JP3751279B2 - 回転貫入鋼管杭 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用基礎杭であって、回転力を有効な掘進力に転化出来る回転貫入鋼管杭であり、建築の基礎工事分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、地盤の弱い土地に木造住宅や中低層鉄骨建築物等を建てる場合は、コンクリート基礎の形状に沿って予め地中に基礎杭を打込んでからコンクリート基礎を施工している。
近年、基礎杭としては、回転押圧によって打込む鋼管杭が提案されており、先端にブレードを備えた回転貫入鋼管杭としては、図4(従来例1)の特許文献1及び図5(従来例2)の特許文献2が存在する。
【特許文献1】
特開2002−212949号公報
【特許文献2】
特開平10−121470号公報
【0003】
〔従来例1(図4)〕
図4は特開2002−212949号として提案された回転埋設杭であって、ブレードの変形無く垂直に埋設出来、貫入速度も速く、その上、排出土も殆ど無く、支持力にも優れた回転埋設杭として提案されている。
【0004】
そして、該回転埋設杭は、図4に示す如く、鋼管の先端を外周の3方向から中心に向かって傾斜陥没した谷部を形成し、これら谷部の間に先端が閉塞し、後方へ順次、周方向に膨出した3枚のブレードを放射状に突設したものであり、回転埋設に際しては、等間隔の3枚のブレードが土を掻き取りながら芯ずれすることなく垂直に貫入出来るようにしたものである。
【0005】
〔従来例2(図5)〕
図5は特開平10−121470号として提案された回転埋設基礎杭であって、モーターの回転により簡単に短時間で垂直に埋設出来、安価に施工出来、杭の支持強度を向上させることを目的とするものである。
【0006】
即ち、鋼管の先端をプレス成形して、杭先端部を紡錘状に成形すると共に、鋼管の対向側面を押圧して紡錘部の周側面に複数枚のブレードを形成し、各ブレードを杭の回転方向に沿って捩って湾曲させ、且つ、杭の外径より突出させたものであり、回転埋設に際しては、基礎杭の回転によってブレードが土を掻き取り、ブレードの捩り形状によって掻き取られた土を紡錘部周面から上方外側に案内し、杭外周の掘削孔内面に押し付けて基礎杭の周囲地盤を締め固めるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来例1(図4)のものにあっては、ブレードは回転によって土を切削するだけであるため、杭の土中への押し込み作用は、施工機械による上方からの強大な押し込み応力を必要とする。
また、各ブレード間の谷部は、杭の貫入作用によって切削土を上昇案内するだけであり、排土のスムーズな案内が困難であり、粘性の高い土壌での回転押し込みに際しては、各ブレード間の谷部への土塊の付着が生じて杭の押し込み抵抗が大となる。
従って、杭の回転貫入に際しては、杭への強大な押圧作用が必要となる。
【0008】
また、従来例2(図5)のものにあっては、ブレードは掻き取った土をブレードの捩れ形態によって上方外側に寄せる作用を奏するものであって、捩れブレードと紡錘部の膨出凸面による切削土の排出案内機能が十分でなく、特に、粘性土の排出には杭に対する強大な押圧力が必要である。
本発明は、ブレードが強力な切削力を備えると共に、切削土の排出機能を備え、且つ、回転力によって強力な掘進力(土中に入り込む力)を発生する新規な回転貫入鋼管杭の提供を目的とするものであり、押し込み力の弱い小型機械でも、支持層に貫入して根付けまで打込み可能な基礎杭を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段、及び作用】
