JP3328527B2 - 自動取引装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、顧客の操作により
紙幣の預け入れや支払い等を自動的に行う自動取引装置
に関し、特に、顧客の支払い要求に応じた出金動作制御
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動取引装置は、顧客が金融機関に預け
入れる紙幣を取り込んだり、金融機関に預けられている
紙幣を顧客に支払うものであり、顧客が預け入れた紙幣
および顧客に支払うための紙幣を収納するための紙幣収
納庫が設けられている。 従来の自動取引装置では、一般的に紙幣を金種別に収納
することとしており、少なくとも、千券と万券は別々の
紙幣収納庫に収納しているものが多い。このため、複数
の紙幣収納庫が必要で、装置が大型化するという問題が
あった。

【０００３】この問題を解決するため、千券と万券を混
在させて１つの紙幣収納庫の収納することで、紙幣収納
庫の数を減らして小型化を図った自動取引装置が提案さ
れている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】千券と万券を別々の紙
幣収納庫に収納する自動取引装置では、例えば五万円を
全て万券で支払う要求があると、万券を収納している紙
幣収納庫から、まず、５枚の紙幣が繰り出されるよう分
離繰り出し部を駆動する。そして、５枚目の紙幣が繰り
出された後、分離繰り出し部を停止する。

【０００５】繰り出した５枚の紙幣が全て支払いに適す
るものであれば、５枚目の紙幣が接客口に到達した後、
該接客口から５枚の紙幣を一括して支払う。もし、繰り
出した５枚の紙幣の中に支払いに適さないものがあった
場合、例えば５枚繰り出した紙幣の中に支払いに適さな
い紙幣が２枚入っていた場合は、不足分の２枚の紙幣が
繰り出されるよう再度分離繰り出し部を駆動して、２枚
の紙幣を繰り出し、これを鑑別して支払いに適するもの
であれば接客口に送る。なお、分離繰り出し部は、不足
枚数の紙幣を繰り出した後、停止させて後続の紙幣を繰
り出さないようにする。

【０００６】そして、この動作を接客口に５枚の紙幣
（万券）が揃うまで繰り返すものである。しかしなが
ら、千券と万券を１つの紙幣収納庫に混在した状態で収
納する自動取引装置で、上述した出金動作を行うと、例
えば、五万円を全て万券で支払う要求があった場合、５
枚の紙幣を繰り出した時点で千券が混在していると、以
降、５枚の万券が揃うまで不足枚数の紙幣の繰り出し，
搬送，鑑別，鑑別結果に応じて所定の箇所への集積とい
う動作を繰り返さなければならないが、不足枚数の紙幣
を繰り出した後、これらの紙幣が鑑別結果に応じた箇所
に集積されるまで、次の紙幣を繰り出しを行わないの
で、指定金種以外の紙幣が続けて収納されているような
場合、出金動作にかかる時間が非常に長くなるという問
題が生じてしまうものである。

