JP3752176B2 - 自動蓄尿検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、病院などの医療施設に設けられる自動蓄尿検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
蓄尿検査は、患者の水分の代謝の観察のためや尿中成分の定量を行ための手法として用いられるが、近時、例えば大きな病院においては、入院患者の蓄尿検査を行うために、複数の病室のそれぞれに簡易便器および測定端末としての自動蓄尿検査装置を設置するとともに、ナースセンターなどの看護婦詰所にデータ管理機を設け、このデータ管理機と各病室に設けられた自動蓄尿検査装置とをLANを用いるなどしてデータネットワークを構成した蓄尿管理システムが導入されるようになってきている。
【0003】
ところで、本願出願人は、患者自らが自分の排出した尿を採尿容器に採取し、この尿を収容した採尿容器を尿サンプリング部の容器セット位置にセットすると、この採尿容器のセット動作が自動蓄尿検査装置によって検知され、尿サンプリング機構によって尿がサンプリングされて、当該患者専用の蓄尿のための容器(分注容器)内に分注されるようにした自動蓄尿検査装置を、特願2001−112503号を初めとして多数特許出願しているところである。
【0004】
上記自動蓄尿検査装置においては、採尿容器内の尿が適宜サンプリングされて、尿の量(体積)やその比重が測定され、その測定結果は、自動蓄尿検査装置内のメモリに患者別に記録されるとともに、中央データ管理装置としてのデータ管理機に送られ、このメモリ内に記録されるようになっており、前記自動蓄尿検査装置は、特に入院患者における尿の検査に先立つ尿のサンプリング、尿量の計測および尿の管理などを看護婦などの人手を介することなく自動的に行うことができるなど優れた利点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記出願に係る自動蓄尿検査装置においては、尿のサンプリングが行われた後に採尿容器内に残留する尿(残余の尿)を、患者自らが自動蓄尿検査装置の近傍に設けられている簡易トイレや病室外のトイレに廃棄するのが一般的であり、このため、臭いのする採尿容器を持ち運びする必要があり、床などの零したりすることがあり、患者など採尿容器を取り扱う者に余分な負担を強いるとともに、採尿容器の管理や衛生上において解決すべき点があった。
【0006】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、患者など採尿容器を取り扱う者に余分な負担を懸けることがなく、採尿容器の管理や衛生上に問題を生ずることのない自動蓄尿検査装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明では、採尿容器に収容された尿を、尿サンプリング部においてサンプリングするようにした自動蓄尿検査装置において、前記採尿容器がその下部に鍔状のベ−ス部を備える一方、前記尿サンプリング部には前記採尿容器を載置し保持するための容器保持ベ−スが設けられ、かつ、この容器保持ベ−スの上部には前記採尿容器のベース部を挿抜自在に挟持する挟持部が形成され、前記サンプリング後に、前記尿サンプリング部において前記容器保持ベースを傾斜させることにより前記採尿容器を傾けてその内部に残留する尿を排出できるようにしている(請求項1)。
【0008】
上記自動蓄尿検査装置においては、尿サンプリング部において採尿容器内の尿をサンプリングした後に、当該採尿容器内の残余の尿を、当該尿サンプリング部において排出するようにしているので、尿の入った採尿容器を持ち運びする必要がなく、その取扱を容易に行うことができ、尿が床などに零れるおそれもない。
【0009】
そして、前記採尿容器の傾き角度は、正立状態から少なくとも90°を超えておればよいが、前記角度が180°、すなわち、採尿容器を倒立状態となるように傾けてもよい(請求項2)。
【0010】
