JP3752708B2 - 内燃機関のスロットル制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車載用内燃機関の吸気調量バルブであるスロットルバルブの開度をモータ等を通じて電気的に制御する内燃機関のスロットル制御装置に関し、特にその異常等に際しても好適なフェイルセーフを実現することのできる制御装置構造の具現に関する。
【0002】
【従来の技術】
スロットルバルブの開度を電気的に制御するスロットル制御装置は、アクセル操作量に対するスロットル開度の特性を任意に設定することができることから、例えば加速要求等、車両の運転状態に的確に対応することのできるシステムとして近年注目を集めている。図8に、こうしたスロットル制御装置の一例についてその構造を模式的に示す。
【0003】
この図8に示されるように、同スロットル制御装置にあっては、電磁クラッチ18を介してDC(直流)モータ19からの動力(トルク)がスロットルバルブ5に伝達されるようになっている。これら電磁クラッチ18及びDCモータ19は、同図においては図示を割愛した電子制御装置によってそれぞれその駆動が制御される。なお、同図8においては、図の上方がスロットルバルブ5の開弁方向を示し、図の下方がスロットルバルブ5の閉弁方向を示している。
【0004】
一方、スロットルバルブ5には同バルブの開度を検出するスロットルセンサ16が、またアクセル側にもその操作量(開度)を検出するアクセルセンサ17がそれぞれ設けられている。それらセンサ16及び17の出力は何れも、上記図示を割愛した電子制御装置に取り込まれて、スロットル開度及びアクセル操作量がそれぞれモニタされる。
【0005】
そして、図8(a)に示す、上記クラッチ18がON(オン)される通常の制御時には、上記電子制御装置を通じて、
(1)アクセルセンサ17によって検出されるアクセルレバー62の位置、すなわちアクセル操作量(開度)とスロットルセンサ16によって検出されるスロットルバルブ5の開度とを取り込む。
(2)これら取り込んだアクセル操作量及びスロットル開度をもとに、スロットルバルブ5の制御指令値を演算する。
(3)この演算した制御指令値に応じて上記モータ19を駆動し、スロットルバルブ5を開閉する。
といったスロットル制御が実行される。
【0006】
なおこのとき、アクセルリターンスプリング61によって閉方向に付勢されている上記アクセルレバー62とバルブリターンスプリング51によってやはり閉方向に付勢されている中間レバー53とは、常に所定の間隙が保持されるよう、上記電子制御装置を通じてスロットルバルブ5の開度が制御される。
【0007】
中間レバー53は、スロットルバルブ5と物理的に連結されて退避走行用スプリング52により開方向に付勢されているバルブレバー54との兼ね合いで、
(イ)この図8(a)に示す通常の制御時にはバルブレバー54の動きに伴って移動する。
(ロ)図8(b)に示す上記クラッチ18のOFF(オフ)時には、上述の如く退避走行用スプリング52によって開方向に付勢されている同バルブレバー54の動きを規制する。
といった態様で作用するレバーである。
【0008】
特にクラッチ18のOFF(オフ)時、上記(ロ)の規制を実現するために、同スロットル制御装置にあっては、バルブリターンスプリング51と退避走行用スプリング52とで、その各トルクの関係を
バルブリターンスプリング51のトルク> 退避走行用スプリング52のトルク
といった関係に設定している。
【0009】
このクラッチ18がOFFとなって、上記モータ19とスロットルバルブ5との連結が断たれているときの同装置の動きについて、図8(b)を参照して更に説明する。
【0010】
電磁クラッチ18がOFFとなっていて且つ、アクセル操作量(開度)が所定値以下である場合、スロットルバルブ5は、上記バルブリターンスプリング51と退避走行用スプリング52とのトルク関係に基づき、同図8(b)に示される態様で、中間レバーストッパ55の位置に保持される。
【0011】
そしてこのときには、アクセルレバー62と中間レバー53との上述した制御関係も解除されているため、ドライバがアクセルペダルを所定値以上に踏み込むことによってアクセルレバー62が中間レバー53に当接し、以後は、その踏み込み量に応じて中間レバー53が押し上げられるようになる。
【0012】
こうして中間レバー53が押し上げられることにより、退避走行用スプリング52によって開方向に付勢されている上記バルブレバー54がこれに追従して開方向に動き、ひいてはスロットルバルブ5も、これに追従して開弁されるようになる。これは、該スロットル制御装置に異常等が来たした際のいわゆる退避走行として利用される動作モードである。
【0013】
また、この退避走行モードでは、ドライバがアクセルペダルから足を離すことによって、アクセルリターンスプリング61により閉方向に付勢されている上記アクセルレバー62がアクセル全閉ストッパ63の位置に戻され、それに伴い、スロットルバルブ5も、バルブリターンスプリング51と退避走行用スプリング52との上記トルク関係に基づき、同図8(b)に示される態様で、中間レバーストッパ55の位置に戻される。
【0014】
なおこれら図8(a)及び(b)において、ストッパ56は、上記スロットルバルブ5の全閉位置に対応して配設されるバルブ全閉ストッパである。同スロットル機構においては上述のように、電磁クラッチ18をOFFとしたとき、上記スロットルバルブ5がこのバルブ全閉ストッパ56の位置ではなく、これよりもやや開いた上記中間レバーストッパ55の位置に戻されるようにしている。これは、同電磁クラッチ18のOFFに伴ってスロットルバルブ5が全閉となり、内燃機関が急停止してしまうといったような事態を避けるための配慮である。
【0015】
また、上記スロットルセンサ16及びアクセルセンサ17としては、それぞれ2つのセンサ出力が互いに比較される2重系のものを想定している。スロットルセンサ16及びアクセルセンサ17としてこうした2重系のものを採用することにより、それらセンサ自身の故障等についても的確に対処することができるようになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
このように、スロットルバルブの開度を電気的に制御するスロットル制御装置にあっては、その通常の制御に際し、アクセル操作量に対するスロットル開度の特性を上記演算するスロットルバルブの制御指令値に応じて任意に設定することができるようになっている。そしてこのため、例えば加速要求等、車両の運転状態に的確に対応することができるようになることは上述した。
【0017】
また、こうしたスロットル制御装置にあっては、センサの故障やその他の原因によって電気的なスロットル制御が不能となった場合でも、上記電磁クラッチをOFFとすることで、退避走行モードとして上述した最低限のスロットル操作は確保されるようになる。
【0018】
ただし、この退避走行モードにしろ、同スロットル制御装置では、スロットルバルブとアクセルペダルとが機械的に連結されるわけではない。このため、当該装置を構成する上記各部品に折損等の異常が生じたような場合には、その最低限のスロットル操作すら確保できなくなることもある。
【0019】
例えば、図8に示した装置において、電磁クラッチ18をOFFとしたとき、そのバルブリターンスプリング51に折損等が生じていた場合には、中間レバー53によるバルブレバー54の規制が不能となり、退避走行用スプリング52によってスロットルバルブ5は全開駆動されてしまう。
【0020】
また同装置において、他方の退避走行用スプリング52に折損等が生じていた場合には、電磁クラッチ18をOFFとして退避走行しようとしても、スロットルバルブ5は、例えば中間レバーストッパ55の位置に固定されたままアクセル操作に追従しなくなる。
【0021】
なお従来、こうしたスロットル制御装置を対象として、その異常時、退避走行モードに移行できるようにした装置としては他にも、例えば特開昭59−153945号公報記載の装置、或いは特開平4−350332号公報記載の装置等が知られている。
【0022】