【０００７】例えば、不足枚数が１枚の場合で、その後
に指定金種以外の紙幣が５０枚続いているような場合、
１枚の紙幣を繰り出して鑑別結果に応じた収納箇所に収
納する動作に８秒程度かかるとすると、この動作を５０
回繰り返すことで７分近い処理時間を必要とすることに
なり、実用的な自動取引装置ではなくなってしまう。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため本発明は、複数金種の紙幣を混在させて収納するこ
とが可能な第１の紙幣収納庫と、この第１の紙幣収納庫
の上部に設けられていて紙幣の集積及び紙幣の分離，繰
り出しを行う分離繰り出し集積部と、複数金種の紙幣を
混在させて回収，収納するとともに収納した紙幣を繰り
出し可能な第２の紙幣収納庫と、紙幣の出金を行う接客
口と、前記第１の紙幣収納庫と前記第２の紙幣収納庫と
前記接客口との間で紙幣を双方向に搬送する紙幣搬送路
と、該紙幣搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部と
を備えた自動取引装置において、指定された金種，枚数
の紙幣の出金要求により、指定金種の紙幣が指定枚数鑑
別されるまで連続して前記第１の紙幣収納庫からの紙幣
の繰り出しを行って、該指定金種，指定枚数の紙幣を前
記接客口に搬送して集積するとともに、前記指定金種の
紙幣が指定枚数鑑別されるまでの間に指定金種以外の紙
幣と鑑別された紙幣を前記第２の紙幣収納庫に回収，収
納し、前記第２の紙幣収納庫に回収，収納した紙幣を出
金用紙幣とする場合は、指定金種の紙幣が指定枚数鑑別
されるまで連続して前記第２の紙幣収納庫からの紙幣の
繰り出しを行って、該指定金種，指定枚数の紙幣を前記
分離繰り出し集積部に搬送して集積するとともに、前記
指定金種の紙幣が指定枚数鑑別されるまでの間に指定金
種以外の紙幣と鑑別された紙幣を前記第２の紙幣収納庫
に回収，収納して、前記分離繰り出し集積部に集積した
紙幣を前記接客口に搬送して集積するように制御する制
御手段を備えたことを特徴とする。

【０００９】そして、前記制御手段は、指定金種の紙幣
を指定枚数鑑別することで第１の紙幣収納庫または第２
の紙幣収納庫からの繰り出し動作を停止した後、紙幣搬
送路に残った紙幣を第２の紙幣収納庫に収納するように
制御する。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１は本発明の自動取引装置の機
構の実施の形態の一例を示す側面図である。図におい
て、自動取引装置１には紙幣入出金機２が内蔵されてい
る。紙幣入出金機２は顧客の預け入れ要求や支払い要求
に応じて紙幣の入金動作や出金動作を行うもので、内部
には、紙幣を収納する紙幣収納庫３、異常紙幣を収納す
るエスクロウ部４、紙幣の鑑別を行う鑑別部５、預け入
れる紙幣を受け入れるとともに支払う紙幣を払い出す接
客口６、紙幣を収納するとともに紙幣収納庫３に対して
紙幣の補充または回収を行う補充回収カセット７、出金
動作時に顧客が取り忘れた紙幣を収納する取り忘れ紙幣
収納庫８および出金動作時や回収動作時に鑑別部５によ
り真券と鑑別されなかった紙幣を収納するリジェクト紙
幣収納庫９がそれぞれ設けられている。

【００１１】紙幣収納庫３の上部には一時保留部１０が
設けられている。この一時保留部１０は、複数のローラ
群等を備えて紙幣の分離繰り出しおよび集積を行う分離
繰り出し集積部１１と、この分離繰り出し集積部１１の
下に開閉可能に備えられる図示しないシャッタ等から構
成され、シャッタを閉状態として分離繰り出し集積部１
１の動作によりこのシャッタ上に紙幣を集積して一時保
留させるとともに、シャッタ上に一時保留させた紙幣を
分離繰り出し集積部１１の動作により繰り出す動作、シ
ャッタを開いて該シャッタ上の紙幣を紙幣収納庫３に収
納する動作、および、シャッタを開状態として分離繰り
出し集積部１１の動作により紙幣収納庫３内の紙幣を繰
り出す動作を行う。

【００１２】また、紙幣収納庫３内にはステージ３ａが
上下動可能に設けられ、紙幣はこのステージ３ａ上に積
載される。鑑別部５は紙幣の金種、真偽、正損等を鑑別
する。なお、この鑑別部５は双方向に搬送される紙幣の
どちらでも鑑別可能となっている。補充回収カセット７
には、紙幣の分離繰り出しを行う分離繰り出し部１２、
紙幣を内部に引き入れる集積部１３，１４が設けられて
いる。また、分離繰り出し部１２に対応して紙幣収納部
１５が設けられ、集積部１３に対応して回収された紙幣
が収納される回収部１６が設けられ、集積部１４に対応
して紙幣補充の際に出金用紙幣として不適と判定された
紙幣が収納されるリジェクト紙幣収納部１７が設けられ
ている。

