JP3316158B2 - 自動取引装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、顧客の操作により
紙幣の預け入れや支払い等を自動的に行う自動取引装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動取引装置は、顧客が金融機関に預け
入れる紙幣を取り込んだり、金融機関に預けられている
紙幣を顧客に支払うものであり、顧客が預け入れた紙幣
および顧客に支払うための紙幣を鑑別するため、紙幣収
納庫と接客口との間の紙幣搬送路に鑑別部が設けられて
いる。

【０００３】近年の自動取引装置では、紙幣搬送路の経
路を単純にするため、紙幣搬送路および鑑別部を双方向
型とした装置が提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】鑑別部で鑑別された紙
幣は、その鑑別結果に応じた収納箇所に振り分けられる
ので、鑑別部の下流側に、紙幣鑑別時間に相当する長さ
の紙幣搬送路が必要となる。このため、紙幣搬送路およ
び鑑別部を双方向型とすると、鑑別部の前後に紙幣鑑別
時間に相当する長さの紙幣搬送路が必要となり、双方向
型の鑑別部では、一方向型の鑑別部に対して、前後で２
倍の長さの紙幣搬送路が必要となり、装置が大型になる
という問題がある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明は、繰り出し可能に紙幣を収納する少なく
とも１個の紙幣収納庫と、前記紙幣収納庫に対して補充
する紙幣および該紙幣収納庫から回収した紙幣を収納す
る補充回収カセットと、前記紙幣収納庫と補充回収カセ
ットとの間で紙幣を双方向に搬送する紙幣搬送路と、前
記紙幣搬送路に接続される接客口と、前記紙幣搬送路に
より搬送される紙幣の搬送方向を、前記紙幣収納庫、前
記補充回収カセット、前記接客口等の方向に切り替える
複数の搬送方向切り替え手段と、前記接客口への接続部
と紙幣収納庫との間の紙幣搬送路に設けられ、該紙幣搬
送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備え、前記
鑑別部における紙幣の搬送方向を、入金および補充時と
出金および回収時で逆方向となるようにするとともに、
入金および補充時は前記鑑別部に到来した紙幣の真偽，
金種および走行状態を鑑別し、出金および回収時は前記
鑑別部に到来した紙幣の走行状態のみを鑑別するものと
し、入金および補充時における前記鑑別部から最初の搬
送方向切り替え手段までの紙幣搬送路の搬送路長を、前
記鑑別部に到来し、更に搬送される紙幣の真偽，金種お
よび走行状態を鑑別して前記最初の搬送方向切り替え手
段を動作させるのに必要な時間がとれる長さとし、前記
鑑別部から前記接客口への接続部に設けられた搬送方向
切り替え手段までの紙幣搬送路の搬送路長は、前記鑑別
部に到来し、更に搬送される紙幣の走行状態を鑑別して
前記接客口への接続部に設けられた搬送方向切り替え手
段を動作させるのに必要な時間がとれる長さとして、前
記鑑別部と前記接客口への接続部に設けられた搬送方向
切り替え手段との間の紙幣搬送路の搬送路長を、前記鑑
別部と前記最初の搬送方向切り替え手段との間の紙幣搬
送路の搬送路長より短くしたことを特徴とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】図１は本発明の自動取引装置の機
構の第１の実施の形態を示す側面図である。図におい
て、自動取引装置１には紙幣入出金機２が内蔵されてい
る。紙幣入出金機２は顧客の預け入れ要求や支払い要求
に応じて紙幣の入金動作や出金動作を行うもので、内部
には、紙幣を収納する紙幣収納庫３、異常紙幣を収納す
るエスクロウ部４、紙幣の鑑別を行う鑑別部５、預け入
れる紙幣を受け入れるとともに支払う紙幣を払い出す接
客口６、紙幣を収納するとともに紙幣収納庫３に対して
紙幣の補充または回収を行う補充回収カセット７、出金
動作時に顧客が取り忘れた紙幣を収納する取り忘れ紙幣
収納庫８および出金動作時や回収動作時に鑑別部５によ
り真券と鑑別されなかった紙幣を収納するリジェクト紙
幣収納庫９がそれぞれ設けられている。

