JP3697906B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、像形成体の周辺に帯電手段と画像書込手段と現像手段とを配置して像形成体に形成したトナー像を転写材上に転写、定着する複写機、プリンタ、FAX等の電子写真方式の画像形成装置に関し、特に転写材の両面に画像を形成することができる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、両面画像形成においては、像形成体上に形成した一方の面の画像を転写材上に転写、定着し、これを一旦両面反転給送装置に収納し、再び像形成体上に形成された画像とタイミングを合わせて両面反転給送装置より転写材を給送し、転写材上に他方の面の画像を転写、定着する方法がとられている。
【0003】
この両面画像形成装置では、上記の如く、両面反転給送装置への給送や定着装置を2度通す等の転写材の搬送が行われるので、転写材搬送の信頼性が低く、転写材のジャムやしわ等を引き起こす原因となっていた。
【0004】
これに対し、特公昭49−37538号公報、同54−28740号公報、特開平1−44457号公報や同4−214576号公報等により、像形成体と中間転写体とを用いて転写材の両面にトナー像を形成後、1回で定着を行うものが提案されている。
【0005】
また、本願発明者らは、感光体ドラム(像形成体)の周りに帯電手段、画像書込手段、現像手段等よりなるトナー像形成手段を複数組配置し、感光体ドラム上に形成した重ね合わせカラートナー像を一旦第1の転写手段によりベルト状の中間転写体に一括して転写した後、再度感光体ドラム上に重ね合わせカラートナー像を形成し、感光体ドラム上のトナー像及び中間転写体上のトナー像とタイミングを合わせて給送される転写材を転写材帯電手段により帯電して中間転写体に吸着させ、中間転写体により搬送される転写材の両面にそれぞれ、感光体ドラム上のトナー像を表面画像として第2の転写手段(第1の転写手段と同一のものを用いる)により転写し、また中間転写体上のトナー像を裏面画像として第3の転写手段により転写した後、定着装置(定着手段)側に設けられ中間転写体を張架するローラ部材の曲率、及び必要に応じて設けられる転写材分離手段による除電により中間転写体から転写材を分離し、転写材上のトナー像を定着装置により定着して両面カラー画像を形成する画像形成装置や画像形成方法を特開平9−258492号公報や特開平9−258516号公報にて開示した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の如き像形成体とベルト状の中間転写体とにより転写材の表裏両面にトナー像を転写して両面画像を形成する両面画像形成装置においては、第3の転写手段により中間転写体上の裏面画像のトナー像を転写後、中間転写体クリーニングブレードを中間転写体に当接及び当接解除し、中間転写体上の転写残トナー像をクリーニングする際に、複数のローラ部材により張架される中間転写体の速度が変動し、トナー像の乱れを生じるという問題が起こる。
【0007】
本発明は上記の問題点を解決し、中間転写体クリーニングブレードの当接或いは当接解除の際のベルト状の中間転写体の速度変動を防止する画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、像形成体と、該像形成体上にトナー像を形成する手段と、
前記像形成体上のトナー像が転写され、転写された該トナー像を表面に担持するとともに、転写材を搬送する無端ベルト状の中間転写体と、前記像形成体上のトナー像を前記中間転写体に転写する第1の転写手段と、前記像形成体上のトナー像を前記転写材の表面に転写する第2の転写手段と、前記中間転写体上のトナー像を前記転写材の裏面に転写する第3の転写手段と、前記第3の転写手段により前記中間転写体上のトナー像を転写後、前記中間転写体に当接及び当接解除し、前記中間転写体上の転写残トナー像をクリーニングする中間転写体クリーニング手段と、前記転写材上のトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置において、前記中間転写体を緊張して張るために、前記中間転写体を張架するローラ部材の内、従動回転するローラ部材の1つ或いは複数に回動負荷を与える張力負荷手段を設けたことを特徴とする画像形成装置によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。なお以下の実施形態の説明において、転写域において像形成体に対向する側の転写材の面を表面、転写材の他方の面すなわち中間転写体に対向する側の転写材の面を裏面といい、転写材の表面に転写される画像を表面画像、転写材の裏面に転写される画像を裏面画像という。
