JP3753271B2 - 大口径ズームレンズ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は大口径ズームレンズに関し、特に比較的大きい画角および比較的大きい口径を有する大口径高倍率ズームレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、物体側から順に正レンズ群と負レンズ群とから始まる、いわゆる標準ズームレンズが多数提案されている。特に、特開昭58−30709号公報および特開昭58−179810号公報には、62°の最大画角を有し、約3倍の変倍比を有する小型の標準ズームレンズが提案されている。
【0003】
また、本出願人の出願にかかる特開平4−208911号公報および特開平4−208912号公報には、大口径化された高倍率ズームレンズが提案されている。この高倍率ズームレンズは、62°の最大画角を有し、約3倍の変倍比を有し、変倍域の全体に亘ってFナンバーが2.8で標準ズームレンズとしては大きな口径を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭58−30709号公報および特開昭58−179810号公報に開示されたズームレンズは、Fナンバーが3.5と比較的大きな口径を有する(比較的明るい)が、変倍比が3倍程度であり、最大画角も62°程度しかない。また、収差的な観点から見ても、球面収差や変倍に伴う非点収差の変動が良好に補正されておらず、コマ収差の変動も残留している。したがって、このズームレンズの構成および屈折力配置に基づいて、画角が75°を越える大口径高倍率ズームレンズを実現することは困難である。
【0005】
また、特開平4−208911号公報および特開平4−208912号公報に開示された大口径ズームレンズでは、収差補正が良好に行われ、Fナンバーが2.8と明るいが、変倍比が3倍程度であり、最大画角も62°程度しか有していない。
このように、従来のズームレンズでは、さらなる高倍率化および大画角化が望まれている。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、大きな画角を有し、3.5倍を越える高い変倍比を有し、Fナンバーが2.8から3.5程度の大きい口径を有する高性能なズームレンズを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明においては、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とからなり、前記第1レンズ群G1と前記第2レンズ群G2との間の空気間隔を変化させ、前記第2レンズ群G2と前記第3レンズ群G3との間の空気間隔を変化させ、前記第3レンズ群G3と前記第4レンズ群G4との間の空気間隔を変化させることによって変倍を行い、
前記第2レンズ群G2は、物体側から順に、少なくとも1つの面が非球面状に形成された負レンズ成分L2Aと、物体側に凸面を向けた正レンズと負レンズとの貼り合わせからなる接合正レンズ成分L2Bと、物体側に凹面を向けた負レンズ成分L2Cとからなり、
前記負レンズ成分L2Aと前記接合正レンズ成分L2Bとの間の軸上空気間隔をdABとし、前記第2レンズ群G2の最も物体側の面から最も像側の面までの軸上総厚をd2としたとき、
0.28≦dAB/d2≦0.8 (2)
の条件を満足することを特徴とする大口径ズームレンズを提供する。
【0008】
本発明の好ましい態様によれば、前記負レンズ成分L2Aの最も物体側の面の近軸曲率半径をRafとし、前記負レンズ成分L2Aの最も像側の面の近軸曲率半径をRarとしたとき、
(Rar+Raf)/(Rar−Raf)≦−1 (1)
の条件を満足する。
【0009】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記接合正レンズ成分L2B中の前記正レンズのd線に対する屈折率をnbpとし、前記接合正レンズ成分L2B中の前記負レンズのd線に対する屈折率をnbnとしたとき、
nbp−nbn<0 (3)
の条件を満足する。
さらに、前記第2レンズ群G2の焦点距離をf2とし、望遠端における全系の焦点距離をfTとしたとき、
−0.8<f2/fT<−0.1 (4)
の条件を満足することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の基本的な構成について説明する。
本発明は、最も物体側に正レンズ群が配置された凸先行型のズームレンズにおいて、大画角、大口径および高倍率を同時に満足することが可能な第2レンズ群G2の構成を見出したものである。
【0011】
本発明において、第2レンズ群G2は基本的には、物体側から順に、負レンズ成分と正レンズ成分と負レンズ成分との3レンズ成分からなり、屈折力配置において対称構造を有する。中間の正レンズ成分は、物体側に凸面を向けた正レンズと負レンズとの貼り合わせからなる接合正レンズ成分L2Bで構成されている。そして、接合正レンズ成分L2Bとその物体側に配置された負レンズ成分L2Aとの間の空気間隔が十分大きく確保されている。この空気間隔を十分大きく確保することにより、広角端近傍における大画角の主光線を光軸方向に押し上げることができ、フィルターサイズの小型化が可能になる。また、この空気間隔を適度な大きさに保つことによって、高倍率ズームレンズの小型化を進める上で問題になる第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とのデッドスペース(可変空気間隔)の確保が可能になる。
