JP2004222194A - 電話装置 - Google Patents

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JP2004222194A JP2003010092A JP2003010092A JP2004222194A JP 2004222194 A JP2004222194 A JP 2004222194A JP 2003010092 A JP2003010092 A JP 2003010092A JP 2003010092 A JP2003010092 A JP 2003010092A JP 2004222194 A JP2004222194 A JP 2004222194A
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Abstract

【課題】電話回線網の機能に依存することなく、二者間の通話中でも、三者通話への円滑な移行が可能な電話装置を提供する。
【解決手段】VoIP電話機1は、加入者回線2を介して、デジタルのADSL回線2aで2通話回線を、アナログのPSTN回線2bで1通話回線を、同時に使用可能である。1つの通話回線を使用して二者間で通話しているときに、第三者を発呼したり、第三者からの着信を受けるときは、通話中の相手を保留状態にして、第三者との通話を行うことができる。通話の相手は、キャッチボタンの押下げなどで切換えることができる。パーティコールボタンを押下げると、三者通話を開始することができる。三者通話は、切換回路13で音声信号をミキシング処理し、通話者の相互間に送出することによって行われる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル通信回線に接続可能な電話装置、特に三者通話が可能な電話装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電話装置は基本的に発呼側と被呼側との二者間で通話を行うために利用されている。PSTNと略称される公衆電話網(Public SwitchedTelephone Network )では、発呼側と被呼側とを、交換機によって選択的にそれぞれ接続する。発呼側や被呼側の電話装置と交換機との間は、加入者線とよばれる信号線で個別に接続され、ベースバンドのアナログ信号で通話が行われる。
【0003】
近年、インターネットなどのデジタル通信網が発達し、VoIP(Voice overInternet Protocol)を用いて、電話通話を行うことも可能になっている。インターネットを介する電話通話では、インターネットに接続されているサーバで、通信相手をIPアドレスによって特定するようにしている。インターネット内でのデータ通信は、電話通話に要する通信帯域に比較して充分に広帯域で行うことができる。サーバと電話通話のための端末との通信帯域も、ブロードバンド化された通信線を使用すれば、充分に広帯域で行うことができる。この通信は、多重化することも比較的容易であり、物理的には単一の通信線に、複数の通話回線を収容することもできる。さらに、ADSL(Asymmetric Digital SubscriberLine )などのxDSL技術で、PSTNの加入者線に高周波のデジタル信号を重畳し、アナログ通信回線と、複数のデジタル通信回線とを収容することも可能になっている。
【0004】
電話通信で、二者間に第三者を加えて三者間通信を行えば、会議や相談などを効率的に行うことができる。交換機や網内のサーバにより三者通話を行う方法は、従来から確立している。親子式の電話装置で、公衆電話網の加入電話機も含めて、三者通話を行うこともできる(たとえば、特許文献1参照)。ISDN(Integrated Services Digital Network )の電話装置で三者通話を行う方式も提案されている(たとえば、特許文献2参照)。ISDNでは、2つのBチャネルと1つのDチャネルを利用することができるので、1つのBチャネルの二者間通話中にさらに通話要求があると、Dチャネルを通話路形成に必要な信号のやりとりに使用して、他のBチャネルで第三者に対する通話を行い、三者通話に移行する。
【0005】
また、ISDNなど、1本の回線に少なくとも2つの通話チャネルを有しているデジタル回線を使用し、各チャネルから送られてくる電話信号を他のチャネルに送出する三者通話回路を有する電話装置を用いる電話会議システムも提案されている(たとえば、特許文献3参照)。この電話会議システムでは、ホスト役の電話装置がメンバを選択し、第1のメンバを呼出して、第1のメンバから第2のメンバを呼出すようにして、順次的に環状の通信リンクを形成して会議を行う。デジタル回線でインターネットを利用する電話サービスとして、サーバが三者間通信の機能を提供する方法では、端末装置について(たとえば、特許文献4参照)や、サーバについて(たとえば、特許文献5参照)の提案がなされている。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−345217号公報
【特許文献2】
特開平2−90770号公報
【特許文献3】
特開平2−253757号公報
【特許文献4】
特開平9−168064公報
【特許文献5】
特開平9−172462号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のような親子式電話機を使用するのではなく、PSTNを介する相互間の電話通信で三者通話を行う場合は、各電話装置を交換機に接続する加入者線には単一の通話回線しか収容することができないので、交換機に三者通話を可能にする機能を備えておく必要がある。この場合、三者通話の利用には電話会社と利用者との間で契約が必要であり、また、契約を行えば基本料金として毎月費用がかかるというデメリットがある。特に、たまにしか三者通話を行わない利用者にとっては、無駄な支払いを長期間に渡って行わなければならず、三者通話自体の利用を断念させる要因ともなっている。特許文献2のような三者通話は、ISDN端末に備えられる構成部分の説明は簡潔であり、第2頁右下欄第18行目〜第19行目に、「B1チャネル上の呼とB2チャネル上の呼を2者接続する通話路の設定を行う。」と記載されてはいるけれども、2つのBチャネルによる通話回線と、制御信号用のDチャネルを使用可能なISDN自体が提供するサービス機能に依存していると考えられる。
【0008】
特許文献4や特許文献5のように、インターネットを利用するデジタル電話回線で三者通話を行う場合も、サーバが三者通話を可能にする機能を備えておく必要がある。しかし、電話会社や、インターネット利用の電話サービスを提供するISP(Internet Service Provider )にとっても、三者通話対応の交換機やサーバを導入するにおいては、多額の費用がかかり、三者通話サービスの契約者が少ない場合、これらの設備投資の減価償却がなかなか進まなくなる可能性があるなど、リスクの大きい事柄である。
【0009】
特許文献3のような電話会議システムは、電話装置側に三者通話機能を備え、複数の通話回線に同時に接続可能であれば実現することができる。しかしながら、この電話会議システムでは、メンバを決めておいてから順次発呼し、通信リンクを形成して会議が可能となる。多人数で電話会議を行う場合は効率的かもしれないけれども、そのような電話会議の必要性については疑問がある。しかも特許文献2に記載されている実施例で、ホスト役は一連の通信リンクの始端となるので、単一の通話回線しか必要とせず、通信リンクで中間となるメンバの電話装置に三者通話回路が必要となる。三者通話回路を有する電話装置が普遍的なものでない限り、このような電話会議システムは固定的なメンバ同士でしか実現することはできない。
【0010】
なお、実施例には記載されていないけれども、ホスト役の電話装置に三者通話回路を備えておけば、他の二者とそれぞれ通話する形式で三者通話が可能になると考えられる。しかしながら、二者間で通話を始めてから第三者を加えて、円滑に三者通話に移行するための構成については何も記載されていない。すなわち、第三者を参加させるためには何らかの操作が必要であり、その操作の間、既に成立している二者間通話をどうすればよいかについて、何も示唆されていない。
【0011】
三者通話が必要となるのは、二者間の通話中への第三者の参加という形式の場合が多いと考えられる。電話通話に限らず、日常の会話でも、二者間の会話に第三者を引込んだり、第三者が割込んだりして3人以上の会話に進展する場合の方が、初めから3人以上が集って会議を行う場合よりも多いと考えられる。
【0012】
本発明の目的は、電話回線網の機能に依存することなく、二者間の通話中でも、三者通話への円滑な移行が可能な電話装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、デジタルデータ通信で電話通話を行うデジタル通話回線を含む複数の通話回線に接続可能な電話装置であって、
