JPH0867373A - ベルト搬送装置の蛇行調整機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 紙葉類をベルトで搬送する装置におけるベル
トの蛇行調整を簡易化する。 【構成】 紙葉類を搬送するベルト搬送装置において、
搬送ベルト１の両側縁近傍にそれぞれ、蛇行を検出する
センサー９ａ，９ｂ，１０ａ，１０ｂを設け、その検出
結果をもとに駆動するモーター７とモーター７に連動す
る調整ボルト６とを有し、搬送ベルトが掛けられている
従動ローラー３の一端を変位させることにより、蛇行を
調整するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、郵便物等の紙葉類の搬
送装置に関し、特にベルト搬送装置における紙葉類の蛇
行搬送を調整するための蛇行調整機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ベルト搬送装置は、搬送ベルト
を２本のローラーに掛け回し、いずれか一方のローラー
をモーター等の駆動手段に連結される駆動ローラーとす
ることにより、駆動ローラーの回転に伴って搬送ベルト
を移動させ、この搬送ベルト上に載置した紙葉類を搬送
するように構成されているが、このような装置では、ロ
ーラー同士の平行度や搬送ベルトの伸縮具合等によって
は搬送ベルトに作用する駆動力に変化が生じ、搬送ベル
トが蛇行してしまう事がある。

【０００３】そこで従来より、種々の蛇行調整機構が考
えられ、ベルト搬送装置に備えられている。

【０００４】図４は従来のベルト搬送装置を示し、図５
は図４に示したベルト搬送装置に備わる蛇行調整機構の
要部拡大図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図であ
る。

【０００５】図４に示されるベルト搬送装置は、平行に
配設された一対のガイドレール１０４ａ，１０４ｂと、
一対のガイドレール１０４ａ，１０４ｂの間で両端が支
持された駆動ローラー１０２と、一方のガイドレール１
０４ａに一端が支持され、他方のガイドレール１０４ｂ
の外側に設置された蛇行調整機構１０５に他端が搬送方
向（図中矢印方向）に変位可能に支持された従動ローラ
ー１０３とを備え、搬送ベルト１０１を駆動ローラー１
０２と従動ローラー１０３に掛け回して構成されてい
る。

【０００６】蛇行調整機構１０５は、図５に示すよう
に、ガイドレール１０４ｂを貫通した従動ローラー１０
３の他端を支持するブラケット１０６を有し、ブラケッ
ト１０６はガイドレール１０４ｂにボルト１０７により
固定されている。ブラケット１０６におけるボルト１０
７を通すための穴は搬送方向と同じ方向に長い長穴とさ
れている。ブラケット１０６の搬送方向側の一端部に
は、ブラケット１０６を搬送方向に変位させるための調
整ボルト１０８がねじ合っており、調整ボルト１０８は
ガイドレール１０４ｂの突起部とねじ合って支持されて
いる。

【０００７】搬送ベルト１０１の蛇行が生じた場合に
は、ボルト１０７を緩め、調整ボルト１０８によりブラ
ケット１０６を搬送方向に動かし、搬送ベルト１０１が
掛けられている従動ローラー１０３の軸線の角度を適正
に変化させることにより、蛇行を調整していた（例え
ば、特開昭６２−０２７２１０号公報）。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の蛇行調整機構では、一度調整しても長時間使用
すると片寄る場合が多く、完全に調整するのに、調整ボ
ルトを締め付けたり緩めたりしてローラーを動かす必要
がある為、多くの時間がかかる上、ベルトがガイドレー
ル側に片寄り過ぎて傷まないように人が常に監視しなけ
ればならないという問題点があった。

【０００９】そこで本発明は、上述した従来技術の問題
点に鑑み、紙葉類をベルトで搬送する装置におけるベル
トの蛇行調整を簡易化することができるベルト搬送装置
の蛇行調整機構を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、紙葉類を搬送するための搬送ベルトを、両
端が支持された駆動ローラーと一端が支持され他端が搬
送方向に変位可能に支持された従動ローラーとに少なく
とも掛け回してなるベルト搬送装置の蛇行調整機構にお
いて、前記搬送ベルトの両側縁近傍にそれぞれ配設さ
れ、前記搬送ベルトの蛇行を検出するセンサーと、前記
センサーの検出結果によって、前記従動ローラーの他端
を搬送方向に移動させることにより前記従動ローラーの
一端を中心とした前記従動ローラーの軸線の角度を変化
させ、前記搬送ベルトの蛇行を調整する駆動手段とを備
えたことを特徴とする。

