JP3757064B2 - 抜き勾配生成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、抜き勾配生成方法に係り、さらに詳しくは、三次元立体形状に対して抜き勾配を生成する抜き勾配生成方法であって、例えば、CAD( Computer Aided Design)装置やCAM(Computer Aided Manufacturing)装置などを用いて三次元立体形状や金型を設計する際に必要な抜き勾配を生成する抜き勾配生成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、CAD/CAM装置などの三次元の形状モデル処理装置において、三次元空間上の曲線と曲面との間に抜き勾配面の生成が行われていた。この抜き勾配面の生成方法については、例えば特開平8−55149号公報や、特開平7−152808号公報などに開示されている。
【0003】
ところが、このような三次元の形状モデル処理装置では、三次元立体形状の等勾配線にそった抜き勾配の生成がしばしば要求されることがあった。ここでいう等勾配線とは、三次元立体に含まれる面の法線ベクトルと指定した抜き方向とのなす角度が(π/2−θ)度である点の集合に対応する曲線のことである(θは勾配角)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように従来の三次元の形状モデル処理装置では、三次元空間上の曲線と曲面との間に抜き勾配面を生成することはできても、三次元立体形状の等勾配線にそった抜き勾配を生成することはできなかった。このように、従来の三次元の形状モデル処理装置では、必要とされる等勾配線にそった抜き勾配が生成できないという不都合があった。
【0005】
また、抜き勾配面の生成方法について、特願平9−299206号などでは、等勾配線を利用して抜き勾配面の生成を行っていたが、この方法は元の曲面情報を正確に利用していないため、生成した抜き勾配の精度が良くないという不都合があった。ここでいう等勾配線とは、三次元立体に含まれる面の法線ベクトルと指定した抜き方向とのなす角度が(π/2+θ)である点の集合に対応する曲線のことである(θは勾配角)。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、三次元立体形状の等勾配線にそった抜き勾配を生成することが可能な抜き勾配生成方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は上記に鑑みてなされたものであって、等勾配面を利用してより正確な抜き勾配を生成することが可能な抜き勾配生成方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は上記に鑑みてなされたものであって、抜き勾配を生成する際に必要な三次元立体形状に含まれる面に等勾配線を好適に生成することが可能な抜き勾配生成方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は上記に鑑みてなされたものであって、等勾配面としてルールド曲面を生成してより正確な抜き勾配を生成することが可能な抜き勾配生成方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る抜き勾配生成方法は、三次元立体形状に対して抜き勾配を生成する抜き勾配生成方法であって、前記三次元立体形状に含まれる面に等勾配線を生成する第1の工程と、前記第1の工程で生成した等勾配線と入力した参照面との間に抜き勾配体を生成する第2の工程と、前記第2の工程で生成した抜き勾配体と前記三次元立体形状との集合演算によって抜き勾配を生成する第3の工程と、を含むものである。
【0011】
これによれば、三次元立体形状に含まれる面に等勾配線が生成され、その等勾配線と参照面との間に抜き勾配体が生成され、その抜き勾配体と三次元立体形状との集合演算により抜き勾配が生成される。このように、三次元立体形状の等勾配線にそった抜き勾配を生成することができる。
【0012】
また、請求項2に係る抜き勾配生成方法は、三次元立体形状に対して抜き勾配を生成する抜き勾配生成方法であって、前記三次元立体形状に含まれる面に等勾配線を生成する第1の工程と、前記第1の工程で生成した等勾配線上の点を端点とする半直線と入力した参照面との交点を生成する第2の工程と、前記第2の工程で生成した参照面上の交点を補間して干渉線を生成する第3の工程と、前記等勾配線と前記干渉線との間に等勾配面を生成する第4の工程と、前記第4の工程で生成した等勾配面と前記三次元立体形状との集合演算によって抜き勾配を生成する第5の工程と、を含むものである。
【0013】
