JP3754901B2 - ターミナルアダプタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話などのアナログ通信機器及びパソコンなどのデジタル通信機器をデジタル回線網に接続するためのターミナルアダプタ(Terminal Adapter)装置(TA)に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットを代表とするパソコン通信の急速な普及を通して、ISDN(Integrated Service Digital Network)などのデジタル通信網が注目を集めている。それに従い、ISDN−TA(Terminal Adapter)も数多く市場に出始め、高速データ通信のニーズは高まっている。
【0003】
このISDN−TAは、ISDNがゆえに2回線同時に使用できるので、パソコン通信と電話(FAXも含む)を同時に使用出来る。
【0004】
この様な2回線の同時使用のために、通常のISDN−TAは、パソコンとのインターフェイスとしてRS−232Cなどのデジタルポートを有し、さらに、このポート以外にもデジタル電話などのデジタル機器を接続するためのデジタルポート(ISDNで言うS/T点インターフェイス)も有している。また、さらに、従来のアナログ電話や、従来のFAXが接続できるように、アナログポート(モジュラージャック)を有するものが主流になり、最近では、アナログポートを複数個有するものが開発されている。この構成であれば、パソコン通信、電話(デジタル)、電話(アナログ)、FAXなどから、任意の2種類の通信/通話が可能になる。
【0005】
図1に、一般のTAの接続形態を示す。100は、TAであり、回線インターフェイス101を通じ、ISDNなどのデジタル通信回線とデータ/音声電送を行うものである。102は、前記したパソコンと接続するための、デジタルポート、103は、デジタル電話などのデジタル通信機器とを接続するためのデジタルポート、104は、アナログ電話やFAXを接続するためのアナログポート、105は、104と同様のアナログポートであり、この例では、アナログポートが2本の場合を示している。
【0006】
この図1の構成であれば、パソコン通信の通信速度を、デジタル回線を用いることで、より高速に出来、さらに、パソコン通信と同時に電話、FAXが使用可能となる。
【0007】
尚、図1には、通信チャンネルを2つ有するISDN回線を1本接続するTA装置を示したが、ISDN回線を複数本(n本)接続し、2×n個の端末が同時に通信可能な構内交換機(ボタン電話も含む)もある。
【0008】
又、ISDN回線などのデジタル回線とアナログ回線の両方を接続する構内交換装置もある。
【0009】
又、このような通信において、便利な機能に発信番号通知(コーラ(caller)ID)機能がある。これは、着信時に着信者に電話をかけてきた発信者の電話番号を通知する機能であり、迷惑電話の防止などに効果を発揮する。
【0010】
デジタル網であるISDN網においては、この発信番号通知機能は、以前よりサポートされており、例えば、NTTのINS64サービスでは、無料でこの機能を使用できる。したがって、ISDNに接続されるデジタル電話などのたいていのデジタル機器では、この機能に対応している。例えば、LCD(液晶表示器)などの表示器を有し、着信時に相手の電話番号を表示したり、この相手の電話番号を記憶したりして、再発呼時のデータとして活用するなどの機能が付加されている。
【0011】
さらに、アナログ網であるPSTN網(Public Switched Telephone Network)においても、アメリカ、カナダ、イギリスなどではすでにサービスが行われ、日本でも近日中にこのサービスが開始される予定であり、これに対応したPSTN用のアナログ電話が続々と開発されつつある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した一般のTAや構内交換機では、アナログ機器接続用のアナログポートは有しているものの、アナログポートに接続されたアナログ機器には発信番号は通知されない。
【0013】