これらの装置は何れも、その退避走行時、スロットルバルブとアクセルペダルとがアクセルワイヤによって機械的に直結される構造になっていて、上記例示した構造に直接は対応しない。しかし、これらの装置であれ、スロットルバルブを閉弁側に付勢する手段に折損等が生じた場合にはやはり、それらスロットル操作に支障を来たすようになる。
【0023】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、スロットルバルブを閉弁側に付勢する手段等、当該装置を構成する部品に異常が生じた場合であれ、それら異常を的確に検出して常に適正なフェイルセーフを実現することのできる内燃機関のスロットル制御装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
こうした目的を達成するため、請求項1記載の発明では、内燃機関のスロットルバルブを当該車両のアクセル操作と独立に開閉駆動するスロットル駆動手段と、このスロットル駆動手段と前記スロットルバルブとの機械的な連結を断続するクラッチ手段と、このクラッチ手段による連結の有無を切換制御するクラッチ制御手段と、前記スロットルバルブの開度を検出するスロットルセンサと、前記アクセルの操作量を検出するアクセルセンサと、前記クラッチ手段が連結有りに制御されているとき、これら各センサの出力に基づいて前記スロットル駆動手段を通じた前記スロットルバルブの開閉量を制御するスロットル制御手段と、前記クラッチ手段が連結無しに制御されているとき、前記スロットルバルブを所定に付勢する付勢手段と、同じく前記クラッチ手段が連結無しに制御されているとき、該付勢手段と協働して、前記アクセル操作に応じた量だけ、前記スロットルバルブを開閉操作するスロットル操作機構と、当該機関の始動前に、前記スロットルセンサの出力に基づいて前記付勢手段の異常の有無を検出し、異常有りが検出されるとき、前記クラッチ制御手段による前記クラッチ手段の連結無し側への切換制御を禁止する保護手段とを具えてスロットル制御装置を構成する。
【0025】
また、請求項2記載の発明では、該請求項1記載の発明の構成において、前記付勢手段が、前記スロットルバルブを閉弁側に付勢する第1の付勢手段と、該第1の付勢手段よりも弱い付勢力にて前記スロットルバルブを開弁側に付勢する第2の付勢手段とを具えて構成されるとき、前記保護手段を、前記クラッチ手段の未連結時、前記スロットルセンサの出力が前記スロットルバルブの所定値以上の開弁を示すことに基づいて前記第1の付勢手段の異常を検出し、前記スロットルセンサの出力が前記スロットルバルブの所定値以下の閉弁を示すことに基づいて前記第2の付勢手段の異常を検出するものとして構成する。
【0026】
また、請求項3記載の発明では、該請求項2記載の発明の構成において、前記保護手段を、前記第1の付勢手段の異常有りが検出されるとき、当該車両の定速走行モードへの移行をも併せ禁止するものとして構成する。
【0027】
また、請求項4記載の発明では、これら請求項1または2または3記載の発明の構成において、前記保護手段を更に、前記クラッチ制御手段を通じて前記クラッチ手段を連結有りに制御し、且つ、前記スロットル駆動手段を通じて前記スロットルバルブを所定開度に制御したときの前記スロットルセンサの出力に基づいて前記クラッチ手段または前記スロットル駆動手段の異常の有無を検出し、それら手段の異常が検出されるとき、前記クラッチ手段を連結無し側に強制制御して前記スロットル操作機構によるスロットル操作に移行せしめるものとして構成する。
【0028】
また、請求項5記載の発明では、該請求項4記載の発明の構成において、前記保護手段を更に、前記クラッチ手段及び前記スロットル駆動手段の異常が検出されないとき、前記クラッチ制御手段を通じて前記クラッチ手段を連結無しに制御したときの前記スロットルセンサの出力に基づいて該クラッチ手段の異常の有無を検出し、同クラッチ手段の異常が検出されるとき、当該車両の定速走行モードへの移行を禁止するものとして構成する。
【0029】
また、請求項6記載の発明では、該請求項5記載の発明の構成において、前記保護手段を更に、前記クラッチ手段の異常が検出されないとき、前記クラッチ制御手段を通じて前記クラッチ手段を連結有りに制御し、且つ、前記スロットル駆動手段を通じて前記スロットルバルブを所定開度に制御したときの前記スロットルセンサの出力に基づいて該スロットル駆動手段の異常の有無を検出し、同スロットル駆動手段の異常が検出されるとき、前記クラッチ手段を連結無し側に強制制御して前記スロットル操作機構によるスロットル操作に移行せしめるものとして構成する。
【0030】
また、請求項7記載の発明では、これら請求項4〜6の何れかに記載の発明の構成において、前記保護手段を更に、前記スロットル駆動手段及び前記付勢手段の異常が検出されるとき、当該機関への燃料供給を停止せしめるものとして構成する。
【0031】
また、請求項8記載の発明では、請求項1〜7の何れかに記載の発明の構成において、前記保護手段を更に、前記何れかの異常有りが検出されるとき、その旨を当該車両のドライバに警報する警報手段を具えるものとして構成する。
【0032】
これら各発明による作用は以下の通りである。
まず、請求項1記載の発明の、
(a)内燃機関のスロットルバルブを当該車両のアクセル操作と独立に開閉駆動するスロットル駆動手段。
(b)このスロットル駆動手段と前記スロットルバルブとの機械的な連結を断続するクラッチ手段。
(c)このクラッチ手段による連結の有無を切換制御するクラッチ制御手段。
(d)前記スロットルバルブの開度を検出するスロットルセンサ。
(e)前記アクセルの操作量を検出するアクセルセンサ。
(f)前記クラッチ手段が連結有りに制御されているとき、これら各センサの出力に基づいて前記スロットル駆動手段を通じた前記スロットルバルブの開閉量を制御するスロットル制御手段。
(g)前記クラッチ手段が連結無しに制御されているとき、前記スロットルバルブを所定に付勢する付勢手段。
(h)同じく前記クラッチ手段が連結無しに制御されているとき、該付勢手段と協働して、前記アクセル操作に応じた量だけ、前記スロットルバルブを開閉操作するスロットル操作機構。
(i)当該機関の始動前に、前記スロットルセンサの出力に基づいて前記付勢手段の異常の有無を検出し、異常有りが検出されるとき、前記クラッチ制御手段による前記クラッチ手段の連結無し側への切換制御を禁止する保護手段。
を具える構成において、上記(a)〜(f)の各手段は、該スロットル制御装置としての主に前記通常の制御において用いられる手段であり、また上記(g)〜(h)の各手段は、同スロットル制御装置としての主に前記制御不能時における退避走行等において用いられる手段である。
【0033】
ここで、上記(g)の付勢手段が正常であれば、上記クラッチ手段を連結無しとして退避走行に移行する場合であっても、上記(h)のスロットル操作機構を通じた必要最小限のスロットル操作が確保されるようになることは前述した通りである。
【0034】
また逆に、同(g)の付勢手段に異常が生じていた場合には、上記クラッチ手段を連結無しとして退避走行に移行しようとしたときに、
・スロットルバルブが全開駆動されてしまう。
・或いは、スロットルバルブがある開度に固定されたままアクセル操作に追従しなくなる。
等々の不都合が発生するようになることも前述した。
【0035】
そこで請求項1記載の発明では、上記(i)の保護手段を設けて上記(g)の付勢手段に異常が生じているか否かを事前に(機関始動前に)検出し、異常有りが検出されるときは、上記クラッチ手段の連結無し側への切換制御を禁止して、こうした退避走行への移行ができないようにしている。
【0036】
このため、同請求項1記載の発明によれば、上記付勢手段に異常が生じている場合であれ、少なくともスロットルバルブが全開駆動されてしまうような事態に陥ることはなく、当該車両の安全が好適に確保されるようになる。
【0037】
なお、機関の始動前であれば、上記クラッチ手段が連結無し側にあって、上記スロットルバルブが例えば全開位置にあったとしても、上記スロットルセンサの出力に基づいて、その異常の旨を安全且つ的確に検出することができる。
