JP3756517B2 - ドップラー受信ビーム生成器システムのための方法とシステム - Google Patents
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Description
本発明は、例えば、振動性エネルギーを用いる、レーダー、ソナー、地震、超音波システムを含む干渉性結像及びドップラーシステムに関し、特に、スペクトル・ドップラー捕捉機能を有する位相アレイの超音波結像システムに関するが、それに限定されるものではない。本発明は超音波システムに関して説明するが、本発明は他のタイプの干渉性結像システムにおいても実行できる。
II. 発明の背景
医療用超音波結像は、超音波変換器アレイから人体組織に向けて、焦点調節した超音波“線”又は“ビーム”の連続を発射(送信)することにより動作し、その発射方向は、所定の走査パターンに従って組織の平らな薄片をカバーするように操舵される。超音波エネルギーは、想定一定伝搬速度で組織を伝搬し、組織と相互作用し、エネルギーの弱い部分を反射又は屈折させて、超音波エネルギーを発射した超音波アレイに戻す。有限伝搬速度に起因する往復遅延時間は、超音波アレイに最も近い組織からの戻りに対して最短であり、アレイから最も離れたレンジからの戻りに対して最長になる。従って、所定の送信発射から時間的に異なるポイントで超音波アレイが受信するエネルギーは、人体の異なる深度(“レンジ”)における組織の情報を含んでいる。
送信ビームは、アレイに渡る所定の遅延プロファイルにより、アレイ内の異なる変換器がパルスを放出する時間を遅延することにより操舵され、人体内に形成された干渉パターンが相対的に狭いラインを強調することになる。更に、遅延プロファイルは人体内の既知の深度でビームの焦点を定めるように作動する。送信時には、1つの焦点深度のみが定義可能である。受信時には、焦点深度は、個々の瞬間に受信される反射を生じる組織の深度を追跡するために、経時的に動的に変更できる。
そのうえ、送信時に変換器の各々に印加される信号は、変換器アレイの有限開口に起因するビームの空間的サイドローブ・パターンを制御するために、アポダイゼーション・プロファイルに従って重み付けされる。相補形アポダイゼーション・プロファイルも受信時に適用される。
B−モード(グレースケール結像)、F−モード(カラー・フロー又はドップラー結像)、D−モード(スペクトル・ドップラー)と呼ばれるものを含む、別の超音波データ捕捉モードも幾つか知られている。
B−モード結像の場合、超音波システムは、典型的に、走査線に沿い、希望の視野を走査するために操舵される一連のビームを送信する。超音波システムは、典型的に、超音波ビームに対応する状態で“受信ビーム”を操舵する。各々の受信ビームから戻ったデータは、画像表示サブシステムに送られ、それは、2次元グレースケール画像をB−モード・データから再構成し、それをコンソールに表示する。
F−モード結像は、B−モード結像と類似の方法で作成され、超音波システムが一連のビームを発射及び受信して、視野を走査する。しかし、F−モード結像はターゲットの速度計算を要求するので、各々の走査線が、数回にわたり発射及び受信される。B−モード結像と同様に、各々の走査線の各々の発射から戻るデータが、コンソール上の画像の再構成に用いられる。
F−モード結像は、B−モード結像としばしば同時に用いられる。例えば、B−モード走査から再構成したグレースケール画像は、同じ視野又はそれより小さい視野におけるF−モード走査から再構成したF−モード画像に重ね合わせることができる。F−モード情報はカラーで表示でき、異なるカラーは、画素が重畳されるB−モード画像の一部において、異なる正又負の流速又は乱流を表している。F−モード結像は患者の人体内におけるターゲットの動きの定性的な観察のみを提供することを意図しているので、F−モード信号の超音波システムの処理は、振幅又は画素分解能において高い空間的又は速度的な分解能を備える必要はない。しかし、F−モード結像の価値は、人体の解剖学的構造に対応する流れを検出することにあるので、F−モード画像が、スクリーン上にB−モード画像と共に適正に表現されることが常に重要である。
D−モード(スペクトル・ドップラー)捕捉では、超音波システムは、ビームを発射し、単一のターゲットについての戻り信号を処理する。スペクトル・ドップラー情報は、連続波(CW)又はパルス波(PW)の超音波エネルギーを送信及び受信することにより得ることができる。CWドップラー捕捉では、超音波受信器は、人体における受信器の感応領域内の全対象からのエコーを連続して受信するが、いずれかの特定のレンジ間隔から受信した情報を分離することはできない。CWドップラーは、希望ターゲットのみを含めるために、機器の感応領域をプローブの物理的配置又はビーム生成あるいはその両方によって調整できる場所で最も効果的となる。PWドップラー捕捉では、超音波機器はエコーを個々のパルスから受信し、そのタイミングは、エコーを生成した対象物の人体内のレンジ間隔を示唆している。医療関係者は、典型的に、ターゲットがその中に位置すると予想されるレンジ間隔を選択する。
D−モード捕捉では、非常に広いレンジの信号レベル(ダイナミックレンジ)にわたって詳細な定量的測定を実施できることが望ましい。D−モード情報は、超音波システムによって処理され、時間に関してプロットされたターゲットの速度スペクトルを示すか、又は、類似の情報を保有する音響出力を提供する。スペクトル・ドップラー捕捉は、Liv Hatle,M.D.とBjorn Angelsen、Dr.Techn.,“心臓医学におけるドップラー超音波”(第1版が1982年に発行し、第2版が1984年に発行)に記載され、共にその全ての参考文献としてここに含める。
B−、F−、D−モード捕捉のほかに、M−モードとして知られる第4のモードも存在するが、これは単純に、B−又はF−モード捕捉と類似の方式で得たデータを異なる状態で表示する形式にすぎない。M−モード捕捉のための要求事項は、B−又はF−モード捕捉と大きく異なるところはない。
D−モード超音波捕捉は、B−又はF−モード捕捉に必要なものより遙かに大きいダイナミックレンジを具備する受信機器を要求する。これは、主として、D−モード捕捉が、血球の流れのような動くターゲットのエコーからの低レベルのドップラー識別特性に集中するからである。血液の流れから生じたエコーは非常に弱く、特に、心臓弁漏洩は非常に弱い信号を生成する。しかし、クラッタ、又は、D−モード受信信号の非ドップラー・シフト成分は、しばしば遙かに強くなる。例えば、人体内の受信器の感応領域内における非運動物体は、興味の対象であるターゲットが生じるものより遙かに強いエコーを生成することがある。別の事例として、“ハイ・パルス反復周波数”(HPRF)と呼ばれるPWドップラーのある形態の場合、現在のパルスのデータ捕捉が完了する前に、1以上の新たなパルスが発射される。HPRF−PWドップラーの場合、興味の対象のターゲットより深くない物体から反射する新しいパルスから生じるエコーは、対象のターゲットから反射する現在のパルスから生じるエコーより強い。この近視野エコーの問題は、送信信号が連続して受信されるCWドップラーにおいても生じる。
クラッタのほかに、CWドップラーにおいては、電気的及び音響的な大きな混信もある。従って、弱い流れを検出するためには、受信信号経路は、多くの振幅オーダーによって分離できても、ノイズ・フロアを妨げずにクラッタを保持できる十分に大きいダイナミックレンジを備えていなければならない。
B−とF−モード捕捉を意図する受信器は、D−モードの感度について要求されるよりも低いダイナミックレンジの要求を有する。B−モード捕捉は静止対象からのエコーに集中し、そのエコーは、スペクトル・ドップラー分析のために最も興味の対象となるものより遙かに強く、F−モード捕捉は、CWとHPRF−PW D−モード捕捉に存在する同じ種類のクラッタ源の影響を受けない。
アナログ受信ビーム生成器を有する市販の従来技術のアナログ医療用超音波システムは、典型的には、受信ビームを生成(規定)するために、アナログでチャンネルごとに可変のディレイラインを採用していた。アナログディレイラインは、高品質のB−とF−モード結像に必要な優れた指向性(横方向の分解能)を提供していた。また、これらのシステムは、ビームの希望のレンジ間隔から受信したエネルギーを分離するために、ビーム生成後のレンジ・ゲートを起動することによりD−モード捕捉にも使用できた。しかし、アナログディレイラインはB−とF−モード捕捉に適しているものの、それらは、D−モードを適正に処理するために必要なものより低くダイナミックレンジを限定していた。より広いダイナミックレンジを有するアナログ可変ディレイラインは、特に膨大な必要数を考慮すると、驚くほど高価になる。
従来技術のデジタル受信ビーム生成器はB−とF−モード捕捉に対してアナログ受信ビーム生成器と比べると数多くの長所を提供するが、革新的な設計により更なる実質的な改良も可能である。デジタル受信ビーム生成器は、アナログ受信ビーム生成器のアナログ可変ディレイラインの代わりに、デジタル可変遅延素子を用いている。デジタル可変遅延素子は高精度アナログ可変ディレイラインに比べて安価で製作可能であるが、デジタル処理通路が、D−モード捕捉のために実現可能なダイナミックレンジに、他の制限を加える。
詳細には、D−モード捕捉に望まれるダイナミックレンジを達成するために、大部分の処理通路を通じて高いビット精度を保持することが必要になる。これは、B−とF−モード捕捉で許容される低いビット精度のみが保持される場合に比べ、機器を遙かに高価にする。そのうえ、デジタル受信ビーム生成器は、典型的に、個々のチャンネルごとのアナログ入力信号をデジタル形式に最も早い機会に変換し、信号がデジタルの形態で全ての処理を行うように動作する。この動作を行うチャンネルごとのアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)は、エイリアシングを防止するために、例えば、40メガサンプル/秒のレートでサンプルを生成する必要があり、この要求は既にADCにかなりの要求を課すことになる。これらのADCが、そのレートで、及び、D−モード捕捉の広ダイナミックレンジ要求のために望まれる十分に高いビット精度でサンプルを生成することを要求されるならば、その要求は、ADCを、現在の技術では製作不能とするか、又は、最低でも、著しく高価なものにする。従って、B/F−モード捕捉をサポートするためのビット精度を備えて設計された受信デジタルビーム生成器は、典型的に、高性能のD−モード捕捉に必要なダイナミックレンジをサポートしない。
D−モード捕捉に対する従来技術の受信ビーム生成器の不適切性のために、市販の機器は、D−モード捕捉専用の、ビームを生成しない別の補助チャンネル(又はAUXチャンネル)をしばしば搭載していた。このチャンネルは、1以上の素子から構成される別個の、非結像変換器と共に動作していた。AUXチャンネルは、広いダイナミックレンジをもつ単一の受信チャンネルを用いて、CW又はPWスペクトル・ドップラーを行うことができた。
この広いダイナミックレンジのチャンネルは、優れたスペクトル・ドップラー性能を提供していたが、別にプローブを使用するので重大な医学的欠点を生じていた。AUXチャンネルは結像を行わなかったので、医療関係者は、B−モード・ディスプレイ上で見える解剖構造に対応する人体内の流れの位置を視覚的に示すことができなかった。更に、一人の患者の検査にB−モードとD−モードの両方の使用を希望する医療関係者は、プローブを交換するために、検査の中断を余儀なくされていた。典型的なAUXチャンネルの主な機能ブロックが、前述の“心臓医学におけるドップラー超音波”、第1版の202頁に図示してある。
そこで、前述の制約のために、医療用超音波機器のユーザは過去において、一方において高分解能ビーム生成捕捉、若しくは、他方において高ダイナミックレンジの非ビーム生成捕捉の一方を選定するように制限されていた。医療関係者に、人体の解剖構造に対応する詳細な定量的スペクトル・ドップラー分析のためにターゲットの位置を視覚的に設定することを可能とする広いダイナミックレンジのビーム生成捕捉は不可能であった。従って、B−又はF−モードあるいはその両方の捕捉の高分解能の位相アレイによるビーム生成と、D−モード捕捉の広いダイナミックレンジの位相アレイによるビーム生成とを、大量の追加の又は高価なハードウェアを必要とせずに、共に実現できる超音波受信システムが必要とされる。
III. 発明の要約
本発明によれば、概説すると、超音波受信システムは2つの受信ビーム生成器を備えている。第1の受信ビーム生成器はB−及びF−モードのような結像モードに最適化してあるので、高い空間分解能を備えている。付随する第2の受信ビーム生成器は、広いダイナミックレンジを具備し、D−モード信号の捕捉のために専用的に用いられる。第2の受信ビーム生成器は、単一チャンネルのペンシル・プローブ機器の感度と低ノイズ特性を実現するが、電気的なビーム操舵も行う。第2のビーム生成器は、他のモードのデータを得るために結像受信ビーム生成器において必要な多くの機能が専用のD−モード捕捉に対して省略できるので、大量の更なるハードウェアを必要としない。好適には、第2の受信ビーム生成器はアナログである。
第2の受信ビーム生成器(時々、ドップラー受信ビーム生成器と呼ばれる)の実施例では、各々の受信素子からのアナログ入力信号が増幅され、ベースバンドへの復調のために同相(I)と直角位相(Q)の混合器に供給され、複素回転器で独立して位相調節され、パルス波(PW)信号については、独立にレンジ・ゲート制御されて希望したレンジ間隔のビーム生成及び分離の両方を実行する。全チャンネルからのベースバンド信号は、次に加算され、(PW信号については)全レンジ・ゲートに関して結合された期間で積分される。(連続波(CW)信号については積分器は低域通過フィルタとして機能できる。)積分器の後には、サンプラと、フィルタと、アナログ・デジタル変換の如き後続の処理が行われる。
個々のチャンネルごとのレンジ・ゲートをチャンネル加算の上流に配置することは、追加の広ダイナミックレンジのD−モード受信ビーム生成器に必要なハードウェアの追加を実質的に減少させる本発明の1つの観点を実現する。なぜならば、それらが加算後のレンジ・ゲートの代わりになるだけでなく、それらは、従来の構造で必要な高価で高精度のディレイライン(アナログ又はデジタル)の代わりにもなるからである。レンジ・ゲートは非常に経済的に実現できる。
単一の積分器を加算の下流に使用することは、本発明の別の観点を実現する。PWスペクトル・ドップラー処理は、発射するラインにつき1つの出力値を最終的に生成するために、選択したレンジ間隔で積分することを要求する。しかし、チャンネルごとのアナログディレイラインが個々に起動されるチャンネルごとのレンジ・ゲートに代わると、各々の別個のレンジ・ゲートがクローズ(導通)している時間に渡り積分するために、個々のチャンネルごとの積分器が必要になることが予測される。しかし、本発明のこの観点は、特定のチャンネルのレンジ・ゲートがオープンしている(導通していない)時に、そのチャンネルが加算に関与しないという観察を利用している。従って、最初のレンジ・ゲートがクローズする時刻より遅れることなく開始し、最後のレンジ・ゲートがオープンする時刻より早まらずに終了する期間に渡って積分が行われる限り、積分機能は加算後も保持できる。PWサンプルは、その期間の最後まで未完了である。
チャンネルの各々における復調機能と位相調節機能の分離は、本発明の更に別の観点を実現する。種々のチャンネルからの信号の干渉性加算を行うために、個々のチャンネル信号の位相は、それらが全て、ランダムに加減算するより、むしろ全てを加算するために、調整されなければならない。また、ベースバンドへの混合は、ドップラー方向情報を維持するために、正弦と余弦の両方の積を要求する。位相調整の従来の手法は、各々のチャンネルについて、それ自体の混合器クロック入力を、選択した位相で生成することである。しかし、可変クロックを単一のチャンネルに提供することは、自ら問題を誘発することになる。それらを許容可能な数の異なるチャンネル(例えば64)に提供することはなおさらそうである。2つの可変位相クロックを、正確な直角位相で、多くのチャンネルについて提供することは非常に難しいことである。本発明のこの観点は、焦点調節要求が、D−モード捕捉では他の捕捉モードほど強く要求されず、それゆえ、位相設定のごく少数の細分度で十分であることを利用している。従って、共通の正弦と余弦のクロックが全チャンネルの混合器に分配され、共通の制御ユニットによってデジタル的に行われた選択に応答して、直列位相回転がチャンネルごとに行われる。
