JP6732825B2 - ギヤの製造方法と圧粉成形装置 - Google Patents

ギヤの製造方法と圧粉成形装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6732825B2
JP6732825B2 JP2018042593A JP2018042593A JP6732825B2 JP 6732825 B2 JP6732825 B2 JP 6732825B2 JP 2018042593 A JP2018042593 A JP 2018042593A JP 2018042593 A JP2018042593 A JP 2018042593A JP 6732825 B2 JP6732825 B2 JP 6732825B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diameter
core
small
punch
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018042593A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019157170A (ja
Inventor
征利 石橋
征利 石橋
小林 徹
徹 小林
裕孝 池上
裕孝 池上
公二 石原
公二 石原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2018042593A priority Critical patent/JP6732825B2/ja
Publication of JP2019157170A publication Critical patent/JP2019157170A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6732825B2 publication Critical patent/JP6732825B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、大径部と小径部を有するとともに、前記大径部の外周壁に外歯が形成されたギヤの製造方法と、それを実施するための圧粉成形装置に関する。
ギヤは、例えば、側周壁に外歯が刻設された円盤形状部の中心に、回転軸が挿入される軸孔が形成されることで構成される。なお、前記軸孔には、回転軸とギヤを連結するための内歯やネジ部等が刻設される。
この種のギヤは鍛造加工によって製造されることもあるが、特許文献1に示されるように、粉末から得た圧粉成形体を焼結した焼結体として製造する、粉末冶金で製造されることもある。粉末冶金によれば、成形体を製品(ギヤ)の形状に近いものとする、いわゆるニアネットシェイプ成形を行うため、製品を効率よく得ることができるという利点がある。
特開2010−47806号公報
ギヤとして、大径部と小径部を有するとともに前記大径部の外周壁に外歯が形成され、且つ前記小径部の内周壁に内歯が形成された、いわゆる2段ギヤを用いることが想定される。2段ギヤは、径が相違する部位が連なった比較的複雑な形状をなしており、粉末冶金では、例えば、大径部と小径部を別の圧粉成形体として作製した後に両圧粉成形体を接合したり、又は、全体を等径な圧粉成形体として作製した後に機械加工によって一部を研削することで小径部を形成したりする等して得ることができる。
しかしながら、前者の場合、圧粉成形装置として小径部を作製するものと大径部を作製するものとの2台が必要となるため、設備投資が高騰し、さらに、大径部と小径部の接合を行わなければならないので、2段ギヤの完成までに比較的長時間を要することになる。また、後者では、工程数が増加するだけでなく、素材の一部を廃棄することになるので歩留まりが低くなる。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、2段ギヤの生産効率を向上させることが可能なギヤの製造方法と、それを実施するための圧粉成形装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、外側に大径部と小径部を有し、前記大径部及び前記小径部の内側に小径孔と大径孔からなる段付貫通孔が形成されるとともに前記大径部の外周壁に外歯を有するギヤを圧粉成形によって得るギヤの製造方法であって、
大径部成形部及び小径部成形部が形成されたダイスと、中空の第1パンチと、前記第1パンチの中空内部を変位する第1コアとで形成されるキャビティに粉末を収容する粉末収容工程と、
