JP2006212665A - 斜歯歯車の成形装置および成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯車部の一端に異形部を連設した異形部付き斜歯歯車の斜歯と異形部を成形体に亀裂などを発生させずに同時に成形することを可能にした斜歯歯車の成形装置を提供することを課題としている。
【解決手段】斜歯成形溝1aを有する下ダイ1と、下ダイから独立した上ダイ2と、歯車部の他端の外周側を成形する下第1パンチ3およびこの下第1パンチ3の内側に相対回転可能に配置される下第2パンチ4と、歯車の中心の軸穴を成形する非真円断面のコアロッド5と、上パンチ6と、各ダイと各下パンチとコアロッドを個別に昇降させる昇降機構12〜16とを有する斜歯歯車の成形装置であり、下ダイ1と下第2パンチが昇降可能かつ回転可能に支持され、原料粉末Aのパンチによる圧縮が上ダイ2と下ダイ1を固定してなされ、成形体Bの取り出しが下ダイ1を回転降下させてなされるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】斜歯成形溝1aを有する下ダイ1と、下ダイから独立した上ダイ2と、歯車部の他端の外周側を成形する下第1パンチ3およびこの下第1パンチ3の内側に相対回転可能に配置される下第2パンチ4と、歯車の中心の軸穴を成形する非真円断面のコアロッド5と、上パンチ6と、各ダイと各下パンチとコアロッドを個別に昇降させる昇降機構12〜16とを有する斜歯歯車の成形装置であり、下ダイ1と下第2パンチが昇降可能かつ回転可能に支持され、原料粉末Aのパンチによる圧縮が上ダイ2と下ダイ1を固定してなされ、成形体Bの取り出しが下ダイ1を回転降下させてなされるようにした。
【選択図】図1
Description
この発明は、一端に異形部を有する斜歯歯車を粉末冶金法によって経済的に有利に製造することを可能ならしめる斜歯歯車の成形装置と、その装置を使用して行う斜歯歯車の成形方法に関する。
プラネタリギヤなどに採用する焼結歯車の中に、図6に示すようなものがある。図示の歯車30は、斜歯31aを外周に設けた歯車部31の一端に異形部32を連設した異形部付き斜歯歯車である。異形部32は、軸心と平行なスプライン33、34を外周と内周の双方に設けたものがある。これは例示であり、図示の形状は一例にすぎない。スプライン33に代わるキー溝やトルク伝達用の平面の面取り部などを軸穴35の内面に設けたもの、外周のスプライン34が無いものなど、異形部32の形状は種々考えられる。
ところで、粉末冶金法で製造される斜歯歯車の成形装置としては、下記特許文献1、2に示されるものなどがある。
特許文献1の成形装置は、ダイを固定ダイと分割ダイの2つに分け、さらに、ダイの斜歯成形溝に外周を噛合させた外下パンチを回転可能に支持しており、フランジ部(外周に斜歯を設ける歯車部)の一端にフランジ部よりも小サイズの胴部を連設した形状の斜歯歯車を成形することができる。
しかしながら、この特許文献1の成形装置は、原料粉末を圧縮成形して得られた成形体(以下単に成形体と言う)を外下パンチで突きあげてその成形体を回転させながらダイから抜き出すので、成形体に形成された斜歯のエッジが欠ける心配がある。また、成形体の軸穴の内面にスプラインやキー溝などを設けることが要求されるときには、そのスプラインやキー溝なども同時に金型成形して付与すると歯車の生産性が向上するが、スプラインやキー溝などの成形部を設けた非円形断面のコアロッドを使用すると、コアロッドと成形体の相対回転が妨げられて成形体を回転させながらダイから抜き出すことができなくなり、成形そのものが行えなくなる。
このために、図6に示すような異形部付き斜歯歯車は、斜歯31aを金型成形し、その後に、スプライン33、34を機械加工して設けているが、この方法は歯車の生産性が高まらず、コストも高くなる。
