JP3750180B2 - コンバインの車速制御装置 - Google Patents

コンバインの車速制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンバインの車速制御装置に関し、車速の上限値設定手段により設定された上限値を、走行レバーの減速操作により変更設定させる車速制御の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
農作業車における作業時に、油圧等による無段変速装置を走行レバーにより操作して車速の変速を行うと共に、ダイヤル等による車速上限設定手段により作業者が車速の上限値を設定することが可能なものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来技術においては、車速制御時に、圃場に部分的に倒伏した立毛穀稈が存在するため車速を減速させる必要があるとき等に、作業者が走行レバーを減速操作しても負荷が軽い場合では(例えばエンジン回転数が殆ど低下しない)、該設定手段により設定した上限値まで自動的に増速し、折角減速しても直ぐに元の上限値に復帰してしまうため、刈取作業が阻害されて円滑に作業を継続できないという難点があった。
【0004】
そこでこの発明は、車速上限設定手段により設定した上限値と減速時に変更設定する減速上限値とを、走行レバーの操作によって簡単容易に変更設定を可能とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、車台に設ける走行用のミッションケ−ス14の入力側に油圧駆動式の無段変速装置を連動連結し、該無段変速装置を変速させる走行レバ−を変速制御モ−タ15の駆動によって操作できるように構成するにあたり、レバー部(1b)とギヤ部(1a)とからなる走行レバー(1)をブレーキ用のライニング(1c)を介して支持軸(1d)に回動可能に軸承し、前記ギヤ部(1a)と変速制御モータ(15)の出力軸(15a)に安全用のカップリング(15b)を介して設けたギヤ部(15c)とを噛み合い連動させ、前記走行レバー(1)のギヤ部(1a)と無段変速装置(2)のトラニオン軸(2a)に軸止する変速アーム(2b)とを連結杆(16)によって連結して構成し、該走行レバ−の操作位置を検出するポジションセンサ17と、該走行レバ−の操作によって変速される車速の上限値を設定するダイヤル形式の車速上限設定手段と、エンジン18のスロットル20の開度位置を操作するスロットルモ−タ21と、エンジン18のスロットル20の開度位置を検出するスロットルポジションセンサ22と、エンジン18の出力回転数を検出するエンジン回転センサ23とを設け、車速制御装置24の入力側に、前記車速上限設定手段とポジションセンサ17とスロットルポジションセンサ22とエンジン回転センサ23と車速制御をONさせる車速制御スイッチ26とを接続すると共に、該車速制御装置24の出力側に、前記変速制御モ−タ15を駆動する増速側リレ−28a及び減速側リレ−28bとスロットルモ−タ21を駆動する開側リレ−29a及び閉側リレ−29bとを接続して、前記車速上限設定手段によって車速の上限値が設定され、車速制御スイッチ26がONしている車速制御中において、車速が前記車速上限設定手段(3)によって設定された上限値よりも遅い場合にはファジィ推論によって走行レバ−を設定された車速の上限値まで自動的に増速させる一方、車速が前記車速上限設定手段(3)によって設定された上限値よりも速い場合には前記走行レバー変速制御モータ(15)の許容範囲内での最高速回転によって減速操作して設定された上限値(a)まで速やかに減速させると共に、スロットルモ−タ21をファジィ推論によって作動させてエンジン18の回転数を予め設定した設定値に保持させるものとし、この車速制御中において、走行レバ−を減速側に操作すると、前記車速上限設定手段によって設定した車速の上限値よりもポジションセンサ17の検出値による車速の方が小さい場合には、該走行レバ−の減速操作位置を車速の減速上限値として前記車速上限設定手段によって設定していた上限値に代えて変更設定し、該減速上限値による車速制御中に走行レバ−を増速側へ操作した場合には該減速上限値をリセットして前記車速上限設定手段によって設定していた上限値に復帰させるものとしたことを特徴とするコンバインの車速制御装置の構成とする。
【0006】
