JP3764527B2 - 掃除機用床ノズルの回転ロータの製造方法 - Google Patents

掃除機用床ノズルの回転ロータの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、掃除機のアタッチメントとして使用される床ノズルの回転ロータの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の掃除機用床ノズルの回転ロータは、例えば、特願平7−348495に記載されているように、筒状部の外方にブレードを有するブレード部材を、可撓性を有するゴムやプラスチック等の材料で押出し成形し、筒状部の中央穴に軸を貫通させて、ブレード部材を軸の周りにひねってブレード部を螺旋状とし、ブレード部材の両端にブラケットを係止して、これを軸に固着している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の回転ロータは、可撓性を有するゴムやプラスチック等の材料で押出し成形されたブレード部材の筒状部の中空穴に、直線状の軸を挿入しているため、組立性等を考慮して、軸の外径と筒状部の中空穴の内径にはクリアランスを必ず設けなくてはならない。このため、軸とブレード部材の間にガタが生じて、精度が悪く、アンバランス量の大きな回転ロータとなり、ロータ回転時の振動も大きいという欠点を有していた。
【0004】
本発明は、上記の点に鑑み、回転のバランスが良く振動の少ない掃除機用床ノズルの回転ロータの製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の回転ロータの製造方法は次の手段を採った。すなわち、内蔵した駆動装置によって回転する軸と、円柱部の外方に複数のブレード部を有するブレード部材と、該ブレード部材の両端に係止され該軸へ固着するブラケットとを備えた掃除機用床ノズルの回転ロータの製造方法において、該ブレード部材は可撓性を有するゴムやプラスチック等の材料とするとともに、該軸を表面が非常に滑らかな丸鋼とし、該ブレード部材の円柱部の中央に該軸をインサート成形した後、該軸を固定した状態でブレード部材のみを該軸の周りに所定の角度ひねりを加えて、ブレード部を螺旋状としたことを特徴としている。
【0006】
【作用】
本発明の回転ロータの製造方法によれば、ブレード部材に軸をインサート成形した後、軸を固定した状態でブレード部材のみをひねりを加えるが、ブレード部材が軟質であり、かつ、軸の表面が非常に滑らかであるのでブレード部材との接着が弱く、簡単にひねることができる。そして、軸はブレード部材に隙間のない嵌合状態であるので、ガタがなく、回転のバランスがよく、振動や騒音の小さな回転ロータが得られる。
【0007】
【実施例】
請求項1の実施例について、図1〜図7を参照して説明する。
図において、1は底面に細長い横長の開口2を有する床ノズルの下ケース、3は上ケース、4は開口2の中央で下ケース1と上ケース3によって囲まれた吸気口、5は掃除機の延長管(図示せず)に接続される吸気パイプ、6はモータ7の回転を回転ロータ8に伝えるベルトで、モータ7の駆動プーリ9と、回転ロータ8の従動プーリ10に掛けられている。
【0008】
回転ロータ8は、ブレード部材11、直線状の軸12、従動プーリ10を有する従動側ブラケット13(以後ブラケット13という)、遊び側ブラケット14(以後ブラケット14という)より構成され、その両端に軸受15、16がはめられ、下ケース1に設けられた軸受取付用凹部17、18に取付けられて、回転自在に保持されている。
【0009】
軸12は直線状の丸鋼であり、表面が非常に滑らかに作られている。
【0010】
円柱部19の外方に突出するブレード部20を有し、可撓性を有するゴムやプラスチック等の材料で作られた、ブレード部材11の円柱部19の中央に、直線状の軸12をインサート成形する。
【0011】
軸12を固定した状態で、ブレード部材11のみを軸12の外周に所定の角度にひねりを加えると、軸12は直線状の丸鋼等で作られているため、表面は非常に滑らかであるので、ブレード部材11は、円柱部19も含めてひねられる。
【0012】
ブラケット13、14の中央部には、軸12の外径寸法に合った穴21と、ブレード部材11側には、ブレード部20の先端22を入れて位置決めをするための凹部23が設けられている。
【0013】
ブラケット13、14の凹部23を、ブレード部20の先端22に合わせて、ブラケット13、14を軸12に固着すると、ブレード部20は螺旋状に保たれ回転ロータ8が完成する。
【0014】
