JP3752269B2 - 鋳物砂の再生方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、真空混練槽を用いて回収鋳物砂を再生する鋳物砂の再生方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、鋳造用の生型を造形する生型造形ラインでは、鋳物砂を混練して型の造形を行い、この型を用いて鋳込みが行われた後、使用済みの型をばらして鋳物砂を回収し、この回収された鋳物砂(以下、これを単に回収砂と言う。)を用いて、あるいは必要に応じて新砂を加えて再度混練を行い、次サイクルの造形が行われる。鋳物砂はこのような一連の循環サイクルを通じて、何度も再生して使用される。
【0003】
上記回収砂を再生して使用する場合、鋳込みを終えた型をばらして得られた回収砂は、回収時点ではかなりの高温に保たれており、これをそのまま混練すると、得られた再生砂の温度は過度に高いものとなる。
そこで、従来では、回収砂を所謂サンドクーラで所定温度(一般に40℃程度以下)に冷却し、この冷却された回収砂を混練槽に供給するようにしている。
【0004】
ところで、近年では、生型造形ラインに用いられる混練槽として、槽内を所定の真空度に維持した状態で混練を行い得る真空混練槽が一部で導入され、既に使用に供されつつある。
この真空混練槽を用いることにより、40℃を越える(例えば40〜70℃程度)高温の砂を混練槽内で急速に40℃以下の設定温度にまで冷却することが可能になる。
【0005】
すなわち、鋳物砂を混練して生型を造形する場合、通常、高温の回収砂を(必要に応じて新砂を加えて)混練槽内に投入し、これに砂粒の粘結剤としてのベントナイトおよび所定量の水を添加して槽内で混練が行われるが、真空混練槽を用いた場合には、槽内を減圧して水の沸点を低下せしめることにより、添加した水の一部(以下に述べる冷却水)を蒸発させ、このとき槽内周囲から(つまり周囲の砂から)気化潜熱を奪うことによって槽内の砂を一気に設定温度まで冷却することができる。
尚、この真空混練槽を用いる場合、槽内への水の添加量は、基本的に、混練後の鋳物砂の含水量を所定値に保つための混練用(保湿水)と、混練時に高温の回収砂を冷却するための冷却用(冷却水)との総和として決定される。このうち、混練時に槽内で蒸発するのは、冷却水に相当する分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような真空混練を行う場合、混練槽内への水の添加量は、混練後の砂(再生砂)の品質を確保し、目標の砂強度(つまり再生砂で造形した生型の抗圧力)が得られるように制御される。一般に、砂の素性が一定であれば砂の含水量と抗圧力との間には一定の相関関係があることが知られており、従来では、回収砂の含水量を測定した上で、この相関関係に基づいて、混練後の再生砂の含水量が一定になるように添加水量を制御するようにしている。
【0007】
ところで、混練後の鋳物砂(再生砂)に含まれる水分は、砂粒表面に単に付着した付着水と、ベントナイトの結晶層に浸透した吸着水とに分けることができる。このうち、ベントナイト結晶層に浸透した吸着水は蒸発しにくく、鋳物砂の保水性を向上させる。また、この吸着水は、ベントナイトを活性化して砂強度(つまり生型の抗圧力)の立ち上がりを早くし、かつ、強度そのものを高める働きをするものと考えられる。
本願出願人は、混練後の再生砂の含水量と回収砂の温度と生型の抗圧力との関係について鋭意研究した結果、真空混練した鋳物砂の場合、通常の大気圧混練の場合に比べて抗圧力が高く、しかも、真空混練した場合には、混練後の再生砂の含水量が同じでも、回収砂の温度が高くなるほど生型の抗圧力が高くなることを知見した。
【0008】
図5は、回収砂の温度をパラメータとして、混練後の再生砂の含水量と生型の抗圧力との関係を調べた結果を示すグラフであり、直線Bが回収砂の温度65℃の場合を、また直線Cが回収砂の温度25℃の場合を、それぞれ表している。尚、この直線Bと直線Cとでは、ベントナイトの添加量や混練時の真空度など、他の試験条件は全て同一に設定されている。この図5のグラフから明らかなように、真空混練した場合には、再生砂の含水量が同じでも、回収砂の温度が高くなるほど生型の抗圧力が高くなっている。これは、回収砂の温度が高くなるほど添加すべき冷却水量が多くなるので、真空混練槽内での水蒸気の発生量が増加し、ベントナイト結晶層に浸透する吸着水量が多くなり、ベントナイトの活性化が進むためであると考えられる。
