JP3753034B2 - モータの回転子構造および回転子固定方法ならびに鉄心保持具 - Google Patents

モータの回転子構造および回転子固定方法ならびに鉄心保持具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転軸が固定される鉄心保持具の外周に、回転軸の軸方向に沿って複数の磁性材料が積層して構成される環状の鉄心が固定されるモータの回転子構造および回転子固定方法ならびに鉄心保持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来のモータの回転子構造を示している。回転軸1の外周に固定される鉄心保持具であるスパイダ3は、内筒部3aと、外筒部3bと、内筒部3aおよび外筒部3b相互を接続する接続部3cとを備え、外筒部3bの外周面には、鉄などの磁性材料で構成された複数の薄板を積層してなる鉄心5が固定されている。鉄心5は、回転軸1の軸方向両端にて、ステンレスやアルミニウムなどの非磁性材料からなる2枚のエンドプレート7によって保持されている。
【0003】
従来、鉄心5のスパイダ3への固定は、鉄心5を加熱して膨張させ、この膨張した鉄心5のスパイダ挿入孔5aへスパイダ3を挿入した後、鉄心5を冷却して収縮させる、いわゆる焼き嵌めによって行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、焼き嵌め工程は、上述したように、鉄心5を加熱し、この加熱された鉄心5にスパイダ3を挿入して、さらに冷却するので、作業工程が長く、製造コストの上昇を招いている。
【0005】
これを解決するために、鉄心5のスパイダ挿入孔5aの内径をスパイダ3の外筒3bの外径よりやや小さくして、常温にてスパイダ挿入孔5aにスパイダ3を圧入する方法が考えられるが、鉄心5は複数の鉄製薄板を積層して形成されており、またスパイダ3の圧入距離が長いために、圧入時に鉄心5の薄板相互が剥離するという問題が生じる。
【0006】
さらに、鉄心5のスパイダ挿入孔5aの内径をスパイダ3の外筒3bの外径よりも大きくして、常温にてスパイダ挿入孔5aへスパイダ3を挿入した後、スパイダ3にエンドプレート7を圧入する方法が考えられるが、この場合には、エンドプレート7とスパイダ3との接触面(圧入面)の摩擦力のみで鉄心5を固定するため、モータ作動時に鉄心5とスパイダ3とが滑りやすく、鉄心5からスパイダ3へのトルク伝達率が低下するという恐れがある。
【0007】
このようなことから、製造コストの上昇を抑えつつ、鉄心5とスパイダ3とを相互に固定する作業は、困難なものとなっている。
【0008】
そこで、この発明は、製造コストの上昇を抑えつつ、鉄心と鉄心保持具との相互の固定作業を容易なものとすることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、回転軸が固定される鉄心保持具の外周に、前記回転軸の軸方向に沿って複数の磁性材料が積層して構成されて前記鉄心保持具が挿入される挿入孔を備えた鉄心が固定されるモータの回転子構造において、前記鉄心保持具は、前記回転軸が挿入可能な内筒部と、この内筒部より大きい直径を有して外周部に前記鉄心が固定される外筒部と、前記内筒部および外筒部の一方の端部相互を接続する接続部と、前記外筒部の他方の端部から直径方向外側に突出するエンドプレート部とをそれぞれ一体に備えた二つの部材を、前記接続部を介して相互に固定してなり、前記エンドプレート部は、鉄心保持具が鉄心に固定される前の状態では、外筒部の他方の端部から直径方向外側に向かうに従って接続部側に向かって傾斜し、該鉄心保持具が鉄心に固定された後は前記鉄心の回転軸方向端部に当接して弾性変形し、該鉄心の回転軸方向端部を押圧する傾斜部を備えている構成としてある。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明の構成において、鉄心保持具の前記外筒部は、鉄心保持具が鉄心に固定される前の状態では、接続部側から他方の端部に向けて直径方向外側に広がる円錐形状部を備えている構成としてある。
【0013】
