JP3763811B2 - 用紙綴じ込み用クリップ、及び装丁用ブックカバー - Google Patents

用紙綴じ込み用クリップ、及び装丁用ブックカバー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、用紙綴じ込み用クリップ、及び装丁用ブックカバーに係り、特に、複数枚の積層された用紙からなる用紙束を簡単に綴じ込むことのできる、用紙綴じ込み用クリップ、及び装丁用ブックカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数枚の積層された用紙からなる用紙束の一辺側を綴じ、綴じ代を長尺状のクリップで挟み込むホルダーが知られている(特許文献1)。
【0003】
このホルダーは、多数枚の台紙を綴じるホルダー本体と、ホルダー本体の一側縁に装着されるクリップを備えている。
【0004】
このホルダーでは、クリップの長手方向一端側を、ホルダー本体の綴じ代の長手方向一端側に向け、クリップの一対の挟持片間に入り込ませてスライド操作し、ホルダー本体とクリップとを係合させている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−150549号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のホルダーでは、クリップとホルダー本体とが摩擦力で係止されているため、クリップの装着が完了した後でも、クリップとホルダー本体とがクリップ長手方向にずれてしまい、クリップから用紙束(ホルダー本体)が脱落(分離)する虞がある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、用紙束を簡単に綴じ込むことができ、綴じた用紙束の脱落を防止することのできる構造の簡単な用紙綴じ込み用クリップ、及び装丁用ブックカバーを提供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の用紙綴じ込み用クリップは、複数枚の積層された用紙からなる用紙束の1辺付近を挿入可能な溝部と、前記溝部の互いに対向する両溝壁面の少なくとも一方に溝長手方向に沿って設けられ前記溝部の開口付近から溝中央側へ突出する突起部とを備えた長尺状のクリップ本体と、前記溝部の長手方向両端側に設けられる孔と、前記溝部の端部に挿入された際に前記孔に引っ掛け可能な引っ掛け部、及び前記引っ掛け部を弾性的に支持する壁部を備え、前記孔に前記引っ掛け部が係合することで前記溝部に挿入された前記用紙束の溝長手方向の移動を阻止するストッパーと、を有することを特徴としている。
【0009】
次に、請求項1に記載の用紙綴じ込み用クリップの作用を説明する。
【0010】
先ず、複数枚の用紙を積層した用紙束は、一辺側を、例えば、ステープラー(別名:ホッチキス)のコ字状のステープル針(ホッチキス針)で綴じる。
【0011】
次に、ステープル針で綴じた用紙束の一辺側を、クリップ本体の溝部に溝長手方向端部から挿入する。
【0012】
用紙束の一辺側では、一方の面にステープル針の中間部分、他方の面にステープル針の屈曲した両脚部が突出しているので、ステープル針の突出した部分を溝壁面に設けられた突起部に引掛けて、用紙束が溝部から溝開口方向へ脱落することを防止できる。
【0013】
ここで、溝部に用紙束の一辺側を溝部に挿入した状態では、用紙束は溝部を長手方向に移動可能となっているが、ストッパーをクリップ本体の溝部の端部に挿入することで、溝部の孔にストッパーの引っ掛け部が係合し、このストッパーが用紙束の溝長手方向の移動を阻止し、用紙束の溝長手方向端部からの脱落を防止することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の用紙綴じ込み用クリップにおいて、前記ストッパーは、弾性変形可能な連結部を介して前記クリップ本体と一体的に連結している、ことを特徴としている。
【0015】
次に、請求項2に記載の用紙綴じ込み用クリップの作用を説明する。
【0016】
ストッパーを連結部を介してクリップ本体と一体的に連結しているので、小さなストッパーを紛失する心配が無くなる。
【0017】
請求項3に記載の装丁用ブックカバーは、請求項1または請求項2に記載の用紙綴じ込み用クリップと、前記用紙綴じ込み用クリップに連結され、前記用紙束の表面を覆う表表紙と、前記用紙束の裏面を覆う裏表紙と、を有することを特徴としている。
【0018】
次に、請求項3に記載の装丁用ブックカバーの作用を説明する。
【0019】
請求項3に記載の装丁用ブックカバーでは、用紙綴じ込み用クリップに綴じ込んだ用紙束の表面を表表紙で覆い、用紙束の裏面を裏表紙で覆うことができる。
