JP2004217098A - コンバインのキャビン - Google Patents

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JP2004217098A
JP2004217098A JP2003007602A JP2003007602A JP2004217098A JP 2004217098 A JP2004217098 A JP 2004217098A JP 2003007602 A JP2003007602 A JP 2003007602A JP 2003007602 A JP2003007602 A JP 2003007602A JP 2004217098 A JP2004217098 A JP 2004217098A
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Yoichi Nakasa
陽一 仲佐
Akira Ota
彰 大田
Takeyuki Ishida
健之 石田
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Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
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Abstract

【課題】キャビン内の換気を可能にしたコンバインのキャビンを提供する。
【解決手段】穀稈の刈取りや脱穀を行うコンバインのキャビンで、該キャビンの塵埃の発生箇所となる前処理部や脱穀機から最も遠い位置となる右側面後方の上部、即ち、浮遊する塵埃の極力少ない位置に外気の吸入口32を配置する。外気を吸入することにより、キャビン内を陽圧に維持してウェザーストリップや細かい隙間からの塵埃の侵入をなくし、キャビン内の環境を向上させる。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和装置を備えたコンバインのキャビンに関する。
【0002】
【従来の技術】
農作業車で運転者の快適性を向上させるものとして、運転席を覆うキャビンを設け、該キャビン内の空気調和を行うようにした農作業車が有る(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記農作業車では、キャビンルーフの外側ルーフと内側ルーフの間に冷却ダクト、加熱ダクト、前部ダクト、サイドダクト等が配置されると共に、キャビンルーフの後方側面に形成された外気吸入口から吸入された外気と、前記内側ルーフに形成された内気(キャビン内の空気)吸入口から吸入された内気とを切換る内外気切換ダクトを備えている。そして、前記内外気切換ダクトには、前記内気吸入口と対向する外気吸入口が形成され、内気吸入口と外気吸入口の間に配置された切換板により何れか一方の吸入口を覆うことにより、空気調和装置に送る空気の内気と外気を切換るように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−254940号公報(第2−3頁 図2、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような農作業車のキャビンでは、ブロー成型等により成形された内外気切換ダクトを配置しているため、コスト高になるだけでなく、設計変更が難しくなる。また、キャビンのルーフを構成する外側ルーフと内側ルーフの間隔(ルーフ高さ)が大きくなり、キャビンの天井が低くなるため、キャビン内の居住性が低下する。
【0006】
また、前記農作業車がコンバインである場合には、刈取り、脱穀等の作業により、穀稈に付着していた塵埃や引き千切られた小さな稈くずが飛散する環境の中で使用されるため、キャビンには、内気循環式の空気調和装置が配置され、内気の循環のみによってキャビン内の空気調和が行われていた。このため、コンバインでは、キャビンのドアや窓のウェザーストリップや細かい隙間からの塵埃の侵入が発生し、キャビン内の環境を低下させている。
【0007】
前記の事情に鑑み、本発明は、浮遊する塵埃の極力少ない位置に外気吸入口を配置し、キャビン内の換気を可能としてキャビン内への塵埃の侵入を防止して、キャビン内の環境を向上させることができるコンバインのキャビンを提供することを目的とする。
【0008】