【0010】
本発明にかかわる中間転写体の張力負荷手段を用いた画像形成装置の一実施形態の画像形成プロセス、各機構について、図1ないし図3を用いて説明する。図1は、本発明にかかわる中間転写体の張力負荷手段を用いた画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図2は、図1の像形成体の側断面図であり、図3は、本発明にかかわる画像形成装置におけるトナー像形成状態を示す図であり、図3(A)は、像形成体に形成した裏面画像を中間転写体上に転写するときのトナー像形成状態を示す図であり、図3(B)は、中間転写体上の裏面画像と同期して像形成体に表面画像を形成するときのトナー像形成状態を示す図であり、図3(C)は、転写材上への両面画像形成を示す図である。
【0011】
図1において、10は像形成体である感光体ドラム、11は各色毎の帯電手段であるスコロトロン帯電器、12は各色毎の画像書込手段である露光光学系、13は各色毎の現像手段である現像器、14aは中間転写体である中間転写ベルト、14cは第1或いは第2の転写手段としての転写器、14gは第3の転写手段である裏面転写器、14mは除電手段である除電器、150は転写材帯電手段である紙帯電器、14hは転写材分離手段である紙分離AC除電器、160は爪部材である分離爪210と拍車部材である拍車162とを有する搬送部、17は定着手段である定着装置、140は中間転写体クリーニング手段である中間転写体クリーニングブレード141を有する中間転写体クリーニング装置であり、300は張力負荷手段である張力負荷装置である。
【0012】
像形成体である感光体ドラム10は、例えば、光学ガラスや透明アクリル樹脂等の透明部材によって形成される円筒状の基体の外周に、透明の導電層、a−Si層あるいは有機感光層(OPC)等の感光層を形成したものであり、導電層を接地した状態で図1の矢印で示す時計方向に回転される。
【0013】
感光体ドラム10は、図2に示すように、それを係合固定する両端部のフランジ部材10A及び10Bに嵌込まれたベアリングB1,B2により、装置本体に架設固定されるドラム軸30に対し軸受けされて回転自在に支持され、フランジ部材10Bの一体とする歯車Gが装置本体側の不図示の駆動歯車と噛合して駆動されることにより所定の方向に定速で回転される。
【0014】
各色毎の帯電手段であるスコロトロン帯電器11、各色毎の画像書込手段である露光光学系12及び各色毎の現像手段である現像器13は、これらを1組として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)および黒色(K)の各色の画像形成プロセス用として4組設けられ、図1の矢印にて示す感光体ドラム10の回転方向に対して、Y,M,C,Kの順に配置される。
【0015】
各色毎の帯電手段であるスコロトロン帯電器11は、それぞれ所定の電位に保持された制御グリッドと例えば鋸歯状電極からなる放電電極11aとを有し、感光体ドラム10の感光層と対峙して取付けられ、トナーと同極性のコロナ放電によって帯電作用(本実施形態においてはマイナス帯電)を行い、感光体ドラム10に対し一様な電位を与える。放電電極11aとしては、その他ワイヤ電極や針状電極を用いることも可能である。
【0016】
各色毎の画像書込手段である露光光学系12は、感光体ドラム10上での像露光位置(画像書込位置)が、前述した各色毎のスコロトロン帯電器11に対して感光体ドラム10の回転方向下流側に位置するようにして感光体ドラム10の内部に配置される。図2に示すように、それぞれの露光光学系12は、ドラム軸30と平行に主走査方向に配列された像露光光(画像書込光)の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を複数個アレイ状に並べた線状の露光素子12aと、結像素子としての光集束性光伝送体(商品名:セルフォックレンズアレイ)12bと、レンズホルダ12cとで構成される露光用ユニットであり、保持部材20に取付けられる。保持部材20には各色毎の露光光学系12の他に転写同時露光器12d及び一様露光器12eが取付けられ、一体となって感光体ドラム10の透光性の基体内部に収容される。