JP3763461B2 - パルス信号検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば放射線監視装置などのパルス信号の計数に用いられるパルス信号検出装置に関し、特に有害ノイズの侵入により監視値に多大の影響を受けることが想定される場合に、警報を出力して対処および改善することのできるパルス信号検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5はたとえば特開2000−258537号公報に示された従来のパルス信号検出装置を示すブロック構成図である。
【0003】
図5において、1は監視装置の検出器(図示せず)に接続される入力端子、2は入力端子1に接続された第1の波高弁別器、7はパルス幅弁別器15を介して第1の波高弁別器2の出力端子に接続された第1のカウンタ、8は第1の波高弁別器2の出力端子に直接接続された第2のカウンタである。
【0004】
9は第1および第2のカウンタ7、8の出力端子に接続された演算器、10は演算器9に接続されたメモリ、11は演算器9から生成される最終的な計数値に基づくパルス計数率を外部に出力する計数率出力端子、12はノイズ侵入時に演算器9から生成される警報を出力するための警報出力端子である。
【0005】
13、14はそれぞれ入力端子1に接続された第2、第3の波高弁別器であり、第2、第3の波高弁別器13、14の出力端子は、第1のカウンタ7に接続されている。
【0006】
次に、図5を参照しながら、従来のパルス信号検出装置の動作について説明する。
図5において、放射線監視装置などからパルス信号検出装置の入力端子1を介して検出されるパルス信号は、まず、第1の波高弁別器2に入力される。
【0007】
第1の波高弁別器2は、パルス信号から必要パルス波高値以下のパルスを除去する。これにより、パルス信号のうち、必要パルス高さの信号のみがパルス幅弁別器15および第2のカウンタ8に入力される。
【0008】
パルス幅弁別器15は、第1の波高弁別器2から入力される信号のうち、必要パルス幅以上の有害ノイズの信号のみを第1のカウンタ7に入力する。
一方、入力端子1から取り込まれたパルス信号は、第2および第3の波高弁別器13、14にも分岐されて入力される。
【0009】
第2の波高弁別器13は、パルス信号から必要パルス高さ以下のパルスを除去し、パルス信号のうち、必要パルス高さ以上の信号を弁別して有害ノイズとして第1のカウンタ7に入力する。
また、第3の波高弁別器14は、パルス信号のうち、入力パルスとは逆極性のパルスを有害ノイズの信号として第1のカウンタ7に入力する。
【0010】
これにより、第2のカウンタ8には、検出器からの全てのパルス信号が入力され、第2のカウンタ8により全パルス信号が計数される。
一方、第1のカウンタ7には、有害ノイズを示すパルスのみが入力され、第2のカウンタ8により有害ノイズのパルス信号が計数される。
【0011】
第1および第2のカウンタ7、8で計数されたパルスは、演算器9により処理され、演算器9は、処理結果に応じた検出情報を計数率出力端子11および警報出力端子12から出力する。
【0012】
次に、図6を参照しながら、図5に示した従来のパルス信号検出装置による演算処理動作について説明する。
図6は図5内の演算器9の動作(演算手順)を示すフローチャートである。
【0013】
図6において、演算器9は、まず、第1のカウンタ7による計数値N1と、第2のカウンタ8による計数値N2とを読み込み(ステップS1、S2)、第1のカウンタ7の計数値N1が任意の設定値A(有害ノイズの侵入判定基準値)よりも大きいか否かを判定する(ステップS3)。
【0014】
ステップS3において、N1≦A(すなわち、No)と判定されれば、演算器9は、有害ノイズが侵入してきていないものと判定し、第2のカウント8の計数値N2に基づいて全パルス信号の計数率を算出し、計数率出力端子11からパルス計数率の演算結果を出力すると同時に、第2のカウンタ8の計数値N2を前回計数値N2(t−1)としてメモリ10に格納し(ステップS4)、ステップS1に戻る。
【0015】
一方、ステップS3において、N1>A(すなわち、Tes)と判定されれば、演算器9は、有害ノイズが侵入したものと判定し、今回演算周期における第2のカウンタ8の計数値N2を使用せずに廃棄し、メモリ10に格納されている前回演算周期での計数値N2(t−1)を使用してパルス計数率の演算を行う。
