JP3764110B2 - 画像形成装置および排紙部の照明方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機・インクジェット方式の複合機・ファクシミリ装置等の画像形成装置の内部に設けた排紙トレーへの照明技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機・プリンター・ファクシミリ・複合機等の画像形成装置に用いられる排紙部は、装置本体の側面から外方に向けて固定され、外側に突出していた。その為に、画像形成装置の占有面積が大きくなり、小型化する上で障害になっていた。
【0003】
近年、このような外方に突出した排紙部をなくし、画像形成装置本体の内部空間に排紙部を設けた所謂ウイングレスの画像形成装置が提案されている。ウイングレスの画像形成装置の排紙部は、通常、上部に配設される原稿読取り部と、下部に配設される給紙部と、の中間位置に設けられる。
【0004】
このように、画像形成装置の内部に排紙部が配置されると、印字に用いられる用紙のサイズが大きい場合には、使用者は比較的に容易に記録用紙の有無及び取り出しの必要性の判別が可能であるが、記録用紙のサイズが小さい場合には、排紙部が設けられた空間から記録用紙がはみ出さないために、排紙された記録用紙が使用者の目につきにくくその確認が困難となり、記録用紙を取り忘れてしまうことがあった。
【0005】
この様な問題点を解消するために、従来では、上記排紙部の上部に光源を設けて装置の通電中に常に排紙部を照射する手法が提案されていた。しかし、この手法では光源に常に通電するため消費電力が増大し、省エネが図れなかった。
【0006】
そこで、本発明者等は、特開2001−206609号公報に、画像形成装置の内部に無蓋の排紙トレイを回動自在に設け、その排紙トレイを前方に回動させて、記録用紙を容易に取り出せるように構成した画像形成装置を提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来例(特開2001−206609号公報)では、記録用紙を取り出す際に排紙トレイを前方に回動させると、排紙トレイが装置本体から突出した状態となる。従って、排紙トレイの回動動作を許容するためのスペースを装置本体の前面側に確保しなければならなくなり、結果として、画像形成装置の占有スペースが実質的に拡大されることとなる。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、別途光源を設ける必要がなく、排出された用紙を容易に確認することができる構成が簡易でコンパクトな画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。
【0010】
(1)原稿中の画像情報を読取る原稿読取手段と、前記原稿読取手段によって読み取られた画像情報または外部から受信した画像情報に基づいて記録用紙上に画像を印刷する印刷手段と、前記印刷手段に記録用紙を供給する給紙手段と、前記印刷手段によって印刷された記録用紙を収納・堆積させる排紙部と、を具備し、
前記原稿読取手段が、前記給紙手段の上方に配設され、かつ、前記排紙部が、前記原稿読取手段と給紙手段の中間部位に配設されると共に、
前記原稿読取手段の下部に開閉可能な反射部材を設け、
前記反射部材を開放して、前記原稿読取手段の原稿読取り用光源からの光路中に前記反射部材を配置し、その反射光により、前記排紙部を照射するための制御指令を出力する制御部を設けたことを特徴とする。
【0011】
この構成においては、原稿読取手段(スキャナー部)の光源光( ハロゲン光・キセノンランプ光等) を用い、排紙部(に収納・堆積された記録用紙)を照明することで、記録用紙が排紙部にあることをユーザーに告知するので、印刷後の記録用紙の取り忘れをなくし、かつ、記録用紙の取り出し作業を容易化することができる。
また、(原稿読取手段の非動作時に、反射部材を用いて、)原稿読取手段の光源を排紙部を照射するために用いることで、別途、光源を設けることなく、既存部材の有効利用を図ることができる。
【0012】
(2)印字要求ジョブの終了後、印刷処理の終了を告知し、かつ、前記排紙部上の記録用紙の取り出しを促すために、前記原稿読取手段の光源を点滅させる制御指令を出力する制御部を設けたことを特徴とする。
【0013】