これによれば、三次元立体形状に含まれる面に等勾配線が生成され、その等勾配線上の点を端点とする半直線と入力した参照面との交点が生成され、その参照面上の交点を補間する干渉線が生成され、その等勾配線と干渉線との間に等勾配面が生成され、その等勾配面と三次元立体形状との集合演算により抜き勾配が生成される。このように、等勾配面を利用することによって、より正確な抜き勾配を生成することができる。
【0014】
また、請求項3に係る抜き勾配生成方法は、請求項1又は2に記載の抜き勾配生成方法において、前記第1の工程では、二次元パラメータ空間における等勾配線上の多数の点と、その多数の点のある点から次の点へ進む接ベクトルの方向とを求め、求まった等勾配線上の多数の点と接ベクトルの方向から二次元パラメータ空間の補間曲線を生成し、その生成された二次元パラメータ空間の補間曲線をオブジェクト空間へマッピングして等勾配線を生成するものである。
【0015】
これによれば、抜き勾配の生成に必要な等勾配線を生成する際に、二次元パラメータ空間における等勾配線上の多数の点と、その各点から次の点へ進む接ベクトルの方向とを求めて、二次元パラメータ空間の補間曲線を生成し、その補間曲線をオブジェクト空間へマッピングして等勾配線を生成するようにしたため、三次元立体形状に含まれる面の等勾配線を好適に生成することができる。
【0016】
また、請求項4に係る抜き勾配生成方法は、請求項2に記載の抜き勾配生成方法において、前記第4の工程では、等勾配面としてルールド曲面を生成するものである。
【0017】
これによれば、等勾配線と干渉線との間に等勾配面を生成する際に、その等勾配面としてルールド曲面を生成するようにしたため、より正確な抜き勾配を生成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の抜き勾配生成方法の実施の形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1には、本実施の形態1における抜き勾配を生成する三次元立体10の斜視図が示され、図2には、本実施の形態1に係る抜き勾配の生成順序の一例を説明するフローチャートが示されている。本実施の形態1では、図1の三次元立体10の等勾配線にそった抜き勾配をCAD/CAM装置などの三次元の形状モデル処理装置を用いて生成する方法について説明する。
【0020】
この三次元の形状モデル処理装置における抜き勾配生成方法は、図2に示されるように、参照面、抜き方向、勾配角の入力(S1)、等勾配線の生成(S2)、抜き勾配体の生成(S3)、集合演算による抜き勾配の生成(S4)の順序で行われる。
【0021】
(参照面、抜き方向、勾配角の入力)
まず、三次元の形状モデル処理装置では、図2に示されるように、三次元立体10の参照面、抜き方向、勾配角などの情報が所定の入力部を介してオペレータにより入力され、入力処理が行われる(ステップS1)。ここで、三次元立体10の参照面12とは、三次元立体10のXY座標軸のある面であり、抜き方向とは、図1のXY座標軸と直交するZ軸方向であって、勾配角は10度とする。
【0022】
(等勾配線の生成)
つぎに、等勾配線の生成が行われる(ステップS2)。例えば、図3に示されるように、勾配角をθとし、三次元立体10のある曲面S(u,v)における法線ベクトルをnとし、抜き方向をvとし、法線ベクトルnと抜き方向vとのなす角度を(π/2−θ)とする。本実施の形態1では、この等勾配線の生成に関して、以下の解析方法が用いられている。
【0023】
まず、二次元パラメータ空間における等勾配線上の点と、その点のある点から次の点へ進む接ベクトルの方向とを求める。すなわち、等勾配線上の点は、次式(1)を満たす点である。
【0024】
【数1】
【0025】
ここで、曲面S(u,v)の法線ベクトルnは、次式(2)で表すことができる。
【0026】
【数2】
【0027】
そして、上記(1)式を整理すると、次式(3)の支配方程式f(u,v)を得ることができる。
【0028】
【数3】
【0029】
上記(3)式のf(u,v)は、二次元パラメータ空間u,vの関係式である。つまり、二次元パラメータ空間において、上記(3)式を満たすような点は、等勾配線上の点となる。
【0030】
さらに、上記(3)式から次式(4)の微分方程式を得ることができる。
【0031】
【数4】
【0032】
この(4)式に基づいて、次式(5)を求めることにより、パラメータ空間における等勾配線上のある点から次の点へ進む方向(すなわち、接ベクトルの方向)を計算することができる。
【0033】
【数5】
【0034】
