JP3755515B2 - 作業車の空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、作業車の空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の作業車の空調装置は、操作部の周囲にキャビンを形成して、該キャビン内を空調する構成であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述の作業車の空調装置は、操作部の周囲にキャビンを形成していたのでコスト高になると共に、作業車全体の重量も重くなるという欠点があった。
本発明は、このような問題点を解消する作業車を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る作業車の空調装置は、前記のような課題を解決するものであって、次のような構成である。すなわち、走行装置1を有する車台2上に座席5を配置する操作部3を設け、該操作部3の座席5の後方と上方に変温された空調風が吐出する複数の吐出口4を設けるにあたり、該吐出口4は、前記操作部3の座席5の後方左側に少なくとも二カ所の吐出口4a,4bと後方右側に少なくとも二カ所の吐出口4c,4dを設け、座席5の上方には、上方左側に少なくとも一カ所の吐出口4eと上方右側に少なくとも一カ所の吐出口4fを設け、これら複数の吐出口4から吹き出す空調風を変温させる空調装置12を座席5の後方に設ける構成とし、前記座席5の左側の吐出口4a,4b,4eから吹き出す風は、塵埃が座席5に向かわないように遮断する構成とすると共に、座席5の右側の吐出口4c,4d,4fから吹き出す風は、作業者に直接向かわせる構成とする場合においては、前記座席5の左側の吐出口4a,4b,4eから吹き出す風は送風のみで前記空調装置12による変温は行わないように構成したことを特徴とする作業車の空調装置とした。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の実施の形態を具現化した農作業機であるコンバインが示されている。
走行装置1を有する車台2の前方には、植立穀稈を刈り取って後方に搬送する刈取装置6と、該刈取装置6から搬送されてきた穀稈を受け継いでさらに後方の脱穀装置7に向けて搬送する搬送装置8が設けられている。前記車台2上には搬送装置8から搬送されてきた刈取穀稈を受け継ぎ脱穀選別する脱穀装置7と、該脱穀装置7にて脱穀選別した穀粒を一時貯溜するグレンタンク9と、作業者が座る座席5を有する操作部3が載置されている。また、前記グレンタンク9内の一時貯溜していた穀粒を排出する縦オーガ10と横オーガ11が設置されている。前記刈取装置6は操作部3の前方に配置されていて、さらに、操作部3の左側方には搬送装置8が構成されている。
【0006】
前記操作部3の座席5の後方と上方には、変温された空調風が吐出する吐出口4が構成されている。図2に基づいて、吐出口4について説明する。
吐出口4は、操作部3の座席5の後方左側に二カ所(4a,4b)と後方右側に二カ所(4c,4d)設けられている。もちろん、二カ所以上でもい。また、座席5の上方にも、上方左側に一カ所(4e)と上方右側に一カ所(4f)設けられている(一カ所以上でもよい)。
【0007】
また、吐出口4から吹き出す空調風を変温させる空調装置12が、座席5の後方に設けられていて、前記吐出口4との間に空調風案内管13で接続されている。前記空調装置12の設置位置は、設置可能な場所であればどこでもよい。例えば、塵埃の少ないグレンタンク9や脱穀装置7の上部、該グレンタンク9と脱穀装置7の間の空間、エンジンへの空気を供給するエアクリーナ(図示せず)の近傍等である。
【0008】
前述のごとく構成されたコンバインを前進させて作業を開始すると、植立穀稈は刈取装置6で刈り取られ、刈り取られた穀稈は搬送装置8を通過して脱穀装置7へと送られ、該脱穀装置5にて脱穀選別され、脱穀後の排稈は、脱穀装置7の後部から機外へと排出されていく。また、脱穀装置7にて脱穀選別された穀粒はグレンタンク9内へ一時貯留され、該グレンタンク9内の穀粒が満杯となると、穀粒は縦オーガ10,横オーガ11から機外へと排出されていく。
【0009】
このような作業中において、作業者が暑いと感じる時には、前記空調装置12を冷房に切り換えて、吐出口4から冷風を吹き出すようにする。また、作業者が暑いと感じる時(コンバインにおいては少ない)には、空調装置12を暖房に切換えて、吐出口4から温風を吹き出すようにする。さらに、送風だけでよい時には、空調装置12を送風に切り換えて、吐出口4から送風するようにする。これにより、作業者は快適に作業を行なうことができる。また、キャビンを構成しなくてすむので、コンバインの部品点数が少なくなり、重量とコストを削減することができる。コンバインの重量削減は、湿田での走行性能が向上する。
【0010】
コンバインにおいては、前記刈取装置6から搬送装置8に至る間において、塵埃が多く発生する。そこで、前記吐出口4の一部(全部でもよい)から吹き出す風を塵埃を吹き飛ばすために利用してもよい。即ち、吐出口4の出口は、風の向きを上下方向と左右方向に変更可能なフィン(図示せず)が設置されているので、このフィンを塵埃が来る方向に向けて、塵埃が作業者に向かわないようにする。
【0011】
例えば、吐出口4a,4b,4eか吹き出す風を、図2の矢印14方向に向けて、搬送装置8からの塵埃を遮断するようにする。もちろん、この時反対側の突出口4c,4d,4fからの風は、作業者に直接向かわせることにより作業者は快適に作業を実行できる。
前述のごとく、吐出口4a,4b,4eからの風は、塵埃に向かわせるので、冷風や温風を出す必要はない。そこで、空調装置12にスイッチ12aを設けておいて、該スイッチ12aの切り換えにより、吐出口4a,4b,4eからの風は送風だけとして、エンジンの消費馬力を少なくなるようにする。特にコンバインにとっては圃場の状態が湿田であれば、走行装置1の走行抵抗によりエンジンに負荷が作用して、脱穀装置7の脱穀選別に影響がでてくるが、このような時に、前述のように空調装置12の負担を軽くしてエンジンの消費馬力を押さえるようにすれば、脱穀装置7に与える影響を少なくすることができる。