複数の通話回線で電話通話を行うときに、一つの通話回線から受信する音声を他の通話回線に送信する音声に加えることが可能なミキシング手段と、
二者間での通話中に、該二者間の通話を保留状態にして、第三者との通話を開始させる第三通話開始手段と、
保留状態となっている二者間での通話を再開させ、第三通話開始手段によって開始される通話で受信する第三者の音声を、再開される通話の相手側へ送信する音声に加え、該相手側から受信する音声を、該第三者へ送信する音声に加えるようにミキシング手段を制御して、三者間での相互通話を開始させる三者通話制御手段とを含むことを特徴とする電話装置である。
【0014】
本発明に従えば、電話装置は、デジタルデータ通信で電話通話を行うデジタル通話回線を含む複数の通話回線に接続可能であり、ミキシング手段と、第三通話開始手段と、三者通話制御手段とを含む。ミキシング手段は、複数の通話回線で電話通話を行うときに、一つの通話回線から受信する音声を他の通話回線に送信する音声に加えることが可能である。第三通話開始手段は、二者間での通話中に、二者間の通話を保留状態にして、第三者との通話を開始させる。三者通話制御手段は、保留状態となっている二者間での通話を再開させ、第三通話開始手段によって開始される通話で受信する第三者の音声を、再開される通話の相手側へ送信する音声に加え、その相手側から受信する音声を、第三者へ送信する音声に加えるようにミキシング手段を制御して、三者間での相互通話を開始させる。
【0015】
三者通話開始手段によって、二者間の通話を保留状態にして第三者との通話を開始させるので、二者間の通話の相手に対しては、保留状態にする前に第三者との通話を開始させるために保留状態にする旨の通話で了承を得ることなどができ、円滑に第三者との通話を開始することができる。三者通話制御手段は、ミキシング手段を制御して、二者間通話の相手側の音声と第三者の音声とを、他方に送信する音声に加えるので、複数の通話回線を使用するだけで、電話回線網の機能に依存することなく、三者通話を実現することができる。三者通話制御手段が三者間での相互通話を開始させる前に、第三通話開始手段によって第三者への通話を開始させることができるので、第三者に対しても三者通話を行う旨の事前通話などを行うことができ、円滑に三者通話に移行させることができる。
【0016】
また本発明で、前記通話回線には、公衆電話網を介して電話通話を行うアナログ通話回線が含まれ、
前記二者間での通話は、該アナログ通話回線を介して行われ、
前記第三者との通話は、前記デジタル通話回線を介して行われることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、アナログ通話回線を介する二者間での通話中に、第三者との通話をデジタル通話回線を介して開始し、電話装置のミキシング手段で音声のミキシング処理を行うことによって、二者間の通話と第三者に対する通話とを音声的に接続し、少なくとも三者にて同時に相互通話が行えるようにすることができる。
【0018】
また本発明で、前記通話回線には、公衆電話網を介して電話通話を行うアナログ通話回線が含まれ、
前記二者間での通話は、前記デジタル通話回線を介して行われ、
前記第三者との通話は、該アナログ通話回線を介して行われることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、デジタル通話回線を介する二者間での通話中に、第三者との通話をアナログ通話回線を介して開始し、電話装置のミキシング手段で音声のミキシング処理を行うことによって、二者間の通話と第三者に対する通話とを音声的に接続し、少なくとも三者にて同時に相互通話が行えるようにすることができる。
【0020】
また本発明で、前記複数の通話回線として、異なるデジタル通話回線に接続可能であり、
前記二者間での通話は、一つのデジタル通話回線を介して行われ、
前記第三者との通話は、他のデジタル通話回線を介して行われることを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、一つのデジタル通話回線を介する二者間での通話中に、第三者との通話を他のデジタル通話回線を介して開始し、電話装置のミキシング手段で音声のミキシング処理を行うことによって、二者間の通話と第三者に対する通話とを音声的に接続し、少なくとも三者にて同時に相互通話が行えるようにすることができる。
【0022】
また本発明で、前記第三通話開始手段は、前記第三者に対する発呼によって前記通話を開始することを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、二者間での通話中に、その通話を保留状態にして、第三者に対する発呼による第三者通話を開始することができるので、第三者を円滑に三者通話に引込むことができる。
【0024】
また本発明で、前記第三通話開始手段は、予め定める入力操作に応答して、前記二者間の通話を保留状態とし、前記第三者に対する発呼を可能にすることを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、二者間での通話中に別番号の第三者へ発呼する操作が可能なように、たとえばパーティコールボタンやキャッチボタンを設けておき、パーティコールボタン押下もしくはキャッチボタンの長押し、もしくはキャッチボタンの一定時間内の複数回押下などの予め定める入力操作によって、通話中の相手を保留状態にして、第三者への発呼を可能にして、たとえばダイヤル入力操作などを可能にすることができる機能を設けている。
【0026】
これによって、電話装置の使用者は、第三者への2回線目の通話を行うタイミングを自ら指定することができるため、使い勝手の向上につながる。それに加え,通話中であった相手への通話は保留状態となるため、従来から広く行われているように保留音を送出し、もしくは保留コマンドを送出するようにすれば、相手側端末にて保留音を鳴らすことによって、通話中であった相手は保留音を聞くことになるため、全く違和感無く待機することができ、使い勝手の向上を図ることができる。
【0027】
また本発明で、前記二者間での通話を発呼によって開始する際には、発信先指定操作に続いて予め定める発呼条件が満たされ、
前記第三通話開始手段は、前記第三者に対する発呼のための発信先指定操作に続いて、該発呼条件が満たされるときに、該第三者への発呼を実行することを特徴とする。
【0028】
本発明に従えば、二者間での通話中に別番号の第三者へ発呼する操作ができるように、二者間での通話を保留状態にして、発信先指定操作であるダイヤル入力の操作を行った後、たとえば、スピーカホンボタンもしくは通話ボタンの押下など、もしくは数秒程度の固定時間のタイムアウトによって、予め定める発呼条件が満たされるようにしておくと、第三者への発呼動作を開始する機能を設けている。
【0029】
これによって、電話装置の使用者は通常の通話開始時の発呼動作と全く同様の操作によって、第三者に対する二通話目の発呼が可能となるため、使い勝手の向上を図ることができる。
【0030】
また本発明で、前記第三通話開始手段は、前記二者間での通話が発信通話である場合のみ、前記発呼を有効とすることを特徴とする。
【0031】
本発明に従えば、二者間通話から三者通話に移行する機能を持つ電話装置おいて、一つ目の二者間通話が発信通話である場合にのみ、電話装置に対する使用者の操作により、デジタル通話またはアナログ通話を発呼して第三者への通話を開始することができる。第三者への通話開始後、ミキシング手段を制御して、音声のミキシング処理を行うことによって、一つ目の二者間通話と二つ目の第三者通話との二通話を音声的に接続し、少なくとも三者にて同時に相互通話が行えるようになる。
【0032】
音声をミキシングして三者通話を行うと、通話経路が巡廻してしまう可能性がある。すなわち、二者のうちの着信側が第三者を呼出し、さらに第三者が二者のうちの発信側を呼出すと通話経路が巡廻し、それぞれで音声のミキシングを行うと、音声信号が各電話装置間を循環してハウリングやエコーが生じる可能性がありうる。この可能性を排除するため、三者通話が行える条件として、二通話ともが発信通話である場合にのみ三者通話を可能とする機能を設けている。これによって、通話経路が巡廻して音声のハウリングやエコーなどが発生し、通話が行いにくくなる現象の発生を防ぐことができるため、使い勝手の向上を図ることができる。
【0033】
また本発明で、前記第三通話開始手段は、前記第三者からの着信に応答して前記通話を開始することを特徴とする。
【0034】
本発明に従えば、二者間での通話中に第三者からの着信があれば、第三者が割り込んで三者通話に移行する操作ができるように、二者間での通話を保留状態にして、第三者からの着信に応答して通話回線を捕捉し、ミキシング手段で音声のミキシング処理を行うことによって、一つ目の二者間通話と二つ目の第三者通話との二通話を音声的に接続し、少なくとも三者にて同時に相互通話が行えるようになる。着信した第三者を円滑に参加させて三者通話に移行することが可能となるため、使い勝手の向上を図ることができる。
