JP3751404B2 - 自動取引装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顧客の操作によって各種の金融取引を行う自動取引装置に関するもので、特に取引に伴う紙幣の入出金処理を行う紙幣入出金機を備えた自動取引装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来のこの種の自動取引装置の一例を示す概略側断面図で、図において1は自動取引装置全体を指し、この自動取引装置1には紙幣入出金機2が内蔵されている。
この紙幣入出金機2の内部には紙幣収納庫(第1の紙幣収納庫)3、エスクロウ部4、鑑別部5、接客口6、補充回収カセット(第2の紙幣収納庫)7、取り忘れ収納部8を有するリジェクト収納庫9、一時保留部10、これらを結ぶように設けられた搬送路18、及びブレード19a〜19gが設けられている。
【0003】
ここで、紙幣収納庫3は1金種の紙幣を収納するもので、内部に上下動可能なステージ3aを有しており、紙幣入出金機2の背面側に配置されている。
一時保留部10はこの紙幣収納庫3の上方に配置されており、入金紙幣及び補充紙幣を搬送路18から取り込んで一時集積すると共に、これらの紙幣や紙幣収納庫3の紙幣を搬送路18に送り出す機構を備えている。
【0004】
エスクロウ部4は一時保留部10の上方に配置されており、出金紙幣及び返却紙幣を搬送路18から取り込んで一時集積すると共に、これらの紙幣を搬送路18に送り出す機構を備えている。
鑑別部5は入出金紙幣の金種,真偽,正損等の鑑別と、斜行や連鎖等の搬送異常の検出を行うと共に、紙幣枚数の計数を行う機能を有しており、エスクロウ部4の上方に位置している。
【0005】
接客口6は入金紙幣の投入や出金紙幣の排出を行う部位で、図示しないシャッターを有しており装置正面の接客面に設けられている。
補充回収カセット7は紙幣入出金機2の前面側に配置れており、自動取引装置1の正面に設けられた図示しない扉を開けることによって着脱できるようになっている。
【0006】
この補充回収カセット7は、内部に複数の金種の紙幣の収納が可能で、収納紙幣を集積して上下動するステージ11を有する収納部15と、上部にステージ11上の紙幣を搬送路18に繰り出すローラー等から成る繰り出し部12を備えると共に、下部には搬送路18から紙幣を取り込むローラー等から成る取り込み部13、14が2段に設けられ、この両取り込み部13、14に対応して回収部16とリジェクト収納部17が設けられていて、更に回収部16に集積された紙幣をステージ11上に移し替える図示しない手段を有している。
【0007】
リジェクト収納庫9は、補充回収カセット7の下方に配置され、顧客が取り忘れた紙幣を搬送路18から取り忘れ収納部8に取り込むと共に、出金時や回収時のリジェクト紙幣を搬送路から取り込むようになっている。
搬送路18は紙幣を挟持して双方向に搬送するローラー及びベルト等によって構成され、この搬送路18の分岐点や合流点等にそれぞれブレード19a〜19gが配置されている。
【0008】
20は自動取引装置1の正面に設けられた顧客操作部で、この顧客操作部20はCRTやLCD等とタッチパネルとで構成され、顧客が操作して取引種別、取引金額、暗証番号及びその外の取引に必要な情報を入力できると共に、操作を誘導する文言やイラストを表示するようになっている。
尚、図示していないがこの他にも自動取引装置1はカードリーダライタや通帳記帳機等の取引に必要な機構を備えている。
【0009】
このような構成による自動取引装置1において、運用開始時における紙幣の補充(装填)は以下のように行われる。
まず、予め千円券と万円券をステージ11上に積載して収納した補充回収カセット7を係員が自動取引装置1の紙幣入出金機2に装着し、紙幣の補充を指示すると、補充回収カセット7の繰り出し部12によりステージ11上の紙幣が1枚づつ搬送路18へ繰り出される。
