JP2000356890A - 画像形成装置及び帯電方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高抵抗を有する中間転写体が介在するためよ
る不均一な帯電を解消して、均一に帯電して良好な両面
画像を得る。 【解決手段】高抵抗ベルトからなる中間転写体である中
間転写ベルト１４ａの一方にコロナ帯電器である紙帯電
器１５０、他方にバックアップ用を兼ねた従動ローラ１
４ｅを配した画像形成装置において、転写材である記録
紙Ｐを中間転写ベルト１４ａに密着帯電を行う時、従動
ローラ１４ｅに交流電圧を印加して帯電を行うことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体の周辺に
帯電手段と画像書込み手段と現像手段とを配置して像担
持体に形成したトナー像を転写材上に転写、定着する複
写機、プリンタ、ＦＡＸ等の電子写真方式の画像形成装
置に関し、特に転写材の両面に画像を形成することので
きる両面画像形成装置及び該装置に用いられる帯電方法
に関する。

【０００２】

【従来の技術】本発明者らは、感光体ドラム（像担持
体）の周りに帯電手段、画像書込み手段、現像手段等よ
りなるトナー像形成手段を複数組配置し、感光体ドラム
上に形成した重ね合わせカラートナー像を一旦１次転写
手段によりベルト状の中間転写体に一括して転写した
後、再度感光体ドラム上に重ね合わせてカラートナー像
を形成し、感光体ドラム上のトナー像及び中間転写体上
のトナー像とタイミングを合わせて給送される転写材を
転写材帯電手段により帯電して中間転写体に吸着させ、
中間転写体により搬送される転写材の表面に、感光体ド
ラム上のトナー像を表面画像として１次転写手段を用い
て転写し、また中間転写体上のトナー像を裏面画像とし
て２次転写手段により転写した後、中間転写体の定着装
置（定着手段）側端部の曲率及び必要に応じて設けられ
る転写材分離手段による除電により中間転写体から転写
材を分離し、転写材上のトナー像を定着装置により定着
して両面カラー画像を形成する両面画像形成装置や画像
形成方法を特開平９−２５８４９２号公報や特開平９−
２５８５１６号公報にて開示した。

【０００３】図１は１組の像担持体である感光体ドラム
１０と中間転写体である中間転写ベルト１４ａとを用い
て転写材の両面にトナー像を形成する方式の後に詳しく
説明する実施形態の画像形成装置である。また、図４は
２組の像担持体である感光体ドラム１０Ａと感光体ドラ
ム１０Ｂを用いる場合の概要構成図である。図５（ａ）
は図１の装置の概要構成図、図５（ｂ）はかかる両面画
像形成装置における転写プロセスの説明図である。

【０００４】上記の両面画像形成装置は何れも転写材を
中間転写ベルト１４ａに吸着させて搬送するためのコロ
ナ帯電器である紙帯電器１５０、２次転写のためのコロ
ナ帯電器である２次転写器１４ｇ、転写材を中間転写体
より分離するため転写材の帯電を微小となしてほぼ除電
状態にするコロナ帯電器からなる紙分離帯電器１４ｈを
有していて、それぞれの帯電器には中間転写体を介して
対向位置に、接地したバックアップ用のローラが設けら
れている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、バックアップ
用の接地したのみのローラを用いた帯電は、帯電器とロ
ーラとの間に高抵抗を有する中間転写体が介在するため
放電が不均一となり、不均一な帯電がなされるという問
題点があった。

【０００６】本発明の目的は、上記両面画像形成装置に
ついて、上記問題点を解決し、均一に帯電して良好な両
面画像を得る両面画像形成装置及び帯電方法を提案する
ことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的は、高抵抗ベル
トの一方にコロナ帯電器、他方にバックアップ用のロー
ラを配した画像形成装置において、転写材を前記ベルト
に密着帯電を行う時、前記ローラに交流電圧を印加して
帯電を行うことを特徴とする画像形成装置によって達成
される。

【０００８】また、前記目的は、高抵抗ベルトの一方に
コロナ帯電器、他方にバックアップ用のローラを配した
画像形成装置において、前記ベルト上のトナー像を前記
転写材へ転写を行う時、前記ローラに交流電圧を印加し
て帯電を行うことを特徴とする画像形成装置によって達
成される。

【０００９】さらにまた、高抵抗ベルトの一方にコロナ
帯電器、他方にバックアップ用のローラを配した画像形
成装置において、前記ベルト上のトナー像を転写した転
写材を分離する時、前記ローラに交流電圧を印加して帯
電を行うことを特徴とする画像形成装置によって達成さ
れる。

【００１０】そして、高抵抗ベルトの一方よりコロナ放
電を行う一方、対向して配置されたバックアップ用のロ
ーラに交流電圧を印加して均一な帯電を行うことを特徴
とする帯電方法によって達成される。

