JPH11288204A - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 像形成体を劣化させずに、両面画像形成時の
トナー像の転写の際の転写抜けやトナーはじきや中間転
写体のスリップの発生を抑制する。 【解決手段】 画像形成時以外に、前記像形成体を停止
した状態で前記中間転写体を回動させる予備回転をさせ
る。像形成体上にトナー像を形成する手段と、前記像形
成体上のトナー像が転写され、転写された該トナー像を
表面に担持するとともに、転写材を搬送する無端ベルト
状の中間転写体と、前記像形成体上のトナー像を前記中
間転写体に転写する第１の転写手段と、前記像形成体上
のトナー像を前記転写材の表面に転写する第２の転写手
段と、前記中間転写体上のトナー像を前記転写材の裏面
に転写する第３の転写手段とを有する画像形成装置にお
いて、画像形成時以外に、前記像形成体を停止した状態
で前記中間転写体を回動させる予備回転をさせる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、像形成体に形成し
たトナー像を転写材上に転写する複写機、プリンタ、Ｆ
ＡＸ等の画像形成装置に関し、特に転写材の両面に画像
を形成することができる画像形成装置、例えば、像形成
体の周辺に帯電手段と画像書込手段と現像手段とを配置
して転写材の両面に画像を形成することができる電子写
真方式の画像形成装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、両面画像形成においては、像形成
体上に形成した一方の面の画像を転写材上に転写、定着
し、これを一旦両面反転給送装置に収納し、再び像形成
体上に形成された画像とタイミングを合わせて両面反転
給送装置により転写材を反転して給送し、転写材上に他
方の面の画像を転写、定着する方法がとられている。

【０００３】この両面画像形成装置では、上記の如く、
両面反転給送装置による転写材を反転させて給送させる
ことや定着装置を２度通すこと等により、転写材の搬送
の信頼性が低く、転写材のジャムやしわ等を引き起こす
原因となっていた。

【０００４】これに対し、特公昭４９−３７５３８号公
報、同５４−２８７４０号公報、特開平１−４４４５７
号公報や同４−２１４５７６号公報等により、像形成体
と中間転写体とを用いて転写材の両面にトナー像を形成
後、１回で定着を行うものが提案されている。

【０００５】また、本願発明者らは、感光体ドラム（像
形成体）上にトナー像を形成するトナー像形成手段を複
数組配置し、感光体ドラム上に形成した重ね合わせカラ
ートナー像を一旦第１の転写手段によりベルト状の中間
転写体に一括して転写（１次転写）した後、再度感光体
ドラム上に重ね合わせカラートナー像を形成し、感光体
ドラム上のカラートナー像及び中間転写体上のカラート
ナー像とタイミングを合わせて給送される転写材を転写
材帯電手段により帯電して中間転写体に吸着させ、中間
転写体により搬送される転写材の両面にそれぞれ、感光
体ドラム上のカラートナー像を第２の転写手段（第１の
転写手段と同一のものを用いる）により転写（２次転
写）し、また中間転写体上のカラートナー像を第３の転
写手段により転写（３次転写）した後、定着装置（定着
手段）側に設けられ中間転写体を張架するローラ部材の
曲率、及び、必要に応じて設けられる転写材分離手段に
よる除電により、中間転写体から転写材を分離し、転写
材上のカラートナー像を定着装置により定着して両面カ
ラー画像を形成する画像形成装置や画像形成方法を特開
平９−２５８４９２号公報や特開平９−２５８５１６号
公報にて開示した。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
画像形成装置において、ベルト状の中間転写体を非画像
形成時に回動せずに放置しておくと、中間転写体にベル
ト曲がりが生じ、表裏のトナー像の転写の際に転写抜け
やトナーはじきが起き、また、中間転写体の駆動ローラ
部での中間転写体のスリップが起こるという問題が生じ
る。このため、画像形成に当たって、像形成体と中間転
写体とを予め回転させて中間転写体のベルト曲がりを矯
正するよう試みたが、像形成体と当接し像形成体をクリ
ーニングするクリーニングブレードや、現像手段内の二
成分現像剤（現像剤）などが劣化されてしまい、また、
回転による像形成体の劣化も生じる。

【０００７】本発明は上記の問題点を改良し、像形成体
を劣化させずに、両面画像形成時のトナー像の転写の際
の転写抜けやトナーはじきや中間転写体のスリップの発
生を抑制する画像形成装置を提供することを目的とす
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的は、像形成体
と、該像形成体上にトナー像を形成する手段と、前記像
形成体上のトナー像が転写され、転写された該トナー像
を表面に担持するとともに、転写材を搬送する無端ベル
ト状の中間転写体と、前記像形成体上のトナー像を前記
中間転写体に転写する第１の転写手段と、前記像形成体
上のトナー像を前記転写材の表面に転写する第２の転写
手段と、前記中間転写体上のトナー像を前記転写材の裏
面に転写する第３の転写手段とを有する画像形成装置に
おいて、画像形成時以外に、前記像形成体を停止した状
態で前記中間転写体を回動させる予備回転をさせること
を特徴とする画像形成装置によって達成される（第１の
発明）。

【０００９】また、上記目的は、第１の像形成体と、第
２の像形成体と、前記第１の像形成体上にトナー像を形
成する第１のトナー像形成手段と、前記第２の像形成体
上にトナー像を形成する第２のトナー像形成手段と、前
記第２の像形成体上のトナー像が転写され、転写された
該トナー像を表面に担持するとともに、転写材を搬送す
る無端ベルト状の中間転写体と、前記第２の像形成体上
のトナー像を前記中間転写体に転写する第１の転写手段
と、前記第１の像形成体上のトナー像を前記転写材の表
面に転写する第２の転写手段と、前記中間転写体上のト
ナー像を前記転写材の裏面に転写する第３の転写手段と
を有する画像形成装置において、画像形成時以外に、前
記像形成体を停止した状態で前記中間転写体を回動させ
る予備回転をさせることを特徴とする画像形成装置によ
って達成される（第２の発明）。

