JP3762012B2 - 表皮材と基材との一体成形品の製造装置 - Google Patents

表皮材と基材との一体成形品の製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表皮材と基材との一体成形品、例えば車両のインストルメントパネルを成形するための製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のインストルメントパネルは、表皮材の裏面に基材を接合した表皮材と基材との一体成形品であり、各種メータ類や各種警告灯等(以下「組付部材」という)を組付ける関係で開口や凹状断面を含む部材である。このインストルメントパネルは、室内の乗員が常に目にするものなのでシャープな形状にして意匠的に優れたものとすることが好ましい。
【0003】
この表皮材と基材との一体成形品の製造方法として、特開平3−262615号公報「自動車用内装部品の製造方法」が知られている。同公報の製造方法によれば、先ず表皮材を金型の成形面に真空吸着し、次に表皮材の裏面に溶融樹脂を注入し、次いで溶融樹脂を基材にプレス成形し、かつ基材と表皮材とを一体に接合してインストルメントパネルを製造する。続いて、インストルメントパネルを金型の成形面から離型して製造工程を完了する。
【0004】
このインストルメントパネルに前記組付部材を組付けた状態を説明する。
図15は従来のインストルメントパネルに組付部材を組付けた状態を示す断面図である。
インストルメントパネル100はメータ等の組付部材103を組付ける為の凹状断面部101を備え、且つこの凹状断面部101の底部に開口102を備える。開口102内に組付部材103の本体103aを組み込んで、凹状断面部101内に組付部材103のフランジ103bを押し込むことにより、インストルメントパネル100に組付部材103を組付ける。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、インストルメントパネル100の凹状断面部101は凸角部104や凹角部105が丸みをおびている。凹状断面部101を組付部材103のフランジ103bの形状に合せ難いので、組付部材103の組付け精度を高めることは困難である。また、インストルメントパネル100に組付部材103を組込んだとき、組付部材103の周辺にできる凸角部106のコーナ形状の半径Rが比較的大きくなり意匠的に外観上好ましくない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、表皮材と基材との一体成形品への組付部材の組付け精度を高めることができ、さらに、組付部材の周辺にできる表皮材と基材との一体成形品の凸角部をシャープな角形として表皮材と基材との一体成形品の外観を美観に優れたものとする技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1は、金型の一方の型の成形面に凸部を設け、この凸部で表皮材を凹状断面を含む形状に真空成形した後、他方の型から溶融樹脂を供給し、金型を型締めして表皮材の裏面に溶融樹脂を回し、表皮材と基材との一体成形品を得る表皮材と基材との一体成形品の製造装置において、この製造装置は、前記凸部の成形面に真空引き溝を備え、この凸部を貫通した成形品払出しのためのイジェクトピンを備え、このイジェクトピンと凸部との間に前記真空引き溝につながる排気通路を備え、これら凸部及びイジェクトピンを有する一方の型に前記排気通路につながる真空排気手段を備え、前記真空排気手段を駆動して前記凸部の成形面と表皮面との間の空気を、前記真空引き溝から前記排気通路に排気することで、前記凸部の成形面に前記表皮材を真空吸着して前記凹状断面を形成し、この凹部断面の内壁に前記真空引き溝でリブを形成することを特徴とする表皮材と基材との一体成形品の製造装置である。
【0008】