第2パンチの中空内部に配設され、且つ前記第1コアに近接する側に臨む小径孔成形部と、該小径孔成形部の軸線方向に連なり、該小径孔成形部に比して大径な大径孔成形部とを有する第2コアを、前記第1コアに当接させた状態で該第1コアとともに前記粉末内を変位させる段付貫通孔形成工程と、
前記第2パンチを前記キャビティ側に指向して変位させ、前記第1パンチと前記第2パンチで前記粉末を加圧することで、前記大径部成形部により成形された大径部と、前記小径部成形部により成形された小径部とを備える圧粉成形体を得る加圧工程と、
を有し、
前記段付貫通孔形成工程において、前記第2コアの前記小径孔成形部に設けられた内歯成形部で前記小径孔の内壁に内歯を形成するとともに、該小径孔成形部と前記大径孔成形部とで段付貫通孔を形成し、
且つ前記大径部成形部に設けられた外歯成形部により、前記大径部の外周壁に前記外歯を成形することを特徴とする。
ここで、段付貫通孔形成工程と加圧工程は同時に行われる。すなわち、本発明においては、第1パンチと第2パンチで粉末を加圧しながら、該粉末内を、互いに密着した(当接状態が維持された)第1コアと第2コアが変位する。このため、嵩密度が大きな圧粉成形体が得られる。従って、該圧粉成形体を焼結して得られた焼結体の嵩密度も大きく、優れた強度を示す。
また、上記の工程を経ることにより、小径部と、外歯が設けられた大径部とを備え、且つ、内歯が形成された小径孔と、歯部が形成されていない大径孔とを含む段付貫通孔が形成された異形状のギヤを容易に得ることができる。すなわち、小径部と大径部を個別に作製したり、両部を接合したりする必要がない。これにより、ギヤの生産効率の向上を図ることができる。
段付貫通孔形成工程は、第1コアと第2コアの当接突き合わせ部が前記第1パンチの中空内部に進入した後に終了することが好ましい。第1コアと第2コアの直径に相違があり、このために該第1コアと第2コアとの間に段差が形成される場合であっても、該段差の形状が圧粉成形体の段付貫通孔の内壁に転写されることが回避されるからである。
そして、粉末収容工程の後、段付貫通孔形成工程及び加圧工程を行う前に、ダイス及び第1コアに対して第1パンチをキャビティから離間する方向に相対的に変位させることが好ましい。これによりキャビティ内の粉末の上面が若干沈下するので、粉末がキャビティから溢れ出ることが回避される。また、粉末の上面が沈下することに伴って第1コアの上面が粉末から露呈するので、前記当接突き合わせ部に粉末が噛み込まれることを防止することもできる。さらに、粉末がキャビティ内の所定位置に移動するように誘導することができる。
また、本発明は、外側に大径部と小径部を有し、前記大径部及び前記小径部の内側に小径孔と大径孔からなる段付貫通孔が形成されるとともに前記大径部の外周壁に外歯を有するギヤを成形するための圧粉成形装置であって、
前記大径部を成形する大径部成形部と、前記小径部を成形する小径部成形部と、前記大径部成形部に設けられて前記外歯を形成する外歯成形部とを有するダイスと、
中空体からなり、第1変位機構の作用下に前記ダイスに対して相対的に変位する第1パンチと、
第2変位機構の作用下に前記第1パンチの中空内部で前記第1パンチに対して相対的に変位する第1コアと、
第3変位機構の作用下に前記ダイスに対して相対的に変位し、前記ダイス、前記第1パンチ及び前記第1コアによって形成されるキャビティに収容された粉末を前記第1パンチとともに加圧する中空の第2パンチと、
第4変位機構の作用下に前記第2パンチの中空内部で前記第2パンチに対して相対的に変位し、前記第1コアに当接して該第1コアを押圧する第2コアと、
を備え、
前記第2コアは、前記第1コアに近接する側に配設され且つ前記小径孔の内壁に内歯を形成する内歯成形部が設けられた小径孔成形部と、該小径孔成形部の軸線方向に連なり、該小径孔成形部に比して大径な大径孔成形部とを有し、
前記小径孔成形部と前記大径孔成形部とで前記段付貫通孔を形成することを特徴とする。
このような構成を採用することにより、上記したように、小径部と、外歯が設けられた大径部とを備え、且つ、内歯が形成された小径孔と、歯部が形成されていない大径孔とを含む段付貫通孔が形成された異形状のギヤを、1台の圧粉成形装置にて容易に得ることができる。すなわち、小径部を作製するための圧粉成形装置と、大径部を作製するための圧粉成形装置とを個別に用意する必要がない。このため、設備投資を低減することができる。また、小径部と大径部を接合する等の作用が不要となるため、ギヤの生産効率が向上する。
また、小径部を形成するべく機械加工によって一部を研削する必要もない。従って、工程数が低減するとともに、素材を廃棄する必要がないことから歩留まりが向上する。
しかも、この構成では、第1コアと第2コアを互いに密着した状態として粉末内を変位させることが可能である。このため、嵩密度が大きな圧粉成形体を得ることができる。