【0035】
また本発明で、前記第三通話開始手段は、予め定める単独通話指定操作に応答し、前記二者間での通話を保留にして、前記第三者との通話を可能にし、
前記三者通話制御手段は、該単独通話指定操作とは異なる予め定める相互通話指定操作に応答し、前記三者間での相互通話を開始させることを特徴とする。
【0036】
本発明に従えば、二者間での通話中に別番号の第三者へ発信、もしくは通話中に着信を受け、予め定める単独通話指定操作として、たとえばキャッチホン操作(キャッチボタン押下)により、それまで二者間で通話中であった相手との通話を保留し、別の相手である第三者との通話を開始することができる。このような二者通話を保留にしたままの第三者への単独通話中の状態で、三者通話を開始するために、単独通話指定操作とは異なる予め定める相互通話指定操作、たとえばパーティコールボタン押下、もしくはキャッチボタンの長押し、もしくはキャッチボタンの一定時間内の複数回押下などによって、三者通話を開始することができる機能を設けている。これによって、電話装置の使用者は、直感的な操作で三者通話を開始することができるため、使い勝手の向上を図ることができる。
【0037】
また本発明で、前記第三通話開始手段は、前記単独通話指定操作が繰返されるとき、通話の対象となる相手と、通話を保留にする相手とを、交互に切換えることを特徴とする。
【0038】
本発明に従えば、二者間での通話中に別番号の第三者へ発信、もしくは通話中に着信を受け、予め定める単独通話指定操作として、たとえばキャッチホン操作(キャッチボタン押下)により、それまで通話中であった相手との通話を保留し、別の相手との通話が開始された状態で、各々の相手と通話できるように、キャッチボタン押下などの単独通話指定操作により、各々の通話を交互に切換えられる機能を設けている。これによって、電話装置の使用者は三者通話を行う前にも各々の通話相手と通話を行うことができるため、使い勝手の向上を図ることができる。
【0039】
また本発明は、前記三者通話に使用する通話回線の表示が可能な表示手段をさらに含み、
前記三者通話制御手段は、予め定める回線選択操作に応答して、三者通話に使用中の通話回線で、電話通話を終了する通話回線を選択し、表示手段によって表示するように制御することを特徴とする。
【0040】
本発明に従えば、三者通話を終了するときに、どの通話回線での通話を終了するのかを選択することができるようにするために、三者通話中に予め定める回線選択操作、たとえばキャッチ終了ボタンを押下するような操作を行うことによって、現在三者通話に使用中で、切断対象となる通話回線のみを選択および表示し、さらにキャッチ終了ボタンを押下するなどの回線選択操作を行うたびに切断対象となる通話回線の選択および表示を、順次切換えられるようにすることができる機能を設けた。これによって電話装置の使用者は、自分の好きなタイミングで好きな通話回線のみを、三者通話に使用している通話回線のうちから、切断の選択と実行とを行えるようになるため、使い勝手の向上を図ることができる。
【0041】
また、三者通話中に相手の一人が通話回線を切断した際にも、同様の操作で通話を切断した相手との通話回線での通話のみを終了させることができる。この機能は、アナログ通話回線であるPSTNでの通話相手が切断を行った場合に特に有効である。このような場合、ビジー信号,もしくは(こちらが着信通話の場合)終話信号を検出して通話を終了することが常に可能ではないので、自動で切断することはできない。したがって、電話装置の使用者は、アナログ通話回線での通話者が通話を終了したことを知った後、選択的にPSTNを切断する操作が必要不可欠である。回線選択操作によって、電話装置の使用者は相手側から切断された通話を選択して確実に通話を終了することができるため、使い勝手の向上を図ることができる。
【0042】
また、回線選択操作によって三者通話を終了した後も、他の相手との間では、シームレスに通常の通話を継続することができる機能を備えている。これによって、通話を継続したまま、三者通話から通常の二者間通話に切換えることができるようになるため、使い勝手の向上を図ることができる。
【0043】
また本発明で、前記三者通話制御手段は、予め定める回線切断操作に応答し、前記回線選択操作に応答して選択表示されている通話回線のみを切断するように制御することを特徴とする。
【0044】
本発明に従えば、回線選択操作に応答して選択表示されている通話回線のみを、回線切断操作に応答して切断することができるので、選択した通話回線を切断するか否かを判断してから切断することができ、使い勝手をさらに向上させることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である電話装置としてのVoIP電話機1の概略的な電気的構成を示す。VoIP電話機1には、ADSLでブロードバンド化されたPSTNの加入者回線2が接続される。加入者回線2の信号は、デジタル通話回線としてのADSL回線2aと、アナログ通話回線としてのPSTN回線2bとに分離される。ADSL回線2aでは2チャネル分のデジタル通話回線、PSTN回線2bでは1チャネル分のアナログ通話回線をそれぞれ同時に使用することができる。
【0046】
VoIP電話機1は、回線捕捉回路11、スピーチネットワーク12、切換回路13、ハンドセット14、スピーカ15、ダイヤル回路16、着信検出回路17、発信者電話番号受信回路18、メモリ19、表示部20、VoIP使用可能LED(Light Emitting Diode)21、PSTN LED22、VoIP LED23、操作パネル24、DSP(Digital Signal Processor)25、ADSLモデム26、スプリッタ27、音声メモリ28、留守録DSP29、および制御部30を含む。制御部30は、電話制御部31、データ処理制御部32、表示制御部33、操作検出部34、使用回線判定部35、VoIP制御部36、DSP制御部37、ADSL制御部38およびパーティコール制御部39を含む。
【0047】
回線捕捉回路11は、ダイヤル回路16からの信号によってPSTNの加入者回線2を閉結したり開放したりし、またその状態を信号で電話制御部31に与えることができる。スピーチネットワーク12は、PSTNの加入者回線2からの受話信号を切換回路13に送るとともに、切換回路13からの送話信号を公衆電話回線網に送出したり、ダイヤル回路16が発信したDTMF(Dual Tone MutiFrequency)信号を、PSTNの加入者回線2に送出するために回線捕捉回路11に送る。切換回路13は、電話制御部31からの制御信号に応じて、スピーチネットワーク12およびハンドセット14から音声信号を入力し、またスピーチネットワーク12、ハンドセット14およびスピーカ15へ音声信号を出力するように信号経路の接続を切換える。ダイヤル回路16は、回線捕捉回路11を開閉させてダイヤルパルスを発生させたり、DTMF信号をスピーチネットワーク12に出力したりして、PSTNの加入者回線2に送出する。
【0048】
着信検出回路17は、PSTNの加入者回線2から到来するCAR信号やIR信号を検出し、電話制御部31に信号を与える。ここでCAR信号とは、発信者電話番号通知サービスで発信者の電話番号を通知してくる前に送られて来る信号であり、電話機はこれを受信すると回線を捕捉し発信者の電話番号を受信する。また、IR信号とは着信鳴動信号であり、通常、電話機はこれを受信するとスピーカから呼出音を鳴らす。
【0049】
発信者電話番号受信回路18は、PSTNの加入者回線2から送られてくる発信電話番号等の情報を受信復調し、発信者識別情報となる発信者電話番号を取得する。メモリ19は、発信記録や着信記録のデータ、留守応答時に受信した発信者電話番号とその使用された回線が何かを示す情報などを記憶する。
【0050】
VoIP電話機1は、表示手段として、LCD(液晶表示装置)による表示部20と、LED(発光ダイオード)によるVoIP使用可能LED21、PSTN LED22およびVoIP LED23を含む。表示部20は文字列やピクトグラムで情報を表示する。VoIP使用可能LED21は、VoIP電話通信が可能な時に点灯する。PSTN LED22は、PSTN回線によるアナログ通話回線を使用して電話の発着信が行われたときに点灯する。VoIP LED23は、ADSL回線によるデジタル通話回線を使用してVoIP電話の発着信が行われた時に点灯する。これらの表示手段は、VoIP電話機1を操作するための操作パネル24に設けられている。
【0051】