真空排気手段を駆動することにより、表皮材と雌型の成形面との間の空気を排気通路を介して排気し、雌型の成形面に表皮材を真空吸着する。このとき、表皮材と雌型の成形面との間の空気を真空引き溝→排気通路を介して十分に排気することができる。このため、表皮材を凸部の成形面に強力に吸引して、表皮材の凹状断面の凸角部及び凹角部のそれぞれの丸みを小さくし、凸角部及び凹角部をシャープな角状に成形することができる。特に、凹状断面の凸角部は最もシャープな角形が要求される部位であるが、この真空引き方法によれば容易にシャープな角形とすることができる。
また、真空吸着に使用する排気通路は、表皮材と基材との一体成形品を雌型の成形面から離型する離型手段の構成部材を兼用したものである。従って、真空吸着手段の構成を簡素化することができる。
【0009】
請求項2は、凸部の成形面に設けた真空引き溝を、凸部の稜線に沿って形成し且つ凸部の裾部近傍まで延長したものであることを特徴とする。
【0010】
真空引き溝を凸部の稜線に沿って形成したので、稜線に対応する位置の表皮材と基材との一体成形品の凹角部を真空引き溝で十分に吸引することができる。さらに、この真空引き溝は凸部の裾部近傍まで延びているので、表皮材と基材との一体成形品の表面近傍の凹角部の丸みを小さくして、この部位の凹角部をシャープな角状に成形することができる。特に、この凹角部は最も成形し難い部位であるが、この真空引き方法によれば容易にシャープな角状とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は自動車のインストルメントパネルの斜視図である。
表皮材と基材との一体成形品としてのインストルメントパネル1は、開口1a,1b,1cに図示しない各種メータ類、各種警告灯及び冷暖房用の空気吹出し口部等を組付ける部材であり、表皮材2の裏面に基材3を溶融接合した2層の一体成形品である。
【0012】
図2は図1の2−2線断面図である。
インストルメントパネル1の表皮材2は、例えばシート厚さt1が0.3〜0.6mm程度のポリプロピレンやポリ塩化ビニルであり、基材3は、例えば厚さt2が2.0mm程度のポリプロピレンに充填材(タルク)を加えたものである。尚、4は冷暖房用の空気吹出し口部5(図10参照)を組付ける凹状断面部であり、凹状断面部4に開口1cを備える。
【0013】
図3は図2に示すインストルメントパネルを簡略化した断面図であり、図2の位置から時計回り方向に90°回転した状態を示す。以下、この簡略化したインストルメントパネル1の断面を使用して本発明を説明する。なお、図2と同じ部材については同一符号を付す。
インストルメントパネル1は、成形品厚さがtであり、図2で説明したように凹状断面部4を備える。
【0014】
図4は本発明に係る表皮材と基材との一体成形品の製造装置(第1実施例)の正面図である。
表皮材と基材との一体成形品の製造装置10は、ベース11と、ベース11から立上げたコラム12…(…は複数個を示す。以下同様。)と、これらのコラム12…の上部に掛け渡したトッププレート13と、コラム12…に昇降可能に取り付けた昇降プレート14と、昇降プレート14の上面に固定した門型部材15と、門型部材15に連結して昇降プレート14を昇降するための小径シリンダ16と、小径シリンダ16を必要に応じて強く下方に押し出す大径シリンダ17と、昇降プレート14の下面に設けた一方の型としての雌型20と、ベース11の上面に設けた他方の型としての雄型21と、コラム12に昇降自在に支持した表皮材2の挟持部材23…と、挟持部材23…を上下方向に移動する移動手段としての挟持部材移動用シリンダ24…とからなる。雌型20と雄型21とで金型22を構成する。
尚、前記小径シリンダ16、大径シリンダ17、雌型20、雄型21及び挟持部材23については後述する。
【0015】
小径シリンダ16は金型22を型開き、型組みする際に雌型20を高速で上昇又は下降するもので、前記大径シリンダ17は金型を型締めする際に強い力で型締めするものである。すなわち、大径シリンダ17は、型締め時にピストンロッド17aに取り付けたクランプ爪18を閉じて小径シリンダ16とピストンロッド17aとを一体化し、大径シリンダ17を作動さて強い力で型締めする部材である。