第2変位機構による第1コアの変位速度と、第4変位機構による第2コアの変位速度とに相違があるとき(作動誤差があるとき)には、粉末内で変位する第1コアと第2コアが離間することがあり得る。この場合、第1コアと第2コアの間に粉末が進入する懸念がある。これを回避するべく、第1コアを、第2コア側に指向して弾発付勢する弾発部材で支持することが好ましい。作動誤差がある場合には、この弾発部材が収縮又は伸長することで該作動誤差が吸収される。すなわち、第1コアと第2コアの当接状態が維持される。しかも、弾発部材により、第1コアと第2コアが当接するときの衝撃が緩和される。
内歯としては、例えば、スプラインを形成することができる。この場合、内歯成形部はスプライン成形部である。
また、第2コアを第1コアに比して大径に設定することが好ましい。第2コアが第1コアに当接して粉末内を変位するとき、大径な第2コアと小径な第1コアとの間に形成される段差が粉末を押圧する。この押圧と、第1パンチと第2パンチによる押圧とが相俟って、粉末が十分に圧縮される。すなわち、嵩密度が一層大きな圧粉成形体が得られる。
本発明においては、ダイス、第1コア、第1パンチで形成されるキャビティで、小径部と、外歯が設けられた大径部とを成形し、且つ、第2コアで、内歯が形成された小径孔と、該小径孔に比して大径な大径孔とを含む段付貫通孔を成形するようにしている。すなわち、本発明によれば、異形状のギヤを、小径部と大径部を個別に作製したり、両部を接合したりすることなく、容易に得ることができる。このため、ギヤの生産効率の向上を図るとともに、設備投資を低減することができる。
また、圧粉成形体の一部を研削する後加工を行う必要もない。従って、材料粉末を廃棄する必要もない。このため、工程数が増加することを回避し得るとともに、ギヤを歩留まりよく得ることができる。
圧粉成形体を焼結して得られた2段ギヤの全体概略斜視図である。 本発明の実施の形態に係る圧粉成形装置の要部概略縦断面図である。 キャビティに金属粉末を収容した状態を示す要部拡大縦断面図である。 下コア(第1コア)を、下パンチ(第1パンチ)及びダイスに対して相対的に下降させ、その上先端を金属粉末から露呈させた状態を示す要部拡大縦断面図である。 下コアに対して上コア(第2コア)を当接させ、当接突き合わせ部を形成した状態を示す要部拡大縦断面図である。 下パンチと上パンチがキャビティ内の材料粉末(金属粉末)への加圧を開始した状態を示す要部拡大縦断面図である。 下コアと上コアの当接突き合わせ部が第1パンチの中空内部に進入した状態を示す要部拡大縦断面図である。 型開きを行って圧粉成形体を取り出した状態を示す要部拡大縦断面図である。
以下、本発明に係るギヤの製造方法につき、それを実施する圧粉成形装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
先ず、圧粉成形体を焼結して得られた焼結製品としての2段ギヤにつき、図1を参照して概略説明する。この2段ギヤ10は、円筒部12(小径部)と、該円筒部12の一端部近傍で直径方向外方に突出したフランジ部14(大径部)とを有し、2段ギヤ10の高さ方向(軸線方向)に沿って段付貫通孔16が形成された中空体からなる。段付貫通孔16は、内径が小さな小径孔18と、内径が大きな大径孔20とからなり、小径孔18と大径孔20の内径差によって形成される段部22を含む。
小径孔18の内周壁には、内歯としてのスプライン24が形成されている。スプライン24は、小径孔18の軸線方向に沿って直線状に延在する。
その一方で、フランジ部14には、その外周壁の一部が切り欠かれるようにして、いわゆるドグ歯26が設けられている。すなわち、2段ギヤ10は、円筒部12の小径な小径孔18に内歯としてのスプライン24が形成され、且つ円筒部12に比して大径なフランジ部14に外歯としてのドグ歯26が形成された中空体である。スプライン24の軸線は、ドグ歯26の軸線よりも長尺に設定されている。
次に、2段ギヤ10を得るための圧粉成形装置につき、その要部概略縦断面図である図2を参照して説明する。この圧粉成形装置40は、上下に平行に配設された基盤42、ダイプレート44、及び支持盤46を有する。
基盤42の略中央には、下パンチ48を支持するための基台50が立設される。基台50は中空体であり、その中空内部には、第1シリンダ52(第2変位機構)が立設されている。第1シリンダ52を構成する第1ロッド54は、上方に指向して前進する一方で下方に指向して後退する。換言すれば、第1ロッド54は、第1シリンダ52の付勢に伴って昇降する。
