JP3755228B2 - 荷電粒子線露光装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細,高密度なパターンを高精度,高スループットで形成することができる荷電粒子線露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子ビーム露光装置では、ウエハステージ上に設けられたフィディシャルマークに電子ビームを照射し、その反射電子等を検出することにより電子光学系の各種収差を測定し、その結果に基づいて収差が小さくなるように電子光学系を制御し露光が行われる。フィディシャルマークとしては、(1)シリコン基板にレジストを塗布して電子ビーム描画等によりパターンを形成し、さらにそのレジストパターンをマスクとして選択エッチングすることによって形成したものや、(2)基板上に重金属パターンを形成するもの等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子ビーム描画で形成したレジストパターンには10nm程度のエッジラフネスが生じる。そして、このレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うとエッジラフネスがさらに増幅され、フィディシャルマークパターンのエッジラフネスが局部的に20nm程度という大きさになってしまうおそれがあった。また、重金属パターンを形成する場合も、レジストパターンをマスクとして重金属をデポジションするので、エッチングマークの場合と同程度のエッジラフネスが生じる。その結果、検出信号にエッジラフネスが影響して収差測定の精度が低下するという問題があった。
【0004】
また、電子ビーム投影露光装置では断面積の大きいビームを用いるためビーム電流密度が小さく、基板上に重金属をパターニングしたマークの場合には信号のS/N比が悪い。特に、基板からのバックグラウンドによって信号のS/N比が低下するという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、電子光学系の収差測定を高精度に行うことができる荷電粒子線露光装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明の実施の形態を示す図1〜4及び図6に対応付けて説明する。
(1)図1,2に対応付けて説明すると、請求項1の発明は、電子光学系103,104を通過した荷電粒子線EBを基準マークMに照射して電子光学系103,104の歪あるいはボケ等の収差を測定し、その測定結果に基づいて電子光学系103,104の調整を行いあるいは前記収差を補正し露光する荷電粒子線露光装置に適用され、基準マークMは、単結晶Siの(110)面を表面とする基板1,2上に長手方向が(110)面の<112>方位である長方形パターン(図1のマーク11および21を構成するパターン)を、その長手方向と直交する方向(図1のマーク11のパターンの場合にはx方向で、マーク21の場合にはy方向)に異方性エッチングにより複数形成して成ることにより上述の目的を達成する。
(2)請求項2の発明は、電子光学系103,104を通過した荷電粒子線EBを基準マークMに照射して電子光学系103,104の収差を測定し、その測定結果に基づいて電子光学系103,104の調整を行いあるいは前記収差を補正し露光する荷電粒子線露光装置に適用され、単結晶Siの(110)面を表面とする基板上に長手方向が(110)面の<112>方位である長方形パターンを、その長手方向と直交する方向に異方性エッチングにより複数形成したマーク部材1,2を用いて基準マーク0を構成し、第1のマーク部材1のパターンの長手方向と第2のマーク部材2のパターンの長手方向とが互いに直交するように設けたことにより上述の目的を達成する。
(3)図2,4に対応付けて説明すると、請求項3の発明は、電子光学系103,104を通過した荷電粒子線EBを基準マークMに照射して電子光学系103,104の収差を測定し、その測定結果に基づいて電子光学系103,104の調整を行いあるいは前記収差を補正し露光する荷電粒子線露光装置に適用され、基準マークMが、単結晶Siの(100)面を表面とする基板30の一部の厚さを薄くして形成したマーク領域33に、(a)長方形の貫通孔パターン(図4のマーク31を構成するパターン)をその長手方向と直交する方向に異方性エッチングにより複数形成して成る第1のマーク31と、(b)長手方向が第1のマーク31を構成する貫通孔パターンの長手方向と直交する長方形の貫通孔パターン(図4のマーク32を構成するパターン)を、その長手方向に直交する方向に異方性エッチングにより複数形成して成る第2のマーク32と、を設けて成ることによって上述の目的を達成する。
(4)請求項4の発明は、請求項3に記載の荷電粒子線露光装置において、貫通孔パターンを通過した荷電粒子線EBを捕捉するファラデーカップ7を基準マークMの荷電粒子照射面と反対側の面に対向して設けたことにより上述の目的を達成する。
(5)請求項5の発明は、請求項3または請求項4のいずれかに記載の荷電粒子線露光装置において、孔パターンの開口面積の小さい方の面の少なくともマーク領域33に、金属膜Ptを形成した。
