JP3756611B2 - スリーブ使用時におけるスリーブの位置の矯正方法及びその矯正装置 - Google Patents

スリーブ使用時におけるスリーブの位置の矯正方法及びその矯正装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば長尺な合成樹脂製シート、フィルム材等の薄膜状の長尺成型品を、回転する成型ドラム手段の外周面と、この外周面に沿って循環する成型用のスリーブとの間に溶融合成樹脂材料を供給投入して連続成型するときに、成型される長尺成型品の搬送作用等によって生じるスリーブ自体の位置ずれ等を矯正、除去でき、しかも長尺成型品に対するエンボス加工、ラミネート加工等を施すエンボス機、ラミネート機等にも適用可能なスリーブ使用時におけるスリーブの位置の矯正方法及びその矯正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は合成樹脂製の薄物シートを連続的にしかもその表面を平滑な鏡面状あるいは各種の模様に形成できるようにした合成樹脂製シートの成型方法及びその成型装置を特開平7−40370号公報、特開平8−155995号公報等として提案しているものである。これらは、ダイから連続的に供給投入される溶融合成樹脂材料を圧延冷却することで所定肉厚の合成樹脂製シートを成型するに際し、回転する成型ローラの外周面と、この成型ローラの外周面の一部に沿って円弧状に接触しながら回転する径方向に可撓な筒状のスリーブとの間に溶融合成樹脂材料を供給投入し、これらの成型ローラとスリーブとの挟圧によって合成樹脂製シートを連続成型するものとしたのである。そしてまた成型機構は、成型ベースブロック上に回転自在に支承された成型ローラと、この成型ローラの外周面の一部に円弧状に当接回転して成型ローラと共に挟圧して、ダイから供給される溶融合成樹脂材料を所定肉厚に設定成型する径方向に可撓なスリーブを有する成型ドラム手段と、成型ローラ外周面に対しての成型ドラム手段表面との圧着力を調整する圧着代調整手段とを備えているものとしたのである。
【0003】
これらによって成型時に空気の巻き込みがなく、しかもその圧着力の調整のみで所定肉厚の合成樹脂製シートを形成できると共に成型された表面は均一で鏡面性が高くあるいは適宜な模様を形成でき、また安定的に連続成型できる等の利点が得られるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ただこれらの成型方法及び成型装置による合成樹脂製シートの成型に際し、成型される合成樹脂製シートと成型ローラとの密着性が強く、またスリーブにおける合成樹脂製シートに対する接触面積が小さいために成型搬送される合成樹脂製シートの搬送作用等によってスリーブの位置を一定に保持することが非常に困難である。こうしたスリーブの位置ずれ等は成型機構においての成型ローラ、成型ドラム手段等の厚み、真円度、幅、径その他の相違によっても発生するのであるから、位置ずれ等を防止すべくこれらを均一に設定するのは実際上はほとんど不可能なものである。そのために従来は位置ずれ等を矯正するための制御手段として、例えば成型ドラム手段におけるスリーブを支持している一対の支持ローラのいずれかを上下、左右に移動させるものとしたり、成型ドラム自体のテンションを変更するようにしたりすることが考えられたのである。
【0005】
しかしながらこの成型ドラム手段におけるスリーブ自体は、これの表面が合成樹脂製シート表面を転写形成するために極めて高い剛性を有するものとしてあるから、これ自体のテンションの変更、支持ローラの移動によるスリーブ径の調整設定等は極めて面倒で、困難なものであった。またスリーブ自体のテンション、径等を変更するのに外力を強制的に付与することは部分的、遍在的にでもスリーブを損傷するものとなるばかりでなく、耐久性を損なわせるものであった。
【0006】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、例えば上述したように成型ローラとこの成型ローラの外周面に湾曲状に当接するスリーブを有する成型ドラム手段との間で長尺な合成樹脂製シートを連続成型するときのスリーブの位置を矯正し、また剛性材料製のものであるスリーブに無理な外力を付与させずに済み、その耐久性の向上をも図り得るものであり、しかも上述のような合成樹脂製シートの成型に使用されるときのスリーブの位置の矯正に限らず、長尺な各種部材の搬送時におけるスリーブの位置の矯正にも適用できるスリーブ使用時におけるスリーブの位置の矯正方法及びその矯正装