一方、特許文献2は、上パンチと下パンチの少なくとも一方を、中心軸に同心の真円筒面によって内外に分割し、その分割された内パンチと外パンチを相対回転可能となして、異形コアと斜歯を有する成形体や異形外周を有する内斜歯成形体、或いは、内外両面に任意傾斜角の斜歯を有する成形体の成形を可能にした成形装置を開示している。この装置は、図6の異形部付き斜歯歯車の斜歯31aとスプライン33、34を同時成形することが可能である(成形は、歯車部31を上、異形部32を下にして行う)が、異形部32と歯車部31の歯底部の径差(図6のs)が例えば半径で1mm以下と小さく、その部分の端面を成形する下第1パンチの厚みを十分に確保できないときに下第1パンチが容易に破損し、
或いは、下パンチを下第1パンチと下第2パンチに分割することができなくなって成形そのものが行えなくなる。
特開平2−85304号公報
特公昭48−37544号公報
或いは、下パンチを下第1パンチと下第2パンチに分割することができなくなって成形そのものが行えなくなる。
この発明は、歯車部の一端に異形部を連設した異形部付き斜歯歯車の斜歯と異形部を成形体に亀裂などを発生させずに同時に成形することを可能にした斜歯歯車の成形装置と、その装置を使用した成形方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、歯車部の外周の斜歯を成形する下ダイと、この下ダイ上にセットして前記歯車部の一端に連設される異形部の外周又はその異形部の外周と異形部周りの歯車部の端面を成形する下ダイから独立した上ダイと、歯車部の他端を成形する、外周に下ダイの斜歯成形溝と噛合する斜歯を備えた下パンチと、歯車の中心の軸穴を成形する非真円断面のコアロッドと、前記異形部の端面を成形する上パンチと、下ダイ、上ダイ、下パンチ、コアロッドの各々を個別に昇降させる昇降機構とを有し、前記下ダイと下パンチが昇降可能かつ回転可能に支持され、原料粉末のパンチによる圧縮が上ダイと下ダイを固定してなされ、さらに、成形体の下ダイからの押し出しが下ダイを回転降下させてなされるようにした斜歯歯車の成形装置を提供する。
この装置は、下パンチを、歯車部の他端の外周側を成形する円筒状で外周に下ダイの斜歯成形溝と噛合する斜歯を備えた下第1パンチと、歯車部の他端の内周側を成形する下第2パンチに、斜歯と同軸円筒形状で分け、下第2パンチの外側に下第1パンチを相対回転可能に配置したものにしてもよい。また、下ダイと下第1パンチを、前記斜歯と同一リードで回転させながら軸方向に案内するガイド(ダイ用ガイドとパンチ用ガイド)や、上ダイ上を摺動してダイと下パンチとコアロッドとの間に形成されたキャビティに原料粉末を供給する給粉ボックスを備えさせると好ましい。
この斜歯歯車成形装置を使用した成形は、以下のようにして行う。すなわち、各構成要素を、下第1パンチの回転降下、下第2パンチの降下、上ダイの下死点への降下、下ダイの上ダイ下死点への回転上昇、コアロッド移動の各動作によって粉末充填がなされる初期位置に配置し、この状態下で上ダイの上方から上下のダイと各下パンチとコアロッドとの間に形成されるキャビティに原料粉末を供給し、次いで、上下のダイを定位置に停止させた状態で上パンチ降下、下第1パンチ回転上昇、下第2パンチ上昇の動作を実行してキャビティ内の原料粉末を圧縮成形し、しかる後、脱型のための上ダイ上昇、下ダイ回転降下、コアロッドおよび下第2パンチ引き抜きの各工程と上パンチ上昇の工程を経て成形体を取り出す。この発明は、かかる斜歯歯車の成形方法も併せて提供する。
なお、この成形方法は、原料粉末の圧縮成形後に各パンチをそれぞれのパンチの撓み補正位置に移動させ、その後に、脱型するのがよい。