(6)図2,6に対応付けて説明すると、請求項6の発明は、電子光学系103,104を通過した荷電粒子線EBを基準マークMに照射して電子光学系103,104の収差を測定し、その測定結果に基づいて電子光学系103,104の調整を行いあるいは前記収差を補正し露光する荷電粒子線露光装置に適用され、基準マークMは、(a)単結晶Siの(110)面を表面とする基板40上に長手方向が(110)面の<112>方位である長方形パターン(図6のマーク41を構成するパターン)を、その長手方向と直交する方向(図6のx方向)に異方性エッチングにより複数形成して成る第1のマーク41と、(b)長手方向が第1のマーク41を構成するパターンの長手方向と直交する長方形パターンを、基板40上に第1のマーク41を構成するパターンの長手方向(図6のy方向)に反応性イオンエッチングにより複数形成して成る第2のマーク42と、から成ることによって上述の目的を達成する。
(7)図3に対応付けて説明すると、請求項7の発明は、請求項1,請求項2および請求項6のいずれかに記載の荷電粒子線露光装置において、基準マークを構成するパターン(図3のマーク11および21を構成するパターン)は貫通孔パターンであって、前記貫通孔パターンを通過した荷電粒子線EBを捕捉するファラデーカップ7を前記基準マークの荷電粒子照射面と反対側の面に対向して設けた。
(8)請求項8の発明は、請求項1,請求項2,請求項6および請求項7のいずれかに記載の荷電粒子線露光装置において、基板面の少なくともパターン(図3のマーク11,21を構成するパターン)を含む領域に金属膜Ptを形成した。
【0007】
(1)請求項1,2の発明では、Si結晶の(110)面に垂直な(111)面が異方性エッチングにより形成されたパターンの側壁面となる。
(2)請求項3の発明では、第1のマークと第2のマークとは同一基板上の領域33に形成される。
(3)請求項4,7の発明では、基準マークを構成する孔パターンを通過した荷電粒子はファラデーカップ7に捕捉される。
(4)請求項5および8の発明では、基準マークの非パターン部に照射された荷電粒子は金属膜Ptにより反射される。
(5)請求項6の発明では、マーク41および42は同一の基板40に形成され、マーク41のパターンでは、Si結晶の(110)面に垂直な(111)面がパターンの側壁面となり、一方、マーク42を構成するパターンは反応性イオンエッチングにより形成されるため、パターンは基板面に対して垂直な溝または孔となる。
【0008】
なお、本発明の構成を説明する上記課題を解決するための手段の項では、本発明を分かり易くするために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が発明の実施の形態に限定されるものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6を参照して本発明の実施の形態を説明する。
−第1の実施の形態−
図2は本発明による荷電粒子線露光装置の一実施の形態を示す図であり、荷電粒子線投影露光装置の電子光学系の概略を示す図である。不図示の荷電粒子線源から出射され整形された荷電粒子線EBは、偏向器100により偏向された後にマスク102に設けられた小領域102a(所定のマークが形成される)に照射される。小領域102aを通過した荷電粒子線EBは電子光学系103,104を通過した後、ウエハステージ105上のフィディシャルマークM上に照射される。この荷電粒子線EBを偏向器108でx方向およびy方向に走査し、マークMからの反射荷電粒子を検出器106で検出することによって電子光学系103,104の収差を測定する。7はマークMの下側に設けられたファラデーカップである。
【0010】
図1,3は図2のマークM部分の拡大図であり、図1はマークMの平面図、図3(a)および図3(b)は図1のA−A断面図,B−B断面図である。マークMは2種類のマークから成り、一方は基板1に形成されて荷電粒子線のx方向ビーム分解能またはx方向ビーム位置を評価するためのマーク11であり、他方は基板2に形成されて荷電粒子線のy方向ビーム分解能またはy方向ビーム位置を評価するためのマーク21である。マーク11はy方向に長い長方形パターンをx方向に所定間隔で複数形成したものであり、マーク21はx方向に長い長方形パターンをy方向に所定間隔で複数形成したものである。基板1および2は単結晶Si基板であって、基板表面(xy平面に平行な面)がSi結晶の(110)面となっている。
【0011】
図1に示すように、基板1のノック孔13aおよび基板2のノック孔23aがファラデーカップ7の面に形成されたノックピン6aに嵌合し、基板1のノック孔13bおよび基板2のノック孔23bがノックピン6bに嵌合するように基板1,2を積層してファラデーカップ7の開口7a部分に取り付ける。その際、ノックピン6a,6bによって、マーク11および21のパターンの長手方向が互いに直交するように位置決めされる。なお、基板1および2を積層した際にマーク11,21が形成された部分が他方の基板と重ならないように、基板1には開口12が、基板2には開口22が形成されている。
【0012】
マーク11のパターンは次のようにして形成する。まず、基板1を酸化炉に入れて厚さ1μmのSiO2層を形成した後、片側の面に長方形パターンの長手方向がSi結晶の(110)面の<112>方位と平行になるようにレジストパターンを形成してSiO2を除去する。このようにして形成されたSiO2をマスクとしてSi基板をヒドラジンやKOH等を用いて異方性エッチングする。このとき、長方形パターンが(110)面の<112>方位に形成されているためにSi結晶の面(111)に倣って異方性エッチングが行われ、各パターンは(111)面を壁面とする基板表面に垂直な孔パターンとなる。さらに、基板1の上面には白金Ptが100nmの厚さで蒸着される。基板2のマーク21に関しても同様に形成される。
【0013】
