JP3758144B2 - 磁気低減装置およびその方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建造物の周辺の外部空間に配置された磁気発生源から磁気が発生している場合に、建造物の内部空間の磁気を低減するための磁気低減装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建造物の周辺の外部空間に、送電線,配電線および鉄道の電力線など磁気発生源が配置されていると、建造物の外部空間と内部空間には、交流磁気または直流磁気などが分布することになる。
図8は、送電線15から発生している磁気の分布D1を示す従来技術の説明図である。
図8に示すように、建造物10の内部にテレビなど電気・電子機器13が配置されていると、建造物10の周辺の外部空間14に配置された送電線15から発生している磁気Mの影響により、テレビ画面の表示などが障害を受けることがある。
この障害を防止する対策として、従来は、建造物10の外壁など所定個所に磁気遮蔽材1を設けたり、電気・電子機器13の周辺などに磁気遮蔽材2を設けたりして、直接磁気Mを遮蔽するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、送電線15と電気・電子機器13とを結ぶ直線N上の空間(たとえば、建造物10の外壁や内部空間12)に磁気遮蔽材1,2などを配置し、これら磁気遮蔽材1,2により直接磁気Mの遮蔽を行う場合には、下記のような各種課題があった。
建造物10の所定個所や建造物内部に磁気遮蔽材1,2を個別に設けて磁気Mを遮蔽する場合、磁気遮蔽材1,2を取付けるための工事を建造物10の建設工事と並行して行う必要もあるので、磁気遮蔽材1,2の工事が困難で工事期間も長くなっていた。
ところで、建造物10の外壁,内部の床,仕切り壁などには多くの開口部がある。したがって、建造物10の外壁や内部に磁気遮蔽材1を隙間なく連続的に取付けることはできず、磁気遮蔽材1が磁気Mを遮蔽する性能を十分に発揮するのは困難であった。
一方、電気・電子機器類の周囲を磁気遮蔽材2で囲って個別に遮蔽する場合には、磁気遮蔽効果は局部的なので、電気・電子機器ごとの工事が面倒であった。また、電気・電子機器13を移動させるたびに磁気の遮蔽のための対策を新たに行わなければならず極めて煩雑であった。
【0004】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、建造物とその内部で直接磁気遮蔽対策を行わなくとも、建造物の内部空間の磁気を低減することができる磁気低減装置およびその方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明にかかる磁気低減装置は、磁気の影響を受ける可能性のある電気・電子機器が内部空間に配置された建造物のこの内部空間における磁気を低減する磁気低減装置であって、前記建造物の周辺の外部空間に配置された磁気発生源から発生している磁気を、前記建造物の屋外で且つ前記磁気発生源の下方と前記建造物との間でしかも前記磁気発生源と前記電気・電子機器とを結んだ直線上以外の所定の設置領域に配置された磁気吸引手段で引き寄せて、前記磁気の分布を変形させることによって前記電気・電子機器が設置されている場所の磁気を低減する。
たとえば、前記磁気発生源は、前記建造物が建設された敷地内の上方空間または敷地外の上方空間に架設された送電線である。
前記磁気吸引手段は、前記所定の設置領域で少なくとも横方向に設けられた磁気吸引材であるのが好ましい。
また、前記磁気吸引材は、前記地盤面,地盤面近傍の地上もしくは地中,または地上空間のいずれかの前記設置領域に設けられているのが好ましい。
他の実施態様として、前記磁気吸引手段は、前記建造物の屋外に設けられた側面構造体の全部または一部により構成され縦方向に設けられた磁気吸引材であるのが好ましい。
また、前記磁気吸引材は、各所定の設置領域でそれぞれ必要とされる磁気吸引機能に応じて複数のブロックに分割されていてもよい。
たとえば、前記電気・電子機器が設置されている場所の磁気は、この電気・電子機器が正常に作動する所定の閾値以下に低減されている。
本発明にかかる磁気低減方法は、磁気の影響を受ける電気・電子機器が内部空間に配置された建造物のこの内部空間における磁気を低減する磁気低減方法であって、前記建造物の周辺の外部空間に配置された磁気発生源から発生している磁気を、前記建造物の屋外で且つ前記磁気発生源の下方と前記建造物との間でしかも前記磁気発生源と前記電気・電子機器とを結んだ直線上以外の所定の設置領域に配置された磁気吸引手段で引き寄せて、前記磁気の分布を変形させることによって前記電気・電子機器が設置されている場所の磁気を低減する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる実施の形態の一例を、図1ないし図7を参照して説明する。