また、前記採尿容器は、その内部に残留する尿が排出された後、その内部が洗浄されるようにしてあってもよい(請求項3)。この洗浄は、採尿容器を収納する採尿容器収納部において行うようにしてもよく、また、前記洗浄を尿サンプリング部において行ってもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の詳細を、図を参照しながら説明する。図1〜図4は、この発明の一つの実施の形態を示す。まず、図1は、この発明の自動蓄尿検査装置の構成の一例を示す図であり、この図において、1は例えば病室内の適宜の場所、例えばユニットバス内や、簡易トイレに隣接した場所などに設けられる自動蓄尿検査装置で、この実施の形態においては、測定を行う装置本体2と採尿容器収納部3とからなる。すなわち、4は適宜の素材よりなるケースで、その内部は仕切り板5,6によって3つの空間4a,4b,4cに区画されている。そして、上二つの空間4a,4bには装置本体2(後述する)が設けられ、最下段の空間4cには採尿容器収納部3(後述する)が形成されている。
【0012】
前記装置本体2の構成を説明すると、上方の空間4aには、前面がパネル7で覆われて防湿構造に形成されている尿測定部8(その構成は後述する)が設けられ、下方の空間4bには、前面の一部が外部に開放された尿サンプリング部9(その構成は後述する)が設けられている。
【0013】
まず、前記尿測定部8および尿サンプリング部9における構成を、図2および図3をも参照しながら説明すると、尿サンプリング部9の底板を兼ねた仕切り板6には、例えば内部が筒状で把手10aを備え、下部に鍔状のベース部10bを備えた樹脂製の採尿容器10をセットし、この採尿容器10内に収容された尿をサンプリングするための容器セット位置11が形成されている。そして、この容器セット位置11には、採尿容器10の存在の有無を識別する容器検出センサ(図示していない)が設けられるとともに、この容器セット位置11においては、採尿容器10は、所定角度θだけ傾けられるように構成されている。また、9aは尿サンプリング部9に設けられる照明灯である。
【0014】
すなわち、12は採尿容器10を載置しこれを保持する容器保持ベースで、その前面を除く三方(後面、左右側面)は仕切り部材13a〜13cで囲まれ、前面には、例えば左側にヒンジ部14aを有する扉14が設けられている。これらの仕切り部材13a〜13cおよび扉14は、適宜の高さを有し、特に、左側面の仕切り部材13bの上部には、後述するノズル33の移動を妨げないための切欠部13b’が形成されている。また、容器保持ベース12の上部には、扉14を開いた状態で挿抜される採尿容器10のベース部10bを挿抜自在に挟持できるように左右一対の挟持部15が前面側から背面側に形成されている。この挟持部15は、例えば容器保持ベース12の左右両側を上方に直角に折り曲げ、さらに、前記ベース部10bの厚み(高さ)よりやや高い位置で内側に直角方向に所定長さだけ折り曲げて形成されている。
【0015】
そして、前記容器保持ベース12の例えば右側には、容器保持ベース12を水平な状態から背面方向に所定の角度だけ傾斜した状態になるように回転させるベース回動機構16が設けられている。このベース回動機構16は、容器保持ベース12の右側部に立設されたブラケット17と、このブラケット17の外側面には固着され、仕切り部材13cを貫通して水平に延びる回転軸18と、この回転軸18に設けられたピニオン19と、ガイド部材20に沿って上下動するラック21と、このラック21を上下方向(UまたはV方向)に駆動するシリンダ(例えばエアシリンダ)22を備えている。
【0016】
したがって、上記容器保持ベース12は、ベース回動機構16の動作によって、回転軸18を中心にして図3において矢印BまたはFの方向のいずれにも回転し、これによって、容器保持ベース12上にセットされた採尿容器10は正立状態から90°を超え180°までの適宜の角度αだけ回転し、その開口が水平線より(α−90)°だけ下方に傾く。なお、図示例では、ブラケット17には、その容器保持ベース12の傾き方向の部分17aが水平方向に延設され、折り曲げられており、前記部分17aが容器保持ベース12上の採尿容器10が傾き方向に滑り落ちないように、採尿容器10の胴部10に当接するようにしてある。なお、図示は省略しているが、容器保持ベース12の近傍には、その傾斜状態や水平状態をそれぞれ検知するためのセンサが設けられており、このセンサの出力に基づいて前記ベース回動機構16の動作が制御されるようにしてある。
【0017】
