JP3753406B2 - 樹脂被覆金属板の製造装置および製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂被覆金属板の製造装置および製造方法に関する。より詳細には、加熱溶融した樹脂をTダイから金属板上に押出し、次いでコーターロールを用いて溶融樹脂膜と金属板を挟み付けて樹脂膜を金属板に被覆する際に、Tダイとコーターロールの間にTダイから押出された溶融樹脂膜の両端部付近の大気を吸引する2組の吸引部を設けて吸引し、溶融樹脂膜の両端部を吸引方向へ引寄せることにより溶融樹脂膜がネックイン(幅方向における収縮)することを防止する樹脂被覆金属板の製造装置、およびその装置を用いた製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂を加熱溶融し、T字状のダイスに設けた狭小なスリットから連続的に進行する金属板上に押出し、次いでロールを用いて樹脂と金属板を挟み付け、樹脂膜を金属板に被覆する押出被覆法が、樹脂被覆金属板分野で広く実施されている。加熱溶融した樹脂をTダイから押出す場合、Tダイのスリットから押出された溶融樹脂膜は金属板に接するまでの間にTダイのスリットの幅方向に収縮(ネックイン)する現象が不可避的に生じる。溶融樹脂膜のネックイン現象は、樹脂組成や樹脂の溶融粘度、Tダイのスリットから金属板に接するまでの間のギャップ(エアギャップ)、樹脂膜の被覆速度、すなわち溶融樹脂を連続的に進行する金属板に接触させロールで挟み付けて被覆する速度などにより変動するが、Tダイのスリットから出てくる溶融樹脂の速度が樹脂膜の被覆速度に追従できない場合に発生すると推測され、樹脂膜両端部の膜厚は他の部分より極端に厚くなる。また、ネックイン現象がさらに悪化すると、Tダイのスリットから押出された樹脂はTダイの直下に懸垂し、ある程度樹脂が蓄積すると一気に金属板上に落下する、といった状態が繰返して生じるようになり、その度にネックインが大きくなったり小さくなったりする脈動現象が発生し、また金属板上に被覆された樹脂膜の厚さも周期的に変動し不均一になる。本発明の押出被覆法においては金属板の全面が樹脂で被覆されることを前提としており、Tダイのスリットから押出された溶融樹脂膜の幅は金属板の幅より常時大となるようにする必要がある。そのため、ネックインを見越してTダイのスリットの幅は金属板の幅よりかなり大きめに設けておかなくてはならいが、さらにネックインが大きくなると溶融樹脂の幅が金属板の幅より小さくなり、金属板の全面を完全に被覆することができなくなる。したがって、ネックインを極小に抑制すること、および脈動現象を防止することは、スリット幅の小さいTダイを用い、製造装置をコンパクトにして安定した被覆作業を可能とし、さらに一定厚みを有するフィルムの被覆を可能とする上で極めて重要である。
【0003】
加熱溶融樹脂膜のネックインを防止する方法としては、溶融樹脂膜を冷却固化用のキャスティングロール上に懸垂落下させた後、図1に示すように、溶融樹脂膜3の全幅に亙って、その一方から溶融樹脂膜押し付け手段12を用いて、加圧気体を吹き付けて、溶融樹脂膜3をキャスティングロール8表面に押し付けると同時に、反対側から溶融樹脂膜吸引手段11を用いて溶融樹脂膜3直近の大気を吸引し、溶融樹脂膜3をキャスティングロール8表面に付着せしめるように付勢する装置が考案され、フィルム製膜装置に取付けられ使用されている。しかし、この装置においては、Tダイとキャスティングロールの間に溶融樹脂膜吸引手段の吸引ノズルを設けなくてはならず、そのための設置スペースが必要となる。そのためTダイとキャスティングロールの間の距離をある程度広げなくてはならず、それだけ溶融樹脂膜の懸垂落下距離が大きくなり、ネックインが増加してしまうことは避けられない。したがって、この装置を本発明の樹脂被覆金属板の製造装置に適用することはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、加熱溶融した樹脂をTダイから金属板上に押出し、次いでコーターロールを用いて溶融樹脂膜と金属板を挟み付けて樹脂膜を金属板に被覆する際に、