図1は、送電線から発生している磁気の分布を示す本発明の説明図である。図1に示すように、地盤面11上に建設された建造物10は、集合住宅(または、一戸建て住宅),事務所ビル,ホテルなどであり、建造物10の内部空間12には、磁気Mの影響を受ける可能性のある一台または複数台の電気・電子機器13が配置されている。
この電気・電子機器13の一例としては、テレビやラジオなど家庭電気機器,電子顕微鏡,医療機器,精密機械などがある。建造物10の周辺の外部空間14には、磁気Mを発生する磁気発生源としての高電圧の送電線15が配置されている。
送電線15は、建造物10が建設された敷地内の上方空間または敷地外の上方空間に架設されている。磁気発生源としては、送電線(鉄道の電力線も含む)15のほか配電線などがあり、また、磁気Mは交流磁気のほか直流磁気であってもよい。
【0007】
ところで、導体(ここでは、送電線15)に電流I(A:アンペア)が流れているとき、微小部分dlの電流によって、電流の向きと角度θだけ傾いた方向で導体からr(m)離れた点の磁界の強さHは次式(1)で示される。これをビオ・サバールの法則という。
dH=Idlsinθ/(4πr2 ) ・・・(1)
また、磁束密度(磁気Mの値)B(T:テスラ)と磁界の強さHとの間には、次式(2)の関係がある。
B=μH (μは透磁率) ・・・(2)
式(1)および式(2)に基づいて磁気の分布Dを演算した結果が、図1に示されている。なお、図8に示す磁気の分布D1も、式(1)および式(2)に基づいて同様に演算した結果である。
【0008】
電気・電子機器13に障害を与える可能性のある磁気Mに対する対策として、従来は、主として磁気発生源と電気・電子機器13との間に磁気遮蔽材を設ける場合が多かった(図8)。この場合には、建造物10やその内部で直接磁気遮蔽対策を行って、磁気Mを遮蔽していた。
これに対して、本発明の磁気低減装置20およびその方法では、「磁気の遮蔽」に代えて「磁気の低減」を行っている。そのために、磁気吸引手段21を、磁気発生源(ここでは、送電線15)と電気・電子機器13との間以外の所定の設置領域に配置するという新しい構成としている。
磁気吸引手段21が配置される前記「所定の設置領域」は、送電線15の下方(たとえば、ほぼ直下)と建造物10との間で、しかも送電線15と電気・電子機器13とを結んだ直線(たとえば、直線N)上以外の領域のことである。言い換えれば、前記「所定の設置領域」は、建造物10の屋外で、且つ直線Nより外れた一方側(外部空間14側で、図1の左側)の範囲である。
磁気吸引手段21は、分布している磁気Mを磁気吸引手段21の方向に引き寄せる磁気吸引機能を有しており、電磁鋼板,電磁純鉄,アモルファス,パーマロイなどを素材とする磁気遮蔽材により構成されているのが好ましい。
【0009】
このように、建造物10の周辺の外部空間14に配置された送電線15から発生している磁気Mを、建造物10の屋外の所定の設置領域に配置された磁気吸引手段21で引き寄せて、磁気の分布Dを積極的に変形させる。これによって、建造物10の内部空間12において電気・電子機器13が設置されている場所の磁気Mを低減している。磁気吸引手段21の敷設位置は、磁気Mの分布を考慮し、電気・電子機器13に障害などの影響を与えない数値以下の磁気環境になるようにする。
磁気Mの強度は、磁気発生源から距離が離れるほど減衰するので、電気・電子機器13が設置されている場所の磁気Mをどの程度低減するかにより、これに対応して磁気吸引手段21を適正に配置する必要がある。
たとえば、磁気吸引手段21は、送電線15の下方と建造物10との間の設置領域内に、地盤面11とほぼ平行な少なくとも横方向(たとえば、ほぼ水平方向(X方向)。以下同じ)に設けられた磁気吸引材21であるのが好ましい。磁気吸引材21は、地盤面11,地盤面11近傍の地上もしくは地中,または地上空間のいずれかの設置領域に設けられている。
また、後述する図2ないし図4に示すように、磁気吸引手段は、建造物10の屋外に設けられた側面構造体の全部または一部により構成され縦方向(たとえば、地盤面11にほぼ垂直な方向(Z方向)。以下同じ)に設けられた磁気吸引材であってもよい。
【0010】
本発明における磁気の分布D(図1)と従来の磁気の分布D1(図8)において、たとえば、1.5μT(マイクロテスラ)の磁気を示す曲線を符号L1(図1,図8)とし、1.0μTの磁気を示す曲線を符号L2(図1,図8)とする。