この構成においては、光源を点滅させることで、ユーザーに対してより効果的に注意を喚起し、印字ジョブの終了を告知すると共に、排紙部上の記録用紙を点滅照射により照明し、その取り出しを促し、記録用紙の取り忘れを効果的に防止することができる。
【0014】
(3)印字要求ジョブを開始する前に、前記排紙部上の記録用紙の取り出しを促すために、前記原稿読取手段の光源を点滅させる制御指令を出力する制御部を設けたことを特徴とする。
【0015】
この構成においては、光源を点滅させることで、ユーザーに対して注意を喚起し、すでに印刷された記録用紙が排紙部に収納・堆積していることを告知し、その取り出しを促し、これから印刷する記録用紙との混同を効果的に防止することができる。また、排出部が満杯状態になるのを未然に防止することができる。
【0016】
(4)ユーザが装置本体に接近したことを検出すると、前記原稿読取手段の光源を排紙部に照射するための制御指令を出力する制御部を設けたことを特徴とする。
【0017】
この構成においては、ユーザが装置本体に接近すると、排紙部が照射されるため、取り忘れにより放置されている記録用紙があればそれを改めて確認することができ、取り忘れによる記録用紙の堆積を防止することができる。
【0018】
(5)前記原稿読取手段の光源がホームポジションにあるときに、前記排紙部への照射を行うための制御指令を出力する制御部を設けたことを特徴とする。
【0019】
この構成においては、光源がホームポジションにあるときに、前記排紙部への照射をおこなうので、スキャナー部の光源ユニットのホームポジション上部に通常配置されている光源光量補正用の白板(シェーディング補正板)を用い、光源からの照射光を効率よく反射し、排紙部に導くことが可能となる。
【0020】
なお、ホームポジション以外(例えばプラテンガラス上)で照射を行うと、原稿押え板が閉じられている時と開放されている時で排紙部に導かれる光量が変化しユーザーが排紙部を見た時に記録用紙の有無判断を間違う虞がある。
【0023】
)前記反射部材は、前記排紙部への照射動作直前の印字ジョブに用いられた記録用紙サイズに応じて、開閉角度が変化することを特徴とする。
【0024】
排紙部を照射する時に、排出されている記録用紙に関係なく排紙部を全て照射する必要はなく、記録用紙のある部分のみを照射する方がユーザーは認知し易くなる。この構成においては、照射直前の印字ジョブを基に反射部材の開閉角度を変化させることで照射領域を限定でき、記録用紙の取り出し作業が一層容易となる。
【0025】
)前記反射部材の開閉角度は、排出された記録用紙サイズが小さい時には前記排紙部の排紙口近傍を照射する角度に設定され、排出された記録用紙サイズが大きい時には排紙部全域を照射する角度に設定されることを特徴とする。
【0026】
この構成においては、記録用紙のサイズに応じて照射角度の調整をおこなうため、ユーザーにとって、記録用紙を認知しやすくなる。
【0027】
)前記反射部材の、前記排紙部への照射光を導く面は、梨子地面に形成されることを特徴とする。
【0028】
この構成においては、照射光の反射面を梨子地面に形成することで、広い範囲の照射が可能となる。
【0029】
)装置本体の上部に配設される原稿読取手段と、その下方に配設される給紙手段と、の中間部位に配設される排紙部を具備した画像形成装置において、
前記原稿読取手段の下部に開閉可能に設けた反射部材を開放して、前記原稿読取手段の原稿読取り用光源からの光路中に前記反射部材を配置し、その光源により、前記排紙部を照射することを特徴とする。
【0030】
この方法においては、ユーザは印字要求を行った後の排紙された記録用紙、並びに使用前に放置されている排出完了記録用紙の取り出し確認が容易に可能となり、排紙部にむやみに放置されることにより排紙部が満杯状態となるのを未然に防止することができ、装置の動作効率の向上も可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態に係る画像形成装置について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0032】
(装置全体の動作説明)
図1は、画像形成装置全体の構成を示し、図2は、その主要部の断面を示す。本画像形成装置は、印字モードとしてコピアモード、プリンタモード、FAXモードを有していて、その制御部では各モードにおける印字要求内容に応じて各処理モードが選択される。
【0033】
