JP3751539B2 - 薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜太陽電池およびその製造方法に関し、特に、裏面電極層の厚みを必要最小限にすることができる薄膜太陽電池およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽光エネルギーを有効利用するため、図5に示すような集積型薄膜太陽電池が従来技術として存在する。この薄膜太陽電池では、ガラス等の光透過性絶縁基板1上にZnO、ITOあるいはSnO2等の透明導電膜2が形成され、その上にアモルファスシリコン等の薄膜半導体からなるp層、i層およびn層が順次積層された光電変換層3が形成され、その上に裏面電極層4(たとえばZnO/Ag)が形成される。透明導電膜2、光電変換層3および裏面電極層4からなる積層体が、直列、並列あるいは直並列に接続されて集積型薄膜太陽電池が構成される。
【0003】
この薄膜太陽電池の出力は、左右両端に分かれた正および負の電極部分から取り出される。図5に向かって右端には、取り出し電極として透明導電膜2が延長された領域が設けられており、当該領域は裏面電極層4と電気的に接続されている。一方、図5に向かって左端には、取り出し電極として、単位セルの透明導電膜2が延長された領域が設けられている。各取り出し電極には、はんだメッキ7が施された銅箔等の金属箔からなる導電体6が、バスバー8として設けられる。バスバー8は、はんだ9により、超音波を発振するはんだごて等を用いて取り付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示す薄膜太陽電池を製造する際、取り出し電極を形成する一般的な方法として次の2種類がある。1つは、透明導電膜2を基板1上に形成した後、取り出し電極となる左右両端の領域をマスクで被って、光電変換層3および裏面電極層4を形成する方法である。もう1つは、全面に光電変換層3および裏面電極層4を形成し、必要な部分を化学的エッチングで除去する方法である。
【0005】
通常、薄膜太陽電池は、結晶系の太陽電池と比較して、エネルギー変換効率が劣る。そのため、薄膜太陽電池では、基板一枚あたりの発電面積をなるべく増加させる必要がある。しかし、上述したマスクで被う方法では、マスクで被って、プラズマCVD等で光電変換層3を形成すると、マスク近傍で膜厚が薄くなり、その結果、透明導電膜2と裏面電極層4との間が短絡して、その単位セルの電圧が十分得られなくなったり、あるいは、光の吸収量が少なくなり、電流値が他の単位セルの電流値より低くくなり得る。これらのことは、薄膜太陽電池の出力を落とす原因になる。また、マスクで被う方法の場合、マスクがずれることを想定して、光電変換層3を成膜する時点で余裕がある設計をする必要があり、さらに、光電変換層3上に裏面電極層4を成膜する際にも、それを見越した余裕がある設計をする必要がある。これらの結果、発電に寄与しない非発電領域の面積が増加し、基板一枚あたりの発電面積が減少し、出力が低下し得る。一方、光電変換層3および裏面電極層4を化学的エッチングで部分的に除去する方法では、裏面電極層4のエッチングしたい領域以外の部分に、選択したエッチング液ではエッチングされないレジスト膜等を精度良くマスク等を用いて塗布する工程がさらに必要になる。この工程の増加は、設備等のコストを押し上げ、したがって太陽電池の製造コストを上昇させ得る。
【0006】
上述したような問題を解決するために、図6に示すような太陽電池の構造を採用することができる。図6に示す薄膜太陽電池においても、ガラス等の光透過性絶縁基板1上にZnO、ITOあるいはSnO2等の透明導電膜2が形成され、その上にアモルファスシリコン等の薄膜半導体からなるp層、i層およびn層が順次積層された光電変換層3が形成され、その上に裏面電極層4(たとえばZnO/Ag)が形成される。図5に示す構造と異なる点は、取り出し電極として裏面電極層4が使用されていることである。図6に向かって右端には、取り出し電極として、裏面電極層4が延長された領域が設けられている。一方、図6に向かって左端にも、取り出し電極として裏面電極層4が延長された領域が設けられ、当該領域は透明導電膜2と電気的に接続されている。はんだメッキ7が施された銅箔等の導電体6からなるバスバー8は、延長された裏面電極層4に取り付けられている。