この場合、本発明では磁気吸引材21を設けたので、磁気Mが磁気吸引材21に引き寄せられることになり、建造物10の内部空間12に分布している磁気Mの値が減少する。
その結果、電気・電子機器13が設置されている場所の磁気は、従来は図8の曲線L1に示すように1.5μTまたはそれ以上であったのに対し、本発明では、図1の曲線L2に示すように1.0μTまで減少している。
電気・電子機器13が正常に作動するための磁気Mの閾値が、たとえば1.4μT未満と仮定すれば、電気・電子機器13が設置されている場所の磁気Mは、電気・電子機器13が正常に作動する値まで低減されていることになる。
建造物10の内部空間12、たとえば、事務所ビルや集合住宅を管理する中央監視室内には、CRT画面のように磁気Mにより影響を受ける電気・電子機器13等が設置されている。この中央監視室は、建造物10の低層部に設けられることが多い。
そこで、本発明においては、建造物10の低層部に設置される電気・電子機器13の障害対策として、送電線15と、障害を受ける電気・電子機器13とを結ぶ直線N上以外の所定の設置領域に磁気吸引材21を配置し、磁気Mを吸引することで、障害を及ぼしていた磁気の分布Dを変形させ、障害を受ける電気・電子機器13が設置されている場所の空間が、本来磁気吸引材21がなかったときの磁気Mの値より小さい値の空間になるように形成されることになる。
【0011】
図2は、本発明の第1の実施形態にかかる磁気低減装置20aおよびその方法を示す図で、図2(A)は正面図、図2(B)は平面図である。なお、第1の実施形態以降の説明において、同一または相当部分には同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
図2に示す実施形態では、磁気を発生させる送電線15は、建造物10の敷地より外部の上方空間に架設されている。建造物10は、送電線15の横方向にあり、且つ送電線15とほぼ平行に配置されている。
建造物10が建設された敷地の境界線Kには、側面構造体としてのフェンス(または、塀)25が、地盤面11に対してほぼ垂直に設けられている。なお、側面構造体は、側面を有する構造体であればよく、たとえば、他の建造物の壁面、擁壁などであってもよい。
磁気低減装置20aの磁気吸引手段21aは、第1の磁気吸引材26と第2の磁気吸引材27により構成されている。第1の磁気吸引材26は、建造物10とフェンス25との間で、且つ地盤面10,地盤面10近傍の地上または地中のいずれかの設置領域で、横方向に設けられている。
すなわち、第1の磁気吸引材26は、建造物10と境界線Kとの間の地盤面11に敷き詰められている。第2の磁気吸引材27は、フェンス25の全部または一部により構成され、縦方向に設けられている。
第1の磁気吸引材26と第2の磁気吸引材27が、送電線15から発生している磁気を矢印B1,B2に示す方向に引き寄せるので、磁気の分布D(図1)が変形して、建造物10の内部空間12の磁気が低減する。その結果、電気・電子機器13が設置されている場所の磁気は、電気・電子機器13が正常に作動する所定の閾値以下に低減される。
【0012】
図3は、本発明の第2の実施形態にかかる磁気低減装置20bおよびその方法を示す図で、図3(A)は正面図、図3(B)は平面図である。
図3に示す実施形態では、磁気を発生させる送電線15は、建造物10の敷地外の上方空間に架設されている。建造物10は送電線15の横に位置し、送電線15は建造物10に対して斜めに配置されている。
磁気低減装置20bの磁気吸引手段21bは、第1の磁気吸引材26bと第2の磁気吸引材27bにより構成されている。
第1の磁気吸引材26bは、送電線15の下方と建造物10との間の設置領域内で、且つ地盤面12,地盤面近傍の地上または地中のいずれかの設置領域で、横方向に設けられている。
第1の磁気吸引材26bは、建造物10と境界線Kとの間の地盤面11に敷き詰められており、各所定の設置領域でそれぞれ必要とされる磁気吸引機能に応じて複数(ここでは、三つ)のブロックに分割されている。
第2の磁気吸引材27bは、フェンス25の全部または一部により構成され、縦方向に設けられている。第2の磁気吸引材27bも、各所定の設置領域でそれぞれ必要とされる磁気吸引機能に応じて複数(ここでは、三つ)のブロックに分割されている。
【0013】
第1の磁気吸引材26bと第2の磁気吸引材27bは、送電線15に最も近くて大きな磁気吸引機能が必要とされる第1のブロック30から、送電線15に最も遠くてそれほど大きな磁気吸引機能を必要としない第3のブロック32まで、三つのブロック30,31,32に分割されている。