また、前記容器保持ベース12の背面側の仕切り部材13aには、洗浄ノズル23が水平線よりやや上向きの状態で設けられている。この洗浄ノズル23は、洗浄水供給ライン(図示していない)に接続されている。そして、この洗浄ノズル23の水平線となす傾き角度βは、例えば、容器保持ベース12の傾き角度αが105°のとき、15°に設定される。つまり、(α−β)の大きさが90°になるように設定する。このようにしたとき、洗浄ノズル23から発せられる洗浄水の中心が傾いた採尿容器10の開口中心と一致し、採尿容器10内を最も効率よく洗浄することができる。なお、図2において、11aは採尿容器10から排出される尿(残余の尿)や前記洗浄水を排出する排出部で、図示していない廃液流路に接続されている。また、図3において、13eは容器セット位置11の前面右側部に設けられる目隠し部材である。
【0018】
24は尿サンプリング機構で、例えば次のように構成されている。すなわち、25は尿サンプリング部9内の上方に設けられる回転アームで、尿測定部8内に設けられた正逆いずれの方向にも回転するモータ26によって回転駆動され、仕切り板5に開設された小孔5aを挿通して下方に垂直方向に延びる回転軸27の下端部に固着されており、両矢印28で示す方向に回転する。この回転軸27は、尿測定部8内に設けられた別のモータ(このモータも正逆いずれの方向にも回転する)29によって上下動する上下動駆動機構30によって両矢印31で示す上下方向に移動できるようにも構成されている。したがって、回転アーム25は、水平方向において回転しかつ上下方向に直線移動する。
【0019】
32は尿をサンプリングする流路で、例えばゴムまたは樹脂よりなる可撓性の管よりなり、その下流側には採尿容器10内の尿の液面を検知する機能をも備えたノズル33が設けられている。このノズル33は、尿サンプリング部9内の容器セット位置11の上方に設けられ、この実施の形態においては、導電率の変化に基づいて液面検知を行うものよりなり、一方の電極としても機能するパイプ状ノズル本体33aとこれに平行な状態に設けられ、他方の電極となる棒体33bとからなる。このノズル33は、回転アーム25の先端側(遊端側)において保持ブロック34によって保持され、回転アーム25の動きに伴って回転および/または上下動する。なお、ノズル33によって得られる液面検知信号は、小孔5aを挿通する信号線(図示していない)を介してマイクロコンピュータ(後述する)に送られる。
【0020】
そして、前記容器セット位置11の左隣には、仕切り部材13bを挟んで、例えば4つの分注容器35と洗浄用の薬液を収容した容器36が並設されている。また、37はノズル洗浄槽である。詳細には図示してないが、これらの容器35,36およびノズル洗浄槽37は、前記採尿容器10および仕切り部材13bに形成される切欠部13b’とともに、回転アーム25によって回転するノズル33が描く円弧状の軌跡上に配置されている。
【0021】
前記サンプリング流路32のノズル33より上流側の部分は、回転アーム25に沿うとともに、小孔5aを挿通して上方の尿測定部8に導入されている。この尿測定部8におけるサンプリング流路32には、尿の比重を例えば光学方式によって測定する比重計38、サンプリングされた尿を一時的に蓄えるバッファタンク39、シリンジポンプ40がこの順で設けられている。なお、41はシリンジポンプ40の駆動用モータで、正逆いずれの方向にも回転する。また、42は例えば水道水などの洗浄水をバッファタンク39に導入するラインである。
【0022】
そして、前記尿測定部8の内部(例えばパネル7の背面部)には、装置本体2および採尿容器収容室3の各部を制御するとともに、ノズル33および比重計38からの信号に基づいて尿量および尿比重の演算などを行う制御演算装置としてのマイクロコンピュータ(図示していない)が設けられており、このマイクロコンピュータには、後述する表示部46からの入力信号が入力されるとともに、所定の測定や動作を行わせるためのシーケンスプログラムが格納されている。
【0023】
また、前記尿測定部8の上方の一隅部には、開口43が形成され、この開口43の内側に内部にエアーを吸入するためのファン44が設けられている。そして、尿測定部8の前記上方の隅部側とは対角線上の下方の隅部には、例えば細かい網目状または格子状の通風孔45が形成されている。
【0024】