本発明(第1発明)の鋼管杭1は、例えば図1に示す如く、鋼管2の先端に複数枚のブレード4を備えたものであり、各ブレード4は回転方向Rに傾斜して先端から鋼管2へと厚みを増して連続し、各ブレード4間には回転方向に傾斜する傾斜凹面Cを形成すると共に、各ブレード表面4Sに傾斜凹面Cの傾斜方向と交差する凹凸条5群を形成したものである。
【0010】
尚、ブレード4の傾斜角θは、回転作用の貫入作用への転化、及び貫入速度の面から、実用的には30°強に設定するのが好ましい。
本発明の杭1にあっては、杭1の地中への回転貫入時には、回転方向に傾斜した各ブレード4に回転力による土中への掘進作用が派生し、支持層までの貫入も、支持層に0.5〜1m程度の根入れ埋設も容易となる。
しかも、各ブレード4間には傾斜凹面Cが存在するため、各ブレード4によって掘削される土砂の排出がスムーズとなる。
【0011】
そして、各ブレード表面4Sが傾斜凹面Cの傾斜方向と交差する凹凸条5群を備えているため、凹凸条は、傾斜凹面Cに沿って上昇排出する土砂に対する凹凸粗面を提供し、排出土の凹面Cへの密着を抑制し、粘性が高くてブレード表面4Sと密着し易い土塊でも、面摩擦力が軽減出来て排出が容易となる。
従って、本発明の杭1は、押圧力の弱い小型機械によっても、回転貫入によって根入れがスムーズに実施出来る、実用性に優れた杭の提供を可能とする。
尚、凹凸条5群は、ブレード4の表面への溝の形成や鋼線の付加での形成が可能であり、ブレード4を鋳造成形する場合は、凹凸粗面の形状、配列は自在である。
また、各凹凸条5は、排出土砂の進行方向に交差したものであれば、連続長尺物でも、短尺物の散在でも同効機能を奏する。
【0012】
また、凹凸条5群としては、杭1の進行方向に直交する凹条溝5群を平行配置するのが好ましい。
この場合、ブレード4を鋼管の先端部の成形加工で形成する場合は、ブレード4への凹条溝5の付与は、鋼管2へのブレード4の成形前に鋼管を回転させて鋼管端部に平行な切削凹条溝5を形成した後、鋼管端部を押圧成形してブレード4とすることが出来、ブレード4への凹条溝5の付与が合理的、且つ容易に実施出来る。
しかも、図3(A)に示す如く、凹条溝5群は、図3(A)に示す矢印Eの進行で傾斜排出される掘削土に対して傾斜形態で交差する凹条群を提供し、排出進行土砂のブレード表面4Sへの付着力を軽減する。
【0013】
また、本発明(第2発明)の鋼管杭1は、例えば図2に示す如く、鋼管2の先端に複数枚のブレード4を備えた杭1であって、各ブレード4は回転方向Rに傾斜して先端から鋼管2へと厚みを増して連続し、各ブレード4間には回転方向に傾斜する傾斜凹面Cを形成すると共に、各ブレード先端縁4Tに切削片6を形成したものである。
この場合、切削片6は、ブレード4が鋼管2からの成形製作の場合は、図3(B)の如きブレード面4Sからの回転方向への突出片でも、ブレード先端縁4Tの端縁からの先端方向への突出片(図示せず)でも、或いはブレード端縁にVカット(図示せず)を形成してVカットエッジを切削片としても良い。
勿論、ブレード4を鋳造製作する場合は、単に鋳型に所望の形態を付与すれば良い。
そして、杭1の地中への回転貫入時には、回転方向に傾斜した各ブレード4に回転力による土中への掘進作用が派生し、支持層までの貫入も、支持層に0.5〜1m程度の根入れ埋設も容易となる。
しかも、ブレード先端縁4Tに切削片6があるため、ブレード4の地山への切込み掻き取り作用(掘進作用)時に、ブレード4に切削片6による切削力が付加されてブレード4の掘進作用が増大する。
