JP3751494B2 - シート計数機 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート計数機に関するものであり、さらに詳細には、帯封が付けられたシートの束、とくに、帯封が付けられた紙幣の束から、シートを一枚づつ、吸引して、めくり取り、シートが一枚づつ、吸引されているか否かを判別しつつ、計数するシート計数機であって、効率的に、シートを計数することのできるシート計数機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特公平7−9675号公報は、帯封が付けられて、束にされた所定枚数の紙幣をホルダーにセットし、吸引管を備えた回転筒を回転させて、ホルダーにセットされた紙幣束から、吸引管により、紙幣を一枚づつ、吸引してめくり取り、計数をおこなう際、金種の異なる紙幣や偽造紙幣などの受け入れ不能紙幣を判別するとともに、紙幣が一枚づつ、吸引されているか否かを判別する紙幣計数機の紙幣判別装置を開示している。
【0003】
この紙幣判別装置は、光源から、ホルダーにセットされた紙幣に光を照射し、紙幣から反射された光をエリアセンサによって受光して、紙幣のパターンを検出し、紙幣が計数すべき受け入れ可能な紙幣か否かを判別するとともに、吸引管によって、めくり取られた紙幣に、別の光源から光を照射し、紙幣を透過した光を受光素子によって受光して、紙幣が一枚づつ、吸引されているか否かを判別するものであり、二枚以上の紙幣が、同時にめくり取られていると判別したときは、計数動作を中止するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、国によっては、紙幣をピンで留めて、取り扱ったり、丸めて、ポケットに入れて、持ち運ぶという習慣があり、そのような国においては、紙幣に孔が空いたり、紙幣の一部が破れたりすることが珍しくなく、上述のような紙幣計数機によって、計数をする場合に、吸引管により、二枚以上の紙幣が同時にめくり取られることが、しばしば生じ、そのため、紙幣計数機の計数動作が頻繁に停止され、きわめて非効率であった。
【0005】
同様の計数機は、紙幣だけでなく、換金済みの宝くじなどの計数にも利用可能であり、換金済みの宝くじの場合には、同様に、孔が空いていたり、その一部が破れていたりすることが、しばしばあり、したがって、宝くじなどを計数する場合にも、同様の問題があった。
【0006】
したがって、本発明は、帯封が付けられたシートの束、とくに、帯封が付けられた紙幣の束から、シートを一枚づつ、吸引して、めくり取り、シートが一枚づつ、吸引されているか否かを判別しつつ、計数するシート計数機であって、効率的に、シートを計数することのできるシート計数機を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のかかる目的は、計数すべきシートの束を保持するホルダー手段と、中空軸まわりに回転可能な回転筒であって、その上面に、等しい角度を隔てて設けられ、前記回転筒と同期して回転可能な複数の吸引手段を備えた回転筒と、前記中空軸内に真空圧を供給する真空ポンプ手段と、前記複数の吸引手段のうち、所定の領域内に位置し、前記ホルダー手段に保持された前記シートの束の表面に対向する前記吸引手段のみが前記中空軸と連通するように配置された連通手段と、前記吸引手段によってめくり取られたシートに向けて、光を発する光源と、前記光源から発せられ、前記吸引手段によってめくり取られた前記シートを透過した光を光電的に検出し、透過光データを生成する受光手段と、前記吸引手段がシートをめくり取るたびに、シートの計数枚数を1枚とカウントする計数手段と、計数すべき一枚のシートの基準透過光データおよびN枚のシートの基準透過光データを記憶する基準透過光データ記憶手段と、前記受光手段によって生成されたシートの透過光データと、前記基準透過光データ記憶手段に記憶された一枚のシートの基準透過光データおよびN枚のシートの基準透過光データとを比較して、シートが一枚づつ、前記吸引手段によってめくり取られているか否かを判別する複数枚吸引判別手段と、前記複数枚吸引判別手段が、N枚のシート(Nは2以上の正の整数)が同時に、前記吸引手段によってめくり取られていると判別したときに、前記計数手段がカウントしたシートの計数枚数を(N−1)枚だけ増大させる計数枚数増大手段を備えたことを特徴とするシート計数機によって達成される。
【0008】
本発明によれば、複数枚吸引判別手段は、受光手段によって生成されたシートの透過光データと、基準透過光データ記憶手段に記憶された一枚のシートの基準透過光データおよびN枚のシートの基準透過光データとを比較することによって、シートが一枚づつ、吸引手段によってめくり取られているか否かを判別するとともに、何枚のシートが同時に、吸引手段によってめくり取られているかを判定することができ、また、複数枚吸引判別手段が、N枚のシート(Nは2以上の正の整数)が同時に、吸引手段によってめくり取られていると判別したときに、計数動作を中止させることなく、計数枚数増大手段によって、計数手段がカウントしたシートの計数枚数を(N−1)枚だけ増大させて、シートの計数を続けるように構成されているので、シートに孔が空いていたり、その一部が破れていたりして、二枚以上のシートが同時に、吸引手段によってめくり取られることがしばしば起こっても、シートの枚数を正確に計数しつつ、シートの計数を続けることができ、効率的に、シートを計数することが可能になる。
【0009】
本発明の好ましい実施態様においては、シート計数機は、さらに、前記中空軸内の圧力を検出する圧力センサを備えており、前記計数手段が、前記圧力センサが検出した前記中空軸内の圧力にしたがって、シートを計数するように構成されている。
【0010】
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記回転筒が周囲に、複数の作動片を備えており、シート計数機は、さらに、前記複数の作動片を検出して、作動片検出信号を出力するセンサを備え、前記計数手段が、前記センサから出力された作動片検出信号にしたがって、シートを計数するように構成されている。
【0011】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記透過光データが、前記吸引手段によってめくり取られた前記シートを透過した光の透過光量データによって構成され、前記基準透過光データがシートを透過した光の基準透過量データによって構成されている。
【0012】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、吸引手段によってめくり取られた前記シートを透過した光の透過光量に基づいて、何枚のシートが吸引手段によってめくり取られているかを判別しているので、判別速度を増大させることが可能になるとともに、基準透過光データ記憶手段として、容量の小さいメモリを使用することができ、高速にかつ経済的に、シートを計数することが可能になる。