本実施の形態では、SiO2マスクのパターンにエッジラフネスがある点は従来と同様であるが、(110)面を基板表面としその<112>方位にパターンの長手方向を設定しているため、結晶の面方向に依存する異方性エッチングは結晶面(111)に倣った形でパターンが形成される。そのため、レジストやSiO2マスクのエッジラフネスがパターンエッジにそのまま影響せず、マーク11,21のエッジラフネスは結晶オーダーの大きさにまで減少する。
【0014】
本実施の形態のマーク11,21を用いて電子光学系の収差測定を行えば、従来の基準マークに比べエッジラフネスが非常に小さいのでより高精度な測定が可能となる。また、マーク11,21を孔パターンで形成し、基板1,2の下側(荷電粒子線に関して下流側)に荷電粒子線を吸収するファラデーカップ7を設けるとともに非孔部分に重金属(Pt)層を形成しているため、非常に高S/N比の信号を得ることができる。
【0015】
なお、上述した実施の形態では、別々の基板1,2にマーク11,マーク21を形成し、基板1および2を積み重ねて1組のマークを形成しているので、マーク間のZ方向(光軸方向)位置に差ができてしまうが、荷電粒子線の焦点深度は十分に深いので、少なくともどちらか一方の基板のマーク部分を薄くすればほとんど問題無い。
【0016】
また、上述した実施の形態では、底無し孔パターンでマークを構成したが、有底溝パターンでマークを構成してもよい。この場合はファラデーカップを必要としない。このような溝パターンの場合でも、エッジラフネスは図1に示した孔パターンと同様であるため、マーク検出精度が向上する。
【0017】
−第2の実施の形態−
上述した第1の実施の形態では、マーク11,21を別々の基板(基板表面が(110)面になっている)を用いたが、本実施の形態では図4に示すようにx方向およびy方向に関する2種類のマーク31,32を同一基板30上に形成する。図4は本発明による荷電粒子線露光装置の第2の実施の形態を示す図であり、露光装置に設けられたフィディシャルマークの詳細を示している。図4において、(a)は1枚のSi基板に形成されたフィディシャルマークの平面図であり、(b)は図4(a)のC−C断面図を示しており、マーク領域33に形成されたマーク31,32はそれぞれ複数の長方形パターンから成る。図1に示したマーク21および22と同様に、マーク31は荷電粒子線のx方向ビーム分解能またはx方向ビーム位置を評価するためのマークであり、マーク32はy方向ビーム分解能またはy方向ビーム位置を評価するためのマークである。なお、領域34の基板上にはPt層が形成される。
【0018】
次に、図5を用いてマーク31,32の製作手順を説明する。本実施の形態の基準マークでは、N型Si単結晶基板の基板表面が結晶の(100)面となるようにしてマークを形成する。図5(a)に示す工程では、基板30の片側の面(図5(a)の図示下側の面)にボロンを拡散させて厚さ1μmのP層を形成した後、この基板30を酸化炉に入れて厚さ1μmのSiO2を形成する。次いで、図5(b)に示すように、マーク31,32が形成されるマーク領域33より十分広い領域34のSiO2を除去した後、SiO2をマスクとしヒドラジンやKOH等を用いた異方性エッチングを行う。この際、P型領域にのみに電圧が印加されるようにしてエッチングを行い、P/Nジャンクションの位置でエッチングが止るようにする。このように(100)面を表面とする基板に異方性エッチングを行うと、結晶の(111)面に倣ってエッチングされるため、図5(b)のように断面の角度が約55度となる。
【0019】
図5(c)の工程では、基板30のP層側のSiO2上にマーク用のレジストパターンを形成してSiO2を除去して、これによりマーク用のSiO2マスクを形成し、再び異方性エッチングを行う。このとき、断面角度が約55度のテーパ状になることを考慮してパターンのピッチを設定する。なお、図5(c)では図4に示したマーク31のパターンについてのみ示しているが、基板厚さを小さくしたマーク領域33にはマーク31のパターンとともにマーク32のパターンも異方性エッチングによって同時に形成される。その後、図5(d)の工程では、図5(b)の工程でエッチングした領域33にPtを蒸着した後、SiO2を除去する。
【0020】
このようにしてマーク31,32が形成された基板30は、第1の実施の形態と同様にファラデーカップの検出開口部にPtが蒸着された面(図4(b)の図示上面)を荷電粒子線の入射側にして取り付けられる。
【0021】
本実施の形態においては、各パターン孔のテーパ面は結晶の(111)面に倣って形成されるため各パターンのエッジ部分はシャープになる。そして、第1の実施の形態と同様にPt層を形成するとともに、マークの下流側にファラデーカップを設けているため、第1の実施の形態と同様に高S/N比な信号を得ることができる。なお、各パターンがテーパ状の孔となるため第1の実施の形態に比べてパターンピッチが大きくなりS/N比の上では不利であるが、マーク31およびマーク32を同一の基板30に形成することができるためマーク31とマーク32との直交性を高めることができるという利点を有する。
【0022】
−第3の実施の形態−
上述した第1の実施の形態では、マーク11,21を別々の基板(基板表面が(110)面になっている)を用いたが、本実施の形態では図6に示すようにx方向およびy方向に関する2種類のマーク41,42を同一基板40上に形成する。まず、第1の実施の形態のマーク11と同様のマーク41を形成する。すなわち、(110)面の<112>方位がパターンの長手方向となるように、ヒドラジンやKOHを用いて異方性エッチングを行う。次に、マーク21と同様の各孔パターンを反応性イオンエッチング(RIE)で垂直に形成し、その後、第1の実施の形態と同様にPtの蒸着を行いマーク42とする。
【0023】