【0010】
繰り出された紙幣は搬送路18により順次搬送されて、ブレード19b,19aの案内により鑑別部5へ導かれ、この鑑別部5で紙幣に対する金種,真偽等の鑑別、及び異常搬送の検出が行われると共に、真と鑑別された紙幣の計数が金種別に行われる。
鑑別の結果、万券で正常と判明した紙幣は搬送路18により搬送され、ブレード19c,19dの案内により一時保留部10に取り込まれて集積される。
【0011】
そしてこの一時保留部10に集積された紙幣は、一定枚数毎に紙幣収納庫3のステージ3a上に落とされて集積される。
また、鑑別の結果、千券で正常と判明した紙幣は搬送路18により搬送され、ブレード19c,19d、19eの案内により取り込み部13に送られて、この取り込み部13により回収部16に集積される。
【0012】
更に、鑑別部5で異常搬送が検出された紙幣や金種不明等の紙幣は、出金に適さないリジェクト紙幣としてブレード19c,19d、19eの案内により取り込み部13に送られて、取り込み部14によりリジェクト収納部17に集積される。
このようにして補充回収カセット7のステージ11上に積載されていたすべての紙幣が一旦繰り出され、そのうちの正常な万券の紙幣がすべて紙幣収納庫3内に収納されると共に、正常な千券の紙幣はすべて補充回収カセット7の回収部16に集積され、そして、この回収部16に集積された紙幣は図示しない移し替え手段によりステージ11上に移し変えられる。
【0013】
これにより万券と千券の紙幣は紙幣収納庫3と補充回収カセット7に分離されるので、この紙幣収納庫3と補充回収カセット7を万券と千券の専用の金種別紙幣収納庫として出金取引、入金取引の処理が行われる。
出金取引は、顧客がカード挿入口からカードを挿入し、顧客操作部20を操作して当該取引に必要な情報を入力すると、入力金額,金種に応じて紙幣収納庫3と補充回収カセット7の一方または双方から紙幣を繰り出し、繰り出した紙幣を鑑別部5で鑑別した後、接客口6から支払うが、その詳細についての説明は省略する。また、入金取引では、顧客がカード挿入口または通帳挿入口からカードまたは通帳を挿入し、顧客操作部20を操作して当該取引に必要な情報を入力した後、接客口6に紙幣を投入すると、その投入紙幣を鑑別部5で鑑別した後、紙幣収納庫3と補充回収カセット7に振り分けて収納するが、その詳細な説明についても省略する。
【0014】
尚、エスクロウ部4と一時保留部10は入金取引時に、投入紙幣を取引が確定するまで一時的に保留する作用を行う。
このように取引が繰り返し行われることにより、装置の運用途中で紙幣収納庫3と補充回収カセット7の一方または双方の紙幣が少なくなってきた場合、紙幣の補充が必要となる。
【0015】
図4はこのような自動取引装置1の紙幣の補充に用いられる予備カセットを示す概略側断面図で、21は予備カセット(予備の紙幣収納庫)であり、この予備カセット21は補充回収カセット7と同じ構造となっている。
図5はこの予備カセット21による紙幣の補充手順を示す図で、この図に見られるように3通りの方法が採用されている。
【0016】
第1の方法は、Aのルートで示したように万券のみを補充する場合で、予備カセット21内のステージ11上に万券の紙幣のみを積載しておき、自動取引装置1の運用を一旦停止した状態で、この予備カセット21を補充回収カセット7に代えて紙幣入出金機2に装着し、予備カセット21から紙幣を繰り出して鑑別部5に送り、正常な紙幣を一時保留部10を介して紙幣収納庫3に補充する。
【0017】
そして、必要枚数の補充終了後、予備カセット21に代えて再び補充回収カセット7を紙幣入出金機2に装着し、運用を再開する。
第2の方法は、Bのルートで示したように千券のみを補充する場合で、予備カセット21内のステージ11上に千券の紙幣のみを積載しておき、自動取引装置1の運用を一旦停止した状態で、この予備カセット21を補充回収カセット7に代えて紙幣入出金機2に装着し、一旦予備カセット21から紙幣を繰り出して鑑別部5で鑑別計数した後、正常な紙幣を回収部16に戻し、ステージ11上に移変えてから運用を再開する。