また、内外気切換用ダクト等の特別のダクトを用いることなくキャビン内の換気を可能にし、ルーフ高さを抑えキャビンの居住性を向上させると共に、コストを抑え、しかも設計変更やメンテナンスが容易なコンバインのキャビンを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、一対のクローラ走行装置(2、2)によって支持された機体(3)と、該機体(3)の前部に配置され、穀稈の刈取りを行う前処理部(5)と、前記機体(3)の左側に配置され、刈取られた穀稈の脱穀を行う脱穀部(7)と、前記機体(3)の右側に配置され、脱穀された穀粒を一時貯蔵する貯蔵手段(9)と、前記前処理部(5)と貯蔵手段(9)の間に配置された運転席(12)とを備えたコンバイン(1)に、前記運転席(12)を覆うように設置されたコンバイン(1)のキャビン(21)であって、
前記キャビン(21)の右側面後方の上部に、前記キャビン(21)に配置された空気調和装置の室内機(26)の吸込み口に連通し、外気を吸入する外気吸入口(37)を設けたことを特徴とするコンバイン(1)のキャビン(21)にある。
【0010】
請求項2に係る発明は、一対のクローラ走行装置(2、2)によって支持された機体(3)と、該機体(3)の前部に配置され、穀稈の刈取りを行う前処理部(5)と、前記機体(3)の左側に配置され、刈取られた穀稈の脱穀を行う脱穀部(7)と、前記機体の右側に配置され、脱穀された穀粒を一時貯蔵する貯蔵手段(9)と、前記前処理部(5)と貯蔵手段(9)の間に配置された運転席(12)とを備えたコンバイン(1)に、前記運転席(12)を覆うように設置されたコンバイン(1)のキャビン(21)であって、
前記キャビン(21)に配置された空気調和装置の室内機(26)の吸込み口に連通し、前記キャビン(21)の外側面に形成された外気吸入口(37)と、
前記キャビン(21)に配置された空気調和装置の室内機(26)の吸込み口に連通し、前記外気吸入口(37)と所定の間隔で相対向するように形成された内気吸入口(42)と、
前記外気吸入口(37)と内気吸入口(42)との間に移動可能に配置され、何れか一方の前記吸入口(37、42)を覆い、外気と内気の吸入を切換る切換手段(50)と、を設けたことを特徴とするコンバインのキャビンにある。
【0011】
なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのものであり、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであって、特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1ないし図7は、本発明の実施の形態を示すもので、図1は、本発明を適用するコンバインの一例を示す斜視図、図2は、本発明を適用したコンバインのキャビンの一例を示す斜視図、図3は、図2に示すキャビンの内部を示す斜視図、図4は、図2における内気と外気の吸気部を示す斜視図、図5は、図4に示す吸気部の分解斜視図、図6は、内気の吸気状態を示す正面断面図、図7は、外気の吸気状態を示す正面断面図である。
【0014】
図1に示すように、コンバイン1は、左右一対のクローラ走行装置2(図1では右側のみ示してある)上に支持された機体3の前方に穀稈の刈取りと搬送を行う前処理部5を備えている。また、前記機体3の左側には、前処理部5で刈取った穀稈を搬送するフィードチェーン6と、該フィードチェーン6で搬送される穀稈の脱穀を行う脱穀部7が配置されている。また、機体3の右側後方には、脱穀部7で脱穀された穀粒を一時貯蔵するグレンタンク9が設置され、その後方にグレンタンク9内の穀粒を排出するためのオーガ10が設置されている。前記機体3の右側前方には、前記前処理部5とグレンタンク9の間に位置するようにエンジンルーム11が形成され、該エンジンルーム11の上に位置するように運転席12が設置されている。
【0015】
図2に示すように、前記運転席12には、運転者が座るシート13の周囲に位置するように、主変速レバー15、副変速レバー16、作業機クラッチレバー17、操向レバー19等のレバー類と、各種スイッチ類が配置された操作パネル20が配置されている。
【0016】
前記運転席12を覆うようにキャビン21が設置され、該キャビン21のルーフ22には、図2及び図3に示すように、外側ルーフ23と内側ルーフ24の間に位置するように、キャビン21内の空気調和を行うための空気調和装置の室内機26が設置されている。そして、前記外側ルーフ23と内側ルーフ24の間の間隙が、前記室内機26の吸込みダクトを構成している。また、キャビン21の右側面後方の上部には、外気の吸入口37(図5参照)が形成され、カバー40で覆われている。
【0017】
