JP3651845B2 - 自動蓄尿検査装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、病院などの医療機関に設けられる自動蓄尿検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
蓄尿検査は、患者の水分の代謝の観察のためや尿中成分の定量を行ための手法として用いられるが、近時、大きな病院においては、入院患者の蓄尿検査を行うために、複数の病室のそれぞれに簡易便器および測定端末としての自動蓄尿検査装置を設置するとともに、ナースセンターなどの看護婦詰所にデータ管理機を設け、このデータ管理機と各病室に設けられた自動蓄尿検査装置とをLANを用いるなどしてデータネットワークを構成した蓄尿管理システムが導入されるようになってきている。
【0003】
上記自動蓄尿検査装置においては、患者自らが自分の排出した尿を採尿容器に採取し、この採尿容器を自動蓄尿検査装置の尿サンプリング部にセットすることにより、採尿容器内の尿の量(体積)やその比重が測定され、その測定結果は、自動蓄尿検査装置内のメモリに患者別に記録されるとともに、中央データ管理装置としてのデータ管理機に送られ、このメモリ内に記録されるようになっている。また、前記測定後の採尿容器内の尿は、適宜分注されて成分検査などに供される。なお、分注されない残余の尿は廃棄される。
【0004】
ところで、近時、上記自動蓄尿検査装置においては、当該装置そのものを患者自らが、自動蓄尿検査装置からの音声や表示画面における指示にしたがって、装置を直接操作し、上記採尿容器を装置本体の所定の容器セット部にセットしたり、使用後の採尿容器を所定の収納位置に返却するように構成されるようになっている。そして、前記自動蓄尿検査装置が病院の病室などに設けられる場合、1台の自動蓄尿検査装置を複数の患者が共同使用するのが一般的であり、この場合、各患者にそれぞれ専用の採尿容器とこれを収納する専用の容器収納室が割り当てられている。
【0005】
上述のように、1台の自動蓄尿検査装置を複数の患者が共同使用する場合、装置本体において、患者を正しく特定する必要があり、従来においては、
▲1▼ 装置本体のタッチパネルなどよりなる表示画面に患者の名前を表示し、患者が該当する自分の名前の部分をオンする。
▲2▼ 各患者にそれぞれ割り当てられた採尿容器にバーコードラベルを付し、これを装置本体側のバーコードリーダで識別する。
▲3▼ 各患者にIDカードなどの識別票を所持させ、これを自動蓄尿検査装置の読取部で読み取らせる。
などの手法によって患者の特定を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記▲1▼の手法においては、測定の都度、患者が表示画面などに設けられたスイッチ部を操作する必要があり、操作性が悪いといった欠点がある。そして、上記▲2▼の手法においては、装置本体に高価なバーコードリーダを設ける必要がありコストアップとなるとともに、このセンサが尿などによって汚損されることがあり、この汚れを1日1回程度の割合で拭き取る必要があるなど、メンテナンスの必要があり、それだけ看護婦などの手を煩わせることとなる。また、上記▲3▼の手法においては、各患者が識別表を常に保持している必要があり、面倒であるとともに紛失するおそれがある。
【0007】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、患者に必要以上にスイッチ操作を行わせたり、看護婦などにメンテナンス作業を行わせたりすることがないとともに、高価なバーコードリーダを装置本体に設けたりすることなく、患者の特定を行うことができ、測定のための操作を簡単確実に行うことができ、所定の検査を行うことができる自動蓄尿検査装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明では、複数の患者にそれぞれ専用の採尿容器とこれを収納する専用の容器収納室が割り当てられており、各患者が装置本体を共同使用し、患者自身がその採取した尿を、装置本体からの指示に基づいて測定に供するための操作を行うように構成された自動蓄尿検査装置において、前記患者が自分の容器収納室から採尿容器を取り出したとき、この取り出しを装置本体が検知し、その検知結果に基づいて患者の特定を行い、この患者特定に基づいて前記測定に供するための操作を行わせるようにしている。
【0009】
上記構成の自動蓄尿検査装置においては、患者が容器収容室から採尿容器を取り出す動作に基づいて患者の特定を行うようにしているので、煩わしいスイッチ操作を必要とせず、装置本体に高価な部品を取り付けたりする必要がない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態、図を参照しながら説明する。図1〜図3は、この発明の一つの実施の形態を示す。まず、図1はこの発明の自動蓄尿検査装置の構成の一例を示す図、図2はこの装置における主な信号の流れを示す図である。これらの図において、1は例えば病室内の適宜の場所、例えばユニットバス内や、簡易トイレに隣接した場所などに設けられる自動蓄尿検査装置で、この実施の形態においては、測定を行う装置本体2と採尿容器収納部3とからなる。すなわち、4は適宜の素材よりなるケースで、その内部は仕切り板5,6によって3つの空間4a,4b,4cに区画されている。そして、上二つの空間4a,4bには装置本体2を構成する部材(後述する)が設けられ、最下段の空間4cには採尿容器収納部3(後述する)が形成されている。