本発明の実施方式には、処理機能の再構成及び/又は結合、若しくは、IF段の包合を含む数多くの変形が考えられる。これらの変形の一部について、詳細な説明の結論部に記載してある。
【図面の簡単な説明】
本発明は、その特定の実施例を基準にして説明される。参照番号が図面に対応して付記してある。
図1aと1bは人体の組織に出入する超音波ビームの送信と受信の概念を示す。
図2aは、超音波医療用結像システムの新規の超音波ビーム生成器システムの高レベル・ブロック図を示す。
図2bと2cは、一緒に、図2aの超音波ビーム生成器システムの詳細なブロック図を示す。
図3は、図2bに示す受信増幅器と復調/レンジ・ゲートの内の1つの機能ブロック図を示す。
図4は、図2bに示すドップラー受信ビーム生成器の共通回路の機能ブロック図を示す。
図5は、図2bに示す復調/レンジ・ゲートの異なるものの出力が、図2bに示す共通部分の入力に対して結合される状態を示す機能ブロック図である。
図6は、PW−ドップラー捕捉(正規又はHPRF)のために、図3と4に示すある構成要素の動作を示すタイミング図である。
図7は、図2bの受信ビーム生成器システムのデジタルマルチチャンネル受信プロセッサとベースバンドマルチビーム・プロセッサの実施例の詳細なブロック図を示す。
図8は、メモリ・アドレスと遅延プロセッサの実施例と共に、受信ビーム生成器システムの図7のデジタルマルチチャンネル受信プロセッサの可変時間遅延メモリの略図を示す。
図9aと9bは、図8の可変時間遅延メモリに適用できる、典型的な時間遅延プロファイルを示すグラフである。
図9cは、増加した開口幅、並びに、変換器アレイの中心に位置し且つそれと垂直な受信走査線に沿う、増加したレンジを有する、一連の発展遅延プロファイルを示す。
図10aと10bと10cは、図8のデジタルマルチチャンネル受信プロセッサの可変時間遅延メモリからの、適正に時間遅延されたデータの記憶及び選択についてグラフで示す。
図11は、マルチビームの生成に用いるものを表すデータを出力するための、図8の可変時間遅延メモリに記憶されたデータの選択を概略的に示す。
図12は、受信ビーム生成器システムの局部的プロセッサ制御に関する、複素乗算器、位相及び周波数プロセッサ、アポダイゼーション・プロセッサの実施例の略図を示す。
図13は、間引器、位相調整器(利得と位相と周波数)制御プロセッサに関連する受信走査線の中において位相調整を行う、本発明の位相調整器の実施例のブロック図を示す。
図14aと14bと14cは、複素乗算器における信号復調及び位相微調整と、位相調整器における信号再変調とに適用できる、典型的な信号周波数ダウンシフト・プロファイルを示すグラフである。
図14dと14eと14fは、信号復調に適した信号周波数ダウンシフト・プロファイルを示すグラフである。
図15は、変換器アレイの中心に位置し且つそれと垂直の受信走査線に沿う、増加したレンジを有し、増加した開口幅を有する、一連の異なる発展アポダイゼーション・プロファイルを示す。
V. 好適な実施例の詳細な説明
A. 好適なビーム生成器システム構造の概要
1. 超音波信号の説明
本発明では、超音波結像は、結像されるべき人体の組織又は他の物体に、送信走査線と呼ばれる空間的な直線に沿うように中心が配置された合焦超音波ビームの走査シーケンスを発射(送信)することによって行われる(図1a)。送信走査線は、送信ビーム生成器と超音波変換器アレイによって生成される。送信走査線は、予め定められた発射又は走査パターンによって、組織の平坦でリニア、平坦でセクタの、又は、他の表示を生成するように離間している。組織のある定められた深度に焦点が合うと、組織を通じて公称C=1540m/秒の想定一定伝搬速度で伝搬する超音波送信連続波(CW)又はパルス波(PW)信号は、組織と相互作用し、信号の小さい部分を、超音波信号を発信した超音波変換器アレイへ戻す。往復遅延時間は、超音波変換器アレイの最も近くに位置する目標に対して最短であり、変換器アレイから最も離れている目標に対して最長になる。適正な時間遅延を適用すると、受信ビーム生成器(図1b)は、例えば、対象の最浅のレンジ(深度)から始まり、対象の最深のレンジに向かう、受信走査線と呼ばれる空間的な直線に沿う受信ビームを動的に焦点調節できる。
図1aと1bは、それぞれ、送信と受信の走査線(実線)と個々の素子からの直線信号伝搬通路(破線)を示す。図1aでは、送信ビーム生成器は、この特定の実施例の場合、リニア位相アレイとして構成された複数の個々の変換器素子T−54を含む変換器アレイT−52と共に、T−50によって全体的に表されている。従来技術において周知のように、多種多様な変換器アレイ構成が、超音波送受信ビーム生成器システムで使用できる。図1aから分かるように、送信ビーム生成器T−50は、適切に時間的に遅延された電気信号を個々の変換器素子T−54に送る。これらの変換器素子T−54は、電気信号を、人体の組織T−56内を伝搬する音波に順に変換する。個々の変換器素子T−54に送られる励起信号に異なる時間遅延を加えることによって、それぞれ焦点レンジr1とr2を有する送信走査線T−60とT−62が設定できる。これらの送信走査線の各々が、結像されるべき人体に向けて操舵され焦点調節される、異なる送信ビームの中心線を表していることが理解できる。
送信ビーム生成器T−50は、異なる走査線に沿う、又は、同じ走査線に沿う異なる焦点深度の同時のマルチビームを生成できる(合成焦点)。更に、複数の送信ビームは、各々が結像フォーマット全体を走査でき、又は、複数のビーム各々が結像フォーマットの指定部分だけを走査するように送信できる。
図1bは、デジタル受信ビーム生成器R−58を示し、これもまた変換器アレイT−52に接続している。また、図1bには、動的に焦点調節された第1受信ビームと動的に焦点調節された第2受信ビームに夫々対応する受信走査線R−64とR−66が図示してある。ビームは、レンジにおいて、夫々の走査線に沿う複数の焦点深度(r1、r2、r3)でサンプルされる。本受信ビーム生成システムのデジタル受信信号経路では、変換器アレイ信号は、複数の別個のビームを表すデータに選択的に分離できる。
送信又は受信走査パターンの各々の走査線は、変換器アレイ上の原点と走査線方向(角度θ)と焦点深度又はレンジ(r)とによってパラメータ設定できる。本発明の超音波結像システムは、これらのパラメータによって指定される焦点調節時間遅延と開口アポダイゼーション値の予め計算された散在データセットを記憶し(従来技術において周知の幾何学的検討に基づいて)、リアルタイム計算手段によってその値を拡張して、所望の走査線を生成する送信/受信ビーム生成器システムを制御する。
2. ビーム生成器システム
図2a、2b、2cは、医療用超音波結像システムR−20の全体的なブロック図を示す。超音波システムR−20は、ビーム生成器システムR−22、1以上の変換器T−112、ディスプレイR−28を有する表示処理システムR−26、超音波結像システムコントロールR−40を備えている。
図2a、2b、は2cでは、ビーム生成器システムR−22は、独創的で新規の、(1)デジタル送信ビーム生成器システムT−102、(2)デジタル受信ビーム生成器システムR−100、(3)ビーム生成器中央制御システムC−104、(4)適応式焦点調節コントロールシステムG−100、(5)ドップラー受信ビーム生成器システムA−400、(6)ベースバンドマルチビームプロセッサR−125、及び、(7)干渉性サンプル合成器S−100を備えている。これらのシステムは、高レベル機能ブロック図として図示してある。ブロックは、実行される信号処理機能を効果的に図示するために、好適な実施例の実際の装備から抽出されている。
図2aに示すように、ビーム生成器システムR−22は、2つのデジタルビームデータ源を表示処理システムR−26に提供する。すなわち、(1)ビームの干渉性時間的サンプリング(CWケース)、又は、ビームに沿ったあるレンジロケーションにおける干渉性時間的サンプリング(PWケース)を表すドップラー受信ビーム生成器の単一ビームの複素同相/直角位相データと、(2)各々の受信走査線に沿うレンジにおける干渉性サンプリングを表す、デジタル受信ビーム生成器のマルチビームの複素同相/直角位相データである。ビーム生成器システムR−22は、種々の表示モードに適したデータを提供するために、前述のように、走査線のシーケンス及び関連するサンプルを提供するように作動できる。例として、可能な表示モードとそれらに関連するプロセッサは、(1)B−モード(グレースケール結像)とM−モード(運動表示)のための輝度画像及び運動プロセッサR−30と、(2)F−モード(流れ結像)のためのカラードップラー画像プロセッサR−32と、(3)広域動的非結像ドップラー速度対時間表示のためのスペクトルドップラープロセッサR−34とを搭載できる。更なる表示モードは、当業者には自明のことと思われるが、R−22の2つの複素データ源から作成できる。
また、超音波システムR−20は、出力波形を送信器T−103から変換器素子T−114に送る送信デマルチプレクサT−106と、入力波形を変換器素子T−114から受信器R−101に送る受信マルチプレクサR−108と、1以上の変換器コネクタT−110と、変換器アレイT−112を備えている。数多くのタイプの変換器アレイがこのシステムで使用できる。
また、超音波システムR−20は、超音波結像システムコントロールR−40と、走査パラメータと走査データを記憶する保管メモリR−38と、オペレータインタフェースR−36を備えている。
ここで用いる超音波という用語は、人間の聴覚範囲を越える周波数を意味している。しかし、変換器アレイT−112は典型的に2〜10MHzの範囲の周波数に対して最適化してある。
変換器アレイT−112は、リニア、湾曲、湾曲リニア、及び、環状の変換器アレイを含むが、それらに限定されない、種々の異なる変換器アレイと交換可能である。種々の変換器アレイの形状と周波数は、種々の異なる医学的な設定に関する要求を満足するために望ましいことである。しかし、変換器アレイT−112は、典型的には前述の2〜10MHzの指定範囲内の周波数に対して最適化される。医療用超音波システムR−20は、3つの主な機能、すなわち、超音波変換器アレイ素子T−114を駆動して、焦点調節した超音波エネルギーを送ること、変換器アレイT−114に入射する後方散乱した超音波エネルギーを受けて焦点調節すること、送信/受信機能を制御して、リニア、セクタ又はベクタ(登録商標)フォーマットを含む(しかしこれらには限定されない)走査フォーマットの視野を走査することを行う。
図2a、2b、2cでは、コントロール信号は細い案内線で連結されるが、シグナルパスは太い案内線を用いて描かれている。
3. デジタル送信ビーム生成器システム
デジタル送信ビーム生成器T−102は、複数のデジタルマルチチャンネル送信器T−103と、1以上の個々の変換器素子T−114に対する1つのデジタルマルチチャンネル送信器とから構成されている。送信器は、マルチチャンネルであり、好適な実施例では、4つまでの独立ビームを処理できる。従って、例えば、128個のマルチチャンネル送信器は512チャンネルを有する。他の好適な実施例では、5つ以上の独立したビームを処理できる。プロセッサあたり5つ以上のビームを処理することも本発明の視野の範囲内である。
好適な実施例では、デジタルマルチチャンネル送信器T−103の各々は、励起事象に対応する出力として、4パルスまでの重畳を生成し、各々のパルスがビームに対応している。各々のパルスは正確にプログラム設定された波形を有しており、その増幅度は、他の送信器又はチャンネルあるいはその両方に対して正確にアポダイズされ、共通の送信開始(SOT)信号に対して正確に定められた時間だけ遅延される。送信器T−103はCWも生成できる。
各々のデジタル・マルチチャンネル送信器T−103は、概念的には、複素変調器T−117に出力を送るマルチビーム送信フィルタT−115を備えている。複素変調器T−117の出力は、遅延/フィルタ部T−119に送られ、そこからデジタル/アナログ変換器(DAC)T−121に送られる。DAC T−121の出力は増幅器T−123によって増幅される。マルチビーム送信フィルタT−115と、複素変調器T−117と、遅延/フィルタ・ブロックT−119は、デジタルマルチチャンネル送信プロセッサT−104を構成する。
送信フィルタT−115は、送信開始(SOT)信号に応答するあらゆる実数又は複素数波形を提供するようにプログラム設定できる。送信フィルタT−115は、あらゆる所望の任意のパルス波形の実数又は複素数サンプルを記憶するメモリと、焦点調節遅延機能の構成要素によって遅延された送信開始(SOT)信号に応答して連続的にサンプルを読み出す手段と、を備えて構成される。好適な実施例では、T−115のメモリは、実数又は複素数パルスのエンベロープのベースバンド表示を記憶するようにプログラム設定される。
ブロックT−115は、主としてメモリであるが、ブロックT−115の出力がインパルスに対するフィルタの時間応答と考えることができるので、ここでは送信フィルタと呼ぶことにする。複素変調器T−117は、エンベロープを送信周波数にアップコンバートし、適切な焦点調節位相及びアポダイゼーションを提供する。
遅延/フィルタ部T−119は、概念的には、あらゆる残余焦点調節遅延成分と最終的な整形フィルタを提供する。デジタルアナログコンバータ(DAC)T−121は、送信波形サンプルをアナログ信号に変換する。送信増幅器T−123は、送信パワーレベルを設定し、選択された変換器素子T−114へ送信デマルチプレクサT−106を経由して送られる高電圧信号を生成する。
各々のマルチチャンネル送信プロセッサT−104に関連するのは、局部的又は2次プロセッサコントロールC−125であり、それは、アポダイゼーションと遅延値などの制御値及びパラメータを、マルチチャンネル送信プロセッサT−104の機能ブロックに提供する。各々の局部的又は2次プロセッサコントロールC−125は、中央又は1次制御システムC−104によって順に制御される。
4. デジタル受信ビーム生成器システム
デジタル受信ビーム生成器R−100は図2bに示されている。個々の変換器素子T−114からの信号は、結像される物体から反射される戻りエコー又は戻り信号を表している。これらの信号は、変換器コネクタT−110を経由して受信マルチプレクサR−108に送られる。マルチプレクサR−108を経由して、各々の変換器素子T−114が、複数のデジタルマルチチャンネル受信器R−101のうちの1つに別々に接続しており、デジタルマルチチャンネル受信器R−101は、加算器R−126と共に、本発明のデジタル受信ビーム生成器R−100を構成する。受信器はマルチチャンネルであり、好適な実施例では、各々の受信器が4つまでの独立したビームを処理できる。プロセッサあたり5つ以上のビームを処理することも、本発明の視野の範囲である。
各々のデジタルマルチチャンネル受信器R−101は、好適な実施例では、図2bの高レベル機能ブロック図に示す、次の要素を備えている。これらの要素は、動的で小ノイズで可変時間利得式の増幅器R−116と、アナログデジタル変換器(ADC)R−118と、デジタルマルチチャンネル受信プロセッサR−120と、を備えている。デジタルマルチチャンネル受信プロセッサR−120は、概念的には、フィルタ/遅延ユニットR−122と、複素復調器R−124と、を備えている。フィルタ/遅延ユニットR−122は、フィルタリングと、粗い焦点調節の時間遅延を提供する。複素復調器R−124は、微細な焦点調節の遅延を位相回転とアポダイゼーション(計測又は重み付け)の形態で提供し、また、ベースバンドへ、又は、その近傍への信号復調を行う。
テジタルマルチチャンネル受信器R−101は、加算器R−126に接続され、そこでは、各々の受信プロセッサの各ビームの信号サンプルが加算器R−126により加算されて、最終受信走査線サンプルを生成し、その結果得られた複素サンプルはベースバンドプロセッサR−125へ送られる。これらの夫々のブロックの厳密な機能及び構成は、残りの図面を最小して、後に十分に記述される。