基台50の天井壁には進退孔56が形成されており、さらに、該天井壁の上面には、進退孔56の開口を囲繞する位置に中空の下パンチ48(第1パンチ)が設けられる。すなわち、下パンチ48の中空内部は進退孔56に連なっている。
第1ロッド54の上先端は、進退孔56内に進入している。さらに、第1ロッド54の先端には、弾性部材であるコイルスプリング58を介して下コア60(第1コア)が連結される。すなわち、第1ロッド54が昇降するときには、これと一体的に下コア60も昇降する。該下コア60は略円柱形状をなし、下パンチ48の中空内部に挿入されるとともに、その側周壁に、スプライン24を成形するための第1スプライン成形部62が設けられている。
基盤42には、第1シリンダ52を囲繞するようにして複数個の第2シリンダ64(第1変位機構)が設けられる。図2には、その中の2個を示している。第2シリンダ64を構成する第2ロッド66は、上方に指向して延在しており、第2シリンダ64の付勢に伴って昇降する。
前記ダイプレート44は、第2ロッド66の先端に支持されている。従って、ダイプレート44は、第2ロッド66の進退(昇降)に伴って一体的に昇降する。この昇降により、下パンチ48がダイプレート44に対して相対的に昇降する。すなわち、例えば、第2ロッド66が前進してダイプレート44が上昇したときには下パンチ48が相対的に下降し、一方、第2ロッド66が後退してダイプレート44が下降したときには下パンチ48が相対的に上昇する。
なお、ダイプレート44の略中央には、その厚み方向に沿って貫挿孔68が形成されている。ダイプレート44が昇降するとき、下パンチ48は貫挿孔68に挿入されるか、又は離脱することが可能である。
ダイプレート44の上面の略中心には、大円柱体と小円柱体が連なったような形状をなすダイス70が設けられている。ダイス70の内部下方には内径が小さな円筒部成形部72(小径部成形部)が中空円柱状に形成され、内部上方には、円筒部成形部72よりも内径が大きなフランジ部成形部74(大径部成形部)が中空円柱状に形成されている。勿論、円筒部成形部72とフランジ部成形部74は互いに連なっている。また、フランジ部成形部74の内壁には、ドグ歯26を成形するためのドグ歯成形部76(外歯成形部)が刻設される。ドグ歯成形部76の高さは、フランジ部成形部74に比して僅かに小さく設定されている。
円筒部成形部72は、ダイス70の下面側で開口するとともに貫挿孔68に連なる。貫挿孔68内に進入して開口の近傍に位置した下パンチ48の上面と、下パンチ48の中空内部からダイス70内に進入した下コア60と、ダイス70の円筒部成形部72及びフランジ部成形部74とにより、キャビティ78(図3参照)が形成される。
ダイプレート44には、ダイス70を囲繞する位置に複数個の第3シリンダ80(第3変位機構)が設けられる。図2には、その中の2個を示している。第3シリンダ80を構成する第3ロッド82は上方に指向して延在しており、その先端は、前記支持盤46を支持している。従って、該支持盤46は、第3ロッド82の進退(昇降)に伴って一体的に昇降する。
支持盤46の略中央からは、上パンチ84(第2パンチ)を支持するための台座90が垂下するように設けられる。上パンチ84は、ダイス70に対向するとともに、支持盤46が昇降する際に該支持盤46及び台座90と一体的に昇降する。また、上パンチ84の下先端面には、環状凹部92が形成されている。
台座90及び上パンチ84は中空体であり、台座90の中空内部には、支持盤46に支持された第4シリンダ94(第4変位機構)が配置されている。第4シリンダ94を構成する第4ロッド96は、第4シリンダ94の付勢に伴い、下方に指向して前進する一方で上方に指向して後退することで昇降する。この昇降により、第4ロッド96の先端に支持された上コア98(第2コア)が、上パンチ84の中空内部で昇降する。
第4ロッド96の先端は、上記したように上コア98を支持している。該上コア98は、小径な小径孔成形部100と、該小径孔成形部100に比して僅かに大径な大径孔成形部102とを有する。小径孔成形部100は下コア60に近接する側に配設され、且つ大径孔成形部102は小径孔成形部100の軸線方向に連なる。後述するように、小径孔成形部100によって小径孔18が成形され、且つ大径孔成形部102によって大径孔20が成形される。また、小径孔成形部100と大径孔成形部102との直径差に基づき、両成形部100、102の境界に、段部22を成形する段部成形部104が設けられる。