図4乃至図7に示すように、前記キャビン21の筐体27(図6、図7参照)の右側面後部の上方には、開口部29(図6、図7参照)が形成されている。前記開口部29には、外気用フィルタ30をその吸入口31が外側に位置し吹出し口32が内側に向けて突出するように着脱自在に装着する穴33(図5参照)が形成されたフィルタ取付板35と、該フィルタ取付板35の外側に配置され、中央部に形成された複数の長穴36(図5参照)が前記外気用フィルタ30の吸入口31に接触して外気用フィルタ30を保持すると共に、前記開口部29を覆い前記長穴36が外気の吸入口37(図5参照)を構成する多孔板39及び、該多孔板39との間に所定の隙間を形成するように多孔板39の外側に配置されたカバー40が配置されている。なお、前記多孔板39は、ノブ38により前記フィルタ取付板35に着脱自在に固定されており、該ノブ38を回すことにより容易に着脱することができる。
【0018】
図3に示すように、キャビン21の内側右側面後部の上方のパネル41には、前記外気の吸入口37と対向するように内気の吸入口42が形成されている。前記パネル41の外側(前記筐体27側)に前記吸入口42を覆うように内気用フィルタ43が着脱自在に配置されている。前記内気用フィルタ43は、その吸入口45が前記キャビン21の室内に向き、吹出し口46(図4参照)が前記外気用フィルタ30の吹出し口32と対向するように配置されている。
【0019】
図4乃至図7に示すように、前記外気用フィルタ30の吹出し口32と内気用フィルタ43の吹出し口46が対向する間隙には、切換手段50が配置されている。前記切換手段50は、前記外気用フィルタ30を支持するフィルタ取付板35の下端に固定されたU字状の軸受51と、該軸受51に回転可能に支持された軸52と、該軸52に固定された逆U字状の回転台53と、該回転台53に前記外気用フィルタ30と内気用フィルタ43の対向する間隙に位置するように支持された断面がL字状の切換板55を備えている。
【0020】
そして、前記切換板55の前記外気用フィルタ30の吹出し口32と内気用フィルタ43の吹出し口46と対向する各面には、それぞれ例えばスポンジ等の軟質弾性体で形成されたシート56が固定され、一方のシート56が外気用フィルタ30の吹出し口32を覆ったとき、外気の吸入を遮断し、他方のシート56が内気用フィルタ43の吹出し口46を覆ったとき、内気の吸入を遮断するようになっている。
【0021】
前記軸52の一端には、ハンドル57が固定され、該ハンドル57の操作によって前記切換手段50の位置を切換て、前記シート56で前記外気用フィルタ30の吹出し口32もしくは内気用フィルタ43の吹出し口46の何れか一方を覆うように構成されている。
【0022】
図3に示すように、前記キャビン21の内側右側面上方には、調和空気の吹出し口59が形成されている。なお、この調和空気の吹出し口59は、適宜箇所に配置することができる。
【0023】
このような構成で、空気調和装置の室内機26のファン(図示せず)が作動すると、外側ルーフ23と内側ルーフ24の間隙を通して空気が吸引される。このとき、切換手段50の切換板55が外気用フィルタ30の吹出し口32側に操作され、一方のシート56で外気用フィルタ30の吹出し口32を覆っていると、室内側のパネル41に形成された吸入口42から内気用フィルタ43を通して内気が吸入される。
【0024】
即ち、内気(キャビン21の内の空気)は、図6に矢印Aで示すように、パネル41の吸入口42、内気用フィルと43を通ってキャビン21の外側ルーフ23と内側ルーフ24の間隙を経由して、室内機26に吸入される。そして、室内機26により調和された空気は、吹出し口59を通ってキャビン21へ吹出される経路で循環する。
【0025】
一方、切換板55が内気用フィルタ43の吹出し口46側に操作され、シート56が内気用フィルタ43の吹出し口46を覆っていると、室外側に形成された吸入口37から外気用フィルタ30を通って吸入される。
【0026】
即ち、外気(キャビン21の外の空気)は、図7に矢印Bで示すように、多孔板39とカバー40の間隙から、多孔板39に形成された吸入口37(長穴36)、外気用フィルタ30を通り、外気中に含まれる塵埃が除去された状態で吸入され、キャビン21の外側ルーフ23と内側ルーフ24の間隙を経由して、室内機26に吸入される。そして、室内機26により調和された空気は、吹出し口59を通ってキャビン21内へ吹出される。
【0027】
前記のように、空気調和装置の室内機26が吸入する空気を、外気と内気に切換ることにより、例えば、刈取作業や脱穀作業を開始する前に、空気調和装置の運転を開始し、外気を遮断してキャビン21内の内気を循環させることにより、キャビン21内を短時間で効率よく空気調和することができる。また、刈取作業や脱穀作業を開始する際に切換手段50を切換て、内気を遮断し外気を吸入させることにより、キャビン21の内部を陽圧にしてキャビン21のドアや窓のウェザーストリップや細かい隙間からの塵埃の侵入を防止し、キャビン21内を清潔な環境に維持することができる。