【００１１】また、前記ベルト搬送装置の蛇行調整機構
において、前記駆動手段はモーターであり、前記センサ
ーによる検出に基づき、前記モーターを正転又は逆転さ
せて前記従動ローラーの移動を行うことにより前記搬送
ベルトの蛇行を常に監視調整しつづけることを特徴とす
る。

【００１２】

【作用】上記のとおりに構成された本発明では、紙葉類
を搬送するための搬送ベルトを、両端が支持された駆動
ローラーと一端が支持され他端が搬送方向に変位可能に
支持された従動ローラーとに少なくとも掛け回してなる
ベルト搬送装置において、搬送ベルトが蛇行すると、そ
の蛇行は搬送ベルトの両側縁近傍にそれぞれ設けられた
センサーによって検出される。

【００１３】そして、センサーの検出結果によって、モ
ーター等の駆動手段が、従動ローラーの他端を搬送方向
に移動させることにより従動ローラーの一端を中心とし
た従動ローラーの軸線の角度を変化させ、搬送ベルトの
蛇行を調整する。

【００１４】

【実施例】以下、本発明について図面を参照して説明す
る。

【００１５】図１は本発明のベルト搬送装置の蛇行調整
機構の一実施例を示す平面図、図２は図１に示した蛇行
調整機構の側面図である。

【００１６】図１及び図２に示されるベルト搬送装置は
郵便物などの紙葉類を搬送するもので、図４に示した従
来技術と同様、平行に配設された一対のガイドレール４
ａ，４ｂと、一対のガイドレール４ａ，４ｂの間で両端
が支持された駆動ローラー２と、一方のガイドレール４
ａに一端が支持され、他方のガイドレール４ｂの外側に
設置された後述の蛇行調整機構のブラケット５に他端が
搬送方向（図中矢印方向）に変位可能に支持された従動
ローラー３とを備え、搬送ベルト１を駆動ローラー２と
従動ローラー３に掛け回して構成されている。

【００１７】上記ベルト搬送装置の蛇行調整機構は、ガ
イドレール４ｂを貫通した従動ローラー３の他端を支持
するブラケット５を有し、ブラケット５はガイドレール
４ｂにボルト（不図示）により固定されている。このボ
ルトを通すための、ブラケット５の穴は搬送方向と同じ
方向に長い長穴とされている。ブラケット５の搬送方向
側の一端部には、ブラケット５を搬送方向に変位させる
ための調整ボルト６がねじ合っており、調整ボルト６は
ガイドレール４ｂの突起部（不図示）とねじ合って支持
されている。そして、調整ボルト６の端部はギアとさ
れ、このギアにモーター７の出力軸に固定されたギアが
噛み合っている。

【００１８】ガイドレール４ａには上下一対のセンサー
（上）９ａ、センサー（下）９ｂが、蛇行した搬送ベル
ト１の側縁を介することができるように配設され、ま
た、ガイドレール４ｂにも上下一対のセンサー（上）１
０ａ、センサー（下）１０ｂが、蛇行した搬送ベルト１
の側縁を介することができるように配設されており、ガ
イドレール４ａのセンサー９ａ，９ｂとガイドレール４
ｂのセンサー１０ａ，１０ｂとは、搬送方向と直交する
平面上に配置されている。一対のセンサー９ａ，９ｂお
よび一対のセンサー１０ａ，１０ｂは、例えば光センサ
ーであり、センサー９ａ，９ｂにて搬送ベルト１の側縁
を検出した場合はモーター７を一方向に回転させ、セン
サー１０ａ，１０ｂにて搬送ベルト１の側縁を検出した
場合はセンサー９ａ，９ｂによる検出の場合のモーター
７の回転方向とは逆になるように構成されている。な
お、搬送ベルト１が正規の搬送状態にある場合には、両
センサーとも作動しない。

【００１９】図３は図１に示した蛇行調整機構による調
整動作を説明するための図である。上記構成の蛇行調節
機構では、駆動ローラー２と従動ローラー３に掛け回さ
れた搬送ベルト１が搬送方向に対して左右（駆動ローラ
ー２の軸線と平行な方向）に蛇行すると、その蛇行は搬
送ベルト３の両側縁にそれぞれ配置されたセンサー９
ａ，９ｂまたはセンサー１０ａ，１０ｂによって検出さ
れる。

