JP6094432B2 - 回転子及びこの回転子を使用する電動機 - Google Patents

回転子及びこの回転子を使用する電動機 Download PDF

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Description

本発明は、同期電動機の回転子、及びこの回転子を使用する電動機に関するものである。
従来の電動機の回転子においては、界磁部が、扇形状の電磁鋼板を積層したヨークを、直方体の永久磁石で挟持するものがある。この界磁部の前後端は、円筒部が中央に立設形成された非磁性材料で構成される前部端板、及び後部端板により挟持されている。ロータ軸は、前部端板及び後部端板とに、挿入結合させる(特許文献1参照)。
特開昭63−194549号公報(例えば、第2頁及び第1図)
従来の回転子は、立設円筒部の締め代に依存して、界磁部(ロータコア)とロータ軸(シャフト)とを固定している。しかし、前部端板、及び後部端板は、非磁性材料からなり、鉄製のシャフトよりも熱膨張率が大きい。このため、モータ駆動時の発熱により、立設円筒部とシャフト間に隙間が発生し、締め代が低減してしまう。
本発明は、上記従来の課題を解決し、ロータコアとシャフト間の固定を安価なコストでさらに強化する構造を提供するものである。
この発明に係る回転子は、積層鉄心と磁石を交互に配置し円環形状に構成されるロータコアと、ロータコアと同一の中心軸上に貫通された穴が設けられ、ロータコアの両端に嵌合部が軸方向の外側を向くように配置され、非磁性材料で形成される端板と、ロータコアと端板とを固定する固定ピンと、ロータコア中央に設けられた穴と端板の穴よりも外径が小さく、挿入されるとロータコア及び端板に対し非接触となる空間が設けられるように形成されるシャフトと、ロータコア及び端板と同一の中心軸上に貫通された穴が設けられ、軸方向及び径方向外側から端板の嵌合部を覆うようにして取付けられると共に、空間においてロータコアに対して非接触となる空間が設けられるように取付けられ、シャフトを挿入して固定される構造を持つ、シャフトと同じ材料で形成されるリングとを備え、リングが端板と嵌め合わされ、かつシャフトと接触して固定されることにより、ロータコアに発生した回転力をシャフトに伝達するとともに、リングが、ロータコアとシャフトが非接触となる空間を維持した状態で固定される。
本発明によれば、ロータコアとシャフト間の固定を安価なコストでさらに強化することができる。
本発明の実施の形態1における電動機を示す図である。 本発明の実施の形態1における電動機の断面図である。 本発明の実施の形態1における固定子の断面図である。 本発明の実施の形態1における回転子の断面図である。 本発明の実施の形態1における回転子の一部の断面図である。 本発明の実施の形態1における回転子の断面の斜視図である。 本発明の実施の形態1における回転子の横断面図である。 本発明の実施の形態1における端板の斜視図である。 本発明の実施の形態1における締結リングの斜視図である。 ロータコアと締結リング間に設ける空間の位置を説明する図である。 端板と締結リングの嵌め合い構造を示す図である。 本発明の実施の形態1における端板と締結リングのしまりばめ構造を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における端板と締結リングのしまりばめ構造を示す横断面図である。 本発明の実施の形態1の回転子における磁束を示す図である。 モータ駆動時における端板と締結リング間の締結力の増加について説明する図である。 本発明の実施の形態1における締結リングの他の形状を示す横断面図である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る同期電動機の構造を、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施の形態1に係る電動機の構造を示す図である。図2は、本実施の形態1に係る電動機の断面図である。