【0028】
また、内外気切換ダクトのような特別なダクトを用いることなく、内外気の切換を行うことができるので、キャビン21のルーフ高さを小さくすることができ、キャビン21の居住性を向上させることができると共に、コストを低減させることができる。
【0029】
また、前述のように、外気の吸入口をキャビン21の右側後方の上部に形成することにより、コンバイン1の前処理部5や脱穀部7等の塵埃を発生させる作業部位から最も遠い位置、即ち、塵埃の極力少ない位置に外気の吸入口を配置することになり、外気用フィルタ30の目詰まり等を気にすることなく内気、外気の切換を行うことができる。
【0030】
また、前述のように、多孔板39をノブ38で着脱するように構成することによって、外気用フィルタ30の清掃、交換等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、外気を吸入する外気吸入口を塵埃が極力少ないキャビンの右側面後方の上部に、前記キャビンに配置された空気調和装置の室内機の吸込み口に連通し、外気を吸入する外気吸入口を設けたので、外気を吸入して調和空気としてキャビン内に吹出させることができ、キャビンのウェザーストリップや細かい隙間からの塵埃の侵入を防止してキャビン内の環境を向上させることができる。
【0032】
請求項2に係る発明によれば、それぞれ前記キャビンに配置された空気調和装置の室内機の吸込み口に連通し、所定の間隔で相対向するように形成された外気吸入口及び内気吸入口との間に、外気と内気の吸入を切換る切換手段を設けたので、内外気切換ダクト等の特別なダクトを用いることなく、内外気の切換を行うことができ、コストを抑え、しかも設計変更やメンテナンスを容易にすることができる。また、キャビンのルーフ高さを抑え、キャビンの居住性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するコンバインの一例を示す斜視図。
【図2】本発明を適用したコンバインのキャビンの一例を示す斜視図。
【図3】図2に示すキャビンの内部を示す斜視図。
【図4】図2における内気と外気の吸気部を示す斜視図。
【図5】図4に示す吸気部の分解斜視図。
【図6】内気の吸気状態を示す正面断面図。
【図7】外気の吸気状態を示す正面断面図。
【符号の説明】
1…コンバイン
12…運転席
21…キャビン
37…外気吸入口
42…内気吸入口
50…切換手段

Claims (2)

  1. 一対のクローラ走行装置によって支持された機体と、該機体の前部に配置され、穀稈の刈取りを行う前処理部と、前記機体の左側に配置され、刈取られた穀稈の脱穀を行う脱穀部と、前記機体の右側に配置され、脱穀された穀粒を一時貯蔵する貯蔵手段と、前記前処理部と貯蔵手段の間に配置された運転席とを備えたコンバインに、前記運転席を覆うように配置されたコンバインのキャビンであって、
    前記キャビンの右側面後方の上方に、前記キャビンに配置された空気調和装置の室内機の吸込み口に連通し、外気を吸入する外気吸入口を設けたことを特徴とするコンバインのキャビン。
  2. 一対のクローラ走行装置によって支持された機体と、該機体の前部に配置され、穀稈の刈取りを行う前処理部と、前記機体の左側に配置され、刈取られた穀稈の脱穀を行う脱穀部と、前記機体の右側に配置され、脱穀された穀粒を一時貯蔵する貯蔵手段と、前記前処理部と貯蔵手段の間に配置された運転席とを備えたコンバインに、前記運転席を覆うように配置されたコンバインのキャビンであって、
    前記キャビンに配置された空気調和装置の室内機の吸込み口に連通し、前記キャビンの外側面に形成された外気吸入口と、
    前記キャビンに配置された空気調和装置の室内機の吸込み口に連通し、前記外気吸入口と所定の間隔で相対向するように形成された内気吸入口と、
    前記外気吸入口と内気吸入口との間に移動可能に配置され、何れか一方の前記吸入口を覆い、外気と内気の吸入を切換る切換手段と、を設けたことを特徴とするコンバインのキャビン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016064777A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 株式会社クボタ コンバイン

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