【００２０】図３に示すように、搬送ベルト３が搬送方
向に対し右側に、即ち図３中矢印Ａ方向に蛇行する場合
は、センサー９ａ，９ｂにより搬送ベルト３の側縁が検
出され、それに基づきモーター７の出力軸が回転し調整
ボルト６を緩め、従動ローラー３の調整側の端のみを図
３中矢印Ｂ方向に移動させる。このことにより、駆動ロ
ーラー２と従動ローラー３との中心を結ぶｃ−ｃ線と従
動ローラー３の軸線に対する垂線とに角度αが生じるこ
とによって蛇行を調整することができる。

【００２１】搬送ベルト１が搬送方向に対し左側に、即
ち図３中矢印Ａ方向と反対方向に蛇行する場合は、一対
のセンサー１０ａ，１０ｂにより搬送ベルト３の側縁が
検出され、モーター７は先程とは逆に回転し調整ボルト
６を締め、従動ローラー３の端を図３中矢印Ｂ方向とは
反対側に移動させることにより、蛇行を調整することが
できる。

【００２２】本実施例では、一方のセンサーで蛇行が検
出されたことで、モーターによりローラーの一端部のみ
が搬送方向に移動され、搬送ベルトが正規の搬送状態に
達したとき、両方のセンサーに搬送ベルトが検出されな
いのでモーターは停止するが、搬送ベルトは直ぐには停
止できないので正規の搬送状態を通り過ぎて蛇行し、他
方のセンサーで蛇行が検出されることとなる。そして、
他方のセンサーの作動によりモーターの回転方向は前と
逆になるが、ローラーの一端部のみが搬送方向とは逆の
方向へ移動され搬送ベルトは反対の方向に蛇行し、また
最初に検知されたセンサーに検出される。このような蛇
行調整を繰返し行う際にモーターの回転数を一回目の回
転数に対し次に同方向に回転させる際、回転数を減ら
す、つまり従動ローラーの移動量を少なくする。この行
程を繰り返すことにより蛇行をなくすことができる。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、搬送ベル
トの両側縁近傍にそれぞれセンサーを配設し、これによ
り常時搬送ベルトの蛇行を監視すると共に、このセンサ
ーの検知結果に基いて駆動手段によりローラー位置を変
位させるように構成したことにより、蛇行監視調整の為
に時間や労力を費やすことなく、ベルトを一度掛ければ
済むという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のベルト搬送装置の蛇行調整機構の一実
施例を示す平面図である。

【図２】図１に示した蛇行調整機構の側面図である。

【図３】図１に示した蛇行調整機構による調整動作を説
明するための図である。

【図４】従来のベルト搬送装置を示す図である。

【図５】図４に示したベルト搬送装置に備わる蛇行調整
機構の要部拡大図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図
である。

【符号の説明】

１ 搬送ベルト ２ 駆動ローラー ３ 従動ローラー ４ａ，４ｂ ガイドレール ５ ブラケット ６ 調整ボルト ７ モーター ９ａ，１０ａ センサー（上） ９ｂ，１０ｂ センサー（下）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙葉類を搬送するための搬送ベルトを、
   両端が支持された駆動ローラーと一端が支持され他端が
   搬送方向に変位可能に支持された従動ローラーとに少な
   くとも掛け回してなるベルト搬送装置の蛇行調整機構に
   おいて、 前記搬送ベルトの両側縁近傍にそれぞれ配設され、前記
   搬送ベルトの蛇行を検出するセンサーと、 前記センサーの検出結果によって、前記従動ローラーの
   他端を搬送方向に移動させることにより前記従動ローラ
   ーの一端を中心とした前記従動ローラーの軸線の角度を
   変化させ、前記搬送ベルトの蛇行を調整する駆動手段と
   を備えたことを特徴とするベルト搬送装置の蛇行調整機
   構。
2. 【請求項２】 前記駆動手段はモーターであり、 前記センサーによる検出に基づき、前記モーターを正転
   又は逆転させて前記従動ローラーの移動を行うことによ
   り前記搬送ベルトの蛇行を常に監視調整しつづけること
   を特徴とする請求項１に記載のベルト搬送装置の蛇行調
   整機構。