そして、本画像形成装置の構成は大別して、原稿読み取り部(原稿読取手段S)、給紙部(給紙手段K)、印字部(印刷手段)、排紙部Hに分類され、原稿読取手段Sが、給紙手段Kの上方に配設され、かつ、排紙部Hが、原稿読取手段Sと給紙手段Kの中間部位に配設される(図2参照)。
【0034】
以下に、上記各処理モードの中からコピアモードについて説明する。原稿読み取り部(スキャナー部)Sのプラテンガラス上に印字を希望する原稿が載置された後、ユーザーが給紙部の給紙カセットに用紙を装着し、装置の外装前面部に配置される操作パネル上の条件入力キー(印字枚数/印字倍率等々)を入力した後に、スタートキーを押し下げるとコピー動作が開始される。
【0035】
このようにして印字を開始する画像形成装置は、まず、スタートキーが押されると、ほぼ同時にメイン駆動モーターが始動し、各駆動ギャーが回転する。その後、給紙ローラ19が回転し用紙が給紙される、給紙された用紙は、搬送ローラーを通過、レジストローラ14へ到達する。
【0036】
ここで、用紙は、感光体ドラム10上の画像先端部と同期をとるため、一時停止し、用紙の先端部は、均一にレジストローラ14に押しつけられて用紙の先端位置の補正が行なわれる。
【0037】
一方、原稿読み取り部において原稿読み取り中の画像情報は、コピーランプ1が点灯し、コピーランプユニットUが矢印方向へ移動することで露光が開始され、コピーランプ1により原稿を照射した画像情報を含む照射光は、第1ミラー2から第2ミラー24、第3ミラー25、光学レンズ26から、CCD4へ入力されることによって読み取られる。
【0038】
このようにして読み取られた画像情報は、装置に配置される図示しない制御部のCCD回路で、入射光の画像情報が電気的信号に変換され、その画像情報信号は、設定された条件で画像処理が行われ、LSUユニット3へプリントデータとして送信される。なお、この制御部により、後述するように、排紙部(排紙トレイ)27を照明するための一連の制御がおこなわれる。
【0039】
他方、感光体ドラム10は帯電ユニット5により、全体が所定帯電電位に帯電される。LSU12からのレーザ光は、ポリゴンミラー、各種レンズを通して、感光体ドラム10へ照射されて、感光体ドラム10上に静電潜像が形成される。その後、現像槽中のMGローラ22上のトナーが、感光体ドラム10面上に引き寄せられて静電潜像はトナーによって感光体ドラム10上の電位ギャップに応じて顕像化される。
【0040】
作像される用紙は、タイミングを合わせてレジストローラ14により、感光体ドラム10方向へ搬送され、転写ユニット13により感光体ドラム10上のトナーが用紙に転写される。感光体ドラム10上の残留したトナーはドラムユニットのクリーニングブレードによってかきとられ、クリーナーユニットにより回収される。
【0041】
他方、トナーの転写が終了した用紙は、定着装置の上ヒートローラ8と下ヒートローラ9を通過して、熱と圧力が加えられ、用紙上の未定着トナーが用紙に溶融・固着され、排紙ローラ6により装置内の排紙トレイ27に排出される。
【0042】
(排紙トレイの照明機構)
以下に、本発明の要旨である排紙トレイ27の照明機構について説明する。
【0043】
図3は、通常動作時の状態におけるスキャナー部Sと排紙トレイ27のある排紙部Hを示す断面図で、符号31は、排紙部Hと、スキャナー部Sとを画成するための仕切り板であり、その仕切り板31は一部を切り欠かれ、その切欠部には、反射部材を被着させた反射板31aが開閉操作可能に嵌設されている。
【0044】
その反射板31aは、スキャナー部Sの動作中には、図3に示すように、障害とならないように閉状態となっている。また、この閉状態では、外部からスキャナー部Sへの迷光(反射板31aが開状態で有れば外部光が排紙部Hを介してレンズ、CCDに入り画像情報のノイズ成分となる)の進入が遮断される。
【0045】
図4および図5は、コピーランプユニットUからの光を排紙トレイ27に照射する反射板31aを開いた状態の断面図で、印刷動作が完了するとコピーランプユニットUがホームポジション位置に戻り、コピーランプ1は点灯し、コピーランプ1の光は、原稿ガイド30の下部に配置されたシェーディング板29にて反射され(通常シェーディング板は白色)、第1ミラー2を通過し、次に第2ミラー24・第3ミラー25を通過し、図の矢印方向に回動した反射板31aにより反射されて、排紙トレー27上の排出された用紙32を照射する(照射光33を参照)。なお、図4は排紙された用紙サイズが大きい場合、図5は用紙サイズが小さい場合の照明状態を示す。
【0046】