局部又は2次コントロールC−210は、各々のデジタルマルチチャンネル受信器R−101に関連する。局部プロセッサコントロールC−210は、中央又は1次コントロールC−104によって制御され、タイミングと制御とパラメータの値を前述の受信器R−101のそれぞれに送る。パラメータ値は、時間遅延プロファイルとアポダイゼーションプロファイルを含んでいる。
5. ドップラー受信ビーム生成器システム
広ダイナミックレンジ、非結像ドップラー捕捉のためのドップラー受信ビーム生成器システムA−400は、アナログ受信器A−402を備えており、その各々がエコー信号を各々の1以上の変換器T−114から受信する。ドップラー受信器A−402の各々は、復調器/レンジゲートA−404を備えており、それは受信信号を復調してゲート制御し(PWモードだけ)、エコーを狭いレンジから選択する。ドップラー受信器A−402のアナログ出力はドップラープリプロセッサA−406に送られる。プリプロセッサA−406内で、アナログ信号は、加算器A−408によって加算され、その後、積分され、フィルタリングされ、アナログプロセッサA−410によってサンプリングされる。プリプロセッサA−406は、それから、サンプリングしたアナログ信号をアナログ−デジタル変換器(ADC)A−412でデジタル化する。デジタル化された信号は表示処理システムR−26に送られる。ドップラー受信ビーム生成システムは、本出願の主題である。
全てのドップラー受信器A−402に、単一の局部的又は2次ドップラービーム生成器コントロールC−127が関連している。ドップラービーム生成器コントロールC−127は、中央又は1次制御システムC−104によって制御され、制御及び焦点調節パラメータの値をドップラー受信ビーム生成器システムA−400に提供する。
ドップラー受信ビーム生成器システムA−400を記載する上述の特許出願において指摘されるように、このビーム生成器システムR−22は、デジタル受信ビーム生成器システムR−100とドップラー受信ビーム生成器システムA−400を、同一のデジタル送信ビーム生成器システムT−102及び同一の変換器アレイを用いて、デジタル受信ビーム生成器システムR−100がB−及びカラードップラーモードのような結像モードに対して最適となるように効果的に結合し、それゆえ、高い空間解像度を備えていることになる。付帯するドップラー受信ビーム生成器システムは、広いダイナミックレンジを備え、非結像ドップラー処理信号捕捉における使用に対して最適化されている。
6. ビーム生成器中央制御システム
本発明のビーム生成器中央制御システムC−104は、デジタル送信ビーム生成器システムT−102と、デジタル受信ビーム生成器システムR−100と、ドップラー受信ビーム生成器システムA−400と、適応式焦点調節制御システムG−100と、ベースバンドプロセッサR−127の動作を制御する。
中央制御システムC−104の主な制御機能が図2cに図示してある。制御機能は4つの構成要素を用いて行われる。捕捉コントロールC−130は、超音波システムコントロールR−40を含むシステムの残りの部分と通信し、高レベルの制御と走査パラメータのダウンロードを行う。焦点調節コントロールC−132は、送信/受信ビーム生成に必要な動的遅延値とアポダイゼーションデジタル値をリアルタイムで計算し、それらは、適応式焦点調節制御システムG−100により提供されるあらゆる推定補正値に加え、事前計算値と拡張理想値を含んでいる。前置コントロールC−134は、デマルチプレクサT−106とマルチプレクサR−108の切替えを設定し、変換器コネクタT−110とインタフェースし、全ての送信増幅器T−123及び全ての受信増幅器R−116の利得とバイアスレベルを設定する。タイミングコントロールC−136は、デジタル回路が要求するデジタルクロックの全てを提供する。これは送信器DAC T−121と受信器ADC R−118の全てのサンプリングクロックを含んでいる。
好適な実施例では、中央制御システムC−104は、補間及び補外の如き手法を用いて事前に計算され、記憶されたデータに基づいて、焦点調節時間遅延と開口アポダイゼーション値の散在テーブルを拡張する。拡張した遅延及びアポダイゼーション値は、変換器開口に渡る値のプロファイルとして局部プロセッサコントロールに送られ、レンジにおける遅延とアポダイゼーションのデータ拡張が、変換器素子ごと、サンプルごと、ビーム値ごとに行われる。
7. 適応式焦点調節制御システム
適応式焦点調節制御システムG−100はリアルタイム同時適応式焦点調節を提供する。適応式焦点調節制御システムG−100は、中央制御システムC−104の焦点調節コントロールC−132に焦点補正遅延値を提供する適応式焦点調節プロセッサG−505を備える。適応式焦点調節プロセッサG−505は、デジタル受信ビーム生成器システムR−100のサブアレイ加算器R−126から収集したデータから収差値推定器G−502によって生成された出力を演算する。従って、収差補正値、好ましくは収差遅延及び振幅値は、図2cに示す適応式焦点調節制御サブシステムG−100により、送信焦点深度に対応するレンジ領域で、各々の受信走査線又は受信走査線のサブセットについて適応的に測定される。
焦点調節遅延を調整する適応式焦点調節制御システムに加えて、数多くの適応式制御システムが考えられる。これらのシステムは、例えば、(1)焦点調節遅延と開口アポダイゼーションを調整する適応式コントラスト改善制御システムと、(2)焦点調節遅延及び位相、並びに、開口アポダイゼーションを調整する適応式干渉除去コントロールと、(3)焦点調節遅延及び位相と、開口アポダイゼーションと、像送受信周波数と、ベースバンド波形整形を調整する適応式目標改善コントロールと、を備える。
適応式焦点調節制御システムG−100の好適な実施例に含めることができる適応式焦点調節機能の別の観点は、幾何学的収差変換デバイスG−508/509であり、それは、測定された収差値を収差値推定器G−502が収集しなかった走査線及び走査線深度位置について、適応式焦点調節プロセッサG−505に収差補正遅延値を提供することができる。特に、測定された収差補正値は、G−508/509の遅延テーブルに書き込まれる。G−508/509は、幾何学的収差変換のルックアップルールに準じて遅延テーブルから値を検索し、深度、走査幾何形状、並びに、深度、走査幾何形状、及び、収差補正値が測定されたモード以外の捕捉モードに対して有効な開口に渡る焦点調節遅延補正のプロファイルを形成する。
8. ベースバンドプロセッサシステム
ベースバンドプロセッサR−125は、ここに記載したように、フィルタリング、受信走査線間(ビーム間)の増幅および位相調整を行う。ベースバンドプロセッサR−125は、ベースバンドフィルタ、複素乗算器、並びに、ベースバンドフィルタおよび複素乗算器の動作を制御するベースバンドプロセッサコントロールを付加的に含んでいる。ベースバンドプロセッサコントロールは、中央制御システムC−104によって制御される。
9. 干渉性サンプル合成システム
この干渉性サンプル合成システムS−100は、本発明のマルチビーム送信及びマルチビーム受信能力を利用して、実際の走査線に沿った受信ビームデータの干渉性(事前検出)サンプルを捕捉し、記憶し、そして、記憶された干渉サンプルの補間を行って、実際の走査線に沿った、又は、合成的に生成された走査線に沿った新たなレンジ位置に新たな干渉サンプルを合成する。捕捉されたサンプルおよび合成されたサンプルの双方が、表示処理ステムR−26に伝送される。
10. 送信および受信マルチプレクサ
変換器アレイ素子T−114と、デジタル送信ビーム生成器システム、デジタル受信ビーム生成器システムおよびドップラー受信ビーム生成器システムのためのプロセッサT−103、R−101およびA−402との接続性は、図2aに示す送信デマルチプレクサT−106および別の受信マルチプレクサR−108を介して確立されている。図2aに示す複数の変換器のマルチプレクサの形態は、単一の変換器アレイ内に完全に位置し、または、2個の変換器アレイに跨がる送信および受信開口を選択することを可能ならしめる。2つのマルチプレクサは、ビーム生成器中央制御システムC−104によって独立して制御されるが、滑り開口および合成開口モードを含む多くの捕捉モードを支持するためにプログラムすることができる。
B. ドップラー受信ビーム生成器の詳細な説明
図2bを参照すると、デジタル受信ビーム生成器チャンネルの各々についての低ノイズの可変利得増幅器R116が、ドップラー受信ビーム生成器A−400内の対応する復調/レンジ・ゲート・ユニットA402に関連付けられている。図3は、所定の受信チャンネルについて、これらの2つの要素間の関係を示す機能ブロック図である。
図3を参照すると、増幅器R116は、受信マルチプレクサR108からアナログ・チャンネル信号を受信する低ノイズ前置増幅器A402を備えている(図2a)。低ノイズ前置増幅器A402は、超音波システムの受信部における最初の増幅段であり、後段で導入されたノイズに起因する重大なノイズ変質を防止するのに十分な利得を有している。
前置増幅器A402の出力は、電圧/電流信号コンバータ/スプリッタA404に送られるシングル・エンド電圧信号である。コンバータ/スプリッタA404の電流出力信号は、8つの導線A406に送られ(後で明らかになる理由から)、各々、4つの電圧/電流増幅器の2つの同じバンクを利用してそれらを駆動する。4つの増幅器は、各々、それらの出力を、ほぼ、√2/2、(1−√2/2)、−√2/2、−(1−√2/2)の比率に重み付けする。2つのバンクは同じであるが、ここでは、後で明らかになる理由から、1つはI−バンクと、他の1つはQ−バンクと呼ばれる。
コンバータ/スプリッタA404の出力導線A406は、スイッチA−408の入力ポートに接続され、スイッチA408は、捕捉モード制御信号A411に応答して、B/F−モード捕捉のために可変利得増幅器A409へ、又は、D−モード捕捉のために導線A414を経由して復調/レンジ・ゲートA402へ、のいずれかに電流を案内する。好ましい実施例では、スイッチ及び可変利得の機能は同じ回路で行われる。D−モードでは、利得は1に設定してある。B/F−モードでは、利得は、1より小さい範囲で連続的に可変である。これは、差動対接続のバイポーラ・トランジスタにより構成できる。この実施例は、同一の受信信号についてB/F−モード処理及びD−モード処理の両方を同時に実行することはできないが、別の実施例は、この同時処理を実施できることが分かる。
D−モード捕捉中の焦点調節は、レンジ・ゲート・イネーブルA413のタイミングにより、及び、A434から可能な位相回転を選択することにより、各々の受信器の復調器/レンジ・ゲートA402で行われる。レンジ・ゲート・イネーブルA413と位相回転器A434は、共に図3の局部的コントロールC127(図2bのドップラー・ビーム生成器コントロールC−127と同じ)により動作され、それは図2cの捕捉コントロールC−130のDMAプロセッサから、その焦点調節タイミングを得る。中央制御システムC−104の焦点調節コントロールC−132は、完全にサンプリングされ遅延及びアポダイゼーションのプロファイルに拡張される共通の散在的にサンプリングされた遅延及びアポダイゼーションのプロファイルから、ユーザが選択したレンジ間隔(PWのみ)についての全ての送信/受信焦点調節パラメータを作成し、それらを次に最終的な局部的制御処理のために各々のビーム生成器に送る。本実施例のドップラー受信ビーム生成器は均一のアポダイゼーションのみをサポートするので、中央制御システムC−104から入手できるアポダイゼーション・プロファイルは、このビーム生成器には要求されない。ドップラー・ビーム生成器の能動要素を決めるために、開口サイズ及び位置のみが要求され、それは中央制御システムのアポダイゼーション装置を必要とせずに、単純に事前に計算され記憶されるが、アポダイゼーションを用いる他のドップラー・ビーム生成器の実施例は、中央制御アポダイゼーションから利益を得ることができる。ドップラー・ビーム生成器によって用いられ、全ての超音波システム・ビーム生成器に共通する焦点調節コントロールC−132装置の遅延プロセッサによって生成される遅延は、送信ビーム生成器システムT−102又は結像受信ビーム生成器R−100について行われたように、局部的制御プロセッサに直接送られるわけではない。むしろ、それらは、更なる処理のために捕捉コントロールC−130のDMAプロセッサに送られて、各々のチャンネルごとの焦点調節遅延(開口の動作要素に対して)を、レンジ・ゲートのスタート、レンジ時間ゲート期間、微細な焦点調節位相回転要素に対する遅延に変換し、それらは局部的コントロールC−127のRAMに送られて記憶される。CW動作では、レンジ・ゲート・イネーブルはCW捕捉期間中にアクティブに保たれ、焦点調節のために位相回転器のみがベースバンド復調信号に適用される。
D−モード捕捉の場合、ラインA414の信号出力は、チャンネルごとのアナログ受信回路A402(図3)の第1の要素である、レンジ・ゲートA418に送られる。レンジ・ゲートA418は8つのトランジスタにより単純に構成され、その各々は、レンジ・ゲート・イネーブル信号A413がオフの時に、A414の8本の線の個々の1つを信号経路からそらす。レンジ・ゲートA418は、機能的にはオン/オフ・スイッチであり、レンジ・ゲート・イネーブル信号A413を介して局部的コントロールユニットC−127によって制御される。CW動作の場合、レンジ・ゲートA418は単純に“オン”又は“クローズ”にゲート制御される。PW動作では、それは、局部的コントロールユニットC127内のRAMにダウンロードされた各々のチャンネルにおけるレンジ・ゲートのオン/オフ時間の論理マップからのドップラー・レンジ・ゲート・ポジションに準じて時間的に設定される。局部的コントロールユニットC127では、マップは、その連続的に指標された成分が、人体内の連続的なレンジに対応するベクトルとして、各々のチャンネルにおいて表示される。受信時には、RAMは、レンジ・ゲートをクローズする時とオープンする時を決定するために、固定レートで読み取られる。読取シーケンス及びレートは全てのチャンネルに対して共通であるが、レートは、ゲート分解能と最大深度の間のトレードオフの便宜を図るために変更することができる。同一のレンジ・ゲート・イネーブル信号が、アナログ受信チャンネルA402の近接する対の各々の内部のレンジ・ゲートA418に送られる。従って、レンジ・ゲートA418は、次に説明する加算後の積分器と共に、アナログ・ビーム生成器A400の粗い遅延機能を形成する。アナログ遅延回路は存在しない。
ゲートをオフにしない時、コンバータ/スプリッタA404のI−バンクからの4つの導線A420は、混合器A422において、導線A426から区別的に到着する同相(I−CLK)信号と混合され、コンバータ/スプリッタA404のQ−バンクからの4つの導線A421は、混合器A424において、導線A428から区別的に到着する直角位相(Q−CLK)信号と混合される。混合器A422とA424は、各々単純に、一対の差動入力、差動出力を有するアナログ乗算器を構成している。混合器A422に送られる同相クロック信号は、アナログ受信チャンネルA402の全ての同相混合器に共通して送られ、混合器A424によって受信される直角位相クロック信号も同様である。これらのクロック信号は、非常にジッタの少ない手法である、水晶発振器信号を分周する回路(図示せず)から生成できる。ジッタが少ないことは、広いダイナミックレンジの確保を支援する。
混合器A422とA424のベースバンド信号出力は、同相及び直角位相の成分として提供され、各々が4本のラインA430及びA432を占有する。これらの出力は複素回転器A434に送られ、それは、入力の同相及び直角位相の信号を選択し、出力の同相及び直角位相の信号の8つの可能な位相の1つに加算する、ベースバンド信号処理ブロックである。各々のチャンネルの回転器は、局部的コントロールユニットC127により提供される、自身の3つの位相制御入力ビットΦ[2:0]のセットを備えており、種々のアナログ・ビーム生成器チャンネルA402のアナログ信号を位相調整するように作用する。回転器A434の同相及び直角位相の出力は、それぞれ、差動電流モード信号A436及びA438として提供される。8つの可能性のあるポジションの位相調整の細分性がこの実施例で用いられているが、異なる実施例において、より微細又はより粗い細分性を使用できることが分かる。
