JP3750297B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、像担持体の周辺に帯電手段、画像書込手段と現像手段を配置して像担持体に形成されたトナー像を転写材上に転写、定着する複写機、プリンタ、FAX等の電子写真方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、両面画像形成においては、像担持体上に形成した一方の面の画像を転写材上に転写、定着し、これを一旦両面反転給紙装置に収納し、再び像担持体上に形成された画像とタイミングを合わせて両面反転給紙装置より転写材を給送し、転写材上に他方の面の画像を転写、定着する方法がとられている。
【0003】
この両面画像形成装置では、上記の如く、両面反転給紙装置への給送や定着装置を2度通す等の転写材の搬送が行われるので、転写材搬送の信頼性が低く、ジャムや転写材のしわ等を引き起こす原因となっていた。
【0004】
これに対し、特公昭49−37538号公報、特公昭54−28740号公報、特開平1−44457号公報や特開平4−214576号公報等により転写材の両面にトナー像を形成後、1回で定着を行うものが提案され、特に特開平1−44457号公報や特開平4−214576号公報等には、像担持体、帯電手段、画像書込手段、現像手段等よりなる像形成手段を複数組トナー像受像体上に並列に配置し、両面カラー画像を形成する方法が提案されている。
【0005】
また、本願発明者らは、第1の像担持手段(感光体ドラム)の周りに帯電手段、画像書込手段、現像手段等よりなるトナー像形成手段を複数組配置し、感光体ドラム上に形成した重ね合わせカラートナー像を一旦第1の転写手段により第2の像担持手段(トナー像受像体)に一括して転写した後、再度感光体ドラム上に重ね合わせカラートナー像を形成し、感光体ドラム上のトナー像及びトナー像受像体上のトナー像とタイミングを合わせて供給される転写材を転写材帯電手段により帯電してトナー像受像体に吸着させ、トナー像受像体上を搬送される転写材の両面にそれぞれ、感光体ドラム上のトナー像を表面画像として第1の転写手段により転写し、またトナー像受像体上のトナー像を裏面画像として第2の転写手段により転写した後、定着手段側に設けられトナー像受像体を張架するローラ部材の曲率分離、或いは必要に応じて設けられる転写材分離手段の除電によりトナー像受像体から転写材を分離し、転写材上のトナー像を定着手段により定着して両面カラー画像を形成する画像形成装置を作製し、該装置を用いて両面画像形成(転写材の両面に画像形成を行う)や表面画像のみの片面画像形成(転写材の表面のみに画像形成を行う)や裏面画像のみの片面画像形成(転写材の裏面のみに画像形成を行う)等を検討している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の検討において、転写材に両面画像を転写した後、トナー像受像体から分離した転写材を直接定着手段に搬送するような構造をとると、定着手段の熱によるトナー像受像体の変形及び劣化等の問題が起こる。そこで、トナー像受像体と定着手段との間に拍車を有する搬送部を設け、トナー像受像体より分離された転写材を搬送部の拍車を介して定着手段へと搬送するようにしているが、拍車がトナー像受像体から遠いか、トナー像受像体の転写材搬送面に対して高すぎると、転写材が自重により拍車手前で落ちてしまい、逆にトナー像受像体に近すぎるか、トナー像受像体の転写材搬送面に対して低すぎると、転写材が拍車に接触せずトナー像受像体より分離される両面に未定着のトナー像を有する転写材が安定して定着手段へ搬送されず、トナー像が乱されるという問題が生じる。
【0007】