従って、既存の発信番号通知機能を有するアナログ機器を接続しても、この機能が失われ、既存の資源を有効に活用できなかった。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の欠点を解決するために、デジタル回線を接続するデジタル回線接続手段と、デジタル端末を接続するデジタル端末接続手段と、アナログ端末を接続するアナログ端末接続手段とを有し、前記デジタル回線を前記デジタル端末または前記アナログ端末に接続するターミナルアダプタ装置において、前記デジタル回線から着信要求コードを受信する受信手段と、前記アナログ端末への着信かどうかを判断する判断手段と、前記アナログ端末への着信であると判断された場合に、前記アナログ端末の呼出し音を鳴らすためのリング信号を前記アナログ端末がオフフックするまで送出する前記アナログ端末の呼出し手順を行う呼出し手段と、前記アナログ端末への着信であると判断された場合に、前記受信された着信要求コードから変換したアナログ信号を、着信時にアナログ回線から発信番号を受信する機能を有するアナログ端末が受信できるように、前記アナログ端末の呼出し手順の中で、前記アナログ端末に送出するアナログ信号送出手段を有し、前記判断手段は、前記着信要求コードに含まれる伝達能力及び通信クラスに基づき、伝達能力が音声で、通信クラスが電話の場合、前記アナログ端末への着信であると判断することを特徴とする。
【0018】
したがって、前記着信要求コードに含まれる伝達能力及び通信クラスに基づき、伝達能力が音声で、通信クラスが電話の場合、アナログ端末への着信であると判断し、前記受信された着信要求コードから変換したアナログ信号を、着信時にアナログ回線から発信番号を受信する機能を有するアナログ端末が受信させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図2に本発明を実施したターミナルアダプタ(110)の構成図を示す。以下に図面に従って本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0028】
200は、トランス、コネクタなどから構成される回線インターフェイスであり、ISDNなどのデジタル回線とのデータの受け口である。この回線インターフェイス(200)にはISDNインターフェイス(203)が接続され、ISDNインターフェイス(203)は、回線上の制御データを処理する。このISDNインターフェイス(203)はバス(217)に接続され、このバス(217)には、装置を制御する中央処理部であるCPU(201)、データ及びプログラムを記憶するメモリ(202)、デジタル回線データ速度とTA(110)の各ポートのデータ速度を整合する速度整合(204)、パソコンなどのデジタル機器に接続するためのデジタルポート(205)、セレクタ(209)及びアナログポート(210)を介してアナログ電話などのアナログ機器と接続され、アナログ端末への信号を発生する信号発生器(206)及びアナログ端末への変調信号を発生するモデム(207)及びアナログ端末との音声/データの符号/復号を行うコーデック(208)が接続されている。
【0029】
さらに、回線インターフェイス(200)からは、デジタル電話などのデジタル端末を接続するために、デジタルポート(216)が接続されている。
【0030】
又、信号発生器(211)、モデム(212)、コーデック(213)、セレクタ(214)及びアナログポート(215)は、アナログポート(210)とバス(217)間でのアナログポート(210)用に設けられた構成と同じ物であり、本例ではアナログポートが2本用意されている場合を示している。しかしながら、本発明は、アナログポートが2本の場合に限らず、1本でも、3本以上の装置にも適用できる。又、デジタルポートの数も同様である。デジタルポート(205)と(216)の一方のみを設けてもよいし、又、パソコンやデジタル端末は接続しなくてもよい。
【0031】
次に、各接続形態別に動作を説明する。
【0032】
パソコン通信時。
【0033】
ISDNからの受信データは、回線インターフェイス(200)、及びISDNインターフェイス(203)を通じて、受信された制御データにより、パソコン通信と判断したら、CPU(201)は、受信データをバス(217)を通じて、RS−232C、セントロニクスなどのデジタルポート(205)へ出力する。この判断は、例えば、ISDN回線の場合、着信要求の制御信号に含まれる伝達能力や通信クラスなどの通信の種別などから行える。
【0034】
この時、場合によってはISDNインターフェイス(203)からの受信データは、回線側通信速度(例:64kbps)と、PC側の通信速度(例:19.2kbps)の整合をはかる速度制御(204)(例:ITU−T勧告。V.110機能)を通してから、デジタルポート(205)へ出力する事もある。さらに、図示はしていないが回線上のデータフォーマット(例えば、HDLCフォーマットなど)との整合をとる必要がある場合も考えられ、この場合は、フォーマット変換処理などが必要になる。(例:非同期−同期PPP(Point to
Point Protocol)変換など)。
【0035】
パソコンからのデータ送信は、上記の逆のパスで同様の処理となる。この時、デジタル端末の発信番号は、通常のISDNでのサービスを使って発信可能である。
【0036】