【００１３】紙幣収納部１５にはステージ１５ａが上下
動可能に設けられており、紙幣はこのステージ１５ａ上
に積載される。ステージ１５ａの位置は紙幣の枚数によ
って上下に変化し、分離繰り出し部１２による紙幣の繰
り出しに伴い、ステージ１５ａは上昇する。ここで、補
充回収カセット７には、図示しないが回収部１６に収納
した紙幣を前記ステージ１５ａ上に積み替える機能が備
えられ、回収部１６に収納した紙幣を再度補充や出金に
用いることが可能となっている。

【００１４】なお、補充回収カセット７は自動取引装置
１に対して着脱可能になっている。上記の各部間には、
紙幣を搬送する紙幣搬送路１８が設けられている。そし
て、紙幣搬送路１８の各分岐点には紙幣の搬送方向を切
り替える切り替えブレード１９ａ〜１９ｇがそれぞれ設
けられる。この紙幣搬送路１８は所定の位置に設けられ
たローラ群やベルト群の駆動により紙幣を双方向に搬送
可能にしている。

【００１５】自動取引装置１の前方には顧客が操作を行
う顧客操作部２０が設けられている。顧客操作部２０は
例えば表示部付きタッチパネル等で構成され、顧客が取
引種別、取引金額、暗証番号等を入力できるようになっ
ている、なお、自動取引装置１には、上記構成の他に、
図示しないが通帳処理装置、明細票印刷装置、カード処
理装置等が設けられている。

【００１６】図２は本発明の自動取引装置の制御機能の
実施の形態の一例を示すブロック図である。図におい
て、主制御部３１は自動取引装置１の動作全体を制御す
るもので、この主制御部３１には、顧客操作部２０およ
び紙幣入出金機２が接続されている。主制御部３１に
は、さらに、図示していないが通帳処理装置、明細票印
刷装置、カード処理装置等、自動取引装置を構成するの
に必要な装置類が接続される。

【００１７】主制御部３１は紙幣入出金機２の紙幣入出
金機制御部３２に接続され、該制御部３２を制御する。
紙幣入出金機制御部３２は、紙幣入出金機２の動作全体
を制御するもので、Ｉ／Ｏインタフェース回路３３を介
して、図１で説明した各部に接続されている。モータ駆
動回路３４はモータ３５を駆動する回路で、このモータ
３５を駆動することにより分離繰り出し集積部１１が作
動し、一時保留部１０における紙幣の集積および分離繰
り出しを行う。

【００１８】モータ駆動回路３６はモータ３７を駆動す
る回路で、このモータ３７を駆動することにより、紙幣
収納庫３のステージ３ａの上昇および下降動作を行う。
モータ駆動回路３８はモータ３９を駆動する回路で、こ
のモータ３９を駆動することにより、エスクロウ部４へ
の紙幣の集積を行うとともに、このエスクロウ部４から
の紙幣の分離繰り出しを行う。モータ駆動回路４０はモ
ータ４１を駆動する回路で、このモータ４１を駆動する
ことにより、補充回収カセット７への紙幣の集積を行う
とともに補充回数カセットからの紙幣の繰り出しを行
う。

【００１９】モータ駆動回路４２はモータ４３を駆動す
る回路で、このモータ４３を駆動することにより、紙幣
搬送路１８のローラ群やベルト群が作動して紙幣が搬送
可能になる。なお、紙幣は双方向に搬送可能である。マ
グネット駆動回路４４はプランジャマグネット４５を駆
動する回路で、このプランジャマグネット４５を駆動す
ることにより、紙幣搬送路１８に設けられた切り替えブ
レード１９ａ〜１９ｇを作動させる。