【００１１】

【発明の実施の形態】（実施の形態１）本発明の実施の
形態の一例である両面画像形成装置の構成とその機能を
図１によって説明する。図１に示す両面画像形成装置
は、潜像担持体内部に画像書込み手段を有し、またベル
ト状中間転写手段を用いて転写材の両面にトナー像を形
成し、これを一括定着を行うようにした両面カラー画像
形成装置であるが、本発明は両面画像形成、あるいはカ
ラー画像形成に限定されるものではない。

【００１２】図１において、１０は像担持体である感光
体ドラム、１１は各色毎の帯電手段であるスコロトロン
帯電器、１２は各色毎の画像書込み手段である露光光学
系、１３は各色毎の現像手段である現像器、１４ａは高
抵抗ベルトである中間転写ベルト、１４ｃは１次転写手
段である１次転写器、１４ｇは２次転写手段である裏面
転写器、１５０は転写材を中間転写ベルト１４ａに密着
させるたの密着帯電を行う転写材帯電手段である紙帯電
器、１４ｈは転写材分離手段である紙分離帯電器、１６
０は爪部材である分離爪２１０と拍車部材である拍車１
６２とを有する搬送部、１７は定着手段である定着装置
である。

【００１３】像担持体である感光体ドラム１０は、例え
ば、光学ガラスや透明アクリル樹脂等の透明部材によっ
て形成される円筒状の基体の外周に、透明の導電層、ａ
−Ｓｉ層あるいは有機感光層（ＯＰＣ）等の感光層を形
成したものであり、導電層を接地した状態で図１の矢印
で示す時計方向に、本実施形態においては２８０ｍｍ／
ｓｅｃの線速度にて回転される。

【００１４】感光体ドラム１０は、図２に示すように、
それを係合固定する両端部のフランジ部材１０ａ及び１
０ｂに嵌込まれたベアリングＢ１，Ｂ２により、装置本
体に架設固定されるドラム軸３０に対し軸受けされて回
転自在に支持され、フランジ部材１０ｂの一体とする歯
車Ｇが装置本体側の不図示の駆動歯車と噛合して駆動さ
れることにより所定の方向に定速で回転される。

【００１５】トナー像形成手段は、帯電手段としてのス
コロトロン帯電器１１、画像書込み手段である露光光学
系１２及び現像手段である現像器１３からなり、これら
を１組として、イエロー（Ｙ），マゼンタ（Ｍ），シア
ン（Ｃ）および黒色（Ｋ）の各色の画像形成プロセス用
として４組設けられ、図１の矢印にて示す感光体ドラム
１０の回転方向に対して、Ｙ，Ｍ，Ｃ，Ｋの順に配置さ
れる。

【００１６】各色毎の帯電手段であるスコロトロン帯電
器１１は、それぞれ所定の電位に保持された制御グリッ
ドと例えば鋸歯状電極からなる放電電極１１ａを有し、
感光体ドラム１０の感光層と対峙して取り付けられ、ト
ナーと同極性のコロナ放電によって帯電作用（本実施形
態においてはマイナス帯電）を行い、感光体ドラム１０
の感光層に対し一様な電位を与える。放電電極１１ａと
しては、その他ワイヤ電極や針状電極を用いることも可
能である。

【００１７】各色毎の画像書込み手段である露光光学系
１２は、感光体ドラム１０上での露光位置が、前述した
各色毎のスコロトロン帯電器１１に対して感光体ドラム
１０の回転方向下流側に位置するようにして感光体ドラ
ム１０の内部に配置される。図２に示すようにそれぞれ
の露光光学系１２は、ドラム軸３０と平行に主走査方向
に配列された像露光光（画像書込み光）の発光素子とし
てのＬＥＤ（発光ダイオード）を複数個アレイ状に並べ
た線状の発光素子１２ａと、結像素子としての光集束性
光伝送体（商品名：セルフォックレンズアレイ）１２ｂ
とレンズホルダ１２ｃとで構成される露光用ユニットで
あり、保持部材２０に取付けられる。保持部材２０に各
色毎の露光光学系１２の他に転写同時露光器１２ｄ及び
一様露光器１２ｅが取付けられ、一体となって感光体ド
ラム１０の透光性の基体内部に収容される。各色毎の露
光光学系１２は、別体の画像読取り装置によって読み取
られメモリに記憶された各色の画像データに従って感光
体ドラム１０の感光層を裏面から画像書き込みし、感光
体ドラム１０上に静電潜像を形成する。露光素子１２ａ
としては、ＬＥＤの他、ＦＬ（蛍光発光体），ＥＬ（エ
レクトロルミネッセンス），ＰＬ（プラズマ放電）等の
複数の発光素子をアレイ状に並べたものを用いることも
可能である。像露光光（画像書込み光）の発光素子の発
光波長は、通常Ｙ，Ｍ，Ｃのトナーの透過性の高い７８
０〜９００ｎｍの範囲のものが用いられるが、本実施形
態においては裏面より画像書込みを行う方式であるた
め、カラートナーに透光性を十分に有しないこれより短
い４００〜７８０ｎｍの波長でもよい。また、像露光光
の８０％以上は感光体ドラム１０の感光層で吸収される
ことから、感光体ドラム１０の表面のカラートナーによ
る反射や吸収の影響は無視することができる。一般にカ
ラートナーの現像順はトナー像や現像器１３への混色の
関係からＹ，Ｍ，Ｃ，Ｋの順が好ましい。なおＷＡは像
露光光を発する発光素子（ＬＥＤ）よりのリード線であ
る。