【0007】
図6に示すような太陽電池の構造において、裏面電極層4を構成する金属膜の厚みは200nm程度あれば、太陽電池の特性は十分なものになるはずである。しかし、図6に示すような薄膜太陽電池を製造する場合、裏面電極層4の金属膜とバスバー8との密着性およびそれらの結合の信頼性がはんだ食われによって低下するを防ぐために、裏面電極層4の金属膜をかなり厚くする必要がある。たとえば、500nm以上の厚みを有する金属膜を、裏面電極層4のためにスッパタリング等によって全面的に形成する必要がある。この場合、バスバーが接着される領域以外の厚い金属膜は、無駄であり、コストアップの一因となる。より大きなサイズの基板を使用して単位面積あたりの製造コストを減らそうとしている現状からみれば、このことは、なおさら問題である。
【0008】
裏面電極層4を成膜するのに、一般的にスパッタ法が用いられる。厚い金属膜をスパッタ法によって形成する場合、ターゲットの交換頻度はあがり、生産能力にも影響を与える。さらに、厚い裏面電極層4の形成には時間がかかり、スループットが悪くなるという問題も生じる。
【0009】
本発明の目的は、上記のような問題点を解決し、製造コストが抑えられた、信頼性の高い薄膜太陽電池を提供することにある。
【0010】
本発明のさらなる目的は、発電領域の広い薄膜太陽電池を提供するのに有用な技術を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、図6に示す薄膜太陽電池の裏面電極層にバスバーを接着させる際、導電性ペーストを使用することにより、裏面電極層をそれほど厚くしなくとも確実な接着を行うことができることを見出し、本発明に至った。
【0012】
かくして、本発明による薄膜太陽電池は、光透過性絶縁基板と、透明導電膜、光電変換層および裏面電極層を有する該基板上に設けられた積層構造物と、該積層構造物の該裏面電極層上に設けられたバスバーとを備え、該バスバーが、導電性ペーストを介して該裏面電極層に結合されていることを特徴とする。
【0013】
典型的に、本発明において、裏面電極層は、金属からなる層を有し、金属からなる層にバスバーが導電性ペーストを介して結合される。金属からなる層の厚みは、200nm以上であることが好ましい。たとえば、金属からなる層の厚みは、200nm〜500nmとすることが好ましい。また、バスバーが結合されている部分において、金属からなる層の厚みと導電性ペーストの厚みの合計は、500nm以上であることが好ましい。
【0014】
本発明の好ましい態様において、当該金属は銀である。裏面電極層は、厚みが200nm以上の銀からなる層を有することが好ましい。バスバーは、銀からなる層に導電性ペーストを介して結合することができる。また、好ましい態様において、裏面電極層は、銀からなる層を有し、バスバーが結合されている部分において、銀からなる層の厚みと導電性ペーストの厚みの合計が500nm以上である。
【0015】
本発明において、バスバーは、SnおよびPbを含むはんだで被覆された金属箔からなってもよい。一方、バスバーは、Snを含みかつPbを含まない合金で被覆された金属箔からなってもよい。該はんだまたは該合金の被覆の厚さは、たとえば10μm〜30μmであることが好ましい。
【0016】
さらに、本発明により上述した薄膜太陽電池の製造方法が提供される。当該製造方法は、裏面電極層上に導電性ペーストを付与する工程と、該導電性ペースト上にバスバーを配置し、加熱することにより該バスバーを該導電性ペーストを介して該裏面電極層に接着させる工程とを備える。具体的には、光透過性絶縁基板上に設けられた、透明導電膜、光電変換層および裏面電極層を有する積層構造物上に、上記工程によりバスバーが接着される。すなわち、該積層構造物の裏面電極層上に導電性ペーストを付与し、該導電性ペースト上にバスバーを配置し、加熱することにより、該バスバーを導電性ペーストを介して裏面電極層に接着させる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明による薄膜太陽電池は、典型的に図1に示すような構造を有し、そこにおいて、透光性で電気絶縁性の基板1上には、透明導電膜2、光電変換層3および裏面電極層4が積層されている。