本発明は上記の問題点を解決し、トナー像受像体より分離される転写材が安定して定着手段へ搬送される画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、トナー像形成手段により形成されたトナー像を担持する第1の像担持手段と、前記第1の像担持手段に担持されたトナー像が転写され、転写された該トナー像を担持するベルト状の第2の像担持手段と、前記第1の像担持手段に担持されたトナー像を前記第2の像担持手段および転写材の表面に転写する第1の転写手段と、前記第2の像担持手段に担持されたトナー像を前記転写材の裏面に転写する第2の転写手段と、前記第2の像担持手段により搬送される転写材を当該第2の像担持手段から分離させる転写材分離手段と、前記転写材の両面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、前記第2の像担持手段と前記定着手段との間に設けた搬送部と、を有し、前記第1の像担持手段に担持されたトナー像と第2の像担持手段に担持されたトナー像との同期がとられて転写域に給送される転写材に対して、前記第1の転写手段と前記第2の転写手段とによって前記両トナー像を転写せしめるとともに、前記転写材を、前記第2の像担持手段により搬送し、前記第2の像担持手段より分離した後、前記搬送部を介して前記定着手段に導く構成の画像形成装置であって、前記搬送部は、搬送ガイド部材と、当該搬送ガイド部材に回転可能に保持された拍車とを含み、かつ、前記第2の像担持手段の転写材搬送面の延長面の前記転写材の裏面側に配置し、更に、前記第2の像担持手段を張架する前記定着手段側のローラ部材の半径をR1としたとき、当該ローラ部材に最も近い拍車の上端を、前記転写材搬送面の延長面より(0.1〜0.5)×R1離して設けたことを特徴とする画像形成装置によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を説明する。本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではなく、以下における断定的な説明はベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。なお以下の実施形態の説明において、転写域において第1の像担持手段に対向する側の転写材の面を表面、転写材の他方の側の面すなわち第2の像担持手段に対向する側の転写材の面を裏面といい、転写材の表面に転写される画像を表面画像、転写材の裏面に転写される画像を裏面画像という。
【0010】
本発明にかかわる画像形成装置の一実施形態の画像形成プロセス、各機構について、図1ないし図3を用いて説明する。図1は、本発明にかかわる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図2は、図1の第1の像担持手段の側断面図であり、図3は、本発明にかかわる画像形成装置の両面のトナー像形成状態を示す図であり、図3(A)は、第1の像担持手段に形成したトナー像を第2の像担持手段上に転写し裏面画像を形成する図であり、図3(B)は、第2の像担持手段上の裏面画像と同期して第1の像担持手段に表面画像を形成する図であり、図3(C)は、転写材上への両面画像形成を示す図である。
【0011】
図1において、10は第1の像担持手段である感光体ドラム、11は各色毎の帯電手段であるスコロトロン帯電器、12は各色毎の画像書込手段である露光光学系、13は各色毎の現像手段である現像器、14aは第2の像担持手段であるトナー像受像体、14cは第1の転写手段である転写器、14gは第2の転写手段である裏面転写器、150は転写材帯電手段である紙帯電器、14hは転写材分離手段である紙分離AC除電器、160は拍車162を有する搬送部、17は定着手段である定着装置である。
【0012】
第1の像担持手段である感光体ドラム10は、例えば、光学ガラスや透明アクリル樹脂等の透明部材によって形成される円筒状の基体の外周に、透明の導電層、a−Si層あるいは有機感光層(OPC)等の感光層を形成したものであり、導電層を接地した状態で図1の矢印で示す時計方向に回転される。
【0013】
感光体ドラム10は、図2に示すように、それを係合固定する両端部のフランジ部材10a及び10bに嵌込まれたベアリングB1,B2により装置本体に架設固定されるドラム軸30に対し軸受けされて回転自在に支持され、フランジ部材10bの一体とする歯車Gが装置本体側の不図示の駆動歯車と噛合して駆動されることにより所定の方向に定速で回転される。
【0014】
各色毎の帯電手段であるスコロトロン帯電器11、各色毎の画像書込手段である露光光学系12及び各色毎の現像手段である現像器13は、これらを1組として、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)および黒色(K)の各色の画像形成プロセス用として4組設けられ、図1の矢印にて示す感光体ドラム10の回転方向に対して、Y、M、C、Kの順に配置される。