このように形成したマーク41および42の場合には、第2の実施の形態と同様にマーク相互の直交性は良いが、RIEで形成されたマーク42のパターンはマーク41のパターンに比べてエッジラフネスの点で劣っている。
【0024】
ところで、1チップ分のパターンを複数の小領域に分割し、パターンが投影露光されるウエハを載せた試料ステージを連続移動させながら小領域毎に投影露光する分割投影露光装置では、電子光学系の主視野は上記連続移動方向と直交する方向に長方形形状をしている。そのため、主視野の長手方向の歪特性を特に高精度に測定する必要があり、一方、連続移動方向の測定精度はそれほど高精度を必要としない。
【0025】
そこで、ヒドラジンやKOHを用いたSiの異方性エッチングで形成したマーク41で主視野方向の測定を行い、RIEで形成したマーク42で連続移動方向の測定を行うようにすれば、主視野方向の歪を精度良く測定することができる。このとき、連続移動方向にマーク41のパターンの長手方向を設定し、主視野方向にマーク42のパターンの長手方向を設定すれば良い。
【0026】
上述した発明の実施の形態と特許請求の範囲の構成要素との対応において、基板1は第1のマーク部材を、基板2は第1のマーク部材を、フィディシャルマークMは基準マークを、マーク31,41は第1のマークを、マーク32,42は第2のマークをそれぞれ構成する。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1および請求項2の発明によれば、基準マークのパターンにおいて、Si結晶の(111)面がパターンの側壁面となるため、パターンエッジは原子間距離のオーダーとなりパターン形状が非常にシャープになる。そのため、高精度にマーク検出を行うことができるため、光学系の収差を非常に高精度に測定することができる。
請求項3の発明によれば、基準マークを構成する第1のマークおよび第2のマークは両者とも同一基板に形成されるためパターンの直交性が良い。
請求項4および請求項7の発明によれば、基準マークを構成する孔パターンを通過した荷電粒子はファラデーカップに捕捉されるため、反射荷電粒子信号のS/N比が向上する。
請求項5および請求項8の発明によれば、基準マークの非パターン部に照射された荷電粒子は金属膜により反射されるため、非パターン部の反射荷電粒子が増加して反射荷電粒子信号のS/N比が向上し、収差を高精度に測定することができる。
請求項6の発明によれば、第1のマークは請求項1の基準マークのパターンと同様にパターン形状が非常にシャープになるので、第1のマークによって測定される方向の収差は高精度に測定することができる。また、第1および第2のマークを同一の基板上に形成しているため、第1のマークのパターンと第2のマークのパターンとの直交性が非常に良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィディシャルマークの平面図。
【図2】本発明による荷電粒子線露光装置の一実施の形態を示す図であり、荷電粒子線投影露光装置の電子光学系の概略を示す図。
【図3】マークM部分の断面図であり、(a)は図1のA−A断面図、(b)は図1のB−B断面図。
【図4】本発明による第2の実施の形態の荷電粒子線露光装置に用いられるフィディシャルマークの詳細を示す図であり、(a)は平面図、(b)はC−C断面図。
【図5】マーク31,32の製作手順を説明する図であり、(a)〜(d)は各工程を示す。
【図6】本発明による第3の実施の形態の荷電粒子線露光装置に用いられるフィディシャルマークの詳細を示す平面図。
【符号の説明】
1,2,30,40 基板
7 ファラデーカップ
11,21,31,32,41,42 マーク
33 マーク領域
103,104 電子光学系
M フィディシャルマーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細,高密度なパターンを高精度,高スループットで形成することができる荷電粒子線露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子ビーム露光装置では、ウエハステージ上に設けられたフィディシャルマークに電子ビームを照射し、その反射電子等を検出することにより電子光学系の各種収差を測定し、その結果に基づいて収差が小さくなるように電子光学系を制御し露光が行われる。フィディシャルマークとしては、(1)シリコン基板にレジストを塗布して電子ビーム描画等によりパターンを形成し、さらにそのレジストパターンをマスクとして選択エッチングすることによって形成したものや、(2)基板上に重金属パターンを形成するもの等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子ビーム描画で形成したレジストパターンには10nm程度のエッジラフネスが生じる。そして、このレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うとエッジラフネスがさらに増幅され、フィディシャルマークパターンのエッジラフネスが局部的に20nm程度という大きさになってしまうおそれがあった。また、重金属パターンを形成する場合も、レジストパターンをマスクとして重金属をデポジションするので、エッチングマークの場合と同程度のエッジラフネスが生じる。その結果、検出信号にエッジラフネスが影響して収差測定の精度が低下するという問題があった。
【0004】