【0016】
そして、前回計数値N2(t−1)から演算されたパルス計数率を、メモリ10に格納して出力端子11から出力するとともに、警報出力端子12から有害ノイズの侵入を示す警報を出力し(ステップS5)、ステップS1に戻る。
このように、パルス信号から有害ノイズを除去するとともに、有害ノイズ成分の侵入を判定している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従来のパルス信号検出装置は以上のように、パルス信号から有害ノイズを除去するとともに、有害ノイズ成分の侵入を判定することができるものの、ノイズ侵入時には必ず前回演算周期での計数値を用いているので、実際の検出器からのパルス信号に基づく計数値を用いてパルス計数率を出力することができず、十分な信頼性を達成することができないという問題点があった。
【0018】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、ノイズ侵入時には必ず前回演算周期での計数値を用いるのではなく、有害ノイズの侵入があった場合でも波高弁別器を介してノイズを除去したパルス信号の計数値に基づいてパルス計数率を演算することにより、信頼性の高い検出を可能にしたパルス信号検出装置を得ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るパルス信号検出装置は、検出器からのパルス信号を取り込む入力端子と、入力端子を介して取り込まれたパルス信号を一定周期毎に計数するカウンタ手段と、カウンタ手段からの最終的な計数値に基づいてパルス計数率を算出する演算器と、最終的な計数値を格納するメモリと、パルス計数率を外部に出力する計数率出力端子と、一定周期にパルス信号に侵入したノイズ信号を検出して有害ノイズの有無を判定する有害ノイズ判定手段と、有害ノイズの侵入状態が判定された場合に、ノイズ侵入状態を示す警報を外部に出力する警報出力端子と、入力端子とカウンタ手段との間に挿入されて正常なパルス信号のみを通過させるためのノイズ除去手段と、入力端子に接続された第1の波高弁別器とを備え、カウンタ手段は、ノイズ除去手段を介したパルス信号を計数する第1のカウンタと、第1の波高弁別器の出力端子に直接接続された第2のカウンタとを含み、ノイズ除去手段は、第1の波高弁別器の出力端子に接続されたパルス幅弁別器と、入力端子に接続された第2および第3の波高弁別器と、パルス幅弁別器の出力信号と第2および第3の波高弁別器の各出力信号との論理積演算結果を第1のカウンタに入力するアンド回路とを含み、演算器は、有害ノイズ判定手段を含み、第1および第2のカウンタの各計数値に基づいて有害ノイズの有無を判定するとともに、第1のカウンタの計数値に基づいて計数率を算出するものである。
【0021】
また、この発明に係るパルス信号検出装置の演算器は、第1および第2のカウンタの計数値差が第1の設定値を越えた場合に、警報を出力するとともに、第1のカウンタの今回計数値と前回計数値との計数値変化量を算出し、計数値変化量が第2の設定値以下の場合、または計数値差が第1の設定値以下の場合に、第1のカウンタの計数値から計数率を算出し、計数値変化量が第2の設定値を越えた場合に、第1のカウンタの前回計数値をメモリに格納するものである。
【0025】
また、この発明に係るパルス信号検出装置は、検出器からのパルス信号を取り込む入力端子と、入力端子を介して取り込まれたパルス信号を一定周期毎に計数するカウンタ手段と、カウンタ手段からの最終的な計数値に基づいてパルス計数率を算出する演算器と、最終的な計数値を格納するメモリと、パルス計数率を外部に出力する計数率出力端子と、一定周期にパルス信号に侵入したノイズ信号を検出して有害ノイズの有無を判定する有害ノイズ判定手段と、有害ノイズの侵入状態が判定された場合に、ノイズ侵入状態を示す警報を外部に出力する警報出力端子と、入力端子とカウンタ手段との間に挿入されて正常なパルス信号のみを通過させるためのノイズ除去手段と、入力端子に接続された第1の波高弁別器とを備え、カウンタ手段は、ノイズ除去手段を介したパルス信号を計数する第1のカウンタと、第1の波高弁別器の出力端子に直接接続された第2のカウンタとを含み、ノイズ除去手段は、第1の波高弁別器を通過したパルス信号の波形を1つずつ解析し、正常なパルス信号のみを通過させる単一のADコンバータにより構成されたものである。
【0026】