さらに、前記パネル7の表面には、タッチパネル式の例えば液晶表示装置よりなる入力・表示部46が設けられており、患者名および/またはコード番号を表示したり、患者に対する操作内容に関する指示やマイクロコンピュータによる演算結果などが表示されるようにしてある。また、パネル7には、患者に対する操作指示用の拡声器47が設けられている。つまり、患者に対して、入力・表示部46における文字等によるメッセージ表示と拡声器47における音声メッセージのそれぞれによって操作内容が指令されるようにしてある。
【0025】
そして、採尿容器収納部3の構成を簡単に説明すると、この採尿容器収容部3は、例えば、4人の患者(例えばA,B,C,D)のそれぞれ専用の採尿容器10を収納する機能および使用後の採尿容器10をそれぞれ洗浄する機能を備えた4つの容器収納室48A〜48Dよりなる。各容器収納室48A〜48Dは、それらの構造は互いに同じであり、その前面に開閉自在な扉49を備えており、扉49の開閉状態検知センサ(図示していない)が設けられている。また、各容器収納室48A〜48D内は、図4(f)に概略的に示すように、採尿容器10を倒立した状態で保持することができるように構成されているとともに、前記倒立状態の採尿容器10に対してその真下から洗浄液を採尿容器10内に噴出する洗浄ノズル50が設けられ、さらに、洗浄に用いた洗浄液を排出流路(図示していない)に排出できるように構成されている。
【0026】
なお、図1において、51は尿サンプリング部9に設けられる識別灯、52A〜52Dは容器収納室48A〜48Dに対応して設けられる識別灯である。
【0027】
上記自動蓄尿検査装置1の動作を説明する。この自動蓄尿検査装置1は、4人部屋の病室に1台設けられているものとし、4人の患者A,B,C,Dのそれぞれ専用の採尿容器10を、それぞれ専用の容器収納室48A〜48Dに収容するものとする。この場合、マイクロコンピュータのメモリ部には、4人の患者名および/またはコード番号と容器収納室48A〜48Dとを1対1で対応するように記憶させてある。
【0028】
今、患者Bが採尿容器収納部3の自分の容器収納室48Bの扉49を開いて採尿容器10を取り出し、扉49を閉める。この扉49の開閉により、容器収納室48Bの開閉状態検知センサが動作して、その出力がマイクロコンピュータに入力され、非測定モード(待機モード)であった自動蓄尿検査装置1が測定モードになる。
【0029】
前記マイクロコンピュータにおいては、前記開閉状態検知センサの出力に基づいて患者Bの名前が検索され、その名前が入力・表示部46に表示されるとともに、拡声器47から、例えば、「Bさんですね。尿を採取して戻って来て下さい。」というような確認および指令のメッセージが発せられる。
【0030】
前記患者Bは、自分の名前を確認した後、例えば室内の簡易トイレにおいて用を足し、自分の尿を採尿容器10に採取する。前記メッセージの指令の後、適宜の時間経過後、尿サンプリング部9の識別灯51が点灯する。
【0031】
前記採尿後の患者Bは、前記採尿容器10を持って自動蓄尿検査装置1の前面に来て、識別灯51が点灯している尿サンプリング部9の扉14を開いて採尿容器10を、そのベース部10bを容器保持ベース12の挟持部15に挿入するようにして容器セット位置11にセットする。つまり、尿53を収容した採尿容器10は、その開口を真上にした正立状態で容器保持ベース12の上面に載置される。この場合、前記扉14を開くことにより照明灯9aが点灯し、尿サンプリング部9が適宜照明されるとともに、前記採尿容器10のセットにより容器検出センサが動作し、その出力がマイクロコンピュータに入力され、採尿容器10が正しくセットされたことが通知され、拡声器47から、例えば、「容器が正しくセットされました。そのまま暫くお待ち下さい。」というような確認および指令のメッセージが発せられる。
【0032】
前記採尿容器10のセットにより、モータ26,29,41が所定のシーケンスに基づいて動作し、尿サンプリング機構24によって採尿容器10内の尿のサンプリングが行われ、測定および分注が行われる。これらの動作について、図4をも参照しながら説明する。
【0033】
今、ノズル33が所定のホームポジションに位置しているものとする。このホームポジションは、患者による採尿容器10のサンプリング部位11へのセットやこのサンプリング部位11からの採尿容器10の取り出しの邪魔にならないような位置であることはいうまでもない。
【0034】