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明に係るスリーブ使用時におけるスリーブの位置の矯正方法にあっては、ローラ(12)とこのローラ(12)外周面に湾曲状に当接するスリーブ(14)を有するドラム手段(13)との間で長尺なシート材(S)を挟圧して搬送するときに生じるスリーブ(14)の位置のずれ等を矯正するものであって、ドラム手段(13)を搬送方向に対して傾斜揺動させるものであり、この傾斜揺動に際してはドラム手段(13)においてのスリーブ(14)を循環回転するように支承している一対の支持ローラ(15)の左右の軸受部のいずれか一方を搬送方向に沿って移動するようにするのである。
このとき長尺なシート材(S)が、ローラ(12)とこのローラ(12)外周面に湾曲状に当接するスリーブ(14)を有するドラム手段(13)との間に供給されて挟圧される溶融合成樹脂材料Mから成型される合成樹脂製シートSであるものとすることができる。
またその矯正装置にあっては、ローラ(12)とこのローラ(12)外周面に湾曲状に当接するスリーブ(14)を有するドラム手段(13)との間で長尺なシート材(S)を挟圧して搬送するときに生じるスリーブ(14)の位置のずれ等を矯正するものであって、ドラム手段(13)を支承している左右の軸受部(18)のいずれか一方を搬送方向に対して横移動させる移動手段(27)を設けたものである。
移動手段(27)は、軸受部(18)に連繋されているナット体28をネジ送りで昇降させるよう回転されるオネジ状のジャッキシャフト29を有するジャッキ構造体27のものとし、このジャッキ構造体27におけるジャッキシャフト29は、スリーブ(14)の位置のずれに対応して回転が制御されるジャッキモータ31の駆動によって従動回転されるウォーム手段を介して回転されるものとしてある。
長尺なシート材(S)が、回転自在に支承された成型ローラ12と、この成型ローラ12外周面の一部に円弧状に当接回転して成型ローラ12と共に挟圧して、供給される溶融合成樹脂材料Mを所定肉厚に設定成型する径方向に可撓なスリーブ14を上下で一対の支持ローラ15によって循環支承して成る成型ドラム手段13とを備えて成る成型機構10によって成型搬送される合成樹脂製シートSであるとき、成型ドラム手段13における支持ローラ15を支承している左右側部のローラブロック18のいずれか一方に連繋されるナット体28をネジ送りで昇降させるよう回転されるオネジ状のジャッキシャフト29を有するジャッキ構造体27と、スリーブ(14)におけるいずれか一方の側縁位置を常時検知している微変位検出センサー36からの検知信号によってジャッキモータ31を介してジャッキシャフト29を正逆方向に所定値で回転させるようになっている制御ユニット35とを備えて成るものとすることができる。
【0008】
以上のように構成された本発明に係るスリーブ使用時におけるスリーブの位置の矯正方法及びその矯正装置にあって、ローラ(12)とこのローラ(12)外周面に湾曲状に当接するスリーブ(14)を有するドラム手段(13)との間で長尺なシート材(S)を挟圧して搬送するとき、ドラム手段(13)の搬送方向に対する傾斜揺動はスリーブ(14)の横移動の方向を変位させ、搬送中にスリーブ(14)の位置のずれ等が生じた場合に正方向に矯正させる。
ローラ(12)とドラム手段(13)との間に供給挟圧される溶融合成樹脂材料Mから合成樹脂製シートSを連続成型する場合、スリーブ(14)の横移動の方向を常時正方向に自動調整制御させ、スリーブ(14)の位置を保持させる。ドラム手段(13)を支承している左右の軸受部(18)のいずれか一方に対する移動手段(27)による移動は、搬送方向に対してドラム手段(13)全体を傾斜揺動させ、スリーブ(14)の横移動の方向を変位させる。
軸受部(18)に連繋されているナット体28をネジ送りで昇降させるジャッキシャフト29を有するジャッキ構造体27は、重量的に嵩張っている軸受部(18)でも確実に、しかも昇降範囲が僅かであっても正確に制御昇降させる。