【0012】
しかしながら、従来の凸先行型ズームレンズに用いられている第2レンズ群G2のパワー配置の負・負・負タイプや負・負・正タイプや負・負・正・負タイプにおいては、本発明の上述の効果と同様の効果を実現しようとすると、構成レンズ枚数が多いため第2レンズ群G2の軸上総厚が大きくなり過ぎる。また、第2レンズ群G2以降のレンズ群とのデッドスペースが減少し、結果的に厚肉化による全長の大型化およびフィルターサイズの大型化を招いてしまう。
【0013】
また、本発明において、物体側に凸面を向けた正レンズと負レンズとの貼り合わせからなる接合正レンズ成分L2Bにより中間の正レンズ成分を構成することは、重要な意味を有する。まず、比較的強い屈折力を有する負レンズ成分L2Aの像側の曲率の強い凹面と接合正レンズ成分L2Bの物体側の凸面とは、主に広角側の下方コマ収差の補正に効果的に寄与している。また、望遠側では、下方コマ収差の補正以外に、接合正レンズ成分L2Bの接合面と同様に、球面収差の補正に効果的に寄与している。この効果をさらに高めるには、負レンズ成分L2Aが適切な屈折力を有し、像側に向けて曲率の強い凹面を有することが有効である。
【0014】
また、負レンズ成分L2Aを1つの単レンズで構成するには、負レンズ成分L2Aに非球面を導入することが基本的に必要である。非球面の導入により、広角側の歪曲収差および全域の下方コマ収差を良好に補正することができ、負レンズ成分L2Aと接合正レンズ成分L2Bとの空気間隔を十分確保しても著しい厚肉化を招くことなく、前述したように小型化および小径化により有利になる。
【0015】
なお、負レンズ成分L2Aに非球面を導入する場合、負レンズ成分L2Aの像側の曲率の強い凹面に非球面を導入することが好ましい。負レンズ成分L2Aの像側の面への非球面の導入により、負レンズ成分L2Aの構成枚数の軽減と薄肉化とを達成することができ、収差補正面においては歪曲収差および全域の下方コマ収差の補正に対する自由度がさらに増す。また、負レンズ成分L2Aの像側の面では望遠側のRand光線(光軸に平行な光線)に対する偏角が大きく、非球面の導入によって望遠側の球面収差の補正自由度も増加するので、さらに好ましい。さらに、非球面の形状の規定に際して円錐係数κを導入することにより、非球面係数の低次係数項から高次係数項まで非球面変位量をよりきめ細かくコントロールすることが可能となるので望ましい。
【0016】
また、負レンズ成分L2Aの物体側の面は、物体側に凸面を向けていることが望ましい。負レンズ成分L2Aが物体側に凹面を向けている場合、主に広角側の非点収差や下方コマ収差の補正が悪化し、大画角化を実現することができない。また、接合正レンズ成分L2Bにおいて、正レンズの屈折率よりも負レンズの屈折率の方を大きく設定することが大口径化に有利である。また、負レンズ成分L2Cの最も物体側の面が物体側に凹面を向け、負レンズ成分L2Cと接合正レンズ成分L2Bとの間に凸形状の空気レンズを形成することが好ましい。この場合、この凸形状の空気レンズにより、主に望遠側の球面収差やコマ収差等の補正を良好に行うことができ、さらに大口径化に有利になる。
【0017】
また、第2レンズ群G2を全体的に見た場合、負レンズ成分L2Aと負レンズ成分L2Cとによって中間の接合正レンズ成分L2Bが挟まれた形になっている。このように、第2レンズ群G2が全体的に対称構造に近いので、第2レンズ群G2が小型で比較的強い屈折力配置を有する場合でも、第2レンズ群G2内で発生する諸収差を最小限に抑えることが可能になる。この第2レンズ群G2の構成は、特に大口径化と大画角化とを同時に満たす必要があるズームレンズに適している。さらに、負レンズ成分L2Aと負レンズ成分L2Cとの双方に非球面を導入することにより、さらに小型で比較的強い屈折力配置に耐え得る第2レンズ群G2を実現することが可能になる。
【0018】
以下、本発明の条件式について説明する。
本発明においては、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
(Rar+Raf)/(Rar−Raf)≦−1 (1)
ここで、
Raf:負レンズ成分L2Aの最も物体側の面の近軸曲率半径
Rar:負レンズ成分L2Aの最も像側の面の近軸曲率半径
【0019】
条件式(1)は、負レンズ成分L2Aの形状因子(シェイプファクター)について規定している。
条件式(1)の上限値を上回ることは、負レンズ成分L2Aの形状が両凹形状になることを意味する。負レンズ成分L2Aの形状が両凹形状になると、前述のように、本発明のような大画角を有するズームレンズの場合、主に広角側の非点収差や下方コマ収差等の軸外単色収差の補正が困難になるばかりでなく、倍率色収差の補正も困難になる。その結果、大画角を有するズームレンズを実現することができなくなる。なお、負レンズ成分L2Aに非球面を導入する場合、条件式(1)を非球面の近軸曲率半径に基づいて計算するものとする。また、負レンズ成分L2Aが接合レンズで構成される場合、最も物体側の面の曲率半径をRafとし最も像側の面の曲率半径をRarとして、条件式(1)を計算するものとする。
【0020】
また、本発明においては、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
0.28≦dAB/d2≦0.8 (2)
ここで、
dAB:負レンズ成分L2Aと接合正レンズ成分L2Bとの間の軸上空気間隔
d2:第2レンズ群G2の最も物体側の面から最も像側の面までの軸上総厚