【０００７】紙幣収納庫３の上部には一時保留部１０が
設けられている。この一時保留部１０は、複数のローラ
群等を備えて紙幣の分離繰り出しおよび集積を行う分離
繰り出し集積部１１と、この分離繰り出し集積部１１の
下に開閉可能に備えられる図示しないシャッタ等から構
成され、シャッタを閉状態として分離繰り出し集積部１
１の動作によりこのシャッタ上に紙幣を集積して一時保
留させるとともに、シャッタ上に一時保留させた紙幣を
分離繰り出し集積部１１の動作により繰り出す動作、シ
ャッタを開いて該シャッタ上の紙幣を紙幣収納庫３に収
納する動作、および、シャッタを開状態として分離繰り
出し集積部１１の動作により紙幣収納庫３内の紙幣を繰
り出す動作を行う。

【０００８】また、紙幣収納庫３内にはステージ３ａが
上下動可能に設けられ、紙幣はこのステージ３ａ上に積
載される。鑑別部５は紙幣の金種、真偽、走行状態等を
鑑別する。なお、この鑑別部５は双方向に搬送される紙
幣のどちらでも鑑別可能となっている。補充回収カセッ
ト７には、紙幣の分離繰り出しを行う分離繰り出し部１
２、紙幣を内部に引き入れる集積部１３，１４が設けら
れている。また、分離繰り出し部１２に対応して紙幣収
納部１５が設けられ、集積部１３に対応して回収された
紙幣が収納される回収部１６が設けられ、集積部１４に
対応して紙幣補充の際に出金用紙幣として不適と判定さ
れた紙幣が収納されるリジェクト紙幣収納部１７が設け
られている。

【０００９】紙幣収納部１５にはステージ１５ａが上下
動可能に設けられており、紙幣はこのステージ１５ａ上
に積載される。ステージ１５ａの位置は紙幣の枚数によ
って上下に変化し、分離繰り出し部１２による紙幣の繰
り出しに伴い、ステージ１５ａは上昇する。ここで、補
充回収カセット７には、図示しないが回収部１６に収納
した紙幣を前記ステージ１５ａ上に積み替える機能が備
えられ、回収部１６に収納した紙幣を再度補充や出金に
用いることが可能となっている。

【００１０】なお、補充回収カセット７は自動取引装置
１に対して着脱可能になっている。上記の各部間には、
紙幣を搬送する紙幣搬送路１８が設けられている。そし
て、紙幣搬送路１８の各分岐点には紙幣の搬送方向を切
り替える切り替えブレード１９ａ〜１９ｇがそれぞれ設
けられる。この紙幣搬送路１８は所定の位置に設けられ
たローラ群やベルト群の駆動により紙幣を双方向に搬送
可能にしている。

【００１１】自動取引装置において、入金および補充
は、外部から取り込んだ紙幣を所定の収納場所へ収納す
る処理であり、ニセ札が投入される可能性があるため、
紙幣の真偽判定を行う必要があり、紙幣鑑別の処理時間
を要する。このため、紙幣鑑別後の紙幣搬送路１８の搬
送路長が長く必要となる。これに対し、出金および回収
は、一度鑑別された紙幣の処理のため、紙幣鑑別は重
送、斜行、長さ等の異常走行のみを判定するだけでよ
く、紙幣鑑別の処理時間は短くてよい。このため、紙幣
鑑別後の紙幣搬送路１８の搬送路長を長くする必要がな
い。

【００１２】そこで、鑑別部５に入る紙幣の方向を入金
および補充時と、出金および回収時で逆にすれば、鑑別
部５の前後で一方の側の搬送路長のみを長くすればよい
ことになる。すなわち、図１に示すように各構成要素を
配置することで、外部から投入された紙幣を鑑別する必
要がある入金時および補充時は、鑑別部５に対して切り
替えブレード１９ａ側から紙幣が搬送され、一度鑑別を
した紙幣を鑑別する出金時および回収時は、鑑別部５に
対して切り替えブレード１９ｃ側から紙幣が搬送される
ことになり、鑑別部５と切り替えブレード１９ｃの間の
紙幣搬送路１８の長さのみを真偽判定のための処理時間
を考慮して長くし、鑑別部５と切り替えブレード１９ａ
との間の紙幣搬送路１８の長さは走行状態判定のための
処理時間のみで済むので短くすることが可能となる。