【００１０】なお、本発明のベルト状の中間転写体の予
備回転は、例えば、画像形成に当たって装置本体の電源
をｏｎした際や、プリント間隔が規定時間、例えば規定
時間として３０分以上放置された後画像形成が行われる
際や、プリント後、規定時間として、例えば３０分以上
経過した際等に、定期的に予備回転が行われるようにす
る。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の
意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の
実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示
すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限
定するものではない。なお以下の実施形態の説明におい
て、転写域において像形成体に対向する側の転写材の面
を表面、転写材の他方の面すなわち中間転写体に対向す
る側の転写材の面を裏面といい、転写材の表面に転写さ
れる画像を表面画像、転写材の裏面に転写される画像を
裏面画像という。

【００１２】実施形態１ 本発明にかかわる画像形成装置の一実施形態の画像形成
プロセス、各機構について、図１ないし図３を用いて説
明する。図１は、本発明にかかわる画像形成装置の一実
施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、
図２は、図１の像形成体の側断面図であり、図３は、図
１の画像形成装置におけるトナー像形成状態を示す図で
あり、図３（Ａ）は、像形成体上に形成した裏面画像を
中間転写体上に転写するときのトナー像形成状態を示す
図であり、図３（Ｂ）は、中間転写体上の裏面画像と同
期して像形成体上に表面画像を形成するときのトナー像
形成状態を示す図であり、図３（Ｃ）は、転写材上への
両面画像形成を示す図である。

【００１３】図１において、１０は像形成体である感光
体ドラム、１１は各色毎の帯電手段であるスコロトロン
帯電器、１２は各色毎の画像書込手段である露光光学
系、１３は各色毎の現像手段である現像器、１４ａは中
間転写体である中間転写ベルト、１４ｃは第１及び第２
の転写手段である転写器、１４ｇは第３の転写手段であ
る裏面転写器、１５は転写材収納手段である給紙カセッ
ト、１５０は転写材帯電手段である紙帯電器、１４ｈは
転写材分離手段である紙分離ＡＣ除電器、１６０は分離
爪２１０と拍車１６２とを有する搬送部、１７は定着手
段である定着装置、１９は像形成体クリーニング手段で
あるクリーニング装置、１４０は中間転写体クリーニン
グ手段である中間転写体クリーニング装置である。

【００１４】像形成体である感光体ドラム１０は、例え
ば、光学ガラスや透明アクリル樹脂等の透明部材によっ
て形成される円筒状の基体の外周に、順に、透明の導電
層と、ａ−Ｓｉ層あるいは有機感光層（ＯＰＣ）等の感
光層（光導電層ともいう）とを形成したものであり、導
電層を接地した状態で図１の矢印で示す時計方向に回転
される。

【００１５】感光体ドラム１０は、図２に示すように、
それを係合固定する両端部のフランジ部材１０Ａ及び１
０Ｂに嵌込まれたベアリングＢ１，Ｂ２により、装置本
体に架設固定されるドラム軸３０に対し軸受けされて回
転自在に支持され、フランジ部材１０Ｂと一体である歯
車Ｇが装置本体側の不図示の駆動歯車と噛合して駆動さ
れることにより所定の方向に定速で回転される。

【００１６】スコロトロン帯電器１１、露光光学系１２
及び現像器１３は、これらを１組として、イエロー
（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）および黒色
（Ｋ）の各色毎に画像形成プロセス用として４組設けら
れ、図１の矢印にて示す感光体ドラム１０の回転方向に
対して、Ｙ，Ｍ，Ｃ，Ｋの順に配置される。

【００１７】各スコロトロン帯電器１１は、それぞれ所
定の電位に保持された制御グリッドと例えば鋸歯状電極
からなる放電電極１１ａとを有し、感光体ドラム１０の
表面に設けられた感光層と対峙して取付けられ、トナー
と同極性のコロナ放電によって感光体ドラム１０の感光
層を帯電（本実施形態においてはマイナス帯電）させ、
感光体ドラム１０に対し一様な電位を与える。放電電極
１１ａとしては、その他ワイヤ電極や針状電極を用いる
ことも可能である。

【００１８】各露光光学系１２は、感光体ドラム１０上
での露光位置が、前述した各色毎のスコロトロン帯電器
１１に対して感光体ドラム１０の回転方向下流側に位置
するようにして感光体ドラム１０の内部に配置される。
図２に示すように、それぞれの露光光学系１２は、ドラ
ム軸３０と平行に主走査方向に配列された像露光光の発
光素子としてのＬＥＤ（発光ダイオード）を複数個アレ
イ状に並べた線状の露光素子１２ａと、結像素子として
の光集束性光伝送体（商品名：セルフォックレンズアレ
イ）１２ｂと、レンズホルダ１２ｃとで構成される露光
用ユニットであり、保持部材２０に取付けられる。保持
部材２０には各色毎の露光光学系１２の他に転写同時露
光器１２ｄ及び一様露光器１２ｅが取付けられ、一体と
なって感光体ドラム１０の透光性の基体内部に収容され
る。各色毎の露光光学系１２は、別体の画像読み取り装
置によって読み取られメモリに記憶された各色の画像デ
ータに従って、一様な電位を与えられた感光体ドラム１
０の感光層を裏面から像露光し、感光体ドラム１０の表
面に静電潜像を形成する。露光素子１２ａとしては、Ｌ
ＥＤの他、ＦＬ（蛍光体発光），ＥＬ（エレクトロルミ
ネッセンス），ＰＬ（プラズマ放電）等の複数の発光素
子をアレイ状に並べたものを用いることも可能である。
露光素子１２ａの発光波長は、通常Ｙ，Ｍ，Ｃのトナー
に対して透過性の高い７８０〜９００ｎｍの範囲のもの
が用いられるが、本実施形態においては裏面から像露光
を行う方式であるため、カラートナーに対して透過性を
十分に有しないこれより短い４００〜７８０ｎｍの波長
でもよい。なお図２において、ＷＡは像露光光の発光素
子（ＬＥＤ）よりのリード線である。

【００１９】各現像器１３は、露光光学系１２の露光位
置に対して感光体ドラム１０の回転下流側に設けられ、
表面に静電潜像が形成された感光体ドラム１０をトナー
現像してトナー像を形成するもので、感光体ドラム１０
の周面に対し所定の間隙を保ち、感光体ドラム１０の回
転方向と順方向に回転する例えば厚み０．５〜１ｍｍ、
外径１５〜２５ｍｍの円筒状の非磁性のステンレスある
いはアルミ材で形成された現像スリーブ１３１と、現像
ケーシング１３８とを有する。そして現像器１３（Ｙ、
Ｍ、Ｃ、Ｋ）は、現像ケーシング１３８の内部に、各
々、イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）お
よび黒色（Ｋ）の二成分現像剤を収容している。それぞ
れの現像器１３は不図示の突き当てコロにより感光体ド
ラム１０と所定の間隙、例えば１００〜５００μｍをあ
けて非接触に保たれており、現像スリーブ１３１に対し
て直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアスを印加す
ることにより、非接触の反転現像を行い、感光体ドラム
１０上にトナー像を形成する。