【0011】
前記装置本体2の構成を説明すると、上方の空間4aには、前面がパネル7で覆われて防湿構造に形成されている尿測定部8(その構成は後述する)が設けられ、下方の空間4bには、前面が外部に開放された尿サンプリング部9(その構成は後述する)が設けられている。
【0012】
まず、前記尿サンプリング部9における構成を説明すると、底板を兼ねた仕切り板6には、例えば内部が筒状で把手を備えた樹脂よりなる採尿容器10をセットするための容器セット部11が形成され、その近傍には採尿容器10を検出するための容器検出センサ12が設けられている。そして、13は採取された尿を患者ごとに区別して収容するための複数の分注カセットである。また、14はノズル23(後述する)を洗浄するノズル洗浄槽である。
【0013】
15は尿サンプリング部9内の上方に設けられる回転アームで、尿測定部8内に設けられたモータ16によって回転駆動され、仕切り板5に開設された小孔17を挿通して下方に垂直方向に延びる回転軸18の下端部に固着されており、両矢印19で示す方向に回転する。前記回転軸18は、尿測定部8内に設けられた別のモータ20によって上下動する上下動駆動機構21によって両矢印22で示す上下方向に移動できるようにも構成されている。したがって、回転アーム15は、水平方向において回転しかつ上下方向に直線移動する。
【0014】
そして、23は採尿容器10内の尿の液面を検知する機能をも備えたノズルで、尿サンプリング部9内の容器セット部11の上方に設けられ、この実施の形態においては、導電率の変化に基づいて液面検知を行うものよりなり、一方の電極としても機能するパイプ状ノズル本体23aとこれに平行な状態に設けられ、他方の電極となる棒体23bとからなる。このノズル23は、回転アーム15の先端側(遊端側)において保持ブロック24によって保持され、回転アーム15の動きに伴って回転および/または上下動する。なお、ノズル23によって得られる液面検知信号は、小孔17を挿通する信号線(図示していない)を介してマイクロコンピュータ33(後述する)に送られる。
【0015】
また、25は容器セット部11を照明するための照明灯、26は尿サンプリング部9の上方に設けられる表示灯である。
【0016】
次に、前記尿測定部8における構成を説明すると、27はノズル本体23aの上端側に接続される可撓性の連結管で、途中で回転軸18に係止され、その上端側は仕切り板5に形成された小孔17を挿通して比重計28の下端に接続されている。この比重計28の上端には、可撓性の連結管29を介してシリンジポンプ30が接続されている。また、前記連結管29には、三方電磁弁などの切換弁31が介装されており、この切換弁31には、比重計28、連結管27、ノズル本体23aをエアーパージするためのパージライン(図示していない)が接続されている。なお、32はシリンジポンプ30の駆動用モータである。
【0017】
そして、前記尿測定部8の内部(例えばパネル7の背面部)には、装置本体2および採尿容器収容室3の各部を制御するとともに、ノズル23および比重計28からの信号に基づいて尿量および尿比重の演算などを行う制御演算装置としてのマイクロコンピュータ33が設けられており、このマイクロコンピュータ33には、入力・表示部37(後述する)からの入力信号が入力されるとともに、所定の測定や動作を行わせるためのシーケンスプログラムが格納されている。
【0018】
また、前記尿測定部8の上方の一隅部には、開口34が形成され、この開口34の内側に内部にエアーを吸入するためのファン35が設けられている。そして、尿測定部8の前記上方の隅部側とは対角線上の下方の隅部には、例えば細かい網目状または格子状の通風孔36が形成されている。
【0019】
さらに、前記尿測定部8のパネル7の表面には、タッチパネル式の例えば液晶表示装置よりなる入力・表示部37が設けられており、患者名および/またはコード番号を表示したり、患者に対する操作内容に関する指示やマイクロコンピュータ33による演算結果などが表示されるようにしてあるとともに、操作画面上においてスタートなどの入力ボタンガ表示されるようにしてある。また、前記パネル7には、患者に対する操作指示用の拡声器38が設けられている。つまり、患者に対して、入力・表示部37における文字等によるメッセージ表示と拡声器38における音声メッセージのそれぞれによって操作内容が指令されるようにしてある。
【0020】
そして、採尿容器収納部3の構成を簡単に説明すると、この採尿容器収容部3は、例えば、4人の患者A,B,C,Dのそれぞれ専用の採尿容器10を収納する機能のほかに、使用後の採尿容器10をそれぞれ洗浄する機能を備えた4つの容器収納室39A〜39Dよりなる。各容器収納室39A〜39Dは、それらの構造は互いに同じであり、その前面に開閉自在な扉40を備えている。そして、詳細な図示は省略しているが、各扉40の内面には採尿容器10を保持・固定する容器載置部が設けられるとともに、各室内には適宜の洗浄液を噴出する洗浄器が設けられ、使用した採尿容器10を洗浄液で洗浄するように構成されている。