【0013】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、シート計数機は、さらに、前記ホルダー手段に保持されている前記シートの束の前記吸引手段に対向したシートの表面に向けて、光を発する第2の光源と、前記第2の光源から発せられ、前記シートの束の前記吸引手段に対向した前記シートの表面により反射された光を光電的に検出して、前記シートのパターンデータを生成するエリアセンサと、シートの種類毎の基準パターンデータを記憶する基準パターンデータ記憶手段と、前記エリアセンサによって生成された前記シートのパターンデータと前記基準パターンデータ記憶手段に記憶された基準パターンデータとを比較して、前記シートが受け入れ可能か否かおよび前記シートの種類を判別するシート判別手段を備え、前記シート判別手段が、前記シートが受け入れ不能であると判別したときに、計数動作を中止させるように構成されている。
【0014】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、シートの表面で反射された光を光電的に検出して生成されたシートのパターンデータに基づいて、シート判別手段が、シートが受け入れ可能か否かおよびシートの種類を判別しているので、所望のシートのみを計数することが可能になる。
【0015】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記複数枚吸引判別手段が、前記シート判別手段によって判別されたシートの種類にしたがって、前記基準透過光データ記憶手段から、対応する種類のシートの基準透過光データを読み出して、前記シートの透過光データと比較するように構成されている。
【0016】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、シート判別手段によって判別されたシートの種類にしたがって、複数枚吸引判別手段が、基準透過光データ記憶手段から、対応する種類のシートの基準透過光データを読み出して、前記シートの透過光データと比較するように構成されているから、シートの判別速度を増大させることが可能になる。
【0017】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、連続動作モードと停止モードとを切り換え可能な動作モード切り換え手段を備え、前記動作モード切り換え手段によって、停止モードが選択された場合に限って、前記複数枚吸引判別手段が、N枚のシート(Nは2以上の正の整数)が同時に、前記吸引手段によってめくり取られていると判別したときに、計数動作を中止させるように構成されている。
【0018】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、計数すべきシートの状態にしたがって、二枚以上のシートが、吸引手段に吸引される虞の高いときには、停止モードを選択し、二枚以上のシートが、吸引手段に吸引される虞が低いときには、連続動作モードを選択することによって、シート計数機をより効率的に使用することが可能になる。
【0019】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記シートが紙幣によって構成され、前記基準透過光データ記憶手段が、計数すべき金種ごとに、一枚の紙幣を透過した光の基準透過光データおよびN枚の紙幣を透過した光の基準透過光データを記憶している。
【0020】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記シートが紙幣によって構成され、前記基準パターンデータ記憶手段が、計数すべき金種ごとの基準パターンデータを記憶し、前記シート判別手段が、前記エリアセンサによって生成された前記紙幣のパターンデータと前記基準パターンデータ記憶手段に記憶された各金種の紙幣の基準パターンデータとを比較して、前記紙幣が受け入れ可能か否かおよび前記紙幣の金種を判別するように構成されている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0022】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる紙幣計数機の略平面図であり、図2は、その縦断面図である。
【0023】
図1および図2に示されるように、紙幣計数機は、紙幣Bの束を載置する載置板1aと、載置板1aと協動して、紙幣Bの束を挟持する押え板1bとを備えたホルダー1を有している。ホルダー1は、水平面内において、軸1cまわりに、図1に一点鎖線で示す待機位置と、実線で示す計数位置との間を、揺動可能に構成されており、紙幣Bの計数をおこなうときは、計数位置に、紙幣Bの計数をおこなわないときは、待機位置に、それぞれ、保持されている。
【0024】
紙幣計数機は、さらに、軸4まわりに、回転可能な回転筒3を備えており、回転筒3は、その一端面上に、軸4のまわりに、72°づつ隔て、かつ、軸4から等距離に、突出するように配置された回転可能な5つの吸引管2を備えている。各吸引管2の一部には、1つの開口部2aが形成されている。帯封が付けられた紙幣Bの束が、ホルダー1内に収納され、スタートスィッチ(図示せず)が操作されると、ホルダー1が揺動されて、計数位置に移動し、紙幣Bの計数が開始される。この時点では、複数の吸引管2のうちの1つの吸引管2の開口部2aが、吸引管2側に位置した紙幣B(本明細書において、ホルダー1に保持された紙幣で、最も吸引管2側に位置し、吸引管2により吸引されていない紙幣Bを、最上紙幣Bと定義する。)の表面と正対し、かつ、接触するように、位置している。図1および図2において、2bは、吸引管2のキャップである。
【0025】
図1および図2に示されるように、回転筒3は、モータ5により、軸4まわりに、正転時には、反時計方向に、回転可能であり、また、各吸引管2は、その軸6の下部に設けられた歯車機構(図示せず)によって、回転筒3の回転にともなって、回転筒3が、正転する時は、時計方向に回転可能に構成されている。したがって、回転筒3が正転するときには、各吸引管2は、時計方向に自転しつつ、軸4まわりに、反時計方向に公転することになる。
【0026】
回転筒3の軸4および各吸引管2の軸6は、中空状に形成されており、軸4の内部は、吸引通路10により、真空ポンプ12に接続され、ポンプモータ13によって、真空ポンプ12が駆動されているとき、真空圧が、軸4の内部に、常時、加えられるようになっている。また、各吸引管2の軸6の内部は、連通路14により、軸4の内部と連通可能となっており、連通路14は、各吸引管2の中心が、図1において、中心線X1およびX2によって画される紙幣Bに対向する吸引領域S内に位置しているときにのみ、各吸引管2の軸6の内部が、連通路14を介して、軸4の内部と連通して、軸6の内部に、真空圧が加わえられるように形成されており、真空ポンプ12から、吸引通路10、軸4の内部、連通路14および軸6の内部を介して、加えられた真空圧によって、最上紙幣Bの表面に正対した位置にある吸引管2の開口部2aが、紙幣1を、1枚づつ、吸引することができるように構成されている。ここに、吸引領域Sを画する中心線X1およびX2のなす角度が、72°より小さくなるように、連通路14が形成され、同時に、2以上の吸引管2が、吸引領域S内に位置することがないように決定されている。
【0027】
図2において、15は、ホルダー2を、軸1cまわりに、待機位置と計数位置との間を、揺動させるホルダーモータである。さらに、吸引通路10内の圧力、したがって、中空の軸4内の圧力を検出する圧力センサ18が設けられている。
【0028】