用紙サイズが大きい場合には(図4参照)、印刷動作が完了するとコピーランプユニットUがホームポジション位置に戻り、コピーランプ1は点灯し、コピーランプ1の光は、原稿ガイド30の下部に配置された反射板29にて反射され、第1ミラー2を通過し、次に第2ミラー24、第3ミラー25を通過し、図の矢印方向に大きい角度(▲1▼)の状態に開動した反射板31aの反射部材により反射されて、排紙トレー27上の排出された用紙32を照射する。用紙サイズが小さい場合には(図5参照)、反射板31aは小さい角度(▲2▼)の状態に開動し、排紙トレー27上に排出された用紙32を照射する。なお、この場合、排紙口近傍、すなわち、排紙ローラ6の近傍を照射すれば、小サイズの用紙があることを明確に告知することができる。
【0047】
このような排紙トレイ27への照射動作において、印字要求に対応して繰り出された用紙のサイズが大きい時には反射板31aが大きく開くことにより、図4に示すように、大サイズの用紙の後端部をコピーランプ1の光が照射する。他方、用紙が小さい時には、図5に示すように、反射板31aが小さく開くことにより、小サイズの用紙並びに排紙トレイ27の排紙口近傍を照射する。このように、用紙のサイズの大小に応じてコピーランプ1から導かれる照射光位置を変化させることにより、ユーザは排出した用紙の検出が容易となる。
【0048】
図6は、反射板31aを開閉動作させるための構成を示し、仕切り板31の切欠部に回動自在(開閉自在)に設けられた反射板31aの一側縁(回動中心側)には、軸部材35が固定状態に取り付けられ、その一端に反射板駆動ギヤ34が装着され、その反射板駆動ギヤ34に、駆動用モーター37の出力軸に取り付けたピニオンギヤ36が噛み合わされており、このような構成により、反射板31aが回動操作される。
【0049】
この反射板31aの開閉動作は制御部によって制御される。その制御部は、図示を省略するが、各種演算をおこなうCPU(中央処理装置)と、ROM(記憶装置),RAM(一時記憶装置)からなり、その入力側には、コピーランプユニット(光源ユニット)Uの位置を検知するためのセンサ、給紙カセットや用紙搬送路、排紙部H等に設けた用紙サイズ検知センサ、用紙有無検知センサ、人体検知センサ等のセンサ群が接続され、出力側には、コピーランプ(原稿読取り用光源,以下光源という)1、光源ユニットUの駆動源、反射板31aの駆動源(駆動用モーター)37、表示部(図示省略の操作盤ユニット等に設けられる)等が接続されている。なお、人体検知センサは、例えば、焦電形赤外線センサ、熱電対形赤外線センサ等公知のものを用いることができ、これらを、例えば、装置本体の前面側に取り付ければ、人が装置本体に近づけば、これを検知することができる。
【0050】
この制御部によりおこなわれる一連の照明制御は、例えば、図7のフローチャートに示される。その照明制御フローについて説明すると、まず、装置は待機状態において、印字要求を受け付ける(Step1)と、装置の制御部はスキャナー部の光源ユニットUの位置を確認する(Step2)。このとき、光源ユニットUがホームポジションに無い時には、光源ユニットUの駆動源を駆動させてホームポジションへの復帰を行う(Step4)。
【0051】
このように、光源ユニットUをホームポジションに復帰させるのは、排紙部Hへの照射をおこなうためであり、かつ、印字工程の初期調整として行われるシェーディング補正を実施するためであり、これにより、印字品位の安定確保が可能となる。なお、光源ユニットUがホームポジションに復帰していないと、排紙部Hへの照射ができず、また、シェーディング補正も実施できず、印字品位の低下を招来する。
【0052】
光源ユニットUがホームポジションに復帰していることが確認されると、制御部においてメモリ機能から今回の印字ジョブを受け付ける直前に実施された印字ジョブに用いられた用紙の種類の確認を行う(Step3)。この確認動作によって用紙サイズが判明し、次工程の反射板31aの回転角度が決定し、反射板31aが回動される(Step5)。
【0053】
このようにして、反射板31aが回動し、排紙部Hへの光路を確保できるような所定の角度になった後に、光源1からの照射を行う(Step6)。このとき、光源1から照射される照射光はシェーディング補正板29によって反射され、第1、第2、第3のミラー2,24,25および梨子地仕上げを施された反射板31aを介して排紙トレイ27の所定位置へ照射される。
【0054】