DSP25は、ADSL回線2aから送られてきたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換したり、ハンドセット14の受話器で拾ったアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換したりする信号処理を行う。ADSLモデム26は、ADSL回線2aを使って送受信を行うためにデジタル信号を変復調する。スプリッタ27は、PSTN回線2bの信号とADSL回線2aの信号を一つにまとめて加入者回線2に流したり、電話局から加入者回線2を介して送られてくる信号をPSTN回線2bの信号とADSL回線2aの信号とに分離したりすることができる。
【0052】
さらに、VoIP電話機1には、留守録機能を実現するために、留守用件を記録する音声メモリ28と、留守用件をデジタルで記録したり再生したりする留守用件用DSP29とが設けられている。
【0053】
VoIP電話機1の動作は、制御部30によって制御する。電話制御部31は、電話をかけたり、受けたり、ダイヤルしたり、留守応答動作をしたりする動作を制御する。データ処理制御部32は、メモリ19に発信者電話番号等のデータを書き込んだり、閲覧手段として読み込んだりする制御を行う。表示制御部33は、表示部20に各種の情報を表示する制御、およびVoIP使用可能LED21、PSTN LED22、VoIP LED23の制御を行う。操作検出部34は、操作パネル24を監視し、操作が行われると電話制御部31に操作に対応する信号を与える。使用回線判定部35は、電話制御部31から送られてきた電話番号についてどちらの回線を使用するかを判定し、結果を電話制御部31に返す判定手段として機能する。VoIP制御部36は、VoIP電話を行うための呼制御や、PPP(Point−to−Point Protocol )セッションの確立、VoIPサーバとの認証を行う。DSP制御部37は、DSP25を制御する。ADSL制御部38は、ADSLモデム26を制御する。パーティコール制御部39は、三者通話を開始したり終了したりするために、電話制御部31と制御情報をやりとりする。
【0054】
ADSL化された加入者回線2を使用してVoIP電話通信を行うためには、ISPが開設するBAS(Broadband Access Server )を介してインターネットに接続する必要がある。VoIP制御部36は、電話制御部31に制御信号を送出し、VoIP使用可能LED21を制御して、VoIP電話通信が可能であるか否かを表示する。VoIP通信を可能とするためには、ADSLコネクションが物理的に接続され、BASまでのPPPセッションが確立し、VoIPサーバの認証が取れていることが必要である。
【0055】
図2は、図1のVoIP電話機1の操作パネル24の外観構成を示す。操作パネル24には、電話番号などを入力するための「0」〜「9」の数字や「*」および「#」の記号を含むダイヤルボタン40、パーティコールボタン41、キャッチボタン42、キャッチ終了ボタン43、保留ボタン44、スピーカホン/発信ボタン45、マルチファンクションキー46などが設けられる。また、マルチファンクションキー46の中央には、機能ボタン47が設けられる。
【0056】
二者間通話中にパーティコールボタン41を押下げると、三者通話に移行するための発呼が可能になる。二者間通話中にキャッチボタン42を押下げると、通話中の相手に対する回線は捕捉したまま、通話は遮断する保留状態となり、着信した第三者に対して応答することができる。キャッチ終了ボタン43を押下げると、着信した第三者に対する通話を終了し、保留状態になっている二者間通話を再開することができる。二者間通話中に保留ボタン44を押下げると、その通話を保留状態にすることができる。ダイヤルボタン40で発信先の電話番号などを入力した後で、実際に発呼動作に入るのは、スピーカホン/発信ボタン45の押下げが行われてからである。
【0057】
図3は、図1のVoIP電話機1を使用し、発呼側となって三者通話を行う概略的な手順を示す。前述のように、VoIP電話機1は、2つのデジタル通話回線と1つのアナログ通話回線が接続され、それぞれ外線として電話通話に使用可能である。ステップs0から手順を開始し、ステップs1では、発呼操作がなされるのを待つ。ステップs1で発呼操作がなされると、ステップs2で、外線1を使用して発呼通話を開始する。次にステップs3で、外線1および外線2を使用して三者通話を行う。ステップs3では、通話中に着信があるときに、その着信を通話に参加させる手順も含む。ステップs4では、三者通話が終了するか否かを判断する。終了しないと判断するときは、ステップs3に戻って、三者通話を続ける。ステップs4で、三者通話終了と判断するときは、ステップs5で待受け状態へ移行する。
【0058】
図4は、図3のステップs1で、発呼操作がなされるのを待つ手順を示す。ステップa0から手順を開始し、電話制御部31は操作検出部34からの信号を監視し、ステップa1ではダイヤルボタン40、およびステップa2ではスピーカホン/発信ボタン45の押下げをそれぞれ監視する。これらの押下げがされていないとき、ステップa3では、電話制御部31がハンドセット14を掛けるフックスイッチのオン/オフを監視する。オンのときは、ステップa4で、電話制御部31がパーティコールボタン41の押下を監視する。電話制御部31がパーティコールボタン41が押下げられていないと判断すれば、ステップa1に戻る。
【0059】
ステップa4で、パーティコールボタン41が押下げられていると判断するときは、ステップa5に進み、電話制御部31は、操作検出部34を監視し、ステップa5で、使用者が操作パネル24を用いて入力した電話番号を、データ処理制御部32を通してメモリ19に記憶する.次にステップa6でパーティコールボタン41の押下げを待ち、電話制御部31がパーティコールボタン41がステップa4に続いてもう一度押下げられていると判断すると、ステップa7に進む。ステップa7で、電話制御部31は、メモリ19に記憶した電話番号を三者通話用の電話番号として、データ処理制御部32を駆動しメモリ19内のダイヤルバッファに登録する。ステップa7が終了すると、ステップa1に戻る。すなわち、パーティコールボタン41を先に押下げると、三者通話用の番号を登録する動作が可能となり、ダイヤルボタン40の操作で番号を入力した後、次にパーティコールボタン41を押下げると、三者通話用の番号をメモリ19に登録しておく動作が終了する。
【0060】
ステップa2でスピーカホン/発信ボタン45が押下げられたと判断されるか、ステップa3でフックスイッチがオフであると判断されると、ステップa8に進み、電話制御部31は切換回路13を操作するとともに、ダイヤルトーンを生成して切換回路13に送出するなどの制御を行って、擬似的に回線を捕捉した状態にする。本実施形態のVoIP電話機1では、アナログ通話回線を使用する場合でも、フックスイッチのオン/オフの切換えが加入者回線2には直接伝達されないので、PSTNでオフフック時に交換機から送られるダイヤルトーンを受取ることができず、内部的に生成する。ダイヤルトーンは、デジタル通話回線を使用する場合にも生成されるので、使用者にはPSTN通話かVoIP通話かを意識させることなく、ダイヤル操作を促すことができる。
【0061】
ステップa9では、電話制御部31がダイヤルボタン40が押下げられているか否かを判断する。ダイヤルボタン40が押下げられていなければ、ステップa10で、電話制御部31がスピーカホン/発信ボタン45が押下げられているか否かを判断する。スピーカホン/発信ボタン45が押下げられていなければ、ステップa11で、電話制御部31がフックスイッチがオンになっているか否かを判断する。オンフックでないと判断するときは、ステップa9に戻って、電話制御部31は疑似捕捉状態を続ける。ステップa10で電話制御部31がスピーカホン/発信ボタン45が押下げられていると判断するとき、またはステップa11でオンフックと判断するときは、ステップa12で疑似捕捉状態を解除し、ステップa1で、元待受け状態に戻す。ステップa1またはステップa9で、ダイヤルボタン40の押下げと判断されるときは、電話制御部31は、ステップa13で発呼操作が有るものとして、手順を終了する。
【0062】
図5は、図4のステップa13に続いて、図3のステップs2として発呼から開始する通話の手順を示す。ステップb0から手順を開始し、ステップb1では、使用者がダイヤルボタン40でダイヤルした番号を取込む。ステップb2では、スピーカホン/発信ボタン45が押下げられているか否かを判断する。このように通話開始前の場合、スピーカホン/発信ボタン45は、取込まれた番号で発信を開始するための「発信ボタン」として機能する。ステップb2でスピーカホン/発信ボタン45が押下げられていないと判断するときは、ステップb3で、電話制御部31は擬似捕捉状態であるか否かを判断する。疑似捕捉状態であると判断されると、ステップb4で、電話制御部31は、最も近い操作検出部34による使用者の電話番号入力からの経過時間を監視し、一定時間以上経過していればタイムアウトと判断する。
【0063】