【００１３】自動取引装置１の前方には顧客が操作を行
う顧客操作部２０が設けられている。顧客操作部２０は
例えば表示部付きタッチパネル等で構成され、顧客が取
引種別、取引金額、暗証番号等を入力できるようになっ
ている、なお、自動取引装置１には、上記構成の他に、
図示しないが通帳処理装置、明細票印刷装置、カード処
理装置等が設けられている。

【００１４】図２は本発明の自動取引装置の制御機能の
実施の形態の一例を示すブロック図である。図におい
て、主制御部３１は自動取引装置１の動作全体を制御す
るもので、この主制御部３１には、顧客操作部２０およ
び紙幣入出金機２が接続されている。主制御部３１に
は、さらに、図示していないが通帳処理装置、明細票印
刷装置、カード処理装置等、自動取引装置を構成するの
に必要な装置類が接続される。

【００１５】主制御部３１は紙幣入出金機２の紙幣入出
金機制御部３２に接続され、該制御部３２を制御する。
紙幣入出金機制御部３２は、紙幣入出金機２の動作全体
を制御するもので、Ｉ／Ｏインタフェース回路３３を介
して、図１で説明した各部に接続されている。モータ駆
動回路３４はモータ３５を駆動する回路で、このモータ
３５を駆動することにより分離繰り出し集積部１１が作
動し、一時保留部１０における紙幣の集積および分離繰
り出しを行う。

【００１６】モータ駆動回路３６はモータ３７を駆動す
る回路で、このモータ３７を駆動することにより、紙幣
収納庫３のステージ３ａの上昇および下降動作を行う。
モータ駆動回路３８はモータ３９を駆動する回路で、こ
のモータ３９を駆動することにより、エスクロウ部４へ
の紙幣の集積を行うとともに、このエスクロウ部４から
の紙幣の分離繰り出しを行う。モータ駆動回路４０はモ
ータ４１を駆動する回路で、このモータ４１を駆動する
ことにより、補充回収カセット７への紙幣の集積を行う
とともに補充回数カセットからの紙幣の繰り出しを行
う。

【００１７】モータ駆動回路４２はモータ４３を駆動す
る回路で、このモータ４３を駆動することにより、紙幣
搬送路１８のローラ群やベルト群が作動して紙幣が搬送
可能になる。なお、紙幣は双方向に搬送可能である。マ
グネット駆動回路４４はプランジャマグネット４５を駆
動する回路で、このプランジャマグネット４５を駆動す
ることにより、紙幣搬送路１８に設けられた切り替えブ
レード１９ａ〜１９ｇを作動させる。

【００１８】上述した紙幣入出金機制御部３２は鑑別部
５にも接続されており、鑑別部５で紙幣の鑑別を行うと
その鑑別情報が紙幣入出金機制御部３２へ送られ、紙幣
入出金機制御部３２はこの情報に基づいて金種、真偽お
よび走行状態等を鑑別する。ここで、紙幣入出金機制御
部３２の鑑別部５に対する制御は、入金および補充時は
鑑別部５に到来した紙幣の真偽、金種および走行状態を
鑑別し、出金および回収時は鑑別部５に到来した紙幣の
走行状態を鑑別するものである。

【００１９】次に、上述した本実施の形態の自動取引装
置の動作について説明する。まず、業務開始時の補充動
作を説明する。ここで、補充回収カセット７のステージ
１５ａには、２金種の紙幣（万券と千券）がセットされ
ているものとする。紙幣入出金機制御部３２の指示によ
り補充回収カセット７のモータ駆動回路４０がモータ４
１を駆動すると、分離繰り出し部１２によりステージ１
５ａ上の紙幣Ｐが１枚ずつ紙幣搬送路１８へ繰り出され
る。

【００２０】紙幣搬送路１８に繰り出された紙幣は鑑別
部５へ送られ、該鑑別部５で金種，真偽，走行状態等が
鑑別される。紙幣入出金機制御部３２は鑑別部５に到来
した紙幣が紙幣搬送路１８をさらに搬送されて切り替え
ブレード１９ｄによる搬送方向の切り替えが可能な時間
中に該紙幣の金種，真偽等を鑑別し、鑑別部５に到来し
た紙幣が真券で万券と鑑別されると、切り替えブレード
１９ｄの切り替えにより一時保留部１０内に集積され、
万券はさらに一時保留部１０から紙幣収納庫３のステー
ジ３ａ上に集積される。