各色毎の露光光学系12は、別体の画像読み取り装置によって読み取られメモリに記憶された各色の画像データに従って感光体ドラム10の感光層を裏面から像露光(画像書込)し、感光体ドラム10上に静電潜像を形成する。露光素子12aとしては、LEDの他、FL(蛍光体発光),EL(エレクトロルミネッセンス),PL(プラズマ放電)等の複数の発光素子をアレイ状に並べたものを用いることも可能である。像露光光発光素子(画像書込発光素子)の発光波長は、通常Y,M,Cのトナーに対して透過性の高い780〜900nmの範囲のものが用いられるが、本実施形態においては裏面から像露光を行う方式であるため、カラートナーに対して透過性を十分に有しないこれより短い400〜780nmの波長でもよい。また、像露光光の80%以上は感光体ドラム10の感光層で吸収されることから、感光体ドラム10表面のカラートナーによる反射や吸収の影響は無視することができる。一般にカラートナーの現像順はトナー像や現像器13への混色の関係からY、M、C、Kの順が好ましい。なお図2において、WAは像露光光の発光素子(LED)よりのリード線である。
【0017】
各色毎の現像手段である現像器13は、感光体ドラム10の周面に対し所定の間隙を保ち、感光体ドラム10の回転方向と順方向に回転する例えば厚み0.5〜1mm、外径15〜25mmの円筒状の非磁性のステンレスあるいはアルミ材で形成された現像スリーブ131と、現像ケーシング138とを有し、現像ケーシング138の内部には、各々イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)および黒色(K)の一成分或いは二成分現像剤を収容している。それぞれの現像器13は不図示の突き当てコロにより感光体ドラム10と所定の間隙、例えば100〜500μmをあけて非接触に保たれており、現像スリーブ131に対して直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアスを印加することにより、非接触の反転現像を行い、感光体ドラム10上にトナー像を形成する。
【0018】
中間転写体である中間転写ベルト14aは体積抵抗率が1010〜1016Ω・cm、好ましくは1012〜1015Ω・cmの無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した厚さ0.1〜1.0mmの半導電性フィルム基体の外側に、好ましくはトナーフィルミング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行った2層構成のシームレスベルトである。ベルトの基体としては、この他に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもできる。中間転写ベルト14aは、それぞれローラ部材である駆動ローラ14dとアースローラ14jと従動ローラ14eとバックアップローラ14fとガイドローラ14kとテンションローラ14iとに張架され、図1の矢印で示す反時計方向に回転される。ガイドローラ14k、バックアップローラ14f、従動ローラ14e、アースローラ14j及び駆動ローラ14dは固定して回転され、テンションローラ14iは不図示のバネ等の弾力により移動可能に支持されて回転される。不図示の駆動モータよりの駆動をうけて駆動ローラ14dが、回転され、中間転写ベルト14aを駆動して回転させる。中間転写ベルト14aの回転によりアースローラ14j、従動ローラ14e、バックアップローラ14f、ガイドローラ14k及びテンションローラ14iが従動して回転される。回転中の中間転写ベルト14aのベルト弛みがテンションローラ14iにより緊張される。中間転写ベルト14aが従動ローラ14eに張架される位置に転写材である記録紙Pが供給され、中間転写ベルト14aによって搬送される。駆動ローラ14dに張架される中間転写ベルト14aの定着装置17側の端部の曲率部KTにおいて中間転写ベルト14aから記録紙Pが分離される。
【0019】
第1或いは第2の転写手段としての転写器14cは、中間転写ベルト14aを挟んで感光体ドラム10に対向して設けられるコロナ放電器であり、中間転写ベルト14aと感光体ドラム10との間に転写域14bを形成する。転写器14cにはトナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の直流電圧が印加され、感光体ドラム10上のトナー像を中間転写ベルト14a上または転写材である記録紙Pの表面に転写する。
【0020】