【0015】
各色毎の帯電手段であるスコロトロン帯電器11は、それぞれ所定の電位に保持された制御グリッドと例えば鋸歯状電極からなる放電電極11aとを有し、感光体ドラム10の感光層と対峙して取付けられ、トナーと同極性のコロナ放電によって帯電作用(本実施形態においてはマイナス帯電)を行い、感光体ドラム10に対し一様な電位を与える。放電電極11aとしては、その他ワイヤ電極や針状電極を用いることも可能である。
【0016】
各色毎の画像書込手段である露光光学系12は、感光体ドラム10上での露光位置が、前述した各色毎のスコロトロン帯電器11に対して感光体ドラム10の回転方向下流側に位置するようにして感光体ドラム10の内部に配置される。図2に示すように、それぞれの露光光学系12は、ドラム軸30と平行に主走査方向に配列された像露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を複数個アレイ状に並べた線状の露光素子12aと、結像素子としての光集束性光伝送体(商品名:セルフォックレンズアレイ)12bと、レンズホルダ12cとで構成される露光用ユニットであり、保持部材20に取付けられる。保持部材20には各色毎の露光光学系12の他に転写同時露光器12d及び一様露光器12eが取付けられ、一体となって感光体ドラム10の透光性の基体内部に収容される。各色毎の露光光学系12は、別体の画像読み取り装置によって読み取られメモリに記憶された各色の画像データに従って感光体ドラム10の感光層を裏面から像露光し、感光体ドラム10上に静電潜像を形成する。露光素子12aとしては、その他FL(蛍光体発光),EL(エレクトロルミネッセンス),PL(プラズマ放電)等の複数の発光素子をアレイ状に並べたものを用いることも可能である。像露光光発光素子の発光波長は、通常Y,M,Cのトナーに対して透過性の高い780〜900nmの範囲のものが用いられるが、本実施形態においては裏面から像露光を行う方式であるためカラートナーに対して透過性を十分に有しないこれより短い400〜780nmの波長でもよい。なお図2において、WAは像露光手段の発光素子(LED)よりのリード線である。
【0017】
各色毎の現像手段である現像器13は、感光体ドラム10の周面に対し所定の間隙を保ち、感光体ドラム10の回転方向と順方向に回転する例えば厚み0.5〜1mm、外径15〜25mmの円筒状の非磁性のステンレスあるいはアルミ材で形成された現像スリーブ131と、現像ケーシング138を有し、内部にイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)および黒色(K)の一成分或いは二成分現像剤を収容している。それぞれの現像器13は不図示の突き当てコロにより感光体ドラム10と所定の間隙、例えば100〜500μmをあけて非接触に保たれており、現像スリーブ131に対して直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアスを印加することにより、非接触の反転現像を行い、感光体ドラム10上にトナー像を形成する。
【0018】
第2の像担持手段であるトナー像受像体14aは体積抵抗率1012〜1015Ω・cmの無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した、厚さ0.1〜1.0mmの半導電性フィルム基体の外側に、好ましくはトナーフィルミング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行った、2層構成のシームレスベルトである。ベルトの基体としては、この他に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.1〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもできる。トナー像受像体14aは、ローラ部材である駆動ローラ14dと従動ローラ14eとガイドローラ14fとテンションローラ14iとに内接して張架され、図1の矢印で示す反時計方向に回転される。トナー像受像体14aの回転方向に従い従動ローラ14e、駆動ローラ14d、テンションローラ14i、ガイドローラ14fの順に設けられ、従動ローラ14e、駆動ローラ14d及びガイドローラ14fは固定して回転され、テンションローラ14iはトナー像受像体14aの不図示のバネ等の弾力によりトナー像受像体14aを張架して回転される。駆動モータM1(図4参照)よりの駆動をうけて駆動ローラ14dが回転され、トナー像受像体14aが駆動回転される。トナー像受像体14aの回転により従動ローラ14e、ガイドローラ14f及びテンションローラ14iが従動回転される。回転中のトナー像受像体14aのベルト弛みがテンションローラ14iにより緊張される。
