下降し、ポンチとカウンタポンチの間
   に歯車素材が挟まれ、案内盤がストッパによって下降を
   停止し、ラムを更に下降させると、ポンチホルダ、回転
   盤とポンチ及びカウンタポンチが正転しつつ下降し、ポ
   ンチとカウンタポンチの間に挟まれた歯車素材がダイス
   孔に正転しつつ挿入されてはすば歯車に形成される構成
   にし、 はすば歯車の形成後にラムを上昇させると、ポンチホル
   ダ、回転盤とポンチ及びカウンタポンチとはすば歯車が
   逆転しつつ上昇し、はすば歯車がダイス孔から取り出さ
   れ、ラムを更に上昇させると、回転盤、ポンチホルダ、
   案内盤とポンチが上昇し、ポンチとカウンタポンチの間
   に挟まれたはすば歯車が解放される構成にしたことを特
   徴とするはすば歯車の製造装置。