また、電子ビーム投影露光装置では断面積の大きいビームを用いるためビーム電流密度が小さく、基板上に重金属をパターニングしたマークの場合には信号のS/N比が悪い。特に、基板からのバックグラウンドによって信号のS/N比が低下するという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、電子光学系の収差測定を高精度に行うことができる荷電粒子線露光装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明の実施の形態を示す図1〜4及び図6に対応付けて説明する。
(1)図1,2に対応付けて説明すると、請求項1の発明は、電子光学系103,104を通過した荷電粒子線EBを基準マークMに照射して電子光学系103,104の歪あるいはボケ等の収差を測定し、その測定結果に基づいて電子光学系103,104の調整を行いあるいは前記収差を補正し露光する荷電粒子線露光装置に適用され、基準マークMは、単結晶Siの(110)面を表面とする基板1,2上に長手方向が(110)面の<112>方位である長方形パターン(図1のマーク11および21を構成するパターン)を、その長手方向と直交する方向(図1のマーク11のパターンの場合にはx方向で、マーク21の場合にはy方向)に異方性エッチングにより複数形成して成ることにより上述の目的を達成する。
(2)請求項2の発明は、電子光学系103,104を通過した荷電粒子線EBを基準マークMに照射して電子光学系103,104の収差を測定し、その測定結果に基づいて電子光学系103,104の調整を行いあるいは前記収差を補正し露光する荷電粒子線露光装置に適用され、単結晶Siの(110)面を表面とする基板上に長手方向が(110)面の<112>方位である長方形パターンを、その長手方向と直交する方向に異方性エッチングにより複数形成したマーク部材1,2を用いて基準マーク0を構成し、第1のマーク部材1のパターンの長手方向と第2のマーク部材2のパターンの長手方向とが互いに直交するように設けたことにより上述の目的を達成する。
(3)図2,4に対応付けて説明すると、請求項3の発明は、電子光学系103,104を通過した荷電粒子線EBを基準マークMに照射して電子光学系103,104の収差を測定し、その測定結果に基づいて電子光学系103,104の調整を行いあるいは前記収差を補正し露光する荷電粒子線露光装置に適用され、基準マークMが、単結晶Siの(100)面を表面とする基板30の一部の厚さを薄くして形成したマーク領域33に、(a)長方形の貫通孔パターン(図4のマーク31を構成するパターン)をその長手方向と直交する方向に異方性エッチングにより複数形成して成る第1のマーク31と、(b)長手方向が第1のマーク31を構成する貫通孔パターンの長手方向と直交する長方形の貫通孔パターン(図4のマーク32を構成するパターン)を、その長手方向に直交する方向に異方性エッチングにより複数形成して成る第2のマーク32と、を設けて成ることによって上述の目的を達成する。
(4)請求項4の発明は、請求項3に記載の荷電粒子線露光装置において、貫通孔パターンを通過した荷電粒子線EBを捕捉するファラデーカップ7を基準マークMの荷電粒子照射面と反対側の面に対向して設けたことにより上述の目的を達成する。
(5)請求項5の発明は、請求項3または請求項4のいずれかに記載の荷電粒子線露光装置において、孔パターンの開口面積の小さい方の面の少なくともマーク領域33に、金属膜Ptを形成した。
(6)図2,6に対応付けて説明すると、請求項6の発明は、電子光学系103,104を通過した荷電粒子線EBを基準マークMに照射して電子光学系103,104の収差を測定し、その測定結果に基づいて電子光学系103,104の調整を行いあるいは前記収差を補正し露光する荷電粒子線露光装置に適用され、基準マークMは、(a)単結晶Siの(110)面を表面とする基板40上に長手方向が(110)面の<112>方位である長方形パターン(図6のマーク41を構成するパターン)を、その長手方向と直交する方向(図6のx方向)に異方性エッチングにより複数形成して成る第1のマーク41と、(b)長手方向が第1のマーク41を構成するパターンの長手方向と直交する長方形パターンを、基板40上に第1のマーク41を構成するパターンの長手方向(図6のy方向)に反応性イオンエッチングにより複数形成して成る第2のマーク42と、から成ることによって上述の目的を達成する。
(7)図3に対応付けて説明すると、請求項7の発明は、請求項1,請求項2および請求項6のいずれかに記載の荷電粒子線露光装置において、基準マークを構成するパターン(図3のマーク11および21を構成するパターン)は貫通孔パターンであって、前記貫通孔パターンを通過した荷電粒子線EBを捕捉するファラデーカップ7を前記基準マークの荷電粒子照射面と反対側の面に対向して設けた。
(8)請求項8の発明は、請求項1,請求項2,請求項6および請求項7のいずれかに記載の荷電粒子線露光装置において、基板面の少なくともパターン(図3のマーク11,21を構成するパターン)を含む領域に金属膜Ptを形成した。
【0007】
(1)請求項1,2の発明では、Si結晶の(110)面に垂直な(111)面が異方性エッチングにより形成されたパターンの側壁面となる。
(2)請求項3の発明では、第1のマークと第2のマークとは同一基板上の領域33に形成される。
(3)請求項4,7の発明では、基準マークを構成する孔パターンを通過した荷電粒子はファラデーカップ7に捕捉される。
(4)請求項5および8の発明では、基準マークの非パターン部に照射された荷電粒子は金属膜Ptにより反射される。
(5)請求項6の発明では、マーク41および42は同一の基板40に形成され、マーク41のパターンでは、Si結晶の(110)面に垂直な(111)面がパターンの側壁面となり、一方、マーク42を構成するパターンは反応性イオンエッチングにより形成されるため、パターンは基板面に対して垂直な溝または孔となる。