ステップb4でタイムアウトと判断するとき、またはステップb2でスピーカホン/発信ボタン45が押下げられたと判断されるとき、ステップb5で、電話制御部31は、データ処理制御部32を駆動し、メモリ19内に三者通話用の電話番号が登録されているか否かを判断する。登録されていると判断すると、ステップb6で電話制御部31は、データ処理制御部32を駆動してメモリ19内に記憶されている使用者が入力した電話番号と、三者通話用の電話番号とを比較し、各々に最適な通話回線を選択する。
【0064】
なお、本実施形態では、従来からのACR(Auto Cost Routing )機能やLCR(Least Cost Routing)機能のような電話番号にて通話料金を判定する機能を用いて最適な通話回線を選択するようにしている。ただし、たとえばACR機能などが無くても、自局電話番号を記憶することができるようにしておき、入力された電話番号および三者通話用の電話番号と自局電話番号とを比較し、通話先までの距離が、たとえば市内であるか市外であるかを判断してPSTN通話かVoIP通話かを選択することによって、最適な通話回線を選択することも可能である。また、インターネットなどの情報通信ネットワーク上で提供される通話料金情報を取得することによって通話回線を選択したり、ネットワーク上のサーバにて最適な回線を判断させた結果を元に選択したりすることも可能である。本発明では最適な通話回線を選択する手段および方法を限定するものではない。
【0065】
ステップb5で、三者通話用の番号がメモリ19に登録されていないと判断するときは、ステップb7で、電話制御部31はメモリ19に記憶されている使用者が入力した電話番号を、データ処理制御部32を駆動することによって取得し、使用回線判定部35を駆動し、VoIP通話かPSTNかを判定する。この判定結果によって、ADSL回線2aまたはPSTN回線2bかが最適な回線として選択される。
【0066】
ステップb6またはステップb7が終了すると、ステップb8に進み、電話制御部31は、選択した回線に応じて、PSTN回線2bであればダイヤル回路16を、ADSL回線2aであればVoIP制御部36をそれぞれ駆動し、使用者が入力してステップb1でメモリ19に取込まれている電話番号に対して、外線1を使用して発呼し、通話を開始する。ステップb9で、第三者への発呼の手順は終了する。
【0067】
図6は、図5のステップb9に続いて、図3のステップs3としての三者通話の手順を示す。以下、ステップb9までの手順で、外線1を使用して二者間通話が開始されている場合について説明する。図5のステップb8で最初から三者間通話を開始している場合も、本実施形態のVoIP電話機1では、2つのデジタル通話回線と1つのアナログ通話回線とで、合計3つの通話回線を使用することができるので、外線1と外線2とを使用していても、外線3への着信は可能である。したがって、以下の説明での外線1に外線1および外線2を該当させ、外線2に外線3を該当させればよい。より多くの外線に接続可能な場合も同様である。また、3以上の外線に接続可能な場合、外線1を使用していても、他の複数の外線への着信が可能である。着信がある外線が外線2以外である場合でも、以下の説明の外線2と同様に処理すればよい。
【0068】
ステップc0から手順を開始し、ステップc1で、電話制御部31は、着信検出回路17もしくはVoIP制御部36からの信号を監視し、外線2について、新たな着信が発生しているか否かを監視する。外線2について着信がなければ、ステップc2で、電話制御部31は操作検出部34からの信号を監視し、保留ボタン44が押下げられているか否かを判断する。保留ボタン44が押下げられていないと判断するときは、ステップc3で、電話制御部31は操作検出部34からの信号を監視し、パーティコールボタン41が押下げられているか否かを判断する。パーティコールボタン41が押下げられていないと判断するときはステップc1に戻り、押下げられていると判断するときは、ステップc4で、電話制御部31は外線1に関して切換回路13を駆動するとともに保留音を発生させ、外線1に対して保留音を送出し、外線1からの入力音声を遮断して保留状態とする。また、すでに外線1が保留状態であるときは何も行わない。
【0069】
次にステップc5で、電話制御部31は、データ処理制御部32を駆動し、使用者が入力した電話番号を一時的に記憶しておくダイヤルバッファをクリアする。ダイヤルバッファは、たとえばメモリ19に設けておく。ステップc6で、電話制御部31は、データ処理制御部32を駆動し、三者通話用の電話番号がメモリ19に登録されているか否かを判断する。メモリ19に登録されていると判断するときは、ステップc7で、電話制御部31は、データ処理制御部32を駆動し、三者通話用の電話番号をダイヤルバッファに転送する。ステップc7が終了したとき、またはステップc6で三者通話用の電話番号がメモリ19に登録されていないと判断するときは、ステップc8に進む。ステップc8で、電話制御部31は、操作検出部34を監視し、使用者が操作パネル24を用いて入力した電話番号を、データ処理制御部32を通してメモリ19内のダイヤルバッファに記憶する。
【0070】
次にステップc9で、電話制御部31は、操作検出部34からの信号を監視し、スピーカホン/発信ボタン45の押下げを監視する。スピーカホン/発信ボタン45の押下げがなければ、ステップc10で、電話制御部31は、最も近い操作検出部34が検出した使用者による電話番号入力からの経過時間を監視し、一定時間以上経過していればタイムアウトと判断して、ステップc11へ遷移する。ステップc10でタイムアウトと判断しないときは、ステップc8に戻る。ステップc9でスピーカホン/発信ボタン45の押下げがあるか、ステップc10でタイムアウトと判断するときは、ステップc11に進む。ステップc11で、電話制御部31は、メモリ19のダイヤルバッファに記憶されている電話番号を、データ処理制御部32を駆動することによって取得し、使用回線判定部35を駆動し、VoIP通話かPSTN通話かを判定して外線2として使用する通話回線を決定した後、ダイヤル回路16もしくはVoIP制御部36を駆動し、新たに外線2を接続して、ダイヤルバッファに記憶された電話番号に対して発呼し、ステップc12で外線2との通話を行う。
【0071】
次にステップc13およびステップc14で、電話制御部31は、操作検出部34からの信号を監視し、キャッチボタン42およびパーティコールボタン40の押下げをそれぞれ監視する。キャッチボタン42の押下げがなく、パーティコールボタン40が押下げられていれば、ステップs15で、使用者は三者通話を行うことができるようになる。
【0072】
ステップc1で、外線2に着信があると判断するとき、ステップc16に進み、電話制御部31は、外線2がアナログ通話回線であるかデジタル通話回線であるかに応じて、回線補足回路11もしくはVoIP制御部36を駆動し、外線2の着信を捕捉するとともに、外線1に対しては切換回路13を経由して外線2の着信が発生したことを音声で使用者に知らせるインハンド着信動作を行う。ステップc17で、電話制御部31は、操作検出部34からの信号を監視し、キャッチボタン42の押下げを監視し、押下げられるのを待つ。キャッチボタン42が押下げられると、ステップc18で外線1を保留し、ステップc12に移行し、着信が有った第三者と通話を行う。
【0073】
ステップc2で保留ボタン44が押下げられたと判断するとき、ステップc19で、電話制御部31は、現在の外線1の保留状態を判断する。保留されていないと判断するときには、ステップc20で外線1を保留状態にする。ステップc19で外線1が保留されていないと判断するときには、ステップc21で、外線1を保留解除する。すなわち、ステップc20、c21で、電話制御部31は、外線1に対して、現在とは異なるように、保留または保留解除をそれぞれ行う。ステップc20、c21の後は、ステップc3に進む。
【0074】
ステップc13でキャッチボタン42の押下げを検出すると、ステップc22で、電話制御部31は現在通話中の回線を判断する。外線2を使用しているときはテップc23に進み、電話制御部31は外線2を保留し、外線1での通話を開始させる。ステップc22で外線1を使用していると判断するときは、ステップc24に進み、電話制御部31は外線1を保留し、外線2での通話を開始させる。ステップc23またはステップc24に続いて、ステップc14に移行する。前述のように、ステップc14ではパーティコールボタン41の押下げを待ってステップc15からの三者通話に移行するので、パーティコールボタン41を押下げるまでは、キャッチホンボタン42の押下げがあるたびに、外線1と外線2とを交互に切換え、三者通話の事前に二者間での打ち合せ等を行うことができる。ステップc15で三者通話を開始すると、ステップc25で三者通話開始までの手順を終了する。
【0075】