【００１８】各色毎の現像手段である現像器１３は、感
光体ドラム１０の周面に対し所定の間隙を保ち、感光体
ドラム１０との対向位置でその回転方向と同方向に回転
する例えば厚み０．５〜１ｍｍ、外径１５〜２５ｍｍの
円筒状の非磁性のステンレスあるいはアルミニウム材で
形成された現像スリーブ１３１と、現像ケーシング１３
８とを有し、現像ケーシング１３８の内部には、各々イ
エロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）及び黒色
（Ｋ）の１成分或いは２成分現像剤を収容している。そ
れぞれの現像器１３は不図示の突き当てコロにより感光
体ドラム１０と所定の間隙、例えば１００〜５００μｍ
をあけて非接触に保たれており、薄層の現像剤を保持し
た現像スリーブ１３１に対して直流電圧と交流電圧を重
畳した現像バイアス電圧を印加することにより、非接触
の反転現像を行い、感光体ドラム１０上にトナー像を形
成する。

【００１９】中間転写体である中間転写ベルト１４ａ
は、体積抵抗率が１０⁸〜１０¹²Ω・ｃｍの無端状ベル
トであり、その体積抵抗率は好ましくは１０⁹Ω・ｃｍ
以上、１０¹¹Ω・ｃｍ未満であり、本実施形態において
１０¹⁰Ω・ｃｍの無端ベルトが用いられる。中間転写ベ
ルト１４ａは、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミ
ド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフ
ッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリング
プラスチックに導電材料を分散した厚さ０．１〜１．０
ｍｍの半導電性フィルム基体の外側に、好ましくはトナ
ーフィルミング防止層として厚さ５〜５０μｍのフッ素
コーティングを行った２層構成のシームレスベルトであ
る。中間転写ベルト１４ａの基体としては、この他に、
シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散し
た厚さ０．５〜２．０ｍｍの半導電性ゴムベルトを使用
することもできる。中間転写ベルト１４ａは、それぞれ
ローラ部材である駆動ローラ１４ｄとローラ１４ｊと従
動ローラ１４ｅとガイドローラ１４ｆとテンションロー
ラ１４ｉとに張架され、図１の矢印に示す反時計方向に
回転される。ガイドローラ１４ｆ、従動ローラ１４ｅ、
ローラ１４ｊ及び駆動ローラ１４ｄは固定して回転さ
れ、テンションローラ１４ｉは不図示のバネ等の弾力に
より移動可能に支持されて回転される。不図示の駆動モ
ータよりの駆動をうけて駆動ローラ１４ｄが回転され、
中間転写ベルト１４ａを駆動して回転させる。中間転写
ベルト１４ａの回転によりローラ１４ｊ、従動ローラ１
４ｅ、ガイドローラ１４ｆ及びテンションローラ１４ｉ
が従動して回転される。回転中の中間転写ベルト１４ａ
のベルト弛みがテンションローラ１４ｉにより緊張され
る。

【００２０】中間転写ベルト１４ａが従動ローラ１４ｅ
に張架される位置に転写材である記録紙Ｐが供給され、
紙帯電器１５０によって帯電され、中間転写ベルト１４
ａに密着して搬送される。駆動ローラ１４ｄに張架され
る中間転写ベルト１４ａの定着装置１７側の端部の曲率
部ＫＴにおいては紙分離帯電器１４ｈによって除電され
中間転写ベルト１４ａから記録紙Ｐが分離される。

【００２１】１次転写手段としての１次転写器１４ｃ
は、中間転写ベルト１４ａを挟んで感光体ドラム１０に
対向して設けられるコロナ放電器であり、中間転写ベル
ト１４ａと感光体ドラム１０との間に転写域１４ｂを形
成する。１次転写器１４ｃにはトナーと反対極性（本実
施形態においてはプラス極性）の４〜６ｋＶの直流電圧
が印加され、感光体ドラム１０上のトナー像を中間転写
ベルト１４ａ上または転写材である記録紙Ｐの表面に転
写する。