基板1の材料には、典型的にガラスが使用される。透明導電膜2には、ZnO、ITOあるいはSnO2等の光透過性を有する導電性酸化物が典型的に使用される。光電変換層3は、典型的に、半導体薄膜からなるp層、i層およびn層が順次積層された構造を有する。半導体薄膜には、典型的に、アモルファスシリコン薄膜、結晶性シリコン薄膜、あるいはそれらの組合わせを使用することができる。裏面電極層4は、典型的に、ZnO等の導電性酸化物からなる層と、金属からなる層とを有する。当該金属には、典型的に銀あるいは銀合金が使用される。裏面電極層4の好ましい構造の一つは、ZnO層/Ag層である。銀等の金属からなる層の厚みは200nm以上であることが、薄膜太陽電池の特性の点から好ましい。透明導電膜、光電変換層および裏面電極層からなる積層体を、直列、並列あるいは直並列に接続して集積型薄膜太陽電池を構成することができる。
【0018】
本発明の特に重要な特徴は、上記構造において、裏面電極層4に導電性ペースト5を介してバスバー8が結合されていることである。典型的には、裏面電極層4を構成する金属からなる層に、導電性ペースト5を介してバスバー8が結合されている。導電性ペーストには、典型的に、金属(たとえば、銀、銀合金、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、金、金合金、モリブデン等)、固体炭素(たとえば黒鉛)などの導電性材料の粉末に結合剤を添加してペースト状にしたものを使用することができる。結合剤には、樹脂、粘着剤、有機溶媒などが含まれ得る。導電性材料の粉末(導電粒子)の粒径は、用途、結合すべきバスバーのサイズなどに応じて適宜設定することができる。典型的に、バスバー8は、はんだメッキ7が施された導電体6からなる。
【0019】
導電性ペーストを介して裏面電極層にバスバーを結合させることにより、裏面電極層の厚み、特に裏面電極層を構成する銀等の金属からなる層の厚みを必要最小限にとどめることができる。たとえば、本発明によれば、裏面電極層を構成する金属からなる層の厚みを500nm以下にすることができ、典型的に200nm〜500nm、好ましくは250nm〜350nmとすることができる。このように金属からなる層の厚みを必要最小限に抑えれば、裏面電極層に必要な材料コストおよび製造時間を必要最小限にすることができる。本発明による薄膜太陽電池の構造は、発電領域の面積の減少を抑えることができ、しかも、製品コストを低く抑えることができるものである。
【0020】
本発明において、導電性ペーストは、バスバーの接着時において、はんだ食われによる裏面電極層の溶食(特に、裏面電極層を構成する金属層の溶食)を食い止め、バスバーの接着を確実なものにすることができる。特に、裏面電極層を構成する銀等の金属層の厚みと導電性ペーストの厚みの合計を500nm以上にすることにより、はんだ食われの影響をより確実に抑えることができ、信頼性の高い薄膜太陽電池を提供できる。
【0021】
本発明による製造方法では、裏面電極層(典型的には裏面電極層を構成する金属層)に導電性ペーストを塗布し、その上にバスバーを配置して加熱による接着を行う。導電性ペーストの塗布は、必要に応じて、印刷、機械的塗布、手塗り等によって行うことができる。上述したように、銀等の金属層の厚みと導電性ペーストの厚みの合計が500nm以上となるよう、塗布を行うことが好ましい。取りつけるバスバーには、一般に、はんだメッキされた(はんだ合金で被覆された)金属箔を使用することができる。はんだメッキされたバスバーを導電性ペースト上に配置し、パルスヒーター等のヒーターにより加熱し、はんだを溶融させ、接着を行うことができる。パルスヒーターを用いて接着させることにより、材料の融点の違いを考慮して、ヒーターの設定温度を変えるのみで、バスバー材料に関係なく、接着工程を完了させ、信頼性の高い薄膜太陽電池を提供できる。なお、加熱には、熱風、レーザ等のヒーター以外の手段を使用してもよい。以上の工程によって形成されるバスバーと裏面電極層との接合部は、はんだと導電性ペースト材料(特に上述した金属、炭素などの導電性材料)とから構成される。