以上のようにして求めた、二次元パラメータ空間における等勾配線上の多数の点と、接ベクトルの方向とに基づいてパラメータ空間の補間曲線を生成する。この補間曲線の生成には、種々の手法を用いることができるが、例えば、本実施の形態1では、アイ・イー・イー・イー・コンピュータ・グラフィックス・アンド・アプリケーションズ誌の1991年1月号の55頁〜71頁、レスリー・ピーグル著の「オン・ナーブス:ア・サーベイ」(Leslie Piegl,"On NURBS:A Survey",IEEE CG&A,January,1991,pp.55-71. )の公知文献に記載された手法を用いることによって、補間曲線の生成を行っている。
【0035】
そして、このようにして求められたパラメータ空間の補間曲線は、オブジェクト空間へマッピングすることによって等勾配線を生成することができる。また、この等勾配線の生成についても、上記の公知文献に記載された手法を用いることができる。図4には、三次元立体10に生成された等勾配線14が示されている。なお、ここでは、視覚的に容易に確認できるようにするために、等勾配線14と三次元立体10とを分離して記述しているが、実際には三次元立体10と完全に一致することは明らかである。
【0036】
(抜き勾配体の生成)
つぎに、上記のようにして生成された三次元立体10の等勾配線14に基づいて、抜き勾配体16を生成する(ステップS3)。抜き勾配体16の生成方法としては、まず、求めた等勾配線14に基づいて板状のループを生成し、図2に示されるステップS1で入力した勾配角(ここでは、10度)に従って、生成した板状のループから指定した参照面12までの抜き勾配体16を生成するものである。このように、板状のループから指定した参照面12までの抜き勾配体16を生成する方法としては、例えば、上記従来の特開平8−55149号公報に開示された技術を利用することができる。このようにして、図5に示される参照面に向かって広がるような抜き勾配体16を生成することができる。
【0037】
(集合演算による抜き勾配の生成)
そして、上記生成された抜き勾配体16と三次元立体10との集合演算を行うことにより抜き勾配を生成することができる(ステップS4)。このように、集合演算処理により、三次元立体10の等勾配線14にそった抜き勾配が生成され、その抜き勾配生成後の立体を示したのが図6である。
【0038】
以上説明したように、本実施の形態1の抜き勾配生成方法は、三次元立体の等勾配線を生成し、その等勾配線から抜き勾配体を生成し、その抜き勾配体を使って集合演算処理をすることにより抜き勾配を生成するようにしたため、三次元立体の等勾配線にそった抜き勾配を生成することが可能となり、CAD/CAM装置などによる三次元立体や金型の自動設計に好適に用いることができる。
【0039】
(実施の形態2)
本実施の形態2では、実施の形態1と異なる方法を用いて三次元立体形状の等勾配線にそった抜き勾配を生成する抜き勾配生成方法について説明する。ここでも、CAD/CAM装置などの三次元の形状モデル処理装置を用いて生成するものとする。
【0040】
図7には、本実施の形態2に係る抜き勾配生成方法の順序の一例を説明するフローチャートが示され、図8には、三次元立体のある曲面における等勾配線と等勾配面との関係を説明する図が示され、図9には、三次元立体のある曲面における干渉点と干渉面との関係を説明する図が示されている。そして、本実施の形態2では、上記実施の形態1で使用した図1、図4、図5、図6を流用することにする。
【0041】
実施の形態2の抜き勾配生成方法は、図7に示されるように、参照面、抜き方向、勾配角の入力(S11)、等勾配線の生成(S12)、等勾配線上の点を端点とする半直線と参照面との交点の計算(S13)、参照面上の交点を補間して干渉線を生成(S14)、等勾配線と干渉線との間に等勾配面としてのルールド曲面を生成(S15)、立体形状と等勾配面としての抜き勾配体との集合演算による抜き勾配を生成(S16)の順序で行われる。
【0042】
(参照面、抜き方向、勾配角の入力)
まず、三次元の形状モデル処理装置では、図7に示されるように、三次元立体10の参照面、抜き方向、勾配角などの情報が所定の入力部を介してオペレータにより入力され、入力処理が行われる(ステップS11)。一般的には、参照面としてパーティング面が利用されるが、ここでは、図1の三次元立体10のXY座標軸のある面を参照面12とする。本実施の形態2では、等勾配線を自動的に生成し、等勾配線と参照面との間に抜き勾配を生成する。抜き方向としては、参照面の法線ベクトルを利用しても良いが、ここでは、図1のXY座標軸と直交するZ軸方向を抜き方向とし、勾配角は10度とする。
【0043】
(等勾配線の生成)
つぎに、等勾配線の生成が行われる(ステップS12)。例えば、図8に示されるように、勾配角をθとし、三次元立体10のある曲面S(u,v)における法線ベクトルをnとし、抜き方向をvとし、法線ベクトルnと抜き方向vとのなす角度を(π/2+θ)とする。本実施の形態2では、この等勾配線の生成に関して、以下の解析方法が用いられている。
【0044】