回転自在な成型ローラ12、この成型ローラ12外周面に挟圧するスリーブ14を支持ローラ15によって循環支承して成る成型ドラム手段13夫々を備えて成る成型機構10と、支持ローラ15を支承している左右側部のローラブロック18のいずれか一方を昇降させるジャッキ構造体27と、スリーブ(14)におけるいずれか一方の側縁位置を検知している微変位検出センサー36からの検知信号によってジャッキ構造体27を制御する制御ユニット35とで、合成樹脂製シートSを連続して成型搬送させ、またその搬送に際しスリーブ(14)を常時正方向に変位調整させてスリーブ(14)の位置ずれ等が生じた場合に矯正させる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明するに、この説明される実施の形態においては溶融合成樹脂材料Mをシート状に成型する場合のものとしてあるが、これに限定されるものでないことは勿論である。図において示される符号1は適当な設置面に設置されるベースフレームであって、このベースフレーム1には溶融合成樹脂材料Mをシート状に成型する成型機構10が設けられている。そしてこの成型機構10の前方には所定の肉厚に成型された適宜肉厚の合成樹脂製シートSを冷却成型するための適数のアニリングローラを列設して成るアニリング部2が形成されている。
【0010】
成型機構10は、溶融状態の所定の合成樹脂材料M、例えば溶融ポリプロピレン、溶融ポリエチレン等を供給投入するダイ3に対して、このダイ3における供給部との間隔である高さが任意に調整できるように昇降自在にして前記ベースフレーム1上に設けられている。この成型機構10は、ダイ3に対して接近あるいは離反するようにベースフレーム1に配装した昇降ジャッキ部4によって昇降自在になっている左右の成型ベースブロック11と、この左右の成型ベースブロック11の前部上の相互間で回転自在に支承された成型ローラ12と、この成型ローラ12外周面の一部に円弧状に当接回転して成型ローラ12と共に挟圧して、ダイ3から供給される溶融合成樹脂材料Mを所定肉厚に設定成型する径方向に可撓なスリーブ14を上下で一対の支持ローラ15によって循環支承して成る成型ドラム手段13と、成型ローラ12外周面に対しての成型ドラム手段13のスリーブ14表面との圧着力を調整する圧着代調整手段16と、成型ローラ12外周面に対する成型ドラム手段13の進退位置を調整する進退調整手段17とを備えて成る。
【0011】
そしてこの成型機構10には、成型ドラム手段13におけるスリーブ14の位置のずれ等を矯正する矯正装置20が設けられており、この矯正装置20は図示のように、成型機構10における成型ドラム手段13の両側部のいずれか一方を成型搬送方向に沿って移動調整するものである。すなわち成型機構10における左右側部のいずれかの側の上下一対の支持ローラ15夫々を支承している軸受部であるローラブロック18を成型搬送方向に沿って移動調整するように、成型ベースブロック11に移動自在にして配装してあるローラブロック18位置を成型ベースブロック11に設けたブロック昇降手段25によって昇降自在にするものである。
【0012】
そのため矯正装置20は、成型機構10における成型ベースブロック11に支承した成型ローラ12に対して挟圧する成型ドラム手段13における支持ローラ15を支承しているいずれか一方の側部のローラブロック18を昇降方向で成型ベースブロック11に支持している昇降ガイド部21と、ローラブロック18を昇降するブロック昇降手段25とを備えている。
【0013】
昇降ガイド部21は、側面から見て後部の上部が切り欠かれているように外郭形状がほぼL字形を呈する成型ベースブロック11における切欠部分の下縁上に立脚柱状に形成されている。そして前面に形成した昇降ガイドレールに、ローラブロック18後面に形成した昇降スライド体22をスライド自在に嵌め合わせてあり、ローラブロック18自体を下方から支持しているブロック昇降手段25による昇降作動に伴なったローラブロック18自体の昇降を円滑に案内するようにしてある。
【0014】
なおこの昇降ガイド部21自体は、前記の進退調整手段17によって成型ベースブロック11に対してその後方側で前後にスライド進退されるようになっており、図示のように成型ベースブロック11における切欠部分の下縁上に形成した進退ガイドレールに、昇降ガイド部21下面に形成の進退スライド体23Aを嵌め合わせると共に成型ベースブロック11の後部に立脚状に付設した支持柱19に設けたシリンダ構造の進退調整手段17におけるシリンダロッド端に昇降ガイド部21を連繋してあるものである。
【0015】
図示例にあってのブロック昇降手段25は、昇降ガイド部21と一体状に形成され、進退ガイドレールに嵌め合わされる進退スライド体23Bを底面に有する昇降ベースブロック26に、ローラブロック18に連繋されているナット体28をネジ送りで昇降させるよう回転されるオネジ状のジャッキシャフト29を有するジャッキ構造体27を装着したものである。このジャッキ構造体27におけるジャッキシャフト29は、回転が制御されるジャッキモータ31の駆動によって従動回転されるウォーム手段を介して回転されるもので、後述の制御ユニット35によって正逆方向に回転されることでナット体28を介してローラブロック18自体を昇降させるようにしてある。