【００２１】また、鑑別部５に到来した紙幣が真券で千
券と鑑別されると、紙幣搬送路１８をさらに搬送して、
補充回収カセット７の回収部１６に集積する。さらに、
出金に適さないと鑑別された紙幣はリジェクト紙幣収納
部１７へ収納される。なお、補充回収カセット７の回収
部１６に集積した紙幣（千券）は、ステージ１５ａ上の
紙幣が空になった後、図示しない機構により該ステージ
１５ａ上に積み替えられ、繰り出し可能な状態となる。

【００２２】次に入金動作を説明する。顧客が顧客操作
部２０で入金取引を選択して、入金紙幣を接客口６に投
入すると、接客口６から入金紙幣が１枚ずつ紙幣搬送路
１８へ繰り出される。紙幣搬送路１８に繰り出された紙
幣は鑑別部５へ送られ、該鑑別部５で金種，真偽，走行
状態等が鑑別される。紙幣入出金機制御部３２は鑑別部
５に到来した紙幣が紙幣搬送路１８をさらに搬送されて
切り替えブレード１９ｃによる搬送方向の切り替えが可
能な時間中に該紙幣の金種，真偽等を鑑別し、鑑別部５
に到来した紙幣が異常であると鑑別されると、切り替え
ブレード１９ｃの切り替えによりエスクロウ部４に収納
する。なお、エスクロウ部４に収納された異常券は、接
客口６に投入された入金紙幣が全て繰り出された後、該
接客口６に戻されて顧客に返却される。

【００２３】鑑別部５に到来した紙幣が正常であると鑑
別されると、切り替えブレード１９ｄの切り替えにより
一時保留部１０に集積する。ここで、一時保留部１０に
集積される紙幣は万券のみ、千券のみ、五千券のみある
いはこれらの混在の場合があり得る。以下に一時保留部
１０に集積した紙幣の振り分け法の一例を説明する。

【００２４】一時保留部１０に集積された紙幣が万券の
みの場合は、そのまま紙幣収納庫３のステージ３ａ上に
収納する。一時保留部１０に集積された紙幣が千券のみ
の場合は、紙幣搬送路１８へ繰り出し、鑑別部５を経て
補充回収カセット７の回収部１６に収納する。このと
き、鑑別部５では走行状態の鑑別のみを行う。

【００２５】一時保留部１０に集積された紙幣が五千券
のみの場合は、紙幣搬送路１８へ繰り出し、鑑別部５を
経てリジェクト紙幣収納庫９に収納する。このとき、鑑
別部５では走行状態の鑑別のみを行う。一時保留部１０
に集積された紙幣が混在の場合は、空になった接客口６
に戻し、再度鑑別部５へ搬送して金種および走行状態を
鑑別し、万券は一時保留部１０に集積してそこからステ
ージ３ａ上に収納し、千券は補充回収カセット７の回収
部１６に収納し、五千券はリジェクト紙幣収納庫９に収
納する。

【００２６】次に出金動作を説明する。ここで、紙幣収
納庫３には万券のみが収納され、補充回収カセット７の
ステージ１５ａ上には千券のみが収納されているものと
する。顧客が万券のみを出金指定した場合、分離繰り出
し集積部１１を駆動して紙幣収納庫３内の紙幣（万券）
を１枚ずつ指定された枚数繰り出し、紙幣搬送路１８へ
送り出す。紙幣収納庫３から繰り出された紙幣は紙幣搬
送路１８を鑑別部５へ搬送され、ここで鑑別される。紙
幣入出金機制御部３２は、出金時および後述する回収時
は鑑別部５に到来した紙幣の走行状態のみを鑑別し、鑑
別の結果異常がなければ、紙幣は紙幣搬送路１８をさら
に搬送されて接客口６へ送られる。上述した入金および
補充時の動作で説明したように、外部から投入された紙
幣を紙幣収納庫３および補充回収カセット７に収納する
際、真偽の鑑別を行っているので、紙幣収納庫３および
補充回収カセット７に収納されている紙幣は真券のみと
見なすことができる。よって、出金時および後述する回
収時は真偽鑑別を行わず、走行状態の鑑別のみを行うこ
ととする。