請求項の発明は、請求項またはの発明の構成において、鉄心には磁石が設けられ、この磁石の回転軸方向の長さは、前記鉄心の回転軸方向の長さとほぼ同等であって、前記エンドプレート部は、前記磁石の回転軸方向端面においてはこの磁石の円周方向中心部に当接する構成としてある。
【0014】
請求項の発明は、請求項1ないしのいずれか1項の発明の構成において、前記外筒部の接続部側の端部の外径は、鉄心保持具が挿入される鉄心の前記挿入孔の内径に対し、ほぼ同一もしくは小さい構成としてある。
【0015】
請求項の発明は、請求項1ないしのいずれか1項の発明の構成において、接続部には、締結部材が挿入される貫通孔が設けられ、この貫通孔に前記締結部材が挿入されて締結されることによって二つの部材相互が固定される構成としてある。
【0016】
請求項の発明は、回転軸が固定される鉄心保持具の外周に、前記回転軸の軸方向に沿って複数の磁性材料が積層して構成されて前記鉄心保持具が挿入される挿入孔を備えた鉄心が固定されるモータの回転子固定方法において、前記鉄心保持具は、前記回転軸が挿入可能な内筒部と、この内筒部より大きい直径を有して外周部に前記鉄心が固定される外筒部と、前記内筒部および外筒部の一方の端部相互を接続する接続部と、前記外筒部の他方の端部から直径方向外側に突出するエンドプレート部とをそれぞれ一体に備えた二つの部材から構成され、前記エンドプレート部は、鉄心保持具が鉄心に固定される前の状態では、外筒部の他方の端部から直径方向外側に向かうに従って接続部側に向かって傾斜し、該鉄心保持具が鉄心に固定された後は前記鉄心の回転軸方向端部に当接して弾性変形し、該鉄心の回転軸方向端部を押圧する傾斜部を備え、前記二つの部材を、その接続部側から前記鉄心の軸方向両端の前記挿入孔に挿入し、前記二つの部材の接続部相互を固定して、二つの部材相互を固定するモータの回転子固定方法としてある
【0017】
請求項の発明は、請求項の発明のモータの回転子固定方法において、二つの部材の各接続部に設けた貫通孔に締結部材を挿入し、この挿入した締結部材を締結して前記二つの部材相互を固定するものとしてある。
【0018】
請求項の発明は、回転軸が挿入可能な内筒部と、この内筒部より大きい直径を有して外周部に環状の鉄心が固定される外筒部と、前記内筒部および外筒部の一方の端部相互を接続する接続部と、前記外筒部の他方の端部から直径方向外側に突出するエンドプレート部とをそれぞれ一体に備えた二つの部材で構成され、前記エンドプレート部は、鉄心保持具が鉄心に固定される前の状態では、外筒部の他方の端部から直径方向外側に向かうに従って接続部側に向かって傾斜し、該鉄心保持具が鉄心に固定された後は前記鉄心の回転軸方向端部に当接して弾性変形し、該鉄心の回転軸方向端部を押圧する傾斜部を備えている構成としてある。
【0019】
請求項の発明は、請求項の発明の構成において、前記外筒部は、鉄心に固定される前の状態では、外周面が前記接続部から他方の端部に向けて直径方向外側に広がる円錐形状部を備えている構成としてある。
【0021】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、回転軸が挿入される内筒部と、外周部に鉄心が固定される外筒部とを備えた鉄心保持具を、それぞれの接続部によって互いに固定される二つの部材で構成したので、鉄心保持具を鉄心に圧入する際の圧入距離が短くなって、鉄心を構成する複数の薄板の剥離を防止でき、鉄心を加熱後冷却するなどの作業工程を不要として製造コストを抑制しつつ、鉄心と鉄心保持具との相互の固定作業を容易に行うことができる。
また、鉄心の回転軸方向端面に当接するエンドプレート部を、外筒部の他方の端部から半径方向外側に突出させて外筒部と一体化させたので、エンドプレート部を単体として用意する必要がないうえ、鉄心を構成する複数の薄板相互の剥離を確実に防止することができる。
さらに、鉄心保持具のエンドプレート部を、鉄心保持具が鉄心に固定される前の状態では、外筒部の他方の端部から直径方向外側に向かうに従って接続部側に向かって傾斜させるようにしたので、鉄心保持具を鉄心に圧入後には、傾斜部が鉄心の回転軸方向端面を押圧することによって、鉄心から鉄心保持具へのトルク伝達率低下を防止できるとともに、鉄心を構成する複数の薄板相互の剥離をより確実に防止することができる。
【0022】