【0021】
また、各容器収納室39A〜39Dには、扉40の開閉状態を検知するセンサ41A〜41Dが設けられるとともに、各容器収納室39A〜39Dの上部には、表示灯42A〜42Dが設けられている。そして、開閉状態検知センサ41A〜41Dの出力は、マイクロコンピュータ33に入力され、表示灯42A〜42Dは、マイクロコンピュータ33からの指令により適宜点灯するように構成されている。
【0022】
上記自動蓄尿検査装置1の動作を、図3のフローチャートをも参照しながら説明する。前記自動蓄尿検査装置1が、4人部屋の病室に1台設けられているものとし、4人の患者A,B,C,Dのそれぞれ専用の採尿容器10を、それぞれ専用の容器収納室39A〜39Dに収容するものとする。この場合、マイクロコンピュータ33のメモリ部には、4人の患者の名前と容器収納室39A〜39Dとを1対1で対応するように記憶させてある。
【0023】
(1)患者Aが採尿容器収納部3の自分の容器収納室39Aの扉40を開いて採尿容器10を取り出し(ステップS1)、扉40を閉める。この扉40の開閉により、非測定モードであった自動蓄尿検査装置1が測定モードになり、容器収納室39Aの開閉状態検知センサ41Aが動作して、その出力がマイクロコンピュータ33に入力される。
【0024】
(2)前記マイクロコンピュータ33においては、前記開閉状態検知センサ41Aの出力に基づいて患者の名前Aが検索され、その名前が入力・表示部37に表示される(ステップS2)。この入力・表示部37における名前の表示とともに、拡声器38から、例えば、「Aさんですね」と確認のメッセージも発せられる。
【0025】
(3)前記患者Aは、自分の名前を確認した場合には、ステップS3においてYESの方向に進む。そして、仮に、前記患者Aが採尿容器収納部3から誤って他人(例えば患者B)の採尿容器10を取り出したときは、前記ステップS2において、「Bさんですね」といった確認のメッセージが画面表示および音声によって出力される。この場合、ステップS3においてNOの方向に進み、取り出した採尿容器10を患者Bの容器収納室39Bに戻して(ステップS10)、再度ステップS1の操作を行う。この場合、最も近い時点で開閉された扉40を画面および/または音声によって指示するようにしておけば、患者が誤って採尿容器10を取り出しても、その取り出した採尿容器10を容器収納室39A〜39Dに正しく戻すことができる。
【0026】
(4)前記ステップS3における患者確認が正しい場合、患者Aは、例えば室内の簡易トイレにおいて用を足し、自分の尿を採尿容器10に採取する(ステップS4)。
【0027】
(5)尿を採取した患者Aは、採尿容器10を持って自動蓄尿検査装置1の前面に来て、採尿容器10を尿サンプリング部9の容器セット部11にセットするる。このとき、尿サンプリング部9の容器セット部11近傍に設けられた照明灯26が点灯し、容器セット部11を照明するようにしておけば、患者Aは、前記採尿容器10を容器セット部11に正しくセットすることができる。このセットにより、容器検出センサ12が動作し、その出力がマイクロコンピュータ33に入力され、採尿容器10が正しくセットされたことが通知される(ステップS5)。
【0028】
(6)前記容器検出センサ12の出力に基づいて、入力・表示部37に操作画面が表示され、この画面において患者Aがスタートスイッチにタッチすることにより、マイクロコンピュータ33からモータ16,20,32に対して動作指令が出力され、これらのモータ16,20,32が所定のシーケンスに基づいて動作し、採尿容器10内の尿のサンプリング、測定および分注が出力行われる(ステップS6)。すなわち、モータ16,20が動作してノズル23が下降してその先端が採尿容器10内の尿内に進入するが、その進入時にノズル23によって液面の高さ位置が検出され、これに基づいて尿の量(体積)が測定される。次いで、モータ32が動作して採尿容器10内の尿が所定量吸引されて比重計28内に導入されることにより、尿の比重が測定される。この比重計28に導入された尿は、所定の時間経過後、ノズル23を経て採尿容器10に戻される。そして、例えば、他の尿の試験項目のための尿の分注指令がある場合には、モータ16,20が動作して、ノズル23を上下動および回転させて、採尿容器10内の尿の所定量が分注カセット13に分注される。なお、前記モータ16,20,32等の動作の起動は、容器検出センサ12の出力がマイクロコンピュータ33に入力されて後、一定時間後に行われるようにしてもよい。
【0029】
そして、前記ステップS6の動作中、つまり、尿の量および比重の測定動作や分注動作の間中、照明灯26が例えば点滅するようにしておけば、所定の測定および分注が行われていることが目視によって確認できる。前記尿の総量や比重の測定結果は、入力・表示部37に表示されるとともに、マイクロコンピュータ33のメモリ内に格納されたり、LANなどのネットワークを介して、看護婦詰所などに設けられるデータ管理機(図示していない)に送信され、そのメモリ内に格納される。
【0030】