従って、真空混練槽内への水分添加量を制御するに際して、回収砂の温度を制御ファクタとして取り込むようにすれば、再生砂の品質をより安定したものとすることが可能となる。
【0009】
そこで、この発明は、回収砂の温度と再生砂の強度との相関関係に着目することにより、より安定した品質の再生砂を得ることができる鋳物砂の再生方法およびその装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、本願の請求項1に係る発明(以下、第1の発明という)は、真空混練槽内に回収鋳物砂を投入し、水および粘結剤を添加して混練することにより上記回収鋳物砂を再生する鋳物砂の再生方法であって、再生砂の砂強度の目標値を予め設定し、該目標値に対し、真空混練前の槽内の鋳物砂の温度および目標冷却温度における真空混練前の槽内の鋳物砂の温度と冷却水添加量との関係データに基づいて水の添加量を調整し、上記真空混練槽内で真空混練が開始された後に上記冷却水を真空混練槽内に供給する、ことを特徴としたものである。
尚、混練時に新砂を加えない場合には、上記「真空混練前の槽内の鋳物砂」は「回収砂」を指すことになる。このことは、以下の第2,第3及び第4の発明においても同様である。
【0011】
また、本願の請求項2に係る発明(以下、第2の発明という)は、上記第1の発明において、上記水の添加量は、更に、再生砂の含水量と砂強度との関係データおよび真空混練前の槽内の鋳物砂の含水量に基づいて調整されることを特徴としたものである。
【0012】
更に、本願の請求項3に係る発明(以下、第3の発明という)は、真空混練槽内に回収鋳物砂を投入し、水および粘結剤を添加して混練することにより上記回収鋳物砂を再生する鋳物砂の再生方法であって、再生砂の砂強度の目標値を予め設定し、該目標値に対し、真空混練前の槽内の鋳物砂の温度,再生砂の含水量と砂強度との関係データ,目標冷却温度における真空混練前の槽内の鋳物砂の温度と冷却水添加量との関係データおよび真空混練前の槽内の鋳物砂の含水量に基づいて水の添加量を調整することを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項4に係る発明 ( 以下、第4の発明という ) は、内部を所定の真空度に維持した状態で混練を行い得る真空混錬槽と、該真空混錬槽内に所定量の回収鋳物砂を供給する回収砂供給装置と、真空混練槽内に所定量の粘結剤を供給する粘結剤供給装置と、真空混錬槽内に所定量の水を供給する水供給装置と、真空混練前の槽内の鋳物砂の温度を検出する温度検出手段と、真空混練前の槽内の鋳物砂の含水量を検出する含水量検出手段とを備えるとともに、再生砂の含水量と砂強度との関係データ,目標冷却温度における真空混練前の槽内の鋳物砂の温度と冷却水添加量との関係データおよび真空混練前の槽内の鋳物砂の含水量に基づいて、上記水供給装置による真空混練槽内への水の供給量を制御する制御手段を備えたことを特徴としたものである。
【0013】
【発明の効果】
本願の第1の発明によれば、再生砂の砂強度の目標値を設定し、該目標値に対し、真空混練前の槽内の鋳物砂(主として回収砂)の温度および目標冷却温度における真空混練前の槽内の鋳物砂の温度と冷却水添加量との関係データに基づいて水の添加量を調整するようにしたので、真空混練前の槽内の鋳物砂の温度を添加水量調整時の制御ファクタとして取り込むことができ、単に、含水量と砂強度との関係に基づいて添加水量を設定していた従来に比べて、再生砂の品質をより安定したものとすることができる。この結果、鋳型(生型)強度をより均一に維持することができ、鋳造時の欠陥の減少および鋳造品の寸法精度の向上に寄与することができる。
【0014】