回転器A434は、差動電流モード同相信号(I+、I−)を導線A436上へ、差動電流モード直角位相信号(Q+、Q−)を導線A438上へ出力する。回転器A434は、そのI+出力を、その8つの入力導線を電流的に操舵し、位相制御入力ビットΦ「2:0」に応答して選定したそれらの対を加算することにより生成する。回転器A434は、そのI−、Q+、及び、Q−出力を類似の方式で生成する。従って、8個の位置の位相回転が回転器A434で行われ、ごく僅かのハードウェアが要求されるにすぎない。
テーブルIは、各々のΦの値に対応して回転器A434で行われる特定の加算を示す。導線A430及びA432上の入力信号のベクトル特性のために、その加算は、Φに応じた入力信号の位相回転を効果的に表していることが分かる。
テーブルIで、
+I7は、コンバータ/スプリッタA404のIバンクに関して√2/2の重み付け出力から始まる入力導線を表す。
+I3は、コンバータ/スプリッタA404のIバンクに関して(1−√2/2)の重み付け出力から始まる入力導線を表す。
−I7は、コンバータ/スプリッタA404のIバンクに関して−√2/2の重み付け出力から始まる入力導線を表す。
−I3は、コンバータ/スプリッタA404のIバンクに関して−(1−√2/2)の重み付け出力から始まる入力導線を表す。
+Q7は、コンバータ/スプリッタA404のQバンクに関して√2/2の重み付け出力から始まる入力導線を表す。
+Q3は、コンバータ/スプリッタA404のQバンクに関して(1−√2/2)の重み付け出力から始まる入力導線を表す。
−Q7は、コンバータ/スプリッタA404のQバンクに関して−√2/2の重み付け出力から始まる入力導線を表す。
−Q3は、コンバータ/スプリッタA404のIバンクに関して−(1−√2/2)の重み付け出力から始まる入力導線を表す。
全てのドップラー受信ビーム生成器チャンネルA402のI及びQ出力A436及びA438は、共通部A412に送られる前に結合される(IとQに対して別々に)。図5は同相信号が結合される様子を示しており、直角位相信号が同じ方法で結合されることが分かる。図5の全てのアナログ信号経路は差動信号であるが、それを示す表示は、図面上では明確な図解とするために省略してある。同じことが次に説明する図4でも言える。
図5を参照すると、個々のドップラー受信ビーム生成器チャンネルA402の全ての(I)信号出力は、電流加算ノードA602、A604、A606、A608によって4つのグループで加算されて、4つの同相和を生成している。これらの和は、それぞれ増幅器A610、A612、A614、A616によって増幅され、その利得は、コントロールA609を介して4つの可能な利得設定から共通に選択できる。これらの増幅器は、ベースバンド成分に影響を及ぼさずに、混合プロセスのRF積をフィルタする低域通過極点も導入する。そのうえ、システムの全てのRF信号に関して、混合器A422の出力から増幅器A610、A612、A614、A616への物理的な信号経路長は、できるだけ短く保たれる。これは増幅器の下流の要求にはならない。
増幅器の出力は、加算器A618で加算され、結合された同相信号A620を全てのチャンネルから生成する。使用可能なチャンネルの数の全てより少ないチャンネルを使用することは、時折、医療的に有益であるので、スイッチA622、A624、A626、A628を、個々の増幅器A610、A612、A614、A616と加算器A618との間に挿入し、4つのチャンネル・グループの1以上を分離する。未使用チャンネルに起因するノイズは、完全に用いられていないあらゆるチャンネル・グループを分離することにより最小化される。
図4は、アナログ受信チャンネルA402の全てに共通するA406(図2b)の回路の機能ブロック図である。同相と直角位相の経路が別々に図示してあるが、それらは同一であるので、同相経路のみ説明する。
加算器A618(図5)の出力A620は、積分器/フィルタA504に接続している。PWモードでは、積分器は、選定されたパルス反復周波数(PRF)でリセットされ、レンジ・ゲート積分器として作用する。CWモードでは、このブロックは低域通過フィルタとして作用する。
積分器/フィルタA504の出力は、追跡/保持回路A506に送られ、それはPWモードでは、レンジ・ゲート積分後のベースバンド信号を捕捉し、積分器のリセット及び次の戻りパルスの積分中に保持する。また、超音波システムは、同時表示モードでも作動でき、そのモードでは、2つの捕捉モードのデータが同時に表示される。これは、捕捉モードを時間的にインターリーブすることにより行われる。1方の捕捉モードがスペクトル・ドップラーである時に、追跡/保持回路A506は、D−モード捕捉中に追跡を行い、B−又はF−モード・ラインが発射されると保持する。前のD−モード期間に捕捉した最後の値をこれらの他のライン発射中に保持し、追跡/保持回路A506は、大きな過渡現象が下流のフィルタに印加されないようにするので、フィルタ安定化の要求を最小限にすることができる。
回路A506の状態/タイミングは、図4に便宜上再び示すように、コントロールユニットC127からの信号によって制御される。コントロールユニットは、後に述べる理由から、追跡/保持回路の帯域幅も制御する。
追跡/保持回路A506の出力は、低周波クラッタ信号を除去するために設けられた高域通過フィルタA508に送られ、それにより同相と直角位相の信号のダイナミックレンジを減少させ、後に説明するA/D(ADC)コンバータのダイナミックレンジを効果的に活用する。このフィルタの遮断周波数は、コントロールユニットC127によって選択できる。
高域通過フィルタA508の出力は、プログラム可能な利得段A510に送られ、その利得もコントロールユニットC127によって制御される。利得段A510は、低域通過フィルタA512と共に用いられて、A/Dコンバータへの入力を計測する。利得段A510の出力は低域通過フィルタA512に送られ、その出力がアナログ・デジタル・コンバータA514のアナログ入力に接続されている。低域通過フィルタA512は、コンバータの入力サンプリングレートの半分を超える信号又はノイズのエイリアシングを防止する。また、フィルタは、追跡/保持回路A506の出力で生じる信号ステップも平滑化するように作用する。
ADC A514は、18ビット分解能で信号をデジタル化するオーバーサンプリングADCである。このコンバータは、数十KHzの範囲の固定出力サンプリングレートで動作する。ADC A514は、サンプルごとに1ビットだけ、そのアナログ入力信号を高くオーバーサンプリングする中間ステップを行う。この高くオーバー・サンプリングした信号は、次にデジタル的にフィルタリングされ、間引きされて、低いサンプリングレートの高精度出力サンプルを生成する。ADC内のデジタル・フィルタは、その周波数におけるサンプリングに必要なアンチ・エイリアシングフィルタリングの大部分を行う。オーバー・サンプリングADCとその長所については、Hauserの“オーバーサンプルA/D変換の原理”、J.Audio.Eng.Soc.,Vol.39,No.1/2、pp.3−26(1991年1月/2月)に記載してあり、ここに参考文献として含める。低いサンプリングレートにより、複素(I/Q)出力データは、出力ロジックA515において単一のシリアル・データ・ストリームと結合され、それは表示処理システムR−26(図2a)のデジタル信号処理ブロックに送られる。
図6は、PW−ドップラー捕捉(正規又はHPRF)について、図3及び4に示す、ある構成要素の動作を示すタイミング図である。図6のタイミング図のラインA702は、超音波パルスが変換器アレイT−112から送信される時を示す。図示のように、パルスは、時刻T1で送信を開始し、時刻T3で送信を終える。次のパルスは、時刻T8で送信を開始し、時刻T11で終え、以降同様に作動する。
ラインA704とA706は、2つのレンジ・ゲートA418(図3)がクローズする時を示す。ラインA704上に示すレンジ・ゲートmはビーム生成遅延プロファイルに応じて最も早くクローズするレンジ・ゲートであり、ラインA706上に示すレンジ・ゲートnは最後にオープンするレンジ・ゲートである。従って、図6に示すように、最初にクローズするレンジ・ゲートは時刻T5でクローズし、最後にオープンするレンジ・ゲートは時刻T6でオープンする。通常のPW−ドップラー捕捉の場合、T5からT6にかけてレンジ・ゲートを通るエコーは、T1とT3の間で送信された送信パルスに応答して生成されたものである。幾つかの超音波パルスが同時に飛ぶHPRF PW−ドップラー捕捉の場合、T5とT6の間で受信される興味の対象のエコーは、T1以前に送信された幾つかのパルスに応答して生成されたものである。より最近に送信されたパルスからのエコーもT5とT6の間でレンジ・ゲートを通るが、これらの信号は、下流のフィルタA508によってフィルタリングされるか、又は、医療関係者によって制御可能である。詳細には、希望しない信号が静止物体からのエコーを構成する場合、それらは、追跡/保持A506の出力に一定のオフセットを単純に加えるに過ぎない。一定のオフセットは、ゼロ周波数成分であり、高域通過フィルタA508によって減衰される。希望しない信号が運動物体からのエコーを構成する場合、医療関係者は、希望しない感知領域ををどこかに移動するために、変換器を移動することができる。
ラインA708は、積分器/フィルタA504(PW動作の場合には積分器として作動する)への制御信号を示している。図6に示すように、積分器は、時刻T4までクリアし、それは、最初のレンジ・ゲートmがクローズする時刻T5の前でなければならない。積分器A504は、積分を時刻T10まで続け、それは最後のレンジ・ゲートnがオープンする時の後になる。また、それは、後に説明するように、追跡/保持回路A506による捕捉の後でもある。ラインA710は、積分器A504のサンプル電圧出力を示す。T5以前にクリアされた状態から始まり、電圧出力は、レンジ・ゲートがクローズしている間に、T5とT6の間で傾斜状に上昇し、積分器がクリアすると、T6からT10まで定常状態を保つことが分かる。
チャンネルごとの増幅器R116の内部ノイズは、それらの各々のチャンネルのレンジゲートがクローズしている間だけ、積分器出力へノイズを与える。しかし、後続段から積分器にいたるノイズ源は、積分器が積分(リセットと逆)モードである時全体にわたって、積分器出力にノイズを与える。このノイズは積分器によって累積されるので、制御ユニットは、T4からT5の時間を最小限にして、ノイズの影響を最小化する。
図6のラインA712は、追跡/保持ユニットA506が追跡する時及び保持する時を示す。図示のように、追跡/保持ユニットA506は、レンジ・ゲートがクローズしているT5とT6の間で、その前の値を保持し、その後できるだけ早く、時刻T7で追跡を始める。T6とT7の間の時間は、積分器のノイズ累積を小さくするために、できるだけ短くする。追跡/保持ユニットA506は、時刻T9まで追跡を継続し、その後、時刻T10で、積分器A504がクリアされる(ラインA708を参照)。図6のラインA714は、ラインA710で示した積分器電圧出力に応答する追跡/保持ユニットA506の電圧出力を示す。ラインA712で示した各々の追跡間隔後に、追跡/保持ユニットA506の電圧出力が積分器A504の直前の電圧出力に対応することが分かる。
追跡/保持回路A506のサンプリング作用は、出力の通過帯域へのノイズ・エイリアシングの原因になる。これが生じる度合いは、追跡/保持回路の帯域幅によって制御される。狭い帯域幅はノイズ・エイリアシングを少なくするが、長い捕捉時間T7−T9を必要とする。従って、追跡/保持回路の帯域幅は、エイリアシングされたサンプル・ノイズと追跡/保留捕捉時間中における更なる積分器ノイズ累積との関係のトレードオフによって選択される。コントロールユニットC127は、4つの使用可能な追跡/保持帯域幅の内の1つと、対応する捕捉時間T7−T9を、現在のシステム設定に基づいて選択する。
ラインA716は、ADC A514が、各々の変換を完了する時の時刻を矢印で示す。ADC A514は、毎秒50,000出力サンプルの固定レートで作動し、図6の波形図の全ての他の時間がそれに基づいて計算される。詳細には、ラインA712に示すように、追跡/保持ユニットA506は、ADC出力サンプルが完了すると直ちに次のサンプルの追跡を開始するように作動する。追跡時間の最後であるT9の直後、時刻T10で、積分器A504がクリアされる(ラインA708)。T6(最後のレンジ・ゲートがオープンする時)と時間T7(追跡/保持ユニットA506が追跡を開始する時)の期間は任意であるが、前述のようにノイズを最小限にするために、この時間をできるだけ短くすることが望ましい。T5(最初のレンジ・ゲートがクローズする時)とT6(最後のレンジ・ゲートがオープンする時)の期間は、T1(送信開始)とT5(最初のレンジ・ゲートがクローズする時間)の期間のように、医療関係者が選択するレンジ間隔と位置によって固定される。従って、T6とT7の期間をできるだけ短くするために、システムは、ADC A514が出力サンプルを完了する前に、最後のレンジ・ゲートがオープンできるように、少し早めに各々のパルスの送信を開始する。
医療関係者が選定したターゲットの深度のために、T1(送信開始)とT6(最後のレンジ・ゲートがオープンする時間)の間の時間がADC出力サンプル間の20マイクロ秒より長くなるケースがしばしばある。これが生じる時に、システムは、ADC出力サンプル時間と同期して送信時間の開始の計算を続けるが、2つ又は3つ以上のADC出力サンプルごとに1つの送信パルスのみが発行される。この場合、ADCは、発射ラインごとに2以上の出力サンプルを生成する。これらの複数出力サンプルは、追跡/保持ユニットA506の単一の保持出力値についての異なる推定値を示し、それらは、発射ごとに単一出力値を生成するために、後のプロセスで単純に平均化される。
ドップラー・ビーム生成器A400の前述の機能ブロックの全てが、スペクトル・ドップラー捕捉における広大なダイナミックレンジを提供するために容易に最適化可能であることが理解される。いずれのブロックも、このような最適化は本質的に難しいことではない。ビーム生成器A400は、スペクトル・ドップラー捕捉に対して十分な指向性を備えており、最小限度を越える更なる回路を必要とせずにB/F−モード受信器に追加されている。これは、下記を含み、しかしそれに限定されない、多くの革新により可能になる。第1に、単純で、チャンネルごとのレンジ・ゲートA418(図3)の使用により、高価で高精度の、チャンネルごとのアナログ又はデジタルディレイラインの必要性が無くなる。第2に、アナログ領域を保ちながらの受信信号のビーム生成により、受信チャンネルの各々の前段における高価で高ダイナミックレンジのADCの必要性が無くなる。単一のI/Qの一対のADC A514だけが実際に要求される。第3に、クラッタを高域通過フィルタA508でフィルタリングすることにより、単一のI/QのADC対のA514のダイナミックレンジ要求も最小限になる。第4に、デジタル変換の前に、希望レンジ間隔に対してのみ受信信号をアナログ処理することにより、ADC A514の変換速度要求は大幅に減少する。(すなわち、レンジ・ゲートと積分の前に置かれたADCはMHzレンジで作動する必要があるが、この実施例のADC A514はKHzレンジでのみ作動すればよい)。第5に、信号経路における高価な処理の殆どが、経路の共通部分で行われる。システムで何回も繰り返されるチャンネルごとの部分が経済的に構成できる。
以上、2つの受信ビーム生成器が同一の超音波変換器アレイに接続される超音波システムについて説明したきた。一方の受信ビーム生成器(D−モード受信ビーム生成器)は、他方(結像受信ビーム生成器)より遙かに広いダイナミックレンジを備えるが、受信ビームごとに単一のターゲットのみに関する情報を生成する。更に、結像受信ビーム生成器は、受信ビームの焦点レンジを動的に追跡する(付録を参照)が、D−モード受信ビーム生成器は、1つのレンジ間隔にのみ焦点調節を必要とする。D−モード受信ビーム生成器は最適なスペクトル・ドップラー捕捉のために設計されており、結像受信ビーム生成器は最適な結像捕捉のために設計されている。