(7)前記分注が完了した後、切換弁31を介してパージ用のエアーが比重計28、連結管27、ノズル本体23aに供給され、これらの各部がエアーパージされる。そして、採尿容器10内には尿が残存しているので、患者Aをこれを自分の容器収納室39Aに戻す(ステップS7)。この場合、容器収納室39Aに設けられている表示灯42Aのみが点灯するとともに、拡声器38から、例えば「Aさん、採尿容器10をランプの付いている容器収納室に戻して下さい。」といったメッセージが発せられるようにしておけば、患者は採尿容器10を確実に元の位置に戻すことができる。
【0031】
(8)そして、採尿容器10が容器収納室39Aに正しく戻されたか否かが判別され(ステップS8)、正しく戻されている場合には、ステップS8においてYESの方向に進み、採尿容器10内の尿が容器収納室39Aにおいて廃棄される。そして、前記表示灯やメッセージによるガイドにもかかわらず、患者Aが他の容器収納室の扉40を開けた場合、ステップS8においてNOの方向に進み、採尿容器10の戻し入れ操作のやり直しが指令される。この場合、拡声器38から、例えば「Aさん、戻す位置が違っています。ランプの付いている容器収納室に戻して下さい。」といったメッセージが発せられるようにしておけば、前記戻し入れ操作を確実に行わせることができる。
【0032】
(9)採尿容器10が容器収納室39Aに正しく戻された場合、患者Aは扉40を閉めると、容器収納室39Aの開閉状態検知センサ41Aが動作して、その出力がマイクロコンピュータ33に入力され、これに基づいて容器収納室39Aの洗浄器が動作し、採尿容器10が洗浄され(ステップS9)、患者Aによる自動蓄尿検査装置1の利用が完了し、自動蓄尿検査装置1は元の測定待機モードに復する。なお、患者Aは、採尿容器10が容器収納室39Aを戻した後は、自動蓄尿検査装置1から離れてもよい。また、採尿容器10の洗浄は、患者Aの入力・表示部37におけるスタートスイッチの操作によって行われるようにしてもよい。
【0033】
上述のように、この発明の自動蓄尿検査装置1においては、患者が容器収納室39A〜39Dから採尿容器10を取り出す動作に基づいて患者の特定を行うようにしているので、煩わしいスイッチ操作を必要としないので、患者にとって使い勝手がよい。そして、装置本体2に高価な部品を取り付けたりする必要がないので、自動蓄尿検査装置1をコストダウンすることができる。また、看護婦などによるメンテナンスもほとんど必要でなく、患者にIDカードなどを持たせた場合における不具合もない。
【0034】
なお、上述の実施の形態においては、一人の患者が自動蓄尿検査装置1の利用しているときには、他の患者が利用できないということを前提としている。この場合、ステップS3において、自動蓄尿検査装置1を利用する患者(例えばA)が確定された場合、他の患者B〜Dの利用を禁止するため、採尿容器収納部3に対してロック信号を出力し、他の患者B〜D用の容器収納室39B〜39Dの扉40がロックされ、開閉できないようにしてもよい。
【0035】
測定を行う装置本体2と採尿容器収納部3とを別体構成として、自動蓄尿検査装置1を装置本体2のみで構成してあってもよい。
【0036】
さらに、容器収納室39A〜39Dには必ずしも洗浄機能を備えさせる必要はなく、容器収納室39A〜39Dとは別に洗浄機能を備えた室を共通に一つ設け、洗浄した採尿容器10のみを容器収納室39A〜39D内に収容するようにしてあってもよい。
【0037】
さらに、自動蓄尿検査装置1としては、病室に設けられるものに限られるものではなく、集合トイレに設けた自動蓄尿検査装置においても同様に実施することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の自動蓄尿検査装置においては、患者が自分の容器収納室から採尿容器を取り出したとき、この取り出しを装置本体が検知し、その検知結果に基づいて患者の特定を行い、この患者特定に基づいて前記測定に供するための操作を行わせるようにしているので、患者に必要以上にスイッチ操作を行わせたり、看護婦などにメンテナンス作業を行わせたりすることがないとともに、高価なバーコードリーダを装置本体に設けたりすることなく、患者の特定を行うことができ、測定のための操作を簡単確実に行うことができる。
【0039】
したがって、この発明によれば、患者自身が容易に操作することができ、安価でありながらも確実に所望の尿の採取および測定を確実に行わせることができ、測定の自動化が大いに推進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の自動蓄尿検査装置の一例を部分的に透視して示す斜視図である。
【図2】前記自動蓄尿検査装置における信号の流れを概略的に示す図である。
【図3】前記自動蓄尿検査装置における測定動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2…装置本体、10…採尿容器、39A〜39D…容器収納室。
【発明の属する技術分野】
この発明は、病院などの医療機関に設けられる自動蓄尿検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