【００２０】中間転写ベルト１４ａは体積抵抗率が１０
¹²〜１０¹⁵Ω・ｃｍの無端ベルトであり、例えば変性ポ
リイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロ
エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンア
ロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分
散した、厚さ０．１〜１．０ｍｍの半導電性フィルム基
体の外側に、厚さ５〜５０μｍのフッ素コーティングの
トナーフィルミング防止層を設けた、２層構成のシーム
レスベルトである。ベルトの基体としては、この他に、
シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散し
た厚さ０．５〜２．０ｍｍの半導電性ゴムベルトを使用
することもできる。中間転写ベルト１４ａは、それぞれ
ローラ部材である駆動ローラ１４ｄとアースローラ１４
ｊと従動ローラ１４ｅとテンションローラ１４ｉとに内
接して張架され、図１の矢印で示す反時計方向に回転す
る。中間転写ベルト１４ａの回転方向に従い、従動ロー
ラ１４ｅ、アースローラ１４ｊ、駆動ローラ１４ｄ、テ
ンションローラ１４ｉの順に設けられ、従動ローラ１４
ｅ、アースローラ１４ｊ及び駆動ローラ１４ｄは固定さ
れた位置で回転し、テンションローラ１４ｉは、不図示
のバネ等の弾力により移動可能に支持され、中間転写ベ
ルト１４ａを張りながら回転する。不図示の駆動モータ
よりの駆動をうけて駆動ローラ１４ｄが、回転し、中間
転写ベルト１４ａを駆動して回転させる。中間転写ベル
ト１４ａの回転によりアースローラ１４ｊ、従動ローラ
１４ｅ及びテンションローラ１４ｉが従動して回転す
る。回転中の中間転写ベルト１４ａがテンションローラ
１４ｉにより張られベルト弛みを防止している。駆動ロ
ーラ１４ｄに張架されている中間転写ベルト１４ａの定
着装置１７側の端部の曲率部ＫＴにおいて記録紙Ｐを中
間転写ベルト１４ａから分離する。

【００２１】転写器１４ｃは、中間転写ベルト１４ａを
挟んで感光体ドラム１０に対向して設けられるコロナ放
電器であり、中間転写ベルト１４ａと感光体ドラム１０
との間に転写域１４ｂを形成する。転写器１４ｃにはト
ナーと反対極性（本実施形態においてはプラス極性）の
直流電圧が印加され、感光体ドラム１０上のトナー像を
中間転写ベルト１４ａ上または転写材である記録紙Ｐの
表面に転写する。

【００２２】裏面転写器１４ｇは、好ましくはコロナ放
電器により構成され、中間転写ベルト１４ａを挟んで接
地された導電性のアースローラ１４ｊに対向して設けら
れ、トナーと反対極性（本実施形態においてはプラス極
性）の直流電圧が印加され、中間転写ベルト１４ａ上の
トナー像を記録紙Ｐの裏面に転写する。

【００２３】給紙カセット１５は記録紙Ｐを収納する転
写材収納手段であり、送り出しローラ１５ａが、給紙カ
セット１５に収納されている記録紙Ｐを送り出し、転写
材給送手段としてのタイミングローラ１５ｂへ記録紙Ｐ
を搬送する。

【００２４】紙帯電器１５０は、好ましくはコロナ放電
器により構成され、中間転写ベルト１４ａを挟んで従動
ローラ１４ｅと対向して設けられ、トナーと同極性（本
実施形態においてはマイナス極性）の直流電圧が印加さ
れ、記録紙Ｐを帯電して中間転写ベルト１４ａに吸着さ
せる。

【００２５】紙分離ＡＣ除電器１４ｈは必要に応じて設
けられ、好ましくはコロナ放電器により構成され、中間
転写ベルト１４ａの定着装置１７側端部に中間転写ベル
ト１４ａを挟んで接地された導電性の駆動ローラ１４ｄ
に対向して設けられ、トナーと同極性または逆極性の直
流電圧と必要に応じて重畳した交流電圧とが印加され、
中間転写ベルト１４ａにより搬送される記録紙Ｐを除電
して中間転写ベルト１４ａから分離する。

【００２６】搬送部１６０は分離爪２１０と拍車１６２
とを有し、中間転写ベルト１４ａの定着装置１７側の端
部の曲率部ＫＴと定着装置１７との間に設けられる。搬
送部１６０は、定着装置１７からの熱により、中間転写
ベルト１４ａが変形したり、中間転写ベルト１４ａに担
持されるトナー像が融着気味になって転写しにくくなっ
たり、中間転写ベルト１４ａ上にトナーが固着したりす
ることを防止するために、離して設けられている中間転
写ベルト１４ａから定着装置１７まで、記録紙Ｐを搬送
する。

【００２７】分離爪２１０は、中間転写ベルト１４ａの
曲率部ＫＴに近接し、中間転写ベルト１４ａと所定の間
隔、好ましくは０．１〜２．０ｍｍを空けて支持軸２２
１に固定して設けられ、記録紙Ｐが中間転写ベルト１４
ａより分離される際に、中間転写ベルト１４ａ方向へ曲
がって搬送されようとする記録紙Ｐの先端部と当接し
て、記録紙Ｐの中間転写ベルト１４ａからの分離を補助
する。

【００２８】拍車１６２は、周面に複数の突起部１６２
ａを有し、回転支持軸１６５を中心として回転自在に設
けられる。拍車１６２は、記録紙Ｐの裏面側をガイドし
て中間転写ベルト１４ａから分離した記録紙Ｐを搬送
し、両面にトナー像を有する記録紙Ｐの裏面トナー像の
乱れを防止するとともに、記録紙Ｐの定着装置１７への
進入方向を一定にしながら記録紙Ｐを安定して定着装置
１７へと搬送する。