また、本願の第2の発明によれば、基本的には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、具体的に、再生砂の含水量と砂強度との関係データおよび真空混練前の槽内の鋳物砂の含水量に基づいて、添加水量を調整することができる。
【0015】
更に、本願の第3の発明によれば、再生砂の砂強度の目標値を設定し、該目標値に対し、真空混練前の槽内の鋳物砂(主として回収砂)の温度に基づいて水の添加量を調整するようにしたので、真空混練前の槽内の鋳物砂の温度を添加水量調整時の制御ファクタとして取り込むことができ、単に、含水量と砂強度との関係に基づいて添加水量を設定していた従来に比べて、再生砂の品質をより安定したものとすることができる。この結果、鋳型(生型)強度をより均一に維持することができ、鋳造時の欠陥の減少および鋳造品の寸法精度の向上に寄与することができる。また、再生砂の含水量と砂強度との関係データ,目標冷却温度における真空混練前の槽内の鋳物砂の温度と冷却水添加量との関係データおよび真空混練前の槽内の鋳物砂の含水量に基づいて、添加水量を調整するようにしたので、添加すべき水の総量と、この水の混練用および冷却用への割り振りを最適に調整することができる。
また更に、本願の第4の発明によれば、温度検出手段および含水量検出手段を備えたので、真空混練前の槽内の鋳物砂の温度および含水量をそれぞれ検出することができ、また、上記制御手段を備えたので、再生砂の含水量と砂強度との関係データ,目標冷却温度における真空混練前の槽内の鋳物砂の温度と冷却水添加量との関係データおよび真空混練前の槽内の鋳物砂の含水量に基づいて、上記水供給装置による真空混練槽内への水の供給量を制御することができる。
すなわち、真空混練前の槽内の鋳物砂の温度を添加水量調整時の制御ファクタとして取り込むことができ、単に、含水量と砂強度との関係に基づいて添加水量を設定していた従来に比べて、再生砂の品質をより安定したものとすることができる。この結果、鋳型(生型)強度をより均一に維持することができ、鋳造時の欠陥の減少および鋳造品の寸法精度の向上に寄与することができる。また、添加すべき水の総量と、この水の混練用および冷却用への割り振りを最適に調整することができる。
【0016】
【実施例】
以下、この発明の実施例を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施例に係る鋳物砂再生装置の全体構成を概略的に示す説明図であるが、この図に示すように、上記再生装置は、その内部を所定の真空度に維持した状態で混練を行い得る真空ミキサー1と、該真空ミキサー1に所定量の回収砂および添加剤としての粘結剤(例えばベントナイト)、更に必要に応じて新砂を投入するための計量ホッパ2と、上記真空ミキサー1に所定量の水を供給する水供給装置10とを備えている。
【0017】
上記計量ホッパ2は、具体的には図示しなかったが、生型造形ラインにおいて鋳込み終了後に使用済みの型をばらして鋳物砂を回収する回収ステーション、添加剤としてのベントナイト(粘結剤)を供給するベントナイト供給装置および新砂を供給するための新砂供給ステーションに、例えばコンベヤ装置やフィーダ装置等の搬送手段を介して接続されている。
上記水供給装置10は、真空ミキサー1内に供給すべき水の量を計る水計量器11と、供給すべき水をコンデンサ13側から供給ラインLsを介して真空ミキサー1側に圧送する供給ポンプ12と、リターンラインLrを介してコンデンサ13内に戻された水を、クーリングタワー16に接続された熱交換器15を通過させた上でコンデンサ13内に還流させる循環ポンプ14とを備えており、略一定温度に保たれた水を真空ミキサー1内に供給することができる。
【0018】
上記水計量器11の下流側には1次および2次の両注水制御弁18,19が設けられている。上記1次注水制御弁18は、混練後の鋳物砂(再生砂)の含水量を所定値に保つための混練用の保湿水を1次注水として真空ミキサー1内に注水するためのもので、一方、2次注水制御弁19は、混練時に高温の回収砂を冷却するための冷却水を2次注水として真空ミキサー1内に注水するためのものであり、真空ミキサー1内への注水量は、これら1次および2次の両注水制御弁18,19によって制御される。
【0019】