蓄尿検査は、患者の水分の代謝の観察のためや尿中成分の定量を行ための手法として用いられるが、近時、大きな病院においては、入院患者の蓄尿検査を行うために、複数の病室のそれぞれに簡易便器および測定端末としての自動蓄尿検査装置を設置するとともに、ナースセンターなどの看護婦詰所にデータ管理機を設け、このデータ管理機と各病室に設けられた自動蓄尿検査装置とをLANを用いるなどしてデータネットワークを構成した蓄尿管理システムが導入されるようになってきている。
【0003】
上記自動蓄尿検査装置においては、患者自らが自分の排出した尿を採尿容器に採取し、この採尿容器を自動蓄尿検査装置の尿サンプリング部にセットすることにより、採尿容器内の尿の量(体積)やその比重が測定され、その測定結果は、自動蓄尿検査装置内のメモリに患者別に記録されるとともに、中央データ管理装置としてのデータ管理機に送られ、このメモリ内に記録されるようになっている。また、前記測定後の採尿容器内の尿は、適宜分注されて成分検査などに供される。なお、分注されない残余の尿は廃棄される。
【0004】
ところで、近時、上記自動蓄尿検査装置においては、当該装置そのものを患者自らが、自動蓄尿検査装置からの音声や表示画面における指示にしたがって、装置を直接操作し、上記採尿容器を装置本体の所定の容器セット部にセットしたり、使用後の採尿容器を所定の収納位置に返却するように構成されるようになっている。そして、前記自動蓄尿検査装置が病院の病室などに設けられる場合、1台の自動蓄尿検査装置を複数の患者が共同使用するのが一般的であり、この場合、各患者にそれぞれ専用の採尿容器とこれを収納する専用の容器収納室が割り当てられている。
【0005】
上述のように、1台の自動蓄尿検査装置を複数の患者が共同使用する場合、装置本体において、患者を正しく特定する必要があり、従来においては、
▲1▼ 装置本体のタッチパネルなどよりなる表示画面に患者の名前を表示し、患者が該当する自分の名前の部分をオンする。
▲2▼ 各患者にそれぞれ割り当てられた採尿容器にバーコードラベルを付し、これを装置本体側のバーコードリーダで識別する。
▲3▼ 各患者にIDカードなどの識別票を所持させ、これを自動蓄尿検査装置の読取部で読み取らせる。
などの手法によって患者の特定を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記▲1▼の手法においては、測定の都度、患者が表示画面などに設けられたスイッチ部を操作する必要があり、操作性が悪いといった欠点がある。そして、上記▲2▼の手法においては、装置本体に高価なバーコードリーダを設ける必要がありコストアップとなるとともに、このセンサが尿などによって汚損されることがあり、この汚れを1日1回程度の割合で拭き取る必要があるなど、メンテナンスの必要があり、それだけ看護婦などの手を煩わせることとなる。また、上記▲3▼の手法においては、各患者が識別表を常に保持している必要があり、面倒であるとともに紛失するおそれがある。
【0007】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、患者に必要以上にスイッチ操作を行わせたり、看護婦などにメンテナンス作業を行わせたりすることがないとともに、高価なバーコードリーダを装置本体に設けたりすることなく、患者の特定を行うことができ、測定のための操作を簡単確実に行うことができ、所定の検査を行うことができる自動蓄尿検査装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明では、複数の患者にそれぞれ専用の採尿容器とこれを収納する専用の容器収納室が割り当てられており、各患者が装置本体を共同使用し、患者自身がその採取した尿を、装置本体からの指示に基づいて測定に供するための操作を行うように構成された自動蓄尿検査装置において、前記患者が自分の容器収納室から採尿容器を取り出したとき、この取り出しを装置本体が検知し、その検知結果に基づいて患者の特定を行い、この患者特定に基づいて前記測定に供するための操作を行わせるようにしている。
【0009】
上記構成の自動蓄尿検査装置においては、患者が容器収容室から採尿容器を取り出す動作に基づいて患者の特定を行うようにしているので、煩わしいスイッチ操作を必要とせず、装置本体に高価な部品を取り付けたりする必要がない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態、図を参照しながら説明する。図1〜図3は、この発明の一つの実施の形態を示す。まず、図1はこの発明の自動蓄尿検査装置の構成の一例を示す図、図2はこの装置における主な信号の流れを示す図である。これらの図において、1は例えば病室内の適宜の場所、例えばユニットバス内や、簡易トイレに隣接した場所などに設けられる自動蓄尿検査装置で、この実施の形態においては、測定を行う装置本体2と採尿容器収納部3とからなる。すなわち、4は適宜の素材よりなるケースで、その内部は仕切り板5,6によって3つの空間4a,4b,4cに区画されている。そして、上二つの空間4a,4bには装置本体2を構成する部材(後述する)が設けられ、最下段の空間4cには採尿容器収納部3(後述する)が形成されている。
【0011】