このパソコン通信時に制御信号でISDNから受信(通知)された発信番号は、デジタルポート(205)を介して、直接パソコンに伝達してもよいが、TA内部(メモリ(202))に番号を設定しておき、受信時に、TA内部の番号と着信した発信番号とを比較し、その結果に応じてパソコンを呼出すか呼出さないかの決定などの着信制御に反映させる。
【0037】
デジタル端末での通信。
【0038】
ISDNからの受信データ/音声は、回線インターフェイス(200)を通じて受信され、このデータが直接デジタルポート(216)に出力される。ここでいうデジタル端末とは、デジタル電話などの、直接デジタル回線に接続されるもので、デジタル端末では、通常、上記のTA(100)でのISDNインターフェイス(203)と同様の回路を内蔵しているので、回線インターフェイス(200)と直接デジタルポート(216)を接続している。
【0039】
ISDNへのデータ/音声送信は、上記とは逆のパスで行われる。この時、デジタル端末の発信番号は、通常のISDNでのサービスを使って発信可能である。
【0040】
アナログ端末での通信。
【0041】
この場合は、図3のフローチャートもまじえて詳細に説明する。尚、この図3のフローチャートは、メモリ(202)に格納されたプログラムを説明する図であり、CPU(201)は、このプログラムに従って動作する。
【0042】
アナログ端末での通信には、アナログ端末へダイヤルトーン、リングバックトーン、ビジートーン、及びリング信号を送出する信号発生器(206、211)、アナログ端末へ発信番号を送出するモデム(207、212)、及びアナログ端末の音声/データ(アナログ信号)と回線上のデジタル信号の相互変換を行うコーデック(208、213)、及びこれらとアナログポート(210、215)との接続を選択するセレクタ(209、214)を使用する。
【0043】
本例では、例としてアナログポートを2本装備している場合を示しているが、各アナログ端末−TA(110)間の動作、構成は同じなので、1本のアナログ端末−TA間の動作(具体的にはアナログポート(210)を使用する場合)について説明する。
【0044】
まず、受信(着信)に関して説明する。着信時のTA(110)のフローチャートを図3に示す。
【0045】
最初に網側からの着信要求があるかどうかをチェックする(step1)。具体的には、網から着信要求制御コードが送られてくるのを待つ(より具体的に、ISDNの場合は、網から制御チャネル(Dチャネル)を通じて着信要求コード(setupコード)が受信されるのを待つ)。ここで、実際に受信された着信要求コードは、回線インターフェイス(200)、ISDNインターフェイス(203)、及びバス(217)を介してメモリ(202)または直接CPU(201)へ送られる。この受信コードをCPU(201)が解読し、着信要求かどうかを判断する。
【0046】
この着信要求コードの中に、データが音声かデジタルデータかなどを示す伝達能力や、電話、FAXなどの区別を示す通信クラスのデータと共に、発信番号(発信者の番号)、着信番号などが含まれる。
【0047】
着信要求があると判断されると、次ステップ(step2)に進み、CPU(201)は、前記の伝達能力、通信クラス、及び発着信番号などからアナログポートへの着信かどうかを判断する。具体的には、例えば、伝達能力が音声で、通信クラスが電話の場合、電話が接続されたアナログポート(例えば、(210))への接続を、伝達能力が3.1kHzオーディオで、通信クラスがG2/G3FAXであれば、FAXが接続されたアナログポート(例えば、(215))への接続を判断する。どのアナログポートに、どの種類の端末が接続されているかは、予めメモリ(202)に格納されている。または、予め各デジタル/アナログポートの別々の着信番号(サブアドレスを含む)をつけて、メモリ(202)に登録しておけば、着信要求に付加された着信番号からアナログポートへの着信を判断することもできる。
【0048】
デジタルポートへの接続が判断されたら、step10へ進む。
【0049】
一方、アナログポートへの接続が判断されたら、次ステップ(step3)へ進み、TA(110)がアナログ端末へリング信号を送出する。通常のアナログ回線でのリング信号は網側の交換機が出すが、ISDNなどのデジタル網ではこのリング信号が来ないため、TA(110)が疑似的に作る必要がある。このリング信号を発生するのが信号発生器(206)である。このタイミングでは、CPU(201)は信号発生器(206)にリング信号の発生を指示し、指定されたアナログポートにこのリング信号が出力されるように、セレクタ(209)を制御する。このリング信号とは、電話の呼出し音を鳴らすために使用されるもので、例えば、1秒オン、2秒オフなどの周期で決められた周波数の信号である。