【００２０】上述した紙幣入出金機制御部３２は鑑別部
５にも接続されており、鑑別部５で紙幣の鑑別を行うと
その鑑別情報が紙幣入出金機制御部３２へ送られ、紙幣
入出金機制御部３２はこの情報に基づいて金種、真偽、
正損等を鑑別する。図３は前記図２で説明した制御機能
により実現される出金動作の実施の形態の一例を示すフ
ローチャート、図４は図３に示す出金動作を実行した場
合における紙幣の流れを示す自動取引装置の側面図であ
り、以下に、本実施の形態の動作を説明する。ここで、
紙幣収納庫３内には金種が混在した状態で紙幣が収納さ
れているものとする。

【００２１】顧客が顧客操作部２０を操作し支払い要求
金額を入力すると（Ｓ１）、主制御部３１は紙幣入出金
機制御部３２に対して顧客により指定された金種金額の
紙幣を接客口６に集積して顧客に支払う出金動作の開始
を指示する。紙幣入出金機制御部３２は、主制御部３１
からの指定を受けると、分離繰り出し集積部１１を駆動
して紙幣収納庫３からの紙幣の繰り出し動作を開始する
とともに（Ｓ２）、紙幣搬送路１８を駆動して、前記繰
り出された紙幣を鑑別部５に向けて搬送する（Ｓ３）。

【００２２】紙幣収納庫３から１枚ずつに分離した状態
で繰り出された紙幣は、図４に太線で示す経路を搬送さ
れ、紙幣入出金機制御部３２は、紙幣が鑑別部５を通過
した時に鑑別を行う（Ｓ４）。このＳ４の鑑別処理で
は、紙幣の真偽，正損，金種の鑑別を行うもので、偽券
や損券の他に、真券かつ正券であっても指定された金種
以外の紙幣は異常ありと鑑別する。

【００２３】Ｓ４の鑑別処理で異常無しと鑑別された紙
幣は、接客口６へ送られここに集積される（Ｓ５）。Ｓ
４で異常ありと鑑別された紙幣は、切り替えブレード１
９ａにより搬送経路が切り替えられ、五千券や、スキュ
ー，重走等の走行異常により金種が特定できないリジェ
クト券はリジェクト紙幣収納庫９へ送られここに収納さ
れる（Ｓ６）。また、真券かつ正券で指定金種以外の紙
幣、例えば、指定金種が万券の場合は千券、指定金種が
千券の場合は万券は、補充回収カセット７の回収部１６
へ送られここに収納される（Ｓ７）。紙幣収納庫３内の
紙幣を１枚ずつ繰り出す動作を開始すると、後述するよ
うに繰り出す動作を停止するまでの間、切り替えブレー
ド１９ａにより搬送方向を切り替えることが可能な一定
の間隔をおいて紙幣は連続して紙幣搬送路１０へ送ら
れ、鑑別部５での鑑別の結果により逐次切り替えブレー
ド１９ａを作動させて搬送方向を切り替える。

【００２４】紙幣入出金機制御部３２は、前記Ｓ４の鑑
別処理で搬送される紙幣を異常なしと判断すると、前記
Ｓ５で説明したように、該紙幣を接客口６へ送る制御を
行うとともに、鑑別部５において支払いに適する指定金
種の紙幣を指定枚数鑑別したか判断し（Ｓ８）、指定枚
数に到達していない場合は、繰り出しおよび搬送動作を
続けて後続する紙幣の鑑別処理および鑑別の結果に応じ
た所定の箇所への集積処理を続ける。

【００２５】前記Ｓ８で支払いに適する指定金種の紙幣
を指定枚数鑑別したと判断すると、紙幣入出金機制御部
３２は分離繰り出し集積部１１による繰り出し動作を停
止し、紙幣収納庫３からの繰り出しを停止する（Ｓ
９）。分離繰り出し集積部１１による繰り出し動作停止
後も紙幣搬送路１８による搬送動作は続け、鑑別部５で
支払いに適する指定金種の紙幣であると最後に鑑別され
た紙幣が切り替えブレード１９ａを通過すると、該切り
替えブレード１９ａの搬送方向を補充回収カセット７方
向に切り替え、支払いに適する指定金種の紙幣であると
最後に鑑別される紙幣より後で、紙幣収納庫３からの繰
り出し動作が停止するまでの間に繰り出されて、紙幣収
納庫３と切り替えブレード１９ａとの間の紙幣搬送路１
８にある紙幣を鑑別結果に応じて所定の収納箇所に送っ
て収納する（Ｓ１０）。例えば、五千券やリジェクト券
はリジェクト紙幣収納庫９へ送られここに収納され、ま
た、出金に廻せる支払いに適する紙幣は補充回収カセッ
ト７の回収部１６へ送られここに収納される。