前述の実施例では、信号処理経路において、ある機能ユニットが他の機能ユニットの上流又は下流に位置するとして示した。例えば、図3の場合、回転器A434はレンジ・ゲートA418の下流に図示され、それらは共に(図4を参照)積分器/フィルタA504の上流にある。“上流”と“下流”という用語は、指定の機能を行う異なる構成要素が相互に接続される道筋を意味するが、この用語は、処理要素が行うステップ間の時間的な関係も包含する。例えば、受信チャンネル信号の所定の瞬間的な部分がレンジ・ゲートA418を通った後に、その受信信号の同一の瞬間的な部分が回転器A434に達する前に、有限の時間が経過する。アナログ機能ブロックの場合、この時間遅延は、僅かであるが有限である。また、上流のユニットが入力信号の後半の瞬間的な部分を処理するのと同時に、下流のユニットが入力信号の前半の瞬間的な部分を処理することも可能であることに注目すべきである。このような動作が時間的に重複しても、上流のユニットは、下流のユニットが同じ瞬間的な部分を処理する前に、受信信号の所定の瞬間的な部分を処理する。
明らかに、ドップラー受信ビーム生成器A400の処理要素の多くは次々と相互に交換することができ、本発明を妨げない他の処理要素を信号経路の種々のポイントに挿入できる。このような変形を可能にするために、ある信号は、ここでは、信号経路の他の上流の信号に“応答する”と呼ばれる。介入する処理要素がある場合、その処理要素の信号出力も信号入力に“応答する”。加算器A502のように、介入する処理要素が2つ以上の信号を結合する場合、処理要素の信号出力は信号入力の各々に“応答する”。1つの送信ラインが上流の信号を下流の信号から分離しているのみである場合、下流の信号も、この用語がここで用いられている限り、上流の信号に“応答する”と考えられる。
最後に、ここで用いた“アナログ”信号は、その値が、時間的なある所定の瞬間に、連続する値の範囲内の任意の値をとる信号である。アナログ信号は、時間的に連続する場合もあり、時間的にサンプリングされる場合もある。“デジタル”信号は、この用語がここで用いられている限り、離散的な値のみを採りうる。
本発明の好適な実施例の前述の説明は、図解と説明を意図している。開示した正確な形態に本発明を限定する又は排他的にすることを意図するものではない。
例えば、ドップラー受信ビーム生成器のチャンネルごとの処理については、考えられる数多くの変形がある。例えば、位相回転器の前段で、固定のI及びQクロックによって駆動される混合器の代わりに、チャンネルごとの位相回転器が、入力される固定のI及びQクロックに作用し、それらの出力が混合器を駆動することができる。別の事例として、レンジ・ゲートされた信号は、ある数の隣接するアレイ・チャンネルに共通に使用できる(しかし限定する必要はない)。CW−専用の適用の場合、レンジ・ゲートは完全に省略できる。好適な実施例は、各々のチャンネルを全体的に動作可能又は動作不能の状態にして、アポダイゼーション・コントロールの有効な1ビットをサポートする。別の実施例では、アポダイゼーションは、アナログ入力に印加されるチャンネル信号を有し、デジタル入力に印加されるデジタル・アポダイゼーション値を有する乗算DAC構造を用いることにより、非常に数多くのビットに拡大できる。更に別の事例として、要素(例えば、混合、位相調整、ゲート制御)を処理する順序を変更できる。
更に別の変形として、ベースバンドへの直接的な復調の代わりに、別の実施例はIFスキームを採用し、チャンネルごとに単一の混合器クロック(クロック位相がチャンネルごとに独立に制御される)が、受信信号をIF周波数に変換して位相調整するために用いられる。レンジ・ゲート制御は混合器の前にも後にも適用できる。次に、チャンネルごとのIF信号が加算され、ベースバンド処理の前に加算された出力上でIとQの復調が行われる。代わりに、ベースバンド復調の前にIF信号上である処理が行われる。ビーム生成前の位相調整とビーム生成後の復調とを行う実施例も可能である。
PWドップラー構造に関する別の変形は、各々のチャンネルの信号をベースバンドに復調し、それを独立に位相調整し、それをある数の隣接するチャンネル(例えば、8)にわたって加算してサブアレイ信号を生成し、加算された信号をI及びQの積分器のセットにおいて(サブアレイごとに1つの複素セット)累積し、積分器出力を加算する。また、単一ビーム又は多ビームに沿って、発射ごとに2つ以上の選択したターゲットに関する情報を捕捉する実施例も可能である。
数多くの他の修正と変形が当業者には自明のことと思われる。実施例は、本発明の原理とその具体的な適用事例を最も効果的に表すために選定され説明されてきたので、当業者は、考えられる特定の用途に適した種々の実施例と種々の修正について、本発明を理解できるものと思われる。本発明の範囲は、次に示す特許請求の範囲とその同等な項目から定められることを意図している。
付録A
デジタル受信ビーム生成器システムの好ましい実施例
1.アナログフロントエンド
a. 低ノイズの可変時間利得増幅器
従来技術で周知のように、時間変動性の利得が、深度に伴う減衰を補償するために受信信号に印加される。この実施例では、利得は、アナログで低ノイズの時間利得増幅器R−116(図2b)によって印加される。個々のデジタルマルチチャンネル受信器R−101ごとに、1つの低ノイズの時間利得増幅器R−116が含まれる。共通の利得機能が全ての増幅器R−116に適用されるが、独自の利得を増幅器R−116ごとに適用することもできる。利得は、結像される物体から変換器素子へのレンジ(又は、時間、レンジと時間は結像される媒体内における音の速度に応じて互いに関連するので)に伴って変動する。
b. アナログ・デジタル変換器(ADC)
好ましい実施例のアナログ・デジタル変換器(ADC)R−118は、受信信号の公称中心周波数F0の少なくとも4倍(好ましくは、4、8、16又は32倍)で信号をオーバーサンプリングする。オーバー・サンプリングのレートは、異なる実施例においては、4倍より小さくもできるし大きくすることも可能である。従って、システムが10MHzで結像していると、ADC R−116は40MHzのレートでサンプリングする。好適には、ADC R−116は8以上のビット数のADCである。しかし、前述の特許から明らかなように、多くのタイプのADCが、異なる実施例においてビーム生成器と共に使用できる。
2. マルチチャンネル・デジタル信号処理(デジタルマルチチャンネル受信プロセッサR−120)
a. 処理モード
図7の機能ブロックを説明する前に、各々の受信プロセッサが作動できる種々の処理モードを理解していることが望ましい。理想的には、各々の受信プロセッサが、ある最大値までのあらゆる受信信号公称中心周波数F0において、ある最大値までの受信信号空間レンジ分解能γB(受信信号帯域幅と逆の関係)で特定される、ある最大値まで任意の数の重畳され、別個に遅延され、アポダイズされた受信ビームを処理できることが望ましい。しかしながら、これは、特に最大値が大きい場合に、過度の処理能力を要求する。処理能力は、あらゆるシステムにおいて制限があるので、全ての3つのパラメータが最大値に指定される時にもハードウェアが対応できるように、これらの最大値を十分に低く保持しなければならないことが分かる。この実施例は、その一方で、これらの3つのパラメータのなかでトレードオフを許容し、中央制御システムが医療設定に基づいて処理モードを選定することを可能とすることによって、使用可能な処理能力を効果的に活用している。ユーザが、医療設定に関する変換器とモードと走査フォーマットを一度選択したならば、この方法と装置は、好適には予め選択し予め記憶してある処理モードから自動的に選択を行うものと理解すべきである。
テーブルA1は、中央制御システムC−104が選択でき、受信ビーム生成器R−100の全てのデジタルマルチチャンネル受信プロセッサR−120に適用される処理モードの一部を示している。別の実施例は、より少数又は多数のモードと、より少数又は多数のビームをサポートできる。テーブルでは、下記の用語が用いられている。
Fs:
システム・クロック周波数である。中央制御システムC−104は、あらゆる種々の周波数にFsを設定できる。
FADC:
サンプルがADC R−118(図2b)によって変換される、ADCのサンプリング周波数又はレートである。ここで一般的に、FADC=Fs又はFs/2である。
F0:
受信信号の公称中心周波数である。F0は、実際の信号搬送周波数Fcに等しいか近いので、公称受信信号周波数と考えられる。F0は、Fsの端数として、個々のデジタルマルチチャンネル受信器R−101ごとに特定される。F0は、予め記憶してある値に基づいて、デジタルマルチチャンネル受信器R−101ごとに、中央制御システムC−104によってプログラム設定される。
c:人体における音の速度である。
λ0:F0の音波波長であり、λ0=c/F0である。
Fc:
受信信号の搬送周波数(結像周波数)である。デジタル・マルチチャンネル受信器R−101は、F0をFcにバーニャすることにより同調できる。FcとF0は、中央制御システムに予め記憶してあるように、v・F0=Fcになるように、周波数スケール・ファクタ又は周波数バーニャ・ファクタvによって、本実施例において関連付けられる。本実施例が同調できる搬送周波数Fcのレンジは、理論的には0×F0から2×F0であるが、典型的には、F0の75%からF0の125%の間になる。
R0:
ビームごとの複素(I/Q−ペア)出力サンプリングレート又はビームごとの処理レートである。R0/F0の比率は、受信信号の公称中心周波数F0の周期ごとの複素サンプルの数を表している。
γB:
ビームごとの空間レンジ分解能である。γB=C/2R0=λ0/(2R0/F0)であることに留意すべきである。
間引器2で選択した空間レンジ分解能(又は帯域幅モード(BWモード)):
値F0/2から4F0の間の空間レンジ分解能を考慮して、好ましい実施例においては、6つの空間レンジ分解能(又は帯域幅モード)がある。これらの値から外れた値も、異なる実施例において使用可能である。
空間レンジ分解能(帯域幅モード):
BWモード1:R0=4F0又はγB=λ0/8
BWモード2:R0=2F0又はγB=λ0/4
BWモード3:R0=F0又はγB=λ0/2
BWモード4:R0=F0/2又はγB=λ0
BWモード5:R0=2F0/3又は3γB=λ0/4
BWモード6:R0=F0/3又は3γB=λ0/2
NB=所定の処理モードにおいて、同時に生成されるビームの最大数である。(ビーム生成器は、希望に応じて、NBビームより少なく生成するように作動できる。例えば、NB=4のモードでは、ビーム生成器は、希望に応じて3ビームだけ生成するように作動できる。但し、これは、使用可能なハードウェアの処理能力を完全に用いているわけではないが。)
N/I=好ましい実施例では実行されないモード
個々の受信信号の公称中心周波数F0ごとにテーブルA1を水平方向に見ると分かるように、ハードウェアは、重畳されたビーム波形の数NBをより多くすることのトレードオフとして、ビームごとの空間レンジ分解能γBを幾分低下させ、また、その逆を行なうことを可能にする。より大きいNBは高いフレーム・レートに変わり(視野全体が1/2又は1/4の発射数で走査できるので)、向上した空間レンジ分解能γB(小さいγBの値)はレンジにおける鋭い像に変わる。例えば、従って、B−モードとF−モードのパルス発射をインターリーブして生成し、グレースケールの像上に重畳されたカラー・フロー・ドップラー像を表示する表示モードにおいては、両方のモードが同じF0を共用すると仮定すると、中央制御C−104システムは、全てのB−モード結像パルスに対してNB=1で、また、カラー・フロー・ドップラー結像パルスに対してNB=2、又はNB=4でも動作するように受信ビーム生成器R−100を再プログラムできる。
同様に、テーブルA1を垂直に下方に見ると、この例のモード5と6を除いて、ビームNBの所定の最大数に対して、より高い搬送周波数(ほぼF0)を有する処理モードは、より高い相対的なビームごとの空間レンジ分解能γBを備えている。医療関係者は、典型的に、希望深度の透過に適した搬送周波数で作動できる変換器を選択する。その場合、医療関係者は、全体的な像の分解能(2つのターゲットを識別できる能力)のために、透過を犠牲にする。(より大きい透過は結像周波数を減少させることによって達成され、それは次には全体の像の分解能を減少させるので、後者のトレードオフは超音波の物理的特性に内在的なものである)。所定のビームNBの最大数について、所望の組織の透過からF0が決まり(テーブルA1)、次に、ハードウェアが、選択されたF0で提供することができる最適なビームごとの空間レンジ分解能を有する処理モードも決まる。すなわち、高い透過を達成するためにF0がFsに対して減ると、各々の受信チャンネルR−101の信号処理通路は、秒単位で多くのサンプルを処理する必要がなくなる。これは、ハードウェアの処理機能を使用可能な状態にするので、システムは、R0/F0を高めることによりその処理機能を活用し、それゆえ正規化されたビームごとの相対的な空間レンジ分解能γB/λ0を改善することになる。
更に、この例のモード5と6を再び除いてテーブルA1を対角線状に(右上に)見ると、ハードウェアは、一定受信空間分解能γBにおいて、より多数のビームNBのためのトレードオフにより、低いF0を許容することが可能であることが分かる。
要するに、受信チャンネルR−100が作動するように指定できるモードが、3つのパラメータNBとF0とγBにおけるトレードオフを提供することになる。従って、各々の処理モードがパラメータ・セット(NB、F0、γB)を規定する。一般的に、テーブルA1に示す処理モードの全ては、所定のFsに対して、ビームNBの最大数と、正規化されたビームごとの空間レンジ分解能γB/λ0で除算されたチャンネル処理レートF0と、の積が一定になるというルールを満足している。更に、好ましい実施例は、テーブルA1に示されておらず、システムの総処理能力を十分に活用していない別の処理モードもサポートする。
b. 間引器1:
図7に示すように、ビーム生成器プロセッサR−120は、間引器1R−150と時間遅延メモリR−152と間引器2 R−154と複素乗算器R−156とから構成されている。間引器1 R−150は、プログラム設定可能(既に定義)であり、種々のプログラム可能な間引き係数及び関連するプログラム可能なフィルタ係数を有する可変レート間引フィルタ又はマルチレート間引フィルタとも呼ばれる。間引器1 R−150は、好ましい実施例では、機能的に、第1のプログラム可能なフィルタ係数h1を有する第1のフィルタ(フィルタ1)R−160と、間引き係数KD1(テーブルA2)でダウンサンプリングする間引器R−162と、第2のプログラム可能なフィルタ係数h2を有する第2のフィルタ(フィルタ2)R−164と、により構成されている。好ましい実施例では、フィルタ1(h1)は、FIR(有限インパルス応答性)のアンチエイリアシング低域/高域通過フィルタである。フィルタ1(h1)は、ADC量子化ノイズと受信信号の公称中心周波数F0の奇数高調波を除去する。好適には、フィルタ2(h2)は、FIRのアンチエイリアシング帯域通過フィルタであり、受信信号の公称中心周波数F0の偶数高調波を取り除く。フィルタのプロファイルと間引きレートの値は、受信信号の公称中心周波数F0とADCのサンプリングレート(FADC)に基づいてプログラムできる。このようなフィルタは、信号整形の、追加のプログラム可能なタスクも行うことができる。実施中においては、フィルタ1(h1)R−160と間引器R−162の機能的特徴は同時に達成される。しかし、フィルタリングと間引き動作は、他の実施例において、別個に、計算面では効率の低い順序で行うことも可能である。
更に、この実施例は、種々の長さのフィルタを用いて、且つ、固定又は浮動小数点動作を用いて実施できることが理解される。デジタル信号処理間引器は、フィルタリングとダウンサンプリングの両方を行う。
プログラム可能の同様の定義によれば、フィルタとフィルタ係数と間引きレートのプログラムは、デジタルマルチチャンネル送信器T−103とデジタルマルチチャンネル受信器R−101の動作を統合する、中央制御システムC−104によって行われる。このようなフィルタ係数とフィルタ値と間引係数値は、中央又は1次制御システムC−104から、間引器1 R−150のメモリR−165にダウンロードできる。よって、1次制御システムC−104は、メモリR−165をプログラムでき、且つ、間引器1 R−150を作動するためにメモリR−165にプログラム設定した値から選択が可能である。代わりに、この値はメモリR−165のようなメモリに恒久的に予め記憶し、1次制御システムC−104が、前述のプログラム可能の定義に応じた処理モードに基づいて、予め記憶してある値の中から選択するようにすることもできる。更に、異なる実施例において、テーブルA2に指定した以外の間引き係数を選択することもできる。