【0008】
なお、本発明の構成を説明する上記課題を解決するための手段の項では、本発明を分かり易くするために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が発明の実施の形態に限定されるものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6を参照して本発明の実施の形態を説明する。
−第1の実施の形態−
図2は本発明による荷電粒子線露光装置の一実施の形態を示す図であり、荷電粒子線投影露光装置の電子光学系の概略を示す図である。不図示の荷電粒子線源から出射され整形された荷電粒子線EBは、偏向器100により偏向された後にマスク102に設けられた小領域102a(所定のマークが形成される)に照射される。小領域102aを通過した荷電粒子線EBは電子光学系103,104を通過した後、ウエハステージ105上のフィディシャルマークM上に照射される。この荷電粒子線EBを偏向器108でx方向およびy方向に走査し、マークMからの反射荷電粒子を検出器106で検出することによって電子光学系103,104の収差を測定する。7はマークMの下側に設けられたファラデーカップである。
【0010】
図1,3は図2のマークM部分の拡大図であり、図1はマークMの平面図、図3(a)および図3(b)は図1のA−A断面図,B−B断面図である。マークMは2種類のマークから成り、一方は基板1に形成されて荷電粒子線のx方向ビーム分解能またはx方向ビーム位置を評価するためのマーク11であり、他方は基板2に形成されて荷電粒子線のy方向ビーム分解能またはy方向ビーム位置を評価するためのマーク21である。マーク11はy方向に長い長方形パターンをx方向に所定間隔で複数形成したものであり、マーク21はx方向に長い長方形パターンをy方向に所定間隔で複数形成したものである。基板1および2は単結晶Si基板であって、基板表面(xy平面に平行な面)がSi結晶の(110)面となっている。
【0011】
図1に示すように、基板1のノック孔13aおよび基板2のノック孔23aがファラデーカップ7の面に形成されたノックピン6aに嵌合し、基板1のノック孔13bおよび基板2のノック孔23bがノックピン6bに嵌合するように基板1,2を積層してファラデーカップ7の開口7a部分に取り付ける。その際、ノックピン6a,6bによって、マーク11および21のパターンの長手方向が互いに直交するように位置決めされる。なお、基板1および2を積層した際にマーク11,21が形成された部分が他方の基板と重ならないように、基板1には開口12が、基板2には開口22が形成されている。
【0012】
マーク11のパターンは次のようにして形成する。まず、基板1を酸化炉に入れて厚さ1μmのSiO2層を形成した後、片側の面に長方形パターンの長手方向がSi結晶の(110)面の<112>方位と平行になるようにレジストパターンを形成してSiO2を除去する。このようにして形成されたSiO2をマスクとしてSi基板をヒドラジンやKOH等を用いて異方性エッチングする。このとき、長方形パターンが(110)面の<112>方位に形成されているためにSi結晶の面(111)に倣って異方性エッチングが行われ、各パターンは(111)面を壁面とする基板表面に垂直な孔パターンとなる。さらに、基板1の上面には白金Ptが100nmの厚さで蒸着される。基板2のマーク21に関しても同様に形成される。
【0013】
本実施の形態では、SiO2マスクのパターンにエッジラフネスがある点は従来と同様であるが、(110)面を基板表面としその<112>方位にパターンの長手方向を設定しているため、結晶の面方向に依存する異方性エッチングは結晶面(111)に倣った形でパターンが形成される。そのため、レジストやSiO2マスクのエッジラフネスがパターンエッジにそのまま影響せず、マーク11,21のエッジラフネスは結晶オーダーの大きさにまで減少する。
【0014】
本実施の形態のマーク11,21を用いて電子光学系の収差測定を行えば、従来の基準マークに比べエッジラフネスが非常に小さいのでより高精度な測定が可能となる。また、マーク11,21を孔パターンで形成し、基板1,2の下側(荷電粒子線に関して下流側)に荷電粒子線を吸収するファラデーカップ7を設けるとともに非孔部分に重金属(Pt)層を形成しているため、非常に高S/N比の信号を得ることができる。
【0015】
なお、上述した実施の形態では、別々の基板1,2にマーク11,マーク21を形成し、基板1および2を積み重ねて1組のマークを形成しているので、マーク間のZ方向(光軸方向)位置に差ができてしまうが、荷電粒子線の焦点深度は十分に深いので、少なくともどちらか一方の基板のマーク部分を薄くすればほとんど問題無い。
【0016】
また、上述した実施の形態では、底無し孔パターンでマークを構成したが、有底溝パターンでマークを構成してもよい。この場合はファラデーカップを必要としない。このような溝パターンの場合でも、エッジラフネスは図1に示した孔パターンと同様であるため、マーク検出精度が向上する。
【0017】
−第2の実施の形態−