【0050】
アナログ回線での発信番号通知は、このリング信号のオフの期間に、発信番号を変調した波形を埋め込むことにより実現できる。図4にこの場合のリング信号と発信番号の信号を示す。Toが、リング信号のオン期間、Tfがリング信号のオフ期間であり、このTf期間にモデム(207)で前記のセットアップ信号などで伝達された発信番号の変調信号(ITU−T勧告V.23などの変調を用いる)を図示したように埋め込む。このアナログポートに接続された発信番号通知機能対応のアナログ端末(アナログ電話など)には、この変調信号を復調するモデムを持ち、この復調信号から発信番号を得ることが出来る。
【0051】
TA(110)のCPU(201)は、アナログ電話が着信可能(オフフック)になるまで、図4に示したリング信号と発信番号(ISDNから着信された着信要求コードに含まれていた発信番号)が埋め込まれた変調信号を交互に出力し続ける。具体的には、信号発生器(205)からのリング信号とモデム(207)からの変調信号が、セレクタ(209)で交互に切り替えて出力される様に、信号発生器(206)、モデム(207)、セレクタ(209)を制御する。
【0052】
アナログ端末がオフフックになった(アナログ端末がリング信号に応答した)と判断した場合、CPU(201)は、次のステップ(step6)に進み、実際の音声/データ通信を開始する。このオフフックの判断はアナログポート(210)からの出力に基づいてCPU(201)が行う。ここでは、回線のデジタル音声/データを、アナログ音声/データに変換、及びその逆の変換を行うために、コーデック(208)を使用する。すなわち、CPU(201)は、セレクタ(209)が、コーデック(208)とアナログポート(210)を接続するように制御する。コーデック(208)は、例えば、PCM(Pulse Code Modulation)コーデック(コーダ/デコーダ)であり、アナログ音声又はアナログデータとデジタル音声又はデジタルデータの変換を行う。
【0053】
又、網に応答信号を送出して、相手と接続される様にする。
【0054】
これで、通常の通話が可能になる(step7)。この通話の終了をオンフックなどで検知すると(step8)、通話を終了する。
【0055】
以上がアナログ端末の着信動作である。次に、アナログ端末の発信動作について説明する。
【0056】
アナログ端末がフックをオフし、発信先の電話番号にあたるトーン信号(DTMF:Dual Tone Multi Frequencyなど)を受け取ると、モデムまたは図示しない他の回路でトーン信号を解読し、この番号をCPU(201)へ伝え、CPU(201)では、TA(110)のメモリ(202)の設定によるが、個々のアナログポート(発信端末が接続された)に付けられた発信番号(発信する端末の電話番号であり、メモリ(202)に各アナログポートに対応して登録されている。)、又は(発信端末に応じた発信番号が登録されていなければ)TA(110)全体に付けられた発信番号と、前記した伝達能力、通信クラスなどを含めて、発信要求の制御コードを組み立て、ISDNインターフェイス(201)、及び回線インターフェイス(200)を介して回線側に発信を要求する。回線側でこの要求が受け入れられると、回線から発信可能である制御コードが返され、これをCPU(201)が受け取ると、前記したアナログポートでの通話及びデータ通信の接続形態にし、通話及びFAXなどのデータ通信が可能になる。
【0057】
この場合、TA(110)に接続されているのがアナログ端末であっても、この端末あるいはTA(110)に付けられた発信番号を網側に通知することができる。したがって、相手機がデジタル端末であれば、送信した発信番号を相手機まで通知することができる。
【0058】
上記の例では、アナログ端末へ各種アナログ信号を発生するために信号発生器を用いたが、本発明はこれに限らない。例えば、通常のモデムはトーン信号を発生することができるので、特に信号発生器を用意しなくても、モデムで兼用することは可能である。モデムでリング信号を発生することもできる。また、TAとして、デジタルポート2、アナログポート2本を持つ例を示したが、これに限定しない。さらに、デジタル回線としてISDN回線の場合を述べたが、他の専用線などのデジタル回線にも応用できる。
【0059】
尚、図3示のフローチャートを含むCPU(201)の動作プログラムは、予めメモリ(201)に格納されているが、デジタルポート(205)に接続されたパソコンから、又は、ISDNを介して遠隔地に存在するパソコンから設定、更新できる様にしてもよい。また、このプログラムは、構内交換装置(300)の電源オン時に不図示のディスクメモリからメモリ(302)に読み込むようにしてもよい。
【0060】