【００２９】分離爪２１０と拍車１６２とは、中間転写
ベルト１４ａの転写材搬送面或いはその延長面ＰＬ１
（以降転写材搬送面ＰＬ１という、）に対し、感光体ド
ラム１０の反対側に配設されている。なお、転写材搬送
面ＰＬ１の両側に拍車部材である拍車１６２を設けるこ
とも可能である。

【００３０】定着手段である定着装置１７は、少なくと
も一方の内部にヒータを有する第１定着ローラ１７ａと
第２定着ローラ１７ｂとの２本のローラ状の定着部材で
構成され、第１定着ローラ１７ａと第２定着ローラ１７
ｂとの間のニップ部Ｔで記録紙Ｐを挟持し、熱と圧力と
を加えることにより、搬送部１６０により搬送された記
録紙Ｐ上のトナー像を定着する。

【００３１】クリーニング装置１９は、クリーニングブ
レード１９ａを有し、転写後の感光体ドラム１０上の周
面上に残ったトナーをクリーニングブレード１９ａによ
りクリーニングする。

【００３２】中間転写体クリーニング装置１４０は、中
間転写ベルト１４ａを挟んで従動ローラ１４ｅに対向し
て設けられ、支軸１４２を回転支点として中間転写ベル
ト１４ａに当接及び当接解除可能な中間転写体クリーニ
ングブレード１４１により、転写後の中間転写ベルト１
４ａの周面上に残ったトナーをクリーニングする。両面
画像形成後の中間転写ベルト１４ａ上の転写残トナーを
クリーニングする時にのみ、中間転写体クリーニングブ
レード１４１の中間転写ベルト１４ａへの当接が行わ
れ、中間転写ベルト１４ａの周面上に残ったトナーをク
リーニングし、それ以外の時は、中間転写ベルト１４ａ
より離間した当接解除状態をとる。

【００３３】次に画像形成プロセスを説明する。

【００３４】画像記録のスタートにより不図示の感光体
駆動モータの始動により感光体ドラム１０が図１の矢印
で示す時計方向へ回転され、同時にイエロー（Ｙ）のス
コロトロン帯電器１１のコロナ放電により感光体ドラム
１０に一様な電位が付与される。

【００３５】感光体ドラム１０は一様な電位を付与され
たあと、Ｙの露光光学系１２によって第１の色信号すな
わちＹの画像データに対応する電気信号による画像書込
が開始され、感光体ドラム１０の表面に原稿画像のＹの
画像に対応する静電潜像が形成される。

【００３６】前記の潜像はＹの現像器１３により非接触
の状態で反転現像され、感光体ドラム１０上にイエロー
（Ｙ）のトナー像が形成される。

【００３７】次いで感光体ドラム１０は、Ｙのトナー像
の上からマゼンタ（Ｍ）のスコロトロン帯電器１１のコ
ロナ放電放電により一様な電位が付与され、Ｍの露光光
学系１２によって第２の色信号すなわちＭの画像データ
に対応する電気信号による画像書込が行われ、Ｍの現像
器１３による非接触の反転現像によって前記のイエロー
（Ｙ）のトナー像の上にマゼンタ（Ｍ）のトナー像が重
ね合わせて形成される。

【００３８】同様のプロセスにより、シアン（Ｃ）のス
コロトロン帯電器１１、Ｃの露光光学系１２およびＣの
現像器１３によってさらに第３の色信号に対応するシア
ン（Ｃ）のトナー像が重ね合わせて形成され、更にその
上に黒色（Ｋ）のスコロトロン帯電器１１、Ｋの露光光
学系１２およびＫの現像器１３によって第４の色信号に
対応する黒色（Ｋ）のトナー像が順次重ね合わせて形成
され、感光体ドラム１０の一回転以内にその周面上にイ
エロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）および黒
色（Ｋ）の４色の重ね合わせカラートナー像が形成され
る（トナー像形成手段）。

【００３９】これらＹ，Ｍ，Ｃ及びＫの露光光学系１２
による感光体ドラム１０の感光層に対する画像書込はド
ラムの内部より前述した透光性の基体を通して行われ
る。従って第２、第３および第４の色信号に対応する画
像の書込は何れも先に形成されたトナー像の影響を全く
受けることなく行われ、第１の色信号に対応する画像と
同等の静電潜像を形成することが可能となる。

【００４０】上記の画像形成プロセスによって感光体ド
ラム１０上に形成された裏面画像となる重ね合わせカラ
ートナー像は、転写域１４ｂにおいて、第１の転写手段
としての転写器１４ｃによって、中間転写ベルト１４ａ
上に一括して転写（１次転写）される（図３（Ａ））。
この際、良好な転写がなされるように、感光体ドラム１
０の内部に設けた転写同時露光器１２ｄによる一様露光
が行われるようにしてもよい。

【００４１】転写後の感光体ドラム１０の周面上に残っ
たトナーは感光体ドラムＡＣ除電器１６により除電を受
けた後、クリーニング装置１９にいたり、感光体ドラム
１０に当接したゴム材から成るクリーニングブレード１
９ａによってクリーニングされ、スクリュウ１９ｂによ
って不図示の排トナー容器に回収される。また、感光体
ドラム１０の周面は、例えば発光ダイオードを用いた帯
電前の一様露光器１２ｅによる露光によって先の画像形
成における感光体ドラム１０の履歴が解消される。

【００４２】以上のようにして中間転写ベルト１４ａ上
に裏面画像となる重ね合わせカラートナー像が形成され
た後、感光体ドラム１０上には上記のカラー画像形成プ
ロセスと同様にして、引続き表面画像となる重ね合わせ
カラートナー像が形成される（図３（Ｂ））。この際、
感光体ドラム１０上に形成される表面画像は、前記感光
体ドラム１０上に形成した裏面画像に対して鏡像となる
ように画像データが変更される。

【００４３】感光体ドラム１０上への表面画像形成にと
もなって記録紙Ｐが給紙カセット１５より、送り出しロ
ーラ１５ａにより送り出され、転写材給送手段としての
タイミングローラ１５ｂへ搬送され、タイミングローラ
１５ｂの駆動によって、感光体ドラム１０上に形成され
る表面画像のカラートナー像と、中間転写ベルト１４ａ
に担持されている裏面画像のカラートナー像との同期が
とられて転写域１４ｂへ給送される。この際、給送され
る記録紙Ｐは、記録紙Ｐの表面側に設けられる紙帯電器
１５０によりトナーと同極性に帯電され、中間転写ベル
ト１４ａに吸着されて転写域１４ｂへ給送される。トナ
ーと同極性に紙帯電を行うことにより、中間転写ベルト
１４ａ上のトナー像や感光体ドラム１０上のトナー像と
引き合うことを防止して、トナー像の乱れを防止してい
る。紙帯電器１５０としてはコロナ放電器の他に、中間
転写ベルト１４ａに当接および当接解除可能な紙帯電ブ
ラシや紙帯電ローラ等を用いることも可能である。