図1及び図2に示すように、電動機は、回転する部分である回転子(ロータ)と、回転子に回転力を発生させる部分である固定子(ステータ)から形成される。回転子は、主にロータコア4から形成される。回転子には、径方向の中心にシャフト1が固定される。回転子は、図1に示すように、シャフト1を中心として円周方向に複数の永久磁石を配置して形成する。固定子は、円筒形状をしており、径方向外側から回転子を覆っている。固定子は、シャフト1を中心として円周方向に複数のコイルを配置して形成する。交流電源は、交流電流を固定子のコイルに供給する。また、シャフト1には、負荷が接続されている。
固定子のコイルは、電流が流れると、図1のように磁束φを発生させる。回転子の永久磁石は、磁束φの方向に磁力を受ける。回転子は、永久磁石が受ける磁力により駆動する。
次に、電動機の動作を説明する。回転子を回転させる場合、コイルが作る磁界の向きを円周方向に次々と移動させる。これは、複数のコイルに対し、任意の交流電流を供給することにより、実現できる。複数のコイルは、時計回りまたは反時計回りの磁界(回転磁界)を生成する。図1に示す例において、複数のコイルは、時計回りの回転磁界を生成している。永久磁石は、回転磁界の方向に磁力を受ける。永久磁石が回転磁界に引っ張られることにより、回転子は、回転磁界と同じ方向に回転する。
回転子が回転する時、シャフト1は、回転子とともに回転する。シャフト1の回転力は、負荷へと伝達される。
次に、本実施の形態1に係る同期電動機の固定子及び回転子の構成を、図2乃至13を参照して詳細に説明する。図3は、本実施の形態1に係る固定子の断面図である。
固定子は、主にステータコア2と巻線3から形成される。ステータコア2は、内部が空洞で軸方向(図2及び図3の紙面方向、シャフト1またはロータコア4が設けられる方向)に伸びた円筒形状である。ステータコア2は、図2及び図3に示すように、内周上に複数のティース部2aを設ける。巻線3は、ティース部2a間のスロット内に収容される。巻線3は、一定の間隔ごとに分布して巻かれる。本実施の形態1において、スロットは、36個である。
図2に示すように、ステータコア2の径方向の中心には、ロータコア4を設ける。ステータコア2は、ロータコア4の径方向外側を覆っている。
図4は、本実施の形態1における回転子の磁石配置を示す図である。図4に示すように、本実施の形態1の回転子におけるロータコア4は、積層鉄心5と磁石6から形成される。積層鉄心5は、扇形状の鉄心材を、軸方向に積層してなるコアブロックから形成される。鉄心材には、中央部分に貫通穴を設けている。前記コアブロックにおいて、各貫通穴の位置が一致するように、板状の鉄心材が積層される。本実施の形態1においては、ロータコア4の積層鉄心5は、図4に示すとおり6つのコアブロックからなる。
磁石6は、直方体形状の永久磁石からなる。磁石6の各永久磁石は、軸方向の長さが積層鉄心5の高さと等しい。図4に示すロータコア4におけるB部の拡大図を、図5に示す。積層鉄心5の各コアブロックの径方向の外側には、図5に示すように、遠心力による永久磁石の飛び出し防止用の段部5aを設けている。このため、各永久磁石の径方向の長さは、鉄心材の扇形の半径よりも段部5aの長さ分だけ短い。本実施の形態1においては、磁石6は、6つの永久磁石からなる。
ロータコア4は、図4に示すように、積層鉄心5のコアブロックと、磁石6の永久磁石とを、シャフト1を中心として円周方向に交互に配置して形成する。図4に示すとおり、本実施の形態1において、磁極の極数(永久磁石またはコアブロックの数)は、6つである。またロータコア4は、径方向の中心(中心軸)に、軸方向に貫通された穴(中心穴)を設ける。
