JP3761315B2 - 自動販売機の商品投入通路の構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動販売機の商品投入通路の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、缶商品を扱う自動販売機は図9、図10に示す構造とされている。
すなわち、自動販売機本体1の内部には搬送機能と収納機能とを兼ねた商品収納部2が左右および前後に複数列設けられ、これらの商品収納部2には商品3である缶の収納高さを小さくしたり、商品補充時の落下衝撃を和らげたりするために、商品収納搬送路4が蛇行状に形成されている。
【0003】
各商品収納部2の下端部には、収納した商品3を順次払い出す商品払出装置5が設けられている。この商品払出装置5は、下から2番目の商品3の落下を規制ストッパ7にて規制した状態で開閉フラッパ6を開けることにより、下端の商品3を下方に払い出すようになっている。
【0004】
自動販売機本体1の下部には商品取出口8が設けられ、商品払出装置5群の下方には、この商品払出装置5から払い出された商品3を商品取出口8に導くシュート9が設けられている。なお、商品取出口8とシュート9との境界部分には断熱扉10が設けられ、商品取出口8には取出口扉11が設けられている。
【0005】
また、各商品収納部2の上部には商品3を投入する商品投入口12がそれぞれ開口されているとともに、この商品投入口12と奥側の商品収納搬送路4の上端とを斜めに接続して傾斜導入経路13を形成する入口ガイド14が設けられている。
【0006】
この入口ガイド14は、奥側が斜め下方に少し傾斜する姿勢で配設され、商品収納搬送路4が奥側にある上方寄りのものほど長く形成されている。
また、各商品収納部2の下部にはそれぞれ出口部15が設けられ、出口部15には、商品払出装置5に対向して出口ガイド16が設けられている。
【0007】
商品投入口12から投入された商品3は、入口ガイド14上を転がりながら傾斜導入経路13を通った後、商品収納搬送路4内を蛇行しながら落下搬送されて供給される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に自動販売機は各種サイズの缶商品に対応出来るよう、入口ガイド14と商品収納搬送路4の幅が調整可能とされている。
【0009】
即ち、入口ガイド14は図11に示すように、本体フレーム18、18間にシャフト19により取り付けられており、商品3が転動していく基板14aの一側端に固定壁板14bが設けられ、この固定壁板14bに対面して缶商品3の長さに応じて平行間隔を調整可能な可動壁板14cが設けられている。
【0010】
そして缶商品3の種類に応じ可動案内板14cの位置を調節し、投入した缶商品3の姿勢が狂わずに転動していくようにされている。
ところで、販売対象が缶商品だけの場合はサイズの変化もそれほど大きくなく、可動壁板14cの位置調節により入口ガイド14の開口幅を適宜変更してもさしたる問題はなかったが、近年PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルなどの大型商品をも自動販売機で販売することが行なわれており、これら缶商品からPETボトルまで並列的に収納可能とした場合種々の問題が生じている。
【0011】
即ち、缶商品からPETボトルまでの商品を扱う場合、入口ガイド14の幅をPETボトルの長さから缶商品の長さまで大幅に変更可能にする必要があり、この結果、図12に示すように、例えば最大幅をPETボトル3P用に調整した入口ガイド14を缶商品3用に狭く調整すると、入口ガイド14の可動壁板14cと本体フレーム18との商品を投入できない部分14eの幅が大きくなり、この部分への例えば小型缶商品の誤投入を起こし易くなる。
【0012】
このような誤投入があると、商品が入り込んだ空間には商品払い出し口がないので缶商品を取り出す適当な手段がなくなり、結局商品収納部2を分解しなければ取り出せなくなる問題があった。
【0013】