上記の構成によれば、コンバイン作業時に、ダイヤル等の車速上限設定手段3によって車速の上限値aを設定し、この上限値aにより車速を制御して走行する際に、何等かの事由により減速する必要が生じたときは、走行レバー1によって油圧等による無段変速装置2を操作して減速させるが、この減速したときの車速を減速上限値bとして該設定手段3による設定上限値aに代えて変更設定し、この減速上限値bにより車速を制御して走行させる。なお、この減速上限値bによる走行時に、走行レバー1を増速操作したときは該減速上限値bから変更前の設定上限値aに復帰させる。
【0007】
【発明の効果】
この発明によると、車速が車速上限設定手段3によって設定した上限値aより遅いときは、ファジィ車速制御によりこの上限値aまで自動的に増速させると共に、車速がこの上限値aより速いときは、走行レバー1を変速制御モータ15により自動的に減速側へ操作させるが、この際に、該走行レバー1を操作する変速制御モータ15を、ファジィ車速制御時における該変速制御モータ15の許容範囲内での最高速回転とすることにより、設定上限値aまで速やかに減速させることができるから、作業性が著しく向上する。
また、車速上限設定手段3によって設定した車速の上限値aを、走行レバー1の減速操作により減速上限値bに変更設定して車速を減速制御し、次に走行レバー1を増速操作したときは、該変更前の設定上限値aに復帰させて車速の制御を行わせることにより、従来の如く、圃場に部分的に倒伏した立毛穀稈が存在するため車速を減速させる必要があるとき等、走行レバー1を減速操作したにも拘らず、負荷が軽い場合には該上限値aまで自動的に増速することにより、刈取作業が阻害されるということがなく、的確な車速制御により円滑に作業を継続しうる。また、車速制御中においてエンジンの回転数を設定値nに保持させることができるから、安定した性能により作業を継続することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施例を農作業車としてのコンバインについて図面に基づいて説明する。
【0009】
コンバインの車台4の下部側に地面を走行する左右一対の走行クローラ5を有する走行装置6を配置し、該車台4上に、フィードチェン7に挟持して供給される穀稈を脱穀し、この脱穀された穀粒を選別回収して一時収納する穀粒タンク8を備えた脱穀装置9を載置する。また、この脱穀装置9の前方側に立毛穀稈を分草し引き起こして刈り取ると共に、この刈り取った穀稈を後方側へ搬送して該フィードチェン7へ受渡しする刈取装置10を、地面に対して上下昇降自在となるよう該車台4の前端部へ装架する。また、該脱穀装置9の一側にコンバインの操作制御を行う操作装置11と、この操作のための操作席12とを設け、これらの走行装置6,脱穀装置9,刈取装置10,操作装置11等によってコンバインの車体13を構成する。
【0010】
前記車台4の前端部に変速機構を内装した走行用のミッションケース14を設け、図2に示す如く、このミッションケース14の入力側に油圧駆動により変速する無段変速装置2を連動連結して設けると共に、該操作装置11の一側に無段変速装置2を操作して車速を変速制御する、セクトギヤ部1aとレバー部1bとからなる走行レバー1をブレーキ用のライニング1cを介して支持軸1dに回動可能に軸承し、この走行レバー1のセクトギヤ部1aと、変速制御モータ15のモータ軸15aに安全用のカップリング15bを介して軸止するセクトギヤ部15cとを噛み合い連動させて構成する。
【0011】
該走行レバー1のセクトギヤ部1aと該無段変速装置2のトラニオン軸2aに軸止する変速アーム2bとを連結桿16によって連結して、該変速制御モータ15の駆動により走行レバー1を操作して無段変速装置2を変速させるよう構成すると共に、該走行レバー1の操作位置を検出するポジションセンサ17と、該走行レバー1による車速の上限値aを設定規制するダイヤル形式の車速上限設定手段3とを適宜位置に配設して構成する。
【0012】
前記操作席12の下方に車体13の各部へ動力を供給するエンジン18を搭載して設け、図3に示す如く、このエンジン18の一側に、燃料供給装置19とこの燃料供給装置19の燃料供給量を調節するスロットル20とを設け、このスロットル20をスロットルモータ21の駆動により開度位置を操作可能に連動連結させて設けると共に、このスロットル20の開度位置を検出するスロットルポジションセンサ22を適宜位置に配設して構成する。また、該エンジン18の適宜位置にその出力回転数を検出するエンジン回転センサ23を配設する。
【0013】