小径孔成形部100の側周壁には、スプライン24を成形するための第2スプライン成形部106が設けられている。また、小径孔成形部100の直径D2は、下コア60の直径D1に比して僅かに大きく設定されている。なお、図2〜図8では、小径孔成形部100の直径D2と下コア60の直径D1に差があることを明確にするべく径差を誇張して示しているが、実際の径差は上記したように僅かである。また、小径孔成形部100の直径D2が、大径孔成形部102の直径よりも小さいことは勿論である。すなわち、上コア98(小径孔成形部100及び大径孔成形部102)は、下コア60よりも僅かに大径である。
本実施の形態に係る圧粉成形装置40は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき、ギヤの製造方法との関係で説明する。
2段ギヤ10を得るには、先ず、粉末収容工程を行う。このため、必要に応じて第1シリンダ52及び第2シリンダ64を付勢し、図3に示すように、下パンチ48を貫挿孔68内に進入させてその上面を開口の近傍に位置させるとともに、下コア60を下パンチ48の中空内部からダイス70内に進入させてキャビティ78を形成する。下コア60は、円筒部成形部72からフランジ部成形部74にわたって延在する。
その後、図示しないフィーダから、金属(鋼材等)粉末Pをキャビティ78に供給する。これにより、図3に示すキャビティ78が金属粉末Pで充填される。この際、キャビティ78内の金属粉末Pの上面は、ダイス70の上面に対して略面一である。
金属粉末Pをキャビティ78に収容した後、第2シリンダ64を付勢し、第2ロッド66を若干上昇させることでダイプレート44を若干上昇させる。この際、第1ロッド54も若干上昇し、下コア60の上面と、ダイプレート44上のダイス70の上面が略面一となる。従って、下コア60は、キャビティ78を形成したときの位置を保つ。このため、図4に示すように、下パンチ48がダイス70及び下コア60に対して相対的に下降する。換言すれば、下パンチ48は、ダイス70及び下コア60から離間する方向に相対移動する。
その結果として、金属粉末Pの上面が、ダイス70及び下コア60の上面よりも若干低い位置となる。すなわち、下コア60の上先端が金属粉末Pから若干露呈する。また、金属粉末Pがキャビティ78の所定箇所、例えば、末端まで到達する。この場合、欠損が回避された圧粉成形体Fが得られる。
この状態で、次に、段付貫通孔成形工程及び加圧工程を行う。すなわち、第4シリンダ94を付勢して第4ロッド96を下降させることで、上コア98をキャビティ78側に指向して下降させる。下降した上コア98の下面は、図5に示すように、金属粉末Pから露呈した下コア60の上面に当接して当接突き合わせ部を形成する。このようにして金属粉末Pから露呈した位置で下コア60と上コア98を当接させることにより、下コア60と上コア98の間に金属粉末Pが噛み込むことを防止することができる。
上記したように、上コア98は、下コア60に比して僅かに大径に設定されている。このため、キャビティ78を予め形成していた下コア60に、僅かに大径に設定された上コア98が、下コア60の上面に当接して下降するので、上コア98が金属粉末Pを圧縮するように作用する。その結果、金属粉末Pへの加圧が効果的になされる。また、当接の際には、第1ロッド54と下コア60との間に配設されたコイルスプリング58が衝撃を緩和する。この衝撃緩和により、第1ロッド54や第1シリンダ52、及び第4ロッド96や第4シリンダ94が保護される。
下コア60と上コア98が当接した後、上コア98の下降が継続されるとともに、第1シリンダ52が付勢されて第1ロッド54の下降が開始することで下コア60も下降し始める。すなわち、下コア60と上コア98の双方が下降する。
ここで、第1ロッド54と第4ロッド96は同一の下降速度で下降することが理想的であるが、作動誤差等に起因して互いの下降速度に誤差(いわゆる指令値の振れ幅)が生じる可能性がある。例えば、第1ロッド54の下降速度に比して第4ロッド96の下降速度が大きいことがあり得る。
このような場合においては、第1ロッド54と下コア60との間に配設されたコイルスプリング58が圧縮される。この圧縮により、下降速度の誤差が吸収される。従って、下コア60と上コア98が同期して下降すること、すなわち、当接突き合わせ部が形成されて互いが密着した状態を保つことが可能となる。
上記とは逆に、第1ロッド54の下降速度に比して第3ロッド82の下降速度が小さいことも想定される。この場合、コイルスプリング58が伸長することで下降速度の誤差が吸収される。すなわち、この状況下においても、下コア60と上コア98を同期下降させて互いが密着した状態を維持することが可能である。