図1に示されるように、紙幣計数機は、さらに、ホルダー1にセットされた紙幣Bの束の最上紙幣Bの表面に向けて、可視光を発する第1の光源21と、吸引管2によって、吸引され、めくられた紙幣Bに向けて、赤外光を発する第2の光源22と、エリアセンサ23と、第2の光源22から発せられ、紙幣Bを透過した赤外光を偏向させるプリズム24と、第1の光源21から発せられ、紙幣Bの表面で反射された可視光をエリアセンサ23上に集光させる集光レンズ25と、紙幣を透過し、プリズム24により偏向された赤外光をエリアセンサ23上に集光させる集光レンズ26を備えている。
【0029】
図1に示されるように、回転筒3の外周部には、5つの鉄製の作動片27が、等しい角度を隔てて設けられ、作動片27を検出する磁気センサ28が設けられている。集光レンズ25および集光レンズ26は、紙幣Bの表面で反射された可視光と、紙幣Bを透過した赤外光とが、エリアセンサ23の異なる受光領域に受光されるように配置されている。第1の光源21は、エリアセンサ23の上方に設けられている。第1の光源21、第2の光源22、エリアセンサ23、プリズム24、集光レンズ25および集光レンズ26とによって、紙幣判別装置が構成されている。
【0030】
図3は、本発明の実施態様にかかる紙幣計数機の検出系、駆動系、制御系、入力系および表示系のブロックダイアグラムである。
【0031】
図3に示されるように、紙幣計数機の検出系は、エリアセンサ23と、回転筒3の外周部に設けられた作動片27を検出する磁気センサ28と、吸引通路10内の圧力を検出する圧力センサ18と、ホルダー1が待機位置または計数位置に位置していることを検出するホルダーセンサ30を備えている。
【0032】
図3に示されるように、紙幣計数機の駆動系は、ホルダー1を、待機位置と計数位置との間で、揺動させるホルダーモータ15と、真空ポンプ12駆動するポンプモータ13と、回転筒3を回転させるモータ5と、回転筒3の回転にともなって、吸引管2を回転させる歯車機構31を備えている。
【0033】
図3に示されるように、紙幣計数機の制御系は、紙幣計数機全体の動作を制御するコントロールユニット40と、紙幣計数機全体の制御プログラム、各金種の紙幣の基準パターンデータなどを格納するROM41と、エリアセンサ23により光電的に検出され、A/Dコンバータ44によって、ディジタル化された紙幣Bのパターンデータなどを記憶するRAM42を備えている。
【0034】
図3に示されるように、紙幣計数機の入力系は、スタートスイッチ45と帯封によって束にされるべき紙幣Bの枚数(以下、設定枚数という。)や計数すべき紙幣Bの金種などのデータを入力する入力手段46と、紙幣Bが計数すべき紙幣ではないと判別されたときおよび紙幣Bの計数枚数が設定枚数と一致しなかったときに、ホルダー1を計数位置から待機位置に復帰させ、紙幣計数機を計数開始前の状態に復帰させるリセット手段47を備えている。また、紙幣計数機の表示系は、表示手段50を備えている。
【0035】
図4は、紙幣計数機の制御系の詳細を示すブロックダイアグラムである。
【0036】
図4に示されるように、紙幣計数機の制御系のコントロールユニット40は、モータ5、ホルダーモータ15およびポンプモータ13を制御するモータ制御部60と、第1の光源21および第2の光源22を制御する光源制御手段61と、エリアセンサ23から反射光検出信号を受け、エリアセンサ23が検出した第1の光源21から発せられ、紙幣Bの表面で反射された可視光のパターンデータに基づいて、紙幣Bが受け入れ可能か否かおよび受け入れ可能なときは、紙幣Bの金種を判別する紙幣判別手段62と、エリアセンサ23から透過光パターンデータを受け、エリアセンサ23が検出した第2の光源22から発せられ、紙幣Bを透過した赤外線のパターンデータに基づいて、紙幣Bが一枚づつ、吸引管2によって吸引されているか否かを判別するとともに、二枚以上の紙幣Bが同時に、吸引管2によって吸引されているときは、その枚数を判別する複数枚吸引判別手段63と、圧力センサ18から入力された圧力信号をモニターし、圧力センサ18によって検出された吸引通路10および中空の軸4の内部の圧力変動にしたがって、紙幣Bの枚数を計数して、RAM42所定のメモリ領域に紙幣Bの計数枚数を書き込む計数手段64と、複数枚吸引判別手段63の判別結果にしたがって、計数手段64によって、RAM42の所定のメモリ領域に書き込まれた紙幣Bの計数枚数を、(N−1)枚(Nは2以上の正の整数)づつ、増大させる計数枚数増大手段65と、紙幣Bの計数終了後に、入力手段46によって入力され、RAM42に記憶されている紙幣Bの設定枚数と、RAM42の所定のメモリ領域に書き込まれた紙幣Bの計数枚数を比較する計数結果比較手段66を備えている。
【0037】
図4に示されるように、ROM41は、紙幣計数機全体の制御プログラムなどのプログラムを格納するプログラム格納手段70と、各金種の基準表面パターンデータを記憶する基準パターンデータ記憶手段71と、各金種の一枚の紙幣Bの基準透過光データおよび各金種のN枚の紙幣Bの基準透過光データを記憶する基準透過光データ記憶手段72を備えている。本実施態様においては、ROM41の基準パターンデータ記憶手段71には、紙幣Bが上向きで、表面が第1の光源21を向いている場合、紙幣Bが下向きで、表面が第1の光源21を向いている場合、紙幣Bが上向きで、裏面が第1の光源21を向いている場合および紙幣Bが下向きで、裏面が第1の光源21を向いている場合の四通りの基準表面パターンデータが、金種毎に記憶されている。ROM41の基準透過光データ記憶手段72に記憶されている各金種のN枚の紙幣Bの基準透過光データも、これに対応して、それぞれの紙幣Bが、紙幣Bが上向きで、表面が第1の光源21を向いている場合、紙幣Bが下向きで、表面が第1の光源21を向いている場合、紙幣Bが上向きで、裏面が第1の光源21を向いている場合および紙幣Bが下向きで、裏面が第1の光源21を向いている場合の四通りの基準パターンデータが組み合わされて、生成されている。
【0038】
図5は、コントロールユニット40のモータ制御部60のブロックダイアグラムである。
【0039】
図5に示されるように、コントロールユニット40のモータ制御部60は、モータ5の駆動を制御するモータ制御手段67と、ホルダーモータ15の駆動を制御するホルダーモータ制御手段68と、ポンプモータ13の駆動を制御するポンプモータ制御手段69とを備えている。
【0040】
以上のように構成された本発明の実施態様にかかる紙幣計数機は、以下のようにして、ホルダー1にセットされた紙幣Bの束から、紙幣Bを、一枚づつ、吸引して、めくり取りながら、計数する際に、紙幣Bが計数すべき受け入れ可能な紙幣か否かおよび紙幣が一枚づつ、吸引されているか否かを判別する。
【0041】
帯封が付けられた紙幣Bの束が、待機位置に位置しているホルダー1にセットされた後、入力手段46に、計数すべき紙幣Bの金種と紙幣Bの設定枚数が入力され、スタートスイッチ45がオンされると、スタート信号が、コントロールユニット40のホルダーモータ制御手段68に出力される。コントロールユニット40のホルダーモータ制御手段68は、スタートスイッチ45からスタート信号が入力されると、ホルダーモータ15に駆動信号を出力して、ホルダーモータ15により、ホルダー1を揺動させて、計数位置に移動させる。
【0042】
ホルダー1が計数位置に移動されたことを検出すると、ホルダーセンサ30は検出信号をコントロールユニット40の光源制御手段61に出力する。
【0043】
ホルダーセンサ30から検出信号が入力されると、コントロールユニット40の光源制御手段61は、第1の光源21に駆動信号を出力し、第1の光源21から、ホルダー1にセットされた紙幣Bの束の最上紙幣紙幣Bの表面に向けて、可視光が発せられる。