【００２７】鑑別の結果異常があると鑑別された紙幣
は、切替えブレード１９ａにより搬送方向が切替えら
れ、紙幣搬送路１８によりリジェクト紙幣収納庫９へ送
られてここに収納される。そして、接客口６に指定枚数
の紙幣が揃うと、これを放出することで出金動作を終了
する。千券のみが出金指定された場合、分離繰り出し部
１２を駆動して補充回収カセット７のステージ１５ａ上
の紙幣（千券）を１枚ずつ指定された枚数繰り出し、紙
幣搬送路１８へ送り出す。補充回収カセット７から繰り
出された紙幣は紙幣搬送路１８を鑑別部５へ搬送され、
ここで鑑別される。この時も紙幣入出金機制御部３２は
走行状態のみを鑑別し、鑑別の結果異常がなければ、紙
幣は紙幣搬送路１８をさらに搬送されて一時保留部１０
の図示しないシャッタ上へ送られる。鑑別の結果異常が
あると鑑別された紙幣は、切替えブレード１９ｄにより
搬送方向が切替えられ、紙幣搬送路１８によりリジェク
ト紙幣収納部１７へ送られてここに収納される。そし
て、一時保留部１０に指定枚数の紙幣が揃うと、切替え
ブレード１９ａを作動させて搬送方向を接客口６方向に
切替え、該一時保留部１０から紙幣を紙幣搬送路１８へ
繰り出し、接客口６に送り込んで、これを放出すること
で出金動作を終了する。

【００２８】また、万券と千券の両方が顧客により指定
された場合は、まず万券の出金を上述したように行った
後、千券の出金を行うようにする。なお、万券と千券の
出金順序は逆でもよい。次に紙幣収納庫３の紙幣を補充
回収カセット７に回収する回収動作を説明する。

【００２９】ここで、紙幣収納庫３には万券のみが収納
され、補充回収カセット７には千券のみが収納されてい
るものとする。紙幣収納庫３の紙幣を補充回収カセット
７に回収する場合は、分離繰り出し集積部１１を駆動し
て紙幣収納庫３内の紙幣（万券）を１枚ずつ繰り出し、
紙幣搬送路１８へ送り出す。紙幣収納庫３から繰り出さ
れた紙幣は紙幣搬送路１８を鑑別部５へ搬送され、ここ
で鑑別される。紙幣入出金機制御部３２は、鑑別部５に
到来した紙幣の走行状態のみを鑑別し、鑑別の結果異常
がなければ、紙幣は紙幣搬送路１８をさらに搬送されて
補充回収カセット７の回収部１６に収納される。

【００３０】鑑別の結果異常があると鑑別された紙幣
は、切替えブレード１９ｅにより搬送方向が切替えら
れ、紙幣搬送路１８によりリジェクト紙幣収納庫９へ送
られてここに収納される。図３は本発明の鑑別処理の流
れを示すフローチャートで、図３（ａ）は入金および補
充時、図３（ｂ）は出金および回収時の鑑別処理を示
し、以上説明した入金，補充時と出金，回収時の鑑別処
理の違いを示す。

【００３１】上述したように、入金および補充時は、鑑
別部５に紙幣が到来したことを検知すると（ＳＡ１）、
走行状態の鑑別および金種，真偽の鑑別が行われ（ＳＡ
２，３）、走行異常が発生しておらず、かつ真券である
と鑑別された紙幣は正常紙幣として処理される（ＳＡ
４）。走行異常が発生しているか、偽券であると鑑別さ
れた紙幣は異常紙幣として処理される（ＳＡ５）。