以上のように、下コア60をコイルスプリング58で支持したことにより、下コア60と上コア98との当接時の衝撃を緩和し得るとともに、下コア60と上コア98を、互いが密着した状態で同期下降させることが可能となる。従って、上コア98で下コア60を押圧し、これにより上コア98の下降駆動力を下コア60に伝達することができる。また、下コア60と上コア98との間に金属粉末Pが噛み込まれることが回避される。
この同期下降を行いながら、加圧工程を実施する。具体的には、第2シリンダ64を付勢して第2ロッド66を下降させる。この下降に伴い、ダイプレート44が一体的に下降する。その結果、図6に示すように、下パンチ48がダイス70に対して相対的に上昇して円筒部成形部72内に進入する。
第2ロッド66の下降と同時に、第3シリンダ80を付勢して第3ロッド82を下降させる。この下降に伴って、支持盤46、台座90及び上パンチ84が一体的に下降する。その結果、図7に示すように上パンチ84がダイス70に対して接近し、フランジ部成形部74内に進入する。
以上の動作がなされることにより、キャビティ78内の金属粉末Pが下パンチ48と上パンチ84から押圧力を受ける。すなわち、金属粉末Pが加圧される。
このようにして加圧がなされている間も、下コア60と上コア98の同期下降が継続される。この同期下降により、下コア60に形成された第1スプライン成形部62と、上コア98に形成された第2スプライン成形部106とが、金属粉末Pの、成形体となったときに小径孔18となる部位の内壁に摺接する。この摺接に伴い、その内壁にスプライン24が成形された小径孔18が得られる。
上パンチ84と下パンチ48による加圧と同時に上コア98が所定の位置まで下降し、大径孔成形部102が金属粉末P内に進入する。この進入により、小径孔18の軸線方向に連なる大径孔20が成形される。また、小径孔成形部100と大径孔成形部102の境界に位置し、小径孔成形部100に比して大径な段部成形部104が、下コア60及び上コア98の下降が停止されるまで金属粉末Pを押圧する。すなわち、大径孔成形部102が金属粉末P内に進入する際、金属粉末Pは、下パンチ48と段部成形部104の間でも押圧力を受ける。
この押圧と、下パンチ48と上パンチ84による押圧と、上コア98と下コア60との径差による押圧とが相俟って金属粉末Pが十分に圧縮され、圧粉成形体Fが高嵩密度のものとして得られる。圧粉成形体Fの形状は2段ギヤ10の形状に略対応しており、大規模な後加工は不要である。
下コア60と上コア98の同期下降は、これら下コア60と上コア98の当接突き合わせ部が下パンチ48の中空内部に進入した後に終了することが好ましい。これにより、下コア60と上コア98(小径孔成形部100)との間に形成される段差の形状が、圧粉成形体Fの段付貫通孔16の内壁に転写されることを回避することができるからである。
圧粉成形体Fは、図1及び図8に示すように、円筒部成形部72と環状凹部92で成形された円筒部12と、フランジ部成形部74で成形されたフランジ部14とを有する。また、フランジ部14の側周壁には、ドグ歯成形部76によってドグ歯26が成形される。さらに、小径孔成形部100、段部成形部104、大径孔成形部102によって、小径孔18、大径孔20及び段部22を含む段付貫通孔16が成形される。すなわち、本実施の形態によれば、ドグ歯26を有するフランジ部14(大径部)が円筒部12(小径部)から突出し、しかも、中空内部に、スプライン24が形成された小径孔18と、歯部が形成されていない大径孔20とを含む段付貫通孔16が形成された異形状の2段ギヤ10を、1台の圧粉成形装置40で作製することができる。
従って、例えば、円筒部12とフランジ部14を別個の圧粉成形装置40で作製したり、その後に該円筒部12と該フランジ部14を接合したりする必要がない。このため、設備投資が高騰することを回避することができるとともに、2段ギヤ10の生産効率の向上を図ることが可能となる。
また、等径の半製品を作製し、その後に円筒部12を形成するべく機械加工を行う必要もない。このため、2段ギヤ10を得るまでの工程数が増加することを回避することができる。また、半製品の一部を除去する必要もないので、半製品の元である金属粉末Pが無駄となることもない。すなわち、歩留まりが向上する。
最後に、型開きがなされることにより、図8に示すように圧粉成形体Fがキャビティ78から取り出される。この圧粉成形体Fに所定の後加工を行い、さらに、焼結を施すことにより、焼結製品としての2段ギヤ10が得られるに至る。圧粉成形体Fとして高嵩密度のものが得られているので、2段ギヤ10は優れた強度を示す。
得られた2段ギヤ10は、図示しない回転軸に形成された歯部がスプライン24に噛合されるとともに、図示しない別のギヤの歯部がドグ歯26に噛合され、例えば、回転駆動力伝達機構を構成する。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、ダイプレート44を昇降させることに代替し、下パンチ48を昇降させるようにしてもよいことは勿論である。