【００２６】そして、接客口６に揃った紙幣を顧客に支
払うことで、出金動作を終了する。上述した本実施の形
態の出金動作で、例えば五万円の出金を全て万券で行う
要求があったとすると、支払いに適する万券を５枚鑑別
するまで、分離繰り出し集積部１１による繰り出し動作
を続ける。支払いに適する５枚目の万券を鑑別すると、
分離繰り出し集積部１１による繰り出し動作を停止す
る。支払いに適すると鑑別された５枚目の万券が切り替
えブレード１９ａを通過すると、該切り替えブレード１
９ａを作動させて紙幣の搬送方向を切り替え、支払いに
適する５枚目の万券より後に繰り出された紙幣を、鑑別
の結果に応じて、出金に廻せる支払いに適した千券と万
券は補充回収カセット７へ収納し、五千券とリジェクト
券はリジェクト紙幣収納庫９へ収納する。

【００２７】ここで、上記例では万券の出金を例にとっ
て説明したが、指定された金種が千券の場合でも同じで
あり、支払い要求金種が千券であった場合、紙幣入出金
機制御部３２は、指定枚数の千券が鑑別部５で鑑別され
るまで分離繰り出し集積部１１による繰り出し動作を続
け、支払いに適する千券で指定枚数に入るものは接客口
６に送り、支払いに適するが指定金種以外の万券と、支
払いに適する千券のうち指定枚数に入らなかったものは
補充回収カセット７の回収部１６に収納するものであ
る。

【００２８】また、万券と千券の両方を出金することも
可能である。例えば、万券４枚と千券１０枚の支払い要
求があると、紙幣入出金機制御部３２は分離繰り出し集
積部１１を駆動して紙幣収納庫３から紙幣の繰り出しを
開始する。紙幣入出金機制御部３２は、鑑別部５を４枚
の支払いに適する万券と１０枚の支払いに適する千券が
通過するまで、分離繰り出し集積部１１による繰り出し
動作を続ける。ここで、接客口６に万券と千券が区別し
た状態で集積されるようにするには、まず支払いに適す
る万券が４枚接客口６に送られるまで、支払いに適する
千券は指定枚数にカウントすることなく補充回収カセッ
ト７に送り、支払いに適する万券が４枚接客口６に送ら
れると、支払いに適する１０枚目の千券が鑑別部５を通
過するまで分離繰り出し集積部１１による繰り出し動作
を続ける。

【００２９】これに対して、接客口６に万券と千券が混
在した状態で集積されるようにするには、紙幣収納庫３
から繰り出した順に万券と千券を区別することなく支払
いに適する紙幣は接客口６に送り、鑑別部５を４枚の支
払いに適する万券と１０枚の支払いに適する千券が通過
するまで、分離繰り出し集積部１１による繰り出し動作
を続ける。こちらの動作のほうが、処理を高速で行うこ
とが可能である。

【００３０】そして、鑑別部５を４枚の支払いに適する
万券と１０枚の支払いに適する千券が通過すると、紙幣
入出金機制御部３２は分離繰り出し集積部１１による繰
り出し動作を停止させ、指定金種の紙幣で指定枚数に入
ると最後に鑑別された紙幣が切り替えブレード１９ａを
通過して接客口６方向に送られた後、該切り替えブレー
ド１９ａによる搬送方向を切り替え、紙幣搬送路１８に
残った紙幣を鑑別部５での鑑別結果に応じて、支払いに
適する千券と万券は補充回数カセット７の回収部１６に
収納し、リジェクト紙幣はリジェクト紙幣収納庫９に収
納するものである。