この発明は上記問題を解決することを目的としてなされたものであって、大きさがかなり異なる商品に対応して、商品投入通路の幅を変更調整可能とした場合において、この変更調整によって商品投入通路外側にできる空間部への缶商品の誤投入を確実に防止することを目的としてなされたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、斜め下方に傾斜して商品を手前側から奥側に流しながら導入する傾斜導入経路と、この傾斜導入経路の奥端部にその上端が接続され、略下方向に延びるように配設された商品収納搬送路とを有し、かつ商品の大きさに応じて前記傾斜導入経路の側面および前記商品収納搬送路の一側面が幅方向に平行移動調節可能とされた自動販売機の商品投入通路において、前記傾斜導入経路において移動調整可能で、前記傾斜導入経路の底面に対して着脱自在である側面板と、前記商品収納搬送路において移動調整可能な可動仕切壁とを着脱自在に構成し、前記移動調節可能な側面の外側空間に、該空間の幅に対応して弾撥的に張り出す商品の誤投入防止ストッパを設け、この誤投入防止ストッパの基軸部を、前記傾斜導入経路において移動調節可能な側面板の外側面に回動自在に取り付け、この誤投入防止ストッパの取り付け姿勢は、この誤投入防止ストッパが前記側面板に収納される姿勢から商品が傾斜導入経路を流れる方向に抗して角度を広げるようにその先端部が弾撥的に張り出す姿勢であることを特徴とするものである。
【0015】
この構成により、傾斜導入経路の外側にできた空間部に缶商品を誤投入しても、ストッパにより確実に塞き止められ、また、塞き止め位置が投入口近傍であるので回収も容易となる。
【0016】
また、ストッパは、弾撥的に張り出すので、側面の幅方向の変更調整量が変化してもそれに対応して張り出し量が変化する
【0017】
また、商品投入通路の側面板は傾斜導入経路の底面に対して着脱自在とされているので、既設の自動販売機であっても、側面板だけ取り替えることにより実施が可能となる。
【0019】
求項の発明は、請求項1に記載の自動販売機の商品投入通路の構造における誤投入防止ストッパを付勢する弾性部材を、トーションばねとしたことを特徴とするものである。
【0020】
この構成により、ストッパ自体を弾性部材とすることができ、構造が簡略化されない部品点数となると同時に容積が小さくできて小型化が図れる。
請求項の発明は、請求項記載の自動販売機の商品投入通路の構造における誤投入防止ストッパが、移動調節可能な側面板の外側に立設固定した基軸部と、該基軸部より側面板外側に張り出す主アーム部と、該主アーム部先端から前記基軸部と平行になるよう折り返された当接部と、該当接部の下端から前記側面板方向へ前記当接部を中心として前記主アーム部に対し平面への投影面上での開き角を有して前記側面板方向へ折り返され、その先端が傾斜導入経路側へ折り返されたガイドアーム部と、該ガイドアーム部先端の折り返し片を受容する、前記側面板基部に形成された側面板長さ方向に連続するガイド溝とからなり、前記主アーム部とガイドアーム部との間に前記当接部を軸として開き勝手のねじり力を付与してなることを特徴とするものである。
【0021】
この構成によれば、ガイドアーム部による規制により誤投入防止ストッパが開ききってしまうのが防止でき、取り扱いが容易となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図8に基き説明する。
なお、従来の自動販売機と構造が共通する部分は、同じ符号を付し詳細な説明は省略する。
【0023】
図1に示すように、斜め下方に傾斜して商品3を導入する傾斜導入経路13の下面側には、入口ガイド21が設けられている。この入口ガイド21は、奥側が斜め下方に少し傾斜する姿勢で本体フレーム18、18間に配設され、複数の商品収納搬送路4のうちの奥側にある商品収納搬送路4に対応して上方側に配設されているものほど長く形成される。
【0024】
なお、図示例では、最上位の入口ガイド21が一本で形成されたものを示したが、手前側入口ガイドと奥側入口ガイドと2本に分割する場合もある。
この入口ガイド21には図2〜図8に示すように傾斜導入経路13の一側面をなす固定側壁部21aと、この固定側壁部21aに対し遠近方向に平行移動可能な可動側壁部21bが入口ガイドの底面21cに摺動自在に立設支持されている。
【0025】
なお、図1に示すように商品収納搬送路4にも可動仕切壁41が設けられ、対応する可動仕切壁41が接続部材41aで可動側壁部21bに着脱自在に接続され、共に一体となって平行移動自在とされている。
【0026】
各傾斜導入経路13の外側には、図2以下に示すように可動側壁部21bと本体フレーム18との間の外側空間Sに、弾撥的に張り出す誤投入防止ストッパ17が設けられている。
【0027】
この誤投入防止ストッパ17の取り付け面は図2に示すように可動側壁部21bの外側面に取り付ける場合と、図4に示すように本体フレーム面18に取り付ける場合とがある。