上述した第1の実施の形態では、マーク11,21を別々の基板(基板表面が(110)面になっている)を用いたが、本実施の形態では図4に示すようにx方向およびy方向に関する2種類のマーク31,32を同一基板30上に形成する。図4は本発明による荷電粒子線露光装置の第2の実施の形態を示す図であり、露光装置に設けられたフィディシャルマークの詳細を示している。図4において、(a)は1枚のSi基板に形成されたフィディシャルマークの平面図であり、(b)は図4(a)のC−C断面図を示しており、マーク領域33に形成されたマーク31,32はそれぞれ複数の長方形パターンから成る。図1に示したマーク21および22と同様に、マーク31は荷電粒子線のx方向ビーム分解能またはx方向ビーム位置を評価するためのマークであり、マーク32はy方向ビーム分解能またはy方向ビーム位置を評価するためのマークである。なお、領域34の基板上にはPt層が形成される。
【0018】
次に、図5を用いてマーク31,32の製作手順を説明する。本実施の形態の基準マークでは、N型Si単結晶基板の基板表面が結晶の(100)面となるようにしてマークを形成する。図5(a)に示す工程では、基板30の片側の面(図5(a)の図示下側の面)にボロンを拡散させて厚さ1μmのP層を形成した後、この基板30を酸化炉に入れて厚さ1μmのSiO2を形成する。次いで、図5(b)に示すように、マーク31,32が形成されるマーク領域33より十分広い領域34のSiO2を除去した後、SiO2をマスクとしヒドラジンやKOH等を用いた異方性エッチングを行う。この際、P型領域にのみに電圧が印加されるようにしてエッチングを行い、P/Nジャンクションの位置でエッチングが止るようにする。このように(100)面を表面とする基板に異方性エッチングを行うと、結晶の(111)面に倣ってエッチングされるため、図5(b)のように断面の角度が約55度となる。
【0019】
図5(c)の工程では、基板30のP層側のSiO2上にマーク用のレジストパターンを形成してSiO2を除去して、これによりマーク用のSiO2マスクを形成し、再び異方性エッチングを行う。このとき、断面角度が約55度のテーパ状になることを考慮してパターンのピッチを設定する。なお、図5(c)では図4に示したマーク31のパターンについてのみ示しているが、基板厚さを小さくしたマーク領域33にはマーク31のパターンとともにマーク32のパターンも異方性エッチングによって同時に形成される。その後、図5(d)の工程では、図5(b)の工程でエッチングした領域33にPtを蒸着した後、SiO2を除去する。
【0020】
このようにしてマーク31,32が形成された基板30は、第1の実施の形態と同様にファラデーカップの検出開口部にPtが蒸着された面(図4(b)の図示上面)を荷電粒子線の入射側にして取り付けられる。
【0021】
本実施の形態においては、各パターン孔のテーパ面は結晶の(111)面に倣って形成されるため各パターンのエッジ部分はシャープになる。そして、第1の実施の形態と同様にPt層を形成するとともに、マークの下流側にファラデーカップを設けているため、第1の実施の形態と同様に高S/N比な信号を得ることができる。なお、各パターンがテーパ状の孔となるため第1の実施の形態に比べてパターンピッチが大きくなりS/N比の上では不利であるが、マーク31およびマーク32を同一の基板30に形成することができるためマーク31とマーク32との直交性を高めることができるという利点を有する。
【0022】
−第3の実施の形態−
上述した第1の実施の形態では、マーク11,21を別々の基板(基板表面が(110)面になっている)を用いたが、本実施の形態では図6に示すようにx方向およびy方向に関する2種類のマーク41,42を同一基板40上に形成する。まず、第1の実施の形態のマーク11と同様のマーク41を形成する。すなわち、(110)面の<112>方位がパターンの長手方向となるように、ヒドラジンやKOHを用いて異方性エッチングを行う。次に、マーク21と同様の各孔パターンを反応性イオンエッチング(RIE)で垂直に形成し、その後、第1の実施の形態と同様にPtの蒸着を行いマーク42とする。
【0023】
このように形成したマーク41および42の場合には、第2の実施の形態と同様にマーク相互の直交性は良いが、RIEで形成されたマーク42のパターンはマーク41のパターンに比べてエッジラフネスの点で劣っている。
【0024】
ところで、1チップ分のパターンを複数の小領域に分割し、パターンが投影露光されるウエハを載せた試料ステージを連続移動させながら小領域毎に投影露光する分割投影露光装置では、電子光学系の主視野は上記連続移動方向と直交する方向に長方形形状をしている。そのため、主視野の長手方向の歪特性を特に高精度に測定する必要があり、一方、連続移動方向の測定精度はそれほど高精度を必要としない。
【0025】
そこで、ヒドラジンやKOHを用いたSiの異方性エッチングで形成したマーク41で主視野方向の測定を行い、RIEで形成したマーク42で連続移動方向の測定を行うようにすれば、主視野方向の歪を精度良く測定することができる。このとき、連続移動方向にマーク41のパターンの長手方向を設定し、主視野方向にマーク42のパターンの長手方向を設定すれば良い。
【0026】
上述した発明の実施の形態と特許請求の範囲の構成要素との対応において、基板1は第1のマーク部材を、基板2は第1のマーク部材を、フィディシャルマークMは基準マークを、マーク31,41は第1のマークを、マーク32,42は第2のマークをそれぞれ構成する。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1および請求項2の発明によれば、基準マークのパターンにおいて、Si結晶の(111)面がパターンの側壁面となるため、パターンエッジは原子間距離のオーダーとなりパターン形状が非常にシャープになる。そのため、高精度にマーク検出を行うことができるため、光学系の収差を非常に高精度に測定することができる。
請求項3の発明によれば、基準マークを構成する第1のマークおよび第2のマークは両者とも同一基板に形成されるためパターンの直交性が良い。