第1のブロック30,第2のブロック31および第3のブロック32は、それぞれの所定の設置領域で必要とされる磁気吸引機能を発揮するために、磁気遮蔽材の材質を変えてもよいが、本実施形態では磁気遮蔽材の枚数を変えている。
たとえば、最も大きな磁気吸引機能が要求される第1のブロック30では、磁気遮蔽材を10枚重ね合わせ、次に大きな磁気吸引機能を必要とする第2のブロック31では、磁気遮蔽材を6枚重ね合わせている。所定の設置領域で必要とされる磁気吸引機能が最も小さくてよい第3のブロック32では、磁気遮蔽材を2枚重ね合わせている。
【0014】
このように、各所定の設置領域でそれぞれ必要とされる磁気吸引機能に応じて三つのブロック30,31,32に分割したので、各所定の設置領域での磁気の強さに応じて、各ブロック30,31,32で最適な磁気吸引機能を発揮することができる。
第1の磁気吸引材26bと第2の磁気吸引材27bが、矢印B1,B2に示すように磁気を引き寄せるので、磁気の分布D(図1)が変形して、建造物10の内部空間12の磁気を低減することができる。その結果、電気・電子機器13が設置されている場所の磁気は、電気・電子機器13が正常に作動する所定の閾値以下に低減される。
本実施形態では、磁気吸引手段21bを設置するのに、必要以上のコストをかけなくてもよいので、設置費用を低減することができる。
【0015】
図4は、本発明の第3の実施形態にかかる磁気低減装置20cおよびその方法を示す図で、図4(A)は正面図、図4(B)は平面図である。
図4に示す実施形態では、磁気を発生させる送電線15は、建造物10が建設された敷地内の上方空間に架設されている。磁気低減装置20cの磁気吸引手段21cは、第1の磁気吸引材26cと第2の磁気吸引材27cにより構成されている。
なお、第1の磁気吸引材26cと第2の磁気吸引材27cは、磁気分布を考慮し磁気吸引目的に応じて、連続,不連続の構成のいずれであってもよいが、本実施形態では不連続の場合を示している。。
【0016】
第1の磁気吸引材26cは、送電線15の下方(ここでは、ほぼ直下)と建造物10との間の設置領域内で、且つ地盤面11,地盤面11近傍の地上または地中のいずれかの設置領域で、横方向に設けられている。
図示する第1の磁気吸引材26cは、建造物10と境界線Kとの間の地盤面11に敷き詰められている。第2の磁気吸引材27cは、フェンス25の全部または一部により構成され、縦方向に設けられている。
第1の磁気吸引材26cと第2の磁気吸引材27cにより、矢印B1,B2に示すように、送電線15から発生している磁気が引き寄せられるので、磁気の分布D(図1)が変形して、建造物10の内部空間12の磁気が低減する。その結果、電気・電子機器13が設置されている場所の磁気は、電気・電子機器13が正常に作動する所定の閾値以下に低減される。
【0017】
なお、第1の実施形態ないし第3の実施形態において、第1の磁気吸引材および第2の磁気吸引材の両方を設ける場合について説明したが、いずれか一方のみを設ける場合であってもよい。また、第1の磁気吸引材および第2の磁気吸引材の両方の磁気吸引機能は、同一であってもよいが異なる場合であってもよい。
【0018】
図5ないし図7は、地盤面11に対する磁気吸引材21の各種敷設例を示す概略構成図である。
図5ないし図7に示す敷設例では、磁気吸引材21を、送電線15の下方(たとえば、ほぼ直下)と建造物10との間の設置領域内で、且つ地盤面11,地盤面11近傍の地上もしくは地中,または地上空間のいずれかの設置領域で、少なくとも横方向に設けている。
図5(A)では、平板状の磁気吸引材21が、地盤面11近傍の地中に埋設されている。磁気吸引材21が平板状なので埋設工事を容易に行うことができる。
図5(B)では、断面コ字状の磁気吸引材21が、地盤面11近傍の地中に埋設されている。磁気吸引材21は、コ字状部が下向きになるように埋設されている。
この場合には、磁気吸引材21の全体の面積が大きくなるので、磁気吸引機能が大きい。また、磁気吸引材21の端部40が地中で下方を向いているので、磁気吸引材21中の磁気は地中で下方に集中される。その結果、地上における磁気の分布Dの変形に対して悪影響を及ぼす恐れが少ない。
【0019】
図5(C)に示す磁気吸引材21は、断面コ字状を有して、地盤面11近傍の地中に上向きに埋設されている。この磁気吸引材21も、図5(B)と同様に、全体の面積が大きくなるので、磁気吸引機能が大きい。また、図5(B)と比べて、磁気吸引材21を埋設するための掘削作業が容易である。
図5(D)に示す磁気吸引材21は、断面コ字状をなして、地盤面11近傍の地中に横向きに埋設されている。この磁気吸引材21も、全体の面積が大きいので磁気吸引機能が大きい。磁気吸引材21の端部40aが、建造物10と反対方向を向いているので、端部40aに集中する磁気が建造物10側に影響を与えるのを抑制することができる。