【００４４】転写域１４ｂではトナーと反対極性（本実
施形態においてはプラス極性）の電圧が印加される第２
の転写手段としての転写器１４ｃによって感光体ドラム
１０上の表面画像が一括して記録紙Ｐの表面に転写（２
次転写）される。このとき、中間転写ベルト１４ａ上の
裏面画像は記録紙Ｐに転写されないで中間転写ベルト１
４ａ上に存在する。第２の転写手段としての転写器１４
ｃによる２次転写の際、良好な転写がなされるように、
転写域１４ｂと対向して感光体ドラム１０の内部に設け
られた、例えば発光ダイオードを用いた転写同時露光器
１２ｄによる一様露光が行われるようにしてもよい。

【００４５】表面にカラートナー像が転写された記録紙
Ｐは、トナーと反対極性（本実施形態においてはプラス
極性）の電圧が印加される第３の転写手段としての裏面
転写器１４ｇへと搬送され、裏面転写器１４ｇにより中
間転写ベルト１４ａの周面上の裏面画像が一括して記録
紙Ｐの裏面に転写（３次転写）される（図３（Ｃ））。

【００４６】両面にカラートナー像が形成された記録紙
Ｐは、中間転写ベルト１４ａの曲率部ＫＴの曲率と、中
間転写ベルト１４ａの端部に必要に応じて設けられる紙
分離ＡＣ除電器１４ｈによる除電作用と、中間転写ベル
ト１４ａと所定の間隔を空けて搬送部１６０に設けられ
る分離爪２１０とにより、中間転写ベルト１４ａから分
離され、搬送部１６０に設けられた拍車１６２を通して
安定して定着装置１７へと搬送され、表面画像のトナー
像を定着するための図１の上側に配置される第１定着ロ
ーラ１７ａと、裏面画像のトナー像を定着するための図
１の下側に配置される第２定着ローラ１７ｂとの間のニ
ップ部Ｔで熱と圧力とを加えられることにより記録紙Ｐ
上のトナー像が定着される。両面画像記録がなされた記
録紙Ｐは表裏を反転されて送られ、排紙ローラ１８によ
り装置外部のトレイへ排出される。また図１の一点鎖線
で示すように、定着装置１７の出口に不図示の切替部材
を設け、表裏を反転させずに装置外部のトレイへ排出す
るようにしてもよい。

【００４７】転写後の中間転写ベルト１４ａの周面上に
残ったトナーは、中間転写ベルト１４ａを挟んで従動ロ
ーラ１４ｅに対向して設けられた中間転写体クリーニン
グ装置１４０の中間転写体クリーニングブレード１４１
が中間転写ベルト１４ａに当接してクリーニングされ
る。

【００４８】また、転写後の感光体ドラム１０の周面上
に残ったトナーは、感光体ドラムＡＣ除電器１６により
除電を受けた後、クリーニング装置１９によりクリーニ
ングされ、帯電前の一様露光器１２ｅにより先の画像形
成における感光体ドラム１０の履歴が解消されて、次の
画像形成サイクルにはいる。

【００４９】上記の方法を用いることにより、重ね合わ
せカラートナー像を一括転写するので、中間転写ベルト
１４ａ上のカラー画像の色ズレやトナーの散りやこすれ
等が起こりにくく、画像劣化が少ない良好な両面カラー
画像形成がなされる。

【００５０】また、上記両面画像形成装置の実施形態と
してカラー画像形成装置にて説明したが、本発明は必ず
しもこれに限定されるものでなく、図１にて説明したと
同様のプロセスによるモノクロの両面画像形成装置にも
適用されるものである。

【００５１】さらにまた、本発明の画像形成装置では、
上述の実施形態で説明したような転写材の両面に画像を
形成する両面画像形成のほかに、転写材の表面または裏
面のみの片側に画像を形成する片面画像形成もなされ得
ることは勿論である。

【００５２】中間転写体の予備回転について、図４ない
し図６を用いて説明する。図４は、中間転写体の予備回
転を示すタイミングチャートであり、図５は、予備回転
時の中間転写体の張設機構を示す図であり、図６は、中
間転写体の像形成体からの離間の例を示す図である。

【００５３】図４によれば、上記図１にて説明した画像
形成装置による画像形成時以外、例えば画像形成に先だ
ち、クリーニングブレード１９ａ（図１参照）が当接さ
れる感光体ドラム１０の回転を停止し、且つ、感光体ド
ラム１０に中間転写ベルト１４ａを接触させた状態で、
中間転写ベルト１４ａを図４にＴ１１にて示す所定時間
の予備回転を行い、中間転写ベルト１４ａのベルト曲が
りぐせの矯正を行う。所定時間の中間転写ベルト１４ａ
の回転後、中間転写ベルト１４ａのベルト曲がりぐせが
矯正された状態で、感光体ドラム１０を中間転写ベルト
１４ａと共に回転させ、感光体ドラム１０に対する中間
転写ベルト１４ａのベルト当たりを均一化させる。この
際、各現像器１３（図１参照）も駆動させ、現像剤の攪
拌によるトナー濃度の均一化と現像スリーブ上の現像剤
層の均一化を図ることが好ましい。上記中間転写ベルト
１４ａ、感光体ドラム１０、必要により行われる現像器
１３の回転終了により、画像形成の準備が完了される。

【００５４】図５に示すように、一端が不図示の中間転
写体取付枠に固定される支軸３０３を支点として回転さ
れるレバー３０１の他端に設けられる回転軸３０２にテ
ンションローラ１４ｉが取付けられ、バネ３０４により
中間転写ベルト１４ａを張架してテンションローラ１４
ｉが回転されるが、前記予備回転中はレバー３０１に掛
けられた緊張手段であるソレノイドＳＤを作動させ、テ
ンションローラ１４ｉにより中間転写ベルト１４ａをさ
らに緊張させて回転し、中間転写ベルト１４ａのベルト
曲がりぐせを矯正するようにする。予備回転後、ソレノ
イドＳＤを非動作状態とする。予備回転中、中間転写ベ
ルト１４ａをさらに緊張した状態で回転することによ
り、中間転写ベルト１４ａのベルト曲がりぐせが矯正さ
れる。