10…2段ギヤ 12…円筒部
14…フランジ部 16…段付貫通孔
18…小径孔 20…大径孔
22…段部 24…スプライン
26…ドグ歯 40…圧粉成形装置
42…基盤 44…ダイプレート
46…支持盤 48…下パンチ
52…第1シリンダ 54…第1ロッド
58…コイルスプリング 60…下コア
62…第1スプライン成形部 64…第2シリンダ
66…第2ロッド 70…ダイス
72…円筒部成形部 74…フランジ部成形部
76…ドグ歯成形部 78…キャビティ
80…第3シリンダ 82…第3ロッド
94…第4シリンダ 96…第4ロッド
100…小径孔成形部 102…大径孔成形部
104…段部成形部 106…第2スプライン成形部
F…圧粉成形体 P…金属粉末

Claims (7)

  1. 外側に大径部と小径部を有し、前記大径部及び前記小径部の内側に小径孔と大径孔からなる段付貫通孔が形成されるとともに前記大径部の外周壁に外歯を有するギヤを圧粉成形によって得るギヤの製造方法であって、
    大径部成形部及び小径部成形部が形成されたダイスと、中空の第1パンチと、前記第1パンチの中空内部を変位する第1コアとで形成されるキャビティに粉末を収容する粉末収容工程と、
    第2パンチの中空内部に配設され、且つ前記第1コアに近接する側に臨む小径孔成形部と、該小径孔成形部の軸線方向に連なり、該小径孔成形部に比して大径な大径孔成形部とを有する第2コアを、前記第1コアに当接させた状態で該第1コアとともに前記粉末内を変位させる段付貫通孔形成工程と、
    前記段付貫通孔形成工程と同時に行われ、前記第2パンチを前記キャビティ側に指向して変位させ、前記第1パンチと前記第2パンチで前記粉末を加圧することで、前記大径部成形部により成形された大径部と、前記小径部成形部により成形された小径部とを備える圧粉成形体を得る加圧工程と、
    を有し、
    前記段付貫通孔形成工程において、前記第2コアの前記小径孔成形部に設けられた内歯成形部で前記小径孔の内壁に内歯を形成するとともに、該小径孔成形部と前記大径孔成形部とで段付貫通孔を形成し、
    且つ前記大径部成形部に設けられた外歯成形部により、前記大径部の外周壁に前記外歯を成形することを特徴とするギヤの製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法において、前記段付貫通孔形成工程の終了時、前記第1コアと前記第2コアの当接突き合わせ部を、前記第1パンチの中空内部に進入させることを特徴とするギヤの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法において、前記粉末収容工程の後、前記段付貫通孔形成工程及び前記加圧工程を行う前に、前記ダイス及び前記第1コアに対して前記第1パンチを前記キャビティから離間する方向に相対的に変位させることを特徴とするギヤの製造方法。
  4. 外側に大径部と小径部を有し、前記大径部及び前記小径部の内側に小径孔と大径孔からなる段付貫通孔が形成されるとともに前記大径部の外周壁に外歯を有するギヤを成形するための圧粉成形装置であって、
    前記大径部を成形する大径部成形部と、前記小径部を成形する小径部成形部と、前記大径部成形部に設けられて前記外歯を形成する外歯成形部とを有するダイスと、
    中空体からなり、第1変位機構の作用下に前記ダイスに対して相対的に変位する第1パンチと、
    第2変位機構の作用下に前記第1パンチの中空内部で前記第1パンチに対して相対的に変位する第1コアと、
    第3変位機構の作用下に前記ダイスに対して相対的に変位し、前記ダイス、前記第1パンチ及び前記第1コアによって形成されるキャビティに収容された粉末を前記第1パンチとともに加圧する中空の第2パンチと、
    第4変位機構の作用下に前記第2パンチの中空内部で前記第2パンチに対して相対的に変位し、前記第1コアに当接して該第1コアを押圧する第2コアと、
    を備え、
    前記第2コアは、前記第1コアに近接する側に配設され且つ前記小径孔の内壁に内歯を形成する内歯成形部が設けられた小径孔成形部と、該小径孔成形部の軸線方向に連なり、該小径孔成形部に比して大径な大径孔成形部とを有し、
    前記小径孔成形部と前記大径孔成形部とで前記段付貫通孔を形成することを特徴とする圧粉成形装置。
  5. 請求項4記載の圧粉成形装置において、前記第1コアが、該第1コアを前記第2コア側に指向して弾発付勢する弾発部材に支持されていることを特徴とする圧粉成形装置。
