JP3759012B2 - コンクリートホース地上接続装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリートポンプ車からのコンクリート輸送を行なうコンクリート輸送ホースと、コンクリート打設のためのコンクリート打設ホースとを接続し、コンクリートの打設位置の変更を迅速に行なえるコンクリートホース地上接続装置に関する。
【0002】
【従来技術】
コンクリートポンプ車は、例えば多関節アームの先端から延びるコンクリート輸送を行なうためのコンクリート輸送ホースを用いてコンクリート打設場所にコンクリートを供給する。
【0003】
そして、コンクリート輸送ホースにはコンクリート打設ホースを接続してコンクリートの打設を行うのが一般的で、例えば深い穴にコンクリートを打設する場合、前記コンクリート打設ホースを該穴に挿入してコンクリートの打設作業を行なっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような深穴へのコンクリート打設作業において、コンクリートの打設高さは挿入されるコンクリート打設ホースの下端となるようにしている。そのため、コンクリート打設ホースの高さ調節は、コンクリートポンプ車のアームを傾動させて吊り下げられたコンクリート打設ホースを上下に移動させることで行なっていた。
【0005】
しかしながら、このようなコンクリート打設ホースの高さ調節をコンクリートポンプ車のアーム駆動で行なうと、微妙な調節が難しく手間のかかる作業となっていた。
【0006】
また、コンクリート打設位置を変更する場合、コンクリートポンプ車のアームを駆動してコンクリート打設ホースを吊り上げて次の穴にコンクリート打設ホースを所定のコンクリート打設高さまで挿入する必要があるため、手間のかかる作業となっていた。
【0007】
本出願に係る発明の第1の目的は、コンクリート輸送ホースに接続されているコンクリート打設ホースの高さ調節を容易に行なえるコンクリートホース地上接続装置を提供しようとするものである。
【0008】
また、本出願に係る発明の第2の目的は、コンクリート輸送ホースに接続されているコンクリート打設ホースのコンクリート打設位置を容易に変更できるコンクリートホース地上接続装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の目的を実現するコンクリートホース地上接続装置は、基台と、前記基台に取り付けられ、前後方向に沿って細長く形成されたホース保持枠と、前記ホース保持枠の上面に設けられ、前後方向に移動可能な移動台と、前記移動台を前後方向に移動させる移動機構とを有し、前記ホース保持枠は前部が略4分の1円弧形状に形成され、コンクリート打設用ホースが滑動自在に内部に挿通されると共に、略90度の角度に屈曲させて下方に垂らすホース滑動枠部を有しており、前記移動台には前記ホース滑動部に挿通されるコンクリート打設用ホースの一端部側が固定されると共に、前記コンクリート打設用ホースの一端部と接続されるコンクリートポンプ車からのコンクリート輸送ホースが固定され、前記移動台を前後方向に移動させることにより前記コンクリート打設用ホースを前記ホース保持枠に対して直進移動させることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の目的を実現するコンクリートホース地上接続装置は、前記ホース保持枠は前記基台に対して旋回可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1から図6は本発明の実施の形態を示す。
【0013】
図1は本発明によるコンクリートホース地上接続装置の正面図、図2は図1の平面図、図3は図1の基台のみを示す平面図、図4は図1の右側面図、図5は図1のAA矢視図、図6は図5の拡大図を示す。
【0014】
図1から図3において、本実施の形態のコンクリートホース地上接続装置は、基台Aの上面に旋回軸支持台Bが固定され、この旋回軸支持台Bには旋回軸B1が上下方向に沿って固定されていて、ホース保持枠Cが旋回軸B1に旋回可能に取り付けられている。そして、ホース保持枠Cの上面には、コンクリート輸送ホースH1とコンクリート打設ホースH2との接合部の前後を固定した移動台Dが前後方向(図中左右方向)に移動可能に取り付けられている。
【0015】
コンクリート打設ホースH2によりコンクリートが打設される打設・充填場所としては、例えば打設口が少なく、上下面が閉塞された空間・箇所が挙げられる。
【0016】
そして、コンクリートポンプ車が来る前に、本発明の装置をコンクリート打設場所に予め用意し、コンクリート打設パイプにコンクリートポンプ車からのコンクリート輸送パイプを接続することでコンクリートの打設準備が完了する。
【0017】
基台Aの構成
基台Aは、基台本体A1にキャスター付の4本の主脚A2が取り付けられ、さらに前後(図中左右方向)には開脚式の基台固定用脚A3が取り付けられ、図4に示すように、開いた状態でアジャストボルトを調節することにより本装置全体の荷重を担持するようになっている。
【0018】
旋回軸支持台B
旋回軸支持台Bは、上記した基台Aに固定されているが、基台Aに対して前後方向に移動可能に取り付けても良い。
【0019】
ホース保持枠Cの構成
ホース保持枠Cは、前後方向に細長い水平枠体C1の前部に略1/4円状の弧状のホース滑動枠部C2が形成されている。ホース滑動枠部C2は、内径枠体C3と外径枠体C4にローラC5がそれぞれ略対向して回転自在に複数設けられており、これらのローラC5は対向するローラ間に挿通されるコンクリート打設用ホースH2の外径形状に合わせて中央部が窪んだ凹面形状に形成されている。
【0020】
したがって、このホース滑動枠部C2内に挿通されたコンクリート打設ホースH2は、後端部側から水平方向後方に引っ張られると滑らかに後方に移動し、打設口内に挿入されている先端部が上方に移動する。
【0021】
また、水平枠体C1は、基台Aの後端よりも後方にはみ出るように延びており、移動台Dが充分な長さに渡って後方に移動できる、すなわちコンクリート打設ホースH2が充分に上方に引き上げられることができるようにしている。