【0022】
典型的にバスバーに付与されるはんだには、Sn−Pb合金はんだを使用することができる。Sn−Pb合金はんだは、製造コストを抑える点で有利である。一方、バスバーに付与されるはんだとして、鉛フリーはんだを使用してもよい。一般に、鉛フリーはんだは、Snを含みかつPbを含まない合金である。そのような合金には、Sn−Ag合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Ag−Bi合金、Sn−Bi合金、Sn−Zn合金、Sn−Cu合金が含まれる。鉛フリーはんだの使用により、自然環境に優しい薄膜太陽電池を提供できる。
【0023】
本発明において、厚さが10nm〜30nmのはんだあるいは合金でメッキされた金属箔からなる導電体をバスバーとして用いることにより、上述した接着工程において、はんだのリフローを目視で容易に確認でき、さらに、金属膜とバスバーの接着点での引っ張り強度のバラツキを抑えることができる。
【0024】
以下、図面を用いて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。
【0025】
【実施例】
実施例1
図1に示す構造の薄膜太陽電池を作製した。光透過性絶縁基板1として厚さ4.0mm程度のガラス基板を使用し、ガラス基板上に、透明導電膜2として、熱CVD法でSnO2(酸化錫)を成膜した。
【0026】
次に、IRレーザーを用いて短冊状に分離するように透明導電膜2のパターニングを行った。この後、基板を純水で洗浄し、プラズマCVD法により、光電変換層3である水素化非晶質シリコン膜を形成した。光電変換層3は、p型アモルファスシリコン、i型アモルファスシリコンおよびn型アモルファスシリコンからなり、それらの厚みの合計は100nm〜600nm程度である。次に、光電変換層3をレーザーによりパターニングした。この際、レーザーによる透明導電膜2へのダメージを避けるため、レーザーには、透明導電膜2の透過性の良いSHG YAGレーザー等を使用する。
【0027】
次に、マグネトロンスパッタ法により、裏面電極層4であるZnO(酸化亜鉛)/Ag(銀)を成膜した。この時、金属膜である銀の厚みを、100nm、150nm、200nm、300nm、500nm、1000nmとした。その後、裏面電極層4をレーザーを用いてパターニングした。この際、光電変換層3のパターニングと同様に、レーザーによる透明導電膜2へのダメージを避けるため、レーザーには、透明導電膜2の透過性の良いSHG YAGレーザー等を使用する。
【0028】
次に、導電性ペースト5として、銀ペーストを10μmの厚みで塗布した。この時、導電性ペースト5として、銀ペーストの代わりに、モリブデンペーストあるいはカーボンペースト等を使用してもよい。導電性ペースト5は、必要な厚さや精度に応じて、スクリーン印刷、オフセット印刷、マスクを用いた機械的塗布あるいは手塗り等によって塗布することができる。
【0029】
次に、バスバー8として、Sn−Pb共晶はんだメッキ7を施した銅箔を用いた。バスバー8を、導電性ペースト5を塗布した部分に配置し、パルスヒーターにより、裏面電極層4に接着させた。導電体6として、銅箔を用いたが、銀箔あるいは金箔等でも良い。コストを考慮すると、安価な銅箔が好ましい。
【0030】
図2は、図1に示す構造の薄膜太陽電池を薄膜側(ガラス面の反対側)からみた様子を示している。薄膜太陽電池10の両サイドに、細長いバスバー8がそれぞれ配置されている。本実施例において、基板1のサイズは、650mm×450mmであり、その長辺に沿ってバスバー8が導電性ペーストを介して裏面電極層の表面に接着されている。塗布された導電性ペーストの部分は、バスバー8に沿って、約8cmのピッチで複数形成される。塗布された各導電性ペーストの長さは約1cmである。塗布された導電性ペーストの様子を図3に拡大して示す。塗布された導電性ペースト5が、所定の間隔で、バスバー8に沿って、裏面電極層4上に配置されているのがわかる。配置をわかりやすくするため、導電性ペースト5がバスバー8からはみだすように描いたが、導電性ペースト5はバスバー8からはみだしていなくともよい。導電性ペースト5は、裏面電極層4上において、等間隔に配置された複数の箇所に付与することができる。図3に示すように、ガラスからなる基板1上には、透明導電膜2、光電変換層4および裏面電極層4が順に積層され、集積化されている。バスバー8は、集積方向に平行に配置される。