【0038】
しかも、同機関の始動前であれば、こうして付勢手段の異常を検出した後、上記クラッチ手段を連結有りに制御し、上記(f)のスロットル制御手段を通じたスロットル制御を実行することで、例えば全開位置にあったスロットルバルブも適正な開度に是正され、その後の車両走行も確保されるようになる。
【0039】
また、請求項2記載の発明によるように、上記(g)の付勢手段が、
(g1)前記スロットルバルブを閉弁側に付勢する第1の付勢手段。
(g2)該第1の付勢手段よりも弱い付勢力にて前記スロットルバルブを開弁側に付勢する第2の付勢手段。
といった2つの付勢手段を有して構成される場合には、上記(i)の保護手段においても、
・前記クラッチ手段の未連結時、前記スロットルセンサの出力が前記スロットルバルブの所定値以上の開弁を示すことに基づいて前記第1の付勢手段の異常を検出し、前記スロットルセンサの出力が前記スロットルバルブの所定値以下の閉弁を示すことに基づいて前記第2の付勢手段の異常を検出する。
といった態様での異常検出が有効となる。
【0040】
なお、上記(g)の付勢手段がこうした第1及び第2の付勢手段を有して構成される場合、上記(h)のスロットル操作機構にあっては、
・前記アクセルが操作されたとき、前記第1の付勢手段による付勢力に抗して、且つ、前記第2の付勢手段による付勢力に助長されて、前記スロットルバルブを開弁操作する。
といった態様で、同スロットルバルブの開閉を行うこととなる。
【0041】
また、こうして第1及び第2の付勢手段の別に、それら異常を検出することができる場合には、請求項3記載の発明によるように、同(i)の保護手段を、
・前記第1の付勢手段の異常有りが検出されるとき、当該車両の定速走行モードへの移行をも併せ禁止するもの。
として構成することで、当該車両の走行開始後、上記定速走行モードに起因してスロットルバルブが全開駆動されてしまうような事態も好適に回避されるようになる。
【0042】
因みに、該定速走行モードに関しては、ドライバによるブレーキペダルの踏み込み操作によって同モードがキャンセルされた場合、
(イ)上記スロットル駆動手段(モータ)
(ロ)上記第1の付勢手段
の2重系によってスロットルバルブを閉弁側に戻すことでより高い安全性を確保している。このため、上記第1の付勢手段の異常有りが検出されているときにこうした定速走行モードへの移行を予め禁止しておけば、上記(ロ)の第1の付勢手段にて閉弁を行うべく、上記クラッチ手段が連結無し側に切換制御されることもなくなる。
【0043】
なお、同請求項3記載の発明によれば、上記第2の付勢手段の異常有りが検出されるときには、こうした定速走行モードへの移行は禁止されない。すなわち、過剰なフェイルセーフの実行は避けられるようになる。
【0044】
また、請求項4記載の発明によるように、上記(i)の保護手段を更に、
・前記クラッチ制御手段を通じて前記クラッチ手段を連結有りに制御し、且つ、前記スロットル駆動手段を通じて前記スロットルバルブを所定開度に制御したときの前記スロットルセンサの出力に基づいて前記クラッチ手段または前記スロットル駆動手段の異常の有無を検出し、それら手段の異常が検出されるとき、前記クラッチ手段を連結無し側に強制制御して前記スロットル操作機構によるスロットル操作に移行せしめるもの。
として構成すれば、上記(a)のスロットル駆動手段または上記(b)のクラッチ手段についても、その異常の有無をチェックすることができるようになる。
【0045】
なおこのとき、これら手段の何れに異常があっても、上記スロットルセンサからは所望の出力が得られない。したがってこの段階では、当該異常がスロットル駆動手段によるものか、或いはクラッチ手段によるものかの判別はできない。
【0046】
しかし、この異常が上記スロットル駆動手段によるものであった場合には、そもそも該手段を通じたスロットル制御が期待できないため、このようにクラッチ手段を連結無し側に強制制御して退避走行モードに切り替えることで、最低限のスロットル操作に基づく最低限の車両走行は確保されるようになる。
【0047】
他方、同異常が上記クラッチ手段によるものであったとしても、これはいわゆるOFF(オフ)固着による異常であるため、この場合もやはり、上記スロットル駆動手段を通じたスロットル制御は期待できない。したがってこの場合も、同様に退避走行モードに切り替えることで、最低限のスロットル操作に基づく最低限の車両走行は確保されるようになる。
【0048】
また、請求項5記載の発明によるように、同(i)の保護手段を更に、
・前記クラッチ手段及び前記スロットル駆動手段の異常が検出されないとき、前記クラッチ制御手段を通じて前記クラッチ手段を連結無しに制御したときの前記スロットルセンサの出力に基づいて該クラッチ手段の異常の有無を検出し、同クラッチ手段の異常が検出されるとき、当該車両の定速走行モードへの移行を禁止するもの。
として構成すれば、上記(b)のクラッチ手段のいわゆるON(オン)固着にかかる異常についてその有無をチェックすることができるようになる。
【0049】
すなわちこのとき、該クラッチ手段が正常であれば、その連結が外れ、スロットルバルブは、上記付勢手段によって例えば閉弁側の所定位置に戻されるようになるが、同クラッチ手段が連結有りON固着されている場合には、スロットルバルブは戻らず、上記スロットルセンサの出力も変化しない。
【0050】
そして、こうしてクラッチ手段のON固着が検出されるとき、当該車両の定速走行モードへの移行を予め禁止することで、このON固着されたクラッチ手段に連結無し側(OFF側)への切換指令が発せられることもなくなる。ドライバによるブレーキペダルの踏み込み操作によって定速走行モードがキャンセルされた場合、
(イ)上記スロットル駆動手段(モータ)
(ロ)上記第1の付勢手段
の2重系によってスロットルバルブを閉弁側に戻すことでより高い安全性を確保していることは上述した通りである。
【0051】
また、請求項6記載の発明によるように、この(i)の保護手段を更に、
・前記クラッチ手段の異常が検出されないとき、前記クラッチ制御手段を通じて前記クラッチ手段を連結有りに制御し、且つ、前記スロットル駆動手段を通じて前記スロットルバルブを所定開度に制御したときの前記スロットルセンサの出力に基づいて該スロットル駆動手段の異常の有無を検出し、同スロットル駆動手段の異常が検出されるとき、前記クラッチ手段を連結無し側に強制制御して前記スロットル操作機構によるスロットル操作に移行せしめるもの。
として構成すれば、上記(a)のスロットル駆動手段についてその異常の有無をチェックすることができるようになる。
【0052】
すなわちこのとき、上記クラッチ手段は正常であることが判明しているため、スロットルバルブを所定開度に制御したにもかかわらず、上記スロットルセンサから所望の出力が得られなかった場合には、当該異常はこのスロットル駆動手段によるものでしかなくなる。
【0053】
そして、こうしてスロットル駆動手段の異常が検出されるときには、上記請求項4記載の発明同様、クラッチ手段を連結無し側に強制制御して退避走行モードに切り替えることで、最低限のスロットル操作に基づく最低限の車両走行は確保されるようになる。
【0054】
また、請求項7記載の発明によるように、こうした保護手段を更に、
・前記スロットル駆動手段及び前記付勢手段の異常が検出されるとき、当該機関への燃料供給を停止せしめるもの。
として構成すれば、車両の走行は不能となるものの、その安全は確実に保たれるようになる。
【0055】
すなわち、スロットル駆動手段、並びに付勢手段が共に異常であるときとは、上記(f)のスロットル制御手段によるスロットル操作も、上記(h)のスロットル操作機構を通じた退避走行モードによるスロットル操作も共に不能となるときである。したがってこのような状況にあっては、いわゆる燃料カットを行って当該機関の始動を停止せしめることが、その安全を確保する上で最も確実な制御となる。
【0056】
また一方、請求項8記載の発明によるように、同保護手段を更に、
・前記何れかの異常有りが検出されるとき、その旨を当該車両のドライバに警報する警報手段を具えるもの。