請求項2の発明によれば、鉄心保持具の外筒部は、外周面が接続部から他方の端部に向けて直径方向外側に広がる円錐形状部を備えているので、鉄心保持具を鉄心に圧入後は、円錐形状部の外周面が鉄心の挿入孔の内面を押圧することになって両者間が確実に固定され、モータ駆動時での鉄心から鉄心保持具へのトルク伝達率低下を防止することができる。
【0025】
請求項の発明によれば、鉄心保持具およびエンドプレート部を例えば鉄製などの磁性材料とした場合の電磁誘導によるエンドプレート部の発熱を防止することができて、鉄心保持具およびエンドプレート部を同一の磁性材料としてさらなるコストダウンを図ることができる。
【0026】
請求項の発明によれば、外筒部の接続部側の端部の外径が、鉄心の鉄心保持具の挿入孔の内径に対し、ほぼ同一もしくは小さくなっているので、鉄心保持具の鉄心保持具挿入孔への挿入作業が容易となる。
【0027】
請求項の発明によれば、接続部の貫通孔に締結部材を挿入し、この締結部材を締結することで、二つの部材相互を確実に固定することができる。
【0028】
請求項の発明によれば、回転軸が挿入される内筒部と、外周に鉄心が固定される外筒部とを備えた鉄心保持具を、それぞれの接続部によって互いに固定される二つの部材で構成し、この二つの部材を、その接続部側から鉄心の軸方向両端の鉄心保持具の挿入孔に挿入し、接続部相互を固定して二つの部材相互を固定するようにしたので、鉄心保持具を鉄心に圧入する際の圧入距離が短くなって、鉄心を構成する複数の薄板の剥離を防止でき、鉄心を加熱後冷却するなどの作業工程を不要として製造コストを抑制しつつ、鉄心と鉄心保持具との相互の固定作業を容易に行うことができる。
また、鉄心の回転軸方向端面に当接するエンドプレート部を、外筒部の他方の端部から半径方向外側に突出させて外筒部と一体化させたので、エンドプレート部を単体として用意する必要がないうえ、鉄心を構成する複数の薄板相互の剥離を確実に防止することができる。
さらに、鉄心保持具のエンドプレート部を、鉄心保持具が鉄心に固定される前の状態では、外筒部の他方の端部から直径方向外側に向かうに従って接続部側に向かって傾斜させるようにしたので、鉄心保持具を鉄心に圧入後には、傾斜部が鉄心の回転軸方向端面を押圧することによって、鉄心から鉄心保持具へのトルク伝達率低下を防止できるとともに、鉄心を構成する複数の薄板相互の剥離をより確実に防止することができる。
【0029】
請求項の発明によれば、接続部の貫通孔に締結部材を挿入し、この締結部材を締結するようにしたので、二つの部材相互を確実に固定することができる。
【0031】
請求項の発明によれば、鉄心の回転軸方向端面に当接するエンドプレート部を、外筒部の他方の端部から半径方向外側に突出させて外筒部と一体化させたので、エンドプレート部を単体として用意する必要がないうえ、鉄心に圧入する際には、鉄心を構成する複数の薄板相互の剥離を確実に防止することができる。
また、エンドプレート部を、外筒部の他方の端部から直径方向外側に向かうに従って接続部側に向かって傾斜させるようにしたので、鉄心に圧入後には、傾斜部が鉄心の回転軸方向端面を押圧することによって、鉄心からのトルク伝達率低下を防止できるとともに、鉄心を構成する複数の薄板相互の剥離をより確実に防止することができる。
【0032】
請求項の発明によれば、外筒部は、外周面が接続部から他方の端部に向けて直径方向外側に広がる円錐形状部を備えているので、環状の鉄心に圧入後は、円錐形状部の外周面が環状の鉄心の内面を押圧することになって鉄心に対して確実に固定され、モータ駆動時での鉄心からのトルク伝達率低下を防止することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0034】
図1は、この発明の実施の一形態を示すモータの回転子構造を備えたモータの断面図である。モータハウジング9は、回転軸11を二つのベアリング13,15によって回転可能に支持する左右の端板17,19と、各端板17,19の外周部に固定される円筒状の筒体21とを備えている。筒体21の軸方向中央には、冷却水流路23が形成されている。
【0035】
冷却水流路23を備えた部位の筒体21の内壁には、環状に形成されたステータコア25およびステータコア25に取り付けられるコイル27とで構成される固定子29が装着されている。