【0044】
第1の光源21から発せられ、紙幣Bの表面で反射された可視光の一部は、集光レンズ25によって、エリアセンサ23に導かれ、エリアセンサ23により光電的に検出され、紙幣Bのアナログパターンデータが生成される。
【0045】
エリアセンサ23により生成された最上紙幣Bのアナログパターンデータは、A/Dコンバータ44によって、ディジタル化され、RAM42に記憶される。
【0046】
コントロールユニット40の紙幣判別手段62は、ROM41の基準パターンデータ記憶手段71に記憶された各金種の紙幣の基準パターンデータのうち、入力手段46に入力された計数すべき金種の基準パターンデータを読み出すとともに、RAM42から最上紙幣Bのパターンデータを読み出して、比較し、最上紙幣Bの金種を判別する。
【0047】
その結果、最上紙幣Bの金種が、入力手段46に入力された計数すべき紙幣Bの金種と一致していないと判別したときは、コントロールユニット40の紙幣判別手段62は、表示手段50に、計数を中止する旨を表示させる。
【0048】
表示手段50の表示にしたがって、オペレータが、リセット手段47を操作すると、リセット手段47から、コントロールユニット40のホルダーモータ制御手段68にリセット信号が出力される。コントロールユニット40のホルダーモータ制御手段68は、リセット手段47からリセット信号を受けると、ホルダーモータ15に復帰信号を出力して、ホルダーモータ15を駆動させ、ホルダー1を計数位置から待機位置に復帰させるとともに、表示手段50の表示を消去させて、紙幣計数機を計数開始前の状態に復帰させる。
【0049】
他方、最上紙幣Bの金種が、入力手段46に入力された計数すべき紙幣Bの金種と一致していると判別したときは、コントロールユニット40の紙幣判別手段62は、ポンプモータ制御手段69に制御信号を出力する。その結果、ポンプモータ制御手段69から駆動信号が出力されて、ポンプモータ13が駆動され、真空圧が、吸引通路10および回転筒5の軸4の内部に供給される。
【0050】
その結果、吸引通路10および中空の軸4内の圧力は、低下し始め、その圧力は、圧力センサ18によって検出され、圧力検出信号が、コントロールユニット40のモータ制御手段67に出力される。
【0051】
ある吸引管2の開口部2aが、最上紙幣Bに正対した位置にあるときは、その吸引管2は吸引領域Sの内部に位置し、したがって、連通路14を介して、吸引管2の中空な軸6の内部が、軸4の内部と連通するから、真空圧が、紙幣Bの束の最上紙幣Bの表面に作用し、最上紙幣Bが、吸引管2の開口部2aに吸引されて、開口部2aを塞ぎ、その結果、圧力センサ18によって検出される吸引通路10および中空の軸4内の圧力は、時間とともに、ほぼ一定の変化率で、低下する。
【0052】
そして、紙幣Bを、吸引して、めくり取るのに十分な圧力、たとえば、約−620mmHgにまで、吸引通路10および中空の軸4の内部の圧力が低下したことを、圧力センサ18から入力された圧力信号に基づいて検出すると、コントロールユニット40のモータ制御手段67は、回転筒3を回転するモータ5に駆動信号を出力する。その結果、モータ5によって、回転筒3は、図1において、軸4まわりに、反時計方向に、高速で、正転され、回転筒3の回転にともなって、吸引管2の軸6の下部に設けられた歯車機構31により、吸引管2は、時計方向に回転されて、ホルダー1に保持された最上紙幣Bは、吸引管2の開口部2aによって、めくり取られる。
【0053】
回転筒3の回転の結果、磁気センサ28が作動片27の1つを検出すると、検出信号がコントロールユニット40の光源制御手段60に出力される。
【0054】
コントロールユニット40の光源制御手段60は、磁気センサ28から検出信号を受けると、第2の光源22をオンさせる。第2の光源22から発せられた赤外光は、吸引管2の開口部2aに吸引されている紙幣Bを透過し、その一部は、プリズム24によって偏向されて、集光レンズ26によって、エリアセンサ23に導かれる。紙幣Bを透過し、エリアセンサ23に導かれた赤外光は、エリアセンサ23により光電的に検出され、めくり取られた紙幣Bの透過光アナログパターンデータが生成される。
【0055】
磁気センサ28から検出信号を受けると、コントロールユニット40の光源制御手段60は、同時に、第1の光源21をオンさせる。本実施態様においては、磁気センサ28が作動片27の1つを検出した時点で、吸引管2に吸引されている紙幣Bの次の最上紙幣Bに第1の光源21から可視光を照射しても、吸引管2に吸引されている紙幣Bと第1の光源21から発せられた可視光とが干渉しないように設定されており、したがって、磁気センサ28からの検出信号にしたがって、吸引管2によってめくり取られている紙幣Bへの第2の光源22からの赤外光の照射と、吸引管2によってめくり取られている紙幣Bの次の最上紙幣Bへの第1の光源21からの可視光の照射とを同時に実行するように構成されている。
【0056】
第1の光源21から発せられ、吸引管2に吸引されている紙幣Bの次の最上紙幣Bの表面で反射された可視光の一部は、集光レンズ25によって、エリアセンサ23に導かれ、エリアセンサ23により光電的に検出され、最上紙幣Bの反射光アナログパターンデータが生成される。
【0057】
ここに、プリズム24、集光レンズ26および集光レンズ25によって、紙幣Bを透過した赤外光と、最上紙幣Bの表面により反射された可視光は、エリアセンサ23の異なる受光領域に導かれて、光電的に検出されるため、1つのエリアセンサ23によって、紙幣Bの表面で反射された可視光の反射光アナログパターンデータと、紙幣Bを透過した赤外光の透過光アナログパターンデータとを生成することができる。
【0058】
エリアセンサ23によって生成された反射光アナログパターンデータと透過光アナログパターンデータは、A/Dコンバータ44によって、それぞれ、ディジタル化され、RAM42に記憶される。
【0059】
こうして、1枚の紙幣Bが、時計方向に、自転しつつ、軸4まわりに、反時計方向に、公転する吸引管2の開口部2aにより、吸引され、めくり取られると、回転筒3の回転にともない、紙幣Bを吸引している吸引管2は、吸引領域Sの外部に移動し、次の吸引管2が、最上紙幣Bに対向する吸引領域Sの内部に移動して来る。しかし、次の吸引管2の開口部2aが、最上紙幣Bの表面に正対するまでは、その吸引管2により、最上紙幣Bは吸引されないから、圧力センサ18によって検出される吸引通路10および中空の軸4内の圧力は上昇し、次の吸引管2の開口部2aが、最上紙幣Bの表面に正対してはじめて、最上紙幣Bが、次の吸引管2の開口部2aによって、吸引され、圧力センサ18によって検出される吸引通路10および中空の軸4内の圧力が低下する。そして、回転筒3の回転にともなって、紙幣1を吸引した吸引管2が、紙幣Bを、ホルダー1にセットされた紙幣Bの束からめくり取りつつ、吸引領域Sの外部に移動した後、再び、次の吸引管2が、吸引領域Sの内部に移動して来て、同様にして、圧力センサ18により検出される吸引通路10および中空の軸4内の圧力が、まず上昇し、その吸引管2の開口部2aが、最上紙幣Bの表面に正対した位置に達し、最上紙幣Bを吸引して初めて、吸引通路10および中空の軸4内の圧力が低下する。このように、回転筒3が回転して、吸引管2の開口部2aが、1枚の紙幣Bを吸引して、めくり取るたびに、同様な吸引通路11および中空の軸4内の圧力変動が繰り返して生じ、吸引管2の開口部2aが、1枚の紙幣Bを吸引して、めくり取るたびに、圧力センサ18により検出された吸引通路10および中空の軸4の内部の圧力は変動する。したがって、圧力センサ18により検出された吸引通路10および中空の軸4の内部の圧力の変動に基づき、吸引管2に吸引された紙幣Bの回数を検出することができるので、コントロールユニット40の計数手段64は、圧力センサ18から入力された圧力信号をモニターし、圧力センサ18により検出された吸引通路10および中空の軸4の内部の圧力の変動にしたがって、紙幣Bの枚数を計数して、RAM42の所定のメモリ領域に紙幣Bの計数枚数を書き込む。