図6は、図4におけるA―A断面を投影した斜視図である。図7は、本実施の形態1における回転子の横断面図である。図6及び図7に示すように、ロータコア4の軸方向の両端には、端板7をそれぞれ据え付ける。端板7の構造を図8に示す。端板7は、図8に示すような円盤形状である。端板7の外周は、ロータコア4の径方向の外周と同じ大きさである。端板7は、中心軸上に貫通された穴(中心穴)を設ける。また端板7には、図7及び図8に示すように、該中心穴の内周に沿って円環状の凸部7a(嵌合部)を形成する。なお、端板7をロータコア4に取り付けるとき、端板7の両端の凸部7aが、図7に示す軸方向において外側を向くようにロータコア4の両端に取り付ける。
端板7には、図8に示すように、上記の中心穴との同心円上に、コアブロックと同数の貫通孔を設ける。これらの貫通穴は、端板7の中心軸とロータコア4の中心軸とを合わせたとき、積層鉄心5のコアブロックに設けられた穴の位置と一致するように設ける。端板7は、例えば、ステンレス等の非磁性体からなる。
上記の端板7及びロータコア4が有する6つの貫通穴には、図6のようにそれぞれ固定ピン8を突き通すことにより、端板7とロータコア4とを固定する。このように、固定ピン8は、回転子の形状を固定する。固定ピン8の長さは、軸方向においてロータコア4よりも長い。固定ピン8は、断面が円弧状の板ばねで構成される。固定ピン8による固定手順を更に詳細に次のとおり説明する。固定ピン8を端板7及びロータコア4の貫通穴に圧入する。この際、固定ピン8には、その外径側から押しつぶすような力が、端板7及びロータコア4の貫通穴から加わる。このため、固定ピン8は、弾性変形を生じる。そして、固定ピン8を端板7及びロータコア4の貫通穴へ圧入が完了すると、固定ピン8から貫通穴に対してその内周面を押圧するようなばね力が働く。このばね力により、端板7とロータコア4とが固定される。このように、固定ピン8を円弧状の板ばねで構成することにより、簡単で且つ安価な方法で端板7をロータコア4に固定できる。なお、固定ピン8には、両端にねじ切り加工がされた、積層鉄心5の貫通穴と同じ大きさの外径を有するピンを使用しても良い。この場合、固定ピン8を端板7及びロータコア4の貫通穴に通した後、軸方向の外側に突出した固定ピン8の両端のねじ切り加工部をナット等で固定する。
端板7には、図6及び図7に示すように、軸方向の外側から締結リング9を嵌合させる。締結リング9の構造を図9に示す。締結リング9は、図9に示すように円盤形状をしている。また、締結リング9は、その外周が端板7の中心穴の内周よりも大きい。締結リング9は、軸方向において端板7よりも厚みを持っている。さらに締結リング9は、端板7の中心穴と同一の軸上に、貫通された穴(中心穴)を設ける。
締結リング9は、図7及び図9に示すように、その外周に沿って円環状の第1の凸部9aを形成する。つまり、締結リング9の外周の軸方向の厚さは、第1の凸部9aの高さによって決まる。また締結リング9は、図7及び図9に示すように、第1の凸部9aの径方向内側に円環状の第2の凸部9bを形成する。第2の凸部9bは、中心穴の内周に沿って形成する。つまり、締結リング9の内周の軸方向の厚さは、第2の凸部9bの高さによって決まる。第2の凸部9bは、第1の凸部9aよりも低く(軸方向における長さが第1の凸部9aよりも短く)なるように形成する。すなわち、図10に示すように、締結リング9とロータコア4との間には、軸方向において空間Cが設けられる。
さらに、図7及び図9に示すように、第1の凸部9aと第2の凸部9bとの間には、第1の凸部9aの内周及び第2の凸部9bの外周を側壁とする、円環状の溝が形成される。この溝の幅は、端板7の凸部7aの幅よりも広く形成される。端板7と締結リング9とを嵌合させるとき、端板7の凸部7aは、該溝内に収容される。ここでいう収容とは、図11に示すような状態であることをいう。
図7に示すとおり、締結リング9の第1の凸部9aは、端板7と締結リング9とを中心軸が一致するように嵌合させることで、端板7の凸部7aと嵌合して、固定される。このとき、第1の凸部9aは、端板7の凸部7aを、図11のように径方向における外側から覆うように嵌合する。