モータ26を動作させて回転アーム25を回転させ、ホームポジションにあるノズル33を円弧28を描くように回転させ、容器セット部11に載置されている採尿容器10の上方に位置させる(図4(a)参照)。
【0035】
次いで、モータ29を動作させて回転アーム25を下降させ、ノズル33を下降させ、これを採尿容器10内の尿53内に浸漬する(図4(b)参照)。このノズル33の下降時、ノズル33の先端(下端)が前記尿53内に進入する際、ノズル33によって尿53の液面の高さ位置が検出され、これに基づいて採尿容器10内の尿53の全量(全体積)が測定される。
【0036】
そして、モータ41を動作させてポンプ40に吸引を行わせ、ノズル33に採尿容器10内の尿53を所定量吸引させ、尿53のサンプリングを行う。この尿53の吸引量は、前記測定された尿53の全量の例えば1/10とする。この吸引された尿53は、サンプリング流路32を上流側方向に進み、比重計38を通過する際、その比重が測定され、この比重計38を経た尿53は、バッファタンク39内に一時的に収容される。
【0037】
その後、モータ29を回転させて、回転アーム25を上昇させ、ノズル33の下端部が採尿容器10の上端より高くなるように、ノズル33を上昇させた後、ポンプ40を動作させ、ノズル33に空気を1mL程度吸引させてノズル33の下端部からの尿53の滴下を防止し、その状態でモータ26を動作させて回転アーム25を回転させることによりノズル33を回転させ、患者B用の分注容器35の上方位置までノズル33を移動させる。そして、モータ29を動作させて回転アーム25を下降させることによりノズル33を前記分注容器35に対して所定の高さ位置まで下げた後、ポンプ40を動作させ、バッファタンク39内の尿53の全てをノズル33によって前記分注容器35内に注入する(図4(c)参照)。
【0038】
前記分注容器35内への注入が終わると、モータ26,29を動作させて、回転アーム25を上昇させるとともに回転させることにより、ノズル33をホームポジションに戻す。これにより、尿53のサンプリング並びに尿53の総量および比重の測定が完了する。この尿の総量および比重の測定結果は、入力・表示部46に表示されるとともに、マイクロコンピュータのメモリ内に格納されたり、LANなどのネットワークを介して、看護婦詰所などに設けられるデータ管理機(図示していない)に送信され、そのメモリ内に格納される。
【0039】
ところで、前記尿53をその採取された量の1/10だけサンプリングした後、容器保持ベース12上に正立状態で載置されている採尿容器10内には、採取された全量の9/10の尿53が残っている。そこで、ベース回動機構16のシリンダ22が動作して容器保持ベース12が水平状態から図3において矢印B方向に回転し、元の水平状態から90°より大きな角度α°だけ傾く。これに伴って、採尿容器10も同方向に回転し、その開口が水平線より低くなる傾いた状態となり、前記残余の尿53の全てが排出される(図4(d)参照)。
【0040】
前記尿53の排出が終わると、前記シリンダ22が動作して、傾いている容器保持ベース12が図3において矢印F方向に回転し、元の水平状態に復帰する。これに伴って、採尿容器10も同方向に回転し、元の正立状態に復帰する(図4(e)参照)。このとき、点灯していた尿サンプリング部9の識別灯51が消灯するとともに、採尿容器収容部3における患者Bの容器収納室48Bの識別灯51が点灯し、拡声器47から、例えば、「容器を取り出して容器収納室に戻して下さい。」というようなメッセージが発せられる。
【0041】
待機していた患者Bは、尿サンプリング部9の扉14を開いて採尿容器10を取り出し、採尿容器収容部3の識別灯51が点灯している容器収納室48Bの扉49を開いて、図4(f)に示すように、容器収納室48B内に採尿容器10を倒立状態で挿入し、扉49を閉める。このとき、拡声器47から、例えば、「容器が正しく戻されました。」というようなメッセージが発せられる。
【0042】
前記容器収納室48Bの扉49が閉められたことにより、洗浄ノズル50から水道水などの洗浄液54が倒立状態の採尿容器10内部に噴射され、採尿容器10内部が洗浄される。この洗浄が完了すると、自動蓄尿検査装置1は元の待機状態に戻る。なお、洗浄された採尿容器10は、その状態で自然乾燥され、その状態で次に使用まで保管される。
【0043】
