JP3756256B2 - 脱穀装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えばコンバインの扱室内で扱胴によって脱穀処理された穀物をこの下方の揺動選別盤で選別処理する脱穀装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、単位時間当りの脱穀処理量を増やして処理能力を向上させる場合、フィードチェンによる穀稈送り速度を早くする必要があるが、穀稈送り速度を早くすると、扱胴の前後長さを長くして扱残しを防ぐ必要があると共に、扱胴の前後長さを略一定に保った構造で、穀稈送り速度を早くする場合、扱胴の回転を高速にすることにより扱残しを防げるが、稈切れ量が多くなり、選別損失を多くして穀粒収集率が低下する不具合がある。例えば6条刈り等の大型コンバインのように刈取り穀稈供給量が多いとき、扱胴の周速を遅くすることによって脱粒性能が低下し、扱胴の周速を早くすることによって藁屑が多く発生して選別性能を低下させる問題が生じる。そこで、扱胴を前後に分割して前半部と後半部とで周速を異ならせ、藁屑の発生を防ぎ乍ら脱粒性能の向上を図ることもできたが、扱胴構造が複雑となり、軽量化並びに製造コスト低減などを容易に行い得ない等の問題が生じる。
【0003】
【課題を解決するための手段】
然るに、本発明は、扱胴外周面に複数の扱歯を植設させて螺旋形に配列させ、螺旋形配列によって形成される扱胴前部の扱歯のリード角よりも扱胴後部の扱歯のリード角を大きく形成する脱穀装置において、扱歯のピッチを扱胴前部よりも後部が徐々に小さくなるように形成し、扱歯のリード角が小さく、かつピッチが大きい扱胴前部で藁屑の発生を防ぎながら脱粒可能とする一方、扱歯のリード角が大きく、かつピッチが小さい扱胴後部で扱残しを防ぎながら脱粒可能とすると共に、扱胴前部の扱歯のリード角と逆方向の逆リード角を形成する扱歯群を扱胴後端に設けたもので、脱穀処理量を増やして処理能力を向上させ得るものである。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は改良扱歯の正面説明図、図2はコンバインの全体側面図、図3は同平面図であり、図中(1)は走行クローラ(2)を装設するトラックフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1)に架設する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内蔵している脱穀機である脱穀部、(8)は刈刃(9)及び穀稈搬送機構(10)などを備える刈取部、(11)は刈取フレーム(12)を介して刈取部(8)を昇降させる油圧シリンダ、(13)は排藁チェン(14)終端を臨ませる排藁処理部、(15)は脱穀部(4)からの穀粒を揚穀筒(16)を介して搬入する穀物タンク、(17)は前記タンク(15)の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、(18)は運転操作ハンドル(19)及び運転席(20)を備える運転キャビン、(21)は運転キャビン(18)下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0005】
また、図4に示す如く、図中(22)は機体の前後方向に軸架する軸流型の扱胴(6)を内設させる扱室、(23)は前記扱室(22)に穀稈を挿入する扱口、(24)は前記扱室(22)下方に張架させるクリンプ網、(25)は前記クリンプ網(24)下方に前端を臨ませて前後方向に揺動自在に支持する揺動選別盤、(26)(27)は前記クリンプ網(24)の下方に上下2段に配設する選別盤(25)の前後フィードパン、(28)は前フィードパン(26)の後端側に上下揺動自在に設ける選別篩い線、(29)は後フィードパン(27)後端後方に連設するチャフシーブ、(30)はチャフシーブ(29)下方に配設するグレンシーブ、(31)は前後フィードパン(26)(27)の上下間に