【0019】
好ましくはコロナ放電器により構成される第1の転写手段である転写器14cは、トナー像受像体14aを挟んで感光体ドラム10に対向して設けられ、トナー像受像体14aと感光体ドラム10との間に転写域14bを形成する。転写器14cにはトナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の直流電圧を印加し、転写域14bに転写電界を形成することにより、感光体ドラム10上のトナー像をトナー像受像体14a上または転写材である記録紙Pの表面に転写する。
【0020】
好ましくはコロナ放電器により構成される第2の転写手段である裏面転写器14gは、トナー像受像体14aを挟んで接地された導電性の駆動ローラ14dに対向して設けられ、トナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の直流電圧が印加され、トナー像受像体14a上のトナー像を記録紙Pの裏面に転写する。
【0021】
好ましくはコロナ放電器により構成される転写材帯電手段である紙帯電器150は、トナー像受像体14aを挟んで接地された従動ローラ14eと対向して設けられ、記録紙Pを帯電してトナー像受像体14aに吸着させる。
【0022】
好ましくはコロナ放電器により構成される転写材分離手段である紙分離AC除電器14hは、必要に応じてトナー像受像体14aの定着装置17側端部にトナー像受像体14aを挟んで接地された導電性の駆動ローラ14dに対向して設けられ、必要に応じてトナーと同極性または逆極性の直流電圧を重畳した交流電圧が印加され、トナー像受像体14aにより搬送される記録紙Pを除電してトナー像受像体14aから記録紙Pを分離する。
【0023】
搬送部160はトナー像受像体14aと定着装置17との間に設けられ、搬送部160の上面には拍車162が設けられる。拍車162は、記録紙Pがトナー像受像体14aより分離される際にトナー像受像体14a方向へ曲がって搬送されようとする記録紙Pをすくい上げるとともに、裏面にトナー像を有する記録紙Pを裏面トナー像の乱れを防止しながら定着装置17へと搬送する。
【0024】
定着手段である定着装置17は、内部にヒータを有する定着ローラ17aと圧着ローラ17bとの2本のローラ状の定着部材で構成され、定着ローラ17aと圧着ローラ17bとの間のニップ部Tで熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のトナー像を定着する。
【0025】
次に画像形成プロセスを説明する。
【0026】
画像記録のスタートにより不図示の感光体駆動モータの始動により感光体ドラム10が図1の矢印で示す時計方向へ回転され、同時にイエロー(Y)のスコロトロン帯電器11の帯電作用により感光体ドラム10に電位の付与が開始される。
【0027】
感光体ドラム10は電位を付与されたあと、Yの露光光学系12によって第1の色信号すなわちYの画像データに対応する電気信号による画像書込が開始され、感光体ドラム10の表面に原稿画像のYの画像に対応する静電潜像を形成される。
【0028】
前記の潜像はYの現像器13により非接触の状態で反転現像され、感光体ドラム10上にイエロー(Y)のトナー像が形成される。
【0029】
次いで感光体ドラム10は、Yのトナー像の上からマゼンタ(M)のスコロトロン帯電器11の帯電作用により電位が付与され、Mの露光光学系12によって第2の色信号すなわちMの画像データに対応する電気信号による画像書込が行われ、Mの現像器13による非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わせて形成される。
【0030】