第3の転写手段である裏面転写器14gは好ましくはコロナ放電器により構成され、中間転写ベルト14aの回転方向に対し転写器14cの下流で駆動ローラ14dより上流の転写器14cと駆動ローラ14dとの間に、中間転写ベルト14aを挟んで導電性のアースローラ14jに対向して設けられ、トナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の直流電圧が印加され、中間転写ベルト14a上のトナー像を記録紙Pの裏面に転写する。
【0021】
除電手段である除電器14mはコロナ放電器により構成され、必要に応じて中間転写ベルト14aの移動方向に対し、第1或いは第2の転写手段としての転写器14cの下流側に、転写器14cと並列して設けられ、トナーと同極性または逆極性の直流電圧を重畳した交流電圧が印加され、転写器14cの電圧印加により荷電される中間転写ベルト14aの電荷を除電する。
【0022】
転写材帯電手段である紙帯電器150は好ましくはコロナ放電器により構成され、中間転写ベルト14aを挟んで接地された従動ローラ14eと対向して設けられ、トナーと同極性(本実施形態においてはマイナス極性)の直流電圧が印加され、記録紙Pを帯電して中間転写ベルト14aに吸着させる。紙帯電器150としてはコロナ放電器の他に、中間転写ベルト14aに当接および当接解除可能な紙帯電ブラシや紙帯電ローラ等を用いることも可能である。
【0023】
転写材分離手段である紙分離AC除電器14hは好ましくはコロナ放電器により構成され、必要に応じて中間転写ベルト14aの定着装置17側端部に中間転写ベルト14aを挟んで接地された駆動ローラ14dに対向して設けられ、必要に応じてトナーと同極性または逆極性の直流電圧を重畳した交流電圧が印加され、中間転写ベルト14aにより搬送される記録紙Pを除電して中間転写ベルト14aから分離する。
【0024】
搬送部160は爪部材である分離爪210と拍車部材である拍車162とを有し、中間転写ベルト14aの定着装置17側の端部の曲率部KTと定着装置17との間に設けられる。搬送部160は、定着装置17からの熱により、中間転写ベルト14aが変形したり、中間転写ベルト14aに担持されるトナー像が融着気味になって転写しにくくなったり、中間転写ベルト14a上にトナーが固着したりすることを防止する。
【0025】
爪部材である分離爪210は中間転写ベルト14aの曲率部KTに近接し、中間転写ベルト14aと所定の間隔、好ましくは0.1〜2.0mmを空けて支持軸221に固定されて設けられ、記録紙Pが中間転写ベルト14aより分離される際に、中間転写ベルト14a方向へ曲がって搬送されようとする記録紙Pの先端部を当接させ、記録紙Pの分離を補助する。
【0026】
拍車部材である拍車162は、周面に複数の突起部162aを有し、回転支持軸165を中心として回転自在に設けられる。拍車162は、記録紙Pの裏面側をガイドして記録紙Pを搬送し、両面にトナー像を有する記録紙Pの裏面トナー像の乱れを防止するとともに、記録紙Pの定着装置17への進入方向を一定にしながら記録紙Pを安定して定着装置17へと搬送する。
【0027】
分離爪210と拍車162とは、中間転写ベルト14aの転写材搬送面或いはその延長面に対し、感光体ドラム10の反対側に配設される。転写材搬送面或いはその延長面の両側に拍車部材である拍車162を設けることも可能である。
【0028】
定着手段である定着装置17は、内部にヒータを有する第1定着ローラ17aと第2定着ローラ17bとの2本のローラ状の定着部材で構成され、第1定着ローラ17aと第2定着ローラ17bとの間のニップ部Tで記録紙Pを挟持し、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のトナー像を定着する。
【0029】
中間転写体クリーニング装置140は、中間転写ベルト14aを挟んでバックアップローラ14fに対向して、中間転写体クリーニング手段である中間転写体クリーニングブレード141が設けられ、中間転写体クリーニングブレード141が支軸142を回転支点として中間転写ベルト14aに当接或いは当接解除可能に構成される。中間転写体クリーニングブレード141は中間転写ベルト14a上の裏面画像の転写残トナーをクリーニングする。
【0030】
張力負荷手段である張力負荷装置300は、ホルダ303と、ホルダ303内に納められるゴムブレード301と押圧バネ302とによって構成され、押圧バネ302によりゴムブレード301が、好ましくは摩擦係数の高いゴムローラで形成されるガイドローラ14kを押圧し、ガイドローラ14kに巻き付けられる中間転写ベルト14aに回動負荷を与える。