選別風を送給するプレファンである送塵ファン、(32)はチャフシーブ(29)とグレンシーブ(30)間及びグレンシーブ(30)下方に選別風を送給するメインの送風装置である唐箕、(33)は揚穀筒(16)に連通させて穀物タンク(15)に穀粒を取出す1番コンベア、(34)は2番物を2番還元装置である2番還元コンベア(35)を介し前記選別盤(25)の篩い線(28)上方に還元する2番コンベア、(36)は前記選別盤(25)を前後及び上下動させる揺動駆動軸、(37)は前記選別盤(25)の後端上方に配設する吸排塵ファン、(38)は該ファン(37)上方を遮閉して排藁を搬出案内する四番樋であり、前記扱胴(6)及び処理胴(7)により脱穀された穀粒を揺動選別盤(25)で選別し整粒のみを前記穀物タンク(15)に取出し、前記選別盤(25)後端の三番口(39)から藁屑を機外に放出させると共に、排藁を排藁チェン(14)を介し排藁処理部(13)に送り込んで排藁カッタ(13a)により切断して機外に排出させるように構成している。また、前記扱室(22)後部の排塵口(40)を介して扱胴(6)後部の脱粒物を処理胴(7)に送給し、扱胴(6)の脱粒物を処理胴(7)によって再処理して揺動選別盤(25)上に落下させ、処理胴(7)からの穀粒を二番コンベア(34)に収集し、かつ藁屑をファン(37)または三番口(39)から機外に排出させるように構成している。
【0006】
さらに、図4乃至図8に示す如く、略直角三角形の平板状の扱歯本体(41)と、平面視略二等辺三角形の平板状の脚体(42)とを合成樹脂製扱歯(43)に備え、脚体(42)の略二等分線上に扱歯本体(41)を立設させ、扱歯本体(41)と脚体(42)を正面視逆T字形に合成樹脂成形加工により一体形成して扱歯(43)を構成している。また、前記扱歯本体(41)底辺である脚体(42)底面を、扱胴(6)外周面に略全体が当接する凹形円弧形に形成すると共に、扱歯本体(41)の底辺に対して後辺(44)を略直角に起立させ、また扱歯本体(41)の上辺(45)を凸形円弧形に膨出形成している。
【0007】
さらに、前記扱胴(6)外周に端面円弧形のリブ(46)を突設させ、扱歯(43)の配列螺旋ピッチと同一ピッチの螺旋形にリブ(46)を延設させる。前記リブ(46)は、鉄板製扱胴(6)を鈑金加工するときに一体形成する。また、前記扱歯本体(41)の底辺に相当する脚体(42)の二等分線上の底面に端面円弧形の係合溝(47)を形成し、前記扱胴(6)外周のリブ(46)に係合溝(47)を嵌合させて扱歯(43)を係止させると共に、前記脚体(42)の長孔形ノッチ(48)にボルト(49)の頭部(50)を嵌入させ、脚体(42)上面から扱胴(6)内面側にボルト(49)を貫挿させ、相似形のノッチ(48)と頭部(50)の嵌合によりボルト(49)の回り止めを行い、ボルト(49)にナット(51)を螺着させて扱胴(6)に扱歯(43)を着脱自在に締結固定させる。また、前後のノッチ(48)(48)を左右対称に脚体(42)に形成し、リブ(46)を跨ぐように扱歯(43)を係止させ、扱歯本体(41)両側の脚体(42)を4本のボルト(49)…によって固定させるもので、扱歯本体(41)を回転方向に対して前低後高に傾斜させ、また扱胴(6)外方に扱歯本体(41)を彎曲させて円弧形に膨出させて形成し、フィードチェン(5)によって扱口(23)から扱室(22)に搬入される穀稈に対して扱歯本体(41)が入る角度が緩やかになるように構成している。
【0008】