Tダイから押出された溶融樹脂膜がネックインすることを防止する樹脂被覆金属板の製造装置、およびその装置を用いた製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
本発明の請求項1に記載の樹脂被覆金属板の製造装置は、加熱溶融した樹脂をTダイから金属板の両面上に押出し、次いでコーターロールを用いて溶融樹脂膜と金属板を挟み付けることにより樹脂膜を金属板の両面に被覆する樹脂被覆金属板の製造装置において、
Tダイから押出された溶融樹脂膜の両端部付近の大気を吸引して溶融樹脂膜の両端部を吸引方向へ引き寄せる、
吸引ノズルと前記吸引ノズルを吸引手段に接続する接続手段とを1組とする吸引部が、
Tダイとコーターロールの間で、かつ、溶融樹脂膜の両端部付近に、
各々1組ずつ設けられているとともに、
前記コーターロールを用いて溶融樹脂膜と金属板を挟み付けることにより、金属板の両側からはみだした樹脂膜を重ねて一体化した樹脂膜のみからなる部分を形成するようにしたことを特徴とする。
請求項2の樹脂被覆金属板の製造方法は、加熱溶融した樹脂をTダイから金属板の両面上に押出し、次いでコーターロールを用いて溶融樹脂膜と金属板を挟み付けて樹脂膜を金属板の両面に被覆する際に、
Tダイとコーターロールの間にTダイから押出された溶融樹脂膜の両端部付近の大気を吸引する、
吸引ノズルと前記吸引ノズルを吸引手段に接続する接続手段とを1組とする吸引部を、
Tダイとコーターロールの間で、かつ、溶融樹脂膜の両端部付近に、各々1組ずつ設けて吸引し、
溶融樹脂膜の両端部を吸引方向へ引き寄せるとともに、
前記コーターロールを用いて溶融樹脂膜と金属板を挟み付けることにより、金属板の両側からはみだした樹脂膜を重ねて一体化した樹脂膜のみからなる部分を形成するようにしたことにより溶融樹脂膜がネックインすることを防止することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明においては、加熱溶融した樹脂をTダイから金属板上に押出し、次いでコーターロールを用いて溶融樹脂膜と金属板を挟み付けて樹脂膜を金属板に被覆する際に、Tダイとコーターロールの間にTダイから押出された溶融樹脂膜の両端部付近の大気を吸引する2組の吸引部を設けて吸引し、溶融樹脂膜の両端部を吸引方向に引寄せることにより溶融樹脂膜がネックインすることを防止するものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
図2および3に、本発明の樹脂被覆金属板の製造装置の一例を示す。
図2においては、金属板の両面に樹脂膜が被覆される例を示す。図2および3に示すように、加熱溶融された樹脂は、Tダイ2の下面に設けたスリット(図示せず)から溶融樹脂膜3および3aとして押出され、両幅にWn のネックインを生じてWt の幅に縮幅され懸垂落下するが、Tダイ2の直下に左右2組の溶融樹脂膜の両端部付近の大気を吸引する吸引部5を設け、溶融樹脂膜の両端部3a付近の大気を吸引し、溶融樹脂膜の両端部3aを吸引方向に引寄せることにより、それ以上の縮幅が防止される。吸引部5の吸引効果が及ばない部分の溶融樹脂膜3は、吸引部5の直下にTダイ2の下面に設けたスリットと平行な回転軸を有するように設けたコーターロール4により、金属板1とともに挟み付けられ、両側に金属板からはみだした吸引部5で引寄せられて重なり合って一体化した樹脂膜のみからなる部分7を有する樹脂被覆金属板6となる。
【0008】
それぞれの吸引部5は、図4に示すように溶融樹脂膜端部3aの末端の直近に配設された吸引ノズル5aと、吸引ノズル5aを図示しないロータリーポンプなどの吸引手段に接続するための耐圧ホースなどからなる接続手段5bとから構成される。
【0009】