コアロッドは、第2下パンチの内側に配置して給粉時に上昇させ、圧縮成形後に降下させて成形体から引き抜くものと、上パンチの内側(ダイの上側)に配置して給粉時に下降させ、圧縮成形後に上昇させて成形体から引き抜くもののどちらであってもよい。コアをダイの上側に配置する場合には、外側が上側コアと同一形状のダミーコア(これは給粉時に上昇し、粉末圧縮時には上側コアに押し下げられて下パンチの内部に没入する)を上側コアに対向させて下側に配置する。コアロッドの成形体からの引き抜きは、下ダイの回転降下と同時に、又は回転降下後に行ってもよいし、下ダイの回転降下に先行して行うこともできる。また、下第2パンチも必要に応じて下ダイの回転降下時、又は回転降下後に降下させて成形体から引き抜くことができる。
この発明の斜歯歯車の成形装置は、下ダイのみを回転可能に支持するものも考えられる。その装置は、下パンチが昇降可能に、下ダイが昇降可能かつ回転可能に各々支持される点と、原料粉末のパンチによる圧縮が上ダイを固定、下ダイを回転してなされる点が先の述べた成形装置と相違し、その他の構成は先に述べた成形装置とほぼ同じになる。
この下ダイのみを回転可能となした成形装置は、下ダイとその下ダイの斜歯成形溝と噛合する斜歯を備えた下パンチを、前記斜歯と同一リードで相対的に回転させながら軸方向に案内するガイドを備えさせると好ましい。
この下ダイのみを回転可能となした成形装置による成形は、下ダイの斜歯成形溝と噛合する斜歯を備えた下パンチの降下、上ダイの下死点への降下、下ダイの上ダイ下死点への回転上昇、コアロッド移動の各動作によって給粉がなされる初期位置に配置し、この状態下で上ダイの上方から上下のダイと各下パンチとコアロッドとの間に形成されるキャビティに原料粉末を供給し、次いで、上下のダイを定位置に停止させた状態で上パンチ降下、下パンチ上昇の動作を実行して下ダイを回転させながらキャビティに充填した原料粉末を圧縮成形し、しかる後、脱型のための上ダイ上昇、下ダイ回転降下、コアロッド引き抜きの各工程と上パンチ上昇の工程を経て成形体を取り出す方法で行う。パンチや治具の撓み解除後に脱型を行うことや、コアロッド引き抜きのタイミングなどは、上記の方法と同様でよい。
この発明の斜歯歯車成形装置は、下ダイと上ダイを固定し、この状態で上パンチを降下させ、かつ、下パンチを上昇させて原料粉末を圧縮するので、圧縮中の成形体の回転が起こらず、そのために、ねじりに起因した亀裂が発生しない。
また、下ダイを回転降下させて成形体をダイから押し出すので、押し出し時にも成形体の回転が起こらず、従って、一端に異形部を連設した異形部付き斜歯歯車の斜歯と異形部を同時に成形することも可能になる。押し出し時にも成形体が回転しないので、成形体に形成された斜歯のエッジの欠けも発生しにくくなる。原料粉末の圧縮成形後に各パンチをそれぞれのパンチの撓み補正位置に移動させ、その後に脱型する場合には特に、パンチのスプリングバックによる成形体の不測の回転が起こらず、歯の欠け防止がより効果的になされる。
このほか、ダイ用ガイドは、ダイを成形体の押し出し時と元の給粉位置への復帰時に斜歯と同一リードで回転させ、パンチ用ガイドは、下第1パンチを原料粉末の圧縮時と元の給粉位置への復帰時に斜歯と同一リードで回転させる。これらのガイドを設けると、ダイと下第1パンチを回転させながら昇降させるときの工程数が減り、成形、脱型での使用ストロークが小さくなり、金型・治具をコンパクトに、安価にすることができる。
下ダイのみを回転可能に支持する成形装置も、下ダイを回転降下させて成形体をダイから押し出すので、押し出し時に成形体の回転が起こらず、そのために、異形部付き斜歯歯車の斜歯と異形部を同時に成形することが可能になる。また、押し出し時に成形体が回転しないので、成形体に形成された斜歯のエッジの欠けも発生しにくくなる。
