JP3749647B2 - 血中アンモニア低減剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カカオマス中に含まれるココア分を有効成分とする血中アンモニア低減剤、血中アンモニア低減効果を有する飲食品及び飼料に関する。
【0002】
【従来の技術】
我々が摂取した食物は、胃や小腸で消化酵素の働きによりアミノ酸や糖等の低分子に分解され、栄養分として腸管から吸収され、腸管で消化吸収されなかった残渣は大腸へ送られ、水分などが吸収された後、糞便として体外に排出される。大腸には腸内細菌が数多く存在しており、この腸内細菌の中でもウェルシュ菌や大腸菌に代表される有害菌は、残渣中の未消化のタンパク質類や脂質類を分解・発酵して、糞便の悪臭の原因となるアンモニア、アミン、メルカプタン、硫化水素、インドール、スカトール等の有害な腐敗産物(以下、腸内腐敗産物という。)を生成する。この腸内腐敗産物の一部は、腸壁から吸収されて血液中に入るが、通常は肝臓で解毒されたり、腎臓で尿と一緒に体外へ排泄されるため、人体に重大な影響を及ぼすことはない。
【0003】
しかし、肝臓や腎臓の機能の低下、先天的な疾患(高アンモニア血漿I、II型、先天性尿素サイクル酵素欠損症等)などにより、これらの腐敗産物が血中に蓄積すると、様々な悪影響を及ぼすことが知られている。例えば、血中のアンモニア濃度が高くなると、おう吐や発熱、重度の場合には肝性脳症になることが知られている。
【0004】
したがって、肝臓や腎臓の機能の低下した人や上記のような先天性疾患の患者において、腸内腐敗産物の生成を抑制することは、血中のアンモニア等の濃度を低く抑える上で重要である。
【0005】
従来、腸内腐敗産物の抑制には、(1)ネオマイシンやカナマイシン等抗生物質の投与によって、腸内で腐敗産物を生成している有害菌を死滅させる方法、(2)補助食品としてラクツロース等のオリゴ糖類(ビフィズスファクター)を併用することにより、ビフィズス菌、乳酸桿菌といった有用菌を腸内で最優勢にし、大腸菌やウェルシュ菌といった有害菌の増殖を抑えこみ結果的に腐敗産物の産成を抑制する方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記抗生物質の投与による方法は、腸内の有害菌のみならず、それ以外の有用菌をも死滅させるおそれがあり、また、抗生物質の多用により耐性菌が出現したり、腸内菌叢のバランスをくずし、免疫機能の低下をひき起こす欠点があることも報告されている。
【0007】
一方、上記オリゴ糖類(ビフィズスファクター)は、日常的に摂取する必要があるが、そのように日常的に摂取するものとしては、値段的に高いものが多い。
【0008】
したがって、本発明の目的は、血中アンモニア低減効果を有し、安全で、より安価な血中アンモニア低減剤を提供することにある
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ココアの生理機能の研究を行なう中で、意外にもカカオマス中に含まれるココア分が血中のアンモニア濃度を低下させる効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の一つは、カカオマス中に含まれるココア分を有効成分とする血中アンモニア低減剤を提供するものである。
【0011】
この場合、上記血中アンモニア低減剤としては、ココア及び/又はカカオマスを含有するものであることが好ましい。
【0014】
本発明の血中アンモニア低減剤によれば、カカオマス中に含まれるココア分を含有することにより、これを摂取することによって血中のアンモニア濃度が低減されるという効果がもたらされる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明において、ココア分とは、カカオマスからココアバターを除いた成分を意味し、主として、蛋白質、澱粉、食物繊維(水溶性難消化性多糖類、ヘミセルロース、セルロース、リグニン等)、リン脂質、無機質(リン、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛、銅、カリウム、ナトリウム等)、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE(各種トコフェロール等)、ナイアシン、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、タンニン(エピカテキン、カテキン、ケルセチン等のポリフェノール類)、無水カフェイン、テオブロミンなどを含有している。
【0017】
本発明において、カカオマス中に含まれるココア分の摂取による血中アンモニア低減効果の作用機序については十分明らかではないが、ココア分は様々な栄養成分や生理活性物質を含んでおり、これらの相乗的な効果により、アンモニア等の腸内腐敗産物の生成が抑制されることが考えられる。また、腸管からのアンモニア等の腸内腐敗産物の吸収を直接阻害していることも考えられる。
【0018】
本発明の血中アンモニア低減剤に用いられるココア分としては、好ましくは、例えばカカオマスからココアバターを搾油して得られるココアパウダーが用いられ、カカオマス自体を用いてもよい。
【0019】
本発明の血中アンモニア低減剤の形態は、特に限定されず、錠剤、粉末(顆粒)、カプセル剤、ドリンク剤等が挙げられる。したがって、カカオマスやココアパウダーを原料として製造される各種の飲食品、例えばココアドリンク、調整ココア、チョコレートなどとして本発明の血中アンモニア低減剤を摂取することもできる。
【0020】