【００３２】これに対し、出金および回収時は、鑑別部
５に紙幣が到来したことを検知すると（ＳＢ１）、走行
状態の鑑別のみが行われ（ＳＢ２）、走行異常が発生し
ていないと鑑別された紙幣は正常紙幣として処理され
（ＳＢ３）、走行異常が発生していると鑑別された紙幣
は異常紙幣として処理される（ＳＢ４）。以上説明した
ように、本発明の第１の実施の形態の自動取引装置で
は、鑑別部５に対して、紙幣の入金および補充時と出金
および回収時の搬送方向が逆となるように各構成要素を
配置し、入金，補充時は鑑別部で金種，真偽，走行状態
の鑑別を行い、出金，回収時は鑑別部で走行状態の鑑別
のみを行うこととしたので、出金，回収時は鑑別部５に
紙幣が到来してから鑑別処理にかかる時間が短くてす
み、これにより、出金，回収時の紙幣搬送方向において
鑑別部５の下流の搬送路長を短くすることができ、よっ
て、自動取引装置の小型化さらにはコストの低減を図る
ことが可能である。

【００３３】また、図１に示す形態では、鑑別部５と切
り替えブレード１９ａとの間の紙幣搬送路１８の搬送路
長を短くした分、エスクロウ部４，一時保留部１０およ
び紙幣収納庫３を上側に上げることができ、その下に取
り忘れ紙幣収納庫８およびリジェクト紙幣収納庫９を配
置することで、装置全体の小型化が図れるものである。

【００３４】図４は本発明の自動取引装置の機構の第２
の実施の形態を示す側面図である。図４に示す自動取引
装置は、図１に示す自動取引装置に比較して、補充回収
カセット７の下に取り忘れ紙幣収納庫８およびリジェク
ト紙幣収納庫９を配置し、エスクロウ部４，一時保留部
１０および紙幣収納庫３の位置を下げ、切り替えブレー
ド１９ａから切り替えブレード１９ｃまでの紙幣搬送路
１８の搬送路長を長くして、鑑別部５を切り替えブレー
ド１９ａの近くに配置したものであり、紙幣の入金およ
び補充時と出金および回収時の搬送方向が逆となってい
る。

【００３５】動作は第１の実施の形態と同様であり、入
金，補充時は鑑別部５で金種，真偽，走行状態の鑑別を
行い、出金，回収時は鑑別部５で走行状態の鑑別のみを
行うこととしたので、出金，回収時は鑑別部５に紙幣が
到来してから鑑別処理にかかる時間が短くてすみ、これ
により、鑑別部５と切り替えブレード１９ａとの間の紙
幣搬送路１８の搬送路長を短くすることができるもので
ある。

【００３６】これに対し、鑑別部５と切り替えブレード
１９ｃとの間の紙幣搬送路１８の搬送路長は図１に比較
して長くすることができる。よって、図３（ａ）で説明
した入金，補充時の鑑別処理において、鑑別部５に紙幣
が到来してから鑑別処理にかけることが可能な時間を長
くとることが可能となる。よって、より厳密な鑑別処理
が可能となり、鑑別精度を向上させることが可能とな
る。

【００３７】以上説明したように、本発明の第２の実施
の形態の自動取引装置では、鑑別部５に対して、紙幣の
入金および補充時と出金および回収時の搬送方向が逆と
なるように各構成要素を配置し、入金，補充時は鑑別部
で金種，真偽，走行状態の鑑別を行い、出金，回収時は
鑑別部で走行状態の鑑別のみを行うこととしたので、出
金，回収時は鑑別部５に紙幣が到来してから鑑別処理に
かかる時間が短くてすみ、これにより、出金，回収時の
紙幣搬送方向において鑑別部５の下流の搬送路長を短く
することができ、装置を大型化することなく、入金，補
充時の紙幣搬送方向において鑑別部５の下流の搬送路長
を長くすることができる。よって、外部より紙幣が投入
されることになる入金，補充時に鑑別処理にかける時間
を長くすることができ、精度の高い鑑別を行うことが可
能となる。