従って、本発明の杭1は、押圧力の弱い小型機械によっても、回転貫入によって根入れがスムーズに実施出来る、実用性に優れた杭の提供を可能とする。
【0014】
また、本発明の杭1にあっては、ブレード先端縁4Tに配置する各切削片6は、図3(B)の如く、杭中心Oから不等間隔に配置するのが好ましい。
この場合、杭1の回転貫入時には、各切削片6の回転軌跡は別々となり、従って、地山に対する切削片6による切削作用位置が分散出来、ブレード4群による掘進作用がスムーズとなり、先端地山への複数軌跡での分散切削により、ブレード4への切削力負荷が分散出来、ブレード4の先端縁4Tの損傷も低減出来る。
【0015】
また、本発明杭1にあっては、各ブレード4は、側縁4Eの先端部Etを鋼管径d2内に配置するのが好ましい。
この場合、図2(C)に示す如く、各ブレード4の最外端を占める側縁先端部Etの回転径d4は鋼管径d2内であり、各ブレード4の側縁4Eが回転径d4から鋼管径d2へと連続しているため、杭1の外周の地山の切り崩しが殆ど無く、地山の杭に対する摩擦保持力を損なわない。
【0016】
また、本発明杭1にあっては、各ブレード4は、図2(C)に示す如く、側縁4Eの先端部Etが回転方向Rに傾斜しているのが好ましい。
この場合、側縁先端部Etへの傾斜形態付与は、ブレードの鋼管2からの成形加工の場合には、ブレード4の押圧成形時の型締めて形成しても良く、ブレード形成後に、曲げ加工によって形成しても良い。
勿論、ブレード4の鋳造加工の場合は、鋳型で設定出来る。
そして、ブレード側縁4Eの先端部Etが回転方向に湾曲しておれば、地山への切込み作用力が増大すると共に、ブレード側縁4Eも平坦形態より力学的に強度が増大する。
【0017】
また、本発明杭1にあっては、鋼管2表面の少なくとも先端部を凹凸3を備えた粗面とするのが好ましい。
杭1の回転貫入時には、杭本体の鋼管2表面は、地山からの大きな摩擦抵抗を受けるが、図1の如く、鋼管表面を散在する突起3群等によって凹凸粗面とすることにより、鋼管の地山に対する回転摩擦力が低減出来る。
この場合凹凸は、図1の如く、成形突起片3でも良く、鋼管表面に小片を付設固定しても良く、刃先の喰込みによって形成した切り起し小片でも良く、或いは鋼管の長手方向に形成した凹溝でも良く、突起の形状、配置も適宜選択決定すれば良く、鋼管表面が、回転貫入作用時に周面地山に対する摩擦力を低減する粗面となれば良い。
【0018】
そして、鋼管表面を突起片3で形成した場合は、杭周面の地山に対する若干の切削機能も奏し、杭1の回転貫入時の摩擦抵抗の低減効果が大となる。
また、杭1の貫入時の摩擦抵抗軽減の観点からは、杭本体としての鋼管2の全長に亘って表面を粗面とすることが有利であるが、地山への貫入時の回転摩擦力負荷の高い先端部が粗面であれば、実用上支障の無い程度に摩擦抵抗力が軽減出来る。
【0019】
また、本発明の杭1にあって、ブレード4が鋼管2の先端部を押圧成形したものである場合は、各ブレード4は、側縁4Eが内部に空間G4を備えた断面膨出形態であり、先端縁4Tが当接重合形態であるのが好ましい。
この場合、図3(C)に示す如く、側縁4Eが空間G4を備えた膨出形態であれば側縁4Eは全長に亘ってブレード4の補強リブ機能を奏し、しかも、先端縁4Tが当接形態、即ち鋼管板2´の重層形態であれば、切削土の杭本体(鋼管)内への侵入、及びブレード4の損傷が抑制出来、従って、強化されたブレード4を備えた杭1となり、地盤の支持層への根入れ貫入の容易な杭となる。
【0020】
また、本発明の鋼管杭1は、ブレード4部が鋳造品であり、鋼管2の先端にブレード4部を固着するのが好ましい。