さらには、普通の食事が摂取できない病態にある人、例えば頭部、顔面、口腔部損傷、意識障害、食欲不振等があって、かつ、消化器官はある程度正常な人などには、経腸栄養食品として摂取させてもよい。
【0021】
経腸栄養食品は、上記ココア分と、他の栄養源とを含有させたものからなる。この場合、他の栄養源としては、特に限定されないが、乳蛋白、大豆蛋白等の蛋白質、植物性油脂等の脂質、砂糖、デキストリン等の糖質、ビタミン類、ミネラル類などが好ましく用いられる。
【0022】
経腸栄養食品は、上記ココア分と他の栄養源とを、栄養所要量/日を目安にして配合し、そのまま混合粉末として、あるいは適当量の水等に溶解させることによって調製することができる。
【0023】
経腸栄養食品を摂取させる方法としては、例えば飲食が可能な人であれば経口的に摂取させ、飲食が不可能な人の場合には、チューブを使用して鼻などから、あるいは胃や腸に孔を開けて投与する方法(経管投与)が採用される。
【0024】
本発明の血中アンモニア低減効果を得るための上記ココア分の有効投与(摂取)量は、カカオマス換算で一日当り0.8〜40gである。
【0025】
本発明の血中アンモニア低減剤を飲食品として摂取する場合には、上記飲食品中に、上記ココア分(カカオマスからココアバターを除いた成分)が、固形分換算で0.1〜10質量%含有されていることが好ましい。
【0026】
また、本発明の血中アンモニア低減効果を有する飼料は、通常の飼料に上記ココア分を1〜15質量%添加することにより得ることができる。
【0027】
上記通常の飼料としては、特に制限はなく、犬、猫、ラット、マウス、ハムスター、ニワトリ、ブタ、牛などの飼料として市販されている各飼料や、通常飼料原料として用いられているものを適宜配合して調製したものを用いることができる。具体的には、例えば大豆粕、ホワイトフィッシュミール等の蛋白源、大豆油等の脂肪源、アルファルファミール等の繊維源、小麦、トウモロコシ、フスマ、胚芽、酵母、脱脂米糠、マイロ等の炭水化物源、ビタミンA、D3、E、B1、B2、B3、B12、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、葉酸、塩化コリン等のビタミン類、CaCO3、NaCl、FeSO4、MnCO3、CoSO4・7H2O等のミネラル類を含有するものが好ましく用いられる。
【0028】
また、上記ココア分の添加方法は、特に制限はなく、市販の飼料にふりかけたり、他の飼料原料と一緒に混合して粉末飼料としたり、ペレット状に加工したりしてもよい。
【0029】
【実施例】
実施例1(飼料の調製)
飼料「CE−2」(商品名、日本クレア製、以下同じ)に、ピュアココア(商品名:MORINAGA PURE COCOA、森永製菓(株)製)を12.5%添加した固形飼料を調製(日本クレアに依頼)した。なお、上記「CE−2」は、蛋白源として大豆粕、ホワイトフィッシュミール、脂肪源として大豆油、繊維源としてアルファルファミール、炭水化物源として小麦、トウモロコシ、フスマ、胚芽、酵母、脱脂米糠、マイロ、ビタミン類としてビタミンA、D3、E、B1、B2、B3、B12、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、葉酸、塩化コリン、ミネラル類としてCaCO3、NaCl、FeSO4、MnCO3、CoSO4・7H2Oを含有するものである。
【0030】
試験例1
Wister系雄ラット10匹(7週齢)を2群(各群5匹)に分け、試験期間中コントロール群には飼料として「CE−2」を、試験群には実施例1で得たココア分含有固形飼料をそれぞれ自由摂取させた。そして、上記飼料摂取させ始めてから3週間後に各群のラットの糞便を回収し、その便臭(アンモニア、メチルアミン)を北川式ガス検知管を使用して測定した。また、各群のラットから心臓採血を行い、血中(血清)のアンモニア濃度を測定した。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003749647
【0032】
表1から、ココア分を摂取させた試験群のラットの糞便中のアンモニア、メチルアミンの平均濃度は、コントロール群に比べて顕著に低いことが分かる。また、試験群のラットの血中の平均アンモニア濃度は、コントロール群に比べて有意(危険率5%以下)に低いことが分かる。
【0033】
以上の結果から、ココア分を摂取することにより、糞便中のアンモニア等の生成が抑制され、血中のアンモニア濃度が低減されると考えられる。また、原因は分からないが、個々の個体においては糞便中のアンモニア濃度と血中のアンモニア濃度には明確な相関関係は認められなかったことから、腸管からのアンモニアの吸収を直接阻害していることも考えられる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カカオマス中に含まれるココア分により、血中のアンモニア濃度が低減されるという効果がもたらされる。このため、本発明の血中アンモニア低減剤、日常的に摂取しても安全、かつ効果的に血中のアンモニア濃度を低減することができる。
【0035】
更には、人間以外の動物においても同様に、飼料にカカオマス中に含まれるココア分を添加することにより、その血中のアンモニア濃度を低減することができる。

Claims (2)

  1. カカオマス中に含まれるココア分を有効成分とする血中アンモニア低減剤。
  2. ココア及び/又はカカオマスを含有するものである請求項1記載の血中アンモニア低減剤。
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