また、この発明に係るパルス信号検出装置のADコンバータは、有害ノイズの種類を識別するための波形情報を演算器に入力し、演算器は、波形情報に基づく有害ノイズの識別情報をメモリに格納するものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
【0028】
図1はこの発明の実施の形態1を示すブロック構成図であり、3〜5、7Aおよび9Aはそれぞれ前述(図5参照)の第2、第3の波高弁別器13、14、パルス幅弁別器15、第1のカウンタ7および演算器9に対応しており、1、2、8、10〜12は前述と同様のものである。
【0029】
図1において、6は第1のカウンタ7Aの入力側に挿入されたアンド回路であり、パルス幅弁別器5の出力信号と、第2および第3の波高弁別器3、4の出力信号との論理積をとって、その論理演算結果を第1のカウンタ7Aに入力する。
【0030】
この場合、第2、第3の波高弁別器3、4、パルス幅弁別器5およびアンド回路6は、ノイズ除去手段を構成しており、第1のカウンタ7Aには、正常なパルス信号のみが入力される。
【0031】
次に、図1を参照しながら、この発明の実施の形態1による動作について説明する。
まず、監視対象の検出器から入力端子1を介して取り込まれるパルス信号は、第1の波高弁別器2において必要パルス高さの信号のみが通過されて、第2のカウンタ8に入力される。
【0032】
また、入力端子1から取り込まれたパルス信号は、第2の波高弁別器3に分岐入力されて、必要パルス高さ以上の信号が有害ノイズとして除去され、正常の高さのパルス信号のみが通過してアンド回路6に入力される。
【0033】
さらに、入力端子1から取り込まれたパルス信号は、第3の波高弁別器4に分岐入力されて、入力パルスとは逆極性のパルスが有害ノイズとして除去され、入力パルスと同極性のパルス信号のみが通過してアンド回路6に入力される。
【0034】
一方、パルス幅弁別器5は、第1の波高弁別器2から出力されたパルス信号を入力信号とし、必要パルス幅以上のパルス信号を有害ノイズとして除去し、必要幅以内のパルス信号のみを通過させて、アンド回路6に入力する。
【0035】
こうして、パルス幅弁別器5からの出力信号、第2および第3の波高弁別器3、4からの出力信号は、全てアンド回路6に入力される。
アンド回路6は、上記出力信号の全てが揃った状態のみにおいて、「H」レベルの論理積演算結果を出力し、これを第1のカウンタ7Aに入力する。
【0036】
次に、図2を参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1による演算処理動作について説明する。
図2は図1内の演算器9Aの動作(演算手順)を示すフローチャートであり、S1およびS2は前述(図6参照)と同様の処理ステップである。
【0037】
図2において、演算器9Aは、まず、第1および第2のカウンタ7A、8の各計数値N1、N2を読み込み(ステップS1、S2)、第1のカウンタ7Aの計数値N1と第2のカウンタ8の計数値N2との差の絶対値C(=|N2−N1|)を算出する(ステップS11)。
【0038】
続いて、計数値差(絶対値)Cが任意の設定値K以下か否かを判定し(ステップS12)、C≦K(すなわち、Yea)と判定されれば、演算器9Aは、第1のカウンタ7Aの計数値N1と第2のカウンタの計数値N2との間に差がないものと見なす。
【0039】
したがって、有害ノイズの侵入はなかったものと判定し、計数値N1を用いてパルス計数率の演算を行うと同時に、今回演算周期の第1のカウンタ7Aの計数値N1を、次回演算周期に用いられる前回正常計数値N1(t−1)としてメモリ10に格納し(ステップS13)、ステップS1に戻る。
【0040】
一方、ステップS12において、C>K(すなわち、No)と判定されれば、演算器9Aは、第1のカウンタ7Aの計数値N1と第2のカウンタの計数値N2との間に設定値K(許容値)を越える差が発生したものと見なし、有害ノイズが侵入したものと判定する。
【0041】
したがって、有害ノイズの侵入状態を示す警報を警報出力端子12から外部に出力する(ステップS14)。
これにより、計数値差Cが設定値Kを越えた場合には、有害ノイズの侵入が外部に伝達される。
【0042】
続いて、今回演算周期で第2および第3の波高弁別器3、4、パルス幅弁別器5により有害ノイズが除去された計数値N1と、前回演算周期でメモリ10に格納されている前回正常計数値N1(t−1)との計数値差の絶対値|N1−N1(t−1)|が、任意の設定値B以下か否かを判定する(ステップS15)。