この発明の斜歯歯車の成形装置と成形方法の実施形態を添付図面の図1〜図4に基づいて説明する。例示の成形装置は、図6の異形部付き斜歯歯車を成形する。
図1の符号1は下ダイ、2は下ダイから分割された上ダイ、3は下第1パンチ、4は下第2パンチ、5はコアロッド、6は上パンチ、7は給粉装置の給粉ボックスである。
下ダイ1は、油圧駆動の昇降機構12を備えたダイプレート8に回転可能に支持されており、この下ダイ1の内径面に、斜歯歯車の外周の斜歯を成形する斜歯成形溝1aが設けられている。また、上ダイ2は、油圧駆動の昇降機構13を備えたダイプレート9に支持されている。この上ダイ2の内径面には、斜歯歯車の異形部外周のスプラインを成形する軸方向に延びた成形溝2aが設けられている。上ダイ2の内径は下ダイ1の内径より小さく、上ダイ2の下面の一部が斜歯歯車の異形部周りの歯車部の端面を成形する成形面として使用される。
上ダイ2の内径は、下ダイ1の内径より大きくてもよく、その場合には、下ダイ1の上面の一部が異形部の斜歯歯車部周りの端面を成形する成形面として使用される。
下第1パンチ3は、斜歯歯車の歯車部の他端外周側を成形する。この下第1パンチ3は、油圧駆動の昇降機構14を備えた下パンチプレート10に回転可能に支持されている。また、斜歯の軸心と同心の円筒面を持つように加工されて下第2パンチ4の外周に相対回転可能に配置されている。さらに、外周に斜歯3aを備えており、その斜歯3aを下ダイの斜歯成形溝1aに噛合させて上部を下ダイ1の中に入り込ませている。
下第2パンチ4は、斜歯歯車の歯車部の他端内周側を成形する。この下第2パンチ4は、下第1パンチ3と同心円筒上で分割されて下第1パンチ3の内側に配置され、油圧駆動の昇降機構15を備えた下パンチプレート11上に固定されている。
コアロッド5は、歯車の軸穴のスプラインを成形する軸方向に延びた成形溝5aを外周に有している。このコアロッド5も、油圧駆動の昇降機構16を伴わせて軸方向移動可能となしている。
上パンチ6は、通常の粉末成形装置と同様、プレス機(CNCサーボプレス機が特に望ましい)の上ラム(図示せず)によって駆動される。
給粉ボックス7は、上ダイ2上を摺動して上下のダイ1、2と、下第1、第2パンチ3、4と、コアロッド5との間に形成されるキャビティCに原料粉末Aを供給する。この構造は、図の下ダイ1に相当する固定ダイ上を給粉ボックスが摺動してキャビティに原料粉末を供給する前掲の引用文献1の成形装置に比べて給粉が簡単で、装置の動作も複雑にならない。
なお、下ダイ1と下第1パンチ3には、これらを斜歯歯車の斜歯のリードと同一リードで回転させながら軸方向に案内するガイド17、18を備えさせておくのがよい。
ガイド17は、下ダイ1に固定したピン17aと、固定部に設けられてピン17aを案内するヘリカルガイド溝17bとで構成されている。ヘリカルガイド溝17bは、斜歯歯車の斜歯のリードと同一リードの溝になっている。また、ガイド18は、定位置に固定したピン18aを下第1パンチ3の外周の歯溝に入り込ませ、そのピン18aで斜歯3aを案内し、上昇、下降する下第1パンチ3を軸方向移動量に応じた量回転させるものを設けたが、例示の構造のものに限定されるものではない。このガイド17、18は、中心対称位置にそれぞれ複数組設けると、下ダイ1と下第1パンチ3の回転駆動がバランスよくなされる。
図1の19は、下ダイ1を支持したダイプレート8を必要時に受け支えるフォークである。このフォーク19は好ましい要素であり、原料粉末圧縮時に下ダイ1を定位置に確実に引きとめる働きをする。
次に、例示の成形装置の成形動作について述べる。先ず原料粉末供給のために、上ダイ2を下死点に降下させ、下ダイ1を下死点位置の上ダイ2に付き合わされる位置まで回転上昇させる。また、下第1パンチ3を所定位置まで回転降下させ、下第2パンチ4も所定位置に降下させる。さらに、コアロッド5を上端が上ダイ2の上面と揃う位置まで上昇させ、上パンチ6を上死点に待機させる。以上で、各要素が、給粉がなされる初期位置にセットされる。