図7は、図6のステップc25に続いて、図3のステップs4としての三者通話終了の手順を示す。ステップd0から手順を開始し、ステップd1で、電話制御部31は、操作検出部34からの信号を監視し、終話操作の有無を判定する。ハンドセット14のオンフックなどの終話操作がなされていないと判断するときは、ステップd2で、電話制御部31はキャッチ終了ボタン43の押下げを監視する。キャッチ終了ボタン43の押下げがなければステップd1に戻り、キャッチ終了ボタンの押下げがあると判断すれば、ステップd3に進む。
【0076】
ステップd3で、電話制御部31は、現在PSTN通話であるか否かを判断する。PSTN通話であると判断すると、ステップd4で、電話制御部31は表示制御部33を駆動して、使用者にアナログ通話回線の切断を確認する内容を、表示部20を用いて表示させる。ステップd5では、キャッチ終了ボタン43の押下げがないことを確認する。ステップd6では、マルチファンクションキー46の中央の機能ボタン47の押下げの有無を判断する。機能ボタン47の押下げがなければ、ステップd5に戻る。ステップd6で機能ボタン47の押下げがあると判断すれば、ステップd7で、電話制御部31はPSTN通話を切断する制御を行う。
【0077】
ステップd3でPSTN通話ではないと判断するとき、またはステップd5でキャッチ終了ボタン43の押下げと判断するときは、ステップd8に進む。ステップd8で、電話制御部31は、現在、VoIP通話の1通話目であるIP1通話を行っているか否かを判断する。IP1通話であると判断すると、ステップd9で、電話制御部31は表示制御部33を駆動して、使用者に1通話目のデジタル通話回線の切断を確認する内容を、表示部20を用いて表示させる。ステップd10では、キャッチ終了ボタン43の押下げがないことを確認する。ステップd11では、マルチファンクションキー46の中央の機能ボタン47の押下げの有無を判断する。機能ボタン47の押下げがなければ、ステップd10に戻る。ステップd11で機能ボタン47の押下げがあると判断すれば、ステップd12で、電話制御部31はIP1通話を切断する制御を行う。
【0078】
ステップd8でIP1通話ではないと判断するとき、またはステップd10でキャッチ終了ボタン43の押下げと判断するときは、ステップd13に進む。ステップd13で、電話制御部31は、現在、VoIP通話の2通話目であるIP2通話を行っているか否かを判断する。IP2通話であると判断すると、ステップd14で、電話制御部31は表示制御部33を駆動して、使用者に2通話目のデジタル通話回線の切断を確認する内容を、表示部20を用いて表示させる。ステップd15では、キャッチ終了ボタン43の押下げがないことを確認する。ステップd16では、マルチファンクションキー46の中央の機能ボタン47の押下げの有無を判断する。機能ボタン47の押下げがなければ、ステップd15に戻る。ステップd16で機能ボタン47の押下げがあると判断すれば、ステップd17で、電話制御部31はIP1通話を切断する制御を行う。
【0079】
すなわち、使用者は、三者通話中にキャッチ終了ボタン43を押下げる操作を行うと、そのとき通話に使用している回線が表示され、確認ボタン47の押下げ操作で、その回線の切断を行うことができる。確認ボタン47の代りにキャッチ終了ボタン43を押下げると、切断の対象となる回線を変更することができる。
【0080】
ステップd7、d12、またはd17が終了したとき、ステップd1に戻る。ステップd13でIP2通話を行っていないと判断するときは、切断する回線の候補がないことになり、ステップd1に戻る。ステップd15でキャッチ終了ボタン43の押下げと判断するときも、ステップd1に戻る。ステップd1で終話操作が行われたと判断するときは、電話制御部31は現在通話中の全ての回線を切断し、待受け状態へと遷移するように制御する。
【0081】
図8は、図1のVoIP電話機1で、三者通話を行う際の操作仕様の概要を示す。1通話目の通話中には、保留ボタン44の押下げで、外線1の通話e1と保留e2とを交互に切換えることができる。パーティコールボタン41が押下げられれば、外線1を保留にして、外線2で第三者を呼出すためのパーティコール番号の入力を行う状態e3に移る。状態e3で、表示部20には、「バンゴウ?」など、番号入力を促す表示が行われる。この表示に従って、たとえば「03011112222」などの番号をダイヤルボタン40などを使用して入力すると、状態e4に移る。状態e4になった後、スピーカホン/発信ボタン45が押下げられるか、たとえば5秒の時間経過によるタイムアウトとなると、状態e5で、外線1を保留状態にして、外線2で第三者へ発呼するキャッチホン通話を行うことができる。状態e5になった後、たとえば20秒の時間経過によるタイムアウトとなると、状態e7に移行し、表示部20にて通話時間を表示する。
【0082】
なお、状態e1、すなわち外線1を介する二者間の通話中に、外線2から2通話目の着信があるときは、状態e6に移行して、外線1では通話を続けるとともに、外線2に着信がある旨を知らせるインハンド着信が行われる。表示部20には、着信した第三者からの電話番号が表示される。状態e6でキャッチボタン42が押下げられると、状態e7に移る。状態e7では、外線1を保留にして、外線2で第三者通話であるキャッチホン通話を行う。状態e7でキャッチボタン42を押下げると、状態e8に移り、外線1に対してキャッチホン通話を行い、外線2は保留する。状態e5でキャッチボタン42を押下げると、状態e8に移る。状態e7と状態e8との間は、キャッチボタン42の押下げで交互に移動する。
【0083】
状態e7または状態e8で、パーティコールボタン41が押下げられれば、状態e9で三者通話であるパーティコールの状態に移る。状態e9からキャッチ終了ボタン43を押下げれば、PSTN通話がなされているか否かに応じ、PSTN通話をしていれば、状態e10で、たとえば「イッパンセツダン?」と、表示部20に、一般電話を切断することを確認する表示がなされ、機能ボタン47が押下げられれば、PSTN通話を切断して、状態e1に移る。
【0084】
状態e9でのキャッチ終了ボタン43の押下げで、PSTN通話をしていないとき、または状態e10でキャッチ終了ボタン43の押下げがあるときは、IP1通話の有無を判断し、IP1通話をしていれば状態e11に移る。状態e11では、たとえば「IP1セツダン?」などの表示が行われ、機能ボタン47が押下げられれば、IP1通話を切断して、状態e1に移る。なお、IP1通話をしていないとき、または状態e11でキャッチ終了ボタン43の押下げがあるときは、IP2通話の有無を判断し、IP2通話をしていれば状態e12に移る。状態e12では、たとえば「IP2セツダン?」などの表示が行われ、機能ボタン47が押下げられれば、IP2通話を切断して、状態e1に移る。なお、IP2通話をしていないとき、または状態e12でキャッチ終了ボタン43の押下げがあるときは、状態e9に移る。
【0085】
なお、図3〜図7や図8で使用する操作ボタンなどは一例であり、名称などは任意に選択することができる。また、複数の操作ボタンの機能を、同一の操作ボタンで果すようにすることもできる。たとえばパーティコールボタン41とキャッチボタン42とを兼用し、操作の態様で機能を区別するようにすることもできる。
【0086】
図9は、本実施形態のVoIP電話機1で、ハンドセット14を使用して、PSTN通話とIP1によるVoIP通話とで三者通話を行う場合ためのミキシング処理を行う機能を備える切換回路13の接続状況を示す。切換回路13は、複数の入力側と複数の出力側とを選択的に接続可能なクロスポイント回路で構成される。2通話回線分のデジタル音声信号は、DSP25で1chと2chとに分離される。切換回路13は、ハンドセット14の送話器であるマイクをスピーチネットワーク12とDSPの1chの入力側に接続し、VoIP電話機1の使用者の音声がPSTN側とIP1側に同時に送出されるようにしている。またスピーチネットワークからの音声を、ハンドセット14の受話器であるイヤピースとDSP25の1chの入力側に接続し、PSTN通話の相手からの音声がハンドセット14とIP1側とに同時に送出されるようにしている。IP1側には、ハンドセット14に向けて発声する使用者の音声信号と、PSTN通話の相手からの音声信号とがミキシングされて伝送される。DSP25の1chの出力側からの音声は、ハンドセット14のイヤピースとスピーチネットワーク12とへ、同時に送出される。これによって、使用者は、PSTN通話とIP1通話との両方の相手からの音声をハンドセット14で聞くことができる。PSTN通話の相手には、使用者からの音声信号とIP1通話の相手からの音声信号とがミキシングされて伝送される。
【0087】
図9と同様な接続の切換えは、DSPの1chと2chとの間でも行うことができ、VoIP通話同士で三者通話を実現することもできる。使用者の音声の入出力にハンドセット14を用いずに、入力にマイクを用い、出力にスピーカを用いることもできる。