該操作装置11の近傍に、図1のブロック図に示す如く、中央に配したCPUにより車速の演算制御を行う車速制御装置24を設け、この車速制御装置24の入力側へ、入力インタフェース25を介して、前記車速上限設定手段3,ポジションセンサ17,スロットルポジションセンサ22,エンジン回転センサ23,車速制御をONさせる車速制御スイッチ26等を各々接続すると共に、その出力側へ、出力インタフェース27を介して、前記走行レバー1により無段変速装置2を変速させる変速制御モータ15を駆動する増速側リレー28aと減速側リレー28b,スロットル20を開閉させるスロットルモータ21を駆動する開側リレー29aと閉側リレー29b等を各々接続して構成する。
【0014】
エンジン18の起動により各走行装置6、脱穀装置9、刈取装置10等へ動力の伝達を行い、この伝達により該刈取装置10を土壌面に摺接させて立毛穀稈を刈り取り、刈り取った穀稈を該脱穀装置9へ搬送して脱穀処理を行うが、このようなコンバイン作業において、該エンジン18の出力回転数をエンジン回転センサ23によって検出し、予め設定されている設定値nになるようスロットルモータ21を作用させてスロットル20の開度位置を調節制御する。
【0015】
このような状態において、図1のフローチャートに示す如く、車速上限設定手段3により車速の上限値aが設定され、車速制御スイッチ26がONしている車速制御中に、走行レバー1を減速側へ操作したときは、車速の上限値aよりもポジションセンサ17の検出値による車速の方が小さいときには、走行レバー1による減速位置を車速の減速上限値bとして該上限値aに代えて変更設定する。この減速上限値bにより車速制御中に、走行レバー1を増速側へ操作したときは該減速上限値bをリセットし該上限値aに復帰させる。
【0016】
これらの情報により、作業負荷が軽いときは、走行レバー1により減速上限値bを設定し、この減速上限値bよりもポジションセンサ17の検出値による車速の方が小さいときには、走行レバー1を変速制御モータ15により自動的に増速側へ操作させると共に、作業負荷が重いときには、走行レバー1を変速制御モータ15により自動的に減速側へ操作させる。
【0017】
このように、該設定手段3による車速の設定上限値aによって車速を制御して作業を行っているときに、圃場に部分的に倒伏した立毛穀稈が存在するため車速を減速させる必要があるとき等には、走行レバー1を減速側に操作することにより、この減速位置を減速上限値bに変更設定して車速を減速制御することができるから、走行レバー1を減速操作したにも拘らず、負荷が軽い場合には該上限値aまで自動的に増速して刈取作業が阻害されるということがなく、的確な車速制御により円滑に作業を継続することができる。また、次に走行レバー1を増速側へ操作したときは、減速上限値bをリセットして変更前の設定上限値aに復帰して制御を行わせることができるから、車速の設定上限値aと減速上限値bとの変更設定を簡単容易に行うことができる。
【0018】
また、コンバインの作業時に、図4のフローチャートに示す如く、該設定手段3により車速の上限値aが設定され、車速制御スイッチ26がONしている車速制御中に、車速が設定上限値aより早いときは、走行レバー1を前記変速制御モータ15により自動的に減速側へ操作させると共に、車速が設定上限値aより遅いときは、ファジィ車速制御により車速の上限値aまで自動的に増速させる。このように、該設定手段3による設定上限値aを基準として、車速を自動的に減速又は増速させることができるから、作業性が向上する。
【0019】
また、図5のフローチャートに示す如く、車速制御中に、車速が設定上限値aより遅いときは、ファジィ車速制御により車速の上限値aまで自動的に増速させると共に、車速が設定上限値aより早いときは、走行レバー1を変速制御モータ15により自動的に減速側へ操作させる際に、走行レバー1を操作する変速制御モータ15による減速操作量を、ファジィ車速制御時における該モータ15の許容範囲内での最高速回転となるよう、図5に示す如きパルスによって出力させることにより、設定上限値aまで速やかに減速させることができるから、作業性が著しく向上する。
【0020】
また、図6のフローチャートに示す如く、車速制御中に、車速が設定上限値aより遅いときは、ファジィ車速制御により車速の上限値aまで自動的に増速させると共に、車速が設定上限値aより早いときは、走行レバー1を変速制御モータ15により自動的に減速側へ操作させる際に、前記スロットル20の開度を操作するスロットルモータ21の開度操作量を、ファジィ推論からスロットルポジションセンサ22の検出値によって開側又は閉側へ出力させることにより、該エンジン18の回転数を前記設定値nに保持させることができるから、安定した性能により作業を継続することができる。