図5に本発明を実施した構内交換装置(300)の構成図を示す。
【0061】
304はISDN(デジタル)回線インターフェイスであり、外線として、ISDN(308)を接続し、ISDN回線上の制御データを処理する。305はPSTN(アナログ)回線インターフェイスであり、外線としてPSTN(309)を接続し、PSTN(305)からの着信の検出、PSTN(309)への発信を行う。
【0062】
306はデジタル端末インターフェイスであり、内線としてデジタル端末(310A、B)を接続する。307はアナログ端末インターフェイスであり、内線としてアナログ端末(311A、311B)を接続する。アナログ端末インターフェイス(307)は、アナログ端末(311A、311B)の夫々に対応して、図2の信号発生器(206)、モデム(207)、コーデック(208)を有する。すなわち、アナログ端末の数が2個ならば、アナログ端末インターフェイス(307)は、信号発生器、モデム、コーデックの組を2組有する。
【0063】
303は交換スイッチであり、ISDN回線インターフェイス(304)、PSTN回線インターフェイス(305)、デジタル端末インターフェイス(306)、アナログ端末インターフェイス(307)を相互に接続する。
【0064】
301はCPUであり、ISDN(308)からアナログ端末(311A、311B)への着信時には、図3示の動作、特に、アナログ端末インターフェイス(307)に対してStep3から8の制御を行う。尚、step6では、着信中のISDN回線と応答したアナログ端末が接続される様に交換スイッチ(303)を制御する。302はメモリであり、図3示のフローチャートを含むプログラムを格納する。
【0065】
尚、図3示のフローチャートを含むCPU(301)の動作プログラムは、予めメモリ(302)に格納されているが、デジタル端末インターフェイス(306)に接続されたデジタル端末から、又は、ISDN(308)を介して遠隔地から設定、更新できる様にしてもよい。また、このプログラムは、構内交換装置(300)の電源オン時に不図示のディスクメモリからメモリ(302)に読み込むようにしてもよい。
【0066】
また、図3示のフローチャートを実現するためには、構内交換装置(300)にPSTN(309)を接続しなくてもよい。又、デジタル端末も同様に接続しなくても良い。
【0067】
次に、PSTN(309)からの図4示のリング信号が受信されて、デジタル端末(310A、310B)にその着信を通知する場合に関して図6のフローチャートを参照して説明する。図6のフローチャートを含むプログラムは、メモリ(302)に予め記憶されている。このプログラムは、デジタル端末(310A、B)から、または、ISDN(308)を介して遠隔地から、書き込み、変更できるようにしても良い。または、構内交換装置(300)の電源オン時に不図示のディスクメモリからメモリ(302)に格納するようにしても良い。
【0068】
尚、PSTN回線インターフェイス(305)は、PSTN回線の夫々に対してリング信号検出回路およびモデムを有する。すなわち、PSTN回線が2本ならば、PSTN回線インターフェイス(305)は、リング信号検出回路およびモデムの組を2組有する。最初に、PSTN回線インターフェイス(305)は、PSTN(309)からのリング信号を検出すると、PSTN回線を一旦捕捉し、PSTN回線から受信される変調信号を復調して発信番号(発信者の番号)を検出する。
【0069】
CPU(301)は、Step20、21で、リング信号が受信されたこと、及び、リング信号の次に受信された変調信号中の発信番号の通知をPSTN回線インターフェイス(309)から受ける。そして、CPU(303)は、Step21で通知された発信番号を含む着信要求コードをデジタル端末(310A、310B)に送出する様に、デジタル端末インターフェイス(306)に指示する(Step22)。
【0070】
ここで、デジタル端末(310A)が、図2のデジタルポート(216)に接続されたデジタル端末と同様のISDN端末である場合、デジタル端末インターフェイス(306)は、PSTN(309)からリング信号の後に図4の変調信号として受信された発信番号をその発信番号として含むsetupコードを、制御チャンネル(Dチャンネル)を通じてデジタル端末(310A)に送出する。
【0071】
尚、デジタル端末インターフェイス(306)は、CPU(301)の制御の基に、このsetupコードの伝送能力を音声に、通信クラスを電話に設定する。又、特定のPSTN回線がG3ファックス専用にしてある場合(予め、そのように相手に連絡してある場合)、デジタル端末インターフェイス(306)は、setupコードの伝送能力を3.1kHzオーディオに、通信クラスをG3/G2FAXに設定する。