【0020】
したがって、本発明の装丁用ブックカバーを用いることで、容易に製本を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して本発明の装丁用ブックカバーの第1の実施形態を詳細に説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態の装丁用ブックカバー10は、用紙綴じ込み用クリップ12と、表表紙14、及び裏表紙16を備えている。
【0023】
図2、及び図3に示すように、用紙綴じ込み用クリップ12は、クリップ本体18と、ストッパー20から構成されている。
【0024】
クリップ本体18は、後述する用紙束22の綴じ代部分の長さに略相当する長さに形成され、基部24の幅方向両側に側壁部26が一体的に立設されて、断面が略コ字状を呈している。
【0025】
本実施形態のクリップ本体18、及びストッパー20は、合成樹脂等で形成されているが、金属等で形成しても良い。
【0026】
また、断面が略コ字状を呈したクリップ本体18は、押出成形等により安価に提供することができる。
【0027】
基部24と2つの側壁部26との間は、後述する用紙束22の一辺側を挿入可能な溝部28とされている。
【0028】
側壁部26の溝開口側の端部には、溝内側へ向けて突出する突起部30が一体的に設けられている。
【0029】
また、それぞれの側壁部26には、長手方向両端付近に角孔32が形成されている。
【0030】
図3に示すように、ストッパー20は、溝部28の長手方向端部に挿入可能な大きさに形成された矩形状の基部34を備えている。
【0031】
基部34の両端付近には、弾性変形可能な厚さに形成された側壁部36が一体的に立設している。
【0032】
側壁部36の先端側には、外側に傾斜面38Aを有する三角形状の引掛け部38が一体的に形成されている。
【0033】
ここで、一方の引掛け部38の外端部38Bと、他方の引掛け部38の外端部38Bとの間隔Pは、溝部28の幅Wよりも若干大きく設定されている。
【0034】
なお、表表紙14、及び裏表紙16は、接着剤等でクリップ本体18の外面に接着されている。
(作用)
次に、本実施形態の装丁用ブックカバー10を用いた製本工程を説明する。
【0035】
先ず、図4(A),(B)に示すように、複数枚の用紙を積層した用紙束22の一辺側の複数箇所をステープラー(図示せず)のコ字状のステープル針40で綴じる。
【0036】
用紙束22をステープル針40で綴じると、図4(B)に示すように、用紙束22の一方の面にステープル針40の中間部分40Aが、他方の面にステープル針40の両脚部40Bがステープル針40の厚さ分突出する。
【0037】
次に、図1に示すようにステープル針40で綴じた用紙束22の一辺側をクリップ本体18の長手方向一端側に配置し、クリップ本体18の長手方向一端側から溝部28に挿入する。
【0038】
前述したように、用紙束22の両面側にステープル針40が突出しているので、図5に示すように用紙束22の一辺側がクリップ本体18の溝部28に挿入されると、ステープル針40の突出した部分(中間部分40A、及び両脚部40Bの折り曲げ部分)が突起部30に引っ掛かるので、用紙束22が溝部28から溝開口方向(矢印A方向)へ脱落することを防止できる。
【0039】
なお、用紙束22の厚さD(図5参照)は、突起部30と突起部30との間隔S(図3(A)参照)と略同等に設定し、ステープル針40が必ず突起部30に引っ掛かるようにする必要がある。
【0040】
このため、図6に示すように、用紙束22の厚さDが、突起部30と突起部30の間隔Sよりも極端に薄い場合等では、用紙束22の一辺に沿ってあて紙(厚紙等)42等を配置し、ステープル針40にて用紙束22とあて紙42とを同時に綴じて厚さの調整を行う。
【0041】
溝部28に用紙束22の一辺側を挿入したのみでは、用紙束22が溝部28の内部を長手方向に移動してしまうため、この移動を阻止する必要がある。
【0042】
本実施形態では、溝部28に用紙束22の一辺側を挿入した後、図3(A)に示すように、引掛け部38をクリップ本体18の長手方向端部に向けてストッパー20を溝部28の長手方向端部から溝内へ挿入する。
【0043】
ストッパー20の挿入の際、引掛け部38は溝部28の内側面に押されて側壁部36は内側へ弾性変形し、引掛け部38が角孔32に面すると、側壁部36は元に戻って引掛け部38が角孔32の端部に引っ掛かる。
【0044】