上記から明らかなように、扱胴(6)を備える脱穀装置において、扱胴(6)に固定させる扱歯(43)の扱歯本体(41)を回転方向に対し前低後高に傾斜させ、穀稈に突入する扱歯本体(41)の角度を従来よりも小さく形成し、扱歯(43)による稈切れ量を減少させ、かつ扱胴(6)の周速を従来よりも早くし、脱粒性能の向上並びに穀粒選別損失の低減などを図る。例えば、一般的に、前記扱胴(6)の周速を毎秒15メートルの速度が望ましいとされているが、2〜4条刈りのようにフィードチェン(5)によって搬送される穀稈層が薄いとき、排塵を少なくし、かつ脱粒を良好に行わせることができるが、図3に示すように6条刈りの刈取部(8)を装設させる大型コンバインでは、フィードチェン(5)によって搬送される穀稈層が厚くなり、扱胴(6)の周速が毎秒15メートルでは脱粒性能が低下する不具合がある。そこで、扱胴(6)の周速を早くし、扱胴(6)の周速を毎秒17メートルに上げることにより、脱粒が良好に行えることが判明した。しかし乍ら、脱穀部(6)から取出される藁の全体重量に対する選別排塵量の割合、即ち排塵歩合(三番口(39)から機外に排出される藁屑の割合)が、従来扱歯では、周速に略比例して排塵が増加する不具合があったが、従来扱歯に代えて前記扱歯(43)を扱胴(6)に設けることにより、扱胴(6)の周速を早くしても排塵歩合を低下させることができるように構成している。
【0009】
また、前記穀物タンク(15)に収集した穀粒重量に対する三番口(39)排出穀粒重量の割合、即ち三番口(39)損失が、従来扱歯では、扱胴(6)の周速が毎秒15メートル及び17メートルのいずれでも同程度であったが、前記同様に、従来扱歯に代えて扱歯(43)を設けることにより、三番口(39)損失を従来よりも低下させることができるもので、扱歯(43)を扱胴(6)に設けることにより、扱胴(6)の周速を早くして脱粒性能を向上させても、扱歯(43)による稈切れ量が従来よりも低下し、揺動選別盤(25)に落下する藁屑量を従来よりも減少させ、選別効率を向上させて三番口(39)損失を低下させることができるように構成している。
【0010】
上記から明らかなように、扱胴(6)外周に扱歯(43)を植設させる脱穀装置において、扱胴(6)外周面に突部であるリブ(46)を形成し、該リブ(46)に合成樹脂製扱歯(43)を係止させて扱胴(6)に締結固定させ、リブ(46)の形成によって扱胴(6)の強度を向上でき、またリブ(46)との係止によって扱歯(43)の締結部の負担を低減して損傷を容易に防止でき、合成樹脂成形によって扱歯(43)を形成する従来不具合をなくして脱粒機能の向上並びに製造コストの低減などを図ると共に、例えば穀稈に突入する角度が従来よりも小さくなる流線形の板状に扱歯(43)を形成でき、扱胴(6)の周速を従来よりも早くして脱粒能力を向上させても、扱歯(43)による稈切れ量を従来よりも低減でき、脱粒性能の向上を図り乍ら選別損失の低減も行えて単位時間当りの脱穀処理穀稈量を増大できるように構成している。
【0011】
さらに、図4、図5に示す如く、一般的に使用されているV字形の従来扱歯(52)の両脚間隔(L)よりも前後長さ(L1)が大きくかつ従来扱歯(52)の高さ(H)よりも高さ(H1)が低い小形扱歯(43a)と、小形扱歯(43a)の前後長さ(L1)及び高さ(H1)よりも前後長さ(L2)及び高さ(H2)が大きい中形扱歯(43b)と、中形扱歯(43b)と前後長さ(L2)が略等しくかつ従来扱歯(52)と高さ(H)が略等しい大形扱歯(43c)の3種類の扱歯(43)を扱胴(6)外周の多条螺旋リブ(46)上に配設させるもので、扱胴(6)前側の小径部(6a)から直径が一定になる位置に小形及び中形扱歯(43a)(43b)を配置させ、扱胴(6)の一定直径部(6b)に大形扱歯(43c)を配置させる。
【0012】
また、切刃(53)設置場所を除く扱胴(6)前側の扱歯(43)を螺旋方向に傾斜させてリード角(吸込角)を形成させる。また、扱胴(6)前部の扱歯(43)のリード角と逆方向の逆リード角を形成する方向に扱胴(6)後端に打穀回数補正用扱歯群(43d)を取付ける。前記扱歯群(43d)は3枚の大形扱歯(43c)…を回転方向に段差を設けて平行に配置したものである。そして、扱胴(6)前部で吸込み作用を有する不連続のオーガを扱歯(43)によって形成させ、扱口(23)内方に脱粒物または稈を取入れると共に、扱胴(6)後端で前方に戻す作用を有する逆リード角の扱歯群(43d)により、扱胴(6)後端の脱粒力並びに排塵口(40)に脱粒物を飛散させる力を増強させ、扱残し防止並びに処理胴(7)への送塵効率の向上などを行えるように構成している。