【0072】
そして、CPU(301)は、デジタル端末(310AまたはB)がsetupコードに応答するか、発呼側が発信を放棄してPSTN(309)からのリング信号が消滅するかを判断する(Step23、27)。ここで、Step27で、リング信号が消滅したら、すなわち、図4のTf期間経過後も次のリング信号が検出されなければ、デジタル端末(310A、B)に発呼側が切断したことをデジタル端末インターフェイス(306)を介して通知する。
【0073】
Step23で、デジタル端末(310A、B)のいずれかが応答したら、CPU(301)は、ISDNインターフェイス(304)によりISDN(308)に被呼側が応答したことを通知し、交換スイッチ(303)を制御して着信したISDN回線と応答したデジタル端末を接続する(Step24)。
【0074】
これで、通話/通信状態になる(Step25)。この通話/通信の終了を検知すると(Step26)、本処理を終了する。
【0075】
尚、図6示のフローチャートを実現するためには、構内交換装置(300)にISDN(308)を接続しなくてもよい。又、アナログ端末も同様に接続しなくても良い。
【0076】
次に、アナログ端末(311A)に、アナログ端末(311A)に対応する情報を送出する場合のアナログ端末接続装置である構内交換装置(300)のCPU(301)の制御を図7のフローチャートを参照して説明する。図7のフローチャートを含むプログラムは、メモリ(302)に予め記憶されている。このプログラムは、デジタル端末(310A、B)から、または、ISDN(308)を介して遠隔地から、書き込み、変更できるようにしても良い。または、構内交換装置(300)の電源オン時に不図示のディスクメモリからメモリ(302)に格納するようにしても良い。
【0077】
尚、先に説明したように、アナログ端末(311A)は図4に示される様なリング信号を網(PSTN)から受信すると、リング信号の間に受信される発信番号に応じて変調されたアナログ信号を受信して、発信番号を表示する機能を有する。
【0078】
図7の例では、デジタル端末(310A、B)は、必ずしも構内交換装置(300)に接続しなくても良い。また、ISDN(308)とPSTN(309)の一方も、構内交換装置(300)に接続しなくても良い。
【0079】
アナログ端末(311A)で、オフフック状態で所定の特番が入力されると、CPU(301)は、Step30で、アナログ端末インターフェイス(307)によりその特番に応じたダイヤル信号が受信されるので、Step31へ進む。
【0080】
CPU(301)は、Step31、32で、アナログ端末(311A)がオンフックしたことをアナログ端末インターフェイス(307)により検出すると、アナログ端末インターフェイス(307)を制御して、アナログ端末(311A)にリング信号を送出し、アナログ端末(311A)に対応する情報に応じて変調されたアナログ信号を送出する。
【0081】
尚、Step32で送出されるアナログ信号は、図4示のリング信号の間で発信番号を伝送するのと同じ変調方式を用いる。
【0082】
したがって、アナログ端末(311A)は、発信番号と同じように、アナログ端末に対応する情報を復調して表示することができる。
【0083】
ここで、CPU(301)は、アナログ端末(311A)がオフフックするまで、Step31、32を繰り返しても良いが、Step31、32を1回実行すると、あるいは、所定回(2、3回)、繰り返すと、このアナログ端末(311A)に対応する情報を送出する処理を終了しても良い。この様にすると、余計な呼出音が何度も発生することを防ぐことができる。
【0084】
尚、図7の処理を、アナログ端末接続装置として、図5の構内交換装置(300)が実行する例を説明したが、図2のターミナルアダプタ(110)が実行するようにしてもよい。
【0085】
次に、デジタル端末(319A)に、デジタル端末(310A)に対応する情報を送出する場合のデジタル端末接続装置である構内交換装置(300)のCPU(301)の制御を図8のフローチャートを参照して説明する。図8のフローチャートを含むプログラムは、メモリ(302)に予め記憶されている。このプログラムは、デジタル端末(310A、B)から、または、ISDN(308)を介して遠隔地から、書き込み、変更できるようにしても良い。または、構内交換装置(300)の電源オン時に不図示のディスクメモリからメモリ(302)に格納するようにしても良い。
【0086】
尚、デジタル端末(310A)は、ISDN(308)からの着信要求コードであるsetupコードを受信すると、その受信したコード中に含まれる発信番号を表示する機能を有する。
【0087】