【0088】
以上で説明しているように、本実施形態のVoIP電話機1では、次のような動作をするようにている。
【0089】
1)通話中に別番号へ発呼できるように、通話中もしくは通話保留中にパーティコールボタン41の押下げ、もしくはキャッチボタン42の長押し、もしくはキャッチボタン42の一定時間内の複数回押下げにより、通話中の相手を保留状態にしてダイヤル入力可能にすることができる機能を設けている。使用者は2回線目の通話を行うタイミングを自ら指定することができるため、使い勝手の向上につながる。それに加え、通話中であった相手の通話は保留した状態となるため、従来から広く行われているように保留音を送出し、もしくは保留コマンドを送出することによって、相手側端末にて保留音を鳴らすことができ、通話中であった相手は保留音を聞くことになるため、全く違和感無く待機することができ、使い勝手の向上につながる。
【0090】
2)通話中に別番号へ発呼できるように、通話保留中のダイヤル入力の後、スピーカホン/発信ボタン45、もしくは数秒程度の固定時間のタイムアウトによって発呼動作を開始する機能を設けている。使用者は通常の通話開始時の発呼動作と同様の操作によって二通話目の発呼が可能であるため、使い勝手の向上につながる。
【0091】
3)通話中に別番号へ発信、もしくは通話中に着信を受けキャッチホン操作(キャッチボタン42押下げ)を行うことによって、それまで通話中であった相手との通話を保留し、別の相手との通話が開始された状態で、各々の相手と通話することができるように、キャッチボタン42の押下げによって、各々の通話を交互に切換えることができる機能を設けている。使用者は三者通話を行う前にも各々の通話相手と話をすることができるため、使い勝手の向上につながる。
【0092】
4)通話中に別番号へ発信、もしくは通話中に着信を受けキャッチホン操作(キャッチボタン42押下げ)を行うことによって、それまで通話中であった相手との通話を保留し、別の相手との通話が開始された状態で、三者通話を開始するために、パーティコールボタン41の押下げ、もしくはキャッチボタン42の長押し、もしくはキャッチボタン42の一定時間内の複数回押下げにより、三者通話を開始することができる機能を設けている。使用者は直感的な操作で三者通話を開始することができるため、使い勝手の向上につながる。
【0093】
5)複数台のVoIP電話機1にて通話する場合、三者通話を行うと通話経路が巡廻してしまう場合があるという可能性を排除するためには、三者通話が行える条件として、二通話ともが発信通話である場合にのみ三者通話を可能とする機能を設けるようにすればよい。このような機能を設けることによって、通話経路が巡廻して音声のハウリングやエコーなどが発生し、通話が行いにくくなる現象の発生を防ぐことができるため、使い勝手の向上につながる。
【0094】
6)三者通話を終了するときに、どの回線での通話を終了するのかを選択可能にするために、三者通話中にキャッチ終了ボタン43を押下することによって現在三者通話に使用中の切断対象となる回線のみを選択および表示し、さらにキャッチボタン42を押下げるたびに、切断対象となる回線の選択および表示を順次切換える機能を設けている。使用者は自分の好きなタイミングで、三者通話に使用している回線のみを対象に切断の選択と実行が行えるようになるため、使い勝手の向上につながる。
【0095】
7)三者通話を終了するときに、使用者が選択した回線のみ切断することができるようにするため、切断したい回線を選択し表示した状態で、機能ボタン47を押下げれば、その回線を切断することができる機能を設けている。これによって、使用者は直感的な操作で切断したい回線のみを切断することができるようになるため、使い勝手の向上につながる。
【0096】
8)三者通話中に相手の一人が通話を切断した際にも、上記6)または7)と同様の操作にて通話を切断した相手の回線での通話のみを終了させることができる機能を設けている。これは特に、PSTNでの通話相手が切断を行った場合、ビジー信号、もしくは(こちらが着信通話の場合)終話信号をみて通話を終了することが常に可能ではないので、自動で切断することはできない。したがって使用者は、PSTNでの通話者が通話を終了したことを知った後、選択的にPSTN通話を切断する操作が必要不可欠である。これによって、使用者は相手側から切断された通話を選択して確実に通話を終了することができるため、使い勝手の向上につながる。
【0097】
9)上記7)および8)の操作によって三者通話を終了した後も、シームレスに通常の通話を継続することができる機能を設けている。これによって、通話を継続したまま、三者通話から通常の二者間通話に切換えることができるようになるため、使い勝手の向上につながる。
【0098】
なお、本実施形態のVoIP電話機1のように、複数回線を収容しうる端末の機能として三者通話が可能な電話機として、特開平9−168064号公報(特許文献1)記載の電話機があるけれども、この電話機では、デジタル通話回線のみを複数回線収容できるだけであり、アナログ通話回線を同時に収容することはできず、デジタル通話が行えない相手との通話においては三者通話は利用することができないという不具合がある。また、デジタル通話同士での三者通話に関しても具体的な記載はない。本実施形態のように複数回線収容する端末の機能として三者通話が可能な電話機は、従来は存在しなかった。
【0099】
さらに、本実施形態のVoIP電話機1では、1本の物理的な接続線である加入者回線2にてアナログ通話回線と複数のデジタル通話回線とを収容することができるため、利用者においては、煩雑な接続作業を行わなくて済み、また、部屋の外観を損ねることなく、本電話機を設置することが可能である。ただし、単一の接続線ではなく、複数の接続線、たとえばPSTNやISDNの加入者線と、FTTH(Fiber To The Home )などの光ファイバや、CATV(CableTeleVision)などのブロードバンド化されている接続線や、データ通信専用の通信線とを接続する電話機であっても、本発明を同様に適用することができる。
【0100】
本発明では端末の機能として三者通話が行えるので、電話会社との面倒な契約や無駄な料金の支払いの必要がなく、利用者は好きなときにいつでも三者通話を楽しむことができる。一方、本発明を適用する電話機は、端末にて三者通話が行えるので、電話会社は余計な設備投資を行わなくてよく、大幅なコストダウンを図ることが可能となる。
【0101】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、二者間の通話を保留状態にして第三者との通話を開始させるので、円滑に第三者との通話を開始することができる。三者通話は、ミキシング処理で、二者間通話の相手側の音声と第三者の音声とを、他方に送信する音声に加えるので、交換機やサーバによらず、複数の通話回線を使用するだけで三者通話を実現することができる。すなわち、複数の通話回線を同時に使用可能であれば、電話回線網の機能には依存せずに三者通話が可能になる。三者間での相互通話を開始させる前に、第三者への通話を開始させることができるので、第三者との通話から、円滑に三者通話に移行させることができる。
【0102】
また本発明によれば、PSTNなどのアナログ通話回線を介する二者間での通話中に、第三者との通話をインターネットなどを利用するデジタル通話回線を介して開始し、電話装置のミキシング手段で音声のミキシング処理を行うことによって、二者間の通話から、少なくとも三者にて同時に相互通話が行えるように、円滑に移行することができる。
【0103】
また本発明によれば、インターネットなどを利用するデジタル通話回線を介する二者間での通話中に、第三者との通話をPSTNなどのアナログ通話回線を介して開始し、電話装置のミキシング手段で音声のミキシング処理を行うことによって、二者間の通話から、少なくとも三者にて同時に相互通話が行えるように、円滑に移行することができる。
【0104】
また本発明によれば、インターネットなどを利用するデジタル通話回線を介する二者間での通話中に、第三者との通話を他のデジタル通話回線を介して開始し、電話装置のミキシング手段で音声のミキシング処理を行うことによって、二者間の通話と第三者に対する通話とを音声的に接続し、少なくとも三者にて同時に相互通話が行えるよう、円滑に移行することができる。
【0105】
また本発明によれば、二者間での通話中に、その通話を保留状態にして、第三者に対する発呼で、第三者を円滑に三者通話に引込むことができる。
【0106】
また本発明によれば、電話装置の使用者は、第三者への2回線目の通話を行うタイミングを自ら指定することができるため、使い勝手の向上につながる。それに加え,通話中であった相手への通話は保留状態となるため、従来から広く行われているように保留音を送出し、もしくは保留コマンドを送出するようにすれば、相手側端末にて保留音を鳴らすことによって、通話中であった相手は保留音を聞くことになるため、全く違和感無く待機することができ、使い勝手の向上を図ることができる。