【0021】
条件式(2)は、負レンズ成分L2Aと接合正レンズ成分L2Bとの間の軸上空気間隔dABについて適切な範囲を規定している。
前述のように、負レンズ成分L2Aと接合正レンズ成分L2Bとの間の軸上空気間隔dABを十分大きく確保することにより、広角端近傍における大画角の主光線を光軸方向に押し上げることができ、フィルターサイズの小型化が可能になる。また、高倍率ズームレンズの小型化を進める上で問題になる第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とのデッドスペース(可変空気間隔)の確保が可能になる。
【0022】
条件式(2)の下限値を下回ると、軸上空気間隔dABが小さくなりすぎて、広角端近傍における大画角の主光線を光軸方向に押し上げる効果が著しく減少する。その結果、フィルターサイズの大型化や周辺光量の不足を招き、大画角化を達成することができなくなる。
なお、条件式(2)の下限値を0.32に設定すると、小型化および小径化に対してさらに有利となる。さらに、条件式(2)の下限値を0.34に設定すると、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
【0023】
一方、条件式(2)の上限値を上回ると、軸上空気間隔dABが大きくなりすぎて、第2レンズ群G2とその像側に続くレンズ群とのデッドスペース(可変空気間隔)の確保が困難になる。その結果、ズームレンズが大型化するとともに、高倍率化を達成することができなくなる。また、他のレンズ成分が薄肉化しすぎて、肝心の諸収差の補正が困難になる。特に、本発明のような大画角を有する大口径ズームレンズの場合、望遠側の球面収差の補正が困難になり、大口径化を達成することができなくなる。
なお、条件式(2)の上限値を0.6に設定すると、さらなる大口径化を期待することができる。また、条件式(2)の上限値を0.5に設定すると、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
【0024】
また、本発明においては、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
nbp−nbn<0 (3)
ここで、
nbp:接合正レンズ成分L2B中の正レンズのd線に対する屈折率
nbn:接合正レンズ成分L2B中の負レンズのd線に対する屈折率
【0025】
条件式(3)は、接合正レンズ成分L2Bにおける正レンズの屈折率と負レンズの屈折率との大小関係について規定している。
前述のように、接合正レンズ成分L2Bにおいて正レンズの屈折率よりも負レンズの屈折率の方を大きく設定することにより、特に望遠側の球面収差を良好に補正することが可能になり、大口径化に有利になる。ところで、接合正レンズ成分L2Bは、負の屈折力を有する第2レンズ群G2における正レンズ成分である。したがって、ペッツバール和を適切な値にするためにも、正レンズの屈折率よりも負レンズの屈折率の方が大きいことが必要である。このように、条件式(3)を満足することによって、ペッツバール和の適切な設定が可能になり、像面湾曲および非点収差の良好な補正も可能になる。なお、条件式(3)の上限値を−0.015に設定すると、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
【0026】
また、本発明においては、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
−0.8<f2/fT<−0.1 (4)
ここで、
f2:第2レンズ群G2の焦点距離
fT:望遠端における全系の焦点距離
【0027】
条件式(4)は、第2レンズ群G2の焦点距離f2について適切な範囲を規定している。
条件式(4)の下限値を下回ると、第2レンズ群G2の屈折力が小さくなりすぎて、特に広角側の斜光線が光軸から大きく離れ、前玉径の大型化につながる。また、変倍による移動量が増大するために、大型化を招くとともに、高倍率化を達成することができなくなる。なお、条件式(4)の下限値を−0.5に設定すると、小型化および小径化に有利となり、高倍率化にも有利となる。また、条件式(4)の下限値を−0.3に設定すると、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
一方、条件式(4)の上限値を上回ると、第2レンズ群G2の屈折力が大きくなり、小型化および小径化には有利になるが、諸収差の良好な補正が困難になる。特に、広角側の下方コマ収差や歪曲収差が悪化し、ペッツバール和を適切な値に設定することも困難になるため、像面湾曲および非点収差も悪化してしまう。なお、条件式(4)の上限値を−0.15に設定すると、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
【0028】
また、本発明においては、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
0.8<fa/f2<4 (5)
ここで、
fa:負レンズ成分L2Aの焦点距離
【0029】
条件式(5)は、負レンズ成分L2Aの屈折力について適切な範囲を規定している。