【0060】
同時に、コントロールユニット40の紙幣判別手段62は、ROM41の基準パターンデータ記憶手段71に記憶された各金種の紙幣の基準パターンデータのうち、入力手段46に入力された計数すべき金種の基準パターンデータを読み出すとともに、RAM42から最上紙幣Bのパターンデータを読み出して、比較し、最上紙幣Bの金種を判別する。
【0061】
その結果、最上紙幣Bの金種が、入力手段46に入力された計数すべき紙幣Bの金種と一致していないと判別したときは、コントロールユニット40の紙幣判別手段62は、作動停止信号を、ポンプモータ制御手段69およびモータ制御手段67に出力して、ポンプモータ13およびモータ5の駆動を停止させるとともに、RAM42の所定のメモリ領域に記憶されている紙幣Bの計数枚数を読み出して、表示手段50に、それまでの計数結果と計数を中止する旨を表示させる。
【0062】
表示手段50の表示にしたがって、オペレータが、リセット手段47を操作すると、リセット手段47から、コントロールユニット40のホルダーモータ制御手段68にリセット信号が出力される。コントロールユニット40のホルダーモータ制御手段68は、リセット手段47からリセット信号を受けると、ホルダーモータ15に復帰信号を出力して、ホルダーモータ15を駆動させ、ホルダー1を計数位置から待機位置に復帰させるとともに、表示手段50の表示を消去させて、紙幣計数機を計数開始前の状態に復帰させる。
【0063】
他方、最上紙幣Bの金種が、入力手段46に入力された計数すべき紙幣Bの金種と一致していると判別したときは、コントロールユニット40の紙幣判別手段62は、何の処理も実行しない。
【0064】
同時に、コントロールユニット40の複数枚吸引判別手段63は、ROM41の基準透過光量データ記憶手段72にアクセスして、入力手段46によって入力された計数すべき金種の一枚の紙幣Bの基準透過光データおよび計数すべき金種のN枚の紙幣Bの基準透過光データを読み出すとともに、RAM42から、吸引管2によりめくり取られた紙幣Bの透過光のパターンデータを読み出して、比較し、紙幣Bが一枚づつ、吸引管2に吸引されているか否かを判別する。
【0065】
その結果、吸引管2によりめくり取られた紙幣Bの透過光のパターンデータと計数すべき金種の一枚の紙幣Bの基準透過光データとの比較結果に基づき、紙幣Bが一枚づつ、吸引管2に吸引されていると判別したときは、複数枚吸引判別手段63は、計数枚数増大手段65に何の信号も出力せず、何の処理も実行されない。
【0066】
他方、吸引管2によってめくり取られた紙幣Bの透過光のパターンデータと計数すべき金種のN枚の紙幣Bの基準透過光データの比較結果に基づいて、N枚の計数すべき紙幣Bが同時に、吸引管2によって、吸引されていると判別したときは、複数枚吸引判別手段63は、RAM42に記憶されている紙幣Bの計数枚数を(N−1)枚だけ増大させるように指示する計数枚数増大信号を生成して、計数枚数増大手段65に出力する。計数枚数増大手段65は、計数枚数増大信号にしたがって、計数手段64によってRAM42の所定のメモリ領域に書き込まれた紙幣Bの計数枚数を、(N−1)だけ増大させる。計数手段64は、圧力センサ18により検出された吸引通路10および中空の軸4の内部の圧力の変動にしたがって、紙幣Bの枚数を計数しているため、二枚以上の紙幣Bが同時に吸引管2によって吸引されている場合にも、計数手段64は、一枚の紙幣Bしか、計数できないが、本実施態様によれば、吸引管2によりめくり取られた紙幣Bの透過光のパターンデータと計数すべき金種のN枚の紙幣Bの基準透過光データの比較結果に基づき、N枚の計数すべき紙幣Bが同時に、吸引管2によって、吸引されていると判別したときは、計数枚数増大手段65が、計数手段64によってRAM42の所定のメモリ領域に書き込まれた紙幣Bの計数枚数を、(N−1)だけ増大させるように構成されているから、精度よく、紙幣Bの枚数を計数することが可能になる。
【0067】
これに対して、紙幣Bの透過光のパターンデータが、計数すべき金種の一枚の紙幣Bの基準透過光データおよび計数すべき金種のN枚の紙幣Bの基準透過光データのいずれとも合致しないときは、N枚の紙幣Bが同時に、吸引管2に吸引され、その中に、計数すべき紙幣B以外の金種の紙幣が含まれていると認められるから、コントロールユニット40の複数枚吸引判別手段63は、作動停止信号を、ポンプモータ制御手段69およびモータ制御手段67に出力して、ポンプモータ13およびモータ5の駆動を停止させるとともに、RAM42の所定のメモリ領域に記憶されている紙幣Bの計数枚数を読み出して、表示手段50に、それまでの計数結果と計数を中止する旨を表示させる。
【0068】
表示手段50の表示にしたがって、オペレータが、リセット手段47を操作すると、リセット手段47から、コントロールユニット40のホルダーモータ制御手段68にリセット信号が出力される。コントロールユニット40のホルダーモータ制御手段68は、リセット手段47からリセット信号を受けると、ホルダーモータ15に復帰信号を出力して、ホルダーモータ15を駆動させ、ホルダー1を計数位置から待機位置に復帰させるとともに、表示手段50の表示を消去させて、紙幣計数機を計数開始前の状態に復帰させる。
【0069】
こうして、回転筒3の回転にともなって、次々に、吸引管2の開口部2aにより、紙幣Bが1枚ずつ、吸引されて、めくり取られ、ホルダー1から紙幣1がなくなると、紙幣Bは、もはや、吸引管2の開口部2aにより吸引されないから、圧力センサ18によって検出される吸引通路10および中空の軸4の内部の圧力は、上昇することになる。
【0070】
その結果、圧力センサ18から入力された圧力信号レベルが、所定レベル以上に達したことを検出すると、コントロールユニット40のポンプモータ制御手段69およびモータ制御手段67は、ポンプモータ13の駆動を停止させ、モータ5の駆動を停止させるとともに、RAM42の所定のメモリ領域に書き込まれた紙幣Bの計数枚数を読み出し、表示手段50に、計数結果を表示させる。
【0071】
同時に、コントロールユニット40の計数結果比較手段66は、入力手段46によって入力され、RAM42に記憶されている紙幣Bの設定枚数を読み出し、RAM42から読み出した紙幣Bの計数枚数と比較し、両者が一致したときは、ホルダーモータ制御手段69に復帰信号を出力して、ホルダーモータ15を駆動させ、ホルダー1を計数位置から待機位置に復帰させるとともに、表示手段50に、紙幣Bの計数枚数が設定枚数に一致した旨を表示させる。
【0072】
これに対して、紙幣Bの計数枚数が設定枚数と一致しなかったときは、コントロールユニット40の計数結果比較手段66は、ホルダーモータ制御手段69に復帰信号を出力することなく、表示手段50に、紙幣Bの計数枚数が設定枚数に一致しなかった旨を表示させる。
【0073】