まず、二次元パラメータ空間における等勾配線上の点と、その点のある点から次の点へ進む接ベクトルの方向とを求める。すなわち、等勾配線上の点は、次式(6)を満たす点である。
【0045】
【数6】
【0046】
ここで、曲面S(u,v)の法線ベクトルnは、次式(7)で表すことができる。
【0047】
【数7】
【0048】
そして、上記(7)式を整理すると、次式(8)の支配方程式f(u,v)を得ることができる。
【0049】
【数8】
【0050】
上記(8)式のf(u,v)は、二次元パラメータ空間u,vの関係式である。つまり、二次元パラメータ空間において、上記(8)式を満たすような点は、等勾配線上の点となる。
【0051】
さらに、上記(8)式から次式(9)の微分方程式を得ることができる。
【0052】
【数9】
【0053】
この(9)式に基づいて、次式(10)を求めることにより、パラメータ空間における等勾配線上のある点から次の点へ進む方向(すなわち、接ベクトルの方向)を計算することができる。そして、次の点へ進む方向を利用して次の点を計算することができる。
【0054】
【数10】
【0055】
以上のようにして求めた、二次元パラメータ空間における等勾配線上の多数の点のパラメータから実空間の点を計算することにより、図8中のCに示したような補間曲線を生成する。この補間曲線の生成には、種々の手法を用いることができるが、ここでは、本実施の形態1と同様の公知文献(Leslie Piegl,"On NURBS:A Survey",IEEE CG&A,January,1991,pp.55-71. )に記載された手法を用いて、補間曲線の生成を行うものとする。
【0056】
そして、このようにして求められたパラメータ空間の補間曲線は、オブジェクト空間へマッピングすることによって等勾配線を生成することができる。また、この等勾配線の生成についても、上記の公知文献に記載された手法を用いることができる。図4には、三次元立体10に生成された等勾配線14が示されている。なお、ここでは、視覚的に容易に確認できるようにするために、等勾配線14と三次元立体10とを分離して記述しているが、実際には三次元立体10と完全に一致することは明らかである。
【0057】
(等勾配線上の点を端点とする半直線と参照面との交点の計算)
つぎに、半直線と参照面との交点の計算が行われる(ステップS13)。例えば、図9に示されるように、上記のようにして求めた実空間の等勾配線C1 上の点qk を端点として、図8中の(ベクトルn+ベクトルv)を方向とする半直線を構成し、この半直線Lk と参照面Sb との交点pk を計算するようにする。この半直線Lk は、曲面S(u,v)と接し、抜き方向(Z軸方向)との角度が勾配角(θ)を構成するという特徴を持っている。
【0058】
(参照面上の交点を補間して干渉線を生成)
つぎに、参照面上の交点を補間して干渉線の生成が行われる(ステップS14)。例えば、図9に示されるように、参照面Sb 上の交点pk を補間することによって干渉線C2 を生成することができる。
【0059】
(等勾配線と干渉線との間にルールド曲面を生成)
つぎに、等勾配線と干渉線との間にルールド曲面の生成が行われる(ステップS15)。例えば、図9に示されるように、等勾配線C1 と干渉線C2 との間にルールド曲面Sc を生成し、この生成されたルールド曲面Sc を等勾配面と称する。そして、複数の等勾配線(C1 など)にそって生成される等勾配面Sc が抜き勾配体となる。このように、図5に示される参照面に向かって広がるような抜き勾配体16を生成することができる。
【0060】
(立体形状と抜き勾配体との集合演算による抜き勾配の生成)
そして、上記したように複数の等勾配線にそって生成された等勾配面としての抜き勾配体と三次元立体とを集合演算することにより抜き勾配を生成することができる(ステップS16)。このように、集合演算処理によって、三次元立体10の等勾配線14にそった抜き勾配が生成され、その抜き勾配生成後の立体を示したのが図6である。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態2の抜き勾配生成方法は、三次元立体形状に含まれる面に等勾配線を生成し、その等勾配線上の点を端点とする半直線と入力した参照面との交点を生成し、その参照面上の交点を補間して干渉線を生成し、等勾配線と干渉線との間に等勾配面を生成し、その等勾配面と三次元立体形状との集合演算によって抜き勾配を生成するようにしたため、より正確な抜き勾配を生成することが可能となり、CAD/CAM装置などによる三次元立体や金型の自動設計に好適に用いることができる。
【0062】