として構成すれば、ドライバに対してそれら異常の旨を的確に知らしめ、適切な判断を促すことができるようになる。
【0057】
【発明の実施の形態】
図1に、この発明にかかる内燃機関のスロットル制御装置についてその一実施形態を示す。
【0058】
この実施形態にかかるスロットル制御装置は、そのスロットル構造として先の図8に例示した構造のものに適用されて、それら各部品の異常を的確に検出するとともに、それら検出内容に応じた適正なフェイルセーフを実現する装置として構成されている。
【0059】
はじめに、図1を参照して、同実施形態にかかるスロットル制御装置が適用される内燃機関、並びにその周辺装置の概略構成について説明する。
図1において、内燃機関1は、例えばV型6気筒の4サイクルエンジンとして構成されている。
【0060】
この内燃機関1において、その吸気通路2には、上流にエアクリーナ3が設けられ、該エアクリーナ3の下流側には、同機関1への吸入空気量を検出するエアフローメータ4が設けられている。このエアフローメータ4によって検出される吸入空気量は、空気量信号Qaとして、後述する電子制御装置20に取り込まれるようになる。
【0061】
また、吸気通路2の上記エアフローメータ4の下流側にはスロットルバルブ5が設けられ、このスロットルバルブ5の開閉に応じて、当該機関1に供給される空気量が調整される。上述のように、このスロットルバルブ5、並びにその周辺構造は、先の図8に示される構造となっており、その周辺装置として配設されているスロットルセンサ16及びアクセルセンサ17の出力もそれぞれスロットル開度信号VTA及びアクセル開度信号Apとして、後述する電子制御装置20に取り込まれる。
【0062】
また、吸気通路2は、インテークマニホールド6を介して同機関1の各気筒に接続されており、この吸気通路2から吸入され、上記スロットルバルブ5により調量された空気は、該インテークマニホールド6を経て、機関1の各気筒に分配供給されるようになる。
【0063】
一方、このインテークマニホールド6には、機関1の各気筒にそれぞれ対応して燃料噴射弁であるインジェクタ7が配設されている。それら各インジェクタ7を通じて噴射供給される燃料は、上記調量され、分配供給される吸気通路2からの吸入空気と混合されて、同機関1の各気筒に供給される。
【0064】
機関1の各気筒においては、吸気バルブ8の開閉に伴ってこの混合気が燃焼室9に導入され、該導入された混合気が点火プラグ10の点火により燃焼されることで、ピストン11が押し下げられクランクシャフト12へのトルク付与が行われる。また、燃焼後の排気ガスは、排気バルブ13の開閉に伴い排気通路14を経て外部に排出される。
【0065】
また、上記クランクシャフト12の近傍には、その回転角を検出するクランク角センサ15が配設されている。このクランク角センサ15からは、クランク角で30度毎にパルス信号が出力され、この出力されたパルス信号が、同機関1の回転数信号Neとして電子制御装置20に取り込まれる。
【0066】
電子制御装置20は、上記取り込まれる空気量信号Qaや回転数信号Neに基づいてインジェクタ7の駆動を制御するとともに、上記取り込まれるスロットル開度信号VTA及びアクセル開度信号Apに基づいてスロットルバルブ5を開閉制御する例えばマイクロコンピュータを有して構成される装置である。
【0067】
次に、この電子制御装置20並びにその周辺の構成について、同図1の参照のもとに更に説明する。
電子制御装置20において、CPU21は、上記空気量信号Qaや回転数信号Ne、更にはスロットル開度信号VTA、アクセル開度信号Ap等を所要に処理して、内燃機関1の運転においてその都度必要とされる燃料噴射量やスロットルバルブ55の開度等を演算する部分である。
【0068】
また、ROM22は、いわゆるプログラムメモリとして、内燃機関1の運転を制御するための各種プログラム、すなわち燃料噴射制御プログラムやスロットル制御プログラム等が予め格納されたメモリである。CPU21では、このROM22に格納されているプログラムに従って、上記各種の演算処理を実行する。
【0069】
また、RAM23は、いわゆるデータメモリとして、上記センサの出力データやCPU21による演算処理データ等が一時格納されるメモリである。後述する各種のフラグも、このRAM23に対してセットされる。
【0070】
また、インジェクタ駆動回路24は、上記空気量信号Qaや回転数信号Neに基づきCPU21を通じて演算される燃料噴射量に対応したパルス幅の信号を形成して上記インジェクタ7を駆動する回路である。これによりインジェクタ7からは、上記演算された燃料噴射量に対応した量の燃料が機関1の各気筒に対して噴射供給されるようになる。
【0071】
また、電磁クラッチ駆動回路25は、機関1の運転状態に応じてCPU21から与えられるON(オン)/OFF(オフ)指令に基づき前記電磁クラッチ18のON(連結有り)/OFF(連結無し)を切換制御する回路である。この電磁クラッチ18がONに制御されることで通常のDCモータ19によるスロットル制御が可能な状態となり、同クラッチ18がOFFに制御されることで、例えば退避走行時等、アクセル操作に半メカニカルに対応したスロットル操作が可能な状態となることは、図8に基づいて既述した通りである。
【0072】
また、ランプ駆動回路26は、後述する診断処理(プライマリチェック)において前記スロットル機構を構成する各部品に異常が検出された場合、その旨を当該車両のドライバに報知すべく、同車両運転席の操作パネル等に配設されているとする警告ランプ40を点灯駆動する回路である。
【0073】
また、A/D変換回路27は、上記取り込まれる空気量信号Qa、スロットル開度信号VTA、及びアクセル開度信号Ap等をA(アナログ)/D(ディジタル)変換してCPU21に出力するための回路であり、D/A変換回路28は、CPU21によって演算されるスロットルバルブ5の開度指令値(スロットル指令値)TTPをD/A変換してDCモータ駆動回路30に出力するための回路である。
【0074】
DCモータ駆動回路30は、同図1に併せ示されるように、PID制御回路31、PWM(パルス幅変調)回路32、及びドライバ33を具えて前記DCモータ19を駆動する回路である。
【0075】
因みに該DCモータ駆動回路30において、PID制御回路31は、上記D/A変換されたスロットル指令値TTPと前記スロットルセンサ16の出力であるスロットル開度信号VTAとに基づき、その偏差を縮小すべく比例(P)・積分(I)・微分(D)処理を施して、DCモータ19の駆動量(制御量)を演算する回路である。この演算された駆動量は、上記PWM回路32によって対応するデューティ比信号に変換され、該変換されたデューティ比信号がドライバ33を介してDCモータ19に印加される。すなわち、電磁クラッチ18がONとなっている場合、スロットルバルブ5は、DCモータ駆動回路30を通じたこうしたDCモータ19の駆動によって、上記スロットル指令値TTPにより指令されている開度にフィードバック制御されることとなる。なお、PWM回路32によって変換された上記デューティ比信号は、CPU21にも取り込まれてその内容がモニタされる。
【0076】
図2〜図7は、電子制御装置20によるスロットルバルブ5の制御に関して、その処理手順或いは処理態様を具体的に示したものであり、以下、これら図2〜図7を併せ参照して、同実施形態にかかるスロットル制御装置としてのスロットル制御態様を更に詳述する。
【0077】
まず、図2に示す同スロットル制御のメインルーチンについて説明する。
電子制御装置20は、その電源(図示せず)の投入に伴い、同図2に示されるメインルーチンの実行を開始する。なお同ルーチンは、例えば4ms(ミリ秒)の周期にて繰り返し実行されるものとする。
【0078】
さて、このメインルーチンにおいて、電子制御装置20はまず、ステップS100にて、イニシャルチェックを実行する。このイニシャルチェックでは、電気系統各部の通信異常の有無についてのチェックやRAM値のミラーチェック等が行われる。
【0079】