条件式(5)の下限値を下回ると、負レンズ成分L2Aの屈折力が大きくなるため、広角端近傍における大画角の主光線を光軸方向に押し上げる効果があり、フィルターサイズの小型化が可能になる反面、特に広角側の下方コマ収差や歪曲収差の補正が困難になる。なお、条件式(5)の下限値を0.9に設定すると、さらに良好な収差補正、小型化および小径化が可能になる。また、条件式(5)の下限値を1.0に設定すると、本発明の効果を最大限に発揮することができる。一方、条件式(5)の上限値を上回ると、負レンズ成分L2Aの屈折力が小さくなりすぎて、フィルターサイズの小径化を達成することができなくなる。なお、条件式(5)の上限値を3.0に設定すると、さらに良好な収差補正、小型化および小径化が可能になる。また、条件式(5)の上限値を2.0に設定すると、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
【0030】
また、本発明においては、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
−20<fb/f2<−0.5 (6)
ここで、
fb:接合正レンズ成分L2Bの焦点距離
【0031】
条件式(6)は、接合正レンズ成分L2Bの屈折力について適切な範囲を規定している。
条件式(6)の下限値を下回ると、接合正レンズ成分L2Bの屈折力が小さくなりすぎて、正レンズ群としての収差補正上の役割分担を充分達成することができなくなる。その結果、広角側の下方コマ収差、像面湾曲および非点収差が悪化し、望遠側の球面収差の補正が困難になる。なお、条件式(6)の下限値を−15に設定すると、さらに良好な収差補正、小型化および小径化が可能になる。また、条件式(6)の下限値を−13に設定すると、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
【0032】
一方、条件式(6)の上限値を上回ると、正レンズ成分L2Bの屈折力が大きくなりすぎて、望遠側の球面収差の補正が困難になるので好ましくない。また、各レンズ成分が強い屈折力で構成される結果となるため、製造上、偏芯などの問題が発生し、好ましくない。なお、条件式(6)の上限値を−1.0に設定すると、さらに良好な収差補正、小型化および小径化が可能になる。また、条件式(6)の上限値を−2.5に、さらに好ましくは−3.0に設定すると、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
【0033】
また、本発明においては、負レンズ成分L2A中の非球面が次の式(a)で表され、式(a)における円錐係数κaは以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
【数3】
【0034】
ここで、
y:光軸に垂直な方向の高さ
S(y):高さyにおける光軸方向の変位量(各非球面の頂点の接平面からの光軸に沿った距離:サグ量)
R:基準の曲率半径
κa:円錐係数
Cn :n次の非球面係数
【0035】
条件式(7)は、負レンズ成分L2A中の非球面を一般的な非球面式(a)で表現したときの円錐係数κaについて適切な範囲を規定している。
前述のように、円錐係数κaを使用することによって、非球面係数の低次係数項から高次係数項まで非球面変位量をよりきめ細かくコントロールすることが可能になる。特に、円錐係数κaを1よりも小さく設定することは、非球面の周辺部分に近づくにしたがって球面形状から大きくはずれて周辺部分の曲率が緩くなること、すなわち比較的大きな非球面量を有することを意味する。したがって、条件式(7)の上限値を上回ると、本発明のような大画角を有する大口径高倍率ズームレンズにおいては、主に広角側の歪曲収差やコマ収差の補正自由度および望遠側の球面収差の補正自由度が減少するので好ましくない。
【0036】
また、本発明においては、負レンズ成分L2Cの少なくとも1つの面が非球面状に形成され、負レンズ成分L2C中の非球面が次の式(b)で表され、式(b)における円錐係数κcは以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
【数4】
【0037】
条件式(8)は、負レンズ成分L2C中の非球面を一般的な非球面式(b)で表現したときの円錐係数κcについて適切な範囲を規定している。
負レンズ成分L2Cに導入された非球面においても負レンズ成分L2Aに導入された非球面と同様に、円錐係数κcを使用することによって、非球面係数の低次係数項から高次係数項まで非球面変位量をよりきめ細かくコントロールすることが可能になる。特に、円錐係数κcを1よりも小さく設定することは、非球面の周辺部分に近づくにしたがって球面形状から大きくはずれて周辺部分の曲率が緩くなること、すなわち比較的大きな非球面量を有することを意味する。したがって、条件式(8)の上限値を上回ると、本発明のような大画角を有する大口径高倍率ズームレンズにおいては、主に広角側の歪曲収差やコマ収差の補正自由度および望遠側の球面収差の補正自由度が減少するので好ましくない。また、負レンズ成分L2Aと同様に、負レンズ成分L2Cの凹面(物体側の面)に非球面を導入することが望ましい。この場合、円錐係数κcを1よりも小さくすると、広角側のみならず望遠側においても充分な収差補正自由度を確保することが可能になる。
【0038】
また、本発明においては、負レンズ成分L2Cの少なくとも1つの面を非球面状に形成した場合、以下の条件式(9)を満足することが好ましい。
1≦(Rcr+Rcf)/(Rcr−Rcf) (9)
ここで、
Rcf:負レンズ成分L2Cの最も物体側の面の近軸曲率半径
Rcr:負レンズ成分L2Cの最も像側の面の近軸曲率半径
【0039】
条件式(9)は、負レンズ成分L2Cの形状因子(シェイプファクター)について規定している。