【0043】
ステップS14において、|N1−N1(t−1)|≦B(すなわち、Yes)と判定されれば、各弁別器3〜5により有害ノイズの除去が正しく行われているものと判定して、ステップS13に進み、今回の計数値N1を用いてパルス計数率の演算を行と同時に、今回演算周期の計数値N1を次回演算周期用の前回正常計数値N1(t−1)としてメモリ10に格納する。
【0044】
一方、ステップS15において、|N1−N1(t−1)|>B(すなわち、No)と判定されれば、有害ノイズが除去されたはずの計数値N1と前回正常計数値N1(t−1)との差が設定値B(許容値)を越えているので、演算器9Aは、ノイズ除去用の各弁別器3〜5を通過したノイズパルスが侵入したものと判定する。
【0045】
したがって、演算器9Aは、今回の計数値N1を廃棄し、前回正常計数値N1(t−1)を用いてパルス計数率の演算を行うと同時に、今回演算周期で使用したN1(t−1)の値を、次回演算周期用の前回正常計数値N1(t−1)としてメモリ10に再度格納し(ステップS16)、ステップS1に戻る。
【0046】
これにより、有害ノイズが侵入した場合においても、従来装置のように必ず前回演算周期値を用いるのではなく、条件によってはノイズが除去された今回演算周期値を使用することができるので、検出不能期間を短くして信頼性の高い検出頻度を多くすることができる。
【0047】
上記実施の形態1では、単にノイズが除去されたパルス信号を計数したが、図3に示すように、アンド回路6の入力情報を演算器9Bに入力して、有害ノイズに関する各種識別情報をメモリ10に格納するように構成してもよい。
【0048】
図3はこの発明の実施の形態1に関連した装置例を示すブロック構成図である。
図3において、9Bは前述(図1参照)の演算器9Aに対応しており、1〜8および10〜12は前述と同様のものである。
【0049】
図3に示すように、アンド回路6の入力情報は演算器9Bに入力されており、演算器9Bは、アンド回路6の入力情報(各弁別器3〜5の出力信号)に基づいて、有害ノイズの影響がどの弁別器に関連しているかを識別することができる。
【0050】
たとえば、演算器9Bは、アンド回路6の入力側から得られる有害ノイズの種類識別信号aに基づいて、第2の波高弁別器3の出力信号が得られなかったのか、第3の波高弁別器4の出力信号が得られなかったのか、パルス幅弁別器5の出力信号が得られなかったのかを識別する。
【0051】
また、演算器9Bは、識別情報を必要に応じてメモリ10に格納するとともに、識別情報を付加した警報を警報出力端子12から出力する。
これにより、ノイズ侵入後のノイズ発生要因の解析に供することができる。
【0052】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、各弁別器3〜5を用いてノイズを除去したが、図4に示すように、単一のADコンバータ16を用いて入力パルス波形を1つずつ解析し、所定の正常パルスのみを通過させるように構成してもよい。
【0053】
図4はこの発明の実施の形態2を示すブロック構成図である。
図4において、9Cは前述(図1、図3参照)の演算器9A、9Bに対応しており、1、2、7A、8および10〜12は前述と同様のものである。
【0054】
16は第1の波高弁別器2の出力端子に接続された単一のADコンバータであり、ADコンバータ16の一方の出力端子は第1のカウンタ7Aに接続され、ADコンバータ16の他方の出力端子は演算器9Cに接続されている。
【0055】
この場合、第2、第3の波高弁別器3、4、パルス幅弁別器5(図1、図3参照)およびアンド回路6(図3参照)は不要となり、簡易な回路で構成することができる。
【0056】
ADコンバータ16は、第1の波高弁別器2から出力されるパルス波形を1つずつ解析し、所定の正常パルスのみを通過させて第1のカウンタ7Aに入力するとともに、通過パルス信号の波形情報bを演算器9Cに入力する。
【0057】
演算器9Cは、ADコンバータの波形情報bに基づいて有害ノイズの種類を識別し、必要に応じて識別情報をメモリ10に格納するとともに、識別情報を付加した警報を警報出力端子12から出力する。