【００２２】２次転写手段である裏面転写器１４ｇは好
ましくはコロナ放電器により構成され、中間転写ベルト
１４ａを挟んで１次転写器１４ｃと駆動ローラ１４ｄと
の間に設けられるバックアップ用のローラ１４ｊに対向
して設けられ、トナーと反対極性（本実施形態において
はプラス極性）の４〜６ｋＶ直流電圧が印加され、中間
転写ベルト１４ａ上のトナー像を記録紙Ｐの裏面に転写
する。

【００２３】転写材帯電手段である紙帯電器１５０は好
ましくは鋸歯状電極により構成され、中間転写ベルト１
４ａを挟んでバックアップ用を兼ねた従動ローラ１４ｅ
と対向して設けられ、トナーと同極性（本実施形態にお
いてはマイナス極性）の３〜５ｋＶ直流電圧が印加さ
れ、記録紙Ｐを帯電して中間転写ベルト１４ａに吸着さ
せる。紙帯電器１５０としては鋸歯状電極の他に、コロ
ナ放電器や中間転写ベルト１４ａに当接及び当接解除可
能な紙帯電ブラシや紙帯電ローラ等を用いることも可能
である。

【００２４】転写材分離手段である紙分離帯電器１４ｈ
は好ましくはコロナ放電器により構成され、中間転写ベ
ルト１４ａの定着装置１７側端部に中間転写ベルト１４
ａを挟んで、バックアップ用を兼ねた駆動ローラ１４ｄ
に対向して設けられ、マイナス極性の４〜６ｋＶの直流
電圧が印加され、中間転写ベルト１４ａにより搬送され
る記録紙Ｐを極く微小に帯電（除電）して中間転写ベル
ト１４ａから分離する。記録紙Ｐを微小に帯電させる理
由は、完全に除電を行うと分離性は向上するが記録紙Ｐ
に転写されたトナー像のトナーの付着力が弱まって像の
乱れが生じるからである。

【００２５】前記紙帯電器１５０の対向位置に設けられ
た従動ローラ１４ｅ、裏面転写器１４ｇのバックアップ
用のローラ１４ｊ及び中間転写ベルト１４ａの駆動と紙
分離帯電器１４ｈのバックアップを兼ねた駆動ローラ１
４ｄには、交流電源Ｅ₃により周波数０．５〜５ｋＨ
ｚ、ピークツーピク電圧Ｖ_p-p＝０．５〜３ｋＶの交流
電圧が印加される。また、上記駆動ローラ１４ｄ、従動
ローラ１４ｅ、ローラ１４ｊとしては、周面を体積抵抗
率が１０⁸Ω・ｃｍ以上、１０¹²Ω・ｃｍ未満の抵抗体
を用いて１０〜１００μｍ厚にコーティングした金属ロ
ーラが用いられる。コーティングした抵抗体により局部
的に発生し易い短絡電流を防止し、交流電圧印加により
ベルト背面は均一な帯電状態となり、均一にコロナ放電
が行われて均一に帯電がなされる。

【００２６】搬送部１６０は爪部材である分離爪２１０
と拍車部材である拍車１６２とを有し、中間転写ベルト
１４ａの定着装置１７側の端部の曲率部ＫＴと定着装置
１７との間に設けられる。搬送部１６０は、定着装置１
７からの熱により、中間転写ベルト１４ａが変形した
り、中間転写ベルト１４ａに担持されるトナー像が融着
気味になって転写しにくくなったり、中間転写ベルト１
４ａ上にトナーが固着したりすることを防止する。

【００２７】分離爪２１０は中間転写ベルト１４ａの曲
率部ＫＴに近接して設けられ、記録紙Ｐが中間転写ベル
ト１４ａより分離される際に、中間転写ベルト１４ａ方
向に曲がって搬送されようとする記録紙Ｐの先端部を当
接させ、記録紙Ｐの分離を補助する。

【００２８】拍車１６２は記録紙Ｐの裏面側をガイドし
て記録紙Ｐを搬送し、両面にトナー像を有する記録紙Ｐ
の裏面トナー像の乱れを防止するとともに、記録紙Ｐの
定着装置１７への進入方向を一定にしながら記録紙Ｐを
安定して定着装置１７へと搬送する。

【００２９】定着装置１７は、内部にヒータを有する第
１定着ローラ１７ａと第２定着ローラ１７ｂとの２本の
ローラ状の定着部材で構成され、第１定着ローラ１７ａ
と第２定着ローラ１７ｂとの間のニップ部Ｔにおいて記
録紙Ｐを挟持搬送し、熱と圧力とを加えることにより搬
送される記録紙Ｐ上のトナー像を定着する。