条件式(9)を満足することは、負レンズ成分L2Cの形状が両凹形状になることなく、物体側に凹面を向けた平凹形状からメニスカス形状になることを意味する。前述のように、本発明では、負レンズ成分L2Cの最も物体側の面が物体側に凹面を向けることによって、接合正レンズ成分L2Bとの間に凸形状の空気レンズを形成している。そして、この凸形状の空気レンズにより、主に望遠側の球面収差やコマ収差等の収差補正を良好に行っている。
【0040】
また、第2レンズ群G2を全体的に見た場合、負レンズ成分L2Aと負レンズ成分L2Cとによって中間の接合正レンズ成分L2Bが挟まれた形になっている。このように、第2レンズ群G2が全体的に対称構造に近いので、第2レンズ群G2が小型で比較的強い屈折力配置を有する場合でも、第2レンズ群G2内で発生する諸収差を最小限に抑えることが可能になる。このように、負レンズ成分L2Aの像側の面と負レンズ成分L2Cの物体側の面とが凹面であることが重要である。したがって、条件式(9)を満足しない場合、主に望遠側の球面収差やコマ収差等の収差補正自由度が不足するので好ましくない。
【0041】
また、本発明においては、以下の条件式(10)を満足することが好ましい。
0.03≦dBC/d2≦0.3 (10)
ここで、
dBC:接合正レンズ成分L2Bと負レンズ成分L2Cとの間の軸上空気間隔
【0042】
条件式(10)は、接合正レンズ成分L2Bと負レンズ成分L2Cとの間の軸上空気間隔dBCについて適切な範囲を規定している。
前述のように、接合正レンズ成分L2Bと負レンズ成分L2Cとの間に形成された空気レンズにより、主に望遠側の球面収差やコマ収差等の収差補正を行っている。また、軸上空気間隔dBCの大小は、第2レンズ群G2とそれ以降のレンズ群との間の空気間隔の確保に与える影響が大きい。したがって、条件式(10)の下限を値下回ると、接合正レンズ成分L2Bと負レンズ成分L2Cとの間に形成された空気レンズの屈折力が弱まり、上述の収差補正効果がなくなるので好ましくない。なお、条件式(10)の下限値を0.05に設定すると、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
【0043】
一方、条件式(10)の上限値を上回ると、第2レンズ群G2とそれ以降のレンズ群との間の空気間隔の確保が困難になるので好ましくない。なお、条件式(10)の上限値を0.25に設定すると、空気間隔の確保がより容易になる。また、条件式(10)の上限値を0.2に設定すると、本発明の効果を最大限にすることが発揮できる。
【0044】
また、負レンズ成分L2Cが、物体側から順に、負レンズと正レンズとの貼り合わせからなる接合負レンズで構成されることが好ましい。このように、負レンズ成分L2Cを負・正の接合負レンズで構成することにより、ペッツバール和をより適切な値に設定するとともに、球面収差の補正自由度を増加させることが可能である。
【0045】
また、負レンズ成分L2Cが負レンズと正レンズとの貼り合わせからなる接合負レンズで構成される場合、以下の条件式(11)を満足することが好ましい。
ncp−ncn<0 (11)
ここで、
ncn:負レンズ成分L2C中の負レンズのd線に対する屈折率
ncp:負レンズ成分L2Cの正レンズのd線に対する屈折率
【0046】
条件式(11)は、負レンズ成分L2Cにおける正レンズの屈折率と負レンズの屈折率との大小関係について規定している。
条件式(11)を満足することにより、すなわち負レンズ成分L2C中の負レンズの屈折率ncnが正レンズの屈折率ncpよりも大きいことにより、ペッツバール和をより適切な値に設定し、像面湾曲および非点収差の補正自由度を増加させることができるので好ましい。
【0047】
以上のように、本発明では、第2レンズ群G2に非球面を導入している。しかしながら、第3レンズ群G3や第4レンズ群G4にも非球面を導入することによって、球面収差や上方コマ収差などの補正を非球面に負担させ、大口径化、高倍率化および大画角化をさらに進めることが可能である。
【0048】
【実施例】
以下、本発明の各実施例を、添付図面に基づいて説明する。
本発明の各実施例にかかるズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成されている。なお、第2レンズ群G2は、物体側から順に、少なくとも1つの面が非球面状に形成された負レンズ成分L2Aと、物体側に凸面を向けた正レンズと負レンズとの貼り合わせからなる接合正レンズ成分L2Bと、物体側に凹面を向けた負レンズ成分L2Cとから構成されている。
【0049】
各実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをy、高さyにおける光軸方向の変位量(各非球面の頂点の接平面からの光軸に沿った距離:サグ量)をS(y)、基準の曲率半径をR、円錐係数をκ、n次の非球面係数をCn としたとき、以下の数式(c)で表される。
【数5】
また、非球面の近軸曲率半径rは、以下の数式(d)で表される。
r=1/(2・C2 +1/R) (d)
各実施例において、非球面には面番号の右側に*印を付している。
【0050】
〔第1実施例〕
図1は、本発明の第1実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