前記装置本体2の構成を説明すると、上方の空間4aには、前面がパネル7で覆われて防湿構造に形成されている尿測定部8(その構成は後述する)が設けられ、下方の空間4bには、前面が外部に開放された尿サンプリング部9(その構成は後述する)が設けられている。
【0012】
まず、前記尿サンプリング部9における構成を説明すると、底板を兼ねた仕切り板6には、例えば内部が筒状で把手を備えた樹脂よりなる採尿容器10をセットするための容器セット部11が形成され、その近傍には採尿容器10を検出するための容器検出センサ12が設けられている。そして、13は採取された尿を患者ごとに区別して収容するための複数の分注カセットである。また、14はノズル23(後述する)を洗浄するノズル洗浄槽である。
【0013】
15は尿サンプリング部9内の上方に設けられる回転アームで、尿測定部8内に設けられたモータ16によって回転駆動され、仕切り板5に開設された小孔17を挿通して下方に垂直方向に延びる回転軸18の下端部に固着されており、両矢印19で示す方向に回転する。前記回転軸18は、尿測定部8内に設けられた別のモータ20によって上下動する上下動駆動機構21によって両矢印22で示す上下方向に移動できるようにも構成されている。したがって、回転アーム15は、水平方向において回転しかつ上下方向に直線移動する。
【0014】
そして、23は採尿容器10内の尿の液面を検知する機能をも備えたノズルで、尿サンプリング部9内の容器セット部11の上方に設けられ、この実施の形態においては、導電率の変化に基づいて液面検知を行うものよりなり、一方の電極としても機能するパイプ状ノズル本体23aとこれに平行な状態に設けられ、他方の電極となる棒体23bとからなる。このノズル23は、回転アーム15の先端側(遊端側)において保持ブロック24によって保持され、回転アーム15の動きに伴って回転および/または上下動する。なお、ノズル23によって得られる液面検知信号は、小孔17を挿通する信号線(図示していない)を介してマイクロコンピュータ33(後述する)に送られる。
【0015】
また、25は容器セット部11を照明するための照明灯、26は尿サンプリング部9の上方に設けられる表示灯である。
【0016】
次に、前記尿測定部8における構成を説明すると、27はノズル本体23aの上端側に接続される可撓性の連結管で、途中で回転軸18に係止され、その上端側は仕切り板5に形成された小孔17を挿通して比重計28の下端に接続されている。この比重計28の上端には、可撓性の連結管29を介してシリンジポンプ30が接続されている。また、前記連結管29には、三方電磁弁などの切換弁31が介装されており、この切換弁31には、比重計28、連結管27、ノズル本体23aをエアーパージするためのパージライン(図示していない)が接続されている。なお、32はシリンジポンプ30の駆動用モータである。
【0017】
そして、前記尿測定部8の内部(例えばパネル7の背面部)には、装置本体2および採尿容器収容室3の各部を制御するとともに、ノズル23および比重計28からの信号に基づいて尿量および尿比重の演算などを行う制御演算装置としてのマイクロコンピュータ33が設けられており、このマイクロコンピュータ33には、入力・表示部37(後述する)からの入力信号が入力されるとともに、所定の測定や動作を行わせるためのシーケンスプログラムが格納されている。
【0018】
また、前記尿測定部8の上方の一隅部には、開口34が形成され、この開口34の内側に内部にエアーを吸入するためのファン35が設けられている。そして、尿測定部8の前記上方の隅部側とは対角線上の下方の隅部には、例えば細かい網目状または格子状の通風孔36が形成されている。
【0019】
さらに、前記尿測定部8のパネル7の表面には、タッチパネル式の例えば液晶表示装置よりなる入力・表示部37が設けられており、患者名および/またはコード番号を表示したり、患者に対する操作内容に関する指示やマイクロコンピュータ33による演算結果などが表示されるようにしてあるとともに、操作画面上においてスタートなどの入力ボタンガ表示されるようにしてある。また、前記パネル7には、患者に対する操作指示用の拡声器38が設けられている。つまり、患者に対して、入力・表示部37における文字等によるメッセージ表示と拡声器38における音声メッセージのそれぞれによって操作内容が指令されるようにしてある。
【0020】
そして、採尿容器収納部3の構成を簡単に説明すると、この採尿容器収容部3は、例えば、4人の患者A,B,C,Dのそれぞれ専用の採尿容器10を収納する機能のほかに、使用後の採尿容器10をそれぞれ洗浄する機能を備えた4つの容器収納室39A〜39Dよりなる。各容器収納室39A〜39Dは、それらの構造は互いに同じであり、その前面に開閉自在な扉40を備えている。そして、詳細な図示は省略しているが、各扉40の内面には採尿容器10を保持・固定する容器載置部が設けられるとともに、各室内には適宜の洗浄液を噴出する洗浄器が設けられ、使用した採尿容器10を洗浄液で洗浄するように構成されている。
【0021】
また、各容器収納室39A〜39Dには、扉40の開閉状態を検知するセンサ41A〜41Dが設けられるとともに、各容器収納室39A〜39Dの上部には、表示灯42A〜42Dが設けられている。そして、開閉状態検知センサ41A〜41Dの出力は、マイクロコンピュータ33に入力され、表示灯42A〜42Dは、マイクロコンピュータ33からの指令により適宜点灯するように構成されている。