ナイキストのサンプリングルールに準じて、実際の信号は、信号を正しく再現することを可能とするために、その信号の最大周波数の少なくとも2倍以上でサンプリングしなければならない。デジタルマルチチャンネル受信プロセッサR−120が受信する信号については、信号の公称中心周波数F0を超えるかなりの周波数成分があり、F0の4倍のオーバーサンプル・レート(テーブルA2を参照)によってこれらの周波数は適切にサンプリングされる。好ましい実施例では、ADC R−118のデータが既にF0の4倍の周波数である時には、間引き動作は行われない。従って、間引器1 R−150のある公称間引きモードでは、間引器1 R−150が全く間引き動作を実施しない。10MHzであるF0と等しい中心周波数Fcを有するビームで、サンプリング周波数Fsが40MHzである場合、間引き動作をしない間引器1 R−150の出力は、40MHzであるか又は4倍でオーバーサンプリングされている。受信信号の公称中心周波数F0の4倍より高くサンプリングされるADC R−118からの信号は、テーブルA2から明らかなように、受信信号の公称中心周波数の4倍である4F0にダウン・サンプリングされる。間引き係数KD1は、ADCのサンプリングレートFADCの関数として、この間引きレートを達成するように選択される。
よって、この実施例では、間引器1の間引き係数KD1と、チャンネル処理レート又は中心周波数F0と、ADCのサンプリングレートFADCとの間の関係は、KD1=FADC/4F0になる。
ここで、FADC=Fs又はFs/2である。
係数4より小さい又は大きいオーバーサンプリング(従って、異なる整数又は有理数あるいはその両方の間引き係数KD1をもつ)を、異なる実施例において実施することもできる。
更に、フィルタ1(h1)R−160とフィルタ2(h2)R−162について、フィルタ係数を、これらのフィルタが指定間引き係数ごとにバイパス・モードで作動する(即ち、フィルタリングしない)ように選択することができる。このバイパス動作は、診断の目的に活用できる。更に、最大広帯域処理に対して、フィルタ1はフィルタ動作を実施しないようにすることができる。
C. 時間遅延メモリ
図9aに示すように、変換器の開口に渡る時間遅延のプロファイルは、変換器素子位置と、結像される物体の変換器アレイからのレンジとの両方の関数である。一般的に、走査線が前方へ真っ直ぐに操舵されるケースでは、変換器アレイの端部の信号に加わるよりも大きな遅延が、開口(図9a)の中心に加わる。この理由は、結像される物体からの受信(戻りエコー)超音波信号は、より中央よりの変換器素子又は結像される物体に近い変換素子に達するより、外側の変換器素子に達するほうが、時間がかかるためである。
また、図9aに示すように、走査線が変換器アレイの面に垂直に操舵されるケースにおいて、時間遅延プロファイルがレンジ(又は結像される物体に対する時間)の関数として平坦になる理由は、レンジが無限大に向けて増大するにつれて、あらゆる特定の変換器素子から結像される物体に至る距離が同一の値に収束し、受信信号を適正に加算するための時間遅延の必要性を減少させるからである。
好ましい実施例では、異なる時間遅延プロファイルが、レンジ・ゾーンの基準レンジ境界に割り当てられる(図9aと9cと次の説明を参照)。基準レンジ境界間の離間距離は、必要に応じて、等しく又は異なる距離とすることができる。更に、これらの時間遅延は、次に説明するように、信号に適用される粗い時間遅延を表していて、位相シフトとして実施される微細な焦点調節時間遅延が、複素乗算器R−156によって適用されることが分かる(図7)。
変換器の開口に対して操舵される受信ビームの追跡は、図9bに示すように、変換器素子の番号とレンジに関する時間遅延プロファイルを変更することである。従って、時間的に指標される受信データをメモリから選択するために適用される時間遅延プロファイルを変えることにより、希望のビームを操舵し、焦点調節することができる。
図8は、好ましい実施例のプログラム可能な、可変時間遅延の2ポート・メモリR−152を示す略図である。データは、動的な焦点調節を行うために、中央制御システムC−104と局部コントロールプロセッサC−210によって送られ、(例えば前述のような)可変時間遅延プロファイルから誘導される連続的に更新されるアドレスに基づいて、メモリR−152から読み出される。
図8に、データ入力ラインR−190とデータ出力ラインR−159だけでなく入力アドレス・ラインC−194と出力アドレス・ラインR−196も図示してある。入力アドレス・ラインC−194はモジュロ・カウンタC−198により一定のレートで更新される。出力アドレスR−196は、可変自在であり、中央制御システムC−104と局部プロセッサコントロールC−210により提供される時間遅延の粗い時間遅延成分だけ少ない入力アドレスの組み合わせから構成される。好ましい実施例では、粗い時間遅延が局部プロセッサコントロールC−210からの時間遅延ワードの最上位ビット(MSB)を表し、微細な時間遅延はその最下位ビット(LSB)を表す。帯域幅モード1〜4及びT0=1/F0の好ましい実施例では、粗い時間遅延が受信信号公称中心周波数F0の1/4サイクル(T0/4)の整数部を表し、微細な時間遅延(位相シフト)は1/4サイクルの端数値を表している。帯域幅モード5と6では、粗い時間遅延が3/4サイクル(3T0/4)の整数部を表し、微細な位相シフトは3/4サイクルの端数値を表している。
メモリR−152は、最も古い記憶済みのデータに書き込む円形バッファとして構成されている。メモリは、全体の走査又は受信線に対してデータを保持するわけでは無いが、記憶済みの信号データを選択するために適用可能な最小と最大の時間遅延間のスパンを十分に満足できるデータだけ保持する。従って、走査線からの全データを記憶するために非常に大きなメモリを有する必要がなくなる。好ましい実施例では、個々のチャンネル用のメモリが、4F0のレートで走査線に沿う最新の256データのサンプルを捕捉する。256データのサンプルは、好ましい実施例では、帯域幅モード1〜4に対する256×T0/4=64T0の総時間遅延、及び、帯域幅モード5と6に対する256×3T0/4=192T0の総時間遅延に対応している。
図10aと10bと10cに、隣接する変換器素子(N−1、N、N+1)の3つの受信チャンネルのデータに対応して、時間tk-1、tk、tk+1で記憶したデータのストリングが図示してある。図10aと10bと10cは、従って、3つの指定時間に関して時間的に凍結された、3つの変換器素子からの記憶済み信号のスナップを表している。図の時間軸に沿って適切な時間遅延値を適用して、記憶済みデータのストリングから希望データを選択する。動的な焦点調節は、メモリR−152から読み取られるデータを決定するための、時間遅延値のリアルタイム選択から生じる。図10aと10bと10cは、選択した時間遅延において、3つのチャンネルから時間tkに記憶したデータ・シーケンスからのS3とS4とS5のサンプルの読み取りを示している。従って、動的焦点調節を提供するために、異なる時間遅延値に応じて記憶済みのデータ・サンプルから動的に選択できる機能が存在する。
図11に示すように、異なる時間遅延プロファイルをメモリR−152に記憶してある同じデータに適用すると、受信ビーム生成器プロセッサR−120は、図示するように、素子ごとに受信信号から2つの受信ビームを追跡し、生成することができる。
より詳細には、図11は、マルチビーム・データがメモリR−152から選択され読み取られる状態を概略的に示している。希望レンジごとに、2以上の時間遅延プロファイルから本質的にインターリーブされた時間遅延値が、メモリR−152に記憶してある同じデータに適用される。個々の時間遅延プロファイルにより、異なる方向に向かう異なるビームに対応するデータがメモリから検索され、データ出力ラインR−192上に出力される。従って、時間遅延プロファイルの適正な選択により、データが、異なるビームについて焦点調節される。
より詳細には、図11は、N−5〜N+4の変換器素子R−114を有する位相アレイ変換器R−112を示す。概略的に、時間“t”において変換器素子ごとにメモリR−152に記憶されたデータR−200のシーケンスが(図10aと10bと10cに図示したように)、各々の素子に関連付けて図示してある。第1と第2のビーム(BM1、BM2)のプロファイルを表す、第1と第2の時間遅延プロファイルR−202及びR−204が、データのシーケンス上に重ねて示されている。各々のビームについての時間遅延プロファイルから各々の変換器素子についての時間遅延値を選択(中央及び局部的な制御システムから与えられる)することにより、第1と第2のビームの個々の焦点R−206を、各々のデータ・シーケンスの適正なデータから形成できる。
時間遅延プロファイルは、時間的に全ての事例に対して動的に変更できることが理解される。従って、データに含まれているあらゆる希望のビームを追従し、メモリR−152に記憶してあるデータから生成することができる。
更に、このデジタル受信ビーム生成器システムの計算面における柔軟性を強調して、テーブルA1を参照すると、単一のビームが10MHzの公称中心周波数F0をもち、サンプリングレートFsが40MHzと想定すると、唯一の動的に焦点調節されたビームが、λ0/2の空間レンジ分解能で生成できる(帯域幅モード3)。しかし、ビームが5MHzの中心周波数を有するとすると、2つのビームがλ0/2の空間レンジ分解能で生成できるだけの十分な計算帯域幅がシステムに存在することになる(帯域幅モード3)。好ましい実施例では、個々のビームごとに1セットである、独立な時間遅延の4つのセットを適用することによって、メモリR−152に記憶してあるデータから、4つまでの時間的にインターリーブしたデータ・ストリームを作成できる。他の従来技術のシステムは、柔軟性に欠けており、同じ変換器素子のデータから生成される個々の追加ビームごとに、別個のビーム生成器を必要とする。このような従来技術のシステムは、単一又は複数のいずれの受信ビームに対しても、サンプルごとに、完全に独立の遅延と位相とアポダイゼーション値を適用できる機能を備えていない。
この構成の更なる主な長所は、メモリR−152の受信信号データの記憶まで、また、記憶を介して、データの区別又は分離がビーム間で行われないことにある。従って、全てが非常に集中的な計算処理である、フロントエンド処理及び増幅、ADC処理及び間引き器1による計算、並びに、メモリR−152にデータを記憶する工程が、受信信号内のビーム数に対して明白に行われる。複数のビームが個々に追跡され、且つ信号処理連鎖において初期に識別されていた場合、例えば、間引器1の計算は、このサンプリングレートのビーム数倍で実施する必要がある。従って、このシステムは、データがメモリR−152から読み取られるまでビーム間の区別をしないことによって、並びに、処理されるビームNBの数と、ビームごとの受信信号の公称中心周波数F0と、正規化されたビームごとの相対的空間レンジ分解能γB/λ0との間におけるトレードオフによる、計算能力の効果的かつ最大限度の活用によって、具体的なハードウェアの節減を提供する。
d. 間引器2
第2の間引器、間引器2、R−154は、プログラム可能で、間引器1 R−150と類似のフィルタ及び間引き構造(可変レート間引きフィルタ)を備えているが、第3のフィルタR−167についてプログラム可能な複素フィルタ係数h3を用いている。第3のフィルタは、アンチ・エイリアシングの複素帯域通過フィルタとして作用し、正の結像周波数を選択し、負の結像周波数と帯域外ノイズを除去する。このR−154におけるフィルタリング及び間引き工程は、好ましい実施例では、信号をベースバンドに又はその近傍に復調し、信号をI(同相)とQ(直角位相)の複素直角位相信号のペアに変換する。
次に示すように、好ましい実施例では、間引器2からのデータ出力は、1、2又は4つのビームからのデータを表し、2又は4つのビームを示すデータは時間的にインターリーブされている。テーブルA1と2と3に示すように、間引器2 R−154では、受信サンプル帯域幅のトレードオフが最も明確であり、空間レンジ分解能が間引きファクタKD2の選択を介して最終的に決定される。
メモリR−171(図7)は、複数の複素フィルタ係数と複数の間引き係数を、中央制御システムC−104によりプログラム可能である(プログラム可能という用語は既に定義した)。フィルタ係数と間引き係数は、デジタルマルチチャンネル受信器で行われる特定の結像タスクに応じて、中央制御システムC−104によってプログラムされる。
間引器2の間引き係数の公称中心周波数F0に対する関係は、テーブルA3で定めるように出力サンプリングレートR0を定める。ここで、帯域幅モード1〜4に対して、KD2=4F0/R0であり、帯域幅モード5と6に対して、KD2=4F0/3R0である。
そこで、間引き係数が小さくなるにつれて、ビームごとのサンプリングレートが増加し、間引器2 R−154は全ての状態で、一定の完全最大能力で作動することが分かる。従って、この好ましい実施例では、計算レートを最大で一定の状態で維持するために、間引器2 R−154を用いている。
間引器2のバイパス・モードは、間引器1に関して、診断目的の時、又は、広い帯域幅をもつ信号が望ましい時、あるいはその両方の場合に、間引器2の隔離を可能にすることが分かる。例えば、帯域幅モード1について、間引器2 R−154はバイパスできる。更に、間引器2 R−154は、フィルタリング処理を実施せず、単なるダウンサンプリング器として動作できる。
前述の説明から、ビーム生成器プロセッサR−120は、用いるビームの数及び空間レンジ分解能の要求と合致する最大計算効率に適した最小レートに、信号を間引きすることが分かる。
従って、前述の受信信号処理構造は、(1)可変時間遅延メモリと、(2)完全で最大の信号処理計算帯域幅の活用に関して前述の長所をもたらす第2のプログラム可能な間引器と、を提供することが分かる。(1)受信信号の公称中心周波数F0と、(2)受信信号の空間レンジ分解能γBと、(3)同時受信ビームNBの数との間の関係は、間引器、特に第2の間引器に関する間引き係数、及び、ビームを区別するためにメモリに適用する時間遅延値とともにプログラム可能である。この長所は、信号復調が信号経路内の何処で行われるかに依存しない。
e. 複素乗算器
微細な時間遅延のために複素位相回転を行う複素乗算器は、計算面において非常に集中的である。しかし、信号経路内のこのポイントにおいて、信号は、信号経路内における最小のサンプリングレートに間引きされるので、複素乗算は非常に効率的に実施できる。
複素乗算器R−156は、次に説明するように、たすき掛けによって真の複素乗算を行う。
複素乗算器R−156では、ベースバンドへの又はその近傍への信号復調は、Fcに対するF0のバーニャを考慮するために行われる。しかし、既に説明したように、このベースバンドへの又はその近傍への復調は、例えば、F0のバーニャがない時には、他の実施例において、間引器2のように信号経路の他の場所で行われる。
複素乗算器R−156では、アポダイゼーション値及び焦点調節位相シフト(微細な時間遅延に対応)の関数である、重み付けの項は、間引器2 R−154から入力した信号と乗算される。アポダイゼーション値と位相シフト値は、サンプル間で、受信プロセッサごとの、ビームごとの基準で動的に変動する。従って、これらの値は、変換器の開口に渡って動的に変動し、時間的にも動的に変動する(図9aと9bと9cと11を参照)。これらの値は、前述の特許出願の課題である中央制御システムC−104、及び、局部的プロセッサ・コントロールC−210から送られる。
図7に、複素乗算器R−156の好ましい実施例が概念的に図示してあり、そこでは、複素I/O信号サンプルが、複素乗算器R−260で結合された複素位相値及び実数アポダイゼーション値と、乗算器R−210により乗算される。複素乗算器R−210は、時間共用ブース乗算器によって行われる4つの実数乗算処理によって好適に行われる。代わりに、独立の位相乗算器と独立のアポダイゼーション乗算器を、信号の焦点調節のために使用できる。更に別の実施例では、独立の位相乗算器をコルディック乗算器により構成し、独立のアポダイゼーション乗算器をブース乗算器を用いて構成することができる。