【0018】
第3の方法は、Cのルートで示したように万券と千券の両方の紙幣を補充する場合で、予備カセット21内のステージ11上に万券と千券の両方の紙幣を混在させて積載しておき、自動取引装置1の運用を一旦停止した状態で、この予備カセット21を補充回収カセット7に代えて紙幣入出金機2に装着し、前記運用開始時の場合と同様の動作で万券を紙幣収納庫3に補充すると共に、千券を予備カセット21に戻してセットした後、運用を再開する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術では、予備カセット(予備の紙幣収納庫)により万券の紙幣のみを補充する場合、補充回収カセット(第2の紙幣収納庫)を予備カセットと交換して紙幣を補充した後に係員が千券が収納されている元の補充回収カセットに戻すのを忘れ、予備カセットを紙幣入出金機に装着したまま元の補充回収カセット持ち帰ってしまうと、紙幣入出金機内に千券の紙幣がなくなってしまうため、取引に支障を生じるという問題がある。
【0020】
また、万券と千券の紙幣が混在した予備カセットにより紙幣を補充した場合、補充回収カセット内に収納されていた千券の枚数よりも予備カセットに入れた千券の枚数が少ないと、つまり予備カセット内の千券の紙幣が誤って少なく収納されていると、千券の紙幣を補充したにもかかわらず千券の収納量がすくなくなってしまうという問題もあった。
【0021】
従って、本発明は、前記の問題を解決することを課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は、紙幣を収納する第1の紙幣収納庫と、装置運用時に該第1の紙幣収納庫とは別の金種の紙幣を収納して入出金に用いる着脱自在な第2の紙幣収納庫とを備えた紙幣入出金機を有し、紙幣補充時に前記第2の紙幣収納庫と同じ構造を持つ予備の紙幣収納庫を前記第2の紙幣収納庫に代えて装着し、この予備の紙幣収納庫から繰り出した紙幣のうち前記第1の紙幣収納庫の金種に該当する紙幣を前記第1の紙幣収納庫に収納すると共に、前記第1の紙幣収納庫に補充する金種と別の金種の紙幣を前記予備の紙幣収納庫に戻す自動取引装置において、紙幣補充時に前記予備の紙幣収納庫に戻された紙幣の全枚数が基準値未満の場合、該紙幣の補充のために前記予備の紙幣収納庫の交換を係員に促すガイダンスを行うことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態の一例を説明する。
図1は本発明による自動取引装置の実施の形態を示すブロック図である。
図において2は紙幣入出金機、20は顧客操作部であり、この両者は従来のものと同様に構成されており、従って紙幣入出金機2は紙幣収納庫3、鑑別部5、接客口6、補充回収カセット7、及び搬送路18等を備え、かつ紙幣補充の際に予備カセット21を利用するものとなっている。
【0024】
22は装置全体の動作を制御する制御部で、装置運用時に補充回収カセット7または予備カセット21内に収納される紙幣の基準値(基準枚数)を記憶するメモリー(記憶手段)を有しており、この制御部22に前記紙幣入出金機2及び顧客操作部20が接続されている他、装置に備えられる内部操作部24、レシートプリンタ25、スピーカー25、及び図示しないカードリーダライタや、通帳記帳機等が接続されている。
【0025】
ここで、内部操作部24は装置正面に設けられる図示しない扉、つまり装置内部の保守や補充回収カセット7と予備カセット21の交換のために設けられる扉の内面側に設けられるもので、前記基準値の設定手段としての数字キー(キー入力手段)や、係員が紙幣の補充指示を入力する補充指示キー等と、係員に必要な装置情報を表示するための表示部を備えている。
【0026】