【００３１】このように、支払い要求に応じて、万券の
み、千券のみ、万券と千券の両方の支払いが可能であ
る。なお、五千券は出金に用いない金種としてリジェク
ト紙幣収納庫９に収納することとしたが、出金に用いる
のであれば、出金に廻せる支払いに適する五千券は補充
回収カセット７に収納するようにしてもよい。

【００３２】ここで、補充回収カセット７に収納した紙
幣は、紙幣収納庫３に補充されて出金に利用される。ま
た、補充回収カセット７から直接出金することも可能で
ある。補充回収カセット７から紙幣収納庫３へ紙幣を補
充する場合は、分離繰り出し部１２によりステージ１５
ａ上の紙幣を繰り出し、紙幣搬送路１８により鑑別部５
へ搬送する。鑑別の結果、支払いに適すると鑑別された
紙幣は一時保留部１０に送られ、紙幣収納庫３のステー
ジ３ａ上に集積される。鑑別の結果、支払いに適さない
と鑑別された紙幣はリジェクト紙幣収納部１７に収納さ
れる。

【００３３】なお、補充回収カセット７においては、回
収部１６に収納した紙幣を図示しない機構によりステー
ジ１５ａ上に積み替えることが可能であり、回収部１６
に収納した紙幣も出金用に廻せるものである。図５は補
充回収カセット７から直接出金する場合の紙幣の流れを
示す自動取引装置の側面図であり、補充回収カセット７
から直接出金する場合は、分離繰り出し部１２を駆動し
て補充回収カセット７からの紙幣の繰り出しを開始する
とともに、紙幣搬送路１８を駆動して、図５に太線で示
す経路で紙幣を搬送して前記繰り出された紙幣を鑑別部
５に向けて搬送する。

【００３４】紙幣搬送路１８を搬送される紙幣は鑑別部
５を通過する時に鑑別が行われ、異常なし、すなわち、
支払いに適する紙幣でかつ指定された金種であると鑑別
された紙幣は一時保留部１０に送られ、図示しないシャ
ッタ上に集積される。異常ありと鑑別された紙幣は、切
り替えブレード１９ｄにより搬送方向が切り替えられ、
五千券やリジェクト券はリジェクト紙幣収納庫９へ送ら
れここに収納される。また、支払いに適する紙幣であっ
ても指定金種でない紙幣は補充回収カセット７の回収部
１６へ送られここに収納される。

【００３５】ここで、鑑別部５を通過する紙幣を鑑別す
る際、鑑別部５において支払いに適する指定金種の紙幣
を指定枚数鑑別したか判断し、指定枚数に到達していな
い場合は、繰り出しおよび搬送動作を続けて後続する紙
幣の鑑別処理および鑑別の結果に応じた所定の箇所への
集積処理を続ける。支払いに適する指定金種の紙幣を指
定枚数鑑別したと判断すると、分離繰り出し部１２によ
る繰り出し動作を停止し、鑑別部５で支払いに適する指
定金種の紙幣であると最後に鑑別された紙幣が切り替え
ブレード１９ｄを通過すると、該切り替えブレード１９
ｄの搬送方向を補充回収カセット７方向に切り替え、支
払いに適する指定金種の紙幣であると最後に鑑別される
紙幣より後で、補充回収カセット７からの繰り出し動作
が停止するまでの間に繰り出されて、補充回収カセット
７と切り替えブレード１９ｄとの間の紙幣搬送路１８に
ある紙幣を鑑別結果に応じて所定の収納箇所に送って収
納する。例えば、五千券やリジェクト券はリジェクト紙
幣収納庫９へ送られここに収納され、また、出金に廻せ
る支払いに適した紙幣は補充回収カセット７の回収部１
６へ送られここに収納される。