【００３０】次に画像形成プロセスについて説明する。

【００３１】画像記録のスタートにより不図示の感光体
駆動モータの始動により感光体ドラム１０が図１の矢印
で示す時計方向へ回転され、同時にイエロー（Ｙ）のス
コトロン帯電器１１の帯電作用により感光体ドラム１０
に電位の付与が開始される。

【００３２】感光体ドラム１０は電位を付与されたあ
と、Ｙの露光光学系１２によって第１の色信号すなわち
Ｙの画像データに対応する電気信号による画像書込みが
開始され、感光体ドラム１０の表面に原稿画像のＹの画
像に対応する静電潜像が形成される。

【００３３】前記の潜像はＹの現像器１３により非接触
の状態で反転現像され、感光体ドラム１０上にイエロー
（Ｙ）のトナー像が形成される。

【００３４】次いで感光体ドラム１０は前記イエロー
（Ｙ）のトナー像の上からマゼンタ（Ｍ）のスコトロン
帯電器１１の帯電作用により電位が付与され、Ｍの露光
光学系１２によって第２の色信号すなわちＭの画像デー
タに対応する電気信号による画像書込みが行われ、Ｍの
現像器１３による非接触の反転現像によって前記のイエ
ロー（Ｙ）のトナー像の上にマゼンタ（Ｍ）のトナー像
が重ね合わせて形成される。

【００３５】同様のプロセスにより、シアン（Ｃ）のス
コロトロン帯電器１１、Ｃの露光光学系１２およびＣの
現像器１３によってさらに第３の色信号に対応するシア
ン（Ｃ）のトナー像が重ね合わせて形成され、さらにそ
の上に黒色（Ｋ）のスコロトロン帯電器１１、露光光学
系１２および現像器１３によって第４の色信号に対応す
る黒色（Ｋ）のトナー像が順次重ね合わせて形成され、
感光体ドラム１０の１回転以内にその周面上にイエロー
（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）および黒色
（Ｋ）の４色の重ね合わせカラートナー像が形成される
（トナー像形成手段）。

【００３６】これらＹ，Ｍ，Ｃ及びＫの露光光学系１２
による感光体ドラム１０の感光層に対する画像書込み
は、ドラムの内部より前述した透明性の基体を通して行
われる。従って第２、第３および第４の色信号に対応す
る画像の書込みは何れも先に形成されたトナー像の影響
を全く受けることなく行われ、第１の色信号に対応する
画像と同等の静電潜像を形成することが可能となる。

【００３７】上記の画像形成プロセスによって像担持体
である感光体ドラム１０上に形成された裏面画像となる
重ね合わせカラートナー像は、転写域１４ｂにおいて、
中間転写体に転写する１次転写手段としての１次転写器
１４ｃによって中間転写ベルト１４ａ上に一括して転写
（１次転写Ａ）される（図３（Ａ））。この際、良好な
転写がなされるように、感光体ドラム１０の内部に設け
た転写同時露光器１２ｄによる一様露光が行われるよう
にしてもよい。

【００３８】転写後の感光体ドラム１０の周面上に残っ
たトナーは感光体ドラムＡＣ除電器１６により除電を受
けた後、像担持体クリーニング手段であるクリーニング
装置１９に至り、感光体ドラム１０に当接したゴム材か
ら成るクリーニングブレード１９ａによってクリーニン
グされ、スクリュー１９ｂによって不図示の排トナー容
器に回収される。また、感光体ドラム１０の周面は、例
えば発光ダイオードを用いた帯電前の一様露光器１２ｅ
による露光によって先の画像形成における感光体ドラム
１０の履歴が解消される。

【００３９】以上のようにして中間転写ベルト１４ａ上
に裏面画像となる重ね合わせカラートナー像が形成され
た後、感光体ドラム１０上には上記のカラー画像形成プ
ロセスと同様にして、引き続き表面画像となる重ね合わ
せカラートナー像が形成される（図３（Ｂ））。この
際、感光体ドラム１０上に形成される表面画像は、前記
感光体ドラム１０上に形成した裏面画像に対して鏡像と
なるように画像データが変更される。

【００４０】感光体ドラム１０上への表面画像形成にと
もなって転写材である記録紙Ｐが転写材収納手段である
給紙カセット１５より、送り出しローラ１５ａにより送
り出され、転写材供給手段としてのタイミングローラ１
５ｂへ搬送され、タイミングローラ１５ｂの駆動によっ
て、感光体ドラム１０上に形成される表面画像のカラー
トナー像と、中間転写ベルト１４ａに担持されている裏
面画像のカラートナー像との同期がとられて転写域１４
ｂへ給送される。この際、給送される記録紙Ｐは、記録
紙Ｐの表面側に設けられ、トナーと同極性の直流電圧を
印加した転写材帯電手段である紙帯電器１５０とベルト
を介して対向し交流電圧を印加した従動ローラ１４ｅと
によりトナーと同極性に一様に帯電され、中間転写ベル
ト１４ａに吸着されて転写域１４ｂへ搬送される。トナ
ーと同極性に紙帯電を行うことにより、中間転写ベルト
１４ａ上のトナー像や感光体ドラム１０上のトナー像と
引き合うことを防止して、トナー像の乱れを防止してい
る。