また、レシートプリンタ25は装置で行われる取引の明細を印字して顧客等の排出するもので、通常はカードリーダライタと一体のユニットとして組み込まれており、そしてスピーカ26は顧客に対する案内音声を出力するために具備されるものである。
次に上述した構成の作用について説明する。
【0027】
本自動取引装置は、設置の際、あるいは運用のための紙幣準備枚数の変更の際等に係員が装置正面の扉を開いて、この扉の内側に設けられている内部操作部24のキー操作により基準値の設定を選択し、数字キーを押下して基準値を入力する。
この基準値は装置運用者によって任意の枚数に決定され、そして入力された基準値は制御部22に送られて、メモリー23に記憶される。
【0028】
尚、本自動取引装置での出金、入金、及び補充処理は、それぞれ従来と同様に行われるので、以下の説明は補充処理時に係わる作用についてのみ行う。
自動取引装置において運用開始時あるいは運用途中で紙幣の補充を行う場合、自動取引装置で扱う紙幣が万券と千券の2種類であるとき、万券の紙幣のみ補充する場合と、千券の紙幣のみ補充する場合と、万券と千券の両方の紙幣を補充する場合の3通りがあることはすでに図5により述べた通りである。
【0029】
図2は紙幣補充時のフローチャートで、この図に従って説明すると、紙幣の補充を行う場合、係員が装置前面の扉を開き、予備カセット21を補充回収カセット7に代えて紙幣入出金機2に装着し(S1)、内部操作部24の補充指示キーを押下する(S2)。
この補充指示の入力を受けて制御部22は紙幣入出金機2の紙幣補充の動作命令を出し、これにより紙幣入出金機2では予備カセット21から紙幣が1枚づつ順次繰り出される(S3)。
【0030】
この紙幣の繰り出しは、従来と同様に図3に示した繰り出し部12により行われる。
繰り出され紙幣は搬送路18により鑑別部5に送られて、金種,真偽,正損等の鑑別、搬送異常の有無の検出が行われると共に、正常な紙幣つまり出金に用いられる紙幣の金種毎の計数が行われ(S4)、その後この正常な紙幣は金種に応じて紙幣収納3または予備カセットに振り分けて収納される。
【0031】
そして、制御部4により計数が終了したか否かが判断されて(S5)、終了でない場合はS3からの動作が引き続き行われる。
予備カセット21内の紙幣がすべて繰り出され、その計数が終了すると、制御部22は紙幣入出金機2から送られてきた千券の計数値とメモリー23に記憶されている基準値とを比較して、計数値が基準値以上か否かを判断し(S6)、基準値以上であれば、補充が正常に行われたものとして終了する。
【0032】
計数値が基準値に満たなければ、制御部22は係員に対して計数した千券の紙幣の枚数と、カセットの交換による千券の紙幣の補充を促すガイダンスを行って(S6)、処理を終了する。
このガイダンスは顧客操作部24に備えられている表示部、レシートプリンタ25、スピーカー26の少なくとも1つをガイダンス手段として使用することにより行われる。
【0033】
すなわち、顧客操作部24の表示部が使用される場合は、千券の紙幣枚数と、千券の紙幣の補充を促す旨のガイダンスが文字表示され、レシートプリンタ25の場合は、同様の文字等がレシート用紙にプリントアウトされて排出され、更にスピーカー26の場合は、同様のガイダンスが音声出力される。
無論、この顧客操作部24の表示部、レシートプリンタ25、スピーカー26の任意の2つを用いてガイダンスすることも可能であり、3つとも用いてガイダンスすることも可能である。
【0034】
これにより係員は千券の紙幣の補充が必要であることを認識し、必要な処置をとることができる。
例えば、前記の補充において、万券の紙幣のみ補充が必要な場合、万券の紙幣のみを収納した予備カセット21を補充回収カセット7に代えて紙幣入出金機2に装着し、予備カセット21から紙幣を繰り出して鑑別部5に送り、鑑別部5で鑑別及び計数を行った後、正常な紙幣を一時保留部10を介して紙幣収納庫3に補充するが、この補充においては千券の紙幣が予備カセット21内にまったく存在しない状態か、または間違って混入した場合でもその枚数は少量であるので、計数終了後の千券の計数値と基準値との比較では、計数値が基準値以上になることはない。