このため、ストッパー20が、溝部28の端部から溝長手方向外側(矢印B方向)へ抜け出ることが防止され、図7に示すように、溝部28に挿入した用紙束22は所定の位置に保持され、クリップ本体18の長手方向両端部から脱落することが防止される。
【0045】
なお、本実施形態の表紙を有する装丁用ブックカバー10の用途としては、書籍、ファイル、アルバム等を上げることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の装丁用ブックカバーの第2の実施形態を詳細に説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0046】
図8に示すように、本実施形態の用紙綴じ込み用クリップ12では、クリップ本体18と、ストッパー20とが、薄肉に形成されて弾性変形可能とされた連結部44を介して一体的に連結されている。
【0047】
本実施形態のストッパー20は、側壁部36、及び引掛け部38のみが溝部28内に挿入されるように構成されている。
【0048】
なお、図8(B)は、側壁部36、及び引掛け部38が溝部28に挿入され、引掛け部38が角孔32に係合した状態を示している。
【0049】
このように、ストッパー20をクリップ本体18に連結部44を介して連結することにより、小さなストッパー20を紛失する心配がなくなる。
[その他の実施形態]
上記実施形態では、複数枚の用紙をステープル針40で綴じて用紙束22としたが、本発明はこれに限らず、少なくとも用紙束22の両面側に引掛け用の突起が形成されれば良く、例えば、ハトメ、リベット等の他の綴じ部材で用紙を綴じても良い。
【0050】
また、上記実施形態では、用紙綴じ込み用クリップ12に表表紙14、及び裏表紙16を取り付けて用紙束22を綴じる例を示したが、場合によっては、用紙綴じ込み用クリップ12のみで用紙束22を綴じても良い。
【0051】
なお、表紙の無い用紙綴じ込み用クリップ12の用途としては、カレンダー等を上げることが出来る。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の用紙綴じ込み用クリップ、及び装丁用ブックカバーによれば、用紙束を簡単に綴じ込むことができ、綴じた用紙束の脱落を確実に防止することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】装丁用ブックカバーの斜視図である。
【図2】用紙綴じ込み用クリップの分解斜視図である。
【図3】(A)は用紙綴じ込み用クリップの一部断面図であり、(B)は用紙綴じ込み用クリップの端面図である。
【図4】(A)は用紙束のステープル針付近の斜視図であり、(B)は用紙束の端面図である。
【図5】用紙束を綴じた状態の装丁用ブックカバーの要部を示す端面図である。
【図6】薄い用紙束を綴じた状態の装丁用ブックカバーの要部を示す端面図である。
【図7】用紙束を綴じた状態の装丁用ブックカバーの斜視図である。
【図8】(A)は第2の実施形態に係る装丁用ブックカバーの用紙綴じ込み用クリップの斜視図であい、(B)はストッパーを係合する前の用紙綴じ込み用クリップの側面図であり、(C)はストッパーを係合した後の用紙綴じ込み用クリップの側面図である。
【符号の説明】
10 装丁用ブックカバー
12 用紙綴じ込み用クリップ
14 表表紙
16 裏表紙
18 クリップ本体
20 ストッパー
22 用紙束
40 ステープル針
44 連結部

Claims (3)

  1. 複数枚の積層された用紙からなる用紙束の1辺付近を挿入可能な溝部と、前記溝部の互いに対向する両溝壁面の少なくとも一方に溝長手方向に沿って設けられ前記溝部の開口付近から溝中央側へ突出する突起部とを備えた長尺状のクリップ本体と、
    前記溝部の長手方向両端側に設けられる孔と、
    前記溝部の端部に挿入された際に前記孔に引っ掛け可能な引っ掛け部、及び前記引っ掛け部を弾性的に支持する壁部を備え、前記孔に前記引っ掛け部が係合することで前記溝部に挿入された前記用紙束の溝長手方向の移動を阻止するストッパーと、
    を有することを特徴とする用紙綴じ込み用クリップ。
  2. 前記ストッパーは、弾性変形可能な連結部を介して前記クリップ本体と一体的に連結している、ことを特徴とする請求項1に記載の用紙綴じ込み用クリップ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の用紙綴じ込み用クリップと、
    前記用紙綴じ込み用クリップに連結され、前記用紙束の表面を覆う表表紙と、前記用紙束の裏面を覆う裏表紙と、を有することを特徴とする装丁用ブックカバー。
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