図1のズームレンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズとの接合正レンズL11、および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12から構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、像側の面が非球面状に形成され物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2A、両凸レンズと両凹レンズとの接合正レンズL2B、および物体側の面が非球面状に形成され物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL2Cから構成されている。
【0051】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL31、および両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの接合正レンズL32から構成されている。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41、両凸レンズと両凹レンズとの接合負レンズL42、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズとの接合正レンズL43、両凸レンズL44、および物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL45から構成されている。
【0052】
なお、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間には開口絞りAが配置され、変倍に際して開口絞りAは第3レンズ群G3と一体的に移動する。
図1は、広角端におけるレンズ配置を示している。望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の空気間隔が増大し且つ第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間の空気間隔が減少するように、すべてのレンズ群が物体側へ移動する。
また、無限遠物体から近距離物体への合焦に際して、第3レンズ群G3と開口絞りAとが一体的に光軸に沿って像側へ移動する。
【0053】
次の表(1)に、本発明の第1実施例の諸元の値を掲げる。表(1)において、fは焦点距離を、FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォーカスを、βは撮影倍率を、D0 は物点距離(最も物体側の面と物体との間の光軸に沿った距離)をそれぞれ表している。さらに、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、dは各レンズ面間隔を、rは曲率半径(非球面の場合は近軸曲率半径)を、nはd線(λ=587.6nm)に対する屈折率を、νはアッベ数をそれぞれ示している。
【0054】
【表1】
【0055】
図2〜図4は、第1実施例の諸収差図である。すなわち、図2は広角端での無限遠合焦状態における諸収差図を、図3は中間焦点距離状態での無限遠合焦状態における諸収差図を、図4は望遠端での無限遠合焦状態における諸収差図をそれぞれ示している。
各収差図において、FNOはFナンバーを、Aは半画角を、dはd線(λ=587.6nm)を、gはg線(λ=435.8nm)をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。さらに、球面収差を示す収差図において、破線は正弦条件(サインコンディション)を示している。
【0056】
図2の収差図を参照すると、広角端において十分大きな画角までカバーし、諸収差が良好に補正されていることがわかる。また、図3および図4の収差図を参照すると、広角端と同様に、諸収差が良好に補正されていることがわかる。
このように、第1実施例では、各焦点距離状態において諸収差が良好に補正されている。
【0057】
〔第2実施例〕
図5は、本発明の第2実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
図5のズームレンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズとの接合正レンズL11、および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12から構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、像側の面が非球面状に形成され物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2A、両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの接合正レンズL2B、および物体側の面が非球面状に形成された両凹レンズと両凸レンズとの接合負レンズL2Cから構成されている。
【0058】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL31、および両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの接合正レンズL32から構成されている。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41、両凸レンズと両凹レンズとの接合負レンズL42、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズとの接合正レンズL43、両凸レンズL44、および物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL45から構成されている。