【0022】
上記自動蓄尿検査装置1の動作を、図3のフローチャートをも参照しながら説明する。前記自動蓄尿検査装置1が、4人部屋の病室に1台設けられているものとし、4人の患者A,B,C,Dのそれぞれ専用の採尿容器10を、それぞれ専用の容器収納室39A〜39Dに収容するものとする。この場合、マイクロコンピュータ33のメモリ部には、4人の患者の名前と容器収納室39A〜39Dとを1対1で対応するように記憶させてある。
【0023】
(1)患者Aが採尿容器収納部3の自分の容器収納室39Aの扉40を開いて採尿容器10を取り出し(ステップS1)、扉40を閉める。この扉40の開閉により、非測定モードであった自動蓄尿検査装置1が測定モードになり、容器収納室39Aの開閉状態検知センサ41Aが動作して、その出力がマイクロコンピュータ33に入力される。
【0024】
(2)前記マイクロコンピュータ33においては、前記開閉状態検知センサ41Aの出力に基づいて患者の名前Aが検索され、その名前が入力・表示部37に表示される(ステップS2)。この入力・表示部37における名前の表示とともに、拡声器38から、例えば、「Aさんですね」と確認のメッセージも発せられる。
【0025】
(3)前記患者Aは、自分の名前を確認した場合には、ステップS3においてYESの方向に進む。そして、仮に、前記患者Aが採尿容器収納部3から誤って他人(例えば患者B)の採尿容器10を取り出したときは、前記ステップS2において、「Bさんですね」といった確認のメッセージが画面表示および音声によって出力される。この場合、ステップS3においてNOの方向に進み、取り出した採尿容器10を患者Bの容器収納室39Bに戻して(ステップS10)、再度ステップS1の操作を行う。この場合、最も近い時点で開閉された扉40を画面および/または音声によって指示するようにしておけば、患者が誤って採尿容器10を取り出しても、その取り出した採尿容器10を容器収納室39A〜39Dに正しく戻すことができる。
【0026】
(4)前記ステップS3における患者確認が正しい場合、患者Aは、例えば室内の簡易トイレにおいて用を足し、自分の尿を採尿容器10に採取する(ステップS4)。
【0027】
(5)尿を採取した患者Aは、採尿容器10を持って自動蓄尿検査装置1の前面に来て、採尿容器10を尿サンプリング部9の容器セット部11にセットするる。このとき、尿サンプリング部9の容器セット部11近傍に設けられた照明灯26が点灯し、容器セット部11を照明するようにしておけば、患者Aは、前記採尿容器10を容器セット部11に正しくセットすることができる。このセットにより、容器検出センサ12が動作し、その出力がマイクロコンピュータ33に入力され、採尿容器10が正しくセットされたことが通知される(ステップS5)。
【0028】
(6)前記容器検出センサ12の出力に基づいて、入力・表示部37に操作画面が表示され、この画面において患者Aがスタートスイッチにタッチすることにより、マイクロコンピュータ33からモータ16,20,32に対して動作指令が出力され、これらのモータ16,20,32が所定のシーケンスに基づいて動作し、採尿容器10内の尿のサンプリング、測定および分注が出力行われる(ステップS6)。すなわち、モータ16,20が動作してノズル23が下降してその先端が採尿容器10内の尿内に進入するが、その進入時にノズル23によって液面の高さ位置が検出され、これに基づいて尿の量(体積)が測定される。次いで、モータ32が動作して採尿容器10内の尿が所定量吸引されて比重計28内に導入されることにより、尿の比重が測定される。この比重計28に導入された尿は、所定の時間経過後、ノズル23を経て採尿容器10に戻される。そして、例えば、他の尿の試験項目のための尿の分注指令がある場合には、モータ16,20が動作して、ノズル23を上下動および回転させて、採尿容器10内の尿の所定量が分注カセット13に分注される。なお、前記モータ16,20,32等の動作の起動は、容器検出センサ12の出力がマイクロコンピュータ33に入力されて後、一定時間後に行われるようにしてもよい。
【0029】
そして、前記ステップS6の動作中、つまり、尿の量および比重の測定動作や分注動作の間中、照明灯26が例えば点滅するようにしておけば、所定の測定および分注が行われていることが目視によって確認できる。前記尿の総量や比重の測定結果は、入力・表示部37に表示されるとともに、マイクロコンピュータ33のメモリ内に格納されたり、LANなどのネットワークを介して、看護婦詰所などに設けられるデータ管理機(図示していない)に送信され、そのメモリ内に格納される。
【0030】
(7)前記分注が完了した後、切換弁31を介してパージ用のエアーが比重計28、連結管27、ノズル本体23aに供給され、これらの各部がエアーパージされる。そして、採尿容器10内には尿が残存しているので、患者Aをこれを自分の容器収納室39Aに戻す(ステップS7)。この場合、容器収納室39Aに設けられている表示灯42Aのみが点灯するとともに、拡声器38から、例えば「Aさん、採尿容器10をランプの付いている容器収納室に戻して下さい。」といったメッセージが発せられるようにしておけば、患者は採尿容器10を確実に元の位置に戻すことができる。