【0035】
従って、係員に対して千券の紙幣の補充を促すガイダンスを行うことで、係員に千券の紙幣の補充が必要であることを認識させ、元の補充回収カセット7を予備カセット21に代えて紙幣入出金機2に装着させることができる。
元の補充回収カセット7の装着後は、再び図2の動作を行うが、このとき元の補充回収カセット7内の千券の紙幣の計数値が基準値に満たなければ、再びガイダンスが行われ、これに基づいて係員は千券の紙幣を収納した別の予備カセットを取り行って交換することになるが、その間、紙幣収納庫3に補充した万券の紙幣と元の補充回収カセット7内の千券の紙幣の利用して装置を運用することができる。
【0036】
また、千券の紙幣のみ補充が必要な場合は、千券の紙幣のみを収納した予備カセット21を補充回収カセット7に代えて紙幣入出金機2に装着し、予備カセット21から紙幣を繰り出して鑑別部5に送り、鑑別部5で鑑別及び計数を行った後、予備カセット21の回収部16に戻して、ステージ11上に移し変えるが、この補充においては通常は万券の紙幣が予備カセット21内にまったく存在しないので、計数終了後の千券の計数値と基準値との比較では、計数値が基準値以上になり、正常に補充が行われたものとして終了となる。
【0037】
但し、万券の紙幣が間違って混入した場合でも、その枚数は少量であって、その万券の紙幣は補充紙幣として紙幣収納庫3内に収納されるので問題はなく、また間違って空の予備カセット21を装着した場合は、千券の計数値は「0枚」となるので、千券の紙幣の補充を促すガイダンスが行われ、これにより係員は千券の紙幣の補充が必要であることを認識して、千券の紙幣を収納した別の予備カセットを取り行って交換することになる。
【0038】
更に、万券と千券の両方の紙幣の補充が必要な場合は、万券と千券の両方の紙幣を混在させて収納したおき、予備カセット21を補充回収カセット7に代えて紙幣入出金機2に装着し、予備カセット21から紙幣を繰り出して鑑別部5に送り、鑑別部5で鑑別及び計数を行った後、万券の紙幣は紙幣収納庫3に収納し、千券の紙幣は予備カセット21の回収部16に戻して、ステージ11上に移し変えるが、この補充においては通常は基準値以上の枚数の千券の紙幣が予め収納されていれば、計数値は基準値以上になるので、正常に補充が行われてとして終了となる。
【0039】
しかしながら、誤って千券の紙幣が少なく収納されていた場合、計数値は基準値に満たなくなるので、千券の紙幣の補充を促すガイダンスが行われ、これにより係員は千券の紙幣の補充が必要であることを認識して、千券の紙幣を収納した別の予備カセットを取りに行って交換することになる。
尚、上述した実施の形態では、装置運用時に紙幣収納庫3を万券紙幣用、補充回収カセット7または予備カセット20を千券紙幣用として使用する例を説明したが、紙幣収納庫3を千券紙幣用、補充回収カセット7または予備カセット20を万券紙幣用として使用することもあり、この場合は紙幣の補充時に万券の紙幣の計数値を基準値と比較するようにすればよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の自動取引装置は、紙幣補充時に第2の紙幣収納庫に代えて紙幣入出金機に装着した予備の紙幣収納庫から繰り出した紙幣のうち、前記第1の紙幣収納庫の金種に該当する紙幣を前記第1の紙幣収納庫に収納すると共に、前記第1の紙幣収納庫に補充する金種と別の金種の紙幣を前記予備の紙幣収納庫に戻す自動取引装置において、紙幣補充時に前記予備の紙幣収納庫に戻された紙幣の全枚数が基準値未満の場合、該紙幣の補充のために前記予備の紙幣収納庫の交換を係員に促すガイダンスを行うものとしている。