【００５５】上記における予備回転の速度は、画像形成
時の感光体ドラム１０の通常速度８０〜２５０ｍｍ／ｓ
ｅｃに対し、１／３程度以下、例えば１０〜１００ｍｍ
／ｓｅｃのゆっくりとした遅い速度で回転させること
が、感光体ドラム１０を停止していたとしても、感光体
ドラム１０と中間転写ベルト１４ａとの擦れによる双方
の損傷を防止したり、中間転写ベルト１４ａのベルト曲
がりのくせを矯正するのに好ましく、また特に、感光体
ドラム１０の劣化が防止される。

【００５６】なお、上記実施形態にて説明したベルト状
の中間転写体の予備回転は、前述したように、画像形成
に当たって装置本体の電源をｏｎした際や、プリント間
隔が規定時間、例えば３０分以上放置された後画像形成
が行われる際に、不図示の制御部を通して行われたり、
プリント後、規定時間として、例えば３０分以上経過し
た際に、不図示の制御部よりの信号により自動的に予備
回転が行われるようにすること等が好ましい。その際、
前述した所定時間として３０ｓｅｃ〜３ｍｉｎ程度のベ
ルト状の中間転写体の予備回転が行われることが、ベル
ト曲りのくせを矯正するために好ましい。

【００５７】また中間転写ベルト１４ａの予備回転に当
たって、不図示の回動機構（例えば中間転写ベルト１４
ａを保持する枠体の従動ローラ１４ｅ側端部に設けられ
たラックと、これに結合するピニオンの駆動）により図
６に示すように、駆動ローラ１４ｄの中心に設けられる
回動軸Ｊ１を回動支点として中間転写ベルト１４ａをク
リーニングブレード１９ａが当接される感光体ドラム１
０から離間させ、図４にて前述した所定時間の予備回転
を行い、中間転写ベルト１４ａのベルト曲がりぐせを矯
正するようにすることも可能である。この際、予備回転
中は、図５にて前述した張設及び張設解除機構であるソ
レノイドＳＤを作動させ、中間転写ベルト１４ａをさら
に緊張させて回転し、中間転写ベルト１４ａのベルト曲
がりぐせを矯正するようにすることが好ましい。

【００５８】所定時間の中間転写ベルト１４ａの回転
後、中間転写ベルト１４ａのベルト曲がりのくせが矯正
された状態で、中間転写ベルト１４ａを感光体ドラム１
０と当接状態に戻し、感光体ドラム１０を中間転写ベル
ト１４ａと共に回転させ、感光体ドラム１０に対する中
間転写ベルト１４ａのベルト当たりを均一化させる。こ
の際、現像器１３も駆動させ、現像剤の攪拌によるトナ
ー濃度の均一化と現像スリーブ上の現像剤層の均一化を
図ることが好ましい。中間転写ベルト１４ａ、感光体ド
ラム１０、必要により行われる現像器１３の回転終了に
より、画像形成の準備が完了する。

【００５９】上記により、クリーニングブレードや現像
剤や像形成体等が劣化されずに、非画像形成時の無端ベ
ルト状の中間転写体の曲げぐせが矯正され、表裏のトナ
ー像の転写の際の転写抜け、トナーはじきや中間転写体
の駆動ローラでの中間転写体のスリップが防止される。

【００６０】実施形態２ 本発明にかかわる画像形成装置の他の例と中間転写体の
予備回転について図７及び図８を用いて説明する。図７
は、本発明にかかわる画像形成装置の他の例を示すカラ
ー画像形成装置の概要説明図であり、図８は、図７の画
像形成装置での中間転写体の像形成体からの離間の例を
示す図である。本例の画像形成装置もカラー画像形成装
置にて説明するが、必ずしもこれに限定されるものでな
く、モノクロの両面画像形成装置にも適用されるもので
ある。さらに、本例の画像形成装置においても、以下に
説明するような転写材の両面に画像を形成する両面画像
形成のほかに、転写材の表面または裏面のみの片側に画
像を形成する片面画像形成もなされ得ることは勿論であ
る。

【００６１】前記実施形態１の画像形成装置では、まず
感光体ドラム１０（像形成体）上にイエロー（Ｙ），マ
ゼンタ（Ｍ），シアン（Ｃ）および黒色（Ｋ）の４組の
現像器１３（現像手段）、スコロトロン帯電器１１（帯
電手段）、露光光学系１２（画像書込手段）とよりなる
トナー像形成手段により、第２のトナー像である裏面画
像となるトナー像を形成して一旦中間転写ベルト１４ａ
（中間転写体）上に転写し、引き続いて同一の感光体ド
ラム１０上に第１のトナー像である表面画像となるトナ
ー像を形成して、感光体ドラム１０上のトナー像を記録
紙Ｐ（転写材）の表面に、中間転写ベルト１４ａ上のト
ナー像を記録紙Ｐの裏面にそれぞれ転写して両面画像を
得るものであるが、本実施形態の画像形成装置では、図
７に示すように、裏面画像となるトナー像（裏面トナー
像）を形成する第２の像形成体である感光体ドラム１０
ｂと、表面画像となるトナー像（表面トナー像）を形成
する第１の像形成体である感光体ドラム１０ａとをそれ
ぞれ別々に設け、感光体ドラム１０ｂに形成した裏面ト
ナー像を、トナーと反対極性（本実施形態においてはプ
ラス極性）の電圧が印加される第１の転写手段である１
次転写器１１４ｂにより中間転写体である中間転写ベル
ト１１４ａ上に転写（１次転写）した後、感光体ドラム
１０ｂと感光体ドラム１０ａとの間で中間転写ベルト１
１４ａ上に転写材である記録紙Ｐを供給し、中間転写ベ
ルト１１４ａを挟んで接地される対向アースローラ１４
ｋと対向して設けられる紙帯電器１５０の帯電により、
記録紙Ｐを中間転写ベルト１１４ａに吸着させて搬送
し、感光体ドラム１０ａ上に形成した表面トナー像を、
トナーと反対極性（本実施形態においてはプラス極性）
の電圧が印加される第２の転写手段である２次転写器１
１４ｃにより記録紙Ｐの表面に転写（２次転写）した
後、中間転写ベルト１１４ａ上の裏面トナー像を、トナ
ーと反対極性（本実施形態においてはプラス極性）の電
圧が印加される第３の転写手段である３次転写器１１４
ｇにより記録紙Ｐの裏面に転写（３次転写）し、記録紙
Ｐ上に表裏のトナー像を形成し両面画像を得るようにす
るものである。