こうしてイニシャルチェックを終えると、電子制御装置20は次に、ステップS200にて、プライマリチェックを実行する。このプライマリチェックでは、前記スロットル機構を構成する各部品の異常の有無についての総合的な診断が行われ、それら部品に異常が検出された場合には、各該当する異常フラグがRAM23にセットされる。なお、このプライマリチェックの詳細については、後に、図3〜図5を参照して具体的に説明する。
【0080】
このプライマリチェックを終えた電子制御装置20は次いで、ステップS300にて、上記セットされた異常フラグに基づくフラグ処理を実行する。この異常フラグに基づく処理の詳細については、後に、図6及び図7を参照して具体的に説明する。またここでは、例えばトラクション制御や、アイドル回転制御、定速走行制御、非線形制御(通常のスロットル制御)等々、内燃機関1の運転状態に応じてそれら各種制御内容(制御状態)を示すフラグをRAM23にセットする処理(「通常のフラグ処理」)も併せ行われる。
【0081】
その後、電子制御装置20は、ステップS400にて、上記セットされている制御内容(制御状態)フラグに対応したスロットルバルブ5の開度指令値TTPを演算し、ステップS500にて、その演算した指令値TTPをD/A変換回路28を介して上記DCモータ駆動回路30に出力する。
【0082】
なお、内燃機関1の始動後は、スロットル制御のメインルーチンとして、上記ステップS300〜S500にかかる処理のみが、同電子制御装置20において繰り返し実行される。
【0083】
次に、図3〜図5を併せ参照して、上記メインルーチンのステップS200の処理として実行されるプライマリチェックについて具体的に説明する。
電子制御装置20は、上記イニシャルチェックを終えると、プライマリチェックとして、図3及び図4に示される手順にて、前記スロットル機構(図8参照)を構成する各部品の異常の有無についての総合診断を開始する。なお、同診断処理は、図示しないキースイッチがIG(イグニション)−ONから機関始動まで操作される間を利用して実行されるものであり、その全処理は約300ms程度の時間で完了される。
【0084】
さて、このプライマリチェックルーチンにおいて、電子制御装置20は、ステップS201、ステップS202、及びステップS203にて、それぞれ
・IG−ONであること。
・DCモータ19によるスロットル制御が実行されていないこと。
・電磁クラッチ18がOFFに制御されていること。
が満たされていることを条件に、同プライマリチェックを開始する。これら条件が1つでも満たされない場合には、同ルーチンを抜けて、メインルーチンに復帰する。
【0085】
これら条件が全て満たされている場合、電子制御装置20は、ステップS204にて、前記スロットルセンサ16の出力すなわちスロットル開度情報VTAを読み込む。そして、ステップS205及びステップS207にて、この開度情報VTAが前記中間レバーストッパ55(図8)の位置近傍を示しているか否かを判断する。
【0086】
すなわち、該電磁クラッチ18のOFF時にスロットルバルブ5が中間レバーストッパ55の位置近傍にあれば、前記バルブリターンスプリング51及び退避走行用スプリング52が何れも正常である旨判定することができるが、同スロットルバルブ5が当該位置から大きくずれている場合には、それらスプリング51及び52に折損等が生じている可能性がある。そこで、電子制御装置20では、上記読み込んだスロットル開度情報VTAに基づき、
・同開度情報VTAが所定値L1を超えて開弁側の値を示している場合には(ステップS205)、前記バルブリターンスプリング51に折損等が生じている可能性があるとして、ステップS206にて、バルブリターンスプリング異常フラグXFSPG1を「1」にセットする。
・同開度情報VTAが所定値L2を超えて閉弁側の値を示している場合には(ステップS207)、前記退避走行用スプリング52に折損等が生じている可能性があるとして、ステップS208にて、退避走行用スプリング異常フラグXFSPG2を「1」にセットする。
といった処理を実行する。なおこの処理は、図5に示すタイムチャートにおいては、「A」として示した時間帯での処理に相当する。
【0087】
すなわち図5において、図5(a)はIGスイッチの状態、図5(b)は電磁クラッチ18の状態、図5(c)はDCモータ19の制御の有無、図5(d)は上記スロットル開度情報VTAに基づくスロットルバルブ5の開度、図5(e)〜(h)は各異常フラグの状態をそれぞれ示しており、この時間帯Aにおいて、図5(d)のバルブ開度が所定値L1を超えて開弁側にあれば、異常W1として、図5(e)のバルブリターンスプリング異常フラグXFSPG1が「1」にセットされ、同バルブ開度が所定値L2を超えて閉弁側にあれば、異常W2として、図5(f)の退避走行用スプリング異常フラグXFSPG2が「1」にセットされる。
【0088】
図3に示されるプライマリチェックルーチンにおいて、こうして各スプリング51及び52に関する診断を終えた電子制御装置20は次に、ステップS209にて、電磁クラッチ18をONとした後、DCモータ19を制御して、所定位置TTP1までスロットルバルブ5を閉弁駆動する。ここでは、該所定位置TTP1を前記バルブ全閉ストッパ56(図8)の位置とする。そして、所定時間経過の後(ステップS210)、ステップS211にてスロットル開度情報VTAを読み込み、ステップS212にて、同スロットルバルブ5が当該位置近傍に制御されているか否かを判断する。
【0089】
すなわち、ステップS209の処理によってスロットルバルブ5が上記所定位置TTP1近傍に制御されていれば、少なくとも当該時点においては、上記電磁クラッチ18及びDCモータ19が共に正常である旨判定することができるが、同スロットルバルブ5が当該位置から大きくずれている場合には、それら電磁クラッチ18或いはDCモータ19の何れかに異常が生じている可能性がある。そして、ここでの異常の可能性としては、電磁クラッチ18がいわゆるOFF固着している場合、或いはDCモータ19そのものが制御不能である場合が考えられるが、当該段階では、それら何れの異常かは判別できない。
【0090】
そこで、同電子制御装置20では、このステップS212での判断において、スロットルバルブ5が所定位置TTP1近傍に制御されていない旨判断される場合、ステップS213にて、クラッチ異常フラグXFCLT及びモータ異常フラグXFACTを共に「1」にセットする。この処理は、図5に示すタイムチャートにおいては、「B」として示した時間帯での処理に相当する。
【0091】
すなわち、同図5の時間帯Bにおいて、図5(d)に示されるように、バルブ開度が上記モータ制御に伴って閉弁側に制御される場合には、上記電磁クラッチ18及びDCモータ19が共に正常である旨判定されるが、同バルブ開度が、図5(d)にL3として示される位置(値)から変化しなければ、異常W3として、図5(g)のクラッチ異常フラグXFCLT及び図5(h)のモータ異常フラグXFACTが共に「1」にセットされる。
【0092】
なお、図3のプライマリチェックルーチンにも示されるように、上記ステップS213においてこうしてクラッチ異常フラグXFCLT及びモータ異常フラグXFACTを「1」にセットした電子制御装置20は、そのまま当該ルーチンを抜けて、上述したメインルーチンのフラグ処理(S300)に移行する。
【0093】
一方、同プライマリチェックルーチンにおいて、スロットルバルブ5が正常にモータ制御されている旨判断される場合、電子制御装置20は更に、ステップS214にて、電磁クラッチ18をOFFに制御する。そして、所定時間経過の後(ステップS215)、ステップS216にてスロットル開度情報VTAを読み込み、ステップS217にて、同スロットルバルブ5が上記中間レバーストッパ55の位置近傍に戻されているか否かを判断する。
【0094】
すなわち、ステップS214のクラッチOFF制御によってスロットルバルブ5が上記中間レバーストッパ位置近傍に戻されていれば、上記電磁クラッチ18が正常である旨判定することができるが、同スロットルバルブ5が当該位置に戻らない場合には、同電磁クラッチ18がいわゆるON固着していることが考えられる。