これにより、前述と同様にノイズ侵入後のノイズ発生要因の解析に供することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、検出器からのパルス信号を取り込む入力端子と、入力端子を介して取り込まれたパルス信号を一定周期毎に計数するカウンタ手段と、カウンタ手段からの最終的な計数値に基づいてパルス計数率を算出する演算器と、最終的な計数値を格納するメモリと、パルス計数率を外部に出力する計数率出力端子と、一定周期にパルス信号に侵入したノイズ信号を検出して有害ノイズの有無を判定する有害ノイズ判定手段と、有害ノイズの侵入状態が判定された場合に、ノイズ侵入状態を示す警報を外部に出力する警報出力端子と、入力端子とカウンタ手段との間に挿入されて正常なパルス信号のみを通過させるためのノイズ除去手段と、入力端子に接続された第1の波高弁別器とを備え、カウンタ手段は、ノイズ除去手段を介したパルス信号を計数する第1のカウンタと、第1の波高弁別器の出力端子に直接接続された第2のカウンタとを含み、ノイズ除去手段は、第1の波高弁別器の出力端子に接続されたパルス幅弁別器と、入力端子に接続された第2および第3の波高弁別器と、パルス幅弁別器の出力信号と第2および第3の波高弁別器の各出力信号との論理積演算結果を第1のカウンタに入力するアンド回路とを含み、演算器は、有害ノイズ判定手段を含み、第1および第2のカウンタの各計数値に基づいて有害ノイズの有無を判定するとともに、第1のカウンタの計数値に基づいて計数率を算出するようにしたので、有害ノイズの侵入があった場合でも、波高弁別器を介してノイズを除去したパルス信号の計数値に基づいてパルス計数率を演算し、信頼性の高い検出を可能にしたパルス信号検出装置が得られる効果がある。
【0060】
また、この発明によれば、第1および第2のカウンタの計数値差が第1の設定値を越えた場合に、警報を出力するとともに、第1のカウンタの今回計数値と前回計数値との計数値変化量を算出し、計数値変化量が第2の設定値以下の場合、または計数値差が第1の設定値以下の場合に、第1のカウンタの計数値から計数率を算出し、計数値変化量が第2の設定値を越えた場合に、第1のカウンタの前回計数値をメモリに格納するようにしたので、さらに信頼性を向上させたパルス信号検出装置が得られる効果がある。
【0064】
また、この発明によれば、検出器からのパルス信号を取り込む入力端子と、入力端子を介して取り込まれたパルス信号を一定周期毎に計数するカウンタ手段と、カウンタ手段からの最終的な計数値に基づいてパルス計数率を算出する演算器と、最終的な計数値を格納するメモリと、パルス計数率を外部に出力する計数率出力端子と、一定周期にパルス信号に侵入したノイズ信号を検出して有害ノイズの有無を判定する有害ノイズ判定手段と、有害ノイズの侵入状態が判定された場合に、ノイズ侵入状態を示す警報を外部に出力する警報出力端子と、入力端子とカウンタ手段との間に挿入されて正常なパルス信号のみを通過させるためのノイズ除去手段と、入力端子に接続された第1の波高弁別器とを備え、カウンタ手段は、ノイズ除去手段を介したパルス信号を計数する第1のカウンタと、第1の波高弁別器の出力端子に直接接続された第2のカウンタとを含み、ノイズ除去手段は、第1の波高弁別器を通過したパルス信号の波形を1つずつ解析し、正常なパルス信号のみを通過させる単一のADコンバータにより構成されたので、信頼性を向上させるとともに回路を簡略化したパルス信号検出装置が得られる効果がある。
【0065】
また、この発明に係るパルス信号検出装置のADコンバータは、有害ノイズの種類を識別するための波形情報を演算器に入力し、演算器は、波形情報に基づく有害ノイズの識別情報をメモリに格納するようにしたので、回路簡略化とともにノイズ発生要因の解析が可能なパルス信号検出装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示すブロック構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による演算器の動作を示すフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態1に関連した装置例を示すブロック構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態2を示すブロック構成図である。
【図5】 従来のパルス信号検出装置を示すブロック構成図である。