【0013】
さらに、図4に示す如く、扱胴(6)外周面に複数の扱歯(43)を植設させて4条の螺旋形に配列させる脱穀装置において、螺旋形配列によって形成される扱胴(6)前部の扱歯(43)のリード角(S)よりも扱胴(6)後部の扱歯(43)のリード角(R)を大きく形成すると共に、扱歯(43)のピッチ(X、Y、Z)を扱胴(6)前部よりも後部が徐々に小さくなる(X>Y>Z)ように形成し、扱歯(43)のリード角(S)が小さくかつピッチ(X)が大きい扱胴(6)前部で藁屑の発生を防ぎ乍ら脱粒でき、扱歯(43)のリード角(R)が大きくかつピッチ(Z)が小さい扱胴(6)後部で扱残しを防ぎ乍ら脱粒でき、扱歯(43)による稈切れ量を増やすことなく扱残しを防止でき、扱胴(6)の前後長さを長くしたり周速を早くすることなく、単位時間当りの脱穀処理量を増やして処理能力を向上させることができるように構成している。
【0014】
さらに、図9に示す如く、前記脚体(42)上面に流線形の突起(54)を設け、該突起(54)に前記ノッチ(48)を形成し、図8よりもノッチ(48)を深く形成してボルト(49)の頭部(50)を内設させ、頭部(50)に塵が引掛るのを防ぐと共に、図10及び図11に示す如く、前記扱歯(43)の本体(41)両側に流線形の膨出部(55)(55)を一体形成し、切刃(53)に対して一定以上の間隔を保つ前記膨出部(55)の回転上手側が細くなるように形成したもので、扱胴(6)回転上手側の扱歯(43)の本体左右幅(D1)よりも扱胴(6)回転下手側の扱歯(43)の本体左右幅(D2)を大きく形成し、扱歯(43)の脱粒負荷を低減でき、かつ扱歯(43)の強度を向上させることができると共に、穀稈または脱粒物に対する扱歯(43)の突入抵抗を小さくして扱胴(6)の回転負荷を従来よりも軽減でき、例えば側面視略三角形の板状に扱歯(43)の本体(41)を形成して扱室(22)内での塵の送りをスムーズに行えるように構成している。
【0015】
さらに、図12に示す如く、上辺が山形の鉄合金製扱歯カバー(56)を扱歯(43)の回転上手側端部に支点ピン(57)を介して回転自在に取付け、支点ピン(57)を中心に扱胴(6)外周に起伏自在に前記カバー(56)を設け、起伏させるカバー(56)内部に扱歯(43)を出入させ、前記カバー(56)を倒伏させたときに、カバー(56)上辺が扱歯(43)上辺に当接し、カバー(56)外形状が前低後高の略扱歯(43)形状になる一方、前記カバー(56)を起立させたときに扱歯(43)より外側にカバー(56)が突出して外形状が山形の略従来扱歯(52)形状になるように構成し、図6の扱歯(43)形状と従来扱歯(52)形状とに前記カバー(56)の起伏によって切換え、扱室(22)内部の塵発生量を制御するもので、扱胴(6)を支える扱胴軸(58)に調節アーム(59)を遊転軸支させ、前記カバー(56)の回転下手側端部を扱胴(6)内部に挿通させて前記アーム(59)にリンク(60)を介して連結させ、前記アーム(59)を介してカバー(56)の出入量を調節操作するように構成している。
【0016】
さらに、図13に示す如く、前記扱歯(43)を成形加工時、耐摩耗性合金で形成するカバー金(61)を扱歯本体(41)の上辺(45)外側に一体固定させ、扱歯本体(41)が摩耗損傷するのを前記カバー金(61)によって防ぎ、扱歯(43)の耐久性を向上させるように構成している。
【0017】
さらに、図14乃至図16に示す如く、扱歯本体(41)の回転上手側前端部と後端側両側の脚体(42)を、3本のボルト(49)…により、リブ(46)のない扱胴(6)外周面に取付け、扱歯(43)の回転上手側前端部が扱胴(6)外周面から浮上って稈が差込まれる不具合をなくし、扱歯(43)の損傷防止並びに稈詰り防止を図れると共に、扱歯本体(41)の後辺(44)と上辺(45)を肉厚にし、扱歯本体(41)の中央部を肉薄に形成することにより、扱歯(43)を成形加工する合成樹脂材料を、図6に示すような全体が略同一厚みの扱歯本体(41)を有するものよりも少なくすることができ、扱歯(43)の強度を低下させることなく軽量化及び成形加工コストの低減を図れるように構成している。