【0012】
次に、図3〜図5について説明する。
操作部3の上方を覆うサンバイザ15を設けるように構成する。仮に、キャビン仕様機とすると、コスト高,重量が重くなってしまう。そこで、簡易型のサンバイザ15を設けて、作業者を強い日差しから保護するようにする。しかしながら、外気温度と差違はないので、過酷な環境となっている。そこで、前記サンバイザ15に空調風が出てくる複数の吐出口16を設ける構成とする。該吐出口16から出てくる空調風は、作業環境により冷風,温風,送風に切り換え可能に構成されている。図4は、操作部3において、座席5側から前方の刈取装置6方向を見た図面である。
【0013】
空調風がでてくる吐出口16の位置は、サンバイザ15の周囲フレーム17に設けている。まず、刈取装置6側の周囲フレーム17に2カ所(16a,16b)と、右側に2カ所(16c,16d)設けている。左側には、オーディオ関係の操作パネル18と空調関係の空調操作パネル19を設けていて、該空調操作パネル19の下部に1カ所(16e)設けている構成である。このように、空調風により、作業者は快適に作業を実行することができる。前記吐出口16a,16b,16c,16dにおいて、座席5前方の16aと16bについては、刈取装置6からの塵埃を防止するために、略真下に向けて送風して塵埃の侵入を防止し、吐出口16cと16dについては、作業者に直接送風するようにしてもよい。
【0014】
また、左側には窓15bを設けていて、左方を通過している搬送通路8からの塵埃が作業者に来るのを防止している。さらに、この窓15bにより、前記吐出口16からの空調風の効果が大きくなる。窓15bは、作業中や走行中において左側方が確認できるように、ガラスや透明樹脂性で構成されている。
図5は、操作部3を前側(刈取装置6側)から後方に向かって見た図面である。座席5後方のサンバイザ15の一部は透明体(本実施例ではガラスであるが、透明の樹脂でもよい)15aで構成されている。該透明体15aは、座席5に座っている作業者が、後方のグレンタンク9等を確認するためのものである。
【0015】
【発明の効果】
本発明は上述のごとく構成したので、作業者の作業環境が向上して、作業能率が向上するようになる。特に、座席の左側の吐出口から吹き出す風(送風のみ)は、座席に着座している作業者に塵埃がかかるのを防止すると共に、座席の右側の吐出口から吹き出す変温された風は、座席に着座している作業者に直接あたるようになるので、作業者は塵埃から保護されると共に、変温された空調風により快適な作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバインの斜視図
【図2】 操作部の正面図
【図3】 コンバインの斜視図
【図4】 操作部の背面図
【図5】 操作部の正面図
【符号の説明】
1…走行装置、2…車台、3…操作部、4…吐出口、5…座席、12…空調装置、15…サンバイザ。
Claims (1)
- 走行装置(1)を有する車台(2)上に座席(5)を配置する操作部(3)を設け、該操作部(3)の座席(5)の後方と上方に変温された空調風が吐出する複数の吐出口(4)を設けるにあたり、該吐出口(4)は、前記操作部(3)の座席(5)の後方左側に少なくとも二カ所の吐出口(4a,4b)と後方右側に少なくとも二カ所の吐出口(4c,4d)を設け、座席(5)の上方には、上方左側に少なくとも一カ所の吐出口(4e)と上方右側に少なくとも一カ所の吐出口(4f)を設け、これら複数の吐出口(4)から吹き出す空調風を変温させる空調装置(12)を座席(5)の後方に設ける構成とし、前記座席(5)の左側の吐出口(4a,4b,4e)から吹き出す風は、塵埃が座席(5)に向かわないように遮断する構成とすると共に、座席(5)の右側の吐出口(4c,4d,4f)から吹き出す風は、作業者に直接向かわせる構成とする場合においては、前記座席(5)の左側の吐出口(4a,4b,4e)から吹き出す風は送風のみで前記空調装置(12)による変温は行わないように構成したことを特徴とする作業車の空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003021946A JP3755515B2 (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 作業車の空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003021946A JP3755515B2 (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 作業車の空調装置 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10231744A Division JP2000052746A (ja) | 1998-08-18 | 1998-08-18 | 作業車の空調装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP3755515B2 true JP3755515B2 (ja) | 2006-03-15 |
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JP2003021946A Expired - Fee Related JP3755515B2 (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 作業車の空調装置 |
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2003
- 2003-01-30 JP JP2003021946A patent/JP3755515B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2003200727A (ja) | 2003-07-15 |
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