この場合、各ブレード4に対する傾斜凹面Cの形成、凹凸条5の形成、ビット6の形成等、必要形状の付与は、鋳造型により形成容易であり、杭1の形成に際しては、ブレード部の鋼管2への溶接等による固着作業が必要とはなるものの、ブレード部及び鋼管は別体物として製作し、管理出来るため、杭1の製作管理が合理化出来る。
【0021】
【発明の実施の形態】
1本の鋼管2の先端部を成形加工してブレード4とすることにより、本発明鋼管杭1は形成出来る。
この場合、鋼管2として、肉厚5mm、径165.2mmで所定杭長の鋼管を用意し、鋼管先端からブレード形成長(標準:250mm)残して、先端部から挿入した内側押し型と外側受け型(図示せず)とで、ブレード部の上部1m前後の範囲の鋼管表面に、5mm程度の突出高さの突起3を散在配置する。
次いで、鋼管先端のブレード形成長部には、鋼管を回転させながら、表面に幅5mm、深さ2mmの凹条溝5を平行に切削配置する。
【0022】
次いで、ブレード形成長部には、等間隔に3方向から押し型(図示せず)を杭の軸芯O−O線に対してθ角(30°)傾斜配置し、押し型の押圧によって、図1に示す如き傾斜凹部Cをブレード4間に備えた3枚のブレード4を鋼管先端に形成する。
押し型での成形時には、ブレード側縁4Eが断面膨出型で内部に空間G4が存在する形態に、且つ、各ブレード先端縁4Tが鋼管板2´の当接重合形態に、押し型を型締めする。
【0023】
次いで、各ブレード4には、図3(C)に示す如く、長さ20mm前後のスリットSを先端から切り込む。
尚、各スリットSは、杭中心Oからそれぞれ異なる寸法で配置する。
次いで、ブレード4のスリットS上を、図3(C)の矢印Fの如く押圧してスリットSの両側の小片Pを矢印fの如く下方にV型に開き、ビット6(図3(B))を形成する。
この場合、ビット(切削片)6の突出方向は杭1の回転方向とする。
また、各ブレード4の側縁4Eの先端部Etは、工具(図示せず)を用いて図3(C)の矢印Fの曲げ作用を付加し、図3(B)の如く、杭の回転方向に湾曲加工する。
【0024】
以上のとおり、鋼管杭としての汎用の鋼管を用意し、それ自体は慣用の、各機械加工手段を用いてプレス成形での鋼管表面への突起3群の散在形成、回転切削によるブレード形成部への条溝5の形成、押圧型成形による傾斜凹部Cを備えた3枚ブレード4の形成、スリットSの切込み及びスリットS部の押圧による切削片(ビット)6の形成、ブレード先端部Etの曲げ加工が容易に形成出来、本発明の杭1が1本の鋼管の機械加工により得られる。
【0025】
上記実施の態様で得られる回転貫入鋼管杭1にあっては、従来の埋設基礎杭同様に、回転貫入して基礎杭打ちをすれば、各ブレード4が回転方向に30°で傾斜しているため、杭の回転力が押し込み力(掘進力)に転化し、十分な回転力さえ付与すれば小さな押圧力によっても強大な掘進貫入力を発揮し、硬質地層等、杭打ち条件の悪い土地での杭打ちも可能となる。
【0026】
また、回転方向への傾斜凹部Cの存在により、ブレード4間の切削土も杭の回転作用によってスムーズに上方への排出が可能である。
しかも、各ブレード4の表面には多数の平行な条溝5が排土方向(凹部Cの傾斜方向)と交差する形態で存在するため、傾斜凹部C、即ちブレード表面が排土に対して凹凸粗面を形成し、排土とブレード表面との面摩擦力が低減して、排土のスムーズな排出が可能となり、粘性土もブレード表面に付着せずに排出可能となる。
【0027】
また、杭1の最先端位置をブレード側縁4Eの先端部Etが占めており、先端部Etに苛酷な掘進抵抗が作用するが、側縁4Eが空間G4を有する断面膨出形であるため、側縁4Eが補強リブ機能を奏してブレード4の切削作用及び強度を十分に発揮する。