【0059】
なお、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間には開口絞りAが配置され、変倍に際して開口絞りAは第3レンズ群G3と一体的に移動する。
図5は、広角端におけるレンズ配置を示している。望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の空気間隔が増大し且つ第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間の空気間隔が減少するように、すべてのレンズ群が物体側へ移動する。
また、無限遠物体から近距離物体への合焦に際して、第3レンズ群G3と開口絞りAとが一体的に光軸に沿って像側へ移動する。
【0060】
次の表(2)に、本発明の第2実施例の諸元の値を掲げる。表(2)において、fは焦点距離を、FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォーカスを、βは撮影倍率を、D0 は物点距離(最も物体側の面と物体との間の光軸に沿った距離)をそれぞれ表している。さらに、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、dは各レンズ面間隔を、rは曲率半径(非球面の場合は近軸曲率半径)を、nはd線(λ=587.6nm)に対する屈折率を、νはアッベ数をそれぞれ示している。
【0061】
【表2】
【0062】
図6〜図8は、第2実施例の諸収差図である。すなわち、図6は広角端での無限遠合焦状態における諸収差図を、図7は中間焦点距離状態での無限遠合焦状態における諸収差図を、図8は望遠端での無限遠合焦状態における諸収差図をそれぞれ示している。
各収差図において、FNOはFナンバーを、Aは半画角を、dはd線(λ=587.6nm)を、gはg線(λ=435.8nm)をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。さらに、球面収差を示す収差図において、破線は正弦条件(サインコンディション)を示している。
【0063】
図6の収差図を参照すると、広角端において十分大きな画角までカバーし、諸収差が良好に補正されていることがわかる。また、図7および図8の収差図を参照すると、広角端と同様に、諸収差が良好に補正されていることがわかる。
このように、第2実施例においても、各焦点距離状態において諸収差が良好に補正されている。
【0064】
なお、上述の各実施例において、第3レンズ群G3をに移動させることによって合焦を行っているが、第1レンズ群G1や第2レンズ群G2を移動させることによって合焦を行うことも可能である。
【0065】
【効果】
以上説明したように、本発明によれば、76.2°程度の大きな画角を有し、Fナンバーが2.8程度の大きな口径を有し、3.5倍を越える高い変倍比を有する、比較的小型の高性能な大口径高倍率ズームレンズを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図2】第1実施例の広角端での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図3】第1実施例の中間焦点距離状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図4】第1実施例の望遠端での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図5】本発明の第2実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図6】第2実施例の広角端での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図7】第2実施例の中間焦点距離状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図8】第2実施例の望遠端での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
L 各レンズ成分
A 開口絞り
Claims (15)
- 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とからなり、前記第1レンズ群G1と前記第2レンズ群G2との間の空気間隔を変化させ、前記第2レンズ群G2と前記第3レンズ群G3との間の空気間隔を変化させ、前記第3レンズ群G3と前記第4レンズ群G4との間の空気間隔を変化させることによって変倍を行い、
前記第2レンズ群G2は、物体側から順に、少なくとも1つの面が非球面状に形成された負レンズ成分L2Aと、物体側に凸面を向けた正レンズと負レンズとの貼り合わせからなる接合正レンズ成分L2Bと、物体側に凹面を向けた負レンズ成分L2Cとからなり、
前記負レンズ成分L2Aと前記接合正レンズ成分L2Bとの間の軸上空気間隔をdABとし、前記第2レンズ群G2の最も物体側の面から最も像側の面までの軸上総厚をd2としたとき、
0.28≦dAB/d2≦0.8 (2)