そこで、給粉ボックス7を、上ダイ2の中央部に移動させて上下のダイと各下パンチとコアロッドとの間に形成されるキャビティCに原料粉末Aを投入し、給粉を完了したら給粉ボックス7を退避点に後退させる(図1参照)。
次に、上パンチ6を降下させてキャビティCに充填された原料粉末Aの圧縮成形を行う(図2参照)。このとき、第1パンチ3は圧縮終了点に向かって回転上昇させ、下第2パンチ4も同様に圧縮終了点に向かって上昇させる。この圧縮は下ダイ1を定位置(初期位置)に固定し、コアロッド5も定位置に保持して実施する。
次いで、圧縮後の圧抜きを実施する。その圧抜きは、各パンチを圧縮時の撓みが補正されるところまで戻して行う。この圧抜きを実施するとパンチ及びパンチを支える治具のスプリングバックによる撓み分が解除され、成形体に無理な応力が加わることがない。
圧抜きを終了したら、形成された斜歯歯車の成形体Bを取り出すための脱型工程に移る。脱型は、各パンチを圧抜き終了点に保持した状態で上ダイ2を上昇させてこの上ダイ2から成形体Bを外し、これと同時にまたは前後して下ダイ1を回転降下させて行う(図3参照)。下第2パンチ4はこのとき同時に降下させて外してもよいし、後から外すことも許容される。コアロッド5も勿論成形体から引き抜くが、そのコアロッド5の引き抜きは、成形体Bが上ダイ2から抜けた後に行うのが、抜き力が小さくなってよい。成形体Bが上ダイ2と下ダイ1の双方から抜けた後に引き抜いてもよいし、コアロッド5が太く、且つその長さが短い場合には、コアロッド破損の可能性は小さいので先行して抜いても差し支えない。成形体Bが各金型から外れたら上パンチ6を上ダイ2と共に上死点に上昇させ(図4参照)、成形体Bを成形装置から取り出す。
なお、例示の装置は、下パンチを下第1パンチ3と下第2パンチ4の2者に分割して各分割下パンチを異なる下パンチプレートで支持したが、斜歯歯車の端面の凹部を成形する必要がなければ下パンチプレート10に下第2パンチ4を固定すればよく、下パンチプレート11と昇降機構15は不要となる。
以上の方法によれば、原料粉末の圧縮が成形体の回転を伴わずに実施されるので、圧縮中の成形体の回転、それによる成形体のねじれが発生せず、ねじれによる亀裂の発生がなくなる。
また、押し出し時にも成形体の回転が起こらず、一端に異形部を連設した異形部付き斜歯歯車の斜歯と異形部を同時に成形して生産性の低下、コスト上昇の要因になる異形部の機械加工を省くことが可能になる。また、押し出し時に成形体が回転しないので、成形体に形成された斜歯のエッジの欠けなども起こりにくくなり、亀裂の無い健全な成形体を得ることも可能になる。
図5は、この発明の、請求項7、8に記載した形態の斜歯歯車成形装置の一例を示している。この成形装置は、下ダイ1のみを回転可能にしており、その下ダイ1の回転が、下パンチプレート10上に設けたガイド17のヘリカルガイド溝17bのリードに沿って行われる。故に、成形動作については圧縮工程が下パンチプレート10の下ダイ1に対する上昇によって行われ、それに伴い、圧縮工程で下ダイ1が回転する。その他の構成は、図1の装置と共通しているので、詳細についての説明を省く。
図6の異形部32対して歯車部31の外径が十分に大きくいとき、すなわち、図5において、コアロッド5の軸心から斜歯成形溝1aまでの距離がコアロッド5の軸心から成形溝2aまでの距離よりも大きく、かつ、成形溝2aと斜歯成形溝1aとの間の距離差も十分に大きくて下第1パンチ3に不足のない耐ねじり剛性を持たせることができるときには、図5の装置構成でも十分に機能し、ダイの回転構造の簡素化や治具の低価格化も図れる。