【００４１】転写域１４ｂではトナーと反対極性（本実
施形態においてはプラス極性）の直流電圧が印加された
１次転写器１４ｃによって感光体ドラム１０上の表面画
像が一括して記録紙Ｐの表面に転写（１次転写Ｂ）され
る。このとき、中間転写ベルト１４ａ上の裏面画像は記
録紙Ｐに転写されないで中間転写ベルト１４ａ上に存在
する。この際、良好な転写がなされるように、転写域１
４ｂと対向して感光体ドラム１０の内部に設けられた、
例えば発光ダイオードを用いた転写同時露光器１２ｄに
よる一様露光が行われるようにしてもよい。

【００４２】表面にカラートナー像が転写された記録紙
Ｐは、トナーと反対極性（本実施形態においてはプラス
極性）の直流電圧を印加した２次転写手段としての裏面
転写器１４ｇへと搬送され、裏面転写器１４ｇとベルト
背面に当接し従動回転する交流電圧を印加したバックア
ップ用のローラ１４ｊとにより、中間転写ベルト１４ａ
の背面は一様に帯電がなされて、ベルト周面上の裏面画
像が一括して記録紙Ｐの裏面に均一な状態で転写（２次
転写）される（図３（Ｃ））。

【００４３】両面にカラートナー像が転写された記録紙
Ｐは、中間転写ベルト１４ａの曲率部ＫＴの曲率と、中
間転写ベルト１４ａの端部に設けられる転写材分離手段
としての紙分離帯電器１４ｈと交流電圧を印加したバッ
クアップを兼ねた駆動ローラ１４ｄとによる均一な状態
での帯電微小化作用（除電）を受けて安定した状態で中
間転写ベルト１４ａと分離する。そののち、中間転写ベ
ルト１４ａと所定の間隔を空けて搬送部１６０に設けら
れた拍車１６２を通して定着手段としての定着装置１７
へと搬送され、第１定着ローラ１７ａと第２定着ローラ
１７ｂとの間のニップ部Ｔ間を搬送され、ニップ部Ｔで
熱と圧力とを加えられることにより記録紙Ｐ上のトナー
像が定着される。両面画像記録がなされた記録紙Ｐは表
裏を反転されて送られ、排紙ローラ１８により装置外部
のトレイヘ排出される。

【００４４】転写後の中間転写ベルト１４ａの周面に残
ったトナーは、中間転写ベルト１４ａを挟んでガイドロ
ーラ１４ｆに対向して設けられ、支軸１４２を回転支点
として中間転写ベルト１４ａに当接及び当接解除可能な
中間転写体クリーニングブレード１４１を有する中間転
写体クリーニング装置１４０によりクリーニングされ
る。

【００４５】また、転写後の感光体ドラム１０の周面上
に残ったトナーは、感光体ドラムＡＣ除電器１６により
除電を受けた後、クリーニング装置１９によりクリーニ
ングされ、帯電前の一様露光器１２ｅにより先の画像形
成における感光体ドラム１０の履歴が解消されて、次の
画像形成サイクルにはいる。

【００４６】上記の方法を用いることにより、重ね合わ
せカラートナー像を一括転写するので、中間転写ベルト
１４ａ上のカラー画像の色ズレやトナーの散りやこすれ
等が起こりにくく、画像劣化の少ない良好な両面カラー
画像形成がなされる。

【００４７】（実施の形態２）本発明は帯電方法に特徴
を有し、図１によって説明した画像形成装置に適用され
るものであるが、かかる帯電方法が適用される画像形成
装置の他の実施の形態について説明する。

