JP3750071B2 - 留め具 - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤハーネスなどの被取付け部材を車両ボデーなどの相手側部材に取付けるための留め具に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の留め具は、ワイヤハーネスなどを保持する基板に一対の係止脚が一体に形成されている。これらの係止脚を車両ボデーなどの取付け孔に一度挿入すれば簡単には外れず、前記基板に保持されたワイヤハーネスなどは車両ボデー側にしっかりと取付けられたこととなる。
ところで近年は資源のリサイクルが叫ばれており、車両においてもその解体時にはボデーのリサイクルはもちろんのこと、銅資源として有用なワイヤハーネスのリサイクルも重視されている。しかしワイヤハーネスは前記のように留め具によって車両ボデー側にしっかりと取付けられており、作業者がワイヤハーネスを引っ張った程度では取外すことができない。
【0003】
そこで例えば実開平4−95378号公報には、車両ボデーなどの取付け孔側にガイド片を設けておき、留め具を取外す必要が生じたときには留め具を周方向へ回転させ、前記係止脚が取付け孔を通過できるようにガイド片に当てて変形させる技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし取付け孔の側にガイド片を形成することは、それが車両ボデーなどの場合ではコスト面などにおいて現実的でない。またワイヤハーネスの留め具を周方向へ回転させるには、このワイヤハーネスの剛性が抵抗となって作業が困難である。
【0005】
本発明の目的は、使用中は充分な取付け力を有し、取外したいときは比較的小さな荷重を加えることで車両ボデーなどの相手側部材から簡単に外すことができる留め具を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、被取付け部材を保持可能な基板と一体に形成された係止脚を相手側部材の取付け孔に挿入して係止する構成の留め具であって、前記係止脚は、基板から突出した支柱と、この支柱の両側にそれぞれ形成され、個々の先端が前記基板に連結されている一対の係止片とを備え、前記支柱はその中間部においてロック部を有し、このロック部の結合によって両係止片は支柱の両側に張出した状態となり、この状態で両係止片が相手側部材の取付け孔を通過して該取付け孔の縁に係止するように設定され、前記支柱が所定以上の引っ張り荷重を受けてロック部の結合が外れることで、両係止片はほぼ真っ直ぐに伸びて両側への張出しが減少するようになっていることを特徴とする。
このように支柱のロック部を結合した状態で係止脚を相手側部材の取付け孔に挿入することにより、支柱の両側に張出した状態の両係止片が可撓性によって取付け孔を通過して孔縁に係止し、留め具が充分な保持力で相手側部材に取り付けられる。そして留め具を取外したいときは、留め具の基板を所定以上の荷重で引っ張ってロック部の結合を外すことにより、両係止片がほぼ真っ直ぐに伸びて両側への張出しが減少し、係止脚を相手側部材の取付け孔から容易に抜き取ることができる。したがって、この留め具によって例えばワイヤハーネスを取り付けた場合、車両の解体時には銅資源として有用なワイヤハーネスを簡単に取外してリサイクルが可能となる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明の留め具において、支柱のロック部がロック凹部と、このロック凹部に進入して結合されるロック凸部とによって構成されていることを特徴とする。
これにより前記ロック部の構造が簡単で、しかも結合解除のための荷重設定も容易となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
実施の形態1
図1はワイヤハーネス用の留め具を表した正面図、図2はその平面図、図3は側面図、図4は斜視図である。この留め具は、基板10のほぼ中間位置に対してスタビライザー12及び係止脚14が一体に形成された樹脂成形品である。この係止脚14はスタビライザー12の中心部分から突出した支柱18と、この支柱18の両側にそれぞれ張り出した一対の係止片16とを備えている。
【0009】
前記支柱18の中間部にはロック部20が形成されている。このロック部20は、例えば図1において上側に位置するロック凹部20aと下側に位置するロック凸部20bとによって構成され、ロック凹部20aにロック凸部20bが進入することでロック部20が結合されるようになっている。なお図1〜4ではロック部20の結合が外れた状態を示しているが、留め具として完成した状態(納品時の状態)では、ロック部20は前記ロック凹部20aにロック凸部20bが進入した結合態に保持されている。
【0010】
前記の両係止片16はそれぞれの外側面に複数段の係止爪16aを備えているとともに、両係止片16の先端部は可撓性を有する連結部16bによって前記基板10の側にそれぞれ連結されている。また両係止片16は、支柱18に対する結合側と基板10に対する結合側とのほぼ中間部分において可撓性を有する薄肉部16cをそれぞれ備えている。
【0011】
図5に前記支柱18のロック部20が結合される状態が示されている。まず図5(A)の矢印で示すように基板10と係止脚14とに対し、相互を圧縮する方向へ荷重を加える。これによってロック部20のロック凹部20aにロック凸部20bが進入し、図5(B)で示すようにロック部20が結合される。