請求項4および請求項7の発明によれば、基準マークを構成する孔パターンを通過した荷電粒子はファラデーカップに捕捉されるため、反射荷電粒子信号のS/N比が向上する。
請求項5および請求項8の発明によれば、基準マークの非パターン部に照射された荷電粒子は金属膜により反射されるため、非パターン部の反射荷電粒子が増加して反射荷電粒子信号のS/N比が向上し、収差を高精度に測定することができる。
請求項6の発明によれば、第1のマークは請求項1の基準マークのパターンと同様にパターン形状が非常にシャープになるので、第1のマークによって測定される方向の収差は高精度に測定することができる。また、第1および第2のマークを同一の基板上に形成しているため、第1のマークのパターンと第2のマークのパターンとの直交性が非常に良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィディシャルマークの平面図。
【図2】本発明による荷電粒子線露光装置の一実施の形態を示す図であり、荷電粒子線投影露光装置の電子光学系の概略を示す図。
【図3】マークM部分の断面図であり、(a)は図1のA−A断面図、(b)は図1のB−B断面図。
【図4】本発明による第2の実施の形態の荷電粒子線露光装置に用いられるフィディシャルマークの詳細を示す図であり、(a)は平面図、(b)はC−C断面図。
【図5】マーク31,32の製作手順を説明する図であり、(a)〜(d)は各工程を示す。
【図6】本発明による第3の実施の形態の荷電粒子線露光装置に用いられるフィディシャルマークの詳細を示す平面図。
【符号の説明】
1,2,30,40 基板
7 ファラデーカップ
11,21,31,32,41,42 マーク
33 マーク領域
103,104 電子光学系
M フィディシャルマーク
Claims (8)
- 電子光学系を通過した荷電粒子線を基準マークに照射して前記電子光学系の収差を測定し、その測定結果に基づいて前記電子光学系の調整を行いあるいは前記収差を補正し露光する荷電粒子線露光装置において、
前記基準マークは、単結晶Siの(110)面を表面とする基板上に長手方向が(110)面の<112>方位である長方形パターンを、その長手方向と直交する方向に異方性エッチングにより複数形成して成ることを特徴とする荷電粒子線露光装置。 - 電子光学系を通過した荷電粒子線を基準マークに照射して前記電子光学系の収差を測定し、その測定結果に基づいて前記電子光学系の調整を行いあるいは前記収差を補正し露光する荷電粒子線露光装置において、
単結晶Siの(110)面を表面とする基板上に長手方向が(110)面の<112>方位である長方形パターンを、その長手方向と直交する方向に異方性エッチングにより複数形成したマーク部材を2つ用いて前記基準マークを構成し、第1のマーク部材のパターンの長手方向と第2のマーク部材のパターンの長手方向とが互いに直交するように設けたことを特徴とする荷電粒子線露光装置。 - 電子光学系を通過した荷電粒子線を基準マークに照射して前記電子光学系の収差を測定し、その測定結果に基づいて前記電子光学系の調整を行いあるいは前記収差を補正し露光する荷電粒子線露光装置において、
前記基準マークは、単結晶Siの(100)面を表面とする基板の一部の厚さを薄くして形成したマーク領域に、
(a)長方形の貫通孔パターンをその長手方向と直交する方向に異方性エッチングにより複数形成して成る第1のマークと、
(b)長手方向が前記第1のマークを構成する貫通孔パターンの長手方向と直交する長方形の貫通孔パターンを、その長手方向に直交する方向に異方性エッチングにより複数形成して成る第2のマークと、
を設けて成ることを特徴とする荷電粒子線露光装置。 - 請求項3に記載の荷電粒子線露光装置において、
前記貫通孔パターンを通過した荷電粒子線を捕捉するファラデーカップを前記基準マークの荷電粒子照射面と反対側の面に対向して設けたことを特徴とする荷電粒子線露光装置。 - 請求項3または請求項4のいずれかに記載の荷電粒子線露光装置において、
前記孔パターンの開口面積の小さい方の面の少なくとも前記マーク領域に、金属膜を形成したことを特徴とする荷電粒子線露光装置。 - 電子光学系を通過した荷電粒子線を基準マークに照射して前記電子光学系の収差を測定し、その測定結果に基づいて前記電子光学系の調整を行いあるいは前記収差を補正し露光する荷電粒子線露光装置において、
前記基準マークは、
(a)単結晶Siの(110)面を表面とする基板上に長手方向が(110)面の<112>方位である長方形パターンを、その長手方向と直交する方向に異方性エッチングにより複数形成して成る第1のマークと、
(b)長手方向が前記第1のマークを構成するパターンの長手方向と直交する長方形パターンを、前記基板上に前記第1のマークを構成するパターンの長手方向に反応性イオンエッチングにより複数形成して成る第2のマークと、
から成ることを特徴とする荷電粒子線露光装置。 - 請求項1,請求項2および請求項6のいずれかに記載の荷電粒子線露光装置において、
前記基準マークを構成するパターンは貫通孔パターンであって、前記貫通孔パターンを通過した荷電粒子線を捕捉するファラデーカップを前記基準マークの荷電粒子照射面と反対側の面に対向して設けたことを特徴とする荷電粒子線露光装置。 - 請求項1,請求項2,請求項6および請求項7のいずれかに記載の荷電粒子線露光装置において、
前記基板面の少なくとも前記パターンを含む領域に金属膜を形成したことを特徴とする荷電粒子線露光装置。
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