図12は、端板7と締結リング9の斜視図である。図13は、端板7と締結リング9の横断面図である。図12及び図13に示すように、第1の凸部9aの内径は、端板7の凸部7aの外径よりも小さい。つまり、締結リング9の第1の凸部9aに、端板7の凸部7aを圧入することで、両部品を固く固定するしまりばめ構造とする。これにより、第1の凸部9aと端板7の凸部7aとの接触面の面圧が増大し、固定に作用する摩擦力が増大する。
なお、締結リング9は、第1の凸部9a及び第2の凸部9bが軸方向において内側(ロータコア4のある方向)を向くように配置し、端板7と嵌め合わせて固定する。締結リング9は、例えば、鉄等の材料(シャフト1と同じ材料)からなる。
図6及び図7に示すとおり、ロータコア4、端板7及び締結リング9にそれぞれ設けられた中心穴に、軸方向にシャフト1を挿入する。シャフト1は、例えば、鉄等の材料からなる。
シャフト1の外周は、ロータコア4及び端板7の中心穴の内周よりも小さく、締結リング9の中心穴の内周よりも大きい。このため、本実施の形態1において、シャフト1は、締結リング9の中心穴へ圧入される。つまり、シャフト1と締結リング9とは、接触部分の面圧及び摩擦力により固定される。一方、回転子への挿入後において、シャフト1は、ロータコア4及び端板7との間に径方向において空間を有する。この空間については、後述する本実施の形態1に係る原理において詳細に説明する。
以上のとおり、ロータコア4は、端板7及び締結リング9を介してシャフト1と固定される。なお、シャフト1の中心軸は、図6に示すとおり、ロータコア4の中心軸、端板7の中心軸及び締結リング9の中心軸と一致する。
次に、本実施の形態1に係る同期電動機の原理を説明する。実施の形態1のロータコア4のような構造を持つ回転子において、磁極間に発生する磁束は、図14に示すように、ロータコア4の径方向外側(実線矢印で表す磁束)及び径方向内側(破線矢印で表す磁束)を通る。このため、磁石6とシャフト1とが接触する場合、破線矢印に係る磁束は、磁性体であるシャフト1へと漏れ出してしまう。シャフト1への磁束漏れが発生すると、磁極が持つ磁気特性が悪化する。この問題を避けるため、実施の形態1の回転子は、ロータコア4とシャフト1の間に空間を設け、ロータコア4とシャフト1との接触を防止する。これにより、磁石6とシャフト1との接触により生じる磁束漏れを防止する。
上記の理由により、実施の形態1に係る回転子は、ロータコア4とシャフト1の間に空間を設けている。このため、実施の形態1に係る回転子は、端板7と締結リング9の嵌合部分及び締結リング9の締め代(締結リング9とシャフト1との接触部分の嵌め合い公差)に依存して、ロータコア4とシャフト1を固定する。
また、端板7は、ロータコア4に取り付けたとき、磁石6と接触する。このため、端板7は、磁気特性を考慮して非磁性材で製作し、磁束漏れを防止する場合がある。すなわち、端板7は、シャフト1と異なる材料で製作される場合がある。この場合、端板7の熱膨張率は、シャフト1の熱膨張率よりも大きい。よって、端板7は、モータ駆動時の発熱及び遠心力で、シャフト1よりも大きく膨張する。
仮に、端板7を、圧入または焼き嵌めによりシャフト1に固定する場合を考える。この場合、端板7の締め代(端板7とシャフト1との接触部分の嵌め合い公差)に依存して、両部品を固定することになる。このため、端板7が、モータ駆動時の発熱及び遠心力でシャフト1よりも大きく膨張したとき、端板7の締め代が低減する。よって、モータ駆動時における締め代の低減を防止し、ロータコア4とシャフト1間の固定をさらに強化する技術または構造を用いる必要がある。
次に、本実施の形態1に係る同期電動機の動作を説明する。上述のように、電動機は、磁界と電流の相互作用により発生する電磁力を利用して、回転運動を出力するものである。電動機において回転子を回転させる場合、巻線3に交流電流を供給する。これにより、各コイルは、図1に示す径方向に磁界を発生させ、ロータコア4の磁石6を吸引する。巻線3に任意の交流電流を供給することにより、固定子は、上述の回転磁界を発生させる。