【0095】
そこで、同電子制御装置20では、このステップS217での判断において、スロットルバルブ5が中間レバーストッパ位置近傍に戻されていない旨判断される場合、ステップS218にて、クラッチ異常フラグXFCLTを「1」にセットする。この処理は、図5に示すタイムチャートにおいては、「C」として示した時間帯での処理に相当する。
【0096】
すなわち、同図5の時間帯Cにおいて、図5(d)に示されるように、バルブ開度が上記クラッチOFF制御に伴って中間レバーストッパ位置近傍に戻される場合には、電磁クラッチ18が正常である旨判定されるが、このバルブ開度が、図5(d)にL4として示される先の閉弁制御位置から変化していなければ、異常W4として、図5(g)のクラッチ異常フラグXFCLTが「1」にセットされる。
【0097】
そして、このステップS218にてクラッチ異常フラグXFCLTを「1」にセットした電子制御装置20は、この場合もそのまま当該ルーチンを抜けて上記メインルーチンのフラグ処理(S300)に移行する。
【0098】
他方、同プライマリチェックルーチンにおいて、スロットルバルブ5が正常に復帰されている旨判断される場合、電子制御装置20は、ステップS219にてクラッチ異常フラグXFCLTを「0」にクリアした後、ステップS220にて再び電磁クラッチ18をONとし、DCモータ19を制御して、所定位置TTP2までスロットルバルブ5を開弁駆動する。そして、所定時間経過の後(ステップS221)、ステップS222にてスロットル開度情報VTAを読み込み、ステップS223にて、同スロットルバルブ5が当該位置近傍に制御されているか否かを判断する。
【0099】
すなわち、当該時点では上記電磁クラッチ18の正常が確認されているため、同ステップS220の処理によってスロットルバルブ5が上記所定位置TTP2近傍に制御されなければ、DCモータ19に何らかの異常が生じている旨判定することができる。
【0100】
そこで、同電子制御装置20では、このステップS223での判断において、スロットルバルブ5が所定位置TTP2近傍に制御されていない旨判断される場合、ステップS224にて、モータ異常フラグXFACTを「1」にセットする。この処理は、図5に示すタイムチャートにおいては、「D」として示した時間帯での処理に相当する。
【0101】
すなわち、同図5の時間帯Dにおいて、図5(d)に示されるように、バルブ開度が上記モータ制御に伴って開弁側に制御される場合には、上記DCモータ19が正常である旨判定されるが、同バルブ開度が、図5(d)にL5として示される位置(値)から変化しなければ、異常W5として、図5(h)のモータ異常フラグXFACTが「1」にセットされる。
【0102】
そして、同電子制御装置20は、このステップS224にてモータ異常フラグXFACTを「1」にセットした場合には、そのまま当該ルーチンを抜け、DCモータ19の正常が確認される場合には、ステップS225にてモータ異常フラグXFACTを「0」にクリアした後、該プライマリチェックルーチンを終えてメインルーチンのフラグ処理(S300)に移行する。
【0103】
次に、図6及び図7を併せ参照して、このメインルーチンのステップS300の処理として実行されるフラグ処理について具体的に説明する。
電子制御装置20は、上記プライマリチェックを終えると、フラグ処理として図6に示される手順にて、上記異常フラグのセットの有無を判断し、それら判断のもとに、図7に示される手順にて、異常の内容に応じたフェイルセーフを実行する。
【0104】
すなわち、このフラグ処理ルーチンにおいて、電子制御装置20は、ステップS301にて「XFSPG1=1」、すなわちバルブリターンスプリング51の異常が検出されている旨判断される場合、ステップS302にて「XFACT=1」、すなわちDCモータ19の異常が併せ検出されているか否かを更に判断する。そして、DCモータ19の側に異常がなければ、図7(a)に示すフェイルセーフ「F−1」の処理、すなわち
・電磁クラッチ18を常時ONとし(OFFを禁止し)、DCモータ19を通じたスロットル制御を継続する。
・前記警告ランプ40を点灯制御してドライバに異常の旨を報知する。
・定速走行モードへの移行を禁止する。
といった処理を実行する。
【0105】
ここで、上記バルブリターンスプリング51や退避走行用スプリング52が正常であれば、電磁クラッチ18をOFFとして退避走行に移行する場合であっても、アクセル操作を通じた必要最小限のスロットル操作が確保されるようになることは前述した。
【0106】
また逆に、これらバルブリターンスプリング51や退避走行用スプリング52に異常が生じていた場合には、電磁クラッチ18をOFFとして退避走行に移行しようとしたときに、
・スロットルバルブ5が全開駆動されてしまう。
・或いは、スロットルバルブ5がある開度に固定されたままアクセル操作に追従しなくなる。
等々の不都合が発生するようになることも前述した。
【0107】
そこで、同フェイルセーフ「F−1」の処理では、少なくとも上記バルブリターンスプリング51に異常が生じている旨判断されるときは、電磁クラッチ18のOFF側への切換制御を禁止して、こうした退避走行への移行ができないようにしている。
【0108】
このため、同フェイルセーフ「F−1」の処理によれば、上記バルブリターンスプリング51に異常が生じている場合であれ、少なくともスロットルバルブ5が全開駆動されてしまうような事態に陥ることはなく、当該車両の安全が好適に確保されるようになる。
【0109】
また、当該機関1の始動前であれば、こうしてバルブリターンスプリング51の異常を検出した後、上記電磁クラッチ18をONに制御して、上記DCモータ19を通じたスロットル制御を実行することで、例えば全開位置にあったスロットルバルブ5も適正な開度に是正され、その後の車両走行も確保されるようになる。そしてこの場合、上記警告ランプ40の点灯によって、当該車両のドライバは、速やかにディーラー等への退避を行うことができるようにもなる。
【0110】
また因みに、上記定速走行モードに関しては、ドライバによるブレーキペダルの踏み込み操作によって同モードがキャンセルされた場合、
(イ)DCモータ19
(ロ)バルブリターンスプリング51
の2重系によってスロットルバルブ5を閉弁側に戻すことでより高い安全性を確保している。
【0111】
このため、上記バルブリターンスプリング51の異常有りが検出されているときにこうした定速走行モードへの移行を予め禁止しておけば、該(ロ)のバルブリターンスプリング51にて閉弁を行うべく、上記電磁クラッチ18がOFF側に切換制御されることもなくなる。
【0112】
他方、上記ステップS302にてDCモータ19の側の異常も併せ判断される場合には、図7(e)に示すフェイルセーフ「F−5」の処理、すなわち
・当該機関1への燃料噴射を停止(燃料カット)する。
・前記警告ランプ40を点灯制御してドライバに異常の旨を報知する。
といった処理を実行する。この場合、車両の走行は不能となるものの、その安全は確実に保たれるようになる。
【0113】
すなわち、DCモータ19、並びにバルブリターンスプリング51が共に異常であるときとは、DCモータ19を通じた通常のスロットル制御も、また前記中間レバー53等(図8)を通じた退避走行としてのスロットル操作も共に不能となるときである。したがってこのような状況にあっては、いわゆる燃料カットを行って当該機関1の始動を停止せしめることが、その安全を確保する上で、最も確実なフェイルセーフとなる。
【0114】
また、同図6のフラグ処理ルーチンにおいて、電子制御装置20は、ステップS303にて「XFSPG2=1」、すなわち退避走行用スプリング52の異常が検出されている旨判断される場合、図7(b)に示すフェイルセーフ「F−2」の処理、すなわち
・電磁クラッチ18を常時ONとし(OFFを禁止し)、DCモータ19を通じたスロットル制御を継続する。
・前記警告ランプ40を点灯制御してドライバに異常の旨を報知する。
といった処理を実行する。
【0115】