また、上記真空ミキサー1には、途中部に真空遮断弁22が介設された真空ダクト21が接続され、該真空ダクト21は、上記コンデンサ13を介して真空ポンプ23に接続されており、真空遮断弁22を開いた状態で上記真空ポンプ23を駆動することにより、真空ダクト21を介して真空ミキサー1内を所定の真空度まで真空引きすることができるようになっている。
更に、真空ミキサー1には、該ミキサー1内に大気を導入する大気開放弁26が接続され、この大気開放弁26を開くことにより、ミキサー1内部の真空状態をほぼ瞬時に解除することができる。
【0020】
また、更に、上記真空ミキサー1には、該ミキサー1内に投入された砂(主として回収砂)の温度と含水量とを検出するFKセンサ5が挿入されており、このFKセンサ5は、図2に示すように、再生装置の作動を制御する制御ユニット30に電気的に接続され、該制御ユニット30に検出信号を入力するようになっている。
上記制御ユニット30は、例えばマイクロコンピュータを主要部として構成され、上記FKセンサ5の他に、水計量器11内のロードセル11a及び注水制御弁18,19が信号授受可能に接続されており、上記ロードセル11aの検出信号が制御ユニット30に入力されるとともに、上記注水制御弁18,19には、制御ユニット30から制御信号が出力されるようになっている。
尚、具体的には図示しなかったが、上記制御ユニット30には、上記以外にも、例えば、計量ホッパ2のロードセルからの検出信号,水供給装置10の供給ラインLsの水温の検出信号など、種々の信号がそれぞれ入力され、また、例えば、真空遮断弁22や大気開放弁26等のバルブ類あるいは供給ポンプ12や真空ポンプ23等のポンプ類などの機器類には、種々の制御信号がそれぞれ出力されるようになっている。
【0021】
以上のような構成を備えた上記鋳物砂再生装置の作動について、図3のタイムチャートを参照しながら説明する。
まず、制御ユニット30からの制御信号に基づいて、鋳物砂回収ステーション(不図示)側から所定量の高温の回収砂が計量ホッパ2に搬送・投入される。また、必要に応じて新砂が新砂供給ステーション(不図示)から搬送・投入される。更に、ベントナイト供給装置(不図示)から所定量のベントナイトが供給・投入される。そして、これらが、真空ミキサー1内で所定時間だけ予備混合される。このとき、上記真空ミキサー1内はまだ真空引きされておらず、ミキサー1内は大気圧状態である。
【0022】
この予備混合が終わると、FKセンサ5がミキサー1内の砂(主として回収砂)の温度と含水量とを測定し、その検出信号を制御ユニット30に入力する。
該制御ユニット30では、後で詳しく説明するように、予め設定された再生砂の砂強度の目標値に対して、FKセンサ5で検出された真空混練前のミキサー1内の鋳物砂の温度に基づいて再生砂の含水量を設定し、この設定された目標含水量とFKセンサ5で検出された真空混練前の鋳物砂の含水量とに基づいて、添加すべき水分量を演算し、更に、この水分量を混練用の1次水と冷却用の2次水とに振り分ける演算が行われる。
そして、この演算値に基づいて1次水量が定められ、1次注水制御弁18に制御信号が出力されて該弁18が所定時間だけ開かれ、ミキサー1内に所定量の1次水が投入される。
【0023】
次に、上記1次注水を終えると、真空ミキサー1内に通じる各経路に設けられたゲートバルブ等のバルブ類が閉じられた上で、真空遮断弁22が開かれるとともに真空ポンプ23が駆動され、これによりミキサー1内が所定の真空度(本実施例では、例えば74hpa(ヘクトパスカル))まで真空引きされる。尚、この74hpaでは、水の沸騰点は40℃となる。真空度がこの値に達すると、真空混練が開始される。
そして、この真空混練の途中(より好ましくは、真空混練工程の前半)に、冷却用の2次水の投入が行われる。すなわち、制御ユニット30からの制御信号に基づいて、2次注水制御弁19が所定時間だけ開かれ、ミキサー1内に所定量の2次水が投入される。前述したように、この2次水が蒸発することにより、ミキサー1内の砂が設定温度(本実施例では、例えば40℃以下)にまで急速に冷却される。
【0024】