同様のプロセスにより、シアン(C)のスコロトロン帯電器11、Cの露光光学系12およびCの現像器13によってさらに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像が重ね合わせて形成され、更にその上に黒色(K)のスコロトロン帯電器11、Kの露光光学系12およびKの現像器13によって第4の色信号に対応する黒色(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体ドラム10の一回転以内にその周面上にイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)および黒色(K)の4色の重ね合わせカラートナー像が形成される(トナー像形成手段)。
【0031】
これらY,M,C及びKの露光光学系12による感光体ドラム10の感光層に対する画像書込はドラムの内部より前述した透光性の基体を通して行われる。従って第2,第3および第4の色信号に対応する画像の書込は何れも先に形成されたトナー像の影響を全く受けることなく行われ、第1の色信号に対応する画像と同等の静電潜像を形成することが可能となる。
【0032】
上記の画像形成プロセスによって第1の像担持手段である感光体ドラム10上に形成された裏面画像となる重ね合わせカラートナー像は、転写域14bにおいて、第1の転写手段である転写器14cによって、第2の像担持手段であるトナー像受像体14a上に一括して転写される(図3(A))。この際、良好な転写がなされるように、感光体ドラム10の内部に設けた転写同時露光器12dによる一様露光が行われるようにしてもよい。
【0033】
転写後の感光体ドラム10の周面上に残ったトナーは感光体ドラムAC除電器16により除電を受けた後、第1の像担持手段クリーニング手段であるクリーニング装置19にいたり、感光体ドラム10に当接したゴム材から成るクリーニングブレード19aによってクリーニングされ、スクリュウ19bによって図示せぬ排トナー容器に回収される。また、感光体ドラム10の周面は、例えば発光ダイオードを用いた帯電前の一様露光器12eによる露光によって先の画像形成における感光体ドラム10の履歴が解消される。
【0034】
以上のようにしてトナー像受像体14a上に裏面画像となる重ね合わせカラートナー像が形成された後、引続き表面画像となる重ね合わせカラートナー像が上記のカラー画像形成プロセスと同様にして感光体ドラム10上に形成される(図3(B))。この際、感光体ドラム10上に形成される表面画像は、前記感光体ドラム10上に形成した裏面画像に対して鏡像となるように画像データが変更される。
【0035】
感光体ドラム10上への表面画像形成にともなって転写材である記録紙Pが転写材収納手段である給紙カセット15より、送り出しローラ15aにより送り出され、転写材給送手段としてのタイミングローラ15bへ搬送され、タイミングローラ15bの駆動によって、感光体ドラム10上に担持された表面画像のカラートナー像と、トナー像受像体14aに担持されている裏面画像のカラートナー像との同期がとられて転写域14bへ給送される。この際、給送される記録紙Pの表面側に設けられトナーと同極性(本実施形態においてはマイナス極性)の直流電圧が印加される紙帯電器150により、記録紙Pがトナーと同極性に紙帯電され、トナー像受像体14aに吸着されて転写域14bへ給送される。トナーと同極性に紙帯電を行うことにより、トナー像受像体14a上のトナー像や感光体ドラム10上のトナー像と引き合うことを防止して、トナー像の乱れを防止している。なお、後述する紙帯電器150を第2の像担持手段帯電手段として用いる場合を除き、転写材帯電手段である紙帯電器150への電圧の印加は、通常記録紙Pの送られているときのみであり、記録紙Pの通過と同時に紙帯電器150へ印加されている電圧が切断される。紙帯電器150としてはコロナ放電器の他に、紙帯電ブラシや紙帯電ローラ等を用いることも可能である。
【0036】
転写域14bではトナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の電圧が印加される第1の転写手段としての転写器14cによって感光体ドラム10上の表面画像が一括して記録紙Pの表面に転写される。このとき、トナー像受像体14a上の裏面画像は記録紙Pに転写されないでトナー像受像体14a上に存在する。転写器14cによる転写の際、良好な転写がなされるように、転写域14bと対向して感光体ドラム10の内部に設けられた、例えば発光ダイオードを用いた転写同時露光器12dによる一様露光が行われるようにしてもよい。