表示手段50の表示にしたがって、オペレータが、リセット手段47を操作すると、リセット手段47から、コントロールユニット40にリセット信号が出力される。コントロールユニット40は、リセット手段47からリセット信号を受けると、ホルダーモータ15に復帰信号を出力して、ホルダーモータ15を駆動させ、ホルダー1を計数位置から待機位置に復帰させるとともに、表示手段50の表示を消去させ、紙幣計数機を計数開始前の状態に復帰させる。
【0074】
本実施態様によれば、ROM41の基準透過光データ記憶手段72にアクセスして、入力手段46によって入力された計数すべき金種の一枚の紙幣Bの基準透過光量データおよび計数すべき金種のN枚の紙幣Bの基準透過光データを読み出すとともに、RAM42から、吸引管2によりめくり取られた紙幣Bの透過光のパターンデータを読み出して、比較し、紙幣Bが一枚づつ、吸引管2に吸引されているか否かを判別する複数枚吸引判別手段63が設けられ、N枚(Nは2以上の正の整数)の計数すべき紙幣Bが同時に、吸引管2によって、吸引されていると判別したときは、複数枚吸引判別手段63が、RAM42に記憶されている紙幣Bの計数枚数を(N−1)枚だけ増大させるように指示する計数枚数増大信号を生成して、計数枚数増大手段65に出力し、計数枚数増大手段65が、計数枚数増大信号にしたがって、計数手段64によってRAM42の所定のメモリ領域に書き込まれた紙幣Bの計数枚数を、(N−1)だけ増大させるように構成されている。したがって、二枚以上の紙幣Bが同時に、吸引管2によって吸引された場合に、紙幣Bの計数を中止させることなく、紙幣Bの計数を続行することができ、紙幣計数機の計数効率を大幅に向上させることが可能になる。
【0075】
また、本実施態様によれば、第1の光源21から発せられ、最上紙幣Bの表面で反射された可視光は、集光レンズ25によって、エリアセンサ23の受光領域に導かれ、第2の光源22から発せられ、めくり取られている紙幣Bを透過した赤外光は、プリズム24および集光レンズ26によって、エリアセンサ23の異なる受光領域に導かれて、それぞれ、光電的に検出され、得られたパターンデータに基づいて、紙幣Bが計数すべき受け入れ可能な紙幣か否かおよび紙幣Bが一枚づつ、吸引されているか否かを判別するように構成され、紙幣Bの表面で反射された可視光を光電的に検出するエリアセンサと、紙幣Bを透過した赤外光を光電的に検出する受光素子とを別個に設けてはいないから、スペースを節約することができ、紙幣計数機を小型化することが可能になり、また、コストを大幅に低減することが可能になる。
図6は、本発明の他の実施態様にかかる紙幣計数機の制御系の詳細を示すブロックダイアグラムである。
【0076】
図6に示されるように、本実施態様にかかる紙幣計数機は、複数枚吸引判別手段63の動作モードを設定する動作モード切り換え手段80が設けられている点を除いて、図1ないし図5に示された実施態様にかかる紙幣計数機と全く同様の構成を有している。
【0077】
本実施態様においては、オペレータは、入力手段46を用いて、動作モード切り換え手段80を操作し、二枚以上の紙幣Bが同時に、吸引管2によって吸引されたときに、計数手段64が計数した紙幣Bの枚数を増大させて、紙幣Bの計数を継続させる連続動作モードと、二枚以上の紙幣Bが同時に、吸引管2によって吸引されたときに、紙幣Bの計数を中止させる停止モードとを選択可能に構成されている。
【0078】
すなわち、入力手段46を用いて、オペレータが、連続動作モードを指定したときは、連続動作モード信号が、動作モード切り換え手段80に入力され、他方、オペレータが、停止モードを指定したときは、停止モード信号が、動作モード切り換え手段80に入力される。
【0079】
本実施態様においては、複数枚吸引判別手段63は、吸引管2によってめくり取られた紙幣Bの透過光のパターンデータと計数すべき金種のN枚の紙幣Bの基準透過光データの比較結果に基づいて、N枚の計数すべき紙幣Bが同時に、吸引管2によって、吸引されていると判別したときは、動作モード切り換え手段80に、複数枚検出信号を出力する。
【0080】
複数枚吸引判別手段63から、複数枚検出信号を受けると、動作モード切り換え手段80は、入力手段46から、連続動作モード信号が入力されている場合には、複数枚吸引判別手段63に、連続動作モード信号を出力し、一方、入力手段46から、停止モード信号が入力されている場合には、複数枚吸引判別手段63に、停止モード信号を出力する。
【0081】
複数枚吸引判別手段63は、動作モード切り換え手段80から、連続動作モード信号が入力されたときは、図1ないし図5に示された実施態様と同様にして、計数枚数増大信号を生成して、計数枚数増大手段65に出力し、計数手段64によってRAM42の所定のメモリ領域に書き込まれた紙幣Bの計数枚数を、(N−1)だけ増大させる。
【0082】
これに対して、動作モード切り換え手段80から、停止モード信号が入力されたときは、複数枚吸引判別手段63は、作動停止信号を、ポンプモータ制御手段69およびモータ制御手段67に出力して、ポンプモータ13およびモータ5の駆動を停止させるとともに、RAM42の所定のメモリ領域に記憶されている紙幣Bの計数枚数を読み出して、表示手段50に、それまでの計数結果と計数を中止する旨を表示させる。
【0083】
表示手段50の表示にしたがって、オペレータが、リセット手段47を操作すると、リセット手段47から、コントロールユニット40のホルダーモータ制御手段68にリセット信号が出力される。コントロールユニット40のホルダーモータ制御手段68は、リセット手段47からリセット信号を受けると、ホルダーモータ15に復帰信号を出力して、ホルダーモータ15を駆動させ、ホルダー1を計数位置から待機位置に復帰させるとともに、表示手段50の表示を消去させて、紙幣計数機を計数開始前の状態に復帰させる。
【0084】
本実施態様によれば、孔が空いていたり、その一部が破れていたりして、二枚以上の紙幣Bが同時に、吸引管2によって吸引される虞が大きい場合には、停止モードを選択して、紙幣計数機によって、効率的に、紙幣を計数させ、他方、紙幣Bが損傷されてはおらず、二枚以上の紙幣Bが同時に、吸引管2によって吸引される虞が少ない場合には、連続動作モードを選択して、精度良く、紙幣Bの判別と計数を実行させることが可能になる。
【0085】
本発明は、以上の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることがいうまでもない。
【0086】
たとえば、前記実施態様においては、第1の光源21を設け、エリアセンサ23によって、第1の光源から発せられ、紙幣Bによって反射された可視光を検出して、紙幣Bのパターンデータを生成し、紙幣判別手段62が、紙幣Bのパターンデータと、各金種の紙幣の四通りの基準パターンデータとを比較して、紙幣Bの金種が、入力手段46に入力された紙幣Bの金種と合致するか否かを判別し、紙幣Bの金種が、入力手段46に入力された紙幣Bの金種と合致しないときは、紙幣Bの計数を中止し、紙幣計数機を計数開始前の状態に復帰させているが、紙幣Bの金種が、入力手段46に入力された紙幣Bの金種と合致するか否かを判別することは必ずしも必要がなく、したがって、第1の光源21を設け、エリアセンサ23によって、第1の光源から発せられ、紙幣Bによって反射された可視光を検出して、紙幣Bのパターンデータを生成することも、紙幣判別手段62を設けることも、必ずしも必要ではない。
【0087】