【0016】
雌型20は、成形面20aに設けた凸部26と、凸部26の成形面26aに設けた真空引き溝27…(図5参照)とを設ける。この雌型20は、凸部26を貫通した成形品払出しのためのイジェクトピン28と、イジェクトピン28と凸部26との間に設けた真空引き溝27…につながる排気通路29(図5参照)と、排気通路29につながるチャンバ30と、チャンバ30に連結した真空排気手段としての真空ポンプ31と、チャンバ30内に設けてイジェクトピン28を軸方向に移動する押出し板32と、押出し板32をガイドするガイドロッド33…と、ガイドロッド33…に設けて押出し板32を復帰させる戻しばね34…と、押出し板32を押し出すノックアウトピン35とを備える。
【0017】
36は昇降プレート14に雌型20を取付けるための取付け板、37は取付け板36と雌型20の隙間をシールする第1シール部材、38は押出し板32と取付け板36との隙間をシールする第2シール部材である。また、39はノックアウトピンを昇降するノックアウトピン用シリンダである。
【0018】
雄型21は、成形面21aに設けた凹部42と、成形面21aに開口した溶融樹脂の射出口43とを設ける。この雄型21は、射出口43に連結した溶融樹脂供給機構44と、雄型21に摺動自在に取付けた第3シール部材45と、第3シール部材45を雌型20へ押圧する圧縮ばね46…とを備える。
【0019】
挟持部材23は、挟持部材移動用シリンダ24…のピストンロッド24a…先端に連結し且つ左右のコラム12…に昇降可能に取り付けたスライダ50…と、スライダ50…に固定した挟持用下クランプ51…と、挟持用下クランプ51…の上方に昇降自在に支持した挟持用上クランプ52…と、スライダ50…に取付けてピストンロッド53a…を挟持用上クランプ52…に連結した挟持用シリンダ53…とからなる。
すなわち、挟持部材23は、挟持用シリンダ53…のピストンロッド53a…を伸ばすことにより挟持用上クランプ52…が下降して挟持用上クランプ52…と挟持用下クランプ51…とで表皮材2を挟持する部材である。
【0020】
図5は図4の5部拡大図であり、雌型20の成形面20aに凸部26を形成し、凸部26の成形面26aに真空引き溝27…を設け、イジェクトピン28と凸部26との間に真空引き溝27…につながる排気通路29を設け、さらに排気通路29につながるチャンバ30を備え、真空引き溝27…が凸部26の裾部26bの近傍、すなわち、図8に示す表皮材2の凸角部4aのR止まり位置(表皮材2の凹状断面部4を形成する縦壁の開始点)27aまで延びた状態を示す。
【0021】
図6は図5の6矢視図であり、凸部26の成形面26aに形成した真空引き溝27…を示した図である。
凸部26は、先端部を略矩形状に形成し、壁部に4つの凸角部(以下、「稜線」という。)26c…(図11も参照)を備える。凸部26は先端部に略X字状に延長した真空引き溝27…を備え、この真空引き溝27…は稜線部26c…に沿って形成され且つ凸部26の裾部26bまで延長された溝である。
【0022】
次に、本発明に係る表皮材と基材との一体成形品の製造装置(第1実施例)の作用を説明する。
図7(a)〜(b)は本発明に係る表皮材と基材との一体成形品の製造装置(第1実施例)の第1作用説明図である。
(a)において、表皮材2を左右の挟持部材23,23で挟持し、この表皮材2を型開きした金型22内(雌型20と雄型21との間)に配置する。この場合、左右の挟持部材23,23を金型22の外側に配置したので左右の挟持部材23,23間の間隔L1を大きく設定することができる。従って、左右の挟持部材23,23で挟持した表皮材2の長さを大きく設定して、表皮材2の単位長さ当りの延びを小さく抑えることができる。
【0023】