【0037】
表面にカラートナー像が転写された記録紙Pは、トナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の電圧が印加される第2の転写手段としての裏面転写器14gへと搬送され、裏面転写器14gによりトナー像受像体14aの周面上の裏面画像が一括して記録紙Pの裏面に転写される(図3(C))。
【0038】
両面にカラートナー像が形成された記録紙Pは、トナー像受像体14aを駆動する駆動ローラ14dの曲率と、トナー像受像体14aの端部に必要に応じて設けられる転写材分離手段としての紙分離AC除電器14hの除電作用とにより、トナー像受像体14aから分離され、拍車162が設けられた搬送部160を通して定着手段としての定着装置17へと搬送され、定着ローラ17aと圧着ローラ17bとの間のニップ部Tで熱と圧力とを加えられることにより記録紙P上のトナー像が定着される。両面画像記録がなされた記録紙Pは表裏を反転されて送られ、排紙ローラ18により装置外部のトレイへ排出される。また図1の一点鎖線で示すように、定着装置17の出口に不図示の切替部材を設け装置外部のトレイへ排出するようにしてもよい。
【0039】
転写後のトナー像受像体14aの周面上に残ったトナーは、トナー像受像体14aを挟んでガイドローラ14fに対向して設けられ、支軸142を回転支点としてトナー像受像体14aに当接及び当接解除可能なトナー像受像体クリーニングブレード141を有する第2の像担持手段クリーニング手段であるトナー像受像体クリーニング装置140によりクリーニングされる。
【0040】
また、転写後の感光体ドラム10の周面上に残ったトナーは、感光体ドラムAC除電器16により除電を受けた後、クリーニング装置19により残留トナーを除去され、帯電前の一様露光器12eにより先の画像形成における感光体ドラム10の履歴が解消されて、次の画像形成サイクルにはいる。
【0041】
上記の方法を用いることにより、重ね合わせカラートナー像を一括転写するので、トナー像受像体14a上のカラー画像の色ズレやトナーの散りやこすれ等が起こりにくく、画像劣化が少ない良好な両面カラー画像形成がなされる。
【0042】
また、上記両面画像形成装置の実施形態としてカラー画像形成装置にて説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものでなく、図1にて説明したと同様のプロセスによるモノクロの両面画像形成装置にも適用されるものである。
【0043】
さらに、本発明の画像形成装置では、上述の実施形態で説明したような転写材の両面に画像を形成する両面画像形成の外に、転写材の表面または裏面のみの片側に画像を形成する片側画像形成もなされ得ることは勿論である。
【0044】
本発明にかかわる拍車及び拍車を有する搬送部について図4ないし図6、及び図1を用いて説明する。図4は、搬送部を示す図であり、図5は、搬送部に設けられる拍車の斜視図であり、図6は、拍車の拡大図である。
【0045】
駆動モータM1により駆動回転されるローラ部材である駆動ローラ14dにより移動されるトナー像受像体14aにより表面画像のトナー像と裏面画像のトナー像とが形成された記録紙Pが搬送されるが、トナー像受像体14aの転写材搬送面或いはその延長面PL1(以降転写材搬送面PL1という;図7参照)より記録紙Pの裏面側に、拍車162が設けられた搬送部160がトナー像受像体14aと定着装置17との間に配設され、トナー像受像体14aより分離された記録紙Pが搬送部160を通して上下に定着ローラ17a、圧着ローラ17bが設けられた定着装置17に搬送される。
【0046】
拍車162に一体的に設けられた中心軸162aが搬送ガイド部材163のガイド面163aと反対側の半円状の止め部163bの孔に挿入され、中心軸162aの先端部をEリングEで止められて、拍車162が回転可能に搬送ガイド部材163に取付けられる。拍車162が取付けられた複数の搬送ガイド部材163が搬送部筺体161に取付けられ搬送部160が構成される。