【0036】
そして、上記した固定子29の内側には、前記回転軸11に固定される鉄心保持具としてのスパイダ31および、スパイダ31の外周部に固定される環状の鉄心33を備えた回転子35が配置されることになる。
【0037】
スパイダ31は、例えば鉄などの磁性材料からなる二つの部材37,39が、締結部材としてのボルト41およびナット43により相互に固定される構造である。一方の部材37は、回転軸11が挿入固定可能な円筒形状の内筒部37aと、鉄心33の挿入孔33aに挿入される、内筒部37aより直径が大きい円筒形状の外筒部37bと、これら内筒部37aと外筒部37bの軸方向の一方の端部相互を接続する接続部37cと、外筒部37bの他方の端部から直径方向外側に屈曲して突出するエンドプレート部37dとを有し、接続部37cには、前記したボルト41が挿入される貫通孔としてのボルト挿入孔37eが円周方向4箇所に形成されている。
【0038】
他方の部材39も、部材37と同様に、回転軸11が挿入固定可能な円筒形状の内筒部39aと、鉄心33の挿入孔33aに挿入される、内筒部39aより直径が大きい円筒形状の外筒部39bと、これら内筒部39aと外筒部39bの軸方向の一方の端部相互を接続する接続部39cと、外筒部39bの他方の端部から直径方向外側に屈曲して突出するエンドプレート部39dとを有し、接続部39cには、前記したボルト41が挿入される貫通孔としてのボルト挿入孔39eが円周方向4箇所に形成されている。
【0039】
なお、上記した二つの部材37,39の材質は、前記したように鉄などの磁性材料のほか、ステンレス製の非磁性材料であっても構わないが、鉄製の磁性材料にすることによって安価なものとなる。また、ボルト挿入孔37e,39eの数は4つに限るものではない。
【0040】
上記した二つの部材37,39は、互いに同一形状であるので、以下の説明では主に部材37についてのみ説明し、説明していない他の部材39については、部材37と同等なものとする。
【0041】
鉄心33は、従来のものと同様に、例えば鉄などの磁性材料からなる薄板(例えば板厚0.5mm程度)を、回転軸11の軸方向に沿って複数積層して形成されるものである。この鉄心33の外周側には、回転軸11の軸方向に延長される永久磁石45が挿入固定される磁石挿入孔33bが円周方向に8箇所形成されている。この永久磁石45は、図1の拡大されたA−A矢視断面図である図2に示すように、円周方向に沿って長い長方形状となっている。なお、この永久磁石45、図2に示すような長方形に限らず、円弧状であってもよく、数も8個に限ることはない。
【0042】
上記した図2に示すように、前記したエンドプレート部37dは、外筒部37bの端部から鉄心33の端面に沿って直径方向外側に向けて寸法L1だけ延長される環状の鉄心押さえ部37fと、この鉄心押さえ部37fの外周側端部から、各永久磁石45に対応する位置にてさらに寸法L2だけ突出する磁石保持部37gとから構成されている。磁石保持部37gは、図2に示すように、永久磁石45の長手方向の中心部に対応する位置となっている。
【0043】
次に、図3を用いて、二つの部材37,39の組付前の形状および、鉄心33への各部材37,39の組付方法について説明する。部材37の外筒部37bは、接続部37cからエンドプレート37dに向かうに従って、所定の角度θ1にて直径方向外側へ広がる円錐形状となっている。また、部材37のエンドプレート部37dは、外筒部37bに対して直角ではなく、接続部37c側に向けて所定角度θ2だけ傾斜して形成されている。
【0044】
また、外筒部37bの接続部37c側の端部の外径は、鉄心33の挿入孔33aの内径Dとほぼ同一かもしくは若干小さく形成されている。これにより、部材37を接続部37c側から挿入孔33aへ挿入する作業が容易となる。一方外筒部37bのエンドプレート部37d側の端部の外径は、鉄心33の挿入孔33aの内径Dより大きく形成されている。
【0045】
上記した部材37を鉄心33の挿入孔33aに接続部37c側から挿入すると、外筒部37bが挿入孔33aの形状に合わせて弾性変形しながら、エンドプレート部37dの先端が鉄心33の側面に当接するまで圧入される。このとき、エンドプレート部37dの磁石保持部37gは、図2に示したように、永久磁石45の中心部に位置させる。