上記真空混練工程が終了すると、真空遮断弁22が閉じられるとともに大気開放弁26が開かれて、ミキサー1内が大気圧状態となる。そして、真空遮断弁22が開かれる前に閉じられた各ゲートバルブが開かれ、大気圧下で所定時間だけ混練が行われる。この大気圧混練が終了すると、ミキサー1の排出口1aから、予め設定された量の水分を含む(従って、予め設定された砂強度の)再生された鋳物砂(再生砂)が排出され、再び鋳型の造形に供される。
このようにして、1サイクル(本実施例では180秒)の再生処理が行われるようになっている。
【0025】
本実施例では、上述のように、予め設定された再生砂の砂強度の目標値に対して、FKセンサ5で検出された真空混練前のミキサー1内の鋳物砂(主として回収砂)の温度に基づいて再生砂の含水量を設定し、この設定された目標含水量とFKセンサ5で検出された真空混練前のミキサー1内の鋳物砂の含水量とに基づいて、添加すべき水分量を演算し、更に、この水分量を混練用の1次水と冷却用の2次水とに振り分けて、添加水量を調整するようにしている。
以下、この添加水量の調整について説明する。尚、本実施例では、真空混練時、新砂を加えることなく、鋳物砂としては回収砂のみを計量ホッパ2内に投入して混練を行った。
【0026】
まず、再生砂の砂強度(つまり、再生砂で造形した生型の抗圧力)の目標値を予め設定する。本実施例では、この抗圧力の目標値を、例えば2.0kgf/cm2に設定した。尚、実際には、1.8Kgf/cm2程度の抗圧力があれば鋳込みには十分である。
この抗圧力の目標値に対して、真空混練前のミキサー1内の鋳物砂(本実施例では回収砂)の温度に基づいて再生砂の含水量を設定する。
【0027】
すなわち、図5のグラフに関連して上述したところから明らかなように、真空混練した場合には、混練後の再生砂の含水量が同じでも、真空混練前の槽内の鋳物砂の温度が高くなるほど生型の抗圧力は高くなるのであるが、図5のグラフと同様のデータを、真空混練前の槽内の鋳物砂(回収砂)の温度を一定の刻みで種々変えて基礎データとして採取しておき、FKセンサ5で上記温度を検出して上記基礎データと対照することにより、この検出温度に応じて混練後の再生砂の含水量の目標値を設定することができる。
【0028】
そして、この設定した含水量の目標値を制御ユニット30に入力する。
尚、この代わりに、上記基礎データを予め制御ユニット30内のメモリに入力して記憶させておき、制御ユニット30へ入力する目標値としては再生砂の抗圧力の目標値を入力し、FKセンサ5の検出温度と上記基礎データとの対照、および再生砂の含水量の目標値の設定を制御ユニット30内で自動的に行わせることもできる。
該制御ユニット30は、上記のように設定された再生砂の含水量の目標値と、FKセンサ5で検出された真空混練前の槽内の鋳物砂(回収砂)の含水量とから、真空ミキサー1内に添加すべき水の総量を演算する。
【0029】
真空ミキサー1での冷却温度を設定すれば(換言すれば、真空混練時のミキサー1内の真空度を設定すれば)真空混練前の槽内の鋳物砂(回収砂)の温度と冷却用として添加すべき2次水(冷却水)の添加率との間には一定の関係がある。この両者の関係の一例を図4に示す。図4の直線Aで示すグラフは、真空ミキサー1内での冷却温度を40℃に設定(つまり、真空ミキサー1内の真空度を74hpaに設定)した場合のものであり、この設定値を種々変更することにより、直線Aに平行な一群のグラフが得られる。
尚、2次水として添加すべき冷却水量の計算式(つまり、冷却処理前後のエネルギ式)を以下に示す。
【0030】
Figure 0003752269
上式において、各符号はそれぞれ以下の事項を表している。
・Kw :ミキサー動力
・P :ミキサーモータに加えられるエネルギ
・t :混練時間
・M :回収砂重量
・X1 :回収砂水分値
・Ms :回収砂乾燥重量[M・(1−X1/100)]
・Cps:砂の比熱
・T1 :回収砂温度
・Mw,X1:回収砂水分重量[M・X1/100]
・Cw :水の比熱
・X2 :目標水分値
・Mw,△X:加湿水重量[X2/100・M−Mw,X1]
・Tw :加湿水温度
・Mw,k:冷却水重量
・T2 :目標砂温度
・Tsa:平均蒸発温度[(T1+T2)/2]