図5(E)に示す磁気吸引材21は、断面L字状をなして、地盤面11近傍の地中に埋設されている。この磁気吸引材21においても、全体の面積が大きいので、磁気吸引機能が大きい。
磁気吸引材21は、地盤面11とほぼ平行な水平部41と、地盤面11に対してほぼ垂直な垂直部42を有している。この垂直部42を、建造物10から離れた位置に配置することにより、建造物10側に分布している磁気を、垂直部42で磁気吸引材21側にさらに引き寄せることができる。その結果、建造物10の内部空間12の磁気を、より効果的に低減することができる。
図5(F)に示す磁気吸引材21は、平板状をなして地盤面11近傍の地上に敷設されている。この場合には、磁気吸引材21の埋設工事が不要なので、磁気吸引材21を設置する工事が簡略化される。
【0020】
図6(A)では、道路45と建造物10との間が空き地46になっており、空き地46の上方空間に送電線15が架設された場合を示している。建造物10の屋外の所定の設置領域としての空き地46において、磁気吸引材21が地盤面11近傍の地中に埋設されている。この場合には、空き地46を有効利用することができる。
図6(B)では、建造物10,送電線15,道路45および空き地46が図6(A)と同じ位置関係の場合、磁気吸引材21を、建造物10の屋外の所定の設置領域としての道路45の地盤面11近傍の地中に埋設した場合を示している。
この場合には、磁気吸引材21の設置場所を別途設けなくてよいので、土地を有効利用することができる。図6(A),(B)における磁気吸引材21の配置は、図5(A)ないし(F)に示す構成とほぼ同じ構成をとることができる。
図7には、磁気吸引材21が、送電線15の下方(ここでは、ほぼ直下)と建造物10との間の設置領域内で、且つ地盤面11より上方の地上空間の設置領域に設けられた場合を示している。磁気吸引材21は、たとえば道路45や高架鉄道など高架構造体50に設けられている。
この場合には、磁気吸引材21を設置するための場所を地上に準備する必要がないので、土地を有効利用することができる。図7に示す磁気吸引材21は、横方向に設けられている場合を示したが、地盤面11に対して垂直方向または斜め方向であってもよい。
【0021】
図5および図6に示す各種敷設例において、磁気吸引材21は、地中に埋設すれば外部から直接見えないので外観上好ましい。埋設される磁気吸引材21は防食処理されたものでなければならない。
たとえば、磁気吸引材21は、非腐食材料などでコーティングされており、非腐食材料としては、ポリエステルフィルムなどプラスチック材,または錆止め塗料などがある。他のプラスチック材としては、ポリエチレン,ビニール,ナイロンなどがある。
なお、第1の実施形態ないし第3の実施形態と、図5ないし図7に示す各種敷設例とを任意に組み合わせた場合であってもよい。
【0022】
上述のように、本発明によれば、建造物10とその内部で直接磁気遮蔽対策を行わなくとも、磁気吸引手段により建造物10の内部空間12の磁気を低減することができる。
その結果、電気・電子機器13が設置されている場所の磁気は、この電気・電子機器13が正常に作動する所定の閾値以下に低減される。これにより、磁気による電気・電子機器13への障害を防止することができ、電気・電子機器13は正常な動作を行う。
建造物10や電気・電子機器13に対する直接的な磁気遮蔽対策が不要なので、磁気低減のための工事を容易に行うことができる。磁気吸引手段は、隙間なく連続的に取付け可能なので、磁気吸引機能を十分に発揮することができる。
建造物10の内部空間12全体の磁気を低減させることも可能なので、磁気低減効果が広く発揮され、また、集合住宅などの内部空間12に複数の電気・電子機器13が設置されている場合でも、これら複数の電気・電子機器13全体を正常に作動させることができる。
なお、建造物10は一階建てでも複数階建てでもよい。複数階建ての場合には、低層でも高層でもよいが、低層の部分の方が、地盤面近くの磁気吸引手段に近いのでより有効である。