【0107】
また本発明によれば電話装置の使用者は通常の通話開始時の発呼動作と全く同様の操作によって、第三者に対する二通話目の発呼が可能となるため、使い勝手の向上を図ることができる。
【0108】
また本発明によれば、音声をミキシングして三者通話を行うと、通話経路が巡廻してしまう可能性があっても、三者通話が行える条件として、二通話ともが発信通話である場合にのみ三者通話を可能とする機能を設けるので、通話経路が巡廻して音声のハウリングやエコーなどが発生し、通話が行いにくくなる現象の発生を防ぐことができるため、使い勝手の向上を図ることができる。
【0109】
また本発明によれば、二者間での通話中に第三者からの着信があれば、着信した第三者を円滑に参加させて三者通話に移行することが可能となるため、使い勝手の向上を図ることができる。
【0110】
また本発明によれば、二者間での通話中に、たとえばキャッチホン操作(キャッチボタン押下)により、それまで二者間で通話中であった相手との通話を保留し、別の相手である第三者との通話を開始することができる。このような二者通話を保留にしたままの第三者への単独通話中の状態で、たとえばパーティコールボタン押下、もしくはキャッチボタンの長押し、もしくはキャッチボタンの一定時間内の複数回押下などによって、三者通話を開始することができる。これによって、電話装置の使用者は、直感的な操作で三者通話を開始することができるため、使い勝手の向上を図ることができる。
【0111】
また本発明によれば、二者間での通話中に、たとえばキャッチホン操作(キャッチボタン押下)により、それまで通話中であった相手との通話を保留し、別の相手との通話が開始された状態で、各々の相手と通話できるように、キャッチボタン押下などの操作により、各々の通話を交互に切換えることができる。これによって、電話装置の使用者は三者通話を行う前にも各々の通話相手と通話を行うことができるため、使い勝手の向上を図ることができる。
【0112】
また本発明によれば、電話装置の使用者は、三者通話に使用している通話回線に対して、任意に切断の選択と実行とを行えるようになるため、使い勝手の向上を図ることができる。また、三者通話中に相手の一人が通話回線を切断した際にも、同様の操作で通話を切断した相手との通話回線での通話のみを終了させることができるので、使い勝手の向上を図ることができる。さらに、三者通話を終了した後も、他の相手との間では、シームレスに通常の通話を継続することができるので、通話を継続したまま、三者通話から通常の二者間通話に切換えることができるようになり、使い勝手の向上を図ることができる。
【0113】
また本発明によれば、選択した通話回線を切断するか否かを判断してから切断することができ、使い勝手をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である電話装置としてのVoIP電話機1の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1のVoIP電話機1の外観構成を示す操作パネル24の正面図である。
【図3】図1のVoIP電話機1で三者通話を行う概略的な手順を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップs1で、発呼操作がなされるのを待つ手順を示すフローチャートである。
【図5】図3のステップs2で、発呼から開始する通話の手順を示すフローチャートである。
【図6】図3のステップs3で、三者通話を行う手順を示すフローチャートである。
【図7】図3のステップs4で、三者通話を終了させる手順を示すフローチャートである。
【図8】図1のVoIP電話機1で、三者通話を行う際の操作に伴う状態遷移を示す図である。
【図9】図1のVoIP電話機1で、切換回路13がミキシング手段として、三者通話を行う際に切換えられる接続の例を示す図である。
【符号の説明】
1 VoIP電話機
2 加入者回線
2a ADSL回線
2b PSTN回線
12 スピーチネットワーク
13 切換回路
14 ハンドセット
16 ダイヤル回路
17 着信検出回路
19 メモリ
20 表示部
21 VoIP使用可能LED
24 操作パネル
25 DSP
27 スプリッタ
30 制御部
31 電話制御部
32 データ処理制御部
33 表示制御部
34 操作検出部
35 使用回線判定部
36 VoIP制御部
39 パーティコール制御部
40 ダイヤルボタン
41 パーティコールボタン
42 キャッチボタン
43 キャッチ終了ボタン
44 保留ボタン
45 スピーカホン/発信ボタン
47 機能ボタン

Claims (13)

  1. デジタルデータ通信で電話通話を行うデジタル通話回線を含む複数の通話回線に接続可能な電話装置であって、
    複数の通話回線で電話通話を行うときに、一つの通話回線から受信する音声を他の通話回線に送信する音声に加えることが可能なミキシング手段と、
    二者間での通話中に、該二者間の通話を保留状態にして、第三者との通話を開始させる第三通話開始手段と、
    保留状態となっている二者間での通話を再開させ、第三通話開始手段によって開始される通話で受信する第三者の音声を、再開される通話の相手側へ送信する音声に加え、該相手側から受信する音声を、該第三者へ送信する音声に加えるようにミキシング手段を制御して、三者間での相互通話を開始させる三者通話制御手段とを含むことを特徴とする電話装置。
  2. 前記通話回線には、公衆電話網を介して電話通話を行うアナログ通話回線が含まれ、
    前記二者間での通話は、該アナログ通話回線を介して行われ、
    前記第三者との通話は、前記デジタル通話回線を介して行われることを特徴とする請求項1記載の電話装置。
  3. 前記通話回線には、公衆電話網を介して電話通話を行うアナログ通話回線が含まれ、
    前記二者間での通話は、前記デジタル通話回線を介して行われ、
    前記第三者との通話は、該アナログ通話回線を介して行われることを特徴とする請求項1記載の電話装置。
  4. 前記複数の通話回線として、異なるデジタル通話回線に接続可能であり、
    前記二者間での通話は、一つのデジタル通話回線を介して行われ、
    前記第三者との通話は、他のデジタル通話回線を介して行われることを特徴とする請求項1記載の電話装置。
  5. 前記第三通話開始手段は、前記第三者に対する発呼によって前記通話を開始することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電話装置。
  6. 前記第三通話開始手段は、予め定める入力操作に応答して、前記二者間の通話を保留状態とし、前記第三者に対する発呼を可能にすることを特徴とする請求項5記載の電話装置。
  7. 前記二者間での通話を発呼によって開始する際には、発信先指定操作に続いて予め定める発呼条件が満たされ、
    前記第三通話開始手段は、前記第三者に対する発呼のための発信先指定操作に続いて、該発呼条件が満たされるときに、該第三者への発呼を実行することを特徴とする請求項6記載の電話装置。
  8. 前記第三通話開始手段は、前記二者間での通話が発信通話である場合のみ、前記発呼を有効とすることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の電話装置。
  9. 前記第三通話開始手段は、前記第三者からの着信に応答して前記通話を開始することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電話装置。
  10. 前記第三通話開始手段は、予め定める単独通話指定操作に応答し、前記二者間での通話を保留にして、前記第三者との通話を可能にし、
    前記三者通話制御手段は、該単独通話指定操作とは異なる予め定める相互通話指定操作に応答し、前記三者間での相互通話を開始させることを特徴とする請求項9記載の電話装置。
  11. 前記第三通話開始手段は、前記単独通話指定操作が繰返されるとき、通話の対象となる相手と、通話を保留にする相手とを、交互に切換えることを特徴とする請求項10記載の電話装置。
  12. 前記三者通話に使用する通話回線の表示が可能な表示手段をさらに含み、
    前記三者通話制御手段は、予め定める回線選択操作に応答して、三者通話に使用中の通話回線で、電話通話を終了する通話回線を選択し、表示手段によって表示するように制御することを特徴とする請求項1記載の電話装置。
  13. 前記三者通話制御手段は、予め定める回線切断操作に応答し、前記回線選択操作に応答して選択表示されている通話回線のみを切断するように制御することを特徴とする請求項12記載の電話装置。
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