複素乗算器R−156の出力は、次のように表される。
Y=Acosφ・I-Asinφ・Q+j(Acosφ・Q+Asinφ・I)
ここで、I+jQは複素乗算器R−156への入力チャンネル・サンプル信号であり、Aはアポダイゼーション値であり、φは位相シフト値である。
特にメモリR−152と複素乗算器R−156に関する前述の説明から、本実施例は、受信プロセッサごとのビームごとの各々のデータ・サンプルが、中央制御システムと局部プロセッサコントロールによって送られる遅延値及び位相値とアポダイゼーション値により動的に変更できるので、真の動的焦点調節及び動的アポダイゼーションを実現できることが分かる。従って、本実施例は、全てのデータ・サンプルに対して、中央制御システムで計算した瞬時的な遅延、位相及びアポダイゼーション値を使用できる。
前述のように、複素乗算器だけでなく、図7の機能ブロックの残りの構成要素も、好適には高速デジタル・ハードウェアにより構成される。しかし、他の実施例においては、この機能ブロックは、例えば、複素乗算器に対して、汎用マイクロプロセッサによるソフトウェアにおいて、異なる計算順序で、前述の指定以外の異なる演算アルゴリズムを用いて実施できるので、本発明の精神と範囲に属している。例としてのみ考えれば、複素乗算器では、アポダイゼーション値が、複素数IとQの乗算後に乗算できる。更に、従来技術では、複素乗算器を構成する他の方式についても述べている。
f. 焦点調節フィルタ
別の実施例では、微細な焦点調節遅延も、希望した遅延に最も近い2つのサンプル間における線形補間のように、遅延補間器を用いて構成できる。遅延補間器を一般化したものが焦点調節フィルタである。このフィルタは、受信ビーム生成のサポートに必要な所望の信号遅延と周波数特性との関係を考慮するために、個々のデジタルマルチチャンネル受信プロセッサごとに、受信プロセッサ内の各々のビームに関連する波形ごとに、別々にプログラム設定される。従って、フィルタは通常、非線形性の位相応答を有している。焦点調節フィルタの特性は、従って、好適には線形位相応答を有し(従って、フィルタを通過する信号に歪みを生じない)、全ての受信プロセッサにおいて同じ特性に設定される、図7に示す間引きと復調の動作に関連する信号経路フィルタと対照的である。間引器及び復調処理に使用されるフィルタは、ビーム生成でなく、波形整形に用いられ、本実施例は異なるフィルタ特性を受信プロセッサの中から選択することもサポートするけれども、通常、同じ波形(適切な遅延とアポダイゼーションを有する)が全ての受信プロセッサで作成される。
3. チャンネルごとの局部的プロセッサ制御システム
デジタルマルチチャンネル受信器R−101の2次又は局部プロセッサコントロールC−210(図7)は、制御データを1次又は中央制御システムC−104から受信する。2次又は局部プロセッサコントロールC−210は、コントローラ及びI/OプロセッサC−260と、較正プロセッサC−262と、メモリ・アドレス及び遅延プロセッサC−264と、位相及び周波数プロセッサC−266と、アポダイゼーション・プロセッサC−268とを備えている。局部プロセッサコントローラC−210は、デジタルマルチチャンネル受信プロセッサR−120に、周波数値(即ち、復調周波数、位相補正周波数、受信信号の公称中心周波数F0、遅延値、位相シフト値、アポダイゼーション値、及び、次に詳細に説明するデジタル受信サンプルごと及びビームごとの較正値)を提供する役割を有する。中央制御システムC−104は、前述の特許出願に記載してあるように、局部プロセッサコントロールC−210に、(1)フィルタ係数のプログラム設定(前述のプログラム可能の定義に従って)と、間引き係数のプログラム設定と、結像モードごとの較正値のプログラム設定と、(2)走査線ごと、かつ、ビームごとの以下に指定する周波数パラメータと、(3)ダイナミックレンジ・ゾーン及びビームごとの遅延値及びアポダイゼーション値と、(4)サンプルごとの遅延補間/補外係数と、を提供する役目を有する。局部プロセッサコントロールC−210は、ADC R−118のサンプリングレートも制御する。
a. I/Oプロセッサ
2次又は局部プロセッサコントロールC−210に関して、コントローラ及びI/OプロセッサC−260は、読取と書込みの動作の全てを制御する。
b. メモリ・アドレス及び遅延プロセッサ
好ましい実施例では、メモリ・アドレス及び遅延プロセッサC−264は、焦点調節コントロールC−132の1次遅延プロセッサを経由して中央制御システムC−104が提供する補間又は補外あるいはその両方の係数(αrange)とゾーン境界遅延値を用いて、関連するビーム生成器プロセッサR−120の各々のビームの各々の出力サンプルの補間され又は補外された遅延値を計算する。ゾーン境界遅延値は、例えば、特定のレンジ境界の遅延プロファイル(図9c)から定められる。係数αrangeは、レンジ境界間の遅延値の密度を高めるために、遅延プロファイル境界間(又はその外側あるいはその両方)のレンジ内の補間(又は補外あるいはその両方)を可能にする。各々のデジタルマルチチャンネル受信プロセッサR−120は、それに関連するメモリ・アドレス及び遅延プロセッサC−264を、動的焦点調節を提供するために備えている。マルチビーム動作とするために、遅延補間は時間的にインターリーブされる。
遅延プロセッサC−264は、中央制御システムC−104の焦点調節プロセッサC−132からメモリ・アドレス及び遅延プロセッサC−264に送られる散在的で間引きされた遅延プロファイルデータ・セットの密度を高めるために、局部的な補間/補外を行う。補間器C−199(図8)による補間/補外工程後に、遅延値は、希望のビームのサンプルの選択を容易にするために時間遅延メモリR−152に送られる最上位ビット(粗い遅延)に分割される。時間遅延値の最下位ビット(微細な時間遅延)は位相及び周波数プロセッサC−266に送られ、それは次に詳細に説明するようにして位相値に変換される。
選択されると、この構成は、補間器C−199における補間前に遅延値に加えることができる遅延較正値を提供する。較正プロセッサC−262からのデジタル受信通路遅延較正値は、線上でC−195を介して補間器C−199に送られる。
代替実施例においては、ビーム生成器プロセッサR−120とメモリ・アドレス及び遅延プロセッサC−264との間に1対1より小さい関係がある。更に、この係数αrangeはメモリ・アドレス及び遅延プロセッサC−264から局部的に生成できる。その上、更に異なる遅延値生成スキームが採用できる。例として、局部的アポダイゼーションプロセッサC−268の累積器C−272と類似する累積器の構造が、適切な遅延値の生成に使用できる。
c. 位相及び周波数プロセッサ
局部又は2次プロセッサコントロールC−210の位相及び周波数プロセッサC−266(図7と12)は、復調位相値(例えば、送信ビーム生成器システムによるF0のバーニャを考慮して)と、中央制御システムC−104が定めた位相シフト補正値を生成する。復調位相値は、理想的には、周波数プロファイル生成器C−141から生成された復調周波数(図14aと14bと14c)の積分として計算される。このような積分を行うハードウェアは高価なので、復調位相値は、好適には、(1)周波数プロファイル生成器C−141からの復調周波数細胞プロファイルfD(t)(図14d、14e、14f)と、遅延メモリR−152へのデータの入力と同期したメモリ・アドレス及び遅延プロセッサC−264からの復調基準時間との、乗算器C−140において計算された積と、(2)、次に詳細に説明する、加算器C−141により加算された一定値と、の和として計算される。
微細な焦点調節位相補正値は、乗算器C−138で計算したように、周波数プロファイル生成器C−141(図14a、14b、14c)からの瞬時位相補正周波数fp(t)と、メモリ・アドレス及び遅延プロセッサC−264からの残留又は微細な遅延時間(遅延時間のLSB)との積である。焦点調節位相値を計算する際に用いる復調周波数と位相補正周波数は、共に、好ましい実施例では、周波数プロファイル生成器C−141で生成した各々の周波数プロファイルの中の1つを選定して計算される。2つの位相値、微細な位相シフト値と復調位相値は、加算器C−142によって加えられて、ルックアップ・テーブルC−144に送られ、そこで位相値が複素I/Q値に変換される。
好ましい実施例では、ベースバンドへの又はその近傍への全ての復調は、複素乗算器で行われる。しかし、例としてのみ挙げるが、周波数オフセットが存在するなどの他の状態では、この復調は、複素フィルタ係数を用いて間引器2で別に行われ、残りの復調が複素乗算器で行われる。この周波数オフセットは、例としてのみ挙げれば、搬送周波数が前述のデジタル送信ビーム生成器システムT−100によって受信信号の公称中心周波数F0からバーニャされる時に生じる。このバーニャされた中心周波数は、送信ビーム生成器T−100から送信した全てのビームに対して同じとすることもでき、又は、マルチ送信ビームの各々に対して異なる周波数とすることもできる。
復調及び位相シフト又は回転のための周波数は、次に示す3つの周波数対時間プロファイルの関係の中の1つを選択するために、独立にプログラムできる。
(1)周波数は、図14aに示すように時間的に独立している一定の開始周波数Fstart(全体的に搬送周波数Fc)を保つ、
(2)周波数は、(a)ある実施例で、一定の限界周波数Flimitで飽和するか、又は(b)指定時間限界Tbreakに達するまで、ダウンシフト・スロープΔFdownslopeだけ開始周波数(Fstart)からシフト・ダウンし、その後に、図14bに示すように一定の周波数を保つ、
(3)周波数は、(a)ある実施例で、一定の限界周波数Flimitで飽和するか、又は(b)指定時間限界Tbreakに達するまで、ダウンシフト・スロープΔFdownslopeだけ開始周波数Fstartから最初にシフト・ダウンし、その後に、周波数が(a)開始周波数Fstartで飽和するか又は(b)開始周波数(図14c)で飽和せずに継続するまで、アップシフト・スロープΔFupslopeだけ直ちにシフトアップする。
復調周波数fD(t)と、焦点調節位相シフト値を生成するために適用する周波数fp(t)は、共に、前述の類似の周波数プロファイルのいずれかから選択できる。従って、同じプロファイルが乗算器C−138とC−140の両方に適用できる。他の実施例においては、異なる周波数プロファイルもこれらの乗算器に適用することができる。
これらプロファイルは、組織を介して送信された超音波信号の周波数減衰をモデル化する。従って、例えば、広帯域信号が組織を介して長く伝搬するほど、信号の中心周波数はこの減衰のためにダウンシフトされる。この実施例では、全てプロファイルが周波数Fstartから始まっていた。この周波数を受信ビームの搬送周波数Fcとすることができる。送信搬送周波数と対応する受信搬送周波数とを同じにすることができるが、それらが実際に同じになる必要はないことが理解される。そこで、周波数プロファイルの開始周波数は、送信ビーム生成器の中心周波数と異なるならば、受信ビーム生成器の中心周波数になる。そこで、Fstartはあらゆる値とすることができる。しかし、Fstartは、好適には、中心周波数とバーニャ係数の積、vF0に等しい、送信搬送周波数Fcになる。
前述の周波数プロファイルを定めるパラメータが中央制御システムC−104に記憶してある。位相及び周波数プロセッサC−266の周波数プロファイル生成器C−141は、これらのパラメータを受けて、受信サンプルごとの基準で周波数の値を計算する。これらの周波数値は、図14aと14bと14cの周波数プロファイルを規定する。
ある実施例の場合、中央制御からダウンロードされ、局部プロセッサコントロールにプログラム設定されるパラメータは、開始周波数と周波数限界と周波数ダウンスロープと周波数アップスロープと、を含んでいる。前述のように、開始周波数は通常、搬送周波数Fcである。周波数限界は前述の計算に用いられた最小の周波数値である。中央制御C−104に記憶してある数が、例えば、ハードディスク・メモリから中央制御C−104に、例えば、導かれ、記憶され得る新しいデータに基づいて、任意の時に更新できることが理解される。
別の好ましい実施例では、ダウンロードしたパラメータは、開始周波数とブレーク時間Tbreakと周波数ダウンスロープと周波数アップスロープとを含んでいる。この実施例では、ダウンスロープは、限界周波数で制限されないが、時間Tbreakで制限される。従って、図14cの周波数プロファイルは、Tbreakが過ぎるまで、下向きになる。そのポイントで、周波数プロファイルが上向きになる。
好適には、位相及び周波数プロセッサC−266が、全てのプロファイルを同時に計算し、中央制御又は局部的プロセッサあるいはその両方のプロセッサ・コントロールは、周波数プロファイルを、中央制御システムC−104に予め記憶してある規準に基づいて、結像モードごとに選択して、復調位相値と残留時間遅延位相値を計算し、最適に改善された像を提供する。
更に、マルチビームの状態では、ビームの各々は異なる搬送周波数Fcを有して受信できることが分かる。中央制御システムは、例えば、改善された像を提供するために、ビームの各々について異なる周波数とスロープと時間限界とを選択する。この状態で、前述の3つの周波数プロファイルの各々についての開始周波数は、ビーム生成器プロセッサが生成した特定のビームについての周波数に依存する。従って、個々のビームの周波数プロファイルは、全く異なるパラメータにより指定できる。
前述のように、好適な実施においては、復調位相値は、(1)周波数プロファイル生成器C−141からの復調周波数fD(t)(図14d、14e、14f)と、メモリ・アドレス及び遅延プロセッサC−264からの復調規準時間tとの乗算器C−140における積と、(2)加算器C−141により加算された値との和として生成される。基準時間tが0≦t≦Tbreakで与えられる場合に、マルチプレクサC−143により、tとfD(t)とが乗算器C−140において乗算され、マルチプレクサC−145により、ゼロ値が加算器C−141において加えられる。従って、復調位相値は、fD(t)・tになる。一方で、基準時間tがTbreak≦tによって与えられると、マルチプレクサC−143は、(t−Tbreak)とfD(t)とを乗算し、マルチプレクサC−145は一定値fD(Tbreak)・Tbreak(図14eと14fの不連続部分を参照)をその結果に加える。そこで、復調位相値は、fD(t)・(t−Tbreak)+fD(Tbreak)・Tbreakになる。
d. アポダイゼーション・プロセッサ
アポダイゼーション・プロセッサC−268(図12)は、レンジ境界アポダイゼーション値の散在テーブルを、中央制御システムC−104の焦点調節プロセッサC−132から得る。また、中央制御システムC−104から、ゾーン幅が値Bによって指定される。レンジ境界アポダイゼーション値間のゾーン幅2Bを得る。あるゾーン境界アポダイゼーション値がA1(図15)で、他のゾーン境界アポダイゼーション値がA2である場合に、アポダイゼーション・プロセッサC−268の累積器C−272(図12)は、好適には下記値:
を累積アポダイゼーション値(開始値がA1)に好適に加えることによって、増加されたアポダイゼーション値をA1とA2の間で生成できる。そこで、アポダイゼーション値は、中央制御システムが送った散在データ・セットを満たすために、A1とA2の間で2B間隔ごとに生成される。この前述の動作は暗示的に線形補間になる。しかし、非線形手法も補外手法も使用できる。
代わりに、局部的アポダイゼーション・プロセッサC−268は、中央制御システムC−104から送られた走査形状パラメータに基づいて、局部的レンジ係数生成器において、補間/補外レンジ係数を内部で計算できることが理解される。これらのパラメータは、使用されている特定の走査フォーマットを規定する。更に他の実施例では、このアポダイゼーション補間/補外係数を、中央制御システムに予め記憶し、局部的アポダイゼーション・プロセッサにダウンロードできる。