【００３６】そして、一時保留部１０に揃った紙幣を分
離繰り出し集積機構１１により繰り出し、紙幣搬送路１
８により接客口６へ送って顧客に支払い、出金動作を終
了する。なお、図１で説明した自動取引装置において
は、紙幣収納庫３に万券のみを収納し、補充回収カセッ
ト７に千券のみを収納して運用することも可能である。
このような運用形態において、本発明の出金動作を適用
した例を説明する。

【００３７】万券の支払い要求があると、支払いに適す
る万券を指定枚数鑑別するまで、分離繰り出し集積部１
１による繰り出し動作を続ける。この動作中は、支払い
に適する万券は接客口６に送られ、リジェクト紙幣はリ
ジェクト紙幣収納庫９に送られる。支払いに適する指定
枚数の万券を鑑別すると、分離繰り出し集積部１１によ
る繰り出し動作を停止する。支払いに適する紙幣で最後
に指定枚数に入ると鑑別された紙幣が切り替えブレード
１９ａを通過すると、該切り替えブレード１９ａを作動
させて紙幣の搬送方向を切り替え、支払いに適しかつ指
定枚数に入る最後の万券より後に繰り出された紙幣を、
鑑別の結果に応じて、出金に廻せる支払いに適した万券
は補充回収カセット７へ収納し、リジェクト券はリジェ
クト紙幣収納庫９へ収納する。

【００３８】このような運用を行うと、補充回収カセッ
ト７には金種が混在した状態で紙幣が収納されるが、補
充動作を行うことで、金種が単一な状態に戻すことが可
能となる。すなわち、補充動作では、分離繰り出し部１
２による繰り出し動作で紙幣収納部１５の紙幣を繰り出
し、鑑別部５での鑑別の結果、出金に廻せる万券は一時
保留部１０から紙幣収納庫３へ収納し、出金に廻せる千
券は回収部１６に収納し、リジェクト紙幣はリジェクト
紙幣収納部１７に収納する。この補充動作で、補充回収
カセット７は千券を収納する収納庫に戻すことが可能で
ある。

【００３９】また、紙幣収納庫３に万券が収納され、補
充回収カセット７に千券が収納されている場合で千券の
支払い要求があると、支払いに適する千券を指定枚数鑑
別するまで、分離繰り出し部１２による繰り出し動作を
続ける。この動作中は、支払いに適する千券は図５に示
す太線で示す経路により一時保留部１０に送られ、リジ
ェクト紙幣はリジェクト紙幣収納庫９に送られる。支払
いに適する指定枚数の千券を鑑別すると、分離繰り出し
部１２による繰り出し動作を停止する。支払いに適する
紙幣で最後に指定枚数に入ると鑑別された紙幣が切り替
えブレード１９ｄを通過すると、該切り替えブレード１
９ｄを作動させて紙幣の搬送方向を切り替え、支払いに
適しかつ指定枚数に入る最後の千券より後に繰り出され
た紙幣を、鑑別の結果に応じて、出金に廻せる支払いに
適した千券は補充回収カセット７の回収部１６へ収納
し、リジェクト券はリジェクト紙幣収納庫９へ収納す
る。

【００４０】そして、一時保留部１０に一時保留した支
払いに適する千券を接客口６に送って顧客に支払う。上
述したように、図１に示す自動取引装置で実行可能な出
金運用の各形態時に本発明の出金動作を適用すれば、指
定された金種の紙幣が指定された枚数鑑別部を通過する
まで分離繰り出し集積部による繰り出し動作を続けるの
で、紙幣収納庫内に複数金種の紙幣が混在していても、
繰り出し動作の停止と再起動を繰り返すことなく、指定
された金種の紙幣を指定された枚数分短時間で揃えるこ
とができ、出金動作時間を短縮することが可能となる。