次に、じゅうたん上でのゴミのはね上げ効果に更に付加して、近年需要が増加しているフローリングに対する拭き効果や磨き効果を備えた回転ロータについて、図8〜図15に基づいて説明する。なお、上記の実施例と同じ部品については同じ符号とし、説明を省略する。
この回転ロータは、ブレード部20(上記実施例のものと同じ)と起毛布ブレード部27を備えている(図14参照)。起毛布ブレード部27は、基布(基部25)に単繊維(毛部26)を密植した起毛布ブレード部材24によって作られる。
【0015】
長方形のシート状に裁断した2枚の起毛布ブレード部材24の基部25同士を重ね合わせて毛部26が外側になるようにして、軸12を起毛布ブレード部材24の幅方向の中央部で挟みこめるように、基部25同士をミシン等で縫い合わせることによって、軸12から外方に起毛布ブレード部27を構成する。
【0016】
可撓性を有する材料で作られた、ブレード部20を有する円柱部19の中央に、前記の起毛布ブレード部27を有する軸12をインサート成形する。
【0017】
軸12を固定した状態で、外方にブレード部20、起毛布ブレード部27を有する円柱部19を、軸12の外周に所定の角度にひねりを加え、ブラケット13、14の凹部23を、ブレード部20の先端22に合わせて、固着すると、ブレード部20及び起毛布ブレード部27は螺旋状に保たれ、回転ロータ8が完成する。
【0018】
次に、起毛布ブレード部27を備えた回転ロータの別の例について、図16および図17に基づいて説明する。なお、上記の例と同じ部品については同じ符号とし、説明を省略する。
長方形のシート状に裁断した1枚の起毛布ブレード部材24を、毛部26が外側になるように端面で袋縫いして、袋の内側で、軸12と縫い目28とが重なるように位置決めしたものを、ブレード部20を有する円柱部19に一体成形して、ブレード部20と起毛布ブレード部27を成形する。
【0019】
または、長方形のシート状に裁断した1枚の起毛布ブレード部材24の両端部を、毛部26が外側になるように折り返して各々の端部を縫い合わせることとし、この時、2ケ所の縫い目28が、軸12の外周付近に位置するように構成して、ブレード部20を有する円柱部19に一体成形して、ブレード部20と起毛布ブレード部27を形成する。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、ブレード部材に軸をインサート成形した後、軸を固定した状態でブレード部材のみをひねりを加えてブレード部を螺旋状にしたので、軸をブレード部材に遊びのない嵌合とすることができ、後から軸を挿通させる従来の製造方法に比べ、ガタがなく、回転のバランスがよく、振動や騒音の小さな回転ロータが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の回転ロータを収納している床ノズルの、上ケースを除いた斜視図。
【図2】 床ノズルの横断面図。
【図3】 本発明の実施例における回転ロータで、一部を断面にした正面図。
【図4】 同じく、回転ロータの斜視図。
【図5】 同じく、軸の斜視図。
【図6】 同じく、ブレード部材に軸をインサート成形した状態を示す斜視図。
【図7】 同じく、ブレード部材と軸を一体成形後、ブラケットを係止する前の状態を示す斜視図。
【図8】 起毛布ブレード付回転ロータを示すもので、一部を断面にした正面図。
【図9】 同じく、回転ロータの斜視図。
【図10】 同じく、起毛布ブレード部材の斜視図。
【図11】 同じく、起毛布ブレード部材で軸を挟みこんだ状態を示す斜視図。
【図12】 同じく、図11のA−A断面図。
【図13】 同じく、ブレード部材の円柱部に、起毛布ブレード部材で挟みこんだ軸をインサート成形した状態の斜視図。
【図14】 同じく、図13のB−B断面図。
【図15】 同じく、ブレード部材と、起毛布ブレード及び軸を一体成形後、ブラケットを挿入する前の状態を示す斜視図。
【図16】 起毛布ブレード付回転ロータの別の実施例を示すもので、上記の実施例の図14に対応する横断面図。
【図17】 同じく、図16に対応する横断面図。

Claims (1)

  1. 内蔵した駆動装置によって回転する軸と、円柱部の外方に複数のブレード部を有するブレード部材と、該ブレード部材の両端に係止され該軸へ固着するブラケットとを備えた掃除機用床ノズルの回転ロータにおいて、該ブレード部材は可撓性を有するゴムやプラスチック等の材料とするとともに、該軸を表面が非常に滑らかな丸鋼とし、該ブレード部材の円柱部の中央に該軸をインサート成形した後、該軸を固定した状態でブレード部材のみを該軸の周りに所定の角度ひねりを加えて、ブレード部を螺旋状としたことを特徴とする掃除機用床ノズルの回転ロータの製造方法。
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