・△Hv:蒸発潜熱[蒸発温度の関数]
・Qab:ミキサーよりの放熱量
【0031】
従って、FKセンサ5で検出された回収砂の温度と上記データとから、2次水として添加すべき冷却水の量が演算できる。
そして、添加すべき水の総量とこの冷却水量とから、混練用として添加すべき2次水の量が演算される。
このようにして、添加すべき水の総量と、この水の混練用(1次水)および冷却用(2次水)への割り振りを最適に調整することができるのである。
【0032】
以上、説明したように、本実施例によれば、再生砂の含水量と砂強度との関係データ,目標冷却温度における真空混練前の槽内の鋳物砂(回収砂)の温度と冷却水添加量との関係データおよび真空混練前の槽内の鋳物砂(回収砂)の含水量に基づいて、上記水供給装置10による真空ミキサー1内への水の供給量を制御することができる。
すなわち、真空混練前の槽内の鋳物砂(回収砂)の温度を添加水量調整時の制御ファクタとして取り込むことができ、単に、含水量と砂強度との関係に基づいて添加水量を設定していた従来に比べて、再生砂の品質をより安定したものとすることができる。この結果、鋳型(生型)強度をより均一に維持することができ、鋳造時の欠陥の減少および鋳造品の寸法精度の向上に寄与することができる。また、添加すべき水の総量と、この水の混練用および冷却用への割り振りを最適に調整することができるのである。
【0033】
尚、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る鋳物砂再生装置の全体構成を概略的に示す説明図である。
【図2】 上記再生装置の真空ミキサー及び水の供給制御を示す拡大説明図である。
【図3】 上記再生装置の作動を説明するためのタイムチャートである。
【図4】 回収砂の温度と冷却水の添加率との関係を示すグラフである。
【図5】 再生砂の含水量と生型の抗圧力との関係をを示すグラフである。
【符号の説明】
1…真空ミキサー
5…FKセンサ
10…水供給装置
30…制御ユニット

Claims (4)

  1. 真空混練槽内に回収鋳物砂を投入し、水および粘結剤を添加して混練することにより上記回収鋳物砂を再生する鋳物砂の再生方法であって、
    再生砂の砂強度の目標値を予め設定し、
    該目標値に対し、真空混練前の槽内の鋳物砂の温度および目標冷却温度における真空混練前の槽内の鋳物砂の温度と冷却水添加量との関係データに基づいて水の添加量を調整し、
    上記真空混練槽内で真空混練が開始された後に上記冷却水を真空混練槽内に供給する、
    ことを特徴とする鋳物砂の再生方法。
  2. 上記水の添加量は、更に、再生砂の含水量と砂強度との関係データおよび真空混練前の槽内の鋳物砂の含水量に基づいて調整されることを特徴とする請求項1記載の鋳物砂の再生方法。
  3. 真空混練槽内に回収鋳物砂を投入し、水および粘結剤を添加して混練することにより上記回収鋳物砂を再生する鋳物砂の再生方法であって、
    再生砂の砂強度の目標値を予め設定し、
    該目標値に対し、真空混練前の槽内の鋳物砂の温度,再生砂の含水量と砂強度との関係データ,目標冷却温度における真空混練前の槽内の鋳物砂の温度と冷却水添加量との関係データおよび真空混練前の槽内の鋳物砂の含水量に基づいて水の添加量を調整することを特徴とする鋳物砂の再生方法。
  4. 内部を所定の真空度に維持した状態で混練を行い得る真空混錬槽と、該真空混錬槽内に所定量の回収鋳物砂を供給する回収砂供給装置と、真空混練槽内に所定量の粘結剤を供給する粘結剤供給装置と、真空混錬槽内に所定量の水を供給する水供給装置と、真空混練前の槽内の鋳物砂の温度を検出する温度検出手段と、真空混練前の槽内の鋳物砂の含水量を検出する含水量検出手段とを備えるとともに、再生砂の含水量と砂強度との関係データ,目標冷却温度における真空混練前の槽内の鋳物砂の温度と冷却水添加量との関係データおよび真空混練前の槽内の鋳物砂の含水量に基づいて、上記水供給装置による真空混練槽内への水の供給量を制御する制御手段を備えたことを特徴とする鋳物砂の再生装置。
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