【0031】
次に画像形成プロセスを説明する。
【0032】
画像記録のスタートにより不図示の感光体駆動モータの始動により感光体ドラム10が図1の矢印で示す時計方向へ回転され、同時にイエロー(Y)のスコロトロン帯電器11の帯電作用により感光体ドラム10に電位の付与が開始される。
【0033】
感光体ドラム10は電位を付与されたあと、Yの露光光学系12によって第1の色信号すなわちYの画像データに対応する電気信号による画像書込が開始され、感光体ドラム10の表面に原稿画像のYの画像に対応する静電潜像が形成される。
【0034】
前記の潜像はYの現像器13により非接触の状態で反転現像され、感光体ドラム10上にイエロー(Y)のトナー像が形成される。
【0035】
次いで感光体ドラム10は、Yのトナー像の上からマゼンタ(M)のスコロトロン帯電器11の帯電作用により電位が付与され、Mの露光光学系12によって第2の色信号すなわちMの画像データに対応する電気信号による画像書込が行われ、Mの現像器13による非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わせて形成される。
【0036】
同様のプロセスにより、シアン(C)のスコロトロン帯電器11、Cの露光光学系12およびCの現像器13によってさらに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像が重ね合わせて形成され、更にその上に黒色(K)のスコロトロン帯電器11、Kの露光光学系12およびKの現像器13によって第4の色信号に対応する黒色(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体ドラム10の一回転以内にその周面上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)および黒色(K)の4色の重ね合わせカラートナー像が形成される(トナー像形成手段)。
【0037】
これらY,M,C及びKの露光光学系12による感光体ドラム10の感光層に対する画像書込はドラムの内部より前述した透光性の基体を通して行われる。従って第2、第3および第4の色信号に対応する画像の書込は何れも先に形成されたトナー像の影響を全く受けることなく行われ、第1の色信号に対応する画像と同等の静電潜像を形成することが可能となる。
【0038】
上記の画像形成プロセスによって像形成体である感光体ドラム10上に形成された裏面画像となる重ね合わせカラートナー像は、転写域14bにおいて、第1の転写手段としての転写器14cによって、中間転写体である中間転写ベルト14a上に一括して転写(第1の転写(1次転写ともいう))される(図3(A))。この際、良好な転写がなされるように、感光体ドラム10の内部に設けた転写同時露光器12dによる一様露光が行われるようにしてもよい。
【0039】
転写後の感光体ドラム10の周面上に残ったトナーは感光体ドラムAC除電器16により除電を受けた後、像形成体クリーニング手段であるクリーニング装置19にいたり、感光体ドラム10に当接したゴム材から成るクリーニングブレード19aによってクリーニングされ、スクリュウ19bによって不図示の排トナー容器に回収される。また、感光体ドラム10の周面は、例えば発光ダイオードを用いた帯電前の一様露光器12eによる露光によって先の画像形成における感光体ドラム10の履歴が解消される。
【0040】
また転写器14cにより荷電された中間転写ベルト14aの電荷は、転写器14cと並列して設けられる除電手段である除電器14mにより除電される。
【0041】
以上のようにして中間転写ベルト14a上に裏面画像となる重ね合わせカラートナー像が形成された後、感光体ドラム10上には上記のカラー画像形成プロセスと同様にして、引続き表面画像となる重ね合わせカラートナー像が形成される(図3(B))。この際、感光体ドラム10上に形成される表面画像は、前記感光体ドラム10上に形成した裏面画像に対して鏡像となるように画像データが変更される。
【0042】