【００６２】さらに、両面にトナー像が形成された記録
紙Ｐは、中間転写ベルト１１４ａの曲率部ＫＴの曲率
と、中間転写ベルト１１４ａの端部に必要に応じて設け
られる転写材分離手段としての紙分離ＡＣ除電器１４ｈ
による除電作用と、中間転写ベルト１１４ａと所定の間
隔を空けて搬送部１６０に設けられる分離爪２１０とに
より、中間転写ベルト１１４ａから分離され、搬送部１
６０に設けられた拍車１６２を通して安定して定着手段
としての定着装置１７へと搬送され、第１定着ローラ１
７ａと第２定着ローラ１７ｂとの間のニップ部Ｔで熱と
圧力とを加えられることにより記録紙Ｐ上の表裏のトナ
ー像が定着された後、機外へ排出される。また、感光体
ドラム１０ａ，１０ｂの転写残トナーのクリーニングは
感光体ドラム１０ａ，１０ｂのそれぞれに配設されるク
リーニング装置１９のクリーニングブレード１９ａによ
り行われる。

【００６３】本実施形態の画像形成装置における感光体
ドラム１０ａ，１０ｂや中間転写ベルト１１４ａは、前
記実施形態１の画像形成装置にて説明した感光体ドラム
１０や中間転写ベルト１４ａと同様な機能、構造のもの
が用いられる。中間転写ベルト１１４ａは、それぞれロ
ーラ部材である駆動ローラ１４ｄとアースローラ１４ｊ
と対向アースローラ１４ｋと従動ローラ１４ｅとテンシ
ョンローラ１４ｉとに内接して張架される。

【００６４】第２のトナー像である裏面画像となるトナ
ー像を感光体ドラム１０ｂに形成するトナー像形成手段
（第２のトナー像形成手段）と第１のトナー像である表
面画像となるトナー像を感光体ドラム１０ａに形成する
トナー像形成手段（第１のトナー像形成手段）とには、
実施形態１にて前述した画像形成装置にて用いられたと
同様な、イエロー（Ｙ），マゼンタ（Ｍ），シアン
（Ｃ）および黒色（Ｋ）の４組の現像器１３（現像手
段）、スコロトロン帯電器１１（帯電手段）、露光光学
系１２（画像書込手段）が感光体ドラム１０ａ，１０ｂ
それぞれに対して用いられ、表面画像のトナー像と裏面
画像のトナー像とがそれぞれ形成される。

【００６５】本実施形態においても、上記図７にて説明
した画像形成装置による画像形成に先だち、クリーニン
グブレード１９ａが当接される感光体ドラム１０ａ，１
０ｂを停止し、且つ、感光体ドラム１０ａ，１０ｂに中
間転写ベルト１１４ａを接触させた状態で、中間転写ベ
ルト１１４ａを図４にて説明したと同様に、所定時間の
予備回転を行い、中間転写ベルト１１４ａのベルト曲が
りぐせの矯正を行う。所定時間の中間転写ベルト１１４
ａの回転後、中間転写ベルト１１４ａのベルト曲がりぐ
せが矯正された状態で、感光体ドラム１０ａ，１０ｂを
中間転写ベルト１１４ａと共に回転させ、感光体ドラム
１０ａ，１０ｂに対する中間転写ベルト１１４ａのベル
ト当たりを均一化させる。この際、感光体ドラム１０
ａ，１０ｂのそれぞれに配設される各現像器１３（不図
示）も駆動させ、現像剤の攪拌によるトナー濃度の均一
化と現像スリーブ上の現像剤層の均一化を図ることが好
ましい。上記中間転写ベルト１１４ａ、感光体ドラム１
０ａ，１０ｂ、必要により行われる各現像器１３（不図
示）の回転終了により、画像形成の準備が完了される。

【００６６】また予備回転中は、実施形態１の図５にて
説明したと同様に、緊張手段であるソレノイドＳＤ（不
図示）を作動させ、テンションローラ１４ｉにより中間
転写ベルト１１４ａをさらに緊張させて回転し、中間転
写ベルト１１４ａのベルト曲がりのくせを矯正するよう
にする。予備回転後、ソレノイドＳＤ（不図示）を非動
作状態とする。予備回転中、中間転写ベルト１１４ａを
さらに緊張した状態で回転することにより、中間転写ベ
ルト１４ａのベルト曲がりぐせが矯正される。

【００６７】上記における予備回転の速度は、画像形成
時の感光体ドラム１０ａ，１０ｂの通常速度８０〜２５
０ｍｍ／ｓｅｃに対し、１／３程度以下、例えば１０〜
１００ｍｍ／ｓｅｃのゆっくりとした遅い速度で回転さ
せることが、感光体ドラム１０ａ，１０ｂと中間転写ベ
ルト１１４ａとの擦れによる双方の損傷を防止したり、
中間転写ベルト１１４ａの曲がりぐせを矯正するのに好
ましく、また特に、感光体ドラム１０の劣化が防止され
る。

【００６８】なお、テンションローラ１４ｉは中間転写
ベルト１１４ａの外側に配置して、中間転写ベルト１１
４ａの曲がりぐせを矯正することもできる。

【００６９】なお、上記実施形態にて説明したベルト状
の中間転写体の予備回転は、前述したように、画像形成
に当たって装置本体の電源をｏｎした際や、プリント間
隔が規定時間、例えば３０分以上放置された後画像形成
が行われる際に、不図示の制御部を通して行われたり、
プリント後、規定時間として、例えば３０分以上経過し
た際に、不図示の制御部よりの信号により自動的に予備
回転が行われるようにすること等が好ましい。その際、
前述した所定時間として３０ｓｅｃ〜３ｍｉｎ程度のベ
ルト状の中間転写体の予備回転が行われることが、ベル
ト曲りのくせを矯正するために好ましい。