【0047】
記録紙Pの搬送方向と直交する方向に複数個の拍車162が拍車の組H1,H2として設けられる。拍車の組は少なくとも1組以上設けられる。
【0048】
搬送ガイド部材163のガイド面163aは拍車162の回転中心よりも転写材搬送面側に設けられる。これによりトナー像受像体14aより分離された記録紙Pの先端部がガイド面163aに接した場合にもガイド面163aによりすくい上げられ拍車162に送られ、拍車162の突出部162bが記録紙Pに接触或いは突刺さる状態で拍車162が従動回転され、トナー像が擦られずに記録紙Pが定着装置17へと搬送される。
【0049】
拍車162は、ステンレス板や銅板等の金属板をエッチング加工した厚さ0.05〜0.5mm、外径5〜25mm(後述するように駆動ローラ14dの半径をR1mmとするとき、好ましくは(0.2〜1.0)×R1)のものや、厚さ0.5〜2.0mm、外径5〜25mm(後述するように駆動ローラ14dの半径をR1mmとするとき、好ましくは(0.2〜1.0)×R1)の絶縁性樹脂部材によるものが用いられ、先端に鋭利な突出部162bを設けた多角形、例えば六角形状の板状の部材よりなる。拍車162が金属板の場合は、108〜1014Ωの抵抗体を介して接地されることが好ましい。拍車152が金属板を通し、高抵抗体を介して或いは高抵抗部材を用いて接地されるのは、トナーや転写材が荷電を有しており、拍車152の電荷蓄積や鏡像力によるトナー付着を除電により防止し、トナー像の乱れを防ぐためである。同様の状態を金属板をフローティングして絶縁状態としてトナー付着を防止し、トナー像の乱れを防ぐことも可能である。また、金属板にトナーと同極性(本実施形態においてはマイナス極性)の電圧を印加しトナー付着を防止し、トナー像の乱れを防ぐことも可能である。拍車162に絶縁性樹脂部材等の絶縁性部材を用いることにより、上記のフローティングと同様に拍車152の電荷蓄積や鏡像力によるトナー付着を除電により防止し、トナー像の乱れを防ぐことが可能となる。
【0050】
拍車の位置関係について図7及び図6を用いて説明する。図7は、拍車と駆動ローラとの位置関係を示す図である。
【0051】
第2の像担持手段であるトナー像受像体14aを張架、駆動するローラ部材である駆動ローラ14dとしては、一般的に駆動ローラ14dの半径をR1(mm)とすると、半径5〜20mm(外径10〜40mm)のものが用いられてトナー像受像体14aが搬送されるが、駆動ローラ14dに最も近い組の拍車162の中心位置と駆動ローラ14dの中心位置との距離L1は10〜40mmとすることが好ましい。距離L1が40mmを越え、拍車14dがトナー像受像体14aから遠いと、記録紙Pが自重により拍車手前で落ちてしまい、逆に距離L1が10mm未満でトナー像受像体14aに近すぎると、記録紙Pが拍車162に接触せず搬送性が良くない。
【0052】
更に、駆動ローラ14dに最も近い組の拍車162の突出部162bとトナー像受像体14aの転写材搬送面PL1との距離L2(mm)は(0.1〜0.5)×R1とすることが好ましい。距離L2が0.1×R1未満で、拍車162が転写材搬送面PL1に対して高すぎると、記録紙Pが自重により拍車手前で落ちてしまい、逆に距離L2が0.5×R1位を越え、拍車162が転写材搬送面PL1に対して低すぎると、記録紙Pが拍車162に接触せず搬送性が良くなくい。駆動ローラ14dのローラ径が大きいほど分離性が悪くなるので、拍車162を下方に設置する必要がある。
【0053】
また、拍車162の突出部162bで形成される円の半径をR2(mm)とすると、半径R2は(0.2〜1.0)×R1とすることが好ましい。半径R2が1.0×R1を越え大きすぎると、駆動ローラ14dに近づけられず、半径R2が0.2×R1未満で小さすぎると、記録紙Pの搬送経路のわずかな変化にも対応できなくなってしまう。
【0054】
転写材を第2の像担持手段よる分離する分離爪について図8に示す。図8は、拍車と分離爪とを一体に設けたものを示す図である。
【0055】