感光体ドラム10上への表面画像形成にともなって転写材である記録紙Pが転写材収納手段である給紙カセット15より、送り出しローラ15aにより送り出され、転写材給送手段としてのタイミングローラ15bへ搬送され、タイミングローラ15bの駆動によって、感光体ドラム10上に形成される表面画像のカラートナー像と、中間転写ベルト14aに担持されている裏面画像のカラートナー像との同期がとられて転写域14bへ給送される。この際、給送される記録紙Pは、記録紙Pの表面側に設けられる転写材帯電手段である紙帯電器150によりトナーと同極性に帯電され、中間転写ベルト14aに吸着されて転写域14bへ給送される。トナーと同極性に紙帯電を行うことにより、中間転写ベルト14a上のトナー像や感光体ドラム10上のトナー像と引き合うことを防止して、トナー像の乱れを防止している。
【0043】
転写域14bではトナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の電圧が印加される第2の転写手段としての転写器14cによって感光体ドラム10上の表面画像が一括して記録紙Pの表面に転写(第2の転写(2次転写ともいう))される。このとき、中間転写ベルト14a上の裏面画像は記録紙Pに転写されないで中間転写ベルト14a上に存在する。第2の転写手段としての転写器14cによる2次転写の際、良好な転写がなされるように、転写域14bと対向して感光体ドラム10の内部に設けられた、例えば発光ダイオードを用いた転写同時露光器12dによる一様露光が行われるようにしてもよい。また転写器14cにより荷電された中間転写ベルト14aの電荷は除電器14mにより除電される。
【0044】
表面にカラートナー像が転写された記録紙Pは、トナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の電圧が印加される第3の転写手段としての裏面転写器14gへと搬送され、裏面転写器14gにより中間転写ベルト14aの周面上の裏面画像が一括して記録紙Pの裏面に転写(第3の転写(3次転写ともいう)される(図3(C))。
【0045】
両面にカラートナー像が形成された記録紙Pは、中間転写ベルト14aの曲率部KTの曲率と、中間転写ベルト14aの端部に必要に応じて設けられる転写材分離手段としての紙分離AC除電器14hによる除電作用と、中間転写ベルト14aと所定の間隔を空けて搬送部160に設けられる分離爪210とにより、中間転写ベルト14aから分離され、搬送部160に設けられた拍車162を通して定着手段としての定着装置17へと搬送され、第1定着ローラ17aと第2定着ローラ17bとの間のニップ部Tで熱と圧力とを加えられることにより記録紙P上のトナー像が定着される。両面画像記録がなされた記録紙Pは表裏を反転されて送られ、排紙ローラ18により装置外部のトレイへ排出される。また図1の定着装置17の出口に不図示の切替部材を設け、表裏を反転させずに装置外部のトレイへ排出するようにしてもよい。
【0046】
転写後の中間転写ベルト14aの周面上に残ったトナーは、中間転写ベルト14aに当接される中間転写体クリーニング手段である中間転写体クリーニングブレード141によりクリーニングされる。
【0047】
また、転写後の感光体ドラム10の周面上に残ったトナーは、感光体ドラムAC除電器16により除電を受けた後、クリーニング装置19によりクリーニングされ、帯電前の一様露光器12eにより先の画像形成における感光体ドラム10の履歴が解消されて、次の画像形成サイクルにはいる。
【0048】
上記の方法を用いることにより、重ね合わせカラートナー像を一括転写するので、中間転写ベルト14a上のカラー画像の色ズレやトナーの散りやこすれ等が起こりにくく、画像劣化が少ない良好な両面カラー画像形成がなされる。
【0049】
前述したように、張力負荷手段である張力負荷装置300の押圧バネ302によってゴムブレード301が、ガイドローラ14kを押圧し、ガイドローラ14kに巻き付けられる中間転写ベルト14aに回動負荷を与えるが、これにより、中間転写ベルト14a上の裏面画像の転写残トナーをクリーニングするために中間転写体クリーニング手段である中間転写体クリーニングブレード141が中間転写ベルト14aに当接或いは当接解除される際の駆動トルク変動を防止し、駆動トルク変動による中間転写ベルト14aの速度むらにより生ずるトナー像の乱れを防止する。
【0050】
回動負荷は上記ガイドローラ14kのみならず、従動回転されるローラ部材に常に回動負荷を与えることにより、駆動トルクの変動を押さえて速度むらを防止することができるが、特に中間転写ベルト14aを挟んで中間転写体クリーニングブレード141と対向するバックアップローラ14fを含み、バックアップローラ14fから中間転写ベルト14aの回転方向上流側のガイドローラ14kやテンションローラ14iに張力負荷手段を設け、回動負荷を与えることが駆動回転される中間転写ベルト14aを緊張して張り、中間転写ベルト14aの曲がり癖による伸縮により発生する速度むらも防止でき効果が大きい。