【0046】
つまり、部材37は鉄心33に組み付けられた状態において、外筒部37bの外周面が、常に鉄心33の挿入孔33aの内周面を押圧した状態となるので、部材37と鉄心33とを確実に固定することができる。また、外筒部37bの外周面が挿入孔33aの内周面を押圧することで、モータ駆動時に、鉄心33からスパイダ31へのトルク伝達率が向上する。
【0047】
部材37と同形状の部材39を、部材37と同様に鉄心33に部材37とは反対側から挿入孔33aに圧入した後、互いのボルト挿入孔37e,39eの位置を合わせた状態で、ボルト41をボルト挿入孔37e,39eに挿入し、反対側からナット43をセットして両者を締結する。このボルト41,ナット43を締結することで、エンドプレート部37d,39dが鉄心33の側面に押し付けられて弾性変形しながら、接続部37c,39c相互が当接するまで、各部材37,39が鉄心33の内部に引き込まれる。
【0048】
したがって、ボルト41,ナット43の締結後には、エンドプレート部37d,39dは、鉄心33の側面を常に押圧するので、鉄心33の薄板の剥離が防止されるとともに、部材37,39と鉄心33とをより確実に固定することができる。
【0049】
上記した圧入方法によれば、スパイダ31を二つの部材37,39として、これら各部材37,39を鉄心33の両側から挿入するようにしているので、スパイダ31の鉄心33への圧入距離が短縮され、鉄心33は、その挿入孔33aへのスパイダ31の圧入時に、薄板の剥離が防止されることになる。
【0050】
そして、この場合、鉄心33を加熱後冷却するなどの作業工程を不要として製造コストの上昇が抑制されており、鉄心33とスパイダ31との相互の固定作業が容易なものとなる。
【0051】
また、エンドプレート部37d,39dの磁石保持部37g,39gは、図2における永久磁石45の磁束密度の低い長辺方向の中心部を押さえて保持している。一般に断面長方形状の磁石は、長辺方向の端部に磁束が集中するため、磁束密度の低い長辺方向中央部を押さえて磁石45を保持することによって、エンドプレート部37d,39dを鉄製の磁性材料で構成した場合であっても、永久磁石45の磁気によるエンドプレート部37d,39dの発熱を抑制できる。このため、エンドプレート部37d,39dを鉄などの磁性材料とすることができ、さらにエンドプレート部37d,39dを外筒部37b,39bと一体化することで、大幅なコストダウンが可能となる。
【0052】
さらに、前記したように、部材37,39からなるスパイダ31と鉄心33とが、確実に当接するので、鉄心33にて発生する熱がスパイダ31を介して回転軸11に伝達され、鉄心33の冷却効率が向上するという効果も得られる。
【0053】
なお、上記実施の形態では、外筒部37bの形状を、接続部37cからエンドプレート部37dに向けてその全体が外周側へ広がる円錐形状としているが、接続部37cからエンドプレート部37dに向けてその一部が外周側へ広がる円錐形状部を備える形状としてもよい。さらにエンドプレート部37dの形状を、外筒部37bから先端部までの全体を接続部37c側に向けて傾斜させているが、外筒部37bから先端部までの一部が傾斜する傾斜部を備える構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態を示すモータの回転子構造を備えたモータの断面図である。
【図2】図1の拡大されたA−A矢視断面図である。
【図3】スパイダを構成する二つの部材の組付前の形状を鉄心とともに示す説明図である。
【図4】従来例を示すモータの回転子構造を備えたモータの断面図である。
【符号の説明】
11 回転軸
31 スパイダ(鉄心保持具)
33 鉄心
33a 挿入孔
37,39 部材
37a,39a 内筒部
37b,39b 外筒部
37c,39c 接続部
37d,39d エンドプレート部
37e,39e ボルト挿入孔(貫通孔)
41 ボルト(締結部材)
43 ナット
45 永久磁石

Claims (9)