【００４８】請求項５に記載の帯電方法が適用される両
面画像形成装置について図４の概要構成図によって説明
する。なお図１に示した実施の形態１におけると同一機
能をもった部材については一部同一の符号をもって表示
する。本例の画像形成装置では、図４に示すように裏面
画像となるトナー像（裏面トナー像）を形成する第１の
像担持体である感光体ドラム１０Ａと、表面画像となる
トナー像（表面トナー像）を形成する第２の像担持体で
ある感光体ドラム１０Ｂとをそれぞれ別々に設け、感光
体ドラム１０Ａに形成した裏面トナー像を、トナーと反
対極性（本実施形態においてはプラス極性）の４〜６ｋ
Ｖの電圧が印加される第１の１次転写手段である第１の
１次転写器１１４Ａにより高抵抗ベルトである中間転写
ベルト１１４ａ上に転写（第１の１次転写）した後、感
光体ドラム１０Ａと感光体ドラム１０Ｂとの間で中間転
写ベルト１１４ａ上に転写材である記録紙Ｐを供給し、
中間転写ベルト１１４ａを挟んで接地された交流電源Ｅ
₃（Ｖ_p-p＝０．５〜３ｋＶ，０．５〜５ｋＨｚ）により
交流電圧を印加した従動ローラ１４ｅと対向して設けら
れる紙帯電器１５０の帯電（トナーと同極性で３〜５ｋ
Ｖ印加）により、記録紙Ｐを背面が一様な帯電状態とな
った中間転写ベルト１１４ａに安定した状態で吸着させ
て搬送し、感光体ドラム１０Ｂ上に形成した表面トナー
像を、トナーと反対極性の（本実施形態においてはプラ
ス極性）の電圧が印加される第２の１次転写手段である
第２の１次転写器１１４Ｂによる４〜６ｋＶ印加により
記録紙Ｐの表面に転写（第２の１次転写）した後、中間
転写ベルト１１４ａ上の裏面トナー像を、トナーと反対
極性（本実施形態においてはプラス極性）の４〜６ｋＶ
の電圧が印加される２次転写手段である裏面転写器１４
ｇと交流電源Ｅ₃（Ｖ_p-p＝０．５〜３ｋＶ，０．５〜５
ｋＨｚ）により交流電圧を印加したバックアップ用のロ
ーラ１４ｊとにより均一な帯電状態となって記録紙Ｐの
裏面に転写（２次転写）して、記録紙Ｐ上に表裏のトナ
ー像を形成し、両面にカラートナー像が形成された記録
紙Ｐは、中間転写ベルト１１４ａの曲率部ＫＴの曲率
と、中間転写ベルト１１４ａの駆動ローラ１４ｄ（交流
電源Ｅ₃（Ｖ_p-p＝０．５〜３ｋＶ，０．５〜５ｋＨｚ）
により交流電圧が印加された）に対向する位置に設けら
れる転写分離手段としての紙分離帯電器１４ｈによるマ
イナス極性の４〜６ｋＶの直流電圧が印加されて、トナ
ーや記録紙の一部が除電される。すなわち安定した状態
での帯電微小化作用と、中間転写ベルト１１４ａと所定
の間隔を空けて搬送部１６０に設けられる分離爪２１０
とにより、中間転写ベルト１１４ａから分離し、搬送部
１６０に設けられた拍車部材である拍車１６２を通して
定着手段としての定着装置１７へと搬送し、第１定着ロ
ーラ１７ａと第２定着ローラ１７ｂとの間のニップ部Ｔ
で記録紙Ｐ上のトナー像を定着し、両面画像を得るよう
にするものである。

【００４９】本例の画像形成装置における感光体ドラム
１０Ａ，１０Ｂや中間転写ベルト１１４ａは、前記画像
形成装置にて説明して感光体ドラム１０や中間転写ベル
ト１４ａと同ような機能、構造のものが用いられる。中
間転写ベルト１１４ａは、それぞれローラ部材である駆
動ローラ１４ｄとローラ１４ｊと従動ローラ１４ｅとガ
イドローラ１４ｆとテンションローラ１４ｉとに内接し
て張架され、中間転写ベルト１１４ａを挟んでガイドロ
ーラ１４ｆに対向して中間転写体クリーニング装置１４
０が設けられ残留トナーのクリーニングが行われる。本
実施形態においてはクリーニングブレード１４１は常に
当接していて差支えない。

【００５０】また、駆動ローラ１４ｄとローラ１４ｊ及
び従動ローラ１４ｅとしては、周面を体積抵抗率が１０
⁸Ω・ｃｍ以上、１０¹²Ω・ｃｍ未満の１０〜１００μ
ｍ厚の抵抗体をコーティグした金属ローラが用いられ
る。コーティグした抵抗体により局部的に発生し易い短
絡電流を防止し、交流電圧印加により均一にコロナ放電
が行われ均一に帯電されることになる。

【００５１】裏面画像となるトナー像を第１の像担持体
である感光体ドラム１０Ａに形成するトナー像形成手段
（第１のトナー像形成手段）と表面画像となるトナー像
を第２の像担持体である感光体ドラム１０Ｂに形成する
トナー像形成手段（第２のトナー像形成手段）とには前
述した画像形成装置にて用いられた感光体ドラム１０と
同様な、イエロー（Ｙ），マゼンタ（Ｍ），シアン
（Ｃ）及び黒色（Ｋ）の画像形成プロセス用の４組の現
像器１３（現像手段）、スコロトロン帯電器１１（帯電
手段）、露光光学系１２（画像書込み手段）が感光体ド
ラム１０Ａ，１０Ｂに対してそれぞれに用いられ、裏面
画像のトナー像と表面画像のトナー像とをそれぞれ形成
する。