ロータコア4は、回転磁界と同じ方向に回転力を受け、駆動する。すなわち、ロータコア4は、固定子が発生させた回転磁界の影響を受けて、円周方向に駆動され、回転する。このように、ステータコア2及び巻線3からなる固定子は、積層鉄心5及び磁石6から形成されるロータコア4と相互作用をし、ロータコア4に回転力を発生させる。
本実施の形態1において、ロータコア4と端板7とは、固定ピン8により固定されている。このため、ロータコア4と端板7は、一体となって回転する。また、端板7と締結リング9は、端板7の凸部7aと締結リング9の第1の凸部9aが嵌合し、固定されている。さらに、締結リング9の中心穴には、シャフト1を圧入している。つまり、端板7とシャフト1とは、締結リング9により接続され、固定されている。よって、ロータコア4に発生した回転力は、端板7、締結リング9を介してシャフト1へと伝達する。シャフト1は、この回転力を、回転子の外部へと出力する。
なお、モータ駆動時において、ロータコア4における鉄損により、回転子は発熱する。また回転子の回転により、各部品は、径方向外側方向の遠心力を受ける。
本実施の形態1において、締結リング9は、シャフト1と同一材料とする。すなわち、締結リング9は、鉄等の材料から形成する。これにより、締結リング9とシャフト1との熱膨張率は、等しくなる。このため、両部品間の熱による変形量も、等しくなる。よって、モータ駆動時に発熱しても、締結リング9とシャフト1間における締め代の低減は生じない。
また、本実施の形態1は、図11及び図15に示すように、締結リング9の第1の凸部9aが、端板7の凸部7aを、径方向における外側から覆うように嵌合する。このため、モータ駆動時の発熱及び遠心力により端板7が径方向外側に大きく膨張して(広がって)も、締結リング9の第1の凸部9aが、その広がりを押さえ込む。よって、締結リング9と端板7間の締め代の低減は生じない。
端板7は、締結リング9と同一材料、あるいは熱膨張率において同じまたはそれ以上の材料とする。この場合、端板7は、熱の影響を受けて締結リング9よりも大きく変形する。よって、図15に示すように、モータ駆動時の発熱及び遠心力により、端板7が径方向外側に大きく膨張した場合、締結リング9との接触による面圧及び摩擦力が増加する。すなわち、モータ駆動時において、端板7と締結リング9間の締結力を増大させることができるため、ロータコア4とシャフト1の固定を強化することが可能となる。
さらに、端板7は、非磁性の材料とする。具体的には、端板7は、ステンレス等の非磁性体から形成する。端板7は、磁石6と接触する部分に設けられる。このため、磁気的な特性を考慮して、端板7を非磁性材料とすることにより、ロータコア4の磁極間の磁束短絡を防止できる。なお、一般に、ステンレス等の非磁性材料の熱膨張率は、シャフト1及び締結リング9の材料である鉄等の磁性材料よりも大きい。
本実施の形態1において、締結リング9とシャフト1間の固定は、両部品間の接触面積に依存する。このため、両部品間の締め代を増やすためには、締結リング9及び第2の凸部9bを軸方向に長くする必要がある。しかし、第2の凸部9bをロータコア4に到達するまで延長した場合、シャフト1との間の空間に接近し、入り込んでしまう。この場合、鉄製の締結リング9から磁束漏れが生じ、磁気特性の悪化が懸念される。
上記のような問題を避けるため、本実施の形態1では、図7、図9、図13に示すとおり、締結リング9の第2の凸部9bを、軸方向における長さが第1の凸部9aよりも短く(第1の凸部9aよりも低く)なるように形成する。これにより、図10に示すように、締結リング9とロータコア4との間には、軸方向において空間Cを設ける。図10に示す空間Cは、第2の凸部9bが、ロータコア4とシャフト1との間に入り込まないように設けられる空間である。ただし、締結リング9及び第2の凸部9bの軸方向の長さは、ロータコア4とシャフト1の固定を維持するために必要な長さとする。これにより、ロータコア4とシャフト1の固定を維持できるとともに、磁気特性の悪化を防止できる。