排紙部Hへの光照射が行われると、取り忘れて排紙トレイ27上に堆積している用紙や、ネットワーク上の端末装置からの印字要求によって印字完了して排紙トレイ27に排出された用紙が照射されるため、ユーザがその存在に気づき、取り忘れが防止されると共に、排紙部Hが装置本体の内部に設けられているにもかかわらず、用紙とその周辺が明るくなるため、取り除き作業が容易となる。
【0055】
そして、排紙トレイ27上の用紙の取り除きが行われない時には、装置の操作部に配置される表示部を用いて、排紙トレイ27上の用紙の取り除きを促すための警告ないしは告知を行い(Step9)、用紙が取り除かれた後に(Step7)、反射板31aを回動させて閉状態にする(Step8)。なお、用紙の取り除きを促すための警告ないしは告知は、光源1を点滅させることによりおこなってもよい。
【0056】
反射板31aを閉じた後、装置は光源1の照射光と読み取り用CCDのレベルを合わせるシェーディング補正が実行される(Step10)。シェーディング補正の後は、原稿の読み取り、および印字処理が行われ(Step11)、印字要求の印字が全て終了すると(Step12)、上記Step2〜Step9と同様の操作を繰り返し排出された用紙の取り除きをユーザに催告する(Step13〜Step19)。
【0057】
このような処理を行うことによって、排紙トレイ27に排出される用紙の取り除きを、視感的に容易にし、かつ、そき取り忘れを効果的に防止することができると共に、限られたスペースの排紙トレイ27の満杯検出を未然に防止することが可能となる。
【0058】
本実施形態では、画像形成装置の処理モード中の「コピアモード」について説明したが、同様に、他の処理モード(プリンタモード、FAXモード)における排紙部Hでの用紙取り忘れをも防止出来、上記コピアモードと同様の効果が得られることは明らかである。
【0059】
また、画像形成装置は、本実施形態で説明したものに限定されることなく、少なくとも、装置本体の上部に配設される原稿読取手段と、その下方に配設される給紙手段と、の中間部位に配設される排紙部を具備した画像形成装置であって、前記原稿読取手段の原稿読取り用光源により、前記排紙部を照射することができるものであれば、本発明を適用することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、以下の効果を奏する。
【0061】
(1)原稿読取手段の光源を用いて排紙部に収納・堆積された記録用紙を照明するので、印刷後の記録用紙の取り忘れをなくし、かつ、記録用紙の取り出し作業を容易にすることができる。しかも、別途、光源を必要とすることなく、また、排紙部を外部に開放させるための構成が不要となるため実質的な装置の占有面積を小さくすることができ、装置本体をコンパクトに形成することができる。
【0062】
(2)光源を点滅させるので、ユーザーに対して注意を喚起し、印字ジョブの終了を告知すると共に、排紙部上の記録用紙の取り出しを促し、記録用紙の取り忘れを効果的に防止することが出来る。
【0063】
(3)印字要求ジョブを開始する前に、光源を点滅させることで、ユーザーに対して注意を喚起し、すでに印刷されて排紙部に収納・堆積している記録用紙の取り出しを促し、これから印刷する記録用紙との混同を防止することができる。また、排出部が満杯状態になるのを未然に防止することができる。
【0064】
(4)ユーザが装置本体に接近すると、排紙部が照射されるため、取り忘れにより放置されている記録用紙があれば、改めて確認されるため、取り忘れによる記録用紙の堆積を防止することができる。
【0065】
(5)(原稿読取手段の非動作時に、)原稿読取手段の光源を排紙部を照射するために用いるので、別途、光源を設けることなく、既存部材の有効利用を図ることができる。
【0066】
(6)前記原稿読取手段の光源がホームポジションにあるときに、前記排紙部への照射をおこなうので、通常、ホームポジション上部に配置されている光源光量補正用の白板(シェーディング補正板)を用いて、光源からの照射光を効率よく反射し、排紙部に導くことが可能となる。
【0067】
(7)反射部材は、前記排紙部への照射動作直前の印字ジョブに用いられた記録用紙サイズに応じて、開閉角度が変化するので、記録用紙のサイズに応じて適切な照射が可能となり、ユーザーが記録用紙を認知しやすくなり、かつ、記録用紙の取り出し作業の容易さが向上する。
【0068】
(8)記録用紙のサイズに応じて照射角度の調整をおこなうので、ユーザーにとって、記録用紙を認知しやすくなる。
【0069】