(b)において、左右の挟持部材23,23を図示の位置(プレス成形位置)まで矢印▲1▼方向に下降して表皮材2を雄型21に被せる。この左右の挟持部材23,23を金型22から独立させたことにより、金型22の型締め速度よりゆっくり下降して表皮材2をゆっくり延ばすことができる。次に、雌型20を左右の挟持部材23,23と同様に矢印▲1▼方向に下降して型締めすることにより表皮材2を予備的にプレス成形する。
【0024】
図8(a)〜(b)は本発明に係る表皮材と基材との一体成形品の製造装置(第1実施例)の第2作用説明図である。
(a)において、真空ポンプ31を駆動しながら雌型20を矢印▲2▼方向に上昇する。真空ポンプ31の駆動により、表皮材2と雌型20の成形面20aとの間の空気を排気通路29→チャンバ30を介して排気し、雌型20の成形面20aに表皮材2を真空圧60Torrで真空吸着する。
【0025】
(b)において、表皮材2と雌型20の成形面20aとの間の空気を真空引き溝27…→排気通路29→チャンバ30を介して十分に排気することができる。この場合、真空引き溝27…は、表皮材2の凸角部4aのR止まり位置27aまで延長しているので、表皮材2を凸部26の成形面26aに強力に吸引することができる。従って、表皮材2に形成した凹状断面部4頂部の凸角部4aと凹状断面部4底部の凹角部4bとのそれぞれの丸みを小さくしてシャープな角状に成形する。特に、凹状断面部4の凸角部4aはシャープな角形を要求される部位であるが、この真空引き方法によれば容易にシャープな角形とすることができる。
また、図6に示すように真空引き溝27…は、稜線26c…に沿って形成されているので、凹状断面部4の凸角部4a同士が交差する表皮材2の表面近傍の凹角部4c(図13(b)参照)の丸みを小さくしてシャープな角形に成形することができる。特に、凹角部4cは最も成形し難い部位であるが、この真空引き方法によれば容易にシャープな角形とすることができる。
【0026】
図9(a)〜(b)は本発明に係る表皮材と基材との一体成形品の製造装置(第1実施例)の第3作用説明図である。
(a)において、前工程の真空吸着を継続しつつ、雌型20を矢印▲3▼方向に下降して雌型20を型締め位置より高い位置P1で停止する。この状態で、溶融樹脂供給機構44を駆動して、雄型21の成形面21aと表皮材2との間に溶融樹脂を注入する。
次に、雌型20を位置P1から型締め位置まで下降して、表皮材2の裏面に溶融樹脂を回して基材3を成形することにより図3に示すインストルメントパネル1(表皮材と基材との一体成形品)を得る。
【0027】
(b)において、雌型20を矢印▲4▼方向に上昇して型開きした後、ノックアウトピン用シリンダ39を作動してノックアウトピン35を矢印▲5▼方向に伸長する。従って、押出し板32が矢印▲5▼方向に下降してイジェクトピン28が矢印▲5▼方向に下降し、イジェクトピン28の先端部が凸部26の成形面26aから突出する。この結果、イジェクトピン28の先端部がインストルメントパネル1の凹状断面部4を押し下げることにより、雌型20の成形面20aに吸着していたインストルメントパネル1を雌型20の成形面20aから離型する。
【0028】
図10は本発明に係るインストルメントパネル(第1実施例)に空気吹出し口部を組付けた状態を示した断面図である。
インストルメントパネル1は凹状断面部4の底部に空気吹出し口部5を組付けるための開口1cを形成するので、図9(b)に示すイジェクトピン28で押圧した箇所を除去することになる。従って、インストルメントパネル1の美観を損うことはない。
【0029】
この凹状断面部4頂部の凸角部4aと凹状断面部4底部の凹角部4bとをシャープな角状に成形したので、凹状断面部4に空気吹出し口部5を組付けたとき、空気吹出し口部5とインストルメントパネル1との間の隙間6の幅W1を狭くしてインストルメントパネル1を外観的美観に優れたものとすることができる。