【0041】
従って、これによれば、予備の紙幣収納庫により第1の紙幣収納庫のみに補充を行う場合、この予備の紙幣収納庫に戻される金種の紙幣の計数値と基準値を比較して計数値が基準値に満たない場合は、その金種の紙幣の補充のための紙幣収納庫の交換を係員に促すガイダンスが行われるので、元の第2の紙幣収納庫の戻し忘れを防止することができ、紙幣入出金機内に千券がなくなってしまうという事態を回避できるという効果が得られると共に、このように元の第2の紙幣収納庫の戻し忘れを防止することができることから、装置運用時にこの第2の紙幣収納庫を金額が大きい金種の紙幣用として安心して使用できるという効果も得られる。
【0042】
また、万券と千券の紙幣が混在した予備の紙幣収納庫により紙幣を補充した場合、この予備の紙幣収納庫内の千券の紙幣が誤って少なく収納されていても、計数値と基準値の比較により紙幣の補充のための紙幣収納庫の交換を係員に促すガイダンスが行われるので、早急に紙幣の補充のための処置をとることができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】実施の形態における紙幣補充時のフローチャートである。
【図3】従来例の概略則断面図である。
【図4】予備カセットの概略則断面図である。
【図5】従来の紙幣補充例を示す図である。
【符号の説明】
1 自動取引装置
2 紙幣入出金機
3 紙幣収納庫
5 鑑別部
6 接客口
7 補充回収カセット
15 収納部
16 回収部
18 搬送路
20 顧客操作部
21 予備カセット
22 制御部
23 メモリー
24 内部操作部
25 レシートプリンタ
26 スピーカー
Claims (5)
- 紙幣を収納する第1の紙幣収納庫と、この第1の紙幣収納庫に収納する紙
幣も収納可能であると共に装置運用時には第1の紙幣収納庫に収納する紙幣とは別の金種の紙幣を収納する着脱自在な第2の紙幣収納庫と、紙幣の鑑別及び計数を行う鑑別部とを備えた紙幣入出金機を有し、
紙幣補充時に、前記第2の紙幣収納庫と同じ構造を持ち、複数の金種の紙幣を混在させて収納した予備の紙幣収納庫を前記第2の紙幣収納庫に代えて装着し、この予備の紙幣収納庫から繰り出した紙幣を前記鑑別部により鑑別して計数した後、該紙幣を鑑別金種に応じて第1の紙幣収納庫に収納すると共に予備の紙幣収納庫に戻す自動取引装置であって
少なくとも1つのガイダンス手段と、
前記第2の紙幣収納庫に収納する金種の紙幣の基準値を記憶する記憶手段と、
紙幣補充時に、予備の紙幣収納庫から繰り出して、この予備の紙幣収納庫に戻された紙幣の全枚数の計数値と前記記憶手段に記憶した基準値とを比較して、計数値が基準値未満のとき、前記ガイダンス手段により、係員に前記予備の紙幣収納庫を前記第2の紙幣収納庫と交換することを促すガイダンスを行うよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とする自動取引装置。 - 請求項1記載の自動取引装置において、
基準値を入力するキー入力手段を備えたことを特徴とする自動取引装置。 - 請求項2記載の自動取引装置において、
基準値を入力するキー入力手段は、第2の紙幣収納庫または予備の紙幣収納庫を装着する際に開かれる装置の扉の内側に設けられていることを特徴とする自動取引装置。 - 請求項1記載の自動取引装置において、
前記ガイダンスは、文字表示を行う表示部、レシート用紙への文字をプリントするプリンタ、または音声を出力するスピーカのうちの少なくとも1つを用いて行うことを特徴とする自動取引装置。 - 請求項4記載の自動取引装置において、
文字表示を行う表示部は、第2の紙幣収納庫または予備の紙幣収納庫を装着する際に開かれる装置の扉の内側に設けられていることを特徴とする自動取引装置。
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