上述の実施の形態においては、尿サンプリング部9において、採尿容器10内の尿53をサンプリングした後に、当該採尿容器10内の残余の尿53を、当該尿サンプリング部9において排出するようにしているので、尿53の入った採尿容器10を持ち運びする必要がなく、その取扱を容易に行うことができ、尿53が床などに零れるおそれもない。
【0044】
そして、尿53を排出した後の採尿容器10は、採尿容器収容部3の容器収納室48Bに収容されるが、この容器収納室48Bにおいて洗浄水54によって洗浄され、次の使用に供することができる。
【0045】
上述の実施の形態においては、自動蓄尿検査装置1が測定を行う装置本体2と採尿容器収納部3とからなるものであり、尿サンプリング部9の容器セット位置11において、採尿容器10を所定角度傾斜してその内部に残った尿53を廃棄し、採尿容器10内部の洗浄については、採尿容器収容部3の容器収納室48Bにおいて行うようにしていたが、これに代えて、容器セット位置11において採尿容器10内部の洗浄をも行うようにしてもよい。以下、これを、図5を参照しながら説明する。この場合、採尿容器収容部3の容器収納室48A〜48Dには洗浄ノズル50を必ずしも設ける必要がなく、また、仮に設けてあっても、洗浄ノズル50による洗浄動作が行われないようにしてあればよい。
【0046】
図5(a)〜(d)に図示している内容は、前記図4(a)〜(d)に図示している内容と同じで、その詳細な説明は、前記段落0033〜0039に記載した内容と同じであるので、その説明は省略する。
【0047】
この実施の形態においては、採尿容器10を所定角度だけ傾斜させてその内部の残余の尿53を廃棄した後、採尿容器10を前記傾斜状態に保持した状態で、洗浄ノズル23から水道水など洗浄水55を噴射し、採尿容器10内部を洗浄する(図5(e)参照)。
【0048】
前記採尿容器10の洗浄が終わると、前記シリンダ22が動作して、傾いている容器保持ベース12が図3において矢印F方向に回転し、元の水平状態に復帰する。これに伴って、採尿容器10も同方向に回転し、元の正立状態に復帰する(図5(f)参照)。ここで、前記採尿容器10をさらに薬液で洗浄しない場合には、点灯していた尿サンプリング部9の識別灯51が消灯するとともに、採尿容器収容部3における患者Bの容器収納室48Bの識別灯51が点灯し、拡声器47から、例えば、「容器を取り出して容器収納室に戻して下さい。」というようなメッセージが発せられ、待機していた患者Bは、尿サンプリング部9の扉14を開いて採尿容器10を取り出し、採尿容器収容部3の識別灯51が点灯している容器収納室48Bの扉49を開いて容器収納室48B内に採尿容器10を倒立状態で挿入することで、採尿容器10は次の使用に待機した状態で保管される。
【0049】
これに対して、前記水道水で洗浄された採尿容器10をさらに薬液で洗浄する場合には、前記正立状態に復帰した採尿容器10の上にノズル33が移動し、容器36内の薬液56がノズル33から注入される(図5(g)参照)。
【0050】
その後、ベース回動機構16のシリンダ22が動作して容器保持ベース12が水平状態から図3において矢印B方向に回転し、元の水平状態から90°より大きな角度α°だけ傾き、これに伴って、採尿容器10も同方向に回転し、その開口が水平線より低くなる傾いた状態となり、前記薬液56の全てが排出される(図5(h)参照)。
【0051】
前記薬液56を排出し、開口が水平線より低くなる傾いた状態となっている採尿容器10に対して、洗浄ノズル23から水道水など洗浄水55を噴射し、採尿容器10内部を洗浄する(図5(i)参照)。
【0052】
前記採尿容器10の洗浄が終わると、前記シリンダ22が動作して、傾いている容器保持ベース12が図3において矢印F方向に回転し、元の水平状態に復帰する。これに伴って、採尿容器10も同方向に回転し、元の正立状態に復帰する(図5(j)参照)。このとき点灯していた尿サンプリング部9の識別灯51が消灯するとともに、採尿容器収容部3における患者Bの容器収納室48Bの識別灯51が点灯し、拡声器47から、例えば、「容器を取り出して容器収納室に戻して下さい。」というようなメッセージが発せられ、待機していた患者Bは、尿サンプリング部9の扉14を開いて採尿容器10を取り出し、採尿容器収容部3の識別灯51が点灯している容器収納室48Bの扉49を開いて容器収納室48B内に採尿容器10を倒立状態で挿入することで、採尿容器10は次の使用に待機した状態で保管される。