こうしたフェイルセーフ「F−2」の処理によれば、上記退避走行用スプリング52に異常が生じている場合であれ、少なくともスロットルバルブ5がある開度に固定されたままアクセル操作に追従しなくなるような事態に陥ることはなく、この場合も、当該車両の安全は好適に確保されるようになる。
【0116】
そして、当該機関1の始動前であれば、こうして退避走行用スプリング52の異常を検出した後、上記電磁クラッチ18をONに制御してDCモータ19を通じたスロットル制御を実行することで、アクセル操作に対応したスロットル操作、並びにその後の車両走行も確保されるようになる。そしてこの場合も、上記警告ランプ40の点灯によって、当該車両のドライバは、速やかにディーラー等への退避を行うことができるようになる。
【0117】
また、同図6のフラグ処理ルーチンにおいて、電子制御装置20は、ステップS304にて「XFCLT=1」、すなわち電磁クラッチ18の異常が検出されている旨判断される場合、ステップS305にて「XFACT=1」、すなわちDCモータ19の異常が併せ検出されているか否かを更に判断する。そして、DCモータ19の側に異常がなければ、図7(c)に示すフェイルセーフ「F−3」の処理を実行する。因みに、このときのクラッチ異常とは、同クラッチ18の上述したON固着によるものである。したがって、該フェイルセーフ「F−3」としては、同図7(c)に示されるように、
・DCモータ19を通じたスロットル制御を継続する(クラッチ18をOFFにできない)。
・前記警告ランプ40を点灯制御してドライバに異常の旨を報知する。
・定速走行モードへの移行を禁止する。
といった処理を実行する。
【0118】
こうしたフェイルセーフ「F−3」の処理によれば、電磁クラッチ18がON固着異常となっているときであれ、通常のスロットル制御としてのアクセル操作に対応したスロットル操作は確保され、ひいてはその後の車両走行も確保されるようになる。そしてこの場合も、上記警告ランプ40の点灯によって、当該車両のドライバは、速やかにディーラー等への退避を行うことができる。
【0119】
また、この場合も、定速走行モードへの移行を予め禁止することで、ON固着されている電磁クラッチ18に対してOFF指令等が発せられることを未然に回避することができるようにもなる。
【0120】
他方、先のプライマリチェックルーチン(図3)のステップS213におけるクラッチ異常フラグXFCLT及びモータ異常フラグXFACTの同時セットに基づき、上記ステップS305にてDCモータ19の側の異常も併せ判断される場合には、図7(d)に示すフェイルセーフ「F−4」の処理、すなわち
・前記警告ランプ40を点灯制御してドライバに異常の旨を報知する。
・電磁クラッチ18をOFFとして退避走行モードに移行する。
といった処理を実行する。
【0121】
因みにこのとき、上記バルブリターンスプリング51並びに退避走行用スプリング52は共に正常であることが判明しているため、こうして退避走行モードに移行することで、図8(b)に示されるメカニズムに基づく最小限のスロットル操作が確保され、ひいては車両の走行が確保されるようになる。そしてこの場合も、上記警告ランプ40の点灯によって、当該車両のドライバは、速やかにディーラー等への退避を行うことができるようになる。
【0122】
なお、このときの異常は前述のように、電磁クラッチ18のOFF固着の可能性もある。そのようなときには勿論、同クラッチ18に対するOFF制御は割愛される。
【0123】
また、同図6のフラグ処理ルーチンにおいて、電子制御装置20は、ステップS306にて「XFACT=1」、すなわちDCモータ19の異常が検出されている旨判断される場合も、図7(d)に示すフェイルセーフ「F−4」の処理、すなわち
・前記警告ランプ40を点灯制御してドライバに異常の旨を報知する。
・電磁クラッチ18をOFFとして退避走行モードに移行する。
といった処理を実行する。
【0124】
こうしてDCモータ19の異常のみが検出されている場合も、同フェイルセーフ「F−4」の処理として上記退避走行モードに移行することで、図8(b)に示されるメカニズムに基づく最小限のスロットル操作が確保され、ひいては車両の走行が確保されるようになる。勿論この場合も、上記警告ランプ40の点灯によって、当該車両のドライバは、速やかにディーラー等への退避を行うことができる。
【0125】
そして、同図6のフラグ処理ルーチンにおいて、上記何れの異常も検出されていない旨判断されるときには、電子制御装置20は、ステップS310の処理として、例えばトラクション制御や、アイドル回転制御、定速走行制御、非線形制御(通常のスロットル制御)等々、内燃機関1の運転状態に応じてそれら各種制御内容(制御状態)を示すフラグをRAM23にセットする前記「通常のフラグ処理」を実行して、該フラグ処理ルーチンを抜ける。
【0126】
このような各種制御内容(制御状態)を示すフラグをセットした場合、同電子制御装置20では、それらフラグに対応したスロットルバルブ5の開度指令値TTPを演算し、該演算した指令値TTPをD/A変換回路28を介して上記DCモータ駆動回路30に出力するようになることは、そのメインルーチンでの処理(図2)において既述した通りである。
【0127】
以上のように、同実施形態にかかるスロットル制御装置によれば、
(1)バルブリターンスプリング51に異常が生じている場合には、
・電磁クラッチ18を常時ONとし(OFFを禁止し)、DCモータ19を通じたスロットル制御を継続する。
・前記警告ランプ40を点灯制御してドライバに異常の旨を報知する。
・定速走行モードへの移行を禁止する。
といった処理を通じて、少なくともスロットルバルブ5が全開駆動されてしまうような事態に陥ることなく、当該車両の安全が好適に確保される。
(2)退避走行用スプリング52に異常が生じている場合には、
・電磁クラッチ18を常時ONとし(OFFを禁止し)、DCモータ19を通じたスロットル制御を継続する。
・前記警告ランプ40を点灯制御してドライバに異常の旨を報知する。
といった処理を通じて、少なくともスロットルバルブ5がある開度に固定されたままアクセル操作に追従しなくなるような事態に陥ることなく、当該車両の安全が好適に確保される。
(3)電磁クラッチ18に異常(ON固着)が生じている場合には、
・DCモータ19を通じたスロットル制御を継続する。
・前記警告ランプ40を点灯制御してドライバに異常の旨を報知する。
・定速走行モードへの移行を禁止する。
といった処理を通じて、通常のスロットル制御としてのアクセル操作に対応したスロットル操作が確保され、ひいてはその後の車両走行も確保される。
(4)DCモータ19、或いは電磁クラッチ18に異常(OFF固着)が生じている場合には、
・前記警告ランプ40を点灯制御してドライバに異常の旨を報知する。
・電磁クラッチ18をOFFとして退避走行モードに移行する。
といった処理を通じて、図8(b)に示されるメカニズムに基づく最小限のスロットル操作が確保され、ひいては車両の走行が確保される。
(5)バルブリターンスプリング51及びDCモータ19の双方に異常が生じている場合には、
・当該機関1への燃料噴射を停止(燃料カット)する。
・前記警告ランプ40を点灯制御してドライバに異常の旨を報知する。
といった処理を通じて、車両の走行が停止され、その安全が確実される。
(6)そして、これら何れの異常に際しても、上記警告ランプ40の点灯によって、当該車両のドライバは、速やかにディーラー等への退避を行うことができるようになる。
等々、多くの優れた効果が得られるようになる。
【0128】
また、上記各異常の内容に応じて、当該車両の広い意味での退避走行が確保できる態様で、それら制御内容が切り替えられることから、過剰なフェイルセーフは防止され、各異常の内容に応じた各々適切なフェイルセーフが実現されるようにもなる。
【0129】
なお、同実施形態にかかる装置では上述のように、スロットル機構に何らかの異常が検出された場合、警告ランプ40を点灯制御して、当該車両のドライバにその旨を警報するとした。しかし、該警報の仕方は任意であり、上記警告ランプ40を点灯制御する以外にも、例えば