アポダイゼーション・プロセッサC−268は、各々のビームの各々の出力サンプルごとに、補間/補外アポダイゼーション値を計算する。マルチビーム動作をサポートするために、アポダイゼーション・プロセッサC−268は、補間/補外の計算をインターリーブする。遅延値に関して、アポダイゼーション値は、希望に応じて、アポダイゼーション値が複素乗算器に適用される前に、較正プロセッサからのアポダイゼーション較正値を提供することにより、変更することができる。
乗算器R−260で互いに乗算された、位相シフト及びアポダイゼーション値を表す複素値は、複素乗算器R−156に送られ、複素サンプル信号値と乗算される。
e. 較正プロセッサ
較正プロセッサC−262は、走査フォーマット又は変換器が変更される時に起動される。較正中に、例えば、送信ビーム生成器システムT−100からの共通の較正信号が、全ての受信チャンネルに注入される。ADC R−118におけるデジタル化以前の、アナログ回路の構成要素の公差が、アナログ・パス間の信号変動のもとになる。局部的較正プロセッサは、出力信号と、局部的較正プロセッサに記憶してある固定較正基準値とを比較する。局部的較正プロセッサは、反復プロセスを通じて出力信号と基準信号の間の違いをゼロに導くために、局部的制御に関する遅延値とアポダイゼーション補正値とを計算する。
これらの補正値は、アナログ信号経路単位でサンプリングされ、較正プロセッサC−262によって、振幅についてはアポダイゼーション・プロセッサC−268へ、遅延と位相についてはメモリ・アドレス及び遅延プロセッサC−264に送られる。
例としてのみ挙げる滑動性開口、ランダム開口及び合成開口を含む動作について、複数の固定の較正基準値が記憶できる。
前述の局部的に計算された較正値に加えて、較正値は中央制御システムからダウンロードできる。例えば、個々の変換器のタイプごとの較正値は、中央制御システムに予め記憶でき、又は、新しい変換器の選択時に中央制御システムに提供することができる。この較正値は、その後、局部的較正プロセッサにダウンロードし、適切ならば、局部的に生成した較正値と結合することができる。
4. ベースバンドマルチビーム・プロセッサ
デジタルマルチチャンネル受信プロセッサR−120は、加算器R−126で加算される。その結果は、ベースバンド・フィルタ及び位相調整器R−127(図2bと7と13)と、ベースバンド・プロセッサ・コントロールC−270(図2bと7と13)と、を備えるベースバンドマルチビーム・プロセッサR−125(図2b)へ送られる。
a. サブアレイ加算器
従来技術で周知のように、複数の入力を加算する2つの標準方式として、並行加算と逐次加算がある。この実施例は、高速で効率的な加算プロセスのために、2つの手法を組み合わせている。図2bは、このデジタル受信ビーム生成器システムの加算プロセスを示す。デジタルマルチチャンネル受信プロセッサR−120の対は、平行加算により結合される。8対のプロセッサR−120が、サブアレイ加算器によって逐次的に加算される(図2bのサブアレイ加算ブロックR−126)。この第1の加算ステップのための加算器は、プロセッサR−120の外部に設けることができる。代わりに、プロセッサR−120が、このステップを実行する加算器を含むこともできる。
前述の加算後に、この4つのサブアレイ和が、半最終加算器によって並行的に加算される(最終加算ブロックR−126)。このステップの次は、2つの半最終加算器からの和が最終加算器において並行して加算される並行加算ステップである(加算ブロックR−126)。異なる実施例においては、並行と逐次的な加算手法の別の組み合わせ、又は、全てを並行加算とし、又は、全てを逐次的加算とすることもできる。
b. ベースバンド・フィルタ及びと位相調整器
変換器面に渡ってサンプルされた素子からの全信号の和を表す、デジタルマルチチャンネル受信プロセッサR−120からの複素ベースバンド信号(又は、多重ビームの場合の信号)は、ベースバンド・フィルタ及び位相調節器ブロックR−127に送られる。ブロックR−127は、フィルタリングと有理サンプリングレート変換(補間と間引き)を行うベースバンド・フィルタR−250(図13)を含んでいる。ブロックR−127は、さらに、(1)走査線間のアポダイゼーションの変化、走査形状、不整列の実効的送信/受信原点に起因する位相差の補正に必要な信号の、走査線に依存し、レンジに依存する位相調整、(2)走査線ごとに異なる送信周波数に起因する位相差を補正する信号の再変調(周波数調整)、及び、(3)走査線ごとの利得調整を提供する、位相調整器R−252(図13)も含んでいる。送受信において走査線毎に可変周波数のモードを使用することの利点は、グレーティングローブの減少である。
希望の走査線間、特に2以上の隣接する走査線間の位相調整と再変調は、例えば、干渉性の像処理手法を実現することを意図している。
従って、位相調整器の目的は、走査線ごとの干渉性を、(1)調整自在の周波数動作、(2)合成走査線動作、(3)合成開口動作、(4)干渉性ビーム・サンプル上での後の動作のために維持することにある。
ベースバンド・フィルタR−250は、好適には、実数及び虚数の係数h4をプログラム設定できるマルチタップFIRフィルタと、有理サンプリングレート・コンバータと、を備えている。有理サンプリングレート・コンバータは、整数のアップサンプリング係数Lを有する補間器と、整数のダウンサンプリング係数Mを有する間引器と、を備えている。従って、ベースバンド・フィルタR−250は、次の動作を行う。
第1に、ベースバンド・フィルタR−250は、帯域外ノイズ周波数を拒絶することにより、信号対雑音比を最大にし、及び/又は、好適にはガウス送信パルスだけでなく他の形状のパルスと実質的に整合させるための整合フィルタ又はガウス整合フィルタの設計により、信号対雑音比を高める。ガウス・パルスは、人体のような減衰性媒体を経由する送信中に歪まない波形を示すので、特に効果的である。
第2に、ベースバンド・フィルタR−250は、変換器周波数応答とアナログ信号経路を、共にADC R−118の前で補償することによって、パルスの等化と整形を可能にする。
第3に、ベースバンド・フィルタR−250は、有理(非整数)間引き係数L/M(LとMは整数)に基づいてサンプル・レート変換(間引き機能)を行う。そこで、サンプル・レートは、像の表示に好ましいレートに変換される。
この間引きの事例が、前述の間引器1と間引器2の説明で述べた文献に見受けられる。ベースバンド・フィルタR−250のフィルタ係数と非整数間引き係数は、中央制御システムC−104から、係数及びレート・メモリC−278にダウンロードすることにより、ベースバンド・フィルタ/位相調整器R−127にプロセス設定される。ダウンロードされた係数は、新しい係数を中央制御システムC−104に導入することにより、いつでも変更できる。係数及びレート・メモリC−278に記憶されている係数は、中央制御システムC−104により、ベースバンド・フィルタR−250のフィルタ及び間引きの比率L/Mをプログラム設定するために、選択可能である。
位相調整器R−252の複素乗算器R−254は、複素乗算器R−156(図7)と同様に作動する。
複素乗算器R−254の次段には、走査線サンプル・データを記憶するレジスタC−296があり、そのデータは、走査線間の較正を行うために中央制御システムC−104のDMAプロセッサC−202に報告される。
c. ベースバンド・プロセッサ・コントロール
位相調整器は、ベースバンド・プロセッサ・コントロールC−270(図2bと7と13)に含まれている制御機能を備えている。このベースバンド・プロセッサ・コントロールC−270では、走査線間又はビーム間の利得調整値及び位相調整値が、時間的にインターリーブした状態で生成される。前述のように、位相補正値は、(1)走査線間のアポダイゼーションの変化と、不整列の実効的な送信/受信原点(走査線依存性及びレンジ依存性の位相調整項)をもたらす走査形状と、に起因する位相差の補正に必要な位相調整項と、(2)各々の走査線が共通搬送周波数を用いていた場合に信号を再変調するために必要な位相項と、を含めた、位相項の和である。記述のように、周波数スケール・ファクタ又は周波数バーニャ・ファクタを用いると、各々のビームは異なる搬送周波数を有することができる。位相調整器は、そこで、全ビームの搬送周波数の差を調整するために、ビーム間の再変調を行う。
動作時に、走査フォーマット形状パラメータ、散在走査線利得及び遅延値、補間係数、非整数間引き係数を含むソース・データ・セットが、中央制御システムC−104からベースバンド・プロセッサ・コントロールC−270へダウンロードされる。加えて、図14aと14bと14cに準じた中央制御システムC−104の周波数プロファイル生成器に使用された周波数パラメータが、ベースバンド・プロセッサ・コントロールC−270へダウンロードされる。
図13のベースバンド・プロセッサ・コントロールC−270は、利得及び位相RAM C−280と、中央制御システムC−104により予め計算済みで記憶済みの走査線補間係数(αline)が供給される走査線補間器C−282と、共に中央制御システムC−104により事前に計算済みで記憶済みである有理間引き係数L/M及び位相ゾーン幅が供給されるレンジ累積器C−286を有するレンジ補間器C−284と、を備えている。有理間引き係数L/Mは、ベースバンド・フィルタR−250に送られたのと同じ値である。累積器C−286は、局部的アポダイゼーション・プロセッサC−268(図12)の累積器C−272と同様に作動する。更に従来技術で周知のように、有理間引き係数L/Mに応じたサンプル・レート変換は、ベースバンド・フィルタR−250のサンプル・データ・レートと整合するために行われる。
代わりに、レンジ補間器/補外器C−284に、例として、(1)中央制御システムにより事前に計算され、記憶済みである又は中央制御システムにより計算される、又は、(2)係数生成器がベースバンド・プロセッサ・コントロールC−270内で局部的に計算した、プログラム可能な(前述の定義による)補間/補外係数の供給を受けることができる。
ベースバンド・プロセッサ・コントロールC−270は、二重位相累積器として好適に構成される再変調周波数プロセッサC−292も備えている。二重位相累積器は、位相調整値を計算して、走査線間の周波数差を補正し、共通の搬送周波数が全ての走査線に渡って用いられていたとした場合の信号を再変調できる。
中央制御システムC−104から、走査線間の周波数差を表す予め計算され、予め記憶された値(デルタ周波数値)が、再変調周波数プロセッサC−292に送られる。これらの周波数差の値は、図14aと14bと14cに示すような周波数と周波数スロープに基づく。例としてのみであるが、2つの走査線の周波数プロファイルが図14bに示す通りであるが、異なる開始周波数Fstartの値と異なるダウンシフト・スロープΔFdownslopeの値を有していると想定する。そこで、走査線間の周波数差と、経時的な周波数プロファイルの変化レート差とが、2つの走査線について、中心制御システムからベースバンド・プロセッサ・コントロールC−270へダウンロードされる。これらの値は、記憶済みのパラメータに基づいて、今使用されている特定の有理変換係数L/Mに依存して、捕捉プロセッサC−130によって計算される。プロセッサC−292の第1の累積器は、走査線間における経時的な周波数プロファイルの変化レート差を累積し、第2の累積器は、走査線間の経時的な周波数差を累積する。経時的な周波数プロファイルの変化レートに差がない(すなわち、プロファイルが、もともと異なるFstartの値に対して、又はスロープがゼロに向かう場合の図14bのTbreakの後に、全く同じになる)場合、第1の累積器は何もしない。走査線間の周波数の変化レートに差がない場合、第2の累積器だけが、経時的な周波数差を累積し、補正用の再変調位相値を生成する。
走査線ごとのアポダイゼーションの変化と、不整列な送信/受信原点を生じる走査形状と、に起因する位相調整、並びに、有効な共通の搬送周波数に対する信号の再変調に起因する位相調整が、加算器C−288で加えられ、加算された位相値がルックアップ・テーブルC−290で変換されて、正弦と余弦の表現に変わる。ルックアップ・テーブルC−290の機能の一部として、利得が、正弦及び余弦の表現式と乗算される。この値が複素乗算器R−252に送られる。
ベースバンド・プロセッサ・コントロールの他の実施例も可能であることが理解される。
前述のように、位相調整器R−127は、干渉性の信号とサンプルの関係が走査線間で維持されることを保証する。十分な情報が、記憶され又は確保され又は維持されて、戻り信号のサンプルが走査線間で位相及び振幅において補正された時に、送信サンプル、及び、ビームからの信号のエコー又は受信サンプルは干渉性であると定義される。実際に位相と振幅を補正する工程は、基準に対する十分な情報が維持される限り、実施する必要はない。
信号サンプルが干渉的に処理される時に、処理は、十分な情報の維持を継続し、位相と振幅を後に補正できるようにする。2つ以上のサンプルが干渉的に処理される(例えば、干渉的に加算される)時に、位相調整と振幅調整に必要な位相及び振幅の補正は、既に行われていなければならない。
上述の係属中の出願に記載されるように、2つ以上の信号サンプルの干渉的な処理は、合成サンプルを計算できるように、十分な利益をもたらす。
送信/受信信号の全ての性格を特定し考慮するビーム生成器コントロールC−104により、システム全体は、信号がビーム生成と無関係の動作で最終的に検出されるまで、送信/受信信号経路の全体にわたって干渉性サンプルとして全ての信号サンプルを維持する。
走査線間の位相調整はビーム生成後にベースバンド・フィルタ/位相調整器R−127によって行われるが、この位相調整は、デジタルマルチチャンネル受信プロセッサR−120におけるビーム生成前に可能であることが分かる。例として、この位相調整は、各々のプロセッサR−120の各々の複素乗算器R−156で行うことができる。
5. 合成開口
合成開口は、本発明の好ましい実施例では、(1)変換器素子のアレイを、夫々が複数の変換器素子を有する、送信及び/又は受信のための複数の独立した又は実施例に独立したサブアレイに分割し、(2)複数の送信/受信シーケンスをサブアレイの組により実行し、(3)シーケンスごとに、干渉性サンプルを捕捉し、(4)好適には加算又は重み付け加算により全ての対応する干渉性サンプルを結合することを特徴にしている。この構成によって、送信及び/又は受信の電子的通路の数が効率的に増加し、送信及び/又は受信の変換器開口が増加する。
合成開口走査は、例えば、“高分解能超音波結像走査器”という名称の、Klahrの米国特許第3,805,596号と、“物体の超音波走査方法及び装置”という名称の、Saugeonの米国特許第4,733,562号に記載されている。合成開口走査は、Kinoの“非破壊評価のための音波結像”と、Suttonの“地下水音波結像”とが共に1979年4月号のIEEE、Vol.67会報に記載されている。
このデジタル受信ビーム生成器システムは合成開口動作をサポートする。較正プロセッサは、合成開口動作に用いるサブアレイ受信開口の利得と位相補正を記憶する。位相調整器は、別に受信したサブアレイ受信開口ビームの干渉性を維持するので、加算器は信号を結合し、合成開口走査線を生成できる。
Claims (1)
- 各々がアレイの個々の超音波受信素子に入射する超音波エネルギーに応答する複数の入力信号を処理する装置であって、
各々が、前記の入力信号の個々の1つをレンジ・ゲートするように接続された複数のレンジ・ゲートと、
各々が、前記の入力信号の個々の1つを位相回転するように接続された複数の焦点調節位相回転器と、
前記のゲート制御され、位相回転された信号に応答して信号を加算し、和信号を生成するように接続された加算器と、
前記の入力信号の少なくとも1つに応答する信号を復調する復調器と、
前記復調器の下流に位置し、前記和信号に応答する信号を積分し、出力値を生成する積分器と、
前記装置を、前記レンジ・ゲートの各々が選択された期間中にのみ作動可能とする第1のモード(PW)で作動させる手段と、
前記装置を、前記レンジ・ゲートを継続的に作動可能とする第2のモード(CW)で作動させる手段と、を備える装置。
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