また、凹状断面部4の形状をシャープにすることにより、凹状断面部4を空気吹出し口部5のフランジ5aの形状に合せることができる。従って、空気吹出し口部5を凹状断面部4に高精度に組付けることができる。
さらに、真空引き溝27…を凸部26の稜線26c…に沿って形成したので、凹状断面部4の底部の谷間部を真空引き溝で吸引することになる。従って、真空引き溝27…で吸引した部位が僅かに突起しても、この突起部と空気吹出し口部5との干渉を防ぐことができるので、空気吹出し口部5を高精度に組付けることができる。
【0030】
次に、本発明に係る真空引き溝の第2実施例を説明する。
図11は本発明に係る雌型(第2実施例)を示す平面図であり、第1実施例と同一類似部材については同一符号を付して説明を省略する。
真空引き溝57…は、凸部26の成形面に裾部26bまで略十字状に延長したものである。第2実施例の場合も第1実施例と同様に凹状断面部4頂部の凸角部4aと凹状断面部4底部の凹角部4bとをシャープな角状に成形できる。
なお、26c…は図6で説明した稜線を示す。
【0031】
次いで、本発明に係る表皮材と基材との一体成形品の製造装置の第3実施例を説明する。
図12は本発明に係る雌型(第3実施例)を示す平面図であり、第1実施例と同一類似部材については同一符号を付して説明を省略する。
第3実施例は、真空引き溝60…を第1実施例と同様に成形面26aに略X字状に延長し、その先端部60a…を凸部26の裾部26bに到達する手前の位置まで延ばして裾部26bと先端部60aとの間に間隔L1を開けたことを特徴とする。
【0032】
図13(a)〜(b)は本発明に係る雌型(第3実施例)の作用説明図である。
(a)は、表皮材2を雌型20の凸部26に真空吸着するとき、例えば真空吸着時間を長くすることにより、表皮材2を真空引き溝60…内に吸着した状態を示す。この結果、凹状断面部4の内壁にリブ61…を形成する。
(b)は、凹状断面部4の内壁にリブ61…を形成し、リブ61の先端部61aからインストルメントパネル1の表面1aまでの距離(奥行寸法)をL1とした状態を示す。
【0033】
図14は本発明に係るインストルメントパネル(第3実施例)に空気吹出し口部を組込んだ状態を示す断面図である。
空気吹出し口部5のフランジ5aをリブ61…の先端部61a…に当てるだけで、空気吹出し口部5をインストルメントパネル1の凹状断面部4内の組込位置に高精度に組付けることができる。
【0034】
前記実施例では一方の型を雌型20、他方の型を雄型21とした場合を説明したが、一方の型を雄型、他方の型を雌型としてもよい。
真空排気手段として真空ポンプ31を使用した場合を説明したが、真空ポンプ31に代えてブロアやファンを使用してもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、真空排気手段を駆動することにより、表皮材と雌型の成形面との間の空気を排気通路を介して排気し、雌型の成形面に表皮材を真空吸着する。このとき、表皮材と雌型の成形面との間の空気を真空引き溝→排気通路を介して十分に排気することができる。このため、表皮材を凸部の成形面に強力に吸引して、表皮材の凹状断面の凸角部及び凹角部のそれぞれの丸みを小さくし、凸角部及び凹角部をシャープな角状に成形することができる。特に、凹状断面の凸角部は最もシャープな角形を要求される部位であるが、この真空引き方法によれば容易にシャープな角形とすることができる。
【0036】
この結果、インストルメントパネルと組付部材との間に生じる隙間を小さくしてインストルメントパネルの外観を美観に優れたものとすることができる。また、凹状断面の形状を表皮材と基材との一体成形品に組込む組付部材に合せることができるので、表皮材と基材との一体成形品への組付部材の組付け精度を高めることができる。
また、真空吸着に使用する排気通路は、表皮材と基材との一体成形品を雌型の成形面から離型する離型手段の構成部材を兼用したものである。従って、真空吸着手段の構成を簡素化することができる。
【0037】