  1. 回転軸が固定される鉄心保持具の外周に、前記回転軸の軸方向に沿って複数の磁性材料が積層して構成されて前記鉄心保持具が挿入される挿入孔を備えた鉄心が固定されるモータの回転子構造において、前記鉄心保持具は、前記回転軸が挿入可能な内筒部と、この内筒部より大きい直径を有して外周部に前記鉄心が固定される外筒部と、前記内筒部および外筒部の一方の端部相互を接続する接続部と、前記外筒部の他方の端部から直径方向外側に突出するエンドプレート部とをそれぞれ一体に備えた二つの部材を、前記接続部を介して相互に固定してなり、前記エンドプレート部は、鉄心保持具が鉄心に固定される前の状態では、外筒部の他方の端部から直径方向外側に向かうに従って接続部側に向かって傾斜し、該鉄心保持具が鉄心に固定された後は前記鉄心の回転軸方向端部に当接して弾性変形し、該鉄心の回転軸方向端部を押圧する傾斜部を備えていることを特徴とするモータの回転子構造。
  2. 鉄心保持具の前記外筒部は、鉄心保持具が鉄心に固定される前の状態では、接続部側から他方の端部に向けて直径方向外側に広がる円錐形状部を備えていることを特徴とする請求項1記載のモータの回転子構造。
  3. 鉄心には磁石が設けられ、この磁石の回転軸方向の長さは、前記鉄心の回転軸方向の長さとほぼ同等であって、前記エンドプレート部は、前記磁石の回転軸方向端面においてはこの磁石の円周方向中心部に当接する構成であることを特徴とする請求項または記載のモータの回転子構造。
  4. 前記外筒部の接続部側の端部の外径は、鉄心保持具が挿入される鉄心の前記挿入孔の内径に対し、ほぼ同一もしくは小さくなっていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のモータの回転子構造。
  5. 接続部には、締結部材が挿入される貫通孔が設けられ、この貫通孔に前記締結部材が挿入されて締結されることによって二つの部材相互が固定されることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のモータの回転子構造。
  6. 回転軸が固定される鉄心保持具の外周に、前記回転軸の軸方向に沿って複数の磁性材料が積層して構成されて前記鉄心保持具が挿入される挿入孔を備えた鉄心が固定されるモータの回転子固定方法において、前記鉄心保持具は、前記回転軸が挿入可能な内筒部と、この内筒部より大きい直径を有して外周部に前記鉄心が固定される外筒部と、前記内筒部および外筒部の一方の端部相互を接続する接続部と、前記外筒部の他方の端部から直径方向外側に突出するエンドプレート部とをそれぞれ一体に備えた二つの部材から構成され、前記エンドプレート部は、鉄心保持具が鉄心に固定される前の状態では、外筒部の他方の端部から直径方向外側に向かうに従って接続部側に向かって傾斜し、該鉄心保持具が鉄心に固定された後は前記鉄心の回転軸方向端部に当接して弾性変形し、該鉄心の回転軸方向端部を押圧する傾斜部を備え、前記二つの部材を、その接続部側から前記鉄心の軸方向両端の前記挿入孔に挿入し、前記二つの部材の接続部相互を固定して、二つの部材相互を固定することを特徴とするモータの回転子固定方法。
  7. 二つの部材の各接続部に設けた貫通孔に締結部材を挿入し、この挿入した締結部材を締結して前記二つの部材相互を固定することを特徴とする請求項記載のモータの回転子固定方法。
  8. 回転軸が挿入可能な内筒部と、この内筒部より大きい直径を有して外周部に環状の鉄心が固定される外筒部と、前記内筒部および外筒部の一方の端部相互を接続する接続部と、前記外筒部の他方の端部から直径方向外側に突出するエンドプレート部とをそれぞれ一体に備えた二つの部材で構成され、前記エンドプレート部は、鉄心保持具が鉄心に固定される前の状態では、外筒部の他方の端部から直径方向外側に向かうに従って接続部側に向かって傾斜し、該鉄心保持具が鉄心に固定された後は前記鉄心の回転軸方向端部に当接して弾性変形し、該鉄心の回転軸方向端部を押圧する傾斜部を備えていることを特徴とする鉄心保持具。
  9. 前記外筒部は、鉄心に固定される前の状態では、外周面が前記接続部から他方の端部に向けて直径方向外側に広がる円錐形状部を備えていることを特徴とする 請求項8記載に鉄心保持具。
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