の条件を満足することを特徴とする大口径ズームレンズ。 - 前記負レンズ成分L2Aの最も物体側の面の近軸曲率半径をRafとし、前記負レンズ成分L2Aの最も像側の面の近軸曲率半径をRarとしたとき、
(Rar+Raf)/(Rar−Raf)≦−1 (1)
の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の大口径ズームレンズ。 - 前記接合正レンズ成分L2B中の前記正レンズのd線に対する屈折率をnbpとし、前記接合正レンズ成分L2B中の前記負レンズのd線に対する屈折率をnbnとしたとき、
nbp−nbn<0 (3)
の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の大口径ズームレンズ。 - 前記第2レンズ群G2の焦点距離をf2とし、望遠端における全系の焦点距離をfTとしたとき、
−0.8<f2/fT<−0.1 (4)
の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の大口径ズームレンズ。 - 前記負レンズ成分L2Aの焦点距離をfaとし、前記第2レンズ群G2の焦点距離をf2としたとき、
0.8<fa/f2<4 (5)
の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の大口径ズームレンズ。 - 前記接合正レンズ成分L2Bの焦点距離をfbとし、前記第2レンズ群G2の焦点距離をf2としたとき、
−20<fb/f2<−0.5 (6)
の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の大口径ズームレンズ。 - 前記負レンズ成分L2A中の非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、高さyにおける光軸方向の変位量(各非球面の頂点の接平面からの光軸に沿った距離:サグ量)をS(y)とし、基準の曲率半径をRとし、円錐係数をκaとし、n次の非球面係数をCnとしたとき、
S(y)=(y2/R)/{1+(1−κa・y2/R2)1/2}
+C2・y2+C4・y4+C6・y6+C8・y8
+C10・y10
で表され、前記円錐係数κaは、
κa<1.0 (7)
の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の大口径ズームレンズ。 - 前記負レンズ成分L2Aの最も像側の面が非球面状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の大口径ズームレンズ。
- 前記負レンズ成分L2Cの少なくとも1つの面が非球面状に形成され、
前記負レンズ成分L2C中の非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、高さyにおける光軸方向の変位量(各非球面の頂点の接平面からの光軸に沿った距離:サグ量)をS(y)とし、基準の曲率半径をRとし、円錐係数をκcとし、n次の非球面係数をCnとしたとき、
S(y)=(y2/R)/{1+(1−κc・y2/R2)1/2}
+C2・y2+C4・y4+C6・y6+C8・y8
+C10・y10
で表され、前記円錐係数κcは、
κc<1.0 (8)
の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の大口径ズームレンズ。 - 前記負レンズ成分L2Cの最も物体側の面の近軸曲率半径をRcfとし、前記負レンズ成分L2Cの最も像側の面の近軸曲率半径をRcrとしたとき、
1≦(Rcr+Rcf)/(Rcr−Rcf) (9)
の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の大口径ズームレンズ。 - 前記接合正レンズ成分L2Bと前記負レンズ成分L2Cとの間の軸上空気間隔をdBCとし、前記第2レンズ群G2の最も物体側の面から最も像側の面までの軸上総厚をd2としたとき、
0.03≦dBC/d2≦0.3 (10)
の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の大口径ズームレンズ。 - 前記負レンズ成分L2Cは、物体側から順に、負レンズと正レンズとの貼り合わせからなる接合負レンズで構成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の大口径ズームレンズ。
- 前記負レンズ成分L2C中の前記負レンズのd線に対する屈折率をncnとし、前記負レンズ成分L2Cの前記正レンズのd線に対する屈折率をncpとしたとき、
ncp−ncn<0 (11)
の条件を満足することを特徴とする請求項12に記載の大口径ズームレンズ。 - 前記第2レンズ群G2と前記第3レンズ群G3との間に開口絞りAが配置され、前記開口絞りAは、変倍に際して、前記第3レンズ群G3と一体的に移動することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の大口径ズームレンズ。
- 前記第2レンズ群G2と前記第3レンズ群G3との間に開口絞りAが配置され、前記開口絞りAは、無限遠物体から近距離物体への合焦に際して、前記第3レンズ群G3と一体的に移動することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の大口径ズームレンズ。
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