さらに、前記実施態様においては、プリズム24を用いて、めくり取られた紙幣Bを透過した赤外光を偏向させているが、第2の光源22から発せられ、紙幣Bと透過した光と、第1の光源21から発せられ、紙幣Bの表面によって反射された光を、エリアセンサ23の異なる受光領域に導き、受光させることができれば、プリズム24を設けることは必ずしも必要ではない。
【0088】
また、前記実施態様においては、プリズム24を用いて、めくり取られた紙幣Bを透過した赤外光を偏向させているが、光の光路を偏向させることのできるものであれば、プリズム24に限定されず、ミラーなどを用いてもよい。
【0089】
さらに、前記実施態様においては、第2の光源22から発せられ、紙幣Bと透過した光を、プリズム24を用いて、偏向させ、エリアセンサ23に導いているが、第1の光源21から発せられ、紙幣Bの表面によって反射された光を、プリズム24を用いて、偏向させ、エリアセンサ23に導くようにすることも、さらには、第2の光源22から発せられ、紙幣Bと透過した光と、第1の光源21から発せられ、紙幣Bの表面によって反射された光を、それぞれ、プリズムを用いて、偏向させ、エリアセンサ23に導くようにすることもできる。
【0090】
また、前記実施態様においては、吸引管2によってめくり取られた紙幣Bへの第2の光源22からの赤外光照射と、ホルダー1にセットされた紙幣Bの束の最上紙幣Bへの第1の光源22からの可視光照射とを同時に実行しているが、第1の光源21からの可視光照射および第2の光源22からの赤外光照射を同期させて、おこなえばよく、同時に、おこなう必要はない。
【0091】
さらに、前記実施態様においては、第2の光源22として、赤外光を発する光源を用いているが、紙幣Bを透過した光のパターンに基づいて、精度良く、紙幣Bが、一枚づつ、吸引されているか否かを判別することができれば、赤外光に限らず、可視光を用いることもできる。
【0092】
また、前記実施態様においては、圧力センサ18によって検出される吸引通路10内の圧力変動にしたがって、計数手段64が、紙幣Bの枚数を計数するように構成されているが、磁気センサ28が作動片27を検出した回数をカウントすることによって、計数手段64が、紙幣Bの枚数を計数するように構成することもできる。
【0093】
さらに、前記実施態様においては、入力手段46によって、計数すべき紙幣Bの金種を入力し、コントロールユニット40の紙幣判別手段62は、ROM41の基準パターンデータ記憶手段71に記憶された基準パターンデータのうち、入力手段46により入力された計数すべき金種の基準パターンデータを読み出し、エリアセンサ23が、紙幣Bの表面からの反射光を光電的に検出して得た紙幣Bのパターンデータと比較して、紙幣Bの金種が入力手段46によって入力された計数すべき紙幣Bの金種と合致するか否かを判別し、また、コントロールユニット40の複数枚吸引判別手段63は、ROM41の基準透過光データ記憶手段72に記憶された各金種の紙幣の基準透過光データのうち、入力手段46によって入力された計数すべき金種の基準透過光データを読み出して、エリアセンサ23が、紙幣Bを透過した透過光を光電的に検出して得た紙幣Bの透過光パターンデータと比較し、紙幣Bが一枚づつ、吸引管2によってめくり取られているか否かを判別しているが、入力手段46によって、計数すべき紙幣Bの金種を入力することなく、最初にめくり取られた紙幣Bの金種を判別して、RAM42に記憶させ、二枚目以降の紙幣Bの金種の判別にあたって、ROM41の基準パターンデータ記憶手段71に記憶された基準パターンデータのうち、RAM42に記憶された金種の基準パターンデータを読み出して、紙幣Bの反射光パターンデータと比較し、二枚目以降の紙幣Bが一枚づつ、吸引管2によってめくり取られているか否かの判別にあたって、ROM41の基準透過光データ記憶手段72に記憶された各金種の紙幣の基準透過光データのうち、RAM42に記憶された金種の基準透過光データを読み出して、紙幣Bの透過光パターンデータと比較するように構成することもできる。この場合には、最初の最上紙幣Bの金種を判別する際、最上紙幣Bの表面からの反射光を、エリアセンサ23が光電的に検出して得たパターンデータと、ROM41の基準パターンデータ記憶手段71に記憶された各金種の基準パターンデータとを比較することが必要である。
【0094】
また、各金種の一枚の紙幣Bの基準透過光データおよび各金種のN枚の紙幣Bの基準透過光データに加えて、金種の異なる紙幣Bが、種々の組合せで、N枚重なり合って吸引されたときの基準透過光データを、ROM41の基準透過光データ記憶手段72に記憶させ、複数枚吸引判別手段63が、入力手段46に入力された計数すべき金種のN枚の紙幣Bの基準透過光データだけでなく、計数すべき金種の紙幣Bに、金種の異なる紙幣Bが、種々の組合せで、N枚重なり合って吸引されたときの基準透過光データをも用いて、N枚の計数すべき紙幣Bが同時に、吸引管2に吸引されているか否かおよびN枚の紙幣Bが同時に、吸引管2に吸引され、その中に、計数すべき紙幣B以外の金種の紙幣が含まれているか否かを判別するように構成することもできる。
【0095】
また、前記実施態様においては、プリズム24を用いて、めくり取られた紙幣Bを透過した赤外光を偏向させて、エリアセンサ23に導き、第1の光源21から発せられ、紙幣Bの表面によって反射された光が導かれるエリアセンサ23の受光領域とは異なる受光領域に導いて、光電的に検出させているが、紙幣Bにより反射された可視光と、紙幣Bを透過した赤外光とを、単一のエリアセンサ23によって受光させるように構成することは必ずしも必要ではなく、異なるエリアセンサによって受光させることもできるし、さらには、紙幣Bの表面で反射された可視光を光電的に検出するエリアセンサ23とは別個に、紙幣Bを透過した赤外光を光電的に検出する受光素子を設けるようにしてもよい。受光素子によって紙幣Bを透過した赤外光を光電的に検出するように構成する場合には、各金種の一枚の紙幣Bを透過する透過光量データおよび各金種のN枚の紙幣Bを透過する透過光量データを、各金種の一枚の紙幣Bの基準透過光データおよび各金種のN枚の紙幣Bの基準透過光データとして、ROM41の基準透過光データ記憶手段72に記憶させ、受光素子によって検出された紙幣Bを透過した赤外光の透過光量と、基準透過光データを比較することによって、複数枚吸引判別手段63が、紙幣Bが一枚づつ、吸引管2に吸引されているかを判別することができ、メモリ容量の小さいROM41を用いて、簡易な演算によって、短時間に、複数枚吸引判別手段63が、紙幣Bが一枚づつ、吸引管2に吸引されているかを判別することが可能になる。
【0096】
また、前記実施態様は、紙幣Bを計数しつつ、紙幣Bが一枚づつ、吸引管2に吸引されているか否かを判別する紙幣計数機につき、説明を加えているが、本発明は、紙幣Bに限らず、換金済みの宝くじなど、孔が空いていたり、その一部が破れていたりすることがあり得るシートを計数しつつ、シートが一枚づつ、吸引されているか否かを判別するシート計数機に広く適用することができる。
【0097】
さらに、本明細書において、手段とは、必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能が、ソフトウエアによって実現される場合も包含する。また、一つの手段の機能が二以上の物理的手段により実現されても、二以上の手段の機能が一つの物理的手段により実現されてもよい。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、帯封が付けられたシートの束、とくに、帯封が付けられた紙幣の束から、シートを一枚づつ、吸引して、めくり取り、シートが一枚づつ、吸引されているか否かを判別しつつ、計数するシート計数機であって、効率的に、シートを計数することのできるシート計数機を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる紙幣判別装置の略正面図である。