【0018】
さらに、図17に示す如く、前記扱胴(6)下側にクリンプ網(24)を張設させ、前記処理胴(7)下側にコンケーブ(62)を張設させ、前記扱歯(43)の脱粒によって扱室(22)内に発生する塵量が従来よりも少なくなるから、処理胴(7)に送られる塵量も従来より減少し、クリンプ網(24)よりも穀粒が漏下し易いコンケーブ(62)を処理胴(7)下側に取付けることにより、塵の落下量を増やしてチャフシーブ(29)の選別効率を低下させることなく、処理胴(7)前部からの穀粒収集を効率良く行え、処理胴(7)後部から三番口(39)に放出される穀粒損失を低減できると共に、図18に示す如く、前記フィードパン(26)(27)上方の扱胴(6)前部下側にクリンプ網(24)を張設させ、前記チャフシーブ(29)前部上方の扱胴(6)後部下側にコンケーブ(63)を張設させ、扱胴(6)後部の穀粒をチャフシーブ(29)前部上面にコンケーブ(63)を介して効率良く落下させることにより、扱室(22)からの穀粒収集効率を高め、扱室(22)から処理胴(7)に送る穀粒量を減らすことができるように構成している。
【0019】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、扱胴外周面に複数の扱歯を植設させて螺旋形に配列させ、螺旋形配列によって形成される扱胴前部の扱歯のリード角よりも扱胴後部の扱歯のリード角を大きく形成する脱穀装置において、扱歯のピッチを扱胴前部よりも後部が徐々に小さくなるように形成し、扱歯のリード角が小さく、かつピッチが大きい扱胴前部で藁屑の発生を防ぎながら脱粒可能とする一方、扱歯のリード角が大きく、かつピッチが小さい扱胴後部で扱残しを防ぎながら脱粒可能とすると共に、扱胴前部の扱歯のリード角と逆方向の逆リード角を形成する扱歯群を扱胴後端に設けたことにより、扱胴後部の脱粒力並びに脱粒物を排塵口に飛散させる力を増大させ、扱残し防止並びに処理胴への送塵効率の向上などが図れ、また、扱歯のリード角が小さくかつピッチが大きい扱胴前部で藁屑の発生を防ぎながら脱粒でき、扱歯による桿切れ量を増やすことなく扱残しを防止でき、扱胴の前後長さを長くしたり周速を早くすることなく、単位時間当たりの脱穀処理量を増やして処理能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】同平面図。
【図3】脱穀部の側面図。
【図4】扱胴の側面図。
【図5】同拡大正面図。
【図6】扱歯の側面図。
【図7】同平面図。
【図8】同正面断面図。
【図9】変形例を示す扱歯の側面図。
【図10】同平面図。
【図11】同正面図。
【図12】変形例を示す扱歯の説明図。
【図13】変形例を示す扱歯の側面図。
【図14】同側面図。
【図15】前図の平面図。
【図16】同正面断面図。
【図17】変形例を示す脱穀部の側面図。
【図18】同側面図。
【符号の説明】
(6) 扱胴
(43) 扱歯
Claims (1)
- 扱胴(6)外周面に複数の扱歯(43)を植設させて螺旋形に配列させ、螺旋形配列によって形成される扱胴(6)前部の扱歯(43)のリード角(S)よりも扱胴(6)後部の扱歯(43)のリード角(R)を大きく形成する脱穀装置において、
扱歯(43)のピッチ(X、Y、Z)を扱胴(6)前部よりも後部が徐々に小さくなるように形成し、扱歯(43)のリード角(S)が小さく、かつピッチ(X)が大きい扱胴(6)前部で藁屑の発生を防ぎながら脱粒可能とする一方、扱歯(43)のリード角(R)が大きく、かつピッチ(z)が小さい扱胴(6)後部で扱残しを防ぎながら脱粒可能とすると共に、扱胴(6)前部の扱歯(43)のリード角と逆方向の逆リード角を形成する扱歯群(43d)を扱胴(6)後端に設けたことを特徴とする脱穀装置。
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