しかも、側縁先端部Etが回転方向に湾曲しているため、先端部Etが力学的に強化されると共に、地山への喰い込み作用も大となり、ブレード4の回転掘進、及び切削土の掻き上げがスムーズとなる。
【0028】
また、各ブレード4は、杭中心Oから異なる寸法位置に、それぞれビット(切削片)6を回転方向に突出しているため、図3(B)に示す如く、各ブレードの切削片6がそれぞれa1,a2,a3の円軌跡で地山に作用して掘進し、地山に当接回転する各ブレード先端縁4Tでの切削力を助長し、しかも、先端縁4Tでは鋼管板2´の当接重合形態であるため、ブレード4内への切削土の侵入による鋼管板2´相互の拡開離反、及びブレードの拡開による強度低下が抑制出来る。
【0029】
また、鋼管の先端部、即ちブレード4近傍の上部は1m長に亘って鋼管表面に多数の突起3が散在するため、杭1の回転によって突起3群は、杭周面地山の切削機能、及び杭周面と地山との摩擦低減機能を奏し、杭1の粘土層への貫入、及び支持層への貫入も、軽減された摩擦抵抗の下にスムーズに回転貫入出来、支持層への50cm〜1m程度の根入れも容易となる。
従って、本実施態様で得られる杭1は、押圧力の弱い小型機械であっても、回転力さえ十分であれば、地盤の支持層への0.5〜1m程度の根入れが可能となり、極めて実用性の高い杭である。
【0030】
〔その他〕
鋼管2の周面の凹凸(突起)3は、先端の鋭く尖った鑽(たがね)の鋼管表面への斜め打込みによって鋼管表面にめくれ上り片(図示せず)の凹凸を形成しても、実施態様例の突起3と同効機能が得られる。
また、ブレード先端縁4Tへの切削片6の付与は、先端縁4TにVカット(図示せず)を入れてVカットの両端の角部を含むエッジを切削片としても良く、ブレード先端縁4TのVカットは地山に対する切削機能を奏する。
【0031】
また、ブレード側縁4Eの先端部Etへの湾曲形態付与は、ブレード4成形金型を適切な形状として、傾斜凹部Cの形成と同時に実施しても良い。
勿論、先端部Etを湾曲形態とせずとも、ブレード側縁4Eが断面膨出形状でブレード4の補強リブ機能を奏すれば、ブレード4は回転貫入杭としての実用に耐えられる。
【0032】
尚、実施態様例では、ブレード4と鋼管2との一体化された杭1を、1本の鋼管の成形加工で製作したが、杭先端部としてのブレード4を鋳造製作し、鋼管端部に慣用の溶接手段で一体化固定しても良い。
この場合は、鋳型によって所望のブレード形状が得られるため、ブレード4に対する切削片6の付与、凹凸条5の付与、側縁4Eの先端部Etへの湾曲形態付与が容易である。
そして、杭1の形成は、必要時に対応するブレード体と鋼管とを接続固定すれば良く、ブレード4と鋼管2とが別体製品であるため、回転貫入鋼管杭1の製作管理が合理化出来る。
また、実施態様例では、ブレード4を3枚で形成したが、ブレード数は、本発明の設計変更の範囲内であり、ブレード4が先端から鋼管へと厚みを増して連続する形態であるので、2枚のブレードですら、ブレード4間への傾斜凹面の形成は可能である。
【0033】
【発明の効果】
本発明の杭1は、鋼管先端の複数枚のブレード4が回転方向に傾斜しているため、杭の回転力が押圧力、即ち掘進力に転化出来、杭に強力な回転力さえ付与出来れば、押圧力の弱い小型機械であっても、地盤支持層への根入れが可能である。
また、各ブレード4間には回転方向に傾斜した傾斜凹部Cが存在するため、ブレード4による切削排土は、ブレード4の先端から鋼管へと厚みの増大するスロープ形状と凹部の傾斜形態とが相俟ってスムーズに排出可能である。