【0028】
可動側壁部21bに取り付ける場合は、誤投入防止ストッパ17は図2、図3に示すように、可動側壁部21b外側の軸受け22に立設固定した基軸部17aと、該基軸部17aより可動側壁部21b外側に張り出す主アーム部17bと、該主アーム部先端から前記基軸部17aと平行になるよう折り返された当接部17cとからなり、前記基軸部17aに前記アーム17bが開き勝手となる方向(矢印T)にねじり力が付与されている。
【0029】
なお、ねじり力は、基軸部17aに渦巻きばねや板ばねなどを組合わせることにより付勢できるが、基軸部17a自体にねじり応力を与えたトーションばねとすることもできる。
【0030】
この構成により、主アーム部17bは本体フレーム面18に当接部17cが当接するまでねじり弾性により開き、主アーム部17bで側面板21c外側と本体フレーム18との間の空間Sを塞ぐ。
【0031】
従って、この空間Sに商品を投入した場合、商品は主アーム部17bで塞き止められ内部へ入り込んでしまうのが防止されるのである。
また、主アーム部17bはねじり力で開方向に付勢されているので、可動側壁部21bを左右に平行移動しても対面する本体フレーム面18に当接した状態を維持する。
【0032】
なお、図2において図中21dは可動側壁部21bの摺動ガイドとなるスリット、21eは可動側壁部21bの位置決め用嵌合孔を示し、可動側壁部21bに設けた舌片21fを前記スリット21dに挿入した状態で平行移動させ、商品のサイズにあわせ可動側壁部21bに設けた係合片17g(図6参照)を嵌合孔21eに嵌合させることによって、可動側壁部21bを位置決めするように構成されている。
【0033】
図4は、誤投入防止ストッパ17を本体フレーム18側に取り付けた形態を示す。なお、この実施の形態は、誤投入防止ストッパ17の取り付け部が可動側壁21bか本体フレーム面18かが異なるだけで、その他は図2に示した実施の形態と同じであるので同一符号を付すだけで詳細な説明は省略する。
【0034】
図5はトーションばねを用いた他の実施の形態の平面図、図6は同側面図、図7は同正面図、図8は同斜視図である。
この場合の誤投入防止ストッパ17は、可動側壁部21bの外側に立設固定した基軸部17aと、該基軸部17aより本体フレーム18方向へ張り出す主アーム部17bと、該主アーム部17b先端から前記基軸部17aと平行になるよう折り返された当接部17cと、該当接部17cの下端から前記本体フレーム18方向へ、前記当接部17cを中心として図5に示すように前記主アーム部17bに対し平面投影面上での開き角θを有して前記方向へ折り返され、その先端が底面部21c方向へ折り返されたガイドアーム部17dと、該ガイドアーム部17d先端の折り返し片17eを受容する、前記可動壁板21b基部に形成された可動壁板21bの側面板長さ方向に連続するガイド溝17fとからなり、前記主アーム部17bとガイドアーム部17dとの間に前記当接部17cを軸として開き勝手のねじり力を付与して取り付けられている。
【0035】
上記開き勝手のねじり力は、図5の1点鎖線で示すように無負荷では主アーム部17bに対し開いているガイドアーム17dを強制的に閉じ、折り返し片17eをガイド溝17fに係合させることによって付与される。
【0036】
このように取り付けた場合、基軸部17aは固定されている一方、ガイドアーム部17dの折り返し部17eはガイド溝17fに沿って移動可能であるので、上記ひねり力によって折り返し部17eはガイド溝17fの他端側へ移動しようとする力が生じ、この力が開き勝手の付勢力となる。
【0037】
このため、本体フレーム面18への距離に応じ、ガイドアーム部17bは開き勝手の付勢力を保ちながら本体フレーム面18に接する。
この実施の形態の場合、主アーム部17bの開き角αがガイド溝17fに先端17eを受容させたガイドアーム部17dにより制限されるため、可動壁板21bと本体フレーム面18の間の距離が図示のように主アーム部17bの延出幅を越えても主アーム部17bが開ききってしまうことがない。
【0038】
従って、図1〜図4に示した実施の形態のように、側面板21cの平行移動量を主アーム部17bの長さを超えないように注意する必要がないので作業性が良くなる。
【0039】