【0031】
このようにして得られた薄膜太陽電池について、AM1.5ソーラーシミュレーターを用いて電流−電圧特性を測定し、太陽電池としての性能を評価した。銀の膜厚が500nm時のエネルギー変換効率を1(基準)とし、銀の膜厚に対してエネルギー変換効率の相対値をプロットしたものを図4に示す。
【0032】
図4より、銀の膜厚が200nm以上であれば、太陽電池のエネルギー変換効率に影響を与えないことがわかる。コスト面およびプロセスの安定性を考慮すると、銀の膜厚を250nmから350nm程度にするのが好ましい。
【0033】
実施例2
銀の膜厚を200nmとし、銀の膜厚と銀ペーストの膜厚の合計が200nm(銀ペーストなし)、400nm、500nm、1000nm、10μmとなるようにした。その他の条件は、実施例1と同じである。
【0034】
各々の条件で10個の太陽電池を作製し、バスバーと裏面電極層の銀膜とが剥離している場所の個数を調べた。その結果を表1に示す。一個の太陽電池につき、バスバーと銀膜との接着点は16点であるので、10個の太陽電池では160点ある。
【0035】
【表1】
Figure 0003751539
【0036】
銀ペーストを使用しない場合、銀膜の厚みが500nm以上でなければ、バスバー接着時にはんだ食われが生じ、剥離しやすい。しかし、導電性ペーストを銀膜とバスバーとの間に挿入することにより、銀膜をそれほど厚くしなくとも、剥離を抑えることができる。表1より、銀膜と銀ペーストの厚みの合計が500nm以上有れば、バスバーの銀膜からの剥離の問題がなくなることがわかる。また、銀と銀ペーストの厚みの合計が500nm以上の薄膜太陽電池について特性を測定したが、銀ペーストを使用せずに500nm以上の銀膜のみで作製した太陽電池と比較して出力に違いはなかった。
【0037】
実施例3
バスバーのメッキの材料として、Sn−Pbからなるはんだ、Sn−Pb−Agからなるはんだ、Snのみ、Sn−Cuからなる合金、Sn−Agからなる合金、Sn−Ag−Cuからなる合金およびSn−Ag−Cu−Biからなる合金を選択し、実施例1と同様にして薄膜太陽電池を作製した。この際、メッキ材料の成分比は、一般的な用途に使用されている材料組成の範囲内であれば構わない。Sn−Pbからなるはんだと、Sn−Pb−Agからなるはんだでは、リフローを目視で確認できるパルスヒーターの設定温度は、180℃〜230℃とすることができ、好ましくは、210℃近辺である。Snのみ、Sn−Cuからなる合金、Sn−Agからなる合金、Sn−Ag−Cuからなる合金、Sn−Ag−Cu−Bi合金では、パルスヒーターの設定温度は、リフローを目視で確認できる210℃〜260℃にすることができ、好ましくは、240℃近辺である。パルスヒーターの設定温度をより高温側にすると、リフローはするが、はんだによって、金属膜が引っ張られたり、金属膜が破れて穴ができるため、好ましくない。なお、パルスヒーターの設定温度は、ヒーターのON時間により、数℃程度上下させることができる。
【0038】
上記はんだでそれぞれメッキされたバスバーを使用して薄膜太陽電池を作製した。得られた太陽電池について、バスバーが裏面電極層の金属膜から剥離している箇所の個数およびバスバーの引張り強度を調べたが、全て問題の無いレベルであった。
【0039】
製造コストを考慮すると、バスバーのメッキ材料には、Sn−Pb合金はんだを用いるのが好ましい。一方、太陽電池が環境に優しいものであるという利点を損なわないようにするには、環境への影響が少ない合金はんだ、すなわち、鉛を含まないSn−Cu合金、Sn−Ag合金あるいはSn−Ag−Cu合金を用いるのが好ましい。
【0040】
実施例4
実施例1と同様に薄膜太陽電池を作製した。バスバーとして、Sn−Pbはんだメッキを施した銅箔、およびSn−Cu合金でメッキを施した銅箔をそれぞれ用いた。そして、メッキの厚みを5μm、10μm、20μm、30μm、40μmと変えて、はんだのリフローの確認が目視でできるか否か、バスバーの引張り強度、引張り強度のバラツキ、バスバーの金属膜からの剥離、および太陽電池の出力を評価した。その結果を表2および表3に示す。