1 下ダイ
1a 斜歯成形溝
2 上ダイ
2a 成形溝
3 下第1パンチ
3a 斜歯
4 下第2パンチ
5 コアロッド
5a 成形溝
6 上パンチ
7 給粉ボックス
8、9 ダイプレート
10、11 下パンチプレート
12〜16 昇降機構
17、18 ガイド
17a、18a ピン
17b ヘリカルガイド溝
19 フォーク
A 原料粉末
B 成形体
C キャビティ
30 異形部付き斜歯歯車
31 歯車部
31a 斜歯
32 異形部
33、34 スプライン
35 軸穴
1a 斜歯成形溝
2 上ダイ
2a 成形溝
3 下第1パンチ
3a 斜歯
4 下第2パンチ
5 コアロッド
5a 成形溝
6 上パンチ
7 給粉ボックス
8、9 ダイプレート
10、11 下パンチプレート
12〜16 昇降機構
17、18 ガイド
17a、18a ピン
17b ヘリカルガイド溝
19 フォーク
A 原料粉末
B 成形体
C キャビティ
30 異形部付き斜歯歯車
31 歯車部
31a 斜歯
32 異形部
33、34 スプライン
35 軸穴
Claims (13)
- 歯車部の外周の斜歯を成形する下ダイと、この下ダイ上にセットして前記歯車部の一端に連設される異形部の外周又はその異形部の外周と異形部周りの歯車部の端面を成形する下ダイから独立した上ダイと、歯車部の他端を成形する、外周に下ダイの斜歯成形溝と噛合する斜歯を備えた下パンチと、歯車の中心の軸穴を成形する非真円断面のコアロッドと、前記異形部の端面を成形する上パンチと、下ダイ、上ダイ、下パンチ、コアロッドの各々を個別に昇降させる昇降機構とを有し、前記下ダイと下パンチが昇降可能かつ回転可能に支持され、原料粉末のパンチによる圧縮が上ダイと下ダイを固定してなされ、さらに、成形体の下ダイからの押し出しが下ダイを回転降下させてなされるようにした斜歯歯車の成形装置。
- 前記下パンチを、歯車部の他端の外周側を成形する円筒状で外周に下ダイの斜歯成形溝と噛合する斜歯を備えた下第1パンチと、歯車部の他端の内周側を成形する下第2パンチに、斜歯と同軸円筒形状で分け、下第1パンチの内側に下第2パンチを相対回転可能に配置した請求項1に記載の斜歯歯車の成形装置。
- 下ダイとその下ダイの斜歯成形溝と噛合する斜歯を備えた下パンチを、前記斜歯と同一リードで個々に回転させながら軸方向に案内するガイドを備えさせた請求項1又は2に記載の斜歯歯車の成形装置。
- 上ダイ上を摺動してダイと下パンチとコアロッドとの間に形成されたキャビティに原料粉末を供給する給粉ボックスを備えさせた請求項1、2又は3に記載の斜歯歯車の成形装置。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の斜歯歯車成形装置の各構成要素を、下ダイの斜歯成形溝と噛合する斜歯を備えた下パンチの回転降下、上ダイの下死点への降下、下ダイの上ダイ下死点への回転上昇、コアロッド移動の各動作によって給粉がなされる初期位置に配置し、この状態下で上ダイの上方から上下のダイと各下パンチとコアロッドとの間に形成されるキャビティに原料粉末を供給し、次いで、上下のダイを定位置に停止させた状態で上パンチ降下、下パンチ上昇の動作を実行してキャビティに充填した原料粉末を圧縮成形し、しかる後、脱型のための上ダイ上昇、下ダイ回転降下、コアロッド引き抜きの各工程と上パンチ上昇の工程を経て成形体を取り出す斜歯歯車の成形方法。
- 原料粉末の圧縮成形後に各パンチをそれぞれのパンチの撓み補正位置に移動させ、しかる後、脱型のための工程に移る請求項5に記載の斜歯歯車の成形方法。