なお、上記実施の形態として、誤投入防止ストッパ17を側面板21cに設けた場合を示したが図4の実施の形態と同様本体フレーム面18に設けても良い。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、商品の大きさに合わせて側面板を平行移動させた際、傾斜導入経路の外側にできる空間がその空間の広さに応じて張り出す誤投入防止ストッパにより閉じられるので、商品投入口近傍の取り出し易い位置で確実に商品の誤投入が防止できる。
【0041】
また、請求項の発明によれば、上記効果の他、既設の自動販売機であっても、側面板だけ取り替えることにより商品の誤投入が防止可能となり、安価に実施可能となる。
【0043】
請求項の発明によれば、上記効果の他、ストッパ自体を弾性部材とすることができ、弾性部材のための容積が不要となりその分装置が小さくできて小型化が図れる。
【0044】
請求項の発明によれば、上記効果の他、ガイドアーム部による規制により誤投入防止ストッパが開ききってしまうのが防止でき、側面板の平行移動調整の際に誤投入防止ストッパのアームの長さと移動間隔に注意を払う必要がなく取り扱いが容易となるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる自動販売機の商品収納部上部を示す側面図である。
【図2】同自動販売機の商品投入通路の構造を示す平面図である。
【図3】同自動販売機の商品投入通路の構造を示す正面図である。
【図4】同自動販売機の他の商品投入通路の構造を示す平面図である。
【図5】同自動販売機のさらに他の商品投入通路の構造を示す平面図である。
【図6】図5の左側面図である。
【図7】図5の正面図である。
【図8】商品投入通路の構造を示す斜視図である。
【図9】従来の自動販売機の部分切欠側面図である。
【図10】同従来の自動販売機の商品収納部の側面図である。
【図11】自動販売機の従来の商品投入通路の説明断面図である。
【図12】自動販売機の従来の商品投入通路の説明正面図である。
【符号の説明】
2 商品収納部
3 商品
4 商品収納搬送路
13 傾斜導入経路
17 誤投入防止ストッパ
18 本体フレーム面
21 入口ガイド
21a 固定側壁部
21b 可動側壁部
21c 入口ガイドの底面
17a 基軸部
17b 主アーム部
17c 当接部
17d ガイドアーム部
17e 折り返し片
17f ガイド溝
θ 平面投影面上での開き角
S 外側空間

Claims (3)

  1. 斜め下方に傾斜して商品を手前側から奥側に流しながら導入する傾斜導入経路と、この傾斜導入経路の奥端部にその上端が接続され、略下方向に延びるように配設された商品収納搬送路とを有し、かつ商品の大きさに応じて前記傾斜導入経路の側面および前記商品収納搬送路の一側面が幅方向に平行移動調節可能とされた自動販売機の商品投入通路において、前記傾斜導入経路において移動調整可能で、前記傾斜導入経路の底面に対して着脱自在である側面板と、前記商品収納搬送路において移動調整可能な可動仕切壁とを着脱自在に構成し、前記移動調節可能な側面の外側空間に、該空間の幅に対応して弾撥的に張り出す商品の誤投入防止ストッパを設け、この誤投入防止ストッパの基軸部を、前記傾斜導入経路において移動調節可能な側面板の外側面に回動自在に取り付け、この誤投入防止ストッパの取り付け姿勢は、この誤投入防止ストッパが前記側面板に収納される姿勢から商品が傾斜導入経路を流れる方向に抗して角度を広げるようにその先端部が弾撥的に張り出す姿勢であることを特徴とする自動販売機の商品投入通路の構造。
  2. 傾斜導入経路の外側へ誤投入防止ストッパを弾撥的に張り出させる弾性部材がトーションばねであることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機の商品投入通路の構造。
  3. 誤投入防止ストッパが、移動調節可能な側面板の外側に立設固定した基軸部と、該基軸部より側面板外側に張り出す主アーム部と、該主アーム部先端から前記基軸部と平行になるよう折り返された当接部と、該当接部の下端から前記側面板方向へ前記当接部を中心として前記主アーム部に対し平面への投影面上での開き角を有して前記側面板方向へ折り返され、その先端が傾斜導入経路側へ折り返されたガイドアーム部と、該ガイドアーム部先端の折り返し片を受容する、前記側面板基部に形成された側面板長さ方向に連続するガイド溝とからなり、前記主アーム部とガイドアーム部との間に前記当接部を軸として開き勝手のねじり力を付与してなることを特徴とする請求項に記載の自動販売機の商品投入通路の構造。
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