【0031】
(8)そして、採尿容器10が容器収納室39Aに正しく戻されたか否かが判別され(ステップS8)、正しく戻されている場合には、ステップS8においてYESの方向に進み、採尿容器10内の尿が容器収納室39Aにおいて廃棄される。そして、前記表示灯やメッセージによるガイドにもかかわらず、患者Aが他の容器収納室の扉40を開けた場合、ステップS8においてNOの方向に進み、採尿容器10の戻し入れ操作のやり直しが指令される。この場合、拡声器38から、例えば「Aさん、戻す位置が違っています。ランプの付いている容器収納室に戻して下さい。」といったメッセージが発せられるようにしておけば、前記戻し入れ操作を確実に行わせることができる。
【0032】
(9)採尿容器10が容器収納室39Aに正しく戻された場合、患者Aは扉40を閉めると、容器収納室39Aの開閉状態検知センサ41Aが動作して、その出力がマイクロコンピュータ33に入力され、これに基づいて容器収納室39Aの洗浄器が動作し、採尿容器10が洗浄され(ステップS9)、患者Aによる自動蓄尿検査装置1の利用が完了し、自動蓄尿検査装置1は元の測定待機モードに復する。なお、患者Aは、採尿容器10が容器収納室39Aを戻した後は、自動蓄尿検査装置1から離れてもよい。また、採尿容器10の洗浄は、患者Aの入力・表示部37におけるスタートスイッチの操作によって行われるようにしてもよい。
【0033】
上述のように、この発明の自動蓄尿検査装置1においては、患者が容器収納室39A〜39Dから採尿容器10を取り出す動作に基づいて患者の特定を行うようにしているので、煩わしいスイッチ操作を必要としないので、患者にとって使い勝手がよい。そして、装置本体2に高価な部品を取り付けたりする必要がないので、自動蓄尿検査装置1をコストダウンすることができる。また、看護婦などによるメンテナンスもほとんど必要でなく、患者にIDカードなどを持たせた場合における不具合もない。
【0034】
なお、上述の実施の形態においては、一人の患者が自動蓄尿検査装置1の利用しているときには、他の患者が利用できないということを前提としている。この場合、ステップS3において、自動蓄尿検査装置1を利用する患者(例えばA)が確定された場合、他の患者B〜Dの利用を禁止するため、採尿容器収納部3に対してロック信号を出力し、他の患者B〜D用の容器収納室39B〜39Dの扉40がロックされ、開閉できないようにしてもよい。
【0035】
測定を行う装置本体2と採尿容器収納部3とを別体構成として、自動蓄尿検査装置1を装置本体2のみで構成してあってもよい。
【0036】
さらに、容器収納室39A〜39Dには必ずしも洗浄機能を備えさせる必要はなく、容器収納室39A〜39Dとは別に洗浄機能を備えた室を共通に一つ設け、洗浄した採尿容器10のみを容器収納室39A〜39D内に収容するようにしてあってもよい。
【0037】
さらに、自動蓄尿検査装置1としては、病室に設けられるものに限られるものではなく、集合トイレに設けた自動蓄尿検査装置においても同様に実施することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の自動蓄尿検査装置においては、患者が自分の容器収納室から採尿容器を取り出したとき、この取り出しを装置本体が検知し、その検知結果に基づいて患者の特定を行い、この患者特定に基づいて前記測定に供するための操作を行わせるようにしているので、患者に必要以上にスイッチ操作を行わせたり、看護婦などにメンテナンス作業を行わせたりすることがないとともに、高価なバーコードリーダを装置本体に設けたりすることなく、患者の特定を行うことができ、測定のための操作を簡単確実に行うことができる。
【0039】
したがって、この発明によれば、患者自身が容易に操作することができ、安価でありながらも確実に所望の尿の採取および測定を確実に行わせることができ、測定の自動化が大いに推進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の自動蓄尿検査装置の一例を部分的に透視して示す斜視図である。
【図2】前記自動蓄尿検査装置における信号の流れを概略的に示す図である。
【図3】前記自動蓄尿検査装置における測定動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2…装置本体、10…採尿容器、39A〜39D…容器収納室。
Claims (1)
- 複数の患者にそれぞれ専用の採尿容器とこれを収納する専用の容器収納室が割り当てられており、各患者が装置本体を共同使用し、患者自身がその採取した尿を、装置本体からの指示に基づいて測定に供するための操作を行うように構成された自動蓄尿検査装置において、前記患者が自分の容器収納室から採尿容器を取り出したとき、この取り出しを装置本体が検知し、その検知結果に基づいて患者の特定を行い、この患者特定に基づいて前記測定に供するための操作を行わせるようにしたことを特徴とする自動蓄尿検査装置。
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