JP3762455B2 - 陶磁器の被膜形成方法 - Google Patents

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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/52Multiple coating or impregnating multiple coating or impregnating with the same composition or with compositions only differing in the concentration of the constituents, is classified as single coating or impregnation

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、陶器、磁器、せつ器等の陶磁器の表面に、従来の釉薬による被膜に代わるガラス層の被膜を形成する陶磁器の被膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の陶磁器においては、素地に釉薬をかけ、窯に入れて焼成することにより、素地表面に釉薬の被膜を形成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の釉薬による陶磁器の被膜形成方法においては、窯から出してみないと、どのように仕上がっているか分からないというように、釉薬の組成、素地の組成、焼成温度、冷却速度等の種々の条件の微妙な変化により、発色、光沢、肌理、透明性、欠陥(貫入・剥脱等)の有無等の仕上がりが大きく変化してしまうので、満足の行く仕上がりを安定して得ることは容易でないという問題があった。
【0004】
そこで、本出願人は、先に特願平7−117858号において、「陶磁器の素地にガラス粒を付着させ、しかる後に加熱して前記ガラス粒を溶融させることにより、前記素地上にガラス層からなる被膜を形成することを特徴とする陶磁器の被膜形成方法」を提案した。この先行出願の発明においては、釉薬により被膜を形成する代わりに、素地上に付着されたガラス粒を加熱し溶融させることにより素地表面上にガラス層からなる被膜を形成するので、極めて容易に、安定して所望の仕上がりを得ることができる。そして、この先行出願の発明においては、陶磁器の素地に接着剤によりガラス粒を付着させるようにすれば、素地にガラス粒を良好に付着させることができる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、素地にガラス粒を特に良好に接着して、素地からのガラス粒の剥落を防止でき、かつ接着剤が発色等の仕上がりに悪影響を与えないようにすることができ、極めて容易に、安定して所望の仕上がりを得ることができる陶磁器の被膜形成方法を提供することにある。
【0006】
本発明のさらに他の目的は以下の説明から明らかになろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発者は、さらに鋭意研究した結果、前記接着剤として水ガラス(珪酸ソーダ)を用いると、特に良い結果が得られることを見いだした。本発明による陶磁器の被膜形成方法は、この知見に基づいてなされたもので、陶磁器の素地に水ガラスによりガラス粒を接着し、しかる後に加熱して前記ガラス粒を溶融させることにより、前記素地上にガラス層からなる被膜を形成するものである。
【0008】
【作用】
本発明において接着剤として用いられる水ガラスは、耐熱性に優れているので、素地からのガラス粒の剥落を特に良好に防止することができる。
【0009】
また、水ガラス(水ガラスは最初から透明である)を用いれば、ガラス粒が加熱溶融されて素地表面上にガラス層の被膜を形成したとき、その発色等の仕上がりに悪影響を与えない。
【0010】
なお、本発明のようにして被膜形成を行う場合も、従来のように釉薬によって被膜を形成する場合と同様に下絵付けや上絵付けを行うことができるが、適当な色のガラス粒を、絵、文字、模様等の所望のパターンを形成するようにして素地に接着することにより、所望の色のガラス層からなる被膜で所望のパターンを形成することができる。また、この場合、素地に所望のパターンで水ガラスを塗布し、この水ガラスにガラス粒を付着させることにより、素地に前記パターンにてガラス粒を付着させてもよい。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。図1〜3は、本発明の一実施例を模式的に示したものである(全て模式的に示しているので、これらの図面におけるガラス粒3の大きさ、水ガラス層2および被膜4の厚さは、必ずしも実際の大きさに対応していない)。
【0012】
まず、図1のように、陶磁器の素地1の表面に、水ガラス2を塗布する。なお、前記素地1は、素焼きしたものであってもよいし、生素地であってもよい。また、素地1には予め下絵付けを行っておいてもよいし、下絵付けを行っておかなくてもよい。そして、下絵を付ける場合は、水ガラス2は透明性の高いものが好ましい。
【0013】
次に、図2のように、前記水ガラス2を介して素地1にガラスビーズのような丸味を帯びたガラス粒3を付着させる。
【0014】
次に、前記ガラス粒3を付着された素地1を窯(図示せず)に入れる等により加熱し、ガラス粒3を溶融させると、図3のように素地1表面に、従来の釉薬による被膜と同様の、ガラス層からなる被膜4が形成される。
【0015】
本発明においては、従来のように釉薬により表面被膜を形成する代わりに、素地1上に付着されたガラス粒3を加熱し溶融させることにより素地1表面上にガラス層からなる被膜4を形成するので、極めて容易に、安定して所望の仕上がりを得ることができる。
【0016】
そして、接着剤として用いられる水ガラスは、耐熱性に優れているので、素地1からのガラス粒3の剥落を特に良好に防止することができる。
【0017】
また、水ガラス(初めから透明)を用いれば、ガラス粒が加熱溶融されて素地表面上にガラス層の被膜を形成したとき、その発色等の仕上がりに悪影響を与えない。
【0018】
なお、既に述べたように、本発明による被膜形成を行う場合も、従来のように釉薬によって表面被膜を形成する場合と同様に、素地に下絵付けや上絵付けを行うことができるが、適当な色のガラス粒を、絵、文字、模様等の所望のパターンを形成するようにして素地に付着させることにより、所望の色のガラス層からなる被膜で所望のパターンを形成することができる。
【0019】
図4〜9は、このようにガラス粒によって所望のパターンを形成する場合の実施例を模式的に示している。
【0020】
図4および5は本実施例によって製作された完成状態の陶磁器を示しており、素地1の上面の中央側部分には第一の色(例えば白)の被膜4aが円形に形成される一方、素地1の残りの部分には第二の色(例えば青)の被膜4bが形成されている。
【0021】
図6〜9は、本実施例の作業工程を示している。まず、図6のように、陶磁器の素地1のうちの第二の色の被膜4bを形成すべき部分(上面の中央側部分以外の部分)に耐熱性の水ガラス2bを塗布し、続いて図7のように、この水ガラス2bの塗布部分に第二の色のガラス粒3bを付着させる。
【0022】
次に、図8のように、素地1のうちの第一の色の被膜4aを形成すべき部分(上面の中央側部分)に水ガラス2aを塗布し(この水ガラス2aは前記水ガラス2bと同種のものでよい)、続いて図9のように、この水ガラス2aの塗布部分に第一の色のガラス粒3aを付着させる。
【0023】
次に、前記のようにして第一の色のガラス粒3aおよび第二の色のガラス粒3bを接着された素地1を窯(図示せず)に入れる等により加熱し、ガラス粒3a,3bを溶融させると、図4および5のように素地1の上面の中央側部分に第一の色(例えば白)の被膜4aが円形に形成される一方、素地1の残りの部分に第二の色(例えば青)の被膜4bが形成される。
【0024】
なお、この実施例では、第一の色のガラス粒3aの層と、第二の色のガラス粒3bとが互いに重ねられていないが、本発明においては、ある色のガラス粒の層の上に他の色のガラス粒の層を重ねてもよい(例えば、第二の色のガラス粒3bを素地1の全面に付着させた後、素地1の上面の中央側部分においてのみ第二のガラス粒3bの層の上に第一の色のガラス粒3aの層を重ねて付着させてもよい)。
【0025】
また、前記各実施例では、丸味を帯びたガラス粒3,3a,3bを用いているが、本発明においては、丸味を帯びていないガラス粒を用いてもよい。ただし、前記各実施例のようにガラスビーズのような丸味を帯びたガラス粒を用いれば、ガラス粒を直接手で扱っても安全である。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明による陶磁器の被膜形成方法は、素地にガラス粒を特に良好に接着して、素地からのガラス粒の剥落を防止でき、かつ素地にガラス粒を接着する接着剤が発色等の仕上がりに悪影響を与えないようにすることができ、極めて容易に、安定して所望の仕上がりを得ることができる等の優れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例において素地に水ガラスを塗布した状態を模式的に示す断面図である。
【図2】 前記実施例において素地に水ガラスによりガラス粒を接着した状態を模式的に示す断面図である。
【図3】 前記実施例の完成状態を模式的に示す断面図である。
【図4】 本発明の他の実施例の完成状態を示す平面図である。
【図5】 図4のV−V線における断面図である。
【図6】 前記他の実施例において第二の色のガラス粒を接着するための水ガラスを素地に塗布した状態を模式的に示す断面図である。
【図7】 前記他の実施例において第二の色のガラス粒を接着した状態を模式的に示す断面図である。
【図8】 前記他の実施例において第一の色のガラス粒を接着するための水ガラスを素地に塗布した状態を模式的に示す断面図である。
【図9】 前記他の実施例において第一の色のガラス粒を接着した状態を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 素地
2,2a,2b ガラス
3 ガラス粒
3a 第一の色のガラス粒
3b 第二の色のガラス粒
4 被膜
4a 第一の色の被膜
4b 第二の色の被膜

Claims (2)

  1. 磁器の素地に水ガラスによりガラス粒を接着し、しかる後に加熱して前記ガラス粒を溶融させて被膜とすることにより、前記素地上に該素地を覆うガラス層からなる被膜を形成することを特徴とする陶磁器の被膜形成方法。
  2. 前記素地に所望のパターンで前記水ガラスを塗布し、この水ガラスに前記ガラス粒を付着させることにより、前記素地に前記ガラス粒を所望のパターンを形成するようにして接着する請求項記載の陶磁器の被膜形成方法。
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