図8の例では、アナログ端末(311A、B)は、必ずしも構内交換機(300)に接続しなくても良い。
【0088】
デジタル端末(311A)からの所定のsetupコード(例えば、含まれる発信番号が所定の値を有する)がデジタル端末インターフェイス(307)を介して受信されると(Step40)、CPU(301)は、デジタル端末(311A)に対応する情報を発信番号として含むsetupコードを作成し(Step41)、デジタル端末(311A)に対応する情報が発信番号の領域に挿入されたsetupコードをデジタル端末(311A)に送出する様にデジタル端末インターフェイス(307)を制御する。
【0089】
ここで、発信番号の代わりに送出されるアナログ端末またはデジタル端末に応じた情報とは、アナログ端末またはデジタル端末に固有の情報(さらに詳しくは、接続された端子の情報、または、内線番号)である。または、例えば、アナログ端末またはデジタル端末による利用結果を表わす情報(さらに詳しくは、通信料金情報、または、通信時間情報)である。または、例えば、制限情報(さらに詳しくは、発信先制限情報、または、使用者制限情報、または、着信時の呼出しの制限)である。なお、着信時の呼出しの制限とは、着信時に、発信者情報または被呼者情報または通信属性などの着信時に通知される情報に応じて、その端末を呼出すか否かを表わす情報であり、言い換えれば、着信時に、その端末が呼出されるかを表わす予め設定された情報である。これらの情報は、発信アナログ端末またはデジタル端末に対応して、メモリ(302)に格納されている。
【0090】
アナログ端末またはデジタル端末は、この情報を発信番号として、表示するので、アナログ端末またはデジタル端末において、この情報を表示することができる。
【0091】
また、以上の説明ではアナログ信号で発信番号を伝達するために、リング信号のオフ期間に発信番号を埋め込む例を述べたが、リング信号に先立って発信番号を伝達する網、あるいは、その網に対応する端末を接続するターミナルアダプタ装置又は構内交換装置にも応用可能である。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、着信要求コードに含まれる伝達能力及び通信クラスに基づき、伝達能力が音声で、通信クラスが電話の場合に、ターミナルアダプタに接続されたアナログ端末が有する、アナログ回線から発信番号を受信する機能を利用して、着信要求コードに含まれる情報を、アナログ端末に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のTAの構成図である。
【図2】本発明を実施したTAの内部構成図である。
【図3】本発明を実施したTAの動作を示すフローチャート図である。
【図4】発信番号を通知するリング信号の図である。
【図5】本発明を実施したPBXの内部構成図である。
【図6】本発明を実施したPBXの着信時の動作を示すフローチャート図である。
【図7】本発明を実施したPBXのアナログ端末からの特番入力時の動作を示すフローチャート図である。
【図8】本発明を実施したPBXのデジタル端末から所定のsetupコードが受信された時の動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
100 TA
206,211 信号発生器
207,212 モデム
208,213 コーデック
209,214 セレクタ

Claims (1)

  1. デジタル回線を接続するデジタル回線接続手段と、デジタル端末を接続するデジタル端末接続手段と、アナログ端末を接続するアナログ端末接続手段とを有し、前記デジタル回線を前記デジタル端末または前記アナログ端末に接続するターミナルアダプタ装置において、
    前記デジタル回線から着信要求コードを受信する受信手段と、
    前記アナログ端末への着信かどうかを判断する判断手段と、
    前記アナログ端末への着信であると判断された場合に、前記アナログ端末の呼出し音を鳴らすためのリング信号を前記アナログ端末がオフフックするまで送出する前記アナログ端末の呼出し手順を行う呼出し手段と、
    前記アナログ端末への着信であると判断された場合に、前記受信された着信要求コードから変換したアナログ信号を、着信時にアナログ回線から発信番号を受信する機能を有するアナログ端末が受信できるように、前記アナログ端末の呼出し手順の中で、前記アナログ端末に送出するアナログ信号送出手段を有し、
    前記判断手段は、前記着信要求コードに含まれる伝達能力及び通信クラスに基づき、伝達能力が音声で、通信クラスが電話の場合、前記アナログ端末への着信であると判断することを特徴とするターミナルアダプタ装置。
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