図8に示すように、前述した拍車162で駆動ローラ14dに最も近い組の拍車162と一体に記録紙Pをトナー像受像体14aより分離する分離爪210を設ける。分離爪210には例えばテフロン、ポリイミド等の離型性や耐擦性の良い樹脂やポリカーボネイト樹脂等を使用した樹脂成型部材が用いられる。拍車162を分離爪210と一体にして設けると、記録紙Pが分離爪210により剥離された後、記録紙Pが直ぐに分離爪210より離れて拍車162により案内されるため、記録紙P上の裏面画像のトナー像の乱れや分離爪210の汚れが起こりにくい。また、省スペース化も図れる。
【0056】
【発明の効果】
請求項1ないし4によれば、第2の像担持手段より分離される両面に未定着のトナー像を有する転写材が、トナー像を乱されることなく安定して定着手段へ搬送される。
【0057】
請求項5ないし7によれば、裏面トナーの付着による拍車の汚れが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【図2】図1の第1の像担持手段の側断面図である。
【図3】本発明にかかわる画像形成装置の両面のトナー像形成状態を示す図である。
【図4】搬送部を示す図である。
【図5】搬送部に設けられる拍車の斜視図である。
【図6】拍車の拡大図である。
【図7】拍車と駆動ローラとの位置関係を示す図である。
【図8】拍車と分離爪とを一体に設けたものを示す図である。
【符号の説明】
10 感光体ドラム
11 スコロトロン帯電器
12 露光光学系
13 現像器
14a トナー像受像体
14c 転写器
14d 駆動ローラ
14g 裏面転写器
17 定着装置
160 搬送部
162 拍車
162b 突出部
210 分離爪
P 記録紙
PL1 転写材搬送面
Claims (6)
- トナー像形成手段により形成されたトナー像を担持する第1の像担持手段と、
前記第1の像担持手段に担持されたトナー像が転写され、転写された該トナー像を担持するベルト状の第2の像担持手段と、
前記第1の像担持手段に担持されたトナー像を前記第2の像担持手段および転写材の表面に転写する第1の転写手段と、
前記第2の像担持手段に担持されたトナー像を前記転写材の裏面に転写する第2の転写手段と、
前記第2の像担持手段により搬送される転写材を当該第2の像担持手段から分離させる転写材分離手段と、
前記転写材の両面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、
前記第2の像担持手段と前記定着手段との間に設けた搬送部と、を有し、
前記第1の像担持手段に担持されたトナー像と第2の像担持手段に担持されたトナー像との同期がとられて転写域に給送される転写材に対して、前記第1の転写手段と前記第2の転写手段とによって前記両トナー像を転写せしめるとともに、
前記転写材を、前記第2の像担持手段により搬送し、前記第2の像担持手段より分離した後、前記搬送部を介して前記定着手段に導く構成の画像形成装置であって、
前記搬送部は、搬送ガイド部材と、当該搬送ガイド部材に回転可能に保持された拍車とを含み、かつ、前記第2の像担持手段の転写材搬送面の延長面の前記転写材の裏面側に配置し、更に、前記第2の像担持手段を張架する前記定着手段側のローラ部材の半径をR1としたとき、当該ローラ部材に最も近い拍車の上端を、前記転写材搬送面の延長面より(0.1〜0.5)×R1離して設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記ローラ部材に最も近い拍車の半径R2を、(0.2〜1.0)×R1とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記ローラ部材に最も近い拍車と一体に前記第2の像担持手段より前記転写材を分離する分離爪を設けることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記拍車を、前記画像形成装置本体とは電気的にフローティングとするか、或いはトナーと同極性に帯電することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記拍車を絶縁性部材で形成することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記拍車を高抵抗部材を介して接地することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像形成装置。
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