加えて、端板7の凸部7aの外周は、締結リング9の第1の凸部9aの内周より大きく形成し、図11、図12、図13のように両部品を圧入し嵌め合せている。このような構造をとることで、端板7と締結リング9間をより強固に固定することができる。よって、ロータコア4とシャフト1との固定を維持することができる。
なお、実施の形態1において、締結リング9の形状は、図7、図9、図13に示したように、その外周に沿って円環状の第1の凸部9aを形成し、第1の凸部9aの径方向内側に円環状の第2の凸部9bを形成し、第1の凸部9aと第2の凸部9bとの間に円環状の溝を形成した形状である。第2の凸部9bは、軸方向における長さが第1の凸部9aよりも短くなるように形成する。しかし、締結リング9の形状は、この形状に限るものではない。
締結リング9の他の形状の例を、図16に示す。図16は、締結リング10、締結リング11、締結リング12の形状を示す横断面図である。図16-(a)に示す締結リング10は、締結リング9が有する第1の凸部9aと同様の第1の凸部10aを有するが、第2の凸部9bと同様の部分を持たない。また、締結リング10は、第2の凸部10cを形成する。この第2の凸部10cは、図16-(a)に示すように、第1の凸部10aに対し、軸方向において反対側である軸方向外側に形成する。また、締結リング10は、図16-(a)に示すように、中心軸上に、軸方向に貫通された穴(中心穴)を設ける。第2の凸部10cは、締結リング10の中心穴の内周に沿って、形成する。
図16-(b)に示す締結リング11は、締結リング9が有する第1の凸部9aと同様の第1の凸部11aと、第2の凸部9bと同様の第2の凸部11bとを有する。また、締結リング11は、図16-(b)に示すように、中心軸上に、軸方向に貫通された穴(中心穴)を設ける。締結リング11は、締結リング9と比較して、軸方向により厚みを持たせた形状である。
図16-(c)に示す締結リング12は、締結リング9が有する第1の凸部9aと同様の第1の凸部12aと、第2の凸部9bと同様の第2の凸部12bとを有する。また、締結リング12は、第3の凸部12cを形成する。この第3の凸部12cは、図16-(c)に示すように、第2の凸部12bに対し、軸方向において反対側である軸方向外側に形成する。また、締結リング12は、図16-(c)に示すように、中心軸上に、軸方向に貫通された穴(中心穴)を設ける。第3の凸部12cは、締結リング12の中心穴の内周に沿って、形成する。
締結リング10、11、12を使用するときは、その中心穴に、シャフト1を圧入する。つまり、締結リング10、11、12のそれぞれは、使用時において、図16に示すシャフト1との接触部分の面圧及び摩擦力により、シャフト1に固定する。
第1の凸部10a、11a、12aの内径は、端板7の凸部7aの外径よりも小さく形成する。これにより、締結リング10、11、12のそれぞれは、使用時において、端板7と固く嵌め合わせるしまりばめ構造とする。締結リング10、11、12は、鉄等の材料(シャフト1と同じ材料)から形成する。
第2の凸部11b、12bは、シャフト1に取り付けた時、ロータコア4とシャフト1の間の空間に到達しない長さとする。これにより、第2の凸部11b、12bの先端が、ロータコア4とシャフト1との間の空間に入り込んでしまうことを防ぐことができる。また、締結リング10は、締結リング9の第2の凸部9bと同様の部分を持たない。これにより、締結リング10の一部がロータコア4とシャフト1との間の空間に入り込んでしまうことがない。よって、締結リング10、11、12を使用する場合において、ロータコア4の磁気特性の悪化を防止できる。
また、締結リング10、12は、第2の凸部10c、及び第3の凸部12cを形成する。締結リング11は、軸方向に厚みを持たせた形状である。このため、締結リング10、11、12は、締結リング9と比較して、図16に示すシャフト1との接触部分を、軸方向に大きく取ることができる。よって、締結リング10、11、12は、締結リング9よりも、シャフト1に対してさらに強固に固定することができる。