【0053】
上述のように、容器セット位置11において採尿容器10内部の洗浄をも行うようにした場合、採尿容器収容部3として、各容器収納室48A〜48Dに洗浄ノズル50を設ける必要がない。また、場合によっては、採尿容器収容部3そのものを設ける必要がなくなる。
【0054】
さらに、図5(g)〜(j)に示すように、水道水で洗浄した後、さらに薬液56で洗浄し、その後、水道水で洗浄するように構成した場合には、使用後の採尿容器10を確実に洗浄することができるといった利点がある。
【0055】
なお、患者の尿53を成分検査しないときなどにおいては、サンプリングした尿53は分注容器35に分注する必要がなく、この場合、バッファタンク39内の尿53は採尿容器10に戻される。
【0056】
上述の実施の形態においては、ノズル33を回転方向の動作と上下方向の動作によって、尿53をサンプリングするようにしているが、ノズル33を直交する三次元方向(X,Y,Z)方向に移動させることにより、尿53をサンプリングするようにしてもよい。また、サンプリング流路32には、必ずしも比重計38を設ける必要がなく、これを省略してもよい。さらに、逆に、サンプリング流路32の例えば比重計38の後段に尿糖計を設けてもよい。
【0057】
また、尿53の液面を検出する機構としては、静電容量に基づくものを用いてもよく、その場合、ノズル33は筒状の本体33aのみでよい。
【0058】
さらに、自動蓄尿検査装置1としては、病室に設けられるものに限られるものではなく、集合トイレに設けられるものでもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の自動蓄尿検査装置は、採尿容器がその下部に鍔状のベ−ス部を備える一方、尿サンプリング部には前記採尿容器を載置し保持するための容器保 持ベ−スが設けられ、かつ、この容器保持ベ−スの上部には前記鍔状のベース部を挿抜自在に挟持する挟持部が形成され、前記サンプリング後に、前記尿サンプリング部において前記容器保持ベースを傾斜させることにより前記採尿容器を傾けてその内部に残留する尿を排出できるようにしてあるので、採尿容器内の尿のサンプリングから前記採尿容器に残留する尿の排出までの処理を一つの位置、つまり、尿サンプリング部において行うことができるとともに、一つの装置内で行うことができる。したがって、尿の入った採尿容器を持ち運びする必要がなく、その取扱を容易に行うことができ、尿が床などに零れるおそれもなく、衛生上の問題も全く生ずることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の自動蓄尿検査装置の一例を部分的に透視して示す斜視図である。
【図2】 前記自動蓄尿検査装置における尿サンプリング部の要部の構成の一例を示す側面図である。
【図3】 前記尿サンプリング部の要部を部分的に透視して示す斜視図である。
【図4】 前記自動蓄尿検査装置の動作の一例を説明するための図である。
【図5】 前記自動蓄尿検査装置の動作の他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…自動蓄尿検査装置、9…尿サンプリング部、10…採尿容器、10b…鍔状のベース部、12…容器保持ベース、15…挟持部、53…尿。
Claims (3)
- 採尿容器に収容された尿を、尿サンプリング部においてサンプリングするようにした自動蓄尿検査装置において、前記採尿容器がその下部に鍔状のベ−ス部を備える一方、前記尿サンプリング部には前記採尿容器を載置し保持するための容器保持ベ−スが設けられ、かつ、この容器保持ベ−スの上部には前記鍔状のベース部を挿抜自在に挟持する挟持部が形成され、前記サンプリング後に、前記尿サンプリング部において前記容器保持ベースを傾斜させることにより前記採尿容器を傾けてその内部に残留する尿を排出できるようにしてあることを特徴とする自動蓄尿検査装置。
- 前記採尿容器の傾き角度は、正立状態から90°を超え180°以下である請求項1に記載の自動蓄尿検査装置。
- 前記採尿容器は、その内部に残留する尿が排出された後、その内部が洗浄されるようにしてある請求項1または2に記載の自動蓄尿検査装置。
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