【0016】
制御ユニット35は図2に示すように、成型機構10における成型ドラム手段13のスリーブ14におけるいずれか一方の側縁位置を常時検知している微変位検出センサー36からの検知信号によってジャッキモータ31をPID制御して正逆方向に所定値で回転させるようになっている。その結果、ジャッキシャフト29、ナット体28を介して軸受部であるローラブロック18を昇降させ、このローラブロック18に支承されている成型ドラム手段13の側部における上下で対となっている支持ローラ15夫々の支承部位の上下位置を支持ローラ15相互の間隔を変更することなく変位し、これによって成型ドラム手段13自体を合成樹脂製シートSの成型搬送方向に対して傾斜様に揺動させ、スリーブ14の横移動方向を変更できるものとしてある。
【0017】
すなわち図2に示すように、成型ドラム手段13における支持ローラ15の軸受部であるローラブロック18をA−A´(a)で移動することにより、成型ドラム手段13におけるスリーブ14の成型搬送方向の後流側ではB−B´(b)で変位するのである。そして成型機構10によって成型される合成樹脂製シートSは成型ローラ12に常時密着しており、しかもその密着力が非常に強いために、スリーブ14は合成樹脂製シートSに牽引されるようにして矯正されるためB−B´(b)分だけ移動させられる力が働くものである。このときローラブロック18位置が例えばAからA´に移動調整されると、スリーブ14における成型搬送方向の後流側の側縁位置はB´からBに戻そうとするのであり、このようにしてスリーブ14の位置のずれ等が矯正されるのである。
【0018】
次に成型機構10において、成型ローラ12と成型ドラム手段13との間でダイ3から供給投入される溶融合成樹脂材料Mによって合成樹脂製シートSを成型するときにスリーブ14の位置のずれ等が生じた場合には、制御ユニット35における微変位検出センサー36がこれを検知してジャッキモータ31を正逆方向に回転させるものである。するとジャッキ構造体27におけるジャッキシャフト29、ナット体28を介して、成型ドラム手段13におけるスリーブ14を支承している支持ローラ15の一方の軸受部であるローラブロック18の上下位置を変位させるのである。このローラブロック18の上下位置の変位は成型ドラム手段13自体をその全体で成型搬送方向に対して傾斜させることで、スリーブ14の横移動方向を偏位させて正方向に矯正するのである。例えばスリーブ14の傾斜がB´であるときに、ローラブロック18位置をAからA´に上昇変更することでスリーブ14の横移動方向をB´からBに偏位できるのである。
【0019】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているため、ローラ(12)とこのローラ(12)外周面に湾曲状に当接するスリーブ(14)を有するドラム手段(13)との間で長尺なシート材(S)を挟圧して搬送するときのスリーブ(14)の位置のずれ等が生じても、ドラム手段(13)全体の搬送方向に対する傾斜揺動によって正方向に矯正できるものである。そして例えば成型ローラ12とこの成型ローラ12の外周面に湾曲状に当接するスリーブ14を有する成型ドラム手段13との間に溶融合成樹脂材料Mを供給して長尺な合成樹脂製シートSを連続成型するときのスリーブ14の位置のずれ等を防止できるのであり、また剛性材料製のものであるスリーブ14に無理な外力を付与させずに済み、その耐久性の向上をも図り得るのである。
【0020】
すなわちこれは本発明方法において、ローラ(12)とこのローラ(12)外周面に湾曲状に当接するスリーブ(14)を有するドラム手段(13)との間で長尺なシート材(S)を挟圧して搬送するときに生じるスリーブ(14)の位置のずれ等を矯正するのに、ドラム手段(13)を搬送方向に対して傾斜揺動させるとしたからであり、また本発明装置において、ドラム手段(13)を支承している左右の軸受部(18)のいずれか一方を搬送方向に対して横移動させる移動手段(27)を設けたものとしたからであり、これらによって、長尺なシート材(S)に対する挟圧搬送、長尺成型品に対する成型時の挟圧搬送等に際するスリーブ(14)の位置を常時正方向に制御調整できるのである。
【0021】