・液晶パネル、EL(エレクトロルミネッセンス)パネル等の表示パネルにその旨を表示制御する。
・異常の内容に応じた各別の警告ランプを点灯制御する。
・異常の内容も含めて、その旨を上記表示パネルに表示制御する。
・ブザーや音声出力回路等、音情報にて、或いは音情報を含めて報知する。
等々、各種の変形が可能である。
【0130】
また、同実施形態にかかる装置では、図8に例示した構造を有するスロットル機構をそのスロットル制御の対象としたが、
・クラッチOFF時にスロットルバルブを所定に付勢する手段。
・同じくクラッチOFF時に該付勢する手段と協働して、アクセル操作に応じた量だけ、同スロットルバルブを開閉操作する機構。
を少なくとも有するものであれば、上記実施形態と同様に、或いは上記実施形態に準じた態様で、この発明にかかるスロットル制御装置の構成を適用することはできる。
【0131】
また、同スロットル制御装置が適用される内燃機関の種類も任意であり、いわゆる電子式スロットルが適用されてその吸気量の調量が行われるエンジンでさえあれば、前述したV型6気筒4サイクルエンジン等、それらエンジン形式によって適用が限定されるものでも勿論ない。
【0132】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、スロットルバルブを閉弁側に付勢する手段等、当該装置を構成する部品に異常が生じている場合であれ、それら異常を機関始動前に、しかも的確に検出して、常に適正なフェイルセーフを実現することができるようになる。
【0133】
またこの発明によれば、過剰なフェイルセーフが防止され、各部の異常の内容に応じた各々適切なフェイルセーフが実現されるようにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のスロットル制御装置の一実施形態を示すブロック図。
【図2】同装置のスロットル制御メインルーチンを示すフローチャート。
【図3】同装置のプライマリチェックルーチンを示すフローチャート。
【図4】同装置のプライマリチェックルーチンを示すフローチャート。
【図5】このプライマリチェックによる処理態様を示すタイムチャート。
【図6】同装置のフラグ処理ルーチンを示すフローチャート。
【図7】同装置のフェイルセーフ実施態様を示すフローチャート。
【図8】同装置が適用されるスロットル構造を模式的に示す略図。
【符号の説明】
1…内燃機関、2…吸気通路、3…エアクリーナ、4…エアフローメータ、5…スロットルバルブ、6…インテークマニホールド、7…インジェクタ、8…吸気バルブ、9…燃焼室、10…点火プラグ、11…ピストン、12…クランクシャフト、13…排気バルブ、14…排気通路、15…クランク角センサ、16…スロットルセンサ、17…アクセルセンサ、18…電磁クラッチ、19…DCモータ、20…電子制御装置、21…CPU、22…ROM、23…RAM、24…インジェクタ駆動回路、25…電磁クラッチ駆動回路、26…ランプ駆動回路、27…A/D変換回路、28…D/A変換回路、30…DCモータ駆動回路、31…PID制御回路、32…PWM(パルス幅変調)回路、33…ドライバ、40…警告ランプ、51…バルブリターンスプリング、52…退避走行用スプリング、53…中間レバー、54…バルブレバー、55…中間レバーストッパ、56…バルブ全閉ストッパ、61…アクセルリターンスプリング、62…アクセルレバー、63…アクセル全閉ストッパ。

Claims (8)

  1. 内燃機関のスロットルバルブを当該車両のアクセル操作と独立に開閉駆動するスロットル駆動手段と、
    このスロットル駆動手段と前記スロットルバルブとの機械的な連結を断続するクラッチ手段と、
    このクラッチ手段による連結の有無を切換制御するクラッチ制御手段と、
    前記スロットルバルブの開度を検出するスロットルセンサと、
    前記アクセルの操作量を検出するアクセルセンサと、
    前記クラッチ手段が連結有りに制御されているとき、これら各センサの出力に基づいて前記スロットル駆動手段を通じた前記スロットルバルブの開閉量を制御するスロットル制御手段と、
    前記クラッチ手段が連結無しに制御されているとき、前記スロットルバルブを所定に付勢する付勢手段と、
    同じく前記クラッチ手段が連結無しに制御されているとき、該付勢手段と協働して、前記アクセル操作に応じた量だけ、前記スロットルバルブを開閉操作するスロットル操作機構と、
    当該機関の始動前に、前記スロットルセンサの出力に基づいて前記付勢手段の異常の有無を検出し、異常有りが検出されるとき、前記クラッチ制御手段による前記クラッチ手段の連結無し側への切換制御を禁止する保護手段と、
    を具えることを特徴とする内燃機関のスロットル制御装置。
  2. 前記付勢手段は、前記スロットルバルブを閉弁側に付勢する第1の付勢手段と、該第1の付勢手段よりも弱い付勢力にて前記スロットルバルブを開弁側に付勢する第2の付勢手段とを具え、
    前記保護手段は、前記クラッチ手段の未連結時、前記スロットルセンサの出力が前記スロットルバルブの所定値以上の開弁を示すことに基づいて前記第1の付勢手段の異常を検出し、前記スロットルセンサの出力が前記スロットルバルブの所定値以下の閉弁を示すことに基づいて前記第2の付勢手段の異常を検出する
    請求項1記載の内燃機関のスロットル制御装置。
  3. 前記保護手段は、前記第1の付勢手段の異常有りが検出されるとき、当該車両の定速走行モードへの移行をも併せ禁止する
    請求項2記載の内燃機関のスロットル制御装置。
  4. 請求項1または2または3記載の内燃機関のスロットル制御装置において、
    前記保護手段は更に、前記クラッチ制御手段を通じて前記クラッチ手段を連結有りに制御し、且つ、前記スロットル駆動手段を通じて前記スロットルバルブを所定開度に制御したときの前記スロットルセンサの出力に基づいて前記クラッチ手段または前記スロットル駆動手段の異常の有無を検出し、それら手段の異常が検出されるとき、前記クラッチ手段を連結無し側に強制制御して前記スロットル操作機構によるスロットル操作に移行せしめる
    ことを特徴とする内燃機関のスロットル制御装置。
  5. 請求項4記載の内燃機関のスロットル制御装置において、
    前記保護手段は更に、前記クラッチ手段及び前記クラッチ駆動手段の異常が検出されないとき、前記クラッチ制御手段を通じて前記クラッチ手段を連結無しに制御したときの前記スロットルセンサの出力に基づいて該クラッチ手段の異常の有無を検出し、同クラッチ手段の異常が検出されるとき、当該車両の定速走行モードへの移行を禁止する
    ことを特徴とする内燃機関のスロットル制御装置。
  6. 請求項5記載の内燃機関のスロットル制御装置において、
    前記保護手段は更に、前記クラッチ手段の異常が検出されないとき、前記クラッチ制御手段を通じて同クラッチ手段を連結有りに制御し、且つ、前記スロットル駆動手段を通じて前記スロットルバルブを所定開度に制御したときの前記スロットルセンサの出力に基づいて該スロットル駆動手段の異常の有無を検出し、同スロットル駆動手段の異常が検出されるとき、前記クラッチ手段を連結無し側に強制制御して前記スロットル操作機構によるスロットル操作に移行せしめる
    ことを特徴とする内燃機関のスロットル制御装置。
  7. 請求項4〜6の何れかに記載の内燃機関のスロットル制御装置において、
    前記保護手段は更に、前記スロットル駆動手段及び前記付勢手段の異常が検出されるとき、当該機関への燃料供給を停止せしめる
    ことを特徴とする内燃機関のスロットル制御装置。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の内燃機関のスロットル制御装置において、
    前記保護手段は更に、前記何れかの異常有りが検出されるとき、その旨を当該車両のドライバに警報する警報手段を具える
    ことを特徴とする内燃機関のスロットル制御装置。
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