【0022】
移動台Dの構成
移動台Dは、図5及び図6に示すように、台本体D1の両側に回転軸を水平方向とする上下一対のコロD2-1を前後に設けると共に、その間に回転軸を上下方向とする一つのコロD2-2をそれぞれ設けており、水平枠体C1の上面に設けた左右のレールC6に対して上下一対のコロD2-1は上下面を挟持し、またコロD2−2は内面に当接する。
【0023】
したがって、移動台Dは、水平枠体C1の上面を前後方向に移動するが、左右方向及び前後方向に傾動することはない。
【0024】
また、コンクリート輸送ホースH1とコンクリート打設ホースH2とはUバンドなどで台本体D1に固定されており、コンクリート輸送ホースH1とコンクリート打設ホースH2との接合部の前後が台本体D1に固定されている。
【0025】
水平枠体C1の前後部に設けられたスプロケットD3-1、D3-2に無端状のチェーンD4が掛け回され、このチェーンD4の一部に台本体D1が固定されている。また、水平枠体C1にはウインチD5が取り付けられ、ウインチD5の駆動ギアには無端状のチェーンD4が噛みあわされていて、ウインチD5のハンドルを左方向に回転すると、チェーンD4の左方向への移動に伴って台本体D1が左方向に移動し、コンクリート輸送ホースH1と共にコンクリート打設ホースH2が左方向に移動してコンクリート打設ホースH2が引き上げられる。
【0026】
また、ウインチD5のハンドルを右方向に回転すると、チェーンD4の右方向への移動に伴って台本体D1が右方向に移動し、コンクリート打設ホースH2をコンクリート輸送ホースと共に右方向へ移動させてコンクリート打設ホースH2の先端を打設口まで降ろすことができる。
【0027】
なお、移動台Dを水平枠体Cの上面の任意の位置に固定するためのストッパーを設けて移動台Dの移動を阻止する必要があり、このストッパーとしては、例えば水平枠体CにチェーンD4を把持するクランパーとすることができ、また移動台Dを水平枠体Cにクランパーにより把持固定するもの等が用いられる。
【0028】
ウインチD5のハンドルを左回転させてコンクリート打設ホースH2を引き上げ、次のコンクリート打設穴にコンクリート打設ホースH2を挿入する際、該コンクリート打設穴の位置が近い場合には、水平枠体Cを旋回軸B1を中心として旋回させることにより、所望するコンクリート打設穴の位置にコンクリート打設ホースを移動させることができる。その際、水平枠体Cを不図示のストッパーにより旋回台Bに任意の旋回角度を保持して固定される。
【0029】
なお、ウインチD5は地上より高い位置、例えば約1.7m程度の高さに設定しているので、作業用の足場D6を設けている。
【0030】
また、コンクリートホース地上接続装置を移動させる場合には、基台固定用脚A3を閉じて4本の主脚A2にそれぞれ取り付けたキャスターを地面に付け、例えば数人の作業者で押して移動させることができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、コンクリートポンプ車のコンクリート輸送ホースにコンクリート打設用ホースを接続するだけでよく、打設場所までコンクリート輸送ホースを配管する必要がなく、特に移動機構を動かして移動台を直進移動させることでコンクリート打設パイプの先端が上下方向に移動するので、コンクリートの打設位置の調整を容易に行なうことができ、また広範囲へのコンクリート打設が可能となる。
【0032】
また、コンクリートの打設中にコンクリート打設パイプを上下に昇降させることができるので、コンクリートの打ち上がり面に打設ホースの先端を追随させることができ、コンクリートの落下がなく、材料分離がないコンクリートの打設が可能となる。
【0033】
また、ホース保持枠を旋回させるだけでコンクリート打設ホースが挿入される位置を容易に変更することができ、特に打設口が少なく上下面が閉塞された空間、箇所へのコンクリートの打設、充填に適している。
【0034】
さらに、脚部の車輪により数名の作業者で装置の移動が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すコンクリートホース地上接続装置の正面図
【図2】図1の平面図
【図3】図1の基台のみを示す平面図
【図4】図1の右側面図
【図5】図1のAA矢視図
【図6】図5の拡大図
【符号の説明】
A 基台
A1 基台本体
A2 主脚
A3 基台固定用脚
B 旋回軸支持台
B1 旋回軸
C ホース保持枠
C1 水平枠体
C2 ホース滑動枠部
C3 内径枠体
C4 外径枠体
C5 ローラ
C6 レール
D 移動台
D1 台本体
D2-1、D2-2 コロ
D3-1、D3-2 スプロケット
D4 チェーン
D5 ウインチ
D6 作業用の足場
H1コンクリート輸送ホース
H2 コンクリート打設ホース

Claims (3)

  1. 基台と、前記基台に取り付けられ、前後方向に沿って細長く形成されたホース保持枠と、前記ホース保持枠の上面に設けられ、前後方向に移動可能な移動台と、前記移動台を前後方向に移動させる移動機構とを有し、前記ホース保持枠は前部が略4分の1円弧形状に形成され、コンクリート打設用ホースが滑動自在に内部に挿通されると共に、略90度の角度に屈曲させて下方に垂らすホース滑動枠部を有しており、前記移動台には前記ホース滑動部に挿通されるコンクリート打設用ホースの一端部側が固定されると共に、前記コンクリート打設用ホースの一端部と接続されるコンクリートポンプ車からのコンクリート輸送ホースが固定され、前記移動台を前後方向に移動させることにより前記コンクリート打設用ホースを前記ホース保持枠に対して直進移動させることを特徴とするコンクリートホース地上接続装置。
  2. 前記ホース保持枠は前記基台に対して旋回可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートホース地上接続装置。
  3. 前記基台は移動用の車輪が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のコンクリートホース地上接続装置。
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