また、電気・電子機器13を移動させても、磁気低減のための対策を新たに行う必要はない。内部空間12での人体に対する磁気の影響を防止することができる。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0023】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したので、建造物とその内部で直接磁気遮蔽対策を行わなくとも、建造物の内部空間の磁気を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図7は本発明を説明するための図で、図1は送電線から発生している磁気の分布を示す本発明の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかる磁気低減装置およびその方法を示す図で、図2(A)は正面図、図2(B)は平面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態にかかる磁気低減装置およびその方法を示す図で、図3(A)は正面図、図3(B)は平面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態にかかる磁気低減装置およびその方法を示す図で、図4(A)は正面図、図4(B)は平面図である。
【図5】地盤面に対する磁気吸引材の各種敷設例を示す概略構成図である。
【図6】地盤面に対する磁気吸引材の二つの敷設例を示す概略構成図である。
【図7】磁気吸引材の他の敷設例を示す概略構成図である。
【図8】送電線から発生している磁気の分布を示す従来技術の説明図で、図1相当図である。
【符号の説明】
10 建造物
11 地盤面
12 内部空間
13 電気・電子機器
14 外部空間
15 送電線(磁気発生源)
20,20a〜20c 磁気低減装置
21 磁気吸引材(磁気吸引手段)
21a〜21c 磁気吸引手段
25 フェンス(側面構造体)
26,26b,26c 第1の磁気吸引材(磁気吸引材)
27,27b,27c 第2の磁気吸引材(磁気吸引材)
30 第1のブロック(ブロック)
31 第2のブロック(ブロック)
32 第3のブロック(ブロック)
45 道路(建造物の屋外の所定の設置領域)
46 空き地(建造物の屋外の所定の設置領域)
D 磁気の分布
M 磁気
N 直線

Claims (8)

  1. 磁気の影響を受ける可能性のある電気・電子機器が内部空間に配置された建造物のこの内部空間における磁気を低減する磁気低減装置であって、
    前記建造物の周辺の外部空間に配置された磁気発生源から発生している磁気を、前記建造物の屋外で且つ前記磁気発生源の下方と前記建造物との間でしかも前記磁気発生源と前記電気・電子機器とを結んだ直線上以外の所定の設置領域に配置された磁気吸引手段で引き寄せて、前記磁気の分布を変形させることによって前記電気・電子機器が設置されている場所の磁気を低減することを特徴とする磁気低減装置。
  2. 前記磁気発生源は、前記建造物が建設された敷地内の上方空間または敷地外の上方空間に架設された送電線であることを特徴とする請求項1に記載の磁気低減装置。
  3. 前記磁気吸引手段は、前記所定の設置領域で少なくとも横方向に設けられた磁気吸引材であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気低減装置。
  4. 前記磁気吸引材は、前記地盤面,地盤面近傍の地上もしくは地中,または地上空間のいずれかの前記設置領域に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の磁気低減装置。
  5. 前記磁気吸引手段は、前記建造物の屋外に設けられた側面構造体の全部または一部により構成され縦方向に設けられた磁気吸引材であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの項に記載の磁気低減装置。
  6. 前記磁気吸引材は、各所定の設置領域でそれぞれ必要とされる磁気吸引機能に応じて複数のブロックに分割されていることを特徴とする請求項3,4または5に記載の磁気低減装置。
  7. 前記電気・電子機器が設置されている場所の磁気は、この電気・電子機器が正常に作動する所定の閾値以下に低減されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの項に記載の磁気低減装置。
  8. 磁気の影響を受ける電気・電子機器が内部空間に配置された建造物のこの内部空間における磁気を低減する磁気低減方法であって、
    前記建造物の周辺の外部空間に配置された磁気発生源から発生している磁気を、前記建造物の屋外で且つ前記磁気発生源の下方と前記建造物との間でしかも前記磁気発生源と前記電気・電子機器とを結んだ直線上以外の所定の設置領域に配置された磁気吸引手段で引き寄せて、前記磁気の分布を変形させることによって前記電気・電子機器が設置されている場所の磁気を低減することを特徴とする磁気低減方法。
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