【0021】
なお、前記無段変速装置2を走行レバー1により手動操作を行いうることは勿論であり、自動操作中に手動操作を優先させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車速の変速制御手順を示すフロ−チャ−トとその制御回路を示すブロック図。
【図2】 車速の変速制御機構を示す斜視図。
【図3】 エンジンの回転制御機構を示す側面図。
【図4】 車速の変速制御手順を示すフロ−チャ−ト。
【図5】 車速の変速制御手順を示すフロ−チャ−トと変速制御モ−タのパルス出力を示す線図。
【図6】 車速の変速制御手順を示すフロ−チャ−ト。
【図7】 コンバインの全体を示す側面図。
【符号の説明】
1 走行レバ−
1a ギヤ部(セクトギヤ部)
1b レバー部
1c ライニング
1d 支持軸
2 無段変速装置
2a トラニオン軸
2b 変速アーム
3 車速上限設定手段
4 車台
14 走行用のミッションケ−ス
15 変速制御モ−タ
15a 出力軸(モータ軸)
15b カップリング
15c ギヤ部(セクトギヤ部)
16 連結杆
17 ポジションセンサ
18 エンジン
20 スロットル
21 スロットルモ−タ
22 スロットルポジションセンサ
23 エンジン回転センサ
24 車速制御装置
26 車速制御スイッチ
28a 増速側リレ−
28b 減速側リレ−
29a 開側リレ−
29b 閉側リレ−
a 上限値
b 減速上限値
n 設定値

Claims (1)

  1. 車台に設ける走行用のミッションケ−ス14の入力側に油圧駆動式の無段変速装置を連動連結し、該無段変速装置を変速させる走行レバ−を変速制御モ−タ15の駆動によって操作できるように構成するにあたり、レバー部(1b)とギヤ部(1a)とからなる走行レバー(1)をブレーキ用のライニング(1c)を介して支持軸(1d)に回動可能に軸承し、前記ギヤ部(1a)と変速制御モータ(15)の出力軸(15a)に安全用のカップリング(15b)を介して設けたギヤ部(15c)とを噛み合い連動させ、前記走行レバー(1)のギヤ部(1a)と無段変速装置(2)のトラニオン軸(2a)に軸止する変速アーム(2b)とを連結杆(16)によって連結して構成し、該走行レバ−の操作位置を検出するポジションセンサ17と、該走行レバ−の操作によって変速される車速の上限値を設定するダイヤル形式の車速上限設定手段と、エンジン18のスロットル20の開度位置を操作するスロットルモ−タ21と、エンジン18のスロットル20の開度位置を検出するスロットルポジションセンサ22と、エンジン18の出力回転数を検出するエンジン回転センサ23とを設け、車速制御装置24の入力側に、前記車速上限設定手段とポジションセンサ17とスロットルポジションセンサ22とエンジン回転センサ23と車速制御をONさせる車速制御スイッチ26とを接続すると共に、該車速制御装置24の出力側に、前記変速制御モ−タ15を駆動する増速側リレ−28a及び減速側リレ−28bとスロットルモ−タ21を駆動する開側リレ−29a及び閉側リレ−29bとを接続して、前記車速上限設定手段によって車速の上限値が設定され、車速制御スイッチ26がONしている車速制御中において、車速が前記車速上限設定手段(3)によって設定された上限値よりも遅い場合にはファジィ推論によって走行レバ−を設定された車速の上限値まで自動的に増速させる一方、車速が前記車速上限設定手段(3)によって設定された上限値よりも速い場合には前記走行レバー変速制御モータ(15)の許容範囲内での最高速回転によって減速操作して設定された上限値(a)まで速やかに減速させると共に、スロットルモ−タ21をファジィ推論によって作動させてエンジン18の回転数を予め設定した設定値に保持させるものとし、この車速制御中において、走行レバ−を減速側に操作すると、前記車速上限設定手段によって設定した車速の上限値よりもポジションセンサ17の検出値による車速の方が小さい場合には、該走行レバ−の減速操作位置を車速の減速上限値として前記車速上限設定手段によって設定していた上限値に代えて変更設定し、該減速上限値による車速制御中に走行レバ−を増速側へ操作した場合には該減速上限値をリセットして前記車速上限設定手段によって設定していた上限値に復帰させるものとしたことを特徴とするコンバインの車速制御装置。
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