【００５２】本実施形態の両面画像形成装置は２つのト
ナー像形成手段として感光体ドラム１０Ａ，１０Ｂと、
感光体ドラム１０Ａに対向して設けた第１の１次転写器
１１４Ａと、感光体ドラム１０Ｂに対向して設けた第２
の１次転写器１１４Ｂとを設けることによって、感光体
ドラム１０Ａ上に形成した裏面画像を中間転写ベルト１
１４ａ上に転写（第１の１次転写）したのち、中間転写
ベルト１１４ａの１回転を待たないで引続いて感光体ド
ラム１０Ｂ上に形成した表面画像を記録紙Ｐの表面に転
写（第２の１次転写）するので、実施の形態１における
プリント速度（時間当たりのプリント枚数）に較べてさ
らに高速化が図られることとなる。

【００５３】本実施形態における第２の１次転写は、実
施の形態１における１次転写Ｂに該当し、また、本実施
形態における第１の１次転写は、実施の形態１における
１次転写Ａに該当する。本発明の帯電方法が適用される
画像形成装置は実施の形態１，２に限定されるものでは
なく図１にて説明したと同様のプロセスによるモノクロ
の両面画像形成装置にも適用されるものである。

【００５４】

【発明の効果】本発明によるときは、それぞれの帯電器
に対向する位置に、バックアップ用として周面を体積抵
抗率が１０⁸Ω・ｃｍ以上、１０¹²Ω・ｃｍ未満の抵抗
体をコーティグした金属ローラを設置し、このバックア
ップ用ローラに交流電圧を印加して帯電が行われる。従
って、コーティグした抵抗体により局部的に発生し易い
短絡電流を防止し、交流電圧印加により均一にコロナ放
電が行われ均一に帯電される。これにより、装置を複雑
な構成とすることなく安価にまた、ゴーストやトナー像
の乱れがなく高い転写率をもって形成された優れた両面
画像を記録することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態１の両面画像形成装置を示す断面構
成図である。

【図２】図１の像担持体の側断面図である。

【図３】実施の形態１のトナー像形成状態を示す図であ
る。

【図４】実施の形態２の両面画像形成装置を示す概要構
成図である。

【図５】両面画像形成装置の概要構成と転写プロセスの
説明図である。

【符号の説明】

１０，１０Ａ，１０Ｂ 感光体ドラム（像担持体） １１ スコロトロン帯電器（帯電手段） １２ 露光光学系（画像書込み手段） １３ 現像器 １４ａ，１１４ａ 中間転写ベルト（高抵抗ベルト） １４ｃ，１１４Ａ，１１４Ｂ １次転写器 １４ｄ 駆動ローラ １４ｅ 従動ローラ １４ｇ 裏面転写器 １４ｈ 紙分離帯電器 １４ｊ ローラ １７ 定着装置 １７ａ 第１定着ローラ １７ｂ 第２定着ローラ １５０ 紙帯電器 Ｅ₃， 交流電源

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永瀬 久喜 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 Ｆターム(参考） 2H003 BB13 CC01 2H032 AA02 AA15 BA09 BA23 BA28 BA30 DA12

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高抵抗ベルトの一方にコロナ帯電器、他
   方にバックアップ用のローラを配した画像形成装置にお
   いて、 転写材を前記ベルトに密着帯電を行う時、前記ローラに
   交流電圧を印加して帯電を行うことを特徴とする画像形
   成装置。
2. 【請求項２】 高抵抗ベルトの一方にコロナ帯電器、他
   方にバックアップ用のローラを配した画像形成装置にお
   いて、 前記ベルト上のトナー像を前記転写材へ転写を行う時、
   前記ローラに交流電圧を印加して帯電を行うことを特徴
   とする画像形成装置。
3. 【請求項３】 高抵抗ベルトの一方にコロナ帯電器、他
   方にバックアップ用のローラを配した画像形成装置にお
   いて、 前記ベルト上のトナー像を転写した転写材を分離する
   時、前記ローラに交流電圧を印加して帯電を行うことを
   特徴とする画像形成装置。
4. 【請求項４】 前記ローラ表面は高抵抗層を有している
   ことを特徴とする請求項１〜３の何れか１項に記載の画
   像形成装置。
5. 【請求項５】 高抵抗ベルトの一方よりコロナ放電を行
   う一方、対向して配置されたバックアップ用のローラに
   交流電圧を印加して均一な帯電を行うことを特徴とする
   帯電方法。
6. 【請求項６】 前記ローラ表面は高抵抗層を有している
   ことを特徴とする請求項５に記載の帯電方法。