【００４１】また、指定された金種の紙幣の中で指定さ
れた枚数に入る最後の紙幣が鑑別部を通過した時点で分
離繰り出し集積部による繰り出し動作を停止するので、
後続する紙幣の繰り出し枚数を最低限に押さえ、紙幣搬
送路に残った紙幣は鑑別結果に応じて所定の収納箇所に
収納するので、短時間で次の取引に入れる状態とするこ
とができる。

【００４２】さらに、紙幣搬送路に残った紙幣の中で出
金に廻せる紙幣は補充回収カセットに収納するので、余
分に繰り出した紙幣をリジェクトすることなく出金用の
紙幣として再利用することが可能である。

【００４３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
同一紙幣収納庫内に複数金種の紙幣が混在していても、
繰り出し動作の停止と再起動を繰り返すことなく、指定
された金種の紙幣を指定された枚数分短時間で揃えるこ
とができ、出金動作時間を短縮することが可能となる。

【００４４】これにより、取引時間の短縮が可能な自動
取引装置を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の自動取引装置の機構の実施の形態の一
例を示す側面図

【図２】本発明の自動取引装置の制御機能の実施の形態
の一例を示すブロック図

【図３】出金動作の実施の形態の一例を示すフローチャ
ート

【図４】出金動作時の紙幣の流れを示す自動取引装置の
側面図

【図５】出金動作時の紙幣の流れを示す自動取引装置の
側面図

【符号の説明】

３ 紙幣収納庫 ５ 鑑別部 ６ 接客口 ７ 補充回収カセット １１ 分離繰り出し集積機構 １８ 紙幣搬送路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根本 幸広 東京都港区虎ノ門１丁目７番12号 沖電 気工業株式会社内 (72)発明者 ▲吉▼田 耕三 東京都港区虎ノ門１丁目７番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平７−6246（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−95594（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−276385（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−42795（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G07D 1/00 - 13/00

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数金種の紙幣を混在させて収納するこ
   とが可能な第１の紙幣収納庫と、この第１の紙幣収納庫
   の上部に設けられていて紙幣の集積及び紙幣の分離，繰
   り出しを行う分離繰り出し集積部と、複数金種の紙幣を
   混在させて回収，収納するとともに収納した紙幣を繰り
   出し可能な第２の紙幣収納庫と、紙幣の出金を行う接客
   口と、前記第１の紙幣収納庫と前記第２の紙幣収納庫と
   前記接客口との間で紙幣を双方向に搬送する紙幣搬送路
   と、該紙幣搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部と
   を備えた自動取引装置において、 指定された金種，枚数の紙幣の出金要求により、指定金
   種の紙幣が指定枚数鑑別されるまで連続して前記第１の
   紙幣収納庫からの紙幣の繰り出しを行って、該指定金
   種，指定枚数の紙幣を前記接客口に搬送して集積すると
   ともに、前記指定金種の紙幣が指定枚数鑑別されるまで
   の間に指定金種以外の紙幣と鑑別された紙幣を前記第２
   の紙幣収納庫に回収，収納し、 前記第２の紙幣収納庫に回収，収納した紙幣を出金用紙
   幣とする場合は、 指定金種の紙幣が指定枚数鑑別されるまで連続して前記
   第２の紙幣収納庫からの紙幣の繰り出しを行って、該指
   定金種，指定枚数の紙幣を前記分離繰り出し集積部に搬
   送して集積するとともに、前記指定金種の紙幣が指定枚
   数鑑別されるまでの間に指定金種以外の紙幣と鑑別され
   た紙幣を前記第２の紙幣収納庫に回収，収納して、 前記分離繰り出し集積部に集積した紙幣を前記接客口に
   搬送して集積 するように制御する制御手段を備えたこと
   を特徴とする自動取引装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の自動取引装置において、 前記制御手段は、指定金種の紙幣を指定枚数鑑別するこ
   とで第１の紙幣収納庫または第２の紙幣収納庫からの繰
   り出しを停止した後、紙幣搬送路に残った紙幣を第２の
   紙幣収納庫に回収，収納するように制御することを特徴
   とする自動取引装置。