【図6】 従来のパルス信号検出装置による演算器の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 入力端子、2 第1の波高弁別器、3 第2の波高弁別器、4 第3の波高弁別器、5 パルス幅弁別器、6 アンド回路、7A 第1のカウンタ、8 第2のカウンタ、9A、9B、9C 演算器、10 メモリ、11 計数率出力端子、12 警報出力端子、16 ADコンバータ。

Claims (4)

  1. 検出器からのパルス信号を取り込む入力端子と、
    前記入力端子を介して取り込まれたパルス信号を一定周期毎に計数するカウンタ手段と、
    前記カウンタ手段からの最終的な計数値に基づいてパルス計数率を算出する演算器と、
    前記最終的な計数値を格納するメモリと、
    前記パルス計数率を外部に出力する計数率出力端子と、
    前記一定周期に前記パルス信号に侵入したノイズ信号を検出して有害ノイズの有無を判定する有害ノイズ判定手段と、
    前記有害ノイズの侵入状態が判定された場合に、ノイズ侵入状態を示す警報を外部に出力する警報出力端子と、
    前記入力端子と前記カウンタ手段との間に挿入されて正常なパルス信号のみを通過させるためのノイズ除去手段と、
    前記入力端子に接続された第1の波高弁別器とを備え、
    前記カウンタ手段は、
    前記ノイズ除去手段を介したパルス信号を計数する第1のカウンタと、
    前記第1の波高弁別器の出力端子に直接接続された第2のカウンタとを含み、
    前記ノイズ除去手段は、
    前記第1の波高弁別器の出力端子に接続されたパルス幅弁別器と、
    前記入力端子に接続された第2および第3の波高弁別器と、
    前記パルス幅弁別器の出力信号と前記第2および第3の波高弁別器の各出力信号との論理積演算結果を前記第1のカウンタに入力するアンド回路とを含み、
    前記演算器は、前記有害ノイズ判定手段を含み、前記第1および第2のカウンタの各計数値に基づいて前記有害ノイズの有無を判定するとともに、前記第1のカウンタの計数値に基づいて前記計数率を算出することを特徴とするパルス信号検出装置。
  2. 前記演算器は、
    前記第1および第2のカウンタの計数値差が第1の設定値を越えた場合に、前記警報を出力するとともに、前記第1のカウンタの今回計数値と前回計数値との計数値変化量を算出し、
    前記計数値変化量が第2の設定値以下の場合、または前記計数値差が前記第1の設定値以下の場合に、前記第1のカウンタの計数値から前記計数率を算出し、
    前記計数値変化量が前記第2の設定値を越えた場合に、前記第1のカウンタの前回計数値を前記メモリに格納することを特徴とする請求項1に記載のパルス信号検出装置。
  3. 検出器からのパルス信号を取り込む入力端子と、
    前記入力端子を介して取り込まれたパルス信号を一定周期毎に計数するカウンタ手段と、
    前記カウンタ手段からの最終的な計数値に基づいてパルス計数率を算出する演算器と、
    前記最終的な計数値を格納するメモリと、
    前記パルス計数率を外部に出力する計数率出力端子と、
    前記一定周期に前記パルス信号に侵入したノイズ信号を検出して有害ノイズの有無を判定する有害ノイズ判定手段と、
    前記有害ノイズの侵入状態が判定された場合に、ノイズ侵入状態を示す警報を外部に出力する警報出力端子と、
    前記入力端子と前記カウンタ手段との間に挿入されて正常なパルス信号のみを通過させるためのノイズ除去手段と、
    前記入力端子に接続された第1の波高弁別器とを備え、
    前記カウンタ手段は、
    前記ノイズ除去手段を介したパルス信号を計数する第1のカウンタと、
    前記第1の波高弁別器の出力端子に直接接続された第2のカウンタとを含み、
    前記ノイズ除去手段は、前記第1の波高弁別器を通過したパルス信号の波形を1つずつ解析し、正常なパルス信号のみを通過させる単一のADコンバータにより構成されたことを特徴とするパルス信号検出装置。
  4. 前記ADコンバータは、前記有害ノイズの種類を識別するための波形情報を前記演算器に入力し、
    前記演算器は、前記波形情報に基づく前記有害ノイズの識別情報を前記メモリに格納することを特徴とする請求項3に記載のパルス信号検出装置。
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