  6. 請求項4又は5記載の圧粉成形装置において、前記内歯成形部がスプライン成形部であることを特徴とする圧粉成形装置。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項に記載の圧粉成形装置において、前記第2コアが前記第1コアに比して大径であることを特徴とする圧粉成形装置。
JP2018042593A 2018-03-09 2018-03-09 ギヤの製造方法と圧粉成形装置 Active JP6732825B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018042593A JP6732825B2 (ja) 2018-03-09 2018-03-09 ギヤの製造方法と圧粉成形装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018042593A JP6732825B2 (ja) 2018-03-09 2018-03-09 ギヤの製造方法と圧粉成形装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019157170A JP2019157170A (ja) 2019-09-19
JP6732825B2 true JP6732825B2 (ja) 2020-07-29

Family

ID=67995711

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018042593A Active JP6732825B2 (ja) 2018-03-09 2018-03-09 ギヤの製造方法と圧粉成形装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6732825B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019157170A (ja) 2019-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010047806A (ja) 成形金型装置およびそれを用いた雌ねじ部付き軸孔を有する成形体の成形方法
JP5802252B2 (ja) ギヤの製造方法と、そのための鍛造加工装置
JP3031647B2 (ja) 粉末材料の押出し成形装置
JP4443847B2 (ja) 傘状粉末成形体の成形方法
JP2009256723A (ja) 複雑形状焼結機械部品の成形金型
JP6732825B2 (ja) ギヤの製造方法と圧粉成形装置
JP2010082625A (ja) 成形金型装置およびそれを用いた雌ねじ部付き軸孔を有する成形体の成形方法
JP2007222879A (ja) 粉末成形用金型及び粉末成形方法
KR20110074429A (ko) 압축 성형품의 성형 시스템 및 압축 성형품의 성형 장치
JP2007021520A (ja) 異形斜歯歯車用粉末成形装置および粉末成形方法
JP6430140B2 (ja) 圧粉体の成形装置および成形方法
JP4820281B2 (ja) 圧粉成形金型装置及びそれを用いた圧粉成形方法
JP2020507013A (ja) 変位補償を有するツールセット
JP2009255112A (ja) 粉体プレス装置
JPH0832922B2 (ja) ボス付き成形体の粉末成形方法およびその装置
KR101128380B1 (ko) 언더컷 베벨기어 단조장치
CN209502971U (zh) 一种具有弹性材料装置的粉末干压成型模具
JPS5935603A (ja) 圧粉体の成形装置
JPH11217601A (ja) 粉末成形装置
JP2006212665A (ja) 斜歯歯車の成形装置および成形方法
JP6537132B2 (ja) 焼結部品の製造装置および製造方法
JP6682601B2 (ja) 圧粉体の成形方法および焼結軸受の製造方法
JPH0216879Y2 (ja)
JP2005224805A (ja) 粉末成形装置及び粉末成形方法
JP6481362B2 (ja) 歯車成型用金型装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200609

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200708

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6732825

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150