【００３８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、鑑別部
における紙幣の搬送方向を、入金および補充時と出金お
よび回収時で逆方向となるようにするとともに、入金お
よび補充時は前記鑑別部に到来した紙幣の真偽，金種お
よび走行状態を鑑別し、出金および回収時は前記鑑別部
に到来した紙幣の走行状態のみを鑑別するものとし、入
金および補充時における前記鑑別部から最初の搬送方向
切り替え手段までの紙幣搬送路の搬送路長を、前記鑑別
部に到来し、更に搬送される紙幣の真偽，金種および走
行状態を鑑別して前記最初の搬送方向切り替え手段を動
作させるのに必要な時間がとれる長さとし、前記鑑別部
から前記接客口への接続部に設けられた搬送方向切り替
え手段までの紙幣搬送路の搬送路長は、前記鑑別部に到
来し、更に搬送される紙幣の走行状態を鑑別して前記接
客口への接続部に設けられた搬送方向切り替え手段を動
作させるのに必要な時間がとれる長さとして、前記鑑別
部と前記接客口への接続部に設けられた搬送方向切り替
え手段との間の紙幣搬送路の搬送路長を、前記鑑別部と
前記最初の搬送方向切り替え手段との間の紙幣搬送路の
搬送路長より短くしている。従って、これによれば、出
金および回収時における紙幣搬送方向において、鑑別部
の下流側の紙幣搬送路の搬送路長を短くすることがで
き、そのため装置を小型化することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の自動取引装置の機構の第１の実施の形
態を示す側面図

【図２】本発明の自動取引装置の制御機能の実施の形態
の一例を示すブロック図

【図３】本発明の鑑別処理の流れを示すフローチャート

【図４】本発明の自動取引装置の機構の第２の実施の形
態を示す側面図

【符号の説明】

３ 紙幣収納庫 ５ 鑑別部 ６ 接客口 ７ 補充回収カセット １８ 紙幣搬送路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 尚浩 東京都港区虎ノ門１丁目７番12号 沖電 気工業株式会社内 (72)発明者 重田 光徳 東京都港区虎ノ門１丁目７番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平４−219887（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−249152（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−282595（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G07D 9/00 416

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 繰り出し可能に紙幣を収納する少なくと
   も１個の紙幣収納庫と、 前記紙幣収納庫に対して補充する紙幣および該紙幣収納
   庫から回収した紙幣を収納する補充回収カセットと、 前記紙幣収納庫と補充回収カセットとの間で紙幣を双方
   向に搬送する紙幣搬送路と、 前記紙幣搬送路に接続される接客口と、前記紙幣搬送路により搬送される紙幣の搬送方向を、前
   記紙幣収納庫、前記補充回収カセット、前記接客口等の
   方向に切り替える複数の搬送方向切り替え手段と、 前記接客口への接続部と紙幣収納庫との間の紙幣搬送路
   に設けられ、該紙幣搬送路を搬送される紙幣を鑑別する
   鑑別部とを備え、 前記鑑別部における紙幣の搬送方向を、入金および補充
   時と出金および回収時で逆方向となるようにするととも
   に、 入金および補充時は前記鑑別部に到来した紙幣の真偽，
   金種および走行状態を鑑別し、出金および回収時は前記
   鑑別部に到来した紙幣の走行状態のみを鑑別するものと
   し、入金および補充時における前記鑑別部から最初の搬送方
   向切り替え手段までの 紙幣搬送路の搬送路長を、前記鑑
   別部に到来し、更に搬送される紙幣の真偽，金種および
   走行状態を鑑別して前記最初の搬送方向切り替え手段を
   動作させるのに必要な時間がとれる長さとし、 前記鑑別部から 前記接客口への接続部に設けられた搬送
   方向切り替え手段までの紙幣搬送路の搬送路長は、前記
   鑑別部に到来し、更に搬送される紙幣の走行状態を鑑別
   して前記接客口への接続部に設けられた搬送方向切り替
   え手段を動作させるのに必要な時間がとれる長さとし
   て、前記鑑別部と前記接客口への接続部に設けられた搬送方
   向切り替え手段との間の紙幣搬送路の搬送路長を、前記
   鑑別部と前記最初の搬送方向切り替え手段との間の紙幣
   搬送路の搬送路長より短く したことを特徴とする自動取
   引装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の自動取引装置において、入金時に前記鑑別部で真券と鑑別された複数金種の紙幣
   を前記紙幣収納庫の一時保留部に保留し、前記接客口が
   空になってから前記一時保留部の紙幣を前記接客口に戻
   した後、該接客口から紙幣を前記鑑別部に搬送して金種
   の鑑別を行い、鑑別結果に応じて前記紙幣収納庫に該当
   する紙幣は該紙幣収納庫に搬送して収納し、前記補充回
   収カセットに該当する紙幣は該補充回収カセットに搬送
   して収納する ことを特徴とする自動取引装置。