【0012】
このロック部20を結合するための一手段としては、樹脂成形された後の留め具をその金型内に残し、この金型の可動部品を利用して基板10と係止脚14とに図5(A)の矢印方向の荷重を加える手段がある。これにより金型から取り出された留め具はロック部20が結合された完成品になっている。
【0013】
前記ロック部20の結合により、前記の両係止片16は図5(B)で示すように個々の薄肉部16cの箇所で外側に折れ曲がり、全体としては支柱18から両側に張出した状態となる。なおこの状態での薄肉部16cは係止片16の外側面から突出した形状となり、前記係止爪16aの一つとして機能する。
【0014】
前記留め具の使用にあたっては図6で示すように、まず前記基板10に被取付け部材であるワイヤハーネスWをテープなどで巻き付けて保持する。つぎに取付けの相手側部材である車両ボデー24の取付け孔26に前記係止脚14を挿入する。これによって前記の両係止片16が可撓性によって取付け孔26を通過し、多段状の係止爪16aの一つが取付け孔26の縁に係止する。したがってワイヤハーネスWは留め具により、車両ボデー24に取付けられた状態となる。
【0015】
つぎに車両の解体時にワイヤハーネスWをそのリサイクルのために車両ボデー24から取外す場合について図7により説明する。まずワイヤハーネスWを引っ張ることにより、前記基板10に図7(A)の矢印方向への荷重が加えられる。ここで所定以上の荷重が加えられると、前記ロック部20のロック凹部20aからロック凸部20bが抜けて相互の結合が外れる。
【0016】
この荷重は係止脚14の係止片16が破断されるときの荷重に比べれば、はるかに小さい値に設定されている。したがって比較的簡単にロック部20の結合を外すことができ、それと同時に両係止片16が前記連結部16bを通じて引っ張られる。この結果、図7(B)で示すように両係止片16はそれぞれの薄肉部16cの箇所が真っ直ぐに伸び、支柱18から両側への張出しが減少する。
【0017】
両側への張出しが小さくなった係止脚14は車両ボデー24の取付け孔26から簡単に抜け、ワイヤハーネスWを車両ボデー24から取外すことができる。そして取外されたワイヤハーネスWを加熱することにより、その被覆部及び留め具などは焼失され、銅線だけが残される。また車両ボデー24の側に留め具の係止脚14などが残ることもないので、車体のリサイクル処理にも都合がよい。
【0018】
実施の形態2
図8は実施の形態2における留め具を表した正面図、図9は同じく留め具の使用状態を表した正面図である。この留め具はそのロック部20が外れている図8の状態においても、係止脚14の両係止片16の先端部と基板10とを連結している連結部16eが、図1で示す留め具の連結部16bと異なり、両係止片16の先端部よりも両側へ大きく張り出している。そしてロック部20を結合した図9の状態での両連結部16eはそれぞれの二箇所で波形に屈曲し、支柱18に対して両係止片16を容易に弾性変形させ得るような余裕をもっている。
なお図8,9の留め具は両係止片16の係止爪16dがそれぞれ一つであり、またロック部20を構成するロック凹部20aとロック凸部20bとが実施の形態1の留め具とは上下逆の関係に設定されている。
【0019】
この実施の形態2では、図9で示す車両ボデー24の取付け孔26に係止脚14を挿入するとき、前記の両係止片16が前記連結部16eの形状に基づいて容易に撓んで取付け孔26を通過し、前記係止爪16dが取付け孔26の縁に係止する。したがって取付け孔26に対する係止脚14の挿入荷重が実施の形態1の場合と比較して小さくて済み、作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤハーネス用の留め具を表した正面図。
【図2】留め具の平面図。
【図3】留め具の側面図。
【図4】留め具の斜視図。
【図5】ロック部が結合される状態を表した説明図。
【図6】留め具の使用状態を表した正面図。
【図7】ロック部の結合が外される状態を表した説明図。
【図8】実施の形態2における留め具を表した正面図。
【図9】実施の形態2における留め具の使用状態を表した正面図。
【符号の説明】
10 基板
14 係止脚
16 係止片
18 支柱
20 ロック部
24 車両ボデー(相手側部材)
26 取付け孔
W ワイヤハーネス

Claims (2)

  1. 被取付け部材を保持可能な基板と一体に形成された係止脚を相手側部材の取付け孔に挿入して係止する構成の留め具であって、
    前記係止脚は、基板から突出した支柱と、この支柱の両側にそれぞれ形成され、個々の先端が前記基板に連結されている一対の係止片とを備え、前記支柱はその中間部においてロック部を有し、このロック部の結合によって両係止片は支柱の両側に張出した状態となり、この状態で両係止片が相手側部材の取付け孔を通過して該取付け孔の縁に係止するように設定され、前記支柱が所定以上の引っ張り荷重を受けてロック部の結合が外れることで、両係止片はほぼ真っ直ぐに伸びて両側への張出しが減少するようになっていることを特徴とした留め具。
  2. 請求項1記載の留め具において、支柱のロック部がロック凹部と、このロック凹部に進入して結合されるロック凸部とによって構成されていることを特徴とした留め具。
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