なお、上記した本実施の形態1又は2では、等勾配線の生成工程における補間曲線や等勾配線の生成方法として、上記した公知文献の技術を用いたり、抜き勾配体の生成工程における板状のループから指定した参照面までの抜き勾配体を生成する方法として上記公報に開示された技術を用いたが、必ずしもこれらの技術を用いることに限定されるものではなく、これ以外の技術を用いて生成するものであっても勿論良い。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の抜き勾配生成方法(請求項1)によれば、三次元立体形状に含まれる面に等勾配線が生成され、その等勾配線と参照面との間に抜き勾配体が生成され、その抜き勾配体と三次元立体形状との集合演算により抜き勾配が生成されるため、三次元立体形状の等勾配線にそった抜き勾配を生成することができる。
【0064】
また、本発明の抜き勾配生成方法(請求項2)によれば、三次元立体形状に含まれる面に等勾配線が生成され、その等勾配線上の点を端点とする半直線と入力した参照面との交点が生成され、その参照面上の交点を補間して干渉線が生成され、等勾配線と干渉線との間に等勾配面が生成され、その等勾配面と三次元立体形状との集合演算によって抜き勾配が生成されるため、等勾配面を利用してより正確な抜き勾配を生成することができる。
【0065】
また、本発明の抜き勾配生成方法(請求項3)によれば、請求項1または2に記載の抜き勾配生成方法において、抜き勾配の生成に必要な等勾配線を生成する際に、二次元パラメータ空間における等勾配線上の多数の点と、その各点から次の点へ進む接ベクトルの方向とを求めて、二次元パラメータ空間の補間曲線を生成し、その補間曲線をオブジェクト空間へマッピングして等勾配線を生成するようにしたため、抜き勾配を生成する際に必要な三次元立体形状に含まれる面の等勾配線を好適に生成することができる。
【0066】
また、本発明の抜き勾配生成方法(請求項4)によれば、請求項2に記載の抜き勾配生成方法において、等勾配線と干渉線との間に等勾配面を生成する際に、その等勾配面としてルールド曲面を生成するようにしたため、より正確な抜き勾配を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態1における抜き勾配を生成する三次元立体の斜視図である。
【図2】本実施の形態1に係る抜き勾配生成方法の順序の一例を説明するフローチャートである。
【図3】三次元立体のある曲面における法線ベクトルと抜き方向とその間のなす角度との関係を説明する図である。
【図4】三次元立体に生成された等勾配線を示す斜視図である。
【図5】図4の等勾配線に基づいて生成される抜き勾配体を示す斜視図である。
【図6】図5の抜き勾配体に基づいて生成される抜き勾配生成後の立体を示す斜視図である。
【図7】本実施の形態2に係る抜き勾配生成方法の順序の一例を説明するフローチャートである。
【図8】三次元立体のある曲面における等勾配線と等勾配面との関係を説明する図である。
【図9】三次元立体のある曲面における干渉点と干渉面との関係を説明する図である。
【符号の説明】
10 三次元立体
12 参照面
14 等勾配線
16 抜き勾配体
Claims (4)
- 三次元立体形状に対して抜き勾配を生成する抜き勾配生成方法であって、
前記三次元立体形状に含まれる面に等勾配線を生成する第1の工程と、
前記第1の工程で生成した等勾配線と入力した参照面との間に抜き勾配体を生成する第2の工程と、
前記第2の工程で生成した抜き勾配体と前記三次元立体形状との集合演算によって抜き勾配を生成する第3の工程と、
を含むことを特徴とする抜き勾配生成方法。 - 三次元立体形状に対して抜き勾配を生成する抜き勾配生成方法であって、
前記三次元立体形状に含まれる面に等勾配線を生成する第1の工程と、
前記第1の工程で生成した等勾配線上の点を端点とする半直線と入力した参照面との交点を生成する第2の工程と、
前記第2の工程で生成した参照面上の交点を補間して干渉線を生成する第3の工程と、 前記等勾配線と前記干渉線との間に等勾配面を生成する第4の工程と、
前記第4の工程で生成した等勾配面と前記三次元立体形状との集合演算によって抜き勾配を生成する第5の工程と、
を含むことを特徴とする抜き勾配生成方法。 - 前記第1の工程では、二次元パラメータ空間における等勾配線上の多数の点と、その多数の点のある点から次の点へ進む接ベクトルの方向とを求め、求まった等勾配線上の多数の点と接ベクトルの方向から二次元パラメータ空間の補間曲線を生成し、その生成された二次元パラメータ空間の補間曲線をオブジェクト空間へマッピングして等勾配線を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の抜き勾配生成方法。
- 前記第4の工程では、等勾配面としてルールド曲面を生成することを特徴とする請求項2に記載の抜き勾配生成方法。
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