なお、本実施の形態1において、巻線3の巻線方法は、分布巻とした。また、磁極の極数を6つとし、固定子のスロット数を36個とした。端板7には、コアブロックの数と同じ数だけ貫通穴を設けた。しかし、実施の形態1においては、このような構成に限られるものではない。巻線3の巻線方法は、分布巻でなく、集中巻としても良い。また、磁極の極数とスロット数は、例えば、磁極数が8極でスロット数が48個としても良い。このような構成の変更を行ったとしても、本実施の形態1において実現できる効果を妨げるものではないことは、明らかである。
本実施の形態1は、端板7と締結リング9の部品形状の簡易化を図り、二部品構成による固定方法とした。このため、構造上の検討要素の容易化が期待できる。
本実施の形態1に係る電動機は、回転子が永久磁石を持つ構造である。本実施の形態1に係る電動機は、送風機のファン、コンプレッサなどの空調機器、ポンプの動力部など、継続した稼動を要する設備、機器に用いることができる。
1 シャフト、2 ステータコア、2a ティース部、3 巻線、4 ロータコア、5 積層鉄心、5a 段部、6 磁石、7 端板、7a 凸部、8 固定ピン、9 締結リング、9a 第1の凸部、9b 第2の凸部、10 締結リング、10a 第1の凸部、10c 第2の凸部、11 締結リング、11a 第1の凸部、11b 第2の凸部、12 締結リング、12a 第1の凸部、12b 第2の凸部、12c 第3の凸部

Claims (5)

  1. 積層鉄心と磁石を交互に配置し円環形状に構成されるロータコアと、
    前記ロータコアと同一の中心軸上に貫通された穴が設けられ、前記ロータコアの両端に嵌合部が軸方向の外側を向くように配置され、非磁性材料で形成される端板と、
    前記ロータコアと前記端板とを固定する固定ピンと、
    前記ロータコア中央に設けられた穴と前記端板の穴よりも外径が小さく、挿入されると前記ロータコア及び前記端板に対し非接触となる空間が設けられるように形成されるシャフトと、
    前記ロータコア及び前記端板と同一の中心軸上に貫通された穴が設けられ、軸方向及び径方向外側から前記端板の嵌合部を覆うようにして取付けられると共に、前記空間において前記ロータコアに対して非接触となる空間が設けられるように取付けられ、前記シャフトを挿入して固定される構造を持つ、前記シャフトと同じ材料で形成されるリングとを備え、
    前記リングが前記端板と嵌め合わされ、かつ前記シャフトと接触して固定されることにより、前記ロータコアに発生した回転力を前記シャフトに伝達するとともに、
    前記リングが、前記ロータコアと前記シャフトが非接触となる空間を維持した状態で固定されることを特徴とする回転子。
  2. 前記リングは、前記ロータコア側に前記リングの外周に沿う円環状の第1の凸部を有すると共に、前記第1の凸部の径方向内側に円環状の第2の凸部とを有し、
    前記第2の凸部は、軸方向における長さが前記第1の凸部より短いことを特徴とする請求項1に記載の回転子
  3. 前記リングの前記第1の凸部の内径は、前記端板の前記嵌合部の外径よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の回転子。
  4. 前記リングは、前記ロータコア側に前記リングの外周に沿う円環状の第1の凸部を有すると共に、前記リングの中心軸上に貫通された穴の内周に沿って、前記第1の凸部に対し軸方向において反対側である軸方向外側に形成された第2の凸部とを有することを特徴とする請求項1に記載の回転子
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の回転子を備え、前記シャフトは、前記回転子に固定され、前記回転子の回転力を外部に伝達することを特徴とする電動機。
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