【0041】
【表2】
Figure 0003751539
【0042】
【表3】
Figure 0003751539
【0043】
表2および表3より、メッキの厚みを10μm〜30μmにすれば、メッキ材料に関係なく、バスバーと裏面電極層との密着性を高くすることができ、リフローを容易に確認でき、信頼性の高い薄膜太陽電池を提供できることがわかる。
【0044】
【発明の効果】
薄膜太陽電池の製造において、バスバーを裏面電極層に接着する際、導電性ペーストを使用すれば、裏面電極層のはんだ溶食を食い止めることができ、裏面電極層を構成する金属膜の厚みを必要最小限にすることができる。これにより、スループットの短縮およびコストの低減を図ることが可能になる。また、本発明では、バスバーのメッキ材料を目的に合わせて選択することができる。さらに、本発明においてバスバーのメッキ厚みを調節することによって、より信頼性の高い薄膜太陽電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による薄膜太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】 図1に示す構造の太陽電池を薄膜側からみた様子を示す平面図である。
【図3】 図1に示す構造の太陽電池を拡大して模式的に示す斜視図である。
【図4】 裏面電極層を構成する銀膜の厚みとエネルギー変換効率との関係を示す図である。
【図5】 従来の薄膜太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。
【図6】 薄膜太陽電池のさらなる例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 透光性絶縁基板、2 透明導電膜、3 光電変換層、4 裏面電極層、5導電性ペースト、6 導電体、7 メッキ部分、8 バスバー。

Claims (7)

  1. 光透過性絶縁基板と、
    透明導電膜、光電変換層および裏面電極層を有する、前記基板上に設けられた積層構造物と、
    前記積層構造物の前記裏面電極層上に設けられたバスバーとを備え、
    前記バスバーが、導電性ペーストを介して前記裏面電極層に結合されていることにより、前記裏面電極層が取り出し電極として使用されることを特徴とする、薄膜太陽電池であって、
    前記裏面電極層は、厚みが200nm〜500nmの金属からなる層を有し、
    前記金属からなる層に前記バスバーが前記導電性ペーストを介して結合されていることを特徴とする、薄膜太陽電池。
  2. 記金属からなる層は、銀からなる層であることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜太陽電池。
  3. 記バスバーが結合されている部分において、前記銀からなる層の厚みと前記導電性ペーストの厚みの合計が500nm以上であることを特徴とする、請求項に記載の薄膜太陽電池。
  4. 前記バスバーが、SnおよびPbを含むはんだで被覆された金属箔からなることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池。
  5. 前記バスバーが、Snを含みかつPbを含まない合金で被覆された金属箔からなることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池。
  6. 前記はんだまたは前記合金の被覆の厚さが、10μm〜30μmであることを特徴とする、請求項またはに記載の薄膜太陽電池。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池の製造方法であって、
    前記裏面電極層上に導電性ペーストを付与する工程と、
    前記導電性ペースト上にバスバーを配置し、加熱することにより前記バスバーを前記導電性ペーストを介して前記裏面電極層に接着させる工程とを備える、薄膜太陽電池の製造方法。
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