またドラム手段(13)を支承している左右の軸受部(18)のいずれか一方をジャッキ構造体27の移動手段によって移動するようにしてあるから、搬送方向に対してドラム手段(13)全体を傾斜揺動させることができ、ローラ(12)との間で挟圧搬送するシート材(S)の搬送方向を迅速、正確に変位させられるのである。しかもこのジャッキ構造体27は、ドラム手段(13)における支持ローラ15を支承している左右側部の軸受部であるローラブロック18のいずれか一方に連繋されるナット体28をネジ送りで昇降させるよう回転されるオネジ状のジャッキシャフト29を有するから、ローラブロック18更にはドラム手段(13)等が重量的に嵩張っていても確実に、しかも昇降範囲が僅かであっても正確に制御昇降させることができる。
【0022】
成型ローラ12、成型ドラム手段13夫々を備えて成る成型機構10によって溶融合成樹脂材料Mから合成樹脂製シートSを挟圧成型して搬送するとき、スリーブ14の側縁位置を検知している微変位検出センサー36からの検知信号によってジャッキ構造体27を制御ユニット35で制御するようにしてあるから、合成樹脂製シートSを連続して成型搬送するとき、スリーブ14の位置のずれ等が検出された場合にはそれを常時正方向に変位調整でき、ひいては成型搬送する合成樹脂製シートSの曲り、撓み等を自動的に矯正することもできる。
【0023】
また以上のような矯正装置20は、薄膜状の長尺成型品である合成樹脂製シートSにおけるエンボス加工、更にはラミネート加工等を行なうエンボス機、ラミネート機等にも適用でき、汎用性に富むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における側面図である。
【図2】同じく正面図である。
【図3】同じく合成樹脂製シートの成型装置における要部の側面図である。
【図4】同じく合成樹脂製シートの成型装置における要部の平面図である。
【符号の説明】
M…溶融合成樹脂材料 S…合成樹脂製シート
1…ベースフレーム 2…アニリング部
3…ダイ 4…昇降ジャッキ部
10…成型機構 11…成型ベースブロック
12…成型ローラ 13…成型ドラム手段
14…スリーブ 15…支持ローラ
16…圧着代調整手段 17…進退調整手段
18…ローラブロック 19…支持柱
20…矯正装置 21…昇降ガイド部
22…昇降スライド体 23A,23B…進退スライド体
25…ブロック昇降手段 26…昇降ベースブロック
27…ジャッキ構造体 28…ナット体
29…ジャッキシャフト 31…ジャッキモータ
35…制御ユニット 36…微変位検出センサー

Claims (3)

  1. 成型ローラとこの成型ローラ外周面に湾曲状に当接するスリーブを有する成型ドラム手段との間に、溶融合成樹脂材料を供給、挟圧して長尺シート材を成型しながら搬送するときに生じるスリーブの位置ずれを矯正するものであって、成型ドラム手段においてのスリーブを循環回転するように支承している一対の支持ローラ夫々の左右の軸受部のいずれか一方を搬送方向に沿って移動することで、成型ドラム手段全体を搬送方向に対して傾斜揺動させ、成型ローラに密着する長尺シート材の牽引力でスリーブの位置ずれを矯正することを特徴としたスリーブ使用時におけるスリーブの位置の矯正方法。
  2. 回転自在に支承された成型ローラと、この成型ローラ外周面の一部に円弧状に当接回転して成型ローラと共に挟圧して、供給される溶融合成樹脂材料を所定肉厚に設定した長尺シート材に成型する径方向に可撓なスリーブを上下で一対の支持ローラによって循環支承して成る成型ドラム手段とを備えた成型装置において、長尺シート材を成型しながら搬送するときに生じるスリーブの位置ずれを矯正するものであって、成型ドラム手段においてのスリーブを循環回転するように支承している一対の支持ローラ夫々の左右の軸受部のいずれか一方を搬送方向に沿って移動して成型ドラム手段全体を傾斜移動させる移動手段を設け、この移動手段は、軸受部に連繋されているナット体をネジ送りで昇降させるよう回転されるオネジ状のジャッキシャフトを有するジャッキ構造体のものとし、このジャッキ構造体におけるジャッキシャフトは、スリーブの位置ずれに対応して回転が制御されるジャッキモータの駆動によって従動回転されるウォーム手段を介して回転されるものとしてあることを特徴とするスリーブ使用時におけるスリーブの位置の矯正装置。
  3. 移動手段は、スリーブにおけるいずれか一方の側縁位置を常時検知している微変位検出センサーからの検知信号によってジャッキモータを介してジャッキシャフトを正逆方向に所定値で回転させるようになっている制御ユニットとを備えて成る請求項2記載のスリーブ使用時におけるスリーブの位置の矯正装置。
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