【００７０】また、図８に示すように、中間転写ベルト
１１４ａの予備回転に当たって、不図示の回動機構（例
えば中間転写ベルト１４ａを保持する枠体の従動ローラ
１４ｅ側端部に設けられたラックと、これに結合するピ
ニオンの駆動）により駆動ローラ１４ｄの中心に設けら
れる回動軸Ｊ１を回動支点として中間転写ベルト１１４
ａをそれぞれのクリーニングブレード１９ａが当接され
る感光体ドラム１０ａ，１０ｂから離間させ、前述した
所定時間の予備回転を行い、中間転写ベルト１１４ａの
ベルト曲がりぐせを矯正するようにすることも可能であ
る。この際、予備回転中は、実施形態１の図５にて前述
したと同様に、緊張手段であるソレノイドＳＤ（不図
示）を作動させ、中間転写ベルト１１４ａをさらに緊張
させて回転し、中間転写ベルト１１４ａのベルト曲がり
ぐせを矯正するようにすることが好ましい。

【００７１】所定時間の中間転写ベルト１１４ａの回転
後、中間転写ベルト１１４ａのベルト曲がりのくせが矯
正された状態で、中間転写ベルト１１４ａを感光体ドラ
ム１０ａ，１０ｂと当接状態に戻し、感光体ドラム１０
ａ，１０ｂを中間転写ベルト１１４ａと共に回転させ、
感光体ドラム１０ａ，１０ｂに対する中間転写ベルト１
１４ａのベルト当たりを均一化させる。この際、感光体
ドラム１０ａ，１０ｂのそれぞれに配設される各現像器
１３も駆動させ、現像剤の攪拌によるトナー濃度の均一
化と現像スリーブ上の現像剤層の均一化を図ることが好
ましい。中間転写ベルト１１４ａ、感光体ドラム１０
ａ，１０ｂ、必要により行われる各現像器１３の回転終
了により、画像形成の準備が完了される。

【００７２】上記により、クリーニングブレードや現像
剤や像形成体等が劣化されずに、非画像形成時の無端ベ
ルト状の中間転写体の曲げぐせが矯正され、表裏のトナ
ー像の転写の際の転写抜け、トナーはじきや中間転写体
の駆動ローラでの中間転写体のスリップが防止される。

【００７３】

【発明の効果】本発明によれば、像形成体を劣化させず
に、両面画像形成時のトナー像の転写の際の転写抜けや
トナーはじきや中間転写体のスリップの発生を抑制する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかわる画像形成装置の一実施形態を
示すカラー画像形成装置の断面構成図である。

【図２】図１の像形成体の側断面図である。

【図３】図１の画像形成装置におけるトナー像形成状態
を示す図である。

【図４】中間転写体の予備回転を示すタイミングチャー
トである。

【図５】予備回転時の中間転写体の張設機構を示す図で
ある。

【図６】中間転写体の像形成体からの離間の例を示す図
である。

【図７】本発明にかかわる画像形成装置の他の例を示す
カラー画像形成装置の概要説明図である。

【図８】図７の画像形成装置での中間転写体の像形成体
からの離間の例を示す図である。

【符号の説明】

１０，１０ａ，１０ｂ 感光体ドラム １１ スコロトロン帯電器 １２ 露光光学系 １３ 現像器 １４ａ，１１４ａ 中間転写ベルト １４ｃ 転写器 １４ｄ 駆動ローラ １４ｉ テンションローラ １４ｇ 裏面転写器 １７ 定着装置 １１４ｂ １次転写器 １１４ｃ ２次転写器 １１４ｇ ３次転写器 ＳＤ ソレノイド Ｐ 記録紙

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永瀬 久喜 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 像形成体と、 該像形成体上にトナー像を形成する手段と、 前記像形成体上のトナー像が転写され、転写された該ト
   ナー像を表面に担持するとともに、転写材を搬送する無
   端ベルト状の中間転写体と、 前記像形成体上のトナー像を前記中間転写体に転写する
   第１の転写手段と、 前記像形成体上のトナー像を前記転写材の表面に転写す
   る第２の転写手段と、 前記中間転写体上のトナー像を前記転写材の裏面に転写
   する第３の転写手段とを有する画像形成装置において、 画像形成時以外に、前記像形成体を停止した状態で前記
   中間転写体を回動させる予備回転をさせることを特徴と
   する画像形成装置。
2. 【請求項２】 第１の像形成体と、 第２の像形成体と、 前記第１の像形成体上にトナー像を形成する第１のトナ
   ー像形成手段と、 前記第２の像形成体上にトナー像を形成する第２のトナ
   ー像形成手段と、 前記第２の像形成体上のトナー像が転写され、転写され
   た該トナー像を表面に担持するとともに、転写材を搬送
   する無端ベルト状の中間転写体と、 前記第２の像形成体上のトナー像を前記中間転写体に転
   写する第１の転写手段と、 前記第１の像形成体上のトナー像を前記転写材の表面に
   転写する第２の転写手段と、 前記中間転写体上のトナー像を前記転写材の裏面に転写
   する第３の転写手段とを有する画像形成装置において、 画像形成時以外に、前記像形成体を停止した状態で前記
   中間転写体を回動させる予備回転をさせることを特徴と
   する画像形成装置。
3. 【請求項３】 前記予備回転をさせた後、前記像形成体
   を回動させて、画像形成準備を完了することを特徴とす
   る請求項１または２に記載の画像形成装置。
4. 【請求項４】 前記中間転写体を緊張させたり、緊張を
   解除させたりする緊張手段を設け、前記予備回転時は、
   前記緊張手段により、中間転写体を緊張させることを特
   徴とする請求項１〜３の何れか１項に記載の画像形成装
   置。
5. 【請求項５】 前記中間転写体を前記像形成体から離間
   させて前記予備回転をさせた後、前記像形成体と接触さ
   せることを特徴とする請求項１〜４の何れか１項に記載
   の画像形成装置。
6. 【請求項６】 像形成体上のトナー像を転写した後の転
   写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードが
   設けられたことを特徴とする請求項１〜５の何れか１項
   に記載の画像形成装置。
7. 【請求項７】 像形成体上にトナー像を形成するに際
   し、前記像形成体上に静電潜像を形成し、前記静電潜像
   を二成分現像剤を用いて現像し、前記像形成体上にトナ
   ー像を形成することを特徴とする請求項１〜６の何れか
   １項に記載の画像形成装置。