上記のようにして構成される吸引部5をTダイ2直下のコーターロール4との間に、溶融樹脂膜端部3aの末端の直近に配設し、溶融樹脂膜端部3a付近の大気を吸引することにより、溶融樹脂膜端部3aから吸引ノズルに向かう気流が生じ、その気流によって溶融樹脂膜端部3aが吸引ノズルの方向に引寄せられることにより、Tダイ2から押出され、両幅にネックインを生じて縮幅されて懸垂落下する溶融樹脂膜3のそれ以上の縮幅を防止することができる。
【0010】
前述した装置においては、金属板の両面に樹脂膜を被覆する場合を示したが、図2および4から明らかなように、これらの装置は金属板の片面のみに樹脂膜を被覆する場合にも、装置に何等の変更を加えることなく、そのまま適用することが可能である。
【0011】
【発明の効果】
本発明の装置は、加熱溶融した樹脂をTダイから金属板上に押出し、次いでコーターロールを用いて溶融樹脂膜と金属板を挟み付けて樹脂膜を金属板に被覆する際に、Tダイとコーターロールの間にTダイから押出された溶融樹脂膜の両端部付近の大気を吸引する2組の吸引部を設けたことを特徴とする樹脂被覆金属板の製造装置であり、本発明の装置を用い、溶融樹脂膜の両端部を吸引方向へ引寄せることにより溶融樹脂膜のネックインが抑制される。また金属板全面が一定厚みを有するフィルムで被覆された樹脂被覆金属板を、コンパクトな製造装置を用いて製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の溶融樹脂膜製造装置を示す概略図である。
【図2】本発明の樹脂被覆金属板の製造装置の一例を示す概略側面図である。
【図3】本発明の樹脂被覆金属板の製造装置の一例を示す概略正面図である。
【図4】本発明の樹脂被覆金属板の製造装置の吸引部の構成を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1:金属板
2:Tダイ
3:溶融樹脂膜
3a:溶融樹脂膜の両端部
4:コーターロール
5:吸引部
5a:吸引ノズル
5b:接続手段
5c:大気が吸引される方向
6:樹脂被覆金属板
7:金属板からはみ出ている部分の樹脂膜
8:キャスティングロール
11:溶融樹脂膜吸引手段
12:溶融樹脂膜押し付け手段
Wn:ネックイン幅
Wt:ネックインを生じた溶融樹脂膜の幅
Claims (2)
- 加熱溶融した樹脂をTダイから金属板の両面上に押出し、次いでコーターロールを用いて溶融樹脂膜と金属板を挟み付けることにより樹脂膜を金属板の両面に被覆する樹脂被覆金属板の製造装置において、
Tダイから押出された溶融樹脂膜の両端部付近の大気を吸引して溶融樹脂膜の両端部を吸引方向へ引き寄せる、
吸引ノズルと前記吸引ノズルを吸引手段に接続する接続手段とを1組とする吸引部が、
Tダイとコーターロールの間で、かつ、溶融樹脂膜の両端部付近に、
各々1組ずつ設けられているとともに、
前記コーターロールを用いて溶融樹脂膜と金属板を挟み付けることにより、金属板の両側からはみだした樹脂膜を重ねて一体化した樹脂膜のみからなる部分を形成するようにした樹脂被覆金属板の製造装置。 - 加熱溶融した樹脂をTダイから金属板の両面上に押出し、次いでコーターロールを用いて溶融樹脂膜と金属板を挟み付けて樹脂膜を金属板の両面に被覆する際に、
Tダイとコーターロールの間にTダイから押出された溶融樹脂膜の両端部付近の大気を吸引する、
吸引ノズルと前記吸引ノズルを吸引手段に接続する接続手段とを1組とする吸引部を、
Tダイとコーターロールの間で、かつ、溶融樹脂膜の両端部付近に、各々1組ずつ設けて吸引し、
溶融樹脂膜の両端部を吸引方向へ引き寄せるとともに、
前記コーターロールを用いて溶融樹脂膜と金属板を挟み付けることにより、金属板の両側からはみだした樹脂膜を重ねて一体化した樹脂膜のみからなる部分を形成するようにしたことにより溶融樹脂膜がネックインすることを防止することを特徴とする、樹脂被覆金属板の製造方法。
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