【0051】
張力負荷手段としてはその他、粘性の高い油例えばグリース等を使った回転抵抗部材やトルクリミッタ等の負荷装置を用いてもよい。また、従動回転されるローラ部材の1つのみならず複数に張力負荷手段を設けることも可能である。その際、前述したバックアップローラ14fから中間転写ベルト14aの回転方向上流側のガイドローラ14kやテンションローラ14iに張力負荷手段を設けることが前述した如く好ましい。
【0052】
上記実施形態において、中間転写体クリーニングブレード141の当接により生ずる中間転写ベルト14aの張力は15gr/cm程度であるが、ローラ部材に加わる張力負荷手段による回動負荷によって生ずる中間転写ベルト14aの張力の和をT、中間転写体クリーニングブレード141の当接により生ずる中間転写ベルト14aの張力をUとするとき、
U/6<T<U
とすることが好ましい。
【0053】
U/6>Tでは、張力の和Tが弱すぎて速度変動が防止されにくい。またT>Uでは、負荷が大きくなって、中間転写ベルト14aの駆動モータが大型化したり、中間転写ベルト14aの耐久性も低くなり好ましくない。
【0054】
なお、上記画像形成装置の実施形態としてカラー画像形成にて説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものでなく、上記画像形成プロセスによるモノクロの片面或いは両面の画像形成にも適用されるものである。また、画像形成装置の実施形態として両面画像形成装置にて説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものでなく、表面或いは裏面のみの片面の画像形成装置にも適用されるものである。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、中間転写体クリーニングブレードの当接或いは当接解除の際のベルト状の中間転写体の伸び、縮みによる速度変動が防止され、トナー像の乱れが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる中間転写体の張力負荷手段を用いた画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【図2】図1の像形成体の側断面図である。
【図3】本発明にかかわる画像形成装置におけるトナー像形成状態を示す図である。
【符号の説明】
10 感光体ドラム
11 スコロトロン帯電器
12 露光光学系
13 現像器
14a 中間転写ベルト
14c 転写器
14f バックアップローラ
14g 裏面転写器
14k ガイドローラ
17 定着装置
141 中間転写体クリーニングブレード
P 記録紙

Claims (2)

  1. 像形成体と、
    該像形成体上にトナー像を形成する手段と、
    前記像形成体上のトナー像が転写され、転写された該トナー像を表面に担持するとともに、転写材を搬送する無端ベルト状の中間転写体と、
    前記像形成体上のトナー像を前記中間転写体に転写する第1の転写手段と、
    前記像形成体上のトナー像を前記転写材の表面に転写する第2の転写手段と、
    前記中間転写体上のトナー像を前記転写材の裏面に転写する第3の転写手段と、
    前記第3の転写手段により前記中間転写体上のトナー像を転写後、前記中間転写体に当接及び当接解除し、前記中間転写体上の転写残トナー像をクリーニングする中間転写体クリーニング手段と、
    前記転写材上のトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置において、
    前記中間転写体を緊張して張るために、前記中間転写体を張架するローラ部材の内、従動回転するローラ部材の1つ或いは複数に回動負荷を与える張力負荷手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記回動負荷によって生ずる前記中間転写体の張力の和をT、前記中間転写体クリーニング手段の当接により生ずる前記中間転写体の張力をUとするとき、
    U/6<T<U
    とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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