(9)照射光の反射面を梨子地面に形成するので、広い範囲の照射が可能となる。
【0070】
(10)原稿読取手段の原稿読取り用光源により、排紙部を照射するので、ユーザは印字要求を行った後の排紙された記録用紙、並びに使用前に放置されている排出完了記録用紙の取り出し確認が容易に可能となり、排紙部にむやみに放置されることによる排紙部の満杯を未然に防止可能となり、装置の動作効率の向上も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。
【図2】同画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図3】同要部断面図である。
【図4】同反射板を大きな角度に開放した状態の要部断面図である。
【図5】同反射板を小さな角度に開放した状態の要部断面図である。
【図6】同反射板の駆動機構の説明図である。
【図7】同照明制御を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1−光源
31a−反射部材(反射板)
32−記録用紙(用紙)
S−原稿読取手段
K−給紙手段
H−排紙部

Claims (9)

  1. 原稿中の画像情報を読取る原稿読取手段と、前記原稿読取手段によって読み取られた画像情報または外部から受信した画像情報に基づいて記録用紙上に画像を印刷する印刷手段と、前記印刷手段に記録用紙を供給する給紙手段と、前記印刷手段によって印刷された記録用紙を収納・堆積させる排紙部と、を具備し、
    前記原稿読取手段が、前記給紙手段の上方に配設され、かつ、前記排紙部が、前記原稿読取手段と給紙手段の中間部位に配設されると共に、
    前記原稿読取手段の下部に開閉可能な反射部材を設け、
    前記反射部材を開放して、前記原稿読取手段の原稿読取り用光源からの光路中に前記反射部材を配置し、その反射光により、前記排紙部を照射するための制御指令を出力する制御部を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 印字要求ジョブの終了後、印刷処理の終了を告知し、かつ、前記排紙部上の記録用紙の取り出しを促すために、前記原稿読取手段の光源を点滅させる制御指令を出力する制御部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 印字要求ジョブを開始する前に、前記排紙部上の記録用紙の取り出しを促すために、前記原稿読取手段の光源を点滅させる制御指令を出力する制御部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. ユーザが装置本体に接近したことを検出すると、前記原稿読取手段の光源を排紙部に照射するための制御指令を出力する制御部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記原稿読取手段の光源がホームポジションにあるときに、前記排紙部への照射を行うための制御指令を出力する制御部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記反射部材は、前記排紙部への照射動作直前の印字ジョブに用いられた記録用紙サイズに応じて、開閉角度が変化することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 前記反射部材の開閉角度は、排出された記録用紙サイズが小さい時には前記排紙部の排紙口近傍を照射する角度に設定され、排出された記録用紙サイズが大きい時には排紙部全域を照射する角度に設定されることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記反射部材の、前記排紙部への照射光を導く面は、梨子地面に形成されることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
  9. 装置本体の上部に配設される原稿読取手段と、その下方に配設される給紙手段と、の中間部位に配設される排紙部を具備した画像形成装置において、
    前記原稿読取手段の下部に開閉可能に設けた反射部材を開放して、前記原稿読取手段の原稿読取り用光源からの光路中に前記反射部材を配置し、その光源により、前記排紙部を照射することを特徴とする排紙部の照明方法
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