【図2】図2は、図1の縦断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施態様にかかる紙幣計数機の検出系、駆動系、制御系、入力系および表示系のブロックダイアグラムである。
【図4】図4は、本発明の実施態様にかかる紙幣計数機の制御系の詳細を示すブロックダイアグラムである。
【図5】図5は、本発明の実施態様にかかる紙幣計数機の制御系を構成するコントロールユニットのモータ制御部のブロックダイアグラムである。
【図6】図6は、本発明の他の実施態様にかかる紙幣計数機の制御系の詳細を示すブロックダイアグラムである。
【符号の説明】
1 ホルダー
1a 載置板
1b 押え板
1c ホルダーの軸
2 吸引管
2a 開口部
2b キャップ
3 回転筒
4 回転筒の軸
5 モータ
6 吸引管の軸
10 吸引通路
12 真空ポンプ
13 ポンプモータ
14 連通路
15 ホルダーモータ
18 圧力センサ
21 第1の光源
22 第2の光源
23 エリアセンサ
24 プリズム
25 集光レンズ
26 集光レンズ
27 作動片
28 磁気センサ
30 ホルダーセンサ
31 歯車機構
40 コントロールユニット
41 ROM
42 RAM
44 A/Dコンバータ
45 スタートスイッチ
46 入力手段
47 リセット手段
50 表示手段
60 モータ制御部
61 光源制御手段
62 紙幣判別手段
63 複数枚吸引判別手段
64 計数手段
65 計数枚数増大手段
66 計数結果比較手段
67 モータ制御手段
68 ホルダーモータ制御手段
69 ポンプモータ制御手段
70 プログラム格納手段
71 基準パターンデータ記憶手段
72 基準透過光データ記憶手段
80 動作モード切り換え手段

Claims (9)

  1. 計数すべきシートの束を保持するホルダー手段と、中空軸まわりに回転可能な回転筒であって、その上面に、等しい角度を隔てて設けられ、前記回転筒と同期して回転可能な複数の吸引手段を備えた回転筒と、前記中空軸内に真空圧を供給する真空ポンプ手段と、前記複数の吸引手段のうち、所定の領域内に位置し、前記ホルダー手段に保持された前記シートの束の表面に対向する前記吸引手段のみが前記中空軸と連通するように配置された連通手段と、前記吸引手段によってめくり取られたシートに向けて、光を発する光源と、前記光源から発せられ、前記吸引手段によってめくり取られた前記シートを透過した光を光電的に検出し、透過光データを生成する受光手段と、前記吸引手段がシートをめくり取るたびに、シートの計数枚数を1枚とカウントする計数手段と、計数すべき一枚のシートの基準透過光データおよびN枚のシートの基準透過光データを記憶する基準透過光データ記憶手段と、前記受光手段によって生成されたシートの透過光データと、前記基準透過光データ記憶手段に記憶された一枚のシートの基準透過光データおよびN枚のシートの基準透過光データとを比較して、シートが一枚づつ、前記吸引手段によってめくり取られているか否かを判別する複数枚吸引判別手段と、前記複数枚吸引判別手段が、N枚のシート(Nは2以上の正の整数)が同時に、前記吸引手段によってめくり取られていると判別したときに、前記計数手段がカウントしたシートの計数枚数を(N−1)枚だけ増大させる計数枚数増大手段を備えたことを特徴とするシート計数機。
  2. さらに、前記中空軸内の圧力を検出する圧力センサを備え、前記計数手段が、前記圧力センサが検出した前記中空軸内の圧力にしたがって、シートを計数するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のシート計数機。
  3. 前記回転筒が周囲に、複数の作動片を備えており、さらに、前記複数の作動片を検出して、作動片検出信号を出力するセンサを備え、前記計数手段が、前記センサから出力された作動片検出信号にしたがって、シートを計数するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のシート計数機。
  4. 前記透過光データが、前記吸引手段によってめくり取られた前記シートを透過した光の透過光量データによって構成され、前記基準透過光データがシートを透過した光の基準透過量データによって構成されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシート計数機。
  5. さらに、前記ホルダー手段に保持されている前記シートの束の前記吸引手段に対向したシートの表面に向けて、光を発する第2の光源と、前記第2の光源から発せられ、前記シートの束の前記吸引手段に対向した前記シートの表面により反射された光を光電的に検出して、前記シートのパターンデータを生成するエリアセンサと、シートの種類毎の基準パターンデータを記憶する基準パターンデータ記憶手段と、前記エリアセンサによって生成された前記シートのパターンデータと前記基準パターンデータ記憶手段に記憶された基準パターンデータとを比較して、前記シートが受け入れ可能か否かおよび前記シートの種類を判別するシート判別手段を備え、前記シート判別手段が、前記シートが受け入れ不能であると判別したときに、計数動作を中止させるように構成されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシート計数機。
  6. 前記複数枚吸引判別手段が、前記シート判別手段によって判別されたシートの種類にしたがって、前記基準透過光データ記憶手段から、対応する種類のシートの基準透過光データを読み出して、前記シートの透過光データと比較するように構成されたことを特徴とする請求項5に記載のシート計数機。
  7. さらに、連続動作モードと停止モードとを切り換え可能な動作モード切り換え手段を備え、前記動作モード切り換え手段によって、停止モードが選択された場合に限って、前記複数枚吸引判別手段が、N枚のシート(Nは2以上の正の整数)が同時に、前記吸引手段によってめくり取られていると判別したときに、計数動作を中止させるように構成されたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシート計数機。
  8. 前記シートが紙幣によって構成され、前記基準透過光データ記憶手段が、計数すべき金種ごとに、一枚の紙幣を透過した光の基準透過光データおよびN枚の紙幣を透過した光の基準透過光データを記憶していることを特徴とする請求項1ないし7に記載のシート計数機。
  9. 前記シートが紙幣によって構成され、前記基準パターンデータ記憶手段が、計数すべき金種ごとの基準パターンデータを記憶し、前記シート判別手段が、前記エリアセンサによって生成された前記紙幣のパターンデータと前記基準パターンデータ記憶手段に記憶された各金種の紙幣の基準パターンデータとを比較して、前記紙幣が受け入れ可能か否かおよび前記紙幣の金種を判別するように構成されたことを特徴とする請求項5、6および8のいずれか1項に記載のシート計数機。
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