- 歯車部の外周の斜歯を成形する下ダイと、この下ダイ上にセットして前記歯車部の一端に連設される異形部の外周と異形部回りの歯車部の端面を成形する下ダイから独立した上ダイ、歯車部の他端を成形する外周に下ダイの斜歯成形溝と噛合する斜歯を備えた下パンチと、歯車の中心の軸穴を成形する非真円断面のコアロッドと、前記異形部の端面を成形する上パンチと、下ダイ、上ダイ、下パンチ、コアロッドの各々を個別に昇降させる昇降機構とを有し、前記下パンチが昇降可能に、下ダイが昇降可能かつ回転可能に各々支持され、原料粉末のパンチによる圧縮が上ダイを固定、下ダイを回転してなされ、さらに、成形体の下ダイからの押し出しが下ダイを回転降下させてなされるようにした斜歯歯車の成形装置。
- 下ダイとその下ダイの斜歯成形溝と噛合する斜歯を備えた下パンチを、前記斜歯と同一リードで相対的に回転させながら軸方向に案内するガイドを備えさせた請求項7に記載の斜歯歯車の成形装置。
- 上ダイ上を摺動してダイと下パンチとコアロッドとの間に形成されたキャビティに原料粉末を供給する給粉ボックスを備えさせた請求項7又は8に記載の斜歯歯車の成形装置。
- 請求項7乃至9のいずれかに記載の斜歯歯車成形装置の各構成要素を、下ダイの斜歯成形溝と噛合する斜歯を備えた下パンチの降下、上ダイの下死点への降下、下ダイの上ダイ下死点への回転上昇、コアロッド移動の各動作によって給粉がなされる初期位置に配置し、この状態下で上ダイの上方から上下のダイと各下パンチとコアロッドとの間に形成されるキャビティに原料粉末を供給し、次いで、上下のダイを定位置に停止させた状態で上パンチ降下、下パンチ上昇の動作を実行して下ダイを回転させながらキャビティに充填した原料粉末を圧縮成形し、しかる後、脱型のための上ダイ上昇、下ダイ回転降下、コアロッド引き抜きの各工程と上パンチ上昇の工程を経て成形体を取り出す斜歯歯車の成形方法。
- 原料粉末の圧縮成形後に各パンチをそれぞれのパンチの撓み補正位置に移動させ、しかる後、脱型のための工程に移る請求項10に記載の斜歯歯車の成形方法。
- コアロッドの引き抜きを、下ダイの回転降下と同時又は下ダイの回転降下後に行う請求項5、6、10又は11に記載の斜歯歯車の成形方法。
- コアロッドの引き抜きを、下ダイの回転降下に先行して行う請求項5、6、10又は11に記載の斜歯歯車の成形方法。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005027418A Pending JP2006212665A (ja) | 2005-02-03 | 2005-02-03 | 斜歯歯車の成形装置および成形方法 |
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JP (1) | JP2006212665A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN113478742A (zh) * | 2021-06-30 | 2021-10-08 | 苏州佳博塑胶科技有限公司 | 一种上模自转脱模的注塑模具 |
KR102494520B1 (ko) * | 2022-08-07 | 2023-01-31 | 손용주 | 플러그 어셈블리 성형물 제작 프레스 금형 |
-
2005
- 2005-02-03 JP JP2005027418A patent/JP2006212665A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016160498A (ja) * | 2015-03-03 | 2016-09-05 | 三木プーリ株式会社 | 焼結部品の製造装置および製造方法 |
CN113478742A (zh) * | 2021-06-30 | 2021-10-08 | 苏州佳博塑胶科技有限公司 | 一种上模自转脱模的注塑模具 |
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