しかも、各ブレード表面には、傾斜凹面Cの傾斜方向と交差配置した凹凸条5群を備えているため、ブレード面と排出土との摩擦が軽減出来、粘性土の切削排出もスムーズに実施出来る。
【0034】
また、本発明の杭1は、鋼管先端の複数枚のブレード4が回転方向に傾斜し、各ブレード4内には傾斜凹部を備えると共に、各ブレード先端縁4Tに切削片6を備えているため、各ブレード4には、回転力による土中への掘進作用と共に、切削片6による切削力も付 加され、ブレード4の掘進作用が増大する。
また、各ブレード4の側縁先端部Etを鋼管径d2内に配置することによって、ブレード4の地山先端切削作用が鋼管径d2内と出来、杭1の外周部の切り崩しが阻止出来、杭1の地盤支持力の低下が抑制出来る。
従って、本発明の杭1は、5t〜10tクラスの小型杭打機でも、粘性土や、硬い地盤が途中にあったり、転石等がある土質に対しても支持層に到達し、0.5〜1m位の根入れが可能となり、本発明は、実用性の高い回転貫入鋼管杭の提供を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明鋼管杭の概略斜視図である。
【図2】 本発明杭のブレードの図であって、(A)は斜視図、(B)は側面図、(C)は頂面図である。
【図3】 本発明杭のブレードの図であって、(A)は切削土排出説明図、(B)は切削片6の配置説明図、(C)は切削片6の形成説明図である。
【図4】 従来例1の説明図である。
【図5】 従来例2の説明図であって、(A)は要部斜視図、(B)は頂面図である。
【符号の説明】
1:鋼管杭、 2:鋼管、 2´:鋼管板、
3:凹凸(突起)、 4:ブレード、 5:凹凸条(条溝、凹溝)、
6:切削片(ビット)、 4S:ブレード表面、
4E:ブレード側縁(側縁)、 4T:ブレード先端縁(先端縁)、
C:傾斜凹面(傾斜谷面)、 Et:先端部(側縁先端部)、
G4:空間
Claims (9)
- 鋼管(2)の先端に複数枚のブレード(4)を備えた杭(1)であって、各ブレード(4)は回転方向(R)に傾斜して先端から鋼管(2)へと厚みを増して連続し、各ブレード(4)間には回転方向に傾斜する傾斜凹面(C)を形成すると共に、各ブレード表面(4S)に傾斜凹面(C)の傾斜方向と交差する凹凸条(5)群を形成した回転貫入鋼管杭。
- 凹凸条(5)群が、杭(1)の進行方向に直交する凹条溝(5)群の平行配置である、請求項1の鋼管杭。
- 鋼管(2)の先端に複数枚のブレード(4)を備えた杭(1)であって、各ブレード(4)は回転方向(R)に傾斜して先端から鋼管(2)へと厚みを増して連続し、各ブレード(4)間には回転方向に傾斜する傾斜凹面(C)を形成すると共に、各ブレード先端縁(4T)に切削片(6)を形成した回転貫入鋼管杭。
- 各切削片(6)が杭中心(O)から不等間隔である請求項3の鋼管杭。
- 各ブレード(4)は側縁(4E)の先端部(Et)を、鋼管径(d2)内に配置した請求項1乃至4のいずれか1項の鋼管杭。
- 各ブレード(4)は、側縁(4E)の先端部(Et)が回転方向(R)に傾斜している請求項1乃至5のいずれか1項の鋼管杭。
- 鋼管(2)表面の少なくとも先端部を凹凸(3)粗面とした請求項1乃至6のいずれか1項の鋼管杭。
- ブレード(4)が鋼管(2)の先端部を押圧成形したものであり、各ブレードは、側縁(4E)が内部に空間(G4)を備えた断面膨出形態であり、先端縁(4T)が当接重合形態である請求項1乃至7のいずれか1項の鋼管杭。
- ブレード(4)部が鋳造品であり、鋼管(2)の先端にブレード(4)部を固着した請求項1乃至7のいずれか1項の鋼管杭。
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