請求項2は、真空引き溝を凸部の稜線に沿って形成したので、稜線に対応する位置の表皮材と基材との一体成形品の凹角部を真空引き溝で十分に吸引することができる。さらに、この真空引き溝は凸部の裾部近傍まで延びているので、表皮材と基材との一体成形品の表面近傍の凹角部の丸みを小さくして、この部位の凹角部をシャープな角状に成形することができる。特に、この凹角部は最も成形し難い部位であるが、この真空引き方法によれば容易にシャープな角状とすることができる。
【0038】
この結果、インストルメントパネルの凹状断面の形状を、表皮材と基材との一体成形品に組込む組付部材に合せることができるので、表皮材と基材との一体成形品への組付部材の組付け精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車のインストルメントパネルの斜視図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】図2に示すインストルメントパネルを簡略化した断面図
【図4】本発明に係る表皮材と基材との一体成形品の製造装置(第1実施例)の正面図
【図5】図4の5部拡大図
【図6】図5の6矢視図
【図7】本発明に係る表皮材と基材との一体成形品の製造装置(第1実施例)の第1作用説明図
【図8】本発明に係る表皮材と基材との一体成形品の製造装置(第1実施例)の第2作用説明図
【図9】本発明に係る表皮材と基材との一体成形品の製造装置(第1実施例)の第3作用説明図
【図10】本発明に係るインストルメントパネル(第1実施例)に空気吹出し口部を組付けた状態を示した断面図
【図11】本発明に係る雌型(第2実施例)を示す平面図
【図12】本発明に係る雌型(第3実施例)を示す平面図
【図13】本発明に係る雌型(第3実施例)の作用説明図
【図14】本発明に係るインストルメントパネル(第3実施例)に空気吹出し口部を組込んだ状態を示した断面図
【図15】従来のインストルメントパネルに組付部材を組付けた状態を示す断面図
【符号の説明】
1…表皮材と基材との一体成形品(インストルメントパネル)、2…表皮材、3…基材、4…凹状断面(凹状断面部)、10…表皮材と基材との一体成形品の製造装置、20a,21a,26a…成形面、20…一方の型(雌型)、21…他方の型(雄型)、22…金型、23…挟持部材、24…移動手段(挟持部材移動用シリンダ)、26…凸部、26b…裾部、26c…稜線、27…真空引き溝、27a…裾部近傍、28…イジェクトピン、29…排気通路、30…チャンバ、31…真空排気手段(真空ポンプ)、32…押出し板、33…ガイドロッド、34…戻しばね、35…ノックアウトピン。

Claims (2)

  1. 金型の一方の型の成形面に凸部を設け、この凸部で表皮材を凹状断面を含む形状に真空成形した後、他方の型から溶融樹脂を供給し、金型を型締めして表皮材の裏面に溶融樹脂を回し、表皮材と基材との一体成形品を得る表皮材と基材との一体成形品の製造装置において、
    この製造装置は、
    記凸部の成形面に真空引き溝を備え、この凸部を貫通した成形品払出しのためのイジェクトピンを備え、このイジェクトピンと凸部との間に前記真空引き溝につながる排気通路を備え、これら凸部及びイジェクトピンを有する一方の型に前記排気通路につながる真空排気手段を備え、
    前記真空排気手段を駆動して前記凸部の成形面と表皮面との間の空気を、前記真空引き溝から前記排気通路に排気することで、
    前記凸部の成形面に前記表皮材を真空吸着して前記凹状断面を形成し、この凹部断面の内壁に前記真空引き溝でリブを形成することを特徴とする表皮材と基材との一体成形品の製造装置。
  2. 前記凸部の成形面に設けた真空引き溝は、凸部の稜線に沿って形成し且つ凸部の裾部近